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東京地裁は、安全保障関連法が憲法に違反するかが争われた訴訟の判決で、憲法判断をせずに原告の請求を棄却。

 朝日新聞は2019年11月7日、表題について、「安保法制違憲訴訟、原告敗訴 東京地裁も憲法判断せず」、と次のように伝えた。


(1)集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法が憲法に違反するかが争われた訴訟の判決で、東京地裁(前沢達朗裁判長)は7日、憲法判断をせずに原告の請求を棄却した。全国各地で起こされている一連の訴訟で、判決は札幌地裁に続いて2件目。原告側は控訴する方針。
(2)2016年の安保法施行により、憲法前文にある平和に生きる権利(平和的生存権)や人格権が侵害されて精神的苦痛を受けたとして、市民ら約1550人が国に1人10万円の賠償を求めていた。
(3)判決は「平和とは抽象的な概念で、個人の思想や信条で多様なとらえ方ができる」と指摘した上で、平和的生存権は国民に保障された具体的な権利とはいえないと判断した。
また、安保法の施行によって「戦争やテロの恐れが切迫し、具体的な危険が発生したとは認めがたい」とも言及。人格権が侵害されたとの訴えも退けた。違憲性については、具体的な権利の侵害があったとは認められないとして判断を示す必要はないと結論づけた。
(4)判決後、原告側の弁護団は会見し、「違憲性の判断を回避し、司法の誇りを捨て去った『忖度』判決と言われてもやむをえない」と批判した。」
(5)安保法制をめぐる訴訟は全国22の裁判所や支部で25件起こされ、原告の数は7700人にのぼる。                               (新屋絵理)


 また、このことに関して、東京新聞(以下、「東京」)は2019年11月8日、「安保法制判決 司法は本質を直視せよ」、と社説で論評した。
 「東京」は、「安全保障関連法は『違憲だ』とする集団訴訟で東京地裁は訴えを退けた。ただ合憲とも言わず憲法判断を避けたのは、問題の本質を直視しない表れではないか。司法の消極主義は極めて残念だ。」、と断じた。
また、「東京」はこの判決について、「ピストルの例え話をしよう。銃弾が発射され、標的の人に向かって飛んでいる。それを超スローモーションで見たら…。確かに銃弾は空中にあるので、その時点では人には何ら被害は起きていない。しかし、危険は刻一刻と迫り、いずれは人に命中する。」、と例えた。
 「東京」の指摘の根拠は、次のもの。


(1)二〇一四年に政府は従来の解釈を一転させ、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした。それに基づき安保法制がつくられ、一六年に施行された。事実上の解釈改憲であり、大多数の憲法学者から当時、「違憲」「違憲の疑い」と指摘された。
(2)安保法制は野党や国民からも「戦争法案」と呼ばれ、「戦争ができる国」へと変質しているとの声が上がった。元内閣法制局長官は別の裁判所で「丸ごと違憲」と証言している。
(3)確かにかつての「専守防衛」の枠から逸脱する防衛力が装備されつつある。自衛隊の任務も変わりつつある。例えば海上自衛隊の護衛艦「いずも」は事実上の空母に改修され、F35B戦闘機が搭載予定だからだ。これは憲法九条下で保有できないとされてきた攻撃型空母の機能を果たしうる。
(4)防衛費も二〇年度の概算要求は約五兆三千二百億円と過去最大規模に膨らむ。軍事大国化はもはや懸念の域を超えつつある。中東で米国が求める有志連合には加わらないが、自衛隊がいずれ中東地域に派遣され、近くの米軍艦船が攻撃されたら、自衛隊は紛争に巻き込まれる恐れはないか。交戦状態にならないか。閣議決定以来、なし崩し的に事は進み始めている。


 「東京」は、最後に、次のように警鐘を鳴らした。


(1)全国二十二の地裁で起こされた訴訟だ。東京の原告は実に約千五百五十人。みんなが迫りくる“ピストルの弾”という危険におびえている。札幌地裁に続き、今回も判決は「原告の精神的苦痛は義憤ないし公憤。法的保護を与えられるべき利益でない」と一蹴した。だが、この訴訟の本質は、安保法制に対する憲法判断を迫ったものだ。
(2)それに応答しない判決は肩透かし同然である。ならば「合憲」と言えるのか。違憲なら止めねばならぬ。その役目は今、司法府が負っている。裁判官にはその自覚を持ってもらいたい。


 原告側弁護団の「違憲性の判断を回避し、司法の誇りを捨て去った『忖度』判決と言われてもやむをえない」、との告発を噛みしめる




by asyagi-df-2014 | 2019-11-13 07:13 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

ハンセン病問題基本法改正案が、12日の衆院本会議で全会一致で可決。

 時事ドットコムニュースは2019年11月12日、表題について次のように報じた。


(1)ハンセン病隔離政策で差別を受けた元患者家族に対し、最大180万円を支給する補償法案と名誉回復を図るハンセン病問題基本法改正案が、12日の衆院本会議で全会一致で可決された。参院に送付され、近く成立する。
(2)補償法案は前文で、偏見と差別の中で家族が負った苦痛に対し、国会と政府による「悔悟と反省」「深くおわび」と明記。支給額は元患者の親子や配偶者に180万円、きょうだいや同居のおいやめい、孫、ひ孫らに130万円。戦前の台湾や朝鮮半島の居住者や、判決で認められなかった米軍統治時代の沖縄にいた人も対象に含める。
(3)請求期限は法施行から5年で、厚生労働相が認定する。厚労省は対象を約2万4000人、支給総額は約400億円と試算している。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-12 20:08 | ハンセン病 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年11月12日

