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沖縄-辺野古-高江から-2021年9月7日

 子どもの貧困が、その国の実態を露わにする。
 「沖縄県の各部局長が参加し、子どもの貧困対策の施策を検証する沖縄県子どもの貧困対策推進会議(議長・玉城デニー知事)は6日、県庁内で2021年度第1回会議を開き、16年度に開始し、21年度が最終年度となっている子どもの貧困対策計画を総括する最終評価報告書案を示した。困窮世帯の割合は改善したものの、目標値の20%には届かず『改善状況は十分と言えない』とまとめた。今後の展開方向として、若年無業者やヤングケアラーなど、新たな課題への対応を挙げた。」、と琉球新報。
 できれば、沖縄の道が日本の当たり前になるような政策を。

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 何よりも、自らが沖縄から受け取るものを明確にするために。
 2021年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

(1)琉球新報-子どもの貧困「改善不十分」 沖縄県最終評価報告書案 目標値20%に届かず-2021年9月7日 06:40

 琉球新報は、表題について次のように報じた。

1.沖縄県の各部局長が参加し、子どもの貧困対策の施策を検証する沖縄県子どもの貧困対策推進会議(議長・玉城デニー知事)は6日、県庁内で2021年度第1回会議を開き、16年度に開始し、21年度が最終年度となっている子どもの貧困対策計画を総括する最終評価報告書案を示した。困窮世帯の割合は改善したものの、目標値の20%には届かず「改善状況は十分と言えない」とまとめた。今後の展開方向として、若年無業者やヤングケアラーなど、新たな課題への対応を挙げた。
2.県は16年1月、独自に算出した子どもの困窮世帯の割合を29・9%と発表した。その後は子どもの年代ごとに調査し、「小中学生」は18年度に25%、「高校生」は19年度に20・4%、「未就学児」は20年度に22%と発表していた。
3.最終報告書案は、計画で掲げた41指標の改善状況を示した。「放課後児童クラブ平均月額利用料」(1万115円から9239円に低減)、「生活保護世帯の子どもの大学進学率」(30・8%から40・6%に上昇)など11指標を「達成」と判断した。目標未達成だが「改善」と判断したのは26指標。「達成」と「改善」で指標全体の約90%を占めた。
4.高校卒業後の進路未決定率は全国平均並みを目指したが、改善せず「横ばい」とした。「高校中退率」「不登校生の相談割合(高校)」「就学援助世帯の児童の虫歯の未受診者割合」の3指標は「後退」と判断した。
5.最終評価報告書案は10月に開催予定の有識者会議に諮った後、最終決定する。報告書を踏まえ、21年度中に第2次計画を策定する予定だ。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1388459.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=top_kennai 参照 2021年9月7日)

(2)琉球新報-軍用地51ヘクタール先行取得 県と5市町村 一括交付金286億活用(梅田正覚)-2021年9月7日 06:20

 琉球新報は、表題について次のように報じた。

1.跡地利用推進特別措置法(跡地法)に基づき、一括交付金を活用した米軍用地の先行取得事業で、県を含めた県内6自治体が2012~20年度の9年間に286億円を費やし、合計51・1ヘクタールの土地を取得したことが6日までに分かった。一方、21年度末に76・9ヘクタールを目標としていたものの、達成率は66・4%にとどまっている。跡地法や一括交付金制度の期限が21年度末に迫る中、各自治体からは制度延長を求める声が上がっている。
(9年間で目標の66%)
2.先行取得制度を活用した取得面積などは、琉球新報が各自治体に聞き取り調査を実施してまとめた。制度の対象は米軍普天間飛行場などの施設で、各自治体は21年度も計5・4ヘクタールの取得を計画している。計画通りに取得が進むと、取得面積56・6ヘクタール、目標達成率73・4%となる見通しだ。
3.ただ、地権者が自治体に用地を売却する際、最大5千万円の税控除が受けられる制度などを定めた跡地法の適用期限が21年度末で切れる。用地確保や地権者の合意形成が遅れ、開発に長期間を要した那覇新都心の事例もあり、公共用地の先行取得は返還を控える自治体にとって喫緊の課題だ。
4.跡地利用に詳しい沖縄持続的発展研究所の真喜屋美樹所長は「自治体の財政規模や用途の違いもあるので必要面積の目安は設定しづらいが、公共用地の先行取得は必須だ。だが県内自治体の財政力では難しいため、制度の延長が必要だ」と指摘した。県は国に対し制度延長を求め、内閣府は22年度の概算要求に両制度の延長を要望している。
5.宜野湾市は一括交付金創設前に11年間かけて、市単独予算で普天間飛行場の先行取得を進めた。ただ財源面で課題があり、約2・2ヘクタール(契約額約8億2100万円)にとどまっていた。一括交付金創設後の12年度からは約38・5億円を費やし、7・5ヘクタール取得している。
6.一方、周辺の環境変化により、支障が生じている例もある。「24年度またはその後」の返還が予定されるキャンプ瑞慶覧ロウワー・プラザ住宅地区の先行取得を目指す沖縄市は、20年度末までに目標1・7ヘクタールに対して0・6ヘクタールの取得にとどまっている。市担当者は「軍用地料が上がり続けていることや周辺にショッピングモールが建設され、街並みの変化や地価が上がったことが影響してか、売却の申し込みが少ない」と話した。
7.真喜屋所長は「県内自治体の財政力では一括交付金があっても十分な面積を確保できるかは分からない。国費による用地取得の支援や国有地の払い下げも実施するべきだ」と指摘した。(梅田正覚)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1388417.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=top_kennai 参照 2021年9月7日)