 「全国知事会は11日、東京都内で会議を開き、首里城の早期再建に全力で取り組むよう国に求める緊急決議を全会一致で採択した。続いて開かれた政府主催の全国都道府県知事会議で飯泉嘉門全国知事会長は、再建を明言した政府の姿勢に謝意を示し、全国知事会としても後押ししていく考えを示した。会議に出席した宮崎県の河野俊嗣知事と鹿児島県の中村かおり副知事は本紙の取材に対し、首里城再建で課題となる木材の供給について協力する考えを表明した。」、と琉球新報。
 また、その緊急決議文では、首里城について、「『我が国が誇る【世界文化遺産】であり、歴史や文化の心に彩られた首里城は必ず復元させなければならない』と強調し、政府に対して全力で早期の再建に取り組むよう求めた。」、とされている。
 思いが、「河野知事は、過去の首里城復元時にも宮崎産の木材が使われたことや、戦時中に沖縄の人々が宮崎に疎開するなど過去のゆかりに触れ『対応を事務方に指示した。林業が盛んな県ならではの貢献をしたい』と語った。鹿児島県の中村副知事も、三反園訓鹿児島県知事が玉城知事に木材面で協力の意向を伝えたとし『鹿児島県内のスギやヒノキは出荷できるレベルに達している。沖縄とは隣県でもあり、人や物流の往来もある中で、申し出させていただいた』と述べた。」(琉球新報)、と繋がることを。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年11月12日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-首里城 損害保険の評価額100億3500万円 支払いは最大でも70億円-2019年11月12日 11:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「首里城火災で、全焼の正殿など被害に遭った7棟9施設について、損害保険の評価額が100億3500万円に上ることが11日、分かった。県議会(新里米吉議長)の全議員対象の説明会で、首里城を管理運営する沖縄美ら島財団の担当者が明らかにした。財団が年間2940万円を支払っている保険の支払限度額は70億円で『保険会社が現地を調査し、査定する。評価額は100億円だが、支払額が70億円を上回ることはない』と答えた。」
②「建物の評価額は、保険料を決めるために建物の価値を算出したもの。9施設の当時の建設費は正殿で33億円、南殿、北殿など3施設で21億円、黄金御殿など5施設で19億円の計73億円だった。」
③「財団の花城良廣理事長は、財団の所有する琉球王国時代の美術工芸品1510点の収集費として、寄付などを元手とする『首里城基金』から約16億円を支出したと明かした。少なくとも431点を焼失した可能性があり、被害状況を調査しているという。」
③「再建後の所蔵物の管理について、財団の担当者は『園外での収蔵を含め、相談したい』と述べ、建物火災による危険を回避する必要性を強調した。いずれも比嘉京子氏(社民・社大・結)の質問。」
④「花城理事長は、首里城公園内の財団従業員147人のうち、被災した有料区域内で働いていたのは約80人で、公園内の別の施設に配置転換し、雇用の継続を維持していくと強調した。」
⑤「県の上原国定土木建築部長は『安全性が確保できれば、城郭内の再建状況も県民や観光客に見ていただくべきだという話もある。そういった取り組みもしながら、雇用を確保する』と語った。比嘉瑞己氏(共産)の質問に答えた。」
⑥「建物内のスプリンクラー設置で、玉城謙都市公園課長は『スプリンクラーの設置を含め、見直すべきは見直していく』と答えた。」
⑦「玉城課長は県から国へ首里城に関する使用料を『年間2億3千万円、四半期ごとに支払う』と説明。有料区域の施設が焼失し、収入に影響が出ることに『使用料の減額を求め、国が認めれば、手続き後、減免できると規定されている』と、適切に対応する考えを示した。いずれも新垣清涼氏(おきなわ)の質問。」


(2)琉球新報-カジノ導入否定 沖縄の新テーマパーク 森岡CEO「五感訴える施設に」-2019年11月12日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄本島北部のテーマパーク事業に携わるコンサルティング会社『刀』(東京)の森岡毅CEOは11日、事業の実現に向けて年末年始に初期段階の資金調達計画をまとめ、春ごろまでに中間報告をする考えを示した。事業費は数百億円規模を見込む。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をテーマパークに導入することについては『構想の中には入っていない』と否定した。名護市内で報道陣の質問に答えた。」
②「森岡氏はテーマパークについて『五感に訴える演出を、大自然の刺激の中で成し遂げられる施設にする』と説明した。建設予定地のオリオン嵐山ゴルフ倶楽部は豊かな森林が残されており、日常と切り離した独特な空間を演出できるという。大自然を生かし、屋内施設では味わえない体験や興奮を提供するという、北部テーマパークの基本的な方向性を強調した。」
③「一方で、設置するアトラクションの詳細については『環境アセスメントが終わるまでは具体的なプランの話はできない』と明らかにしなかった。」
④「資金調達に向けて県内企業を中心に協力を要請し、不足する部分について県外企業にも投資を依頼するという。森岡氏は『沖縄の発展のために事業を進める。その考えに賛同してくれる皆さまに協力をお願いし、われわれもビジネスに全力を尽くす』と強調した。」
⑤「IRについては『沖縄が豊かになるために必要不可欠な施設ではない』と指摘した。テーマパークは北部への誘客や、中長期的な地域の活性化を目標に掲げており『北部に税金が落ちる構図をつくる』と話した。家族連れや女性客などを主なターゲットに、日本人と外国人客の両方が楽しめる施設を想定している。」
⑥「北部のテーマパークは刀のほかオリオンビール、リウボウ、ゆがふホールディングスなど県内外の企業が事業に参加する。オリオン嵐山ゴルフ倶楽部の敷地約120ヘクタールのうち、約64ヘクタールを利用する計画。2025年頃の開業を目指す。」
⑦「ユー・エス・ジェイ執行役員として沖縄でのUSJ計画にも携わった経緯を持つ森岡氏は、やんばる観光推進協議会が11日に名護市内で開いた講演会に招かれ、テーマパーク事業や北部観光のマーケティング戦略について講演した。」