(3)沖縄タイムス-障がい児手当 地域差 受給可否に不公平も 1万人当たり沖縄最多-2021年9月7日 05:00

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。

1.20歳未満の障害児がいる保護者に支給される国の「特別児童扶養手当」を巡り、判定事務を担う都道府県や政令指定都市の間で人口当たりの支給対象児童数に最大で5倍の差があることが6日、分かった。受給できる障害の程度に関する説明が自治体によって異なっており、同じ状態の障害でも申請の有無や受給の可否に不公平が生じているとみられる。申請件数自体も人口当たりで5倍の開きがある。
2.さらに判定医が書類だけを見て1人で審査するため、結果にもばらつきがある可能性が高い。厚生労働省も問題視しており、研究班で実態を調査。対策を検討している。同手当を巡っては申請を却下される件数が過去10年で3倍近く増えたことも分かっており、「共生社会」がうたわれる中、客観的な判定方法や説明責任が求められそうだ。
3.同手当の支給状況をまとめた厚労省の統計「福祉行政報告例」で最新の2019年度データを共同通信が分析。国勢調査(15年)の20歳未満人口当たりの支給対象児童数や申請件数を自治体ごとに計算した。
4.1万人当たりの対象児童数は全国平均で121人。最多は沖縄県の269人で、最も少ない東京都(53人)とは5・1倍の開きがあった。20ある政令市では、浜松市が193人で最も多く、最少のさいたま市(67人)と2・9倍の差だった。
5.申請件数も、1万人当たり40件の大阪市と8件の東京都で5倍の差。知的障害の「療育手帳」で最も軽い第4段階の児童について、東京都は支給対象の目安に含めていない。他自治体の多くは受け付けており、都では軽度の知的障害児の多くが門前払いされているとみられる。軽度の身体障害でも同様に説明不十分な点がある。
6.東京都は判定医の審査で却下する割合も高い。各自治体とも「審査は基準に沿って適切に行われている」とする一方、「厳しさに個人差がある」との声が聞かれる。同手当には所得制限があるため、所得の状況が影響している可能性もある。
7.厚労省は、保護者が申請時に提出する診断書の様式を一部見直して判定のばらつきをなくしたい考えだ。
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/826849 参照 2021年9月7日)

(4)沖縄タイムス-[大弦小弦]ヤングケアラーの悲痛な叫び(儀間多美子)-2021年9月7日 07:22

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。

1.かつて母の日に「お手伝い券」をあげたことがある。皿洗いや肩たたきなど、やってほしいときは使ってねと。笑って受け取った母が使った記憶はない。こちらもあくまで手伝ってあげる、との認識だった
2.家事や洗濯、家族の世話。本来は親がすべきことが自分の「仕事」となり、遊びや学びに費やすはずの大切な時間を奪われる子がいる。本紙連載「ヤングケアラー 介護する子たち」に胸が痛む
3.「奴隷のような扱いと感じた」「家で勉強できず苦しかった」「自分の夢も進学も諦めた」。沖縄キリスト教学院大学准教授らによる調査や寄せられた体験談から、悲痛な叫びが聞こえてくる
4.心身に病を抱える親に代わり、子が家族を世話せざるを得ないケースは起こり得る。だが自らの状況を理解し、生まれ育った家の窮状を子が訴えるのは難しい。ヤングケアラーは「見ようとしないと見えず、見ようとしても見えにくい存在」とされる理由だ
5.調査では必要な支援について「不満を聞いてくれるだけでいい」「もう慣れた」と半ば諦めの声もあった。「自分の立場に名前が付き、支援対象になるとは」と驚く当事者もいるという
6.一人でもがき苦しむ子を救おうと、埼玉や三重、岡山などでは条例制定や支援計画、調査の動きもある。県内でも早急な公的支援が必要だ。(儀間多美子)
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/826853 参照 2021年9月7日)

(5)沖縄タイムス-米軍機の離着陸回数、7月は前年比で4割減る 外来機は3割増 米軍普天間飛行場で-2021年9月7日 13:00

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。

1.米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で7月の1カ月間に米軍機が離着陸した回数(タッチ・アンド・ゴーや通過、旋回含む)は673回で、前年同月比で44%(521回)減った。そのうち、普天間飛行場に所属しない外来機の離着陸は32%増の220回だった。
2.沖縄防衛局が目視調査の結果をまとめた。
3.外来機の中でも騒音の激しい最新鋭ステルス戦闘機F35とF15戦闘機は計37回。普天間飛行場に所属しないMV22オスプレイの離着陸は昨年12月から続いており、7月は8回あった。
4.普天間の常駐機は、機種別にみると最多がCH53大型輸送ヘリで、前年同月比29%増の187回。オスプレイは76%減の109回。
5.時間帯別では、日米の騒音防止協定で飛行が制限されている深夜早朝(午後10時~翌午前6時)の離着陸がほぼ半減し26回だった。
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/826873 参照 2021年9月7日)

(6)沖縄タイムス-「毎日会えば人情も生まれる」と手を振り合う 辺野古で抗議する市民 埋め立て土砂を運ぶ運転手-2021年9月7日 10:06

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。

1.埋め立て土砂を搬入するトラックに市民が手を振り運転手は手をかざし返す-。沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する市民が座り込む米軍キャンプ・シュワブのゲート前で小さな変化が生まれている。市民は「彼らも仕事をしている」、運転手は「毎日顔を合わせれば人情も生まれる」と話している。
2.6日、同ゲートでは午前9時すぎから土砂を積んだトラックが基地内へ。集まった20人近くの市民は「違法工事を止めろ」「民意は反対だ」と抗議の声を上げたが、機動隊による排除で現場が混乱をする前に自らゲート前から移動をした。
3.しばらくしてトラックが基地から出て来るころ、市民の一部が運転手に手を振ると、市民の方向を見ながら運転手も手をかざして走り去る様子が多く見られた。市民の1人は「手を振り返してくれる人が出てきたのは昨年ごろから。彼らも仕事として土砂を運んでいるが、全員が埋め立てに賛成しているとは限らない」と話した。
4.30代の運転手は市民と毎日顔を合わせるうちに「ちょっとした敬意」で手を振るようになったという。「それぞれ立場が違うかもしれないが、同じ沖縄の人でぎくしゃくするのもよくない」と強調。「自分は家族を養うため、生活のために土砂は運ばなければならない」と話しながら「毎日、会っていたら人情も生まれてくる」と市民の訴えに一定の理解を示した。
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/826863 参照 2021年9月7日)

(7)琉球新報-子どもの貧困「改善不十分」 沖縄県最終評価報告書案 目標値20%に届かず-2021年9月7日 06:40

 琉球新報は、表題について次のように報じた。

1.沖縄県の各部局長が参加し、子どもの貧困対策の施策を検証する沖縄県子どもの貧困対策推進会議(議長・玉城デニー知事)は6日、県庁内で2021年度第1回会議を開き、16年度に開始し、21年度が最終年度となっている子どもの貧困対策計画を総括する最終評価報告書案を示した。困窮世帯の割合は改善したものの、目標値の20%には届かず「改善状況は十分と言えない」とまとめた。今後の展開方向として、若年無業者やヤングケアラーなど、新たな課題への対応を挙げた。
2.県は16年1月、独自に算出した子どもの困窮世帯の割合を29・9%と発表した。その後は子どもの年代ごとに調査し、「小中学生」は18年度に25%、「高校生」は19年度に20・4%、「未就学児」は20年度に22%と発表していた。
3.最終報告書案は、計画で掲げた41指標の改善状況を示した。「放課後児童クラブ平均月額利用料」(1万115円から9239円に低減)、「生活保護世帯の子どもの大学進学率」(30・8%から40・6%に上昇)など11指標を「達成」と判断した。目標未達成だが「改善」と判断したのは26指標。「達成」と「改善」で指標全体の約90%を占めた。
4.高校卒業後の進路未決定率は全国平均並みを目指したが、改善せず「横ばい」とした。「高校中退率」「不登校生の相談割合(高校)」「就学援助世帯の児童の虫歯の未受診者割合」の3指標は「後退」と判断した。
5.最終評価報告書案は10月に開催予定の有識者会議に諮った後、最終決定する。報告書を踏まえ、21年度中に第2次計画を策定する予定だ。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1388459.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=carousel 参照 2021年9月7日)