(3)琉球新報-「安全な水を求め行動を」 基地派生汚染問題 河村氏が提起-2019年11月12日 12:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクトの河村雅美代表が9日、琉球大学の公開講座『沖縄の公害問題で考える平和学習』で講演し、米軍基地から派生するPFOSなど有機フッ素化合物による汚染問題を解説した。河村氏は『解明されていない部分があることを言い訳にせず、自分たちの安全な水を求めていくことが大事だ』」と指摘し、市民が行動に表すことの重要性を訴えた。」
②「河村氏によると、米国の国防権限法案に、被害を受けた基地の近隣地域に米軍がボトル入りの飲料水を配っている事例が記載されている。『私たちは(水道水を飲まず)飲料水を買っているが、怒っていない。水を配るよう求めるなど、何かしなければならない』と問題提起した。」
③「嘉手納基地内の水源から取水を止めるよう求める声が市民団体から上がっていることも紹介。『企業局の論理は水の安定供給が優先だ。【断水してもいいから安全な水を】と言える空気をつくる必要がある』と述べ『風評被害』という言葉を安易に使うことに、『(悪影響を懸念し)騒ぐ人をおとしめる』と指摘した。」


(4)琉球新報-首里城の早期再建へ決議 全国知事会、国に支援求める 宮崎、鹿児島は木材供給で協力-2019年11月12日 10:53


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】全国知事会は11日、東京都内で会議を開き、首里城の早期再建に全力で取り組むよう国に求める緊急決議を全会一致で採択した。続いて開かれた政府主催の全国都道府県知事会議で飯泉嘉門全国知事会長は、再建を明言した政府の姿勢に謝意を示し、全国知事会としても後押ししていく考えを示した。会議に出席した宮崎県の河野俊嗣知事と鹿児島県の中村かおり副知事は本紙の取材に対し、首里城再建で課題となる木材の供給について協力する考えを表明した。一方、那覇市の城間幹子市長や市議団は同日、早期再建への支援を政府に直接要請した。」
②「緊急決議文は首里城について『我が国が誇る【世界文化遺産】であり、歴史や文化の心に彩られた首里城は必ず復元させなければならない』と強調し、政府に対して全力で早期の再建に取り組むよう求めた。」
③「緊急決議の採決に先立ち玉城デニー知事は、首里城の焼失について『県民をはじめ、本当に多くの皆さんが大変なショックを受けている』と語り、再建に向け全国知事会に協力を求めた。」
④「飯泉会長は6日の現場視察を踏まえ『まさに大きな喪失感を感じた』と触れた上で、『全国知事会の総意として沖縄県、沖縄県民の皆さんと共に首里城の早期復元の実現を強く念願する』と述べ、決議への賛同を呼び掛けた。」
⑤「採択を受けて玉城知事は『私たち県民をはじめ、国内外にいる県系の皆さんにとっても、非常に大きな励ましになった』と緊急決議の意義を語った。一方、河野宮崎県知事は首里城再建で課題となる木材の確保に協力する意向を玉城知事に伝えた。」
⑥「河野知事は、過去の首里城復元時にも宮崎産の木材が使われたことや、戦時中に沖縄の人々が宮崎に疎開するなど過去のゆかりに触れ『対応を事務方に指示した。林業が盛んな県ならではの貢献をしたい』と語った。」
⑦「鹿児島県の中村副知事も、三反園訓鹿児島県知事が玉城知事に木材面で協力の意向を伝えたとし『鹿児島県内のスギやヒノキは出荷できるレベルに達している。沖縄とは隣県でもあり、人や物流の往来もある中で、申し出させていただいた』と述べた。」




by asyagi-df-2014 | 2019-11-12 17:45 | 沖縄から | Comments(0)

「身の丈」発言。(6)

 大学入学共通テストの英語で導入される民間検定試験に関連して、文部科学大臣の「身の丈」発言(以下、「発言」)がなされた。
 この「発言」は、教育基本法の「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」が対置すればいいだけの、文部科学大臣の資質不足を露呈させるものでしかない。
また、この問題は、今回の英語民間試験の活用が「制度自体が『身の丈入試』であることを拭えない点だ。」(「朝日」2019年10月29日)、ということにある。
さらに、ことの「発言」そのものが、「政権の緩みやおごりの表れ」とされることは、日本の憂う現状を著しているが、逆に、日本の「教育格差」を炙り出しことになった。
 まず、安倍晋三政権が行わなければならないことは、「教育格差」の解消にあることは言うまでもない。


今回は、朝日新聞(以下、「朝日」)が「『身の丈』発言が浮き彫りにした教育制度の問題点』、としてインタビューを通した指摘をした。これを参考にする。
 最初は、「教育格差」のデータ無視 松岡亮二・早稲田大准教授」の報告。


(1)「身の丈」発言の後、萩生田さんは国会で「エールのつもりだった」と釈明していました。おそらく、あの発言に悪気はなかったのでしょう。
(2)発言の背景には、萩生田さんの考える「教育格差」とは、本人の志・能力・努力によって乗り越えられる程度のものだ、という認識があったのではないでしょうか。とすれば、それはデータが示す実態とは異なります。「生まれ」によって大きく人生の可能性が制限されている現実が日本にはあるからです。
(3)身の丈発言に、内心では同意した人もいるでしょう。社会にどれだけ自分の可能性を「諦めた」子どもたちがいるのかを想像せず、「格差はあっても、努力で乗り越えればいい。私はそうしてきた」というように。


 「朝日」は、「『身の丈』発言が浮き彫りにした教育制度の問題点とは。」、と斎藤孝・明治大学教授や、竹内洋・関西大学東京センター長にも聞きました、と次のように報告する。


(1)親の学歴を含む出身階層や出身地域によって、子どもが大学に進学しようと考えたり、日頃の学習意欲を持ったりすることに大きな格差があることは、多くの実証研究で明らかになっています。
(2)例えば、今年発表した私の研究では、中学1年ですでに、子どもが大学に進学することを期待する割合は両親が非大卒だと23%、一方の親が大卒だと41%、両親が大卒だと60%と明らかな差があり、親が大卒であるほど、子の学習時間も長いことが分かっています。
(3)社会経済的に恵まれない家庭の子どもたちは、ある時点で勉強を諦める傾向もあります。社会構造による教育格差があるのに、「勉強には向いていない」と、自身の可能性を低く見積もり、自分から「身の丈」で生きていこうとしているのだと思います。
(3)大学入学共通テストの導入は、現存する格差の拡大を後押しすると考えられます。テストの仕組みが複雑で選択肢もあまりに多いため、予備校などに相談し、膨大な情報を親と共に消化できる家庭の生徒ほど有利になるでしょう。
(4)英語民間試験では、一部受験生に金銭的な助成をするとも報じられましたが、親の協力を得て申請書を提出するのであれば、これ自体、見えない障壁です。
(5)経済的に恵まれない家庭の子は、自分の親にその申請書を渡すことすら躊躇(ちゅうちょ)するかもしれません。まさに自分が思い込んでいる「身の丈」に合わせようとする行動です。個人の選択ということもできますが、一方には、同じ障壁に悩むことなく受験勉強に打ち込める生徒もいるわけです。


 さて、「朝日」は、このようにこの報告を締めくくります。


「問題の根本は、これまでの『教育改革』が、データの蓄積や分析なしに、『これからはグローバル時代だ』といった理念で進められてきたことです。共通テストの国語と数学の記述式問題も、マークシートでは能力が測れないから導入するとのことですが、それはどの研究に基づくのでしょうか。理念先行で、ドーンと制度変更し、検証しない。そんな『改革のやりっ放し』はもうやめませんか。」(聞き手・稲垣直人)


 「身の丈」発言については、今回の「朝日」が十分に説明しています。
 確かに、安倍晋三政権の成長戦略というごり押し政策のもとで、より一層の「格差」が拡大されてきました。
 そうです。
 もうやめにしませんか。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-12 07:26 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年11月11日

「沖縄県の玉城デニー知事は11日午後、東京都の都道府県会館で行われた全国知事会議に出席し、日本と同じく米軍が駐留するオーストラリアが締結する地位協定について報告した。沖縄県は、他国の地位協定について調査している。」、と琉球新報。
全国知事会は、「ダーウィンの豪空軍基地は、オーストラリア側が米軍を含む軍用機の飛行経路を厳しく規制していることから、住宅地上空の飛行はなく騒音問題もほとんど発生していないとした。そのほか、全国知事会議では、国に対し首里城の早期再建を求める緊急決議も採択した。」(琉球新報)、との報告を正しく受け取らなければならない


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年11月11日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-首里城の再建費用「甘く見ても倍かかる」 それでも国は前向き 県側からの官邸要請に批判も-2019年11月10日 18:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「火災により正殿など9施設を焼失した首里城。沖縄総合事務局によると、正殿や南殿、北殿などは国が約73億円かけ復元整備した。材料費や大工職人の人件費などの値上がりにより、再建の費用は『甘く見ても倍はかかるだろう』(政府関係者)との見立てだ。」
②「さらに、大量の木材や赤瓦の調達、高度な技術を持った職人の確保など課題は山積している。玉城デニー知事は国に復帰50年を迎える2022年までの計画策定を要望しているが、課題も多い。『財政措置も含め、やれることは全てやる』。火災から一夜明けた1日、首相官邸で再建支援を求めた知事に、菅義偉官房長官は全面支援する考えを示した。公明党も官邸に支援を申し入れるなど動きは速い。」
③「首里城跡地は、国営沖縄記念公園首里城地区として国が、周辺の城壁は県営として県が整備してきた。今回焼失した正殿などは国営公園内にあり、再建は『所有権を持つ国が責任を持ってやる』(衛藤晟一沖縄担当相)との立場だ。」
④「首里城正殿などの有料施設は年間2940万円の火災保険に加入している。支払限度額は首里城と海洋博公園の沖縄美ら海水族館などを含めて70億円だが、そこから首里城への保険補償額は現時点で未定だ。ただ、自民党関係者は『政府からすればさして大きな額ではない』と冷静だ。那覇空港第2滑走路増設の総事業費は約1993億円で、政府は毎年約330億円を計上してきた。」
⑤「関係者は『150億円でも10年で年間15億円。沖縄関係予算が毎年15億円膨らむだけだ』と予算措置のハードルは高くないと指摘。『国としては、県と手を携えてやる姿を見せる方が、県民に寄り添う姿を見せることになる』と語る。
⑥「一方、会員制交流サイト(SNS)上では、名護市辺野古の新基地建設に反対しながら首里城再建では財政支援を求める県の姿勢に疑問の声も上がる。政府内には県の要請に応じれば『県民に政府の姿勢を分かってもらえるのでは』と期待の声がある。県関係者の一人は『知事は容易に官邸へ行くべきではなかったのでは』と冷ややかだ。」
⑦「8日、県議会であった各派代表者会で當間盛夫県議(維新)は、国から県への管理移管は県議会も全会一致で決めていることに言及し自省を込めてこう指摘した。『火災の責任は県にも県議会にもある。にもかかわらず、すぐに再建を国に要請するのは違うのではないか』」(政経部・大野亨恭、屋宜菜々子、東京報道部・大城大輔)