(8)琉球新報-有害PFAS、全国の自衛隊基地の水槽も調査へ 岸防衛相「那覇の事例踏まえる」-2021年9月7日 13:01

 琉球新報は、表題について次のように報じた。

1.【東京】岸信夫防衛相は7日午前の会見で、航空自衛隊那覇基地で消火設備の水槽から有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOSとPFOAが高濃度で検出されたことを受け、同様の設備を持つ全国の自衛隊基地で水槽の水質調査を行う考えを示した。岸氏は「那覇基地の事例を踏まえ、PFOS等の混入に対して適切な措置がしっかりなされるよう検討する」と述べた。
2.調査は陸上、海上、航空の3自衛隊施設を対象とする見込み。防衛省は施設の数や実施時期は現在検討中としている。
3.空自那覇基地は3日、本来真水が入っているはずの2カ所の泡消火専用水槽からPFOSとPFOAが1リットル当たりの合計が46万3400ナノグラムと、1万4540ナノグラムを検出したと発表した。国の暫定指針値(両物質の合計が水1リットル当たり50ナノグラム)を大きく上回り、最大約9200倍に当たる。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1388654.html?utm_source=ryukyushinpo&utm_medium=referral&utm_campaign=top_kennai 参照 2021年9月7日)

(9)琉球新報-PFOS「米軍の責任で焼却処分を」 沖縄県が外務省事務所に要請-2021年9月7日 13:12

 琉球新報は、表題について次のように報じた。

1.在沖米海兵隊が普天間飛行場に貯蔵するPFOS(ピーフォス)など有機フッ素化合物を含む汚染水を処理して放出した問題で、県の溜政仁基地対策統括監は6日、那覇市の外務省沖縄事務所を訪れ、含有水を米軍施設外に放出せず、米軍の責任で焼却処理することなどを求めた。
2.県の要請文はPFOSなどを含む水の公共下水道放出が「海域などへ拡散され、生物などへの蓄積が懸念される」と指摘。(1)PFOSなどの保管状況の把握と、管理・処理計画作成・公表(2)在沖米軍施設の泡消火剤のPFOSなどを含まない製品への切り替え(3)普天間、嘉手納両飛行場への立ち入り調査―を求めた。
3.同事務所では梶田拓磨副所長が対応し、要請は冒頭を除いて非公開で行われた。要請後に取材に応じた溜統括監によると、外務省側は「処理水について、環境省を中心に取り扱いの協議をしている。連絡を密にし、できるだけ早めに対策を講じたい」と県の要請に応じたという。
(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1388656.html 参照 2021年9月7日)


# by asyagi-df-2014 | 2021-09-07 14:59 | 沖縄から | Comments(0)

日本国憲法で定める政教分離。

 東京新聞は2021年8月30日、「各地の護国神社、7県が公務出席 例大祭に知事ら、玉串も」(共同通信)、と次のように報じた。

1.各地方の戦没者らを祭る護国神社がある道府県のうち、富山、石川、静岡、鳥取、島根、広島、山口の7県の知事や職員が、過去5年間に地元の護国神社の例大祭に公務として出席していたことが30日、分かった。いずれも出席時に玉串拝礼などを行っていた。憲法が定める「政教分離の原則」の観点から議論を呼びそうだ。
2.日本基督教団の関係者ら有志でつくる「靖国・天皇制問題情報センター」が今年5~7月、東京都を除く46道府県を対象にアンケートを実施。2016~20年度に一度でも例大祭に出席したかどうか、出席時の行為などを尋ねた。40道府県から回答を得た。
(https://www.tokyo-np.co.jp/article/127806 参照 2021年8月31日)