(2)沖縄タイムス-首里城火災 集まった寄付金はどこへ? 県から国への移譲は困難か-2019年11月11日 09:52


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「首里城火災を受け、沖縄県や那覇市には県内外から多くの寄付金が集まっている。正殿など焼失した建物部分は国の所有で、再建などの大規模な修繕費は国が負担する取り決めだ。那覇市は寄付金の県への移譲を検討。県は知事直轄組織で使途を検討する方針で、謝花喜一郎副知事は『文化財等は県で取り組まなければならない』と述べるなど、文化財の修復や収集などに取り組む姿勢を見せている。」
②「2016年4月の熊本地震で大きく損壊した熊本城については、熊本市と熊本県が復旧のための支援金を募った。634億円の被害総額に対し、熊本城の所有・管理者である同市には、現時点で42億円弱が集まった。17、18年度に県に寄せられた約4億1500万円も補助金として市に支出されている。同市はシンボルとして位置付ける天守閣の修復に優先的に取り組んでおり、10月には『大天守』の修復が完了した。」
③「一方、首里城は国営公園であり、所有者は国だ。正殿をはじめとする建物の再建は国が担うことになり、熊本城のケースとは枠組みが異なる。」
③「首里城火災の当日から寄付金を受け付け、8日までに4億円以上を集める那覇市は、寄付金を県に移譲することを検討している。県の担当者も『那覇市の意向を受け入れる形で調整したい』と話し、受け入れ時期などを調整している。一方、再建を担う国へ県が寄付金を移譲することは難しい状況だ。県から国への自発的な寄付は可能だが、県の担当者は「(国へ寄付しても)使い道を県が決めることはできない」と指摘。政府関係者も『(国、県、市の)3者で役割分担して取り組む』形が望ましいと話す。」
④「県は寄付金の使途について、知事直轄組織の『首里城復興戦略チーム』や、関係課長等で構成する『首里城復旧ワーキンググループ』で検討するとしている。同ワーキンググループをまとめる県都市公園課の玉城謙課長は『収蔵物の復旧、復元、再建に必要な技術者を集める費用や、建築資材の調達などが考えられる』と具体的な使途を挙げた上で、その決定には国との調整が必要だとした。」
⑤「玉城デニー知事は7日、『国と話し合い、受け取った寄付の使途を明確にしたい』と述べ、できるだけ早期に国との協議を行い、寄付金の使途を決めたいとの意向を示している。」(政経部・仲村時宇ラ)


(3)沖縄タイムス-辺野古新基地:反対する市民ら、カヌーで抗議-2019年11月11日 13:39


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の新基地建設で11日午前、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の大浦湾には、埋め立て用の土砂を積んだ運搬船3隻が入った。運搬船から台船に土砂を積み替える作業や『K8』護岸からトラックが土砂を運ぶ様子が確認された。新基地建設に反対する市民らは、土砂を積んだ台船が護岸に接岸するのを止めようとカヌーに乗って抗議した。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-運動場が4年間も使えない“異常事態” 体育館も使えず「子の体力が心配」 那覇市の小学校-2019年11月11日 09:04


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「那覇市立上間小学校の施設整備の遅れで、子どもたちが運動場や体育館を使えない状況が続いている。運動場は4年前から使用できず、来年3月に卒業を控える6年生はほとんどの期間で運動場がない学校生活を送ってきた。保護者たちは子どもたちの体力面などを懸念しており、『整備が進まない状況が当たり前に続いている』と早期の整備を訴えている。上間小は校舎の全面改築に伴い、子どもたちが2015年11月から運動場が使用できなくなった。」
②「現在は約695平方メートルの中庭スペースで体育の授業を受けたり、運動会の練習をしたりしている。中庭には衝撃を和らげるためにクッションゴムを敷いているが、市の予算不足で全ての面はカバーできていない。校舎の前には『仮グラウンド』を造ったが、約280平方メートルと十分な広さとは言えない。」
③「同小を卒業した娘がいる嵩原史鵬さん(51)は、学校の近くで書道教室を開いており、子どもたちと関わる機会も多い。『先生たちもいろいろ工夫はしてくれているが、次第に子どもたちの集中力がなくなっているのを感じている』と話す。安全面にも不安を抱き、『大きなけがにつながってからでは遅い』と危機感を募らせる。」
④「2人の娘を同小に通わせるPTA会長の運天純次さん(42)は『子どもたちはリレーのルールもうまく理解できていないようだ。子どもたちにとって運動場がないことが当たり前になっていくことが不安だ』と話した。」
⑤「6日、保護者たちは市役所を訪れ、市教育委員会の山内健生涯学習部長に早期整備を求めた。市教委施設課は18年6月に完成した校舎の工事の入札で3回不調が続き、体育館の整備については今月5日も2回目の不調があったとし、工期スケジュールに遅れが出ていることを説明。『中庭と仮グラウンドでは狭くて十分な運動ができず、望ましい状況ではない』と認め、『児童のためにも早期の発注に取り組みたい』と随意契約も視野に検討を進めていることを明らかにした。」


(5)琉球新報-オーストラリア、米軍機を厳しく規制 領空内に米軍管理の空域なく 日本の地位協定との違い 全国知事会で玉城知事が報告-2019年11月11日 15:41


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】沖縄県の玉城デニー知事は11日午後、東京都の都道府県会館で行われた全国知事会議に出席し、日本と同じく米軍が駐留するオーストラリアが締結する地位協定について報告した。沖縄県は、他国の地位協定について調査している。」
②「県の報告資料によると、オーストラリア空域の管理は同国の機関である『民間航空安全庁』が行い、横田空域のように外国軍が管理する領空内の空域は存在しないとした。米軍のヘリ部隊がローテーションで豪国内に配備される際は、訓練で使用するCH53-Eヘリを20日近くかけて分解・洗浄し、豪検疫当局の検査を受けるなど検疫に関する国内法を米軍にも適用されていることも報告された。」
③「ダーウィンの豪空軍基地は、オーストラリア側が米軍を含む軍用機の飛行経路を厳しく規制していることから、住宅地上空の飛行はなく騒音問題もほとんど発生していないとした。そのほか、全国知事会議では、国に対し首里城の早期再建を求める緊急決議も採択した。」



by asyagi-df-2014 | 2019-11-11 17:41 | 沖縄から | Comments(0)

この国の闇を浮き上がらせること。

 日本国憲法から、守られていない地域があること。
 それは、この国の「闇」。
 単なる「隠蔽」以前の問題として、不可侵の「闇」としてある。
この「闇」に関して、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年11月4日、「[米軍事故公表せず]政府は毅然と向き合え」、と社説で論評した。
最初に、「タイムス」は、ことの顛末を次のように指摘する。


(1)米海兵隊岩国基地(山口県)所属部隊が2016年4月、嘉手納基地沖の上空でFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機の接触事故を起こしながら公表せず、正式な調査も見送っていたことが米軍の報告書でわかった。
(2)2機は嘉手納基地に着陸し、けが人はいなかったという。報告書には引きちぎられた給油機の給油ホースがFA18の右翼に引っかかっている生々しい写真が掲載されている。一歩間違えれば民間地を巻き込む大惨事につながりかねなかったはずである。18年12月に高知沖で6人が死亡・行方不明になる事故の調査過程で明らかになった。
(3)沖縄、高知の事故はいずれもFA18の操縦士が月明かりのない暗闇で空中給油を受けている最中に起きたという共通点がある。報告書では「(沖縄で)調査していれば(高知は)防げた可能性がある」と内部批判している。


 このことについて「タイムス」は、「米軍は日本側に通報せず、隠蔽した上に調査をしなかったのである。事故をなかったことにしたのである。県民の生命と財産を軽んじていることに憤りを禁じ得ない。」、と断じる。
何故なのか。
「タイムス」は、このことについて続けて追求する。


(1)16年12月に名護市安部の沿岸部でオスプレイが墜落した。夜間の困難な気象条件で空中給油訓練を強行した末の墜落である。調査しておればこれも防げたかもしれない。
(2)米軍担当者は「通報は日米両政府間の合意に沿って行う」という。実際は日本側に伝えておらず、日本政府はきちんとただすべきだ。
(2)仮に通報があったとしても日本側は捜査にはタッチできず米側の捜査報告を丸のみするだけだ。日本側が捜査権を行使できるようにするにはやはり地位協定改定しかない。


 さらに、「タイムス」は「ぞっとする」、と指摘を続ける。


(1)ぞっとするのは、岩国基地で重大な事故につながりかねない規律違反が横行していることだ。報告書には手放しでの操縦や飛行中の読書なども含まれている。事故の背景として報告書は部隊内に「薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、指示違反といった職業倫理にもとる実例」が存在したと指摘している。
(2)高知の事故では乗員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出されている。身の毛がよだつ。チェック体制はどうなっているのだろうか。
(3)岩国基地に限らない。18年4月には米軍三沢基地(青森県三沢市)のF16戦闘機が東北の山間部を超低空飛行した動画を「ユーチューブ」に投稿。操縦席から撮影したとみられ、日本国内での最低高度150メートルより低く飛行したことを同基地は認めている。
(4)岩国基地は米軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機約60機が移駐し、嘉手納基地と並ぶ極東最大級の航空基地となった。FA18などは外来機として沖縄にたびたび飛来しており、危険性は岩国にとどまらず拡散しているのだ。


 最後に、「タイムス」は、「米軍内に安全性軽視の考えが蔓延しているのではないか。個人だけでなく構造的問題に踏み込むべきである。日本政府は米軍と毅然と向き合い、事故を通報しなかった理由とともに、原因究明と再発防止策、規律違反の横行に対する対策をただし公表させなければならない。」、と要求する。


 この国の「闇」の実態がここにある。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-11 07:13 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年11月10日

金は出すが、口は出さない。そんな方法が採れるのかが試される。。
 「赤羽一嘉国土交通相は9日、首里城火災の現場を視察し、再建の財源を沖縄関係予算と別枠で検討することに、閣僚として初めて言及した。視察後に記者団から、公明党の斉藤鉄夫幹事長が別枠を求めていることを問われ『しっかりと受け止めて、政府内でも検討を進めていきたい』と述べた。赤羽氏は公明所属の衆院議員。4日に視察した衛藤晟一沖縄担当相は、別枠論に『私が軽々に言える段階ではない』と慎重姿勢だった。玉城デニー知事、城間幹子那覇市長も同行した。国営公園の所管閣僚として、再建へ向け『全力を尽くしていきたい』と表明。記者団との質疑で『地元の皆さんの意向が最優先』『地元の要望が大前提』などの表現を使用し、地元に寄り添う姿勢を強調した。」、と沖縄タイムス。


沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年11月10日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-再建費、沖縄関係予算と「別枠」  首里城火災視察の赤羽国交相 閣僚で初言及-2019年11月10日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「赤羽一嘉国土交通相は9日、首里城火災の現場を視察し、再建の財源を沖縄関係予算と別枠で検討することに、閣僚として初めて言及した。視察後に記者団から、公明党の斉藤鉄夫幹事長が別枠を求めていることを問われ『しっかりと受け止めて、政府内でも検討を進めていきたい』と述べた。赤羽氏は公明所属の衆院議員。4日に視察した衛藤晟一沖縄担当相は、別枠論に『私が軽々に言える段階ではない』と慎重姿勢だった。玉城デニー知事、城間幹子那覇市長も同行した。」
②「国営公園の所管閣僚として、再建へ向け『全力を尽くしていきたい』と表明。記者団との質疑で『地元の皆さんの意向が最優先』『地元の要望が大前提』などの表現を使用し、地元に寄り添う姿勢を強調した。」
③「再建費に関して、首里城の所有者は国であることに触れ『原則は国の予算でしっかりやらなければならない』と強調。県や那覇市への寄付金は『有効に使っていただくことが大事』と述べるにとどめ、焼失した建物の再建費に充てることができるかどうかには言及しなかった。」
③「玉城知事が、再建計画の策定めどを2022年としていることは『政府としてしっかりと受け止めて、進んでいかなければいけない』と理解を示し『できることは、全面的にバックアップしていく』とした。再建の完了時期は『地元の要望に国が合わせていく』との考えを示した。
④「正殿内にスプリンクラーなどの自動消火設備が未設置だった問題は『いろんなケース・バイ・ケースがある』とし、所有者としての見解は示さなかった。『防火のためにはあった方がいいだろうが、文化的な施設という角度からだと、無い方がいいという意見もあると思う』とし、観光業界など、県内関係者での議論を促した。」