 このことに関して、信濃毎日新聞(以下、「信毎」)は、その社説を、「憲法が定める厳格な政教分離をゆるがせにする行為である。公権力の姿勢にあらためて厳しい目を向けなくてはならない。」、と始める。
 どういうことなのか。
 「信毎」の社説(「護国神社参列 政教分離の逸脱許されず」-2021年8月31日)で、この問題を押さえる。
 「信毎」の指摘は次のもの。
1.靖国神社と同じく、戦死者を天皇に忠義を尽くした「英霊」として祭るのが護国神社だ。長野県を含む45道府県にある。長野県の阿部守一知事は公務としては参列していないが、神社を支える崇敬者会の会長を昨年まで務め、例大祭に出席していた。
2.神道は戦前、事実上の国教と位置づけられ、天皇を頂点に置く支配体制を権威づけるものとして利用された。国家と強く結びついた「国家神道」はまた、軍国主義の精神的な支えとなり、戦争に国民を駆り立てる役割を担った。その中核にあったのが、靖国神社と護国神社である。
 「信毎」は、公務で護国神社の例大祭に参列するということの意味について、「公権力と宗教を徹底して切り離すことを定めた憲法の条文には、歴史への痛切な反省が刻まれている。公権力の担い手として憲法を尊重擁護する立場にありながら、そのことへの思慮を欠き、政教分離をないがしろにする振る舞いを見過ごすわけにいかない。」、と断じるのである。
ここで、「信毎」は、その根拠を明確にする。
1.公務で参列した7県は、「社会的儀礼の範囲内」「宗教的な意図や目的を持つものではない」などと説明している。しかし、神道の祭式にのっとって神社の境内で行われる例大祭が宗教行事であることは明らかだ。
2.最高裁は1997年、愛媛玉串料訴訟の判決で、靖国神社や護国神社に愛媛県が公費で玉串料などを支出したことを違憲と断じた。戦没者の慰霊や遺族の慰謝のために関わりを持つのは当然だとする県側の主張を退け、特定の宗教と関わる形でなくても慰霊や慰謝はできると述べている。
3.知事らが例大祭に公務で参列し、玉串をささげることは、この判決に照らしても違憲と見るほかない。社会的儀礼だとする言い分は成り立たなくなっている。護国神社との関わりを自治体は明確に断つ必要がある。
4.長野県では、阿部知事以外にも歴代の知事が崇敬者会の会長を務めてきた。市町村長が護国神社や招魂社の例大祭に公務で出席したり、公費を支出したりしていたことも分かっている。政教分離を定めた憲法の条文が持つ意味を再確認しなければならない。
(https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021083100135 参照 2021年8月31日)

 1997 年4月2日の愛媛玉串料訴訟最高裁大法廷判決は、政教分離原則に関しての違憲判断を下した。
このことの意味をきちんと継承しなけねばならない。


# by asyagi-df-2014 | 2021-09-07 07:07 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄-辺野古-高江から-2021年9月6日

 沖縄タイムスの[想い風]は、「米軍がアフガニスタンを攻撃した20年前、私には『ノー』と言う勇気がなかった。なぜあの時、他の選択肢を勧めることができなかったのか。」、と始められる。
 平安名純代・沖縄タイムス米国特約記者のこの記事は、「米国の判断は世界に影響する。米軍はアフガンから撤退したが、沖縄には残ったままだ。外交力よりも軍事力を優先する構造を変えない限り、戦争は形を変え続いていく。アフガン戦争は、平和を勝ち取るのは武力ではないと伝えている。教え子を戦争に行かせない。軍事行動を支持する政治家に投票しない。ノーと言う勇気を行動で示していきたい。」、と締められる。

 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 何よりも、自らが沖縄から受け取るものを明確にするために。
 2021年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

(1)沖縄タイムス-[米中最前線 迫る台湾有事](1)台湾有事なら「連戦連敗」 米軍のシミュレーション 基地ある日本も危機ワシントン共同=田中光也-2021年9月6日 09:55

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。

1.20XX年X月X日、中国本土から大量の弾道ミサイルがごう音とともに発射された。降り注ぐミサイルに台湾軍は瞬く間に壊滅し、標的にされた在日米軍も深刻な打撃を受けた-。「連戦連敗」。米軍関係者によると、数年前から米軍の台湾有事シミュレーションで続く結果だ。台湾は与那国島からわずか約110キロ。米軍基地を抱える日本にとって、台湾有事は即座に武力攻撃事態になりかねない危機をはらんでいる。
(「惨めな失敗」)
2.「負け続けているだけでなく、負け方が速くなっている」(2月、空軍副参謀長ハイノート)、「大げさでなく惨めな失敗だ」(7月、統合参謀本部副議長ハイテン)。
3.沖縄県の空軍嘉手納基地、山口県の海兵隊岩国基地などの戦闘機は破壊され、滑走路も使用不能に。神奈川県・横須賀が拠点の第7艦隊の空母打撃群なども例外ではない-。シミュレーション結果への米軍幹部の危機感は強い。
4.中国は、西太平洋で米軍の「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略を取り、失効した米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約に米国が縛られている間に中距離ミサイルを大量配備してきた。
5.米シンクタンク、ランド研究所でシミュレーションに協力する元国防総省高官デービッド・オクマネクは「米軍の制空権阻止や前方展開能力奪取が目的だ」と解説する。
(流れ変える鍵)
6.台湾侵攻は「6年以内」(米インド太平洋軍前司令官デービッドソン)との見方も出る中、米軍も対応を急ぐ。「昨年のシミュレーションでは、青チーム(米軍)の戦力配置を見た赤チーム(中国軍)に台湾侵攻を思いとどまらせた」。ハイノートは連敗の流れは変わりつつあるとも指摘する。
7.鍵は、中国のミサイル射程圏外から中国軍の強襲揚陸艦などを攻撃する大量の長距離対艦ミサイルや長距離爆撃機、敵の位置を正確に伝える大量のドローンに加え、米軍の戦力分散だという。
8.中国が「核心的利益」とする台湾への介入方針を米軍が打ち出せば緊迫は不可避。統合参謀本部議長特別補佐官を務めたランド研究所のマイケル・メイザーは「中国を追い込むのは避ける必要がある」と警鐘を鳴らす。
(基地使用許可)
9.攻撃されれば米国は反撃に向け、在日米軍基地からの直接行動のために、これまでに一度も例のない日米安保条約第6条に基づく事前協議を日本側に申し入れる可能性が高い。オクマネクは「日本に共に戦うのを求めるのは非現実的だ。主に中国攻撃のため在日米軍基地の使用許可を求めるだろう」と分析する。
10.在日米軍基地の使用許可により米中の紛争に巻き込まれるのか、後方支援にとどまることで直接戦闘は回避できるのか。日本の命運についてメイザーは「どちらも想定できる。判断は難しい」と語った。(敬称略、ワシントン共同=田中光也)
11.中国が台湾への軍事圧力を強め、米中の緊張が高まっている。有事に日本はどう対処するのか。それぞれの思惑を追う。
12.[ことば]米国の台湾政策:米国は1979年に中国と国交を樹立して台湾(中華民国)と断交した。同年成立の台湾関係法に基づき、台湾が自衛のために必要とする武器供与や防衛支援を約束しつつ、歴代米政権は中国が台湾を武力侵攻した際にどう対応するかを明確にしない「あいまい戦略」を取ってきた。中国が台湾への軍事圧力を強める中、米国では最近、台湾を守る意思を明確化すべきだとの意見が台頭しているが、中国を刺激して軍事行動を誘発しかねないとして慎重意見も根強い。
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/826320 参照 2021年9月6日)

(2)沖縄タイムス-アフガン戦争の20年が伝えていること 示したい「ノー」と言う勇気(平安名純代・米国特約記者)-2021年9月6日 09:42-[想い風]