(2)沖縄タイムス-河野防衛相「反省し、しっかり対応したい」 米軍の規則違反で関係自治体への説明遅れ-2019年11月10日 16:00



 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】河野太郎防衛相は8日の記者会見で、米海兵隊岩国基地(山口県)所属の部隊で重大事故につながりかねない規則違反が横行していた問題を巡り、防衛省による関係自治体への説明が不足していたと認めた。『速やかにお知らせする必要があった。反省し、しっかり対応したい』と述べた。」
②「迅速に説明できなかった理由に『(米軍報告書付属の)文書が千ページを超え、読み込みに時間がかかった。さらに詳細な説明を米側に求めていた』とした。意図的に情報を隠していたのではないかとの問いには『それはない』と否定した。」
③「米軍は9月26日に事故報告書を公開。同省担当課は直後に内容を精査したが米側から詳細の報告を受けていないとして報道向けに公表せず、河野氏が把握したのも『最近だった』と釈明。『こういうことは早く(報告を)上げろと(担当課に)厳しく申し上げた』とした。また、空自が愛知県で6日に実施したPAC3展開訓練で発射機に一部不具合が発生していたが、河野氏まで詳細の報告が上がっていなかったことが8日に判明。防衛省関係者は『良くない報告ほど速やかに上に上げるべきだ』とした。」


(3)沖縄タイムス-辺野古の新基地反対訴え1100人行進 沖縄で日本平和大会 首里城カンパに61万円-2019年11月10日 11:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「『なくそう! 日米軍事同盟・米軍基地 2019年 日本平和大会in沖』」(主催・同実行委員会)は9日、県内各地で分科会などを開き、閉幕した。那覇市内であった閉会集会は主催者発表で約1100人が参加。集会後は市内を行進し、『新基地建設、絶対反対』『憲法9条を守ろう』などと訴えた。」
②「この日は、『日韓市民の連帯で非核平和の北東アジアを-軍事同盟でない未来の選択』と題した国際シンポジウムも含め9会場で分科会を開催。『動く分科会』として南部戦跡や普天間飛行場の視察もあった。」
③「閉会集会で、韓国の市民団体『平和と統一を開く人々』(SPARK)のオ・ヒェラン執行委員長は『基地問題が全てにつながると確信した。韓国と日本で米軍隊の撤去に向け共に戦っていこう』とあいさつ。」
④「県統一連の新垣繁信代表幹事は『米軍と自衛隊の歴史的実態を知らせ、憲法が生きる日本にするため共に頑張ろう』と力を込めた。」
⑤「参加者からは『沖縄戦から基地問題まで学び、心が痛んだ。全世界から武力をなくしてほしい。一人は小さな力でも、たくさんの人が声を上げれば政治は変わる』などの声があった。」
⑥「期間中、『首里城復興支援カンパ』で約61万円が集まったことも報告された。」


(4)琉球新報-「日本の中の沖縄」という構図を懸念 親川志奈子・琉球民族独立総合研究学会共同代表 〈首里城再建 識者の見方〉-2019年11月10日 13:18


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「首里城再建が政治の駆け引きに使われることがないか、懸念している。玉城デニー知事は火災後、すぐに上京して政府に支援を要請したが、再建の在り方について県民の思いを受け止める過程が必要だ。今後、自民党議員だけでなく、共産党や社民党なども一緒になって国に再建の支援を要請しに行くことになるかもしれないが、琉球が日本のナショナリズムに取り込まれてしまうことにならないか。政府は沖縄の日本復帰50年を念頭に置いて沖縄との対立や溝をどういう形で埋めていくかが念頭にあるはずだ。首里城復元を通し『日本の中の沖縄』という構図に収められないかという懸念がある。」
②「原因究明もまだされていない中で、政府はいち早く全面支援を約束したが、沖縄と本土を分断させることにならないか。政府としては沖縄が抵抗しにくい中で恩を売ることができるが、千葉県や福島県などで被災し、家に帰ることができない人がたくさんいる。国が「全力で支援する」と宣言したことを沖縄側が手放しで喜ぶことで『被災者に行き届いていないお金を首里城に使うのはおかしい』というような批判も出てくるだろう。分断や弱者切り捨て、という新たな問題が生じることを危惧する。」
③「首里城はただの建物ではない。先人たちがどういう思いで復元したのか、首里城を造った人たちの思いや歴史をもう一度学び直す機会だ。歴史の舞台として、奄美や宮古・八重山を含めた琉球のそれぞれの地域によって首里城がどのような存在だったのか話し合い、本物のお城を再建していく作業が求められる。一方、琉球併合の象徴として首里城は同化に利用された。沖縄戦では日本軍の司令部が置かれたことで焼失した。今こそ、国の道具ではなく、琉球の元に戻し、自分たちで復興していくべきだ。さまざまな課題が出てきたことですぐに国の支援を頼りにしてしまった部分はあるはずだが、建材や技術、人材、費用を一つ一つ丁寧に検討し、再建していくことこそが琉球の力になる。」
④「世界のウチナーンチュのネットワークでも『私たちのお城を再建しよう』と議論が起きている。国の枠組みで決めた復元ではなく、世界のウチナーンチュとも連携しながら私たちが主体となって復元し、琉球のアイデンティティーの象徴として首里城を取り戻すべきだ。」




by asyagi-df-2014 | 2019-11-10 17:17 | 沖縄から | Comments(0)