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。

1.米軍がアフガニスタンを攻撃した20年前、私には「ノー」と言う勇気がなかった。なぜあの時、他の選択肢を勧めることができなかったのか。
2.うだるように暑い土曜の昼下がり、リンカーン記念堂前に「ノーという勇気を」の手書きのメッセージを持って立っていた女性に話を聞いた。軍隊に入隊したいと相談してきた教え子がアフガニスタンで命を落とし、「戦争」が初めて自分の現実となった。毎年8月になるとワシントンを訪れ、命を犠牲にせずに国を守る方法を考えようと自分の経験を伝えているという。
3.太陽の厳しい日差しが続くワシントンでは、アフガン撤退を巡る議論が尽きない。その傍らで、戦争以外の道はなかったのかを自問する市民もいる。
4.心地よい風が吹く日曜の朝、ホワイトハウス前で「憎しみは米国を偉大にしない」との手書きのメッセージを持って立っている男性がいた。「私たちがベトナムから帰ってきた時、二度と泥沼の戦争を繰り返すまいと人々は誓ったが、豊かさを追い求める生活の中で忘れていった」と話す。
5.変化は、米軍内部でも起きているようだ。カブールの空港近くで米兵13人が犠牲になった夜、ある海兵隊中佐はソーシャルメディアに米軍幹部らを批判する映像を投稿し、賛否両論を巻き起こした。
6.責任を問われる立場にいた元米軍幹部は、非難の矛先を政治に向ける。「タリバンじゃない。我々は自分自身に負けたんだ」。元陸軍中将でトランプ前政権の大統領補佐官を務めたマクマスター氏は、アフガン陥落の原因は、トランプ政権が昨年2月にタリバンと結んだ「降伏合意」にあると批判する。
7.同合意により、タリバンの元囚人約5千人は釈放された。しかしタリバンは、釈放の条件だったアフガン政権との対話には応じず、釈放された元囚人らは再び戦闘に加わり、勢力を拡大させていった。
8.当事者を交渉から排除した和平合意は、アフガンの人々の主権を奪うものだったが、米国は意に介さなかった。バイデン氏も再交渉を望んだアフガン政権を蚊帳の外に置いたまま、米軍撤退を進めていった。
9.アフガン戦争に関わった米大統領は共和党が2人、民主党が2人。責任は、歴代政権の決定を支持してきた米市民にもある。
10.米国の判断は世界に影響する。米軍はアフガンから撤退したが、沖縄には残ったままだ。外交力よりも軍事力を優先する構造を変えない限り、戦争は形を変え続いていく。アフガン戦争は、平和を勝ち取るのは武力ではないと伝えている。教え子を戦争に行かせない。軍事行動を支持する政治家に投票しない。ノーと言う勇気を行動で示していきたい。(平安名純代・米国特約記者)
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/826330 参照 2021年9月6日)


# by asyagi-df-2014 | 2021-09-06 15:26 | 沖縄から | Comments(0)

管首相が辞意を表明したこと。

 管首相が辞意を表明した。
 このことを取りあげるつもりはなかったのだが、沖縄タイムスの「白旗」との表現に思わず頷いてしまった。
 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2021年9月4日、「[菅首相辞意表明] 有権者に見放され白旗」、と社説を展開した。
 ただ単に「白旗」と言うのではなく、「有権者に見放され白旗」、との「タイムス」の指摘は、次のもの。
1.菅義偉首相が自民党総裁選に立候補せず、辞任する意向を表明した。
2.当初、党の臨時役員会で、週明けの6日に予定していた党役員人事について、一任を取り付ける段取りだった。
3.そのシナリオが崩れ、辞意表明の場に変わったのはなぜか。総裁選に勝つため露骨な延命策を繰り出してきた菅氏が、一転して白旗を掲げたのはなぜか。
4.最大の理由は新型コロナウイルス対策で信頼を失い、有権者から目に見える形で「不信任」を突き付けられていたことだ。重要な選挙で相次いで敗れ、地元横浜市の市長選では予想を上回る大敗を喫した。東京五輪も政権浮揚につながらなかった。内閣支持率も20%台まで急落した。コロナ対策では、感染爆発や医療崩壊が起きているにもかかわらず楽観論が目立ち、市民の心に刺さるような行動変容を促すメッセージを発信することができなかった。
5.強権的、独善的な政治手法は、多くの有権者から「首相は自分の見たいものだけしか見ていない」と痛烈な批判を浴びた。
6.総選挙を控え党内では「菅首相では選挙は戦えない」との大合唱が起こった。起死回生のつもりで打ち出した延命策は逆に、強引過ぎると党内から強い批判を浴びた。幹事長人事で一発逆転を狙ったものの、それにもつまずき万事休す。権力の源泉である解散権を封じられ、人事権すら行使できないまま、わずか1年でギブアップしたのである。
 果たして、管政治とは、何だったのか。また、安倍晋三政治とは。
 「タイムス」は、抉る。
1.安倍晋三前首相は体調不良のため2度にわたって首相の座を降りた。跡を継いだ菅首相も、国民の審判を一度も受けることなく、退陣することになった。
2.野党が憲法に基づいて要求していた臨時国会は召集されず、総裁選を巡る混迷の果てに、唐突に、政権から降りることになったのである。
3.菅政権は、安倍氏の基本政策を引き継ぎ、「負の遺産」まで背負ってスタートした。「安倍・菅時代」に権力の官邸集中が進み、国会(立法府)と政府(行政府)との間でも、自民党と官邸の間でも、官僚機構と官邸の間でも、チェック・アンド・バランスの関係が崩れた。「安倍・菅時代」に官邸はわが世の春を謳歌(おうか)した。半面、官僚機構は劣化し、国会は監視機能を弱体化させ、自民党も著しく活気を失った。
だから、「タイムス」は、「『安倍・菅時代』は終わったと言うべきだろう。」、と。
 「タイムス」は、その最後を、「総裁選と総選挙がどういう形で行われるにせよ、新しい時代を切り開く大胆な取り組みと政策が求められる。」、と書き始める。
 そして、このように断じる。「有権者に見放され白旗」の活かし方について。

 「『安倍・菅時代』を継続させようと、その場しのぎの対応を繰り返すようでは、日本の政治に未来はない。その責任を野党も負っている。『菅首相と戦えば勝てたのに』という声が野党サイドからも漏れ伝わってくるが、そのような後ろ向きの姿勢では支持率は伸びないだろう。政権交代を目指すなら、堂々と正論をぶつけ、政策で勝負し、有権者の受け皿になることだ。」
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/825379 参照 2021年9月5日)


# by asyagi-df-2014 | 2021-09-06 06:45 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

この国の「子どもの貧困」が引き起こすこと。

コロナ禍がこれまでに噴出してきた問題をより深刻化させていることは予想できる。
琉球新報は2021年8月31日、「児童虐待過去最多 孤立防ぎ体制強化急げ」、と社説を論評した。
琉球新報(以下、「新報」)は、この問題に関して、「児童相談所が2020年度に児童虐待として対応した件数の速報値は、全国で20万5029件、沖縄県で1835件に上り、いずれも過去最多を更新した。」、と社説を始める。
やはり、コロナ禍が「子どもの貧困」をより深刻化させているのか。

 「新報」は、「新型コロナウイルス禍が長引く中、在宅時間が長くなった結果、支援が届きにくい「虐待の潜在化」と虐待のリスクが高まっている恐れがある。」、と指摘する。
 したがって、「虐待の被害や予兆を見逃さず、要支援者の孤立を防ぐなどの対応が遅れてはならない。児童相談所などの体制強化を迅速に進めるべきだ。」、と。
 「新報」の把握は次のもの。
1.全国の速報値は統計開始以来、30年連続で最多を更新し、今回初めて20万件を超えた。警察との連携を強めたため警察からの通告は10万3619件(7146件増)と半数を占めた。一方、学校からの通報は1万3643件で、前年度より213件減少した。
2.コロナ禍に伴い、昨年は全国で学校の休校が相次いだ。感染拡大防止のため家庭訪問もままならない。家族以外の大人と接する機会が減り、子どもが外に助けを求めにくい状況になっていないか。マスク着用で子どもの表情が読み取りづらくなっていないか。
3.虐待のうち、言葉による脅しや無視など心理的虐待は12万1325件(前年度比1万2207件増)と最多だった。
4.心理的虐待には、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」が含まれ、警察からの通告が増えている。コロナ感染拡大で在宅時間が多くなった影響などで、DVの20年度の相談件数は約19万件(速報値)と前年度比1・6倍に急増したことが内閣府の統計で判明している。
 ただ、日本政府のコロナ禍への認識は非常に甘く、「コロナ禍の影響について厚生労働省は『現時点で感染拡大との間に明確な関連性は見られない』という。」(「新報」)、というものでしかない。
 「新報」は、「子どもからのSOSを見逃していないか実態を早急に検証するべきだ。」、との視点から、次のように指摘する。
1.厚労省の死亡事例検証報告によると、07年~19年3月までの、ネグレクトが死因の原因は200人。うち生後0日での死亡事例は53人。死亡時点で実母を支援する人の有無ついては、全体では約半数に対して、生後0日の死亡事例では約2割にとどまり、「社会的孤立が顕著」とも報告された。
2.19年度の死亡事例は78人で、心中を除くと57人。うち0歳が28人と全体の約半数を占めた。妊婦健診未受診の子どもが20人いた。孤立を防ぐためにも、児童相談所の体制強化は不可欠だ。児童相談所で働く児童福祉司について、厚労省は22年度までに約5260人とした計画を前倒しし、21年度に達成するとしている。17年度比で約2千人増え、目標まで90人ほどとなった。
3.取り組みを歓迎するが、想定外のコロナ禍の要素もある。職員の質が維持、向上されるなど実効性を伴わせることが肝心だ。関係機関は認識を共有し、迅速に対応してほしい。
(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1384418.html 参照 2021年8月31日)

 貧困問題を扱う時、「子どもの貧困」が最も深刻になる、と学んできた。
児童虐待は、「子どもの貧困」の一つの顕れである。



# by asyagi-df-2014 | 2021-09-05 21:54 | 教育 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人