当然、その職場は、「協働」で成り立っている。

 東京新聞(以下、「東京」)は2019年11月5日、「幼保無償化 事務職員にしわ寄せ 負担増で退職者も 事務員配置基準なし」、と報じた。
どういうことなのか。
 こええは、安倍晋三政権の方針が表向きのものであり、現場の実態を正確に把握していたにのかかわらず、政治的に起こした問題である。
つまり、安倍晋三政権の政策は、幼保無償化の現場が「『協働』で成り立っている。」ということを認識しながら、表向きの戦略のために、切り捨てる階層が生じる犠牲の上に成り立ってているということである。
「東京」の報告は、次のもの。


(1)十月から始まった幼児教育・保育の無償化で、子育て世代の負担は軽くなる一方で、無償化にかかる手続きに追われる園の事務職員の業務が増している。現場からは「事務、経理処理が増えて、すごく忙しい」と悲鳴が上がる。幼保無償化で、事務職員にしわ寄せが及んでいる。(村上一樹)
(2)「幼保無償化で事務仕事が大幅に増えた。力が及ばず体調を崩しかけて、九月いっぱいで園を退職した」。埼玉県内の学校法人が運営する保育施設で事務職員として働いていた三十代女性は、そう打ち明けた。女性は保育施設で、三百人以上の園児の事務処理を一人で担っていた。それだけでも大きな負担だったが、幼保無償化で事務量が増えた。

◆家庭ごとに細かな作業が必要に
(3)幼保無償化は、全ての三~五歳児と低所得世帯の〇~二歳児が対象だが、給食費や延長保育料などは自己負担。女性は、給食費や延長保育料の書類や契約書を改めて各家庭に向けて作成し、保護者の署名などを得なければならなかった。世帯の年収要件などに応じて食費のうちおかず代が免除されるため、家庭ごとに細かな作業が必要だった。
(4)園側に増員を求めたが、保育士や幼稚園教諭も人手不足で確保に人件費もかさむ中「事務職員の増員まで予算を回せない」と言われたという。保育士や幼稚園教諭の人数は、国が児童数に応じた配置基準を定めているのに対し、事務職員には定めが無い。女性は「事務職員にも配置基準が必要ではないか」と語る。
(5)幼保無償化は、消費税増税による税収増を財源に、増税と同時に十月から開始。だが自治体や各園に、幼保無償化の詳細な制度の通知があったのは四月になってから。女性は「導入が急すぎた。せめて準備に一年かけていたら」と振り返る。仕事が追いつかず体調を崩しかけて退職を決意。「子どもはかわいいし、こんなことが無かったらもっと働いていたかった」と無念そうに話す。
(6)現在は体調も回復し、新たな仕事を探す予定だ。「無償化に反対ではないし、待機児童対策で保育所を増やすのも賛成だ。ただ、働く職員のことも考えてほしい」と訴える。
 さらに、「東京」は、「保護者らでつくる市民団体『みらい子育て全国ネットワーク』の天野妙代表は『幼保無償化による事務手続きが大変で、事務職員を増員してもまかなえず、幼稚園では教諭自らが事務処理に入っているケースもある』と、各地で同様の問題が起きていると指摘。『保護者から事務職員への問い合わせも多い。給食費の請求などの手続きはこれから行われていくため、今後さらに業務が増える可能性もある』と危惧している。」、との危惧感も報告する。(東京)


 さて、「事務職員の増員まで予算を回せない」(「東京」)、との構造的問題は、常に解決されることなく続けられる。
こうした「構造」の中では、この記事のように、「現在は体調も回復し、新たな仕事を探す予定だ。『無償化に反対ではないし、待機児童対策で保育所を増やすのも賛成だ。ただ、働く職員のことも考えてほしい』と訴える。」(「東京」)、と退職をやむを得なくさせられた人(例えば、事務職員)を生み続けている。
何故なのか。
 政治が、すべての人に気を向けるものになっていないからである。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-10 08:42 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年11月9日

沖縄県民の思い込めた再建を
 「玉城デニー知事は7日、県庁で記者会見を開き、火災に遭った首里城再建へ向け、『首里城復興戦略チーム』を新設すると発表した。部局に属さない知事直轄組織は県政史上初めてで、週明けに発足する。再建を願う県民の思いを反映させるため、行政と民間から構成する『首里城復旧・復興県民会議(仮称)』も設置する方針だ。玉城知事は『県民、国民、世界のうちなーんちゅのサポートを得ながら、一刻も早い首里城の復旧・復興に向け、全庁を挙げて全力で取り組む』と決意を明かした。」、と沖縄タイムス。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年11月9日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-首里城再建へ行政・民間で「県民会議」 県民意向を反映 知事直轄の「戦略チーム」も発足-2019年11月8日 08:20


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「玉城デニー知事は7日、県庁で記者会見を開き、火災に遭った首里城再建へ向け、『首里城復興戦略チーム』を新設すると発表した。部局に属さない知事直轄組織は県政史上初めてで、週明けに発足する。再建を願う県民の思いを反映させるため、行政と民間から構成する『首里城復旧・復興県民会議(仮称)』も設置する方針だ。玉城知事は『県民、国民、世界のうちなーんちゅのサポートを得ながら、一刻も早い首里城の復旧・復興に向け、全庁を挙げて全力で取り組む』と決意を明かした。」
②「戦略チームは、3~4人の課長級職員で構成。(1)復旧、復興に向けたロードマップ策定(2)国との協力関係の構築(3)復興計画(4)寄付、募金(5)首里城復旧・復興県民会議への対応-などを担う。県民の思いを受け止めてスピード感を持って対応する狙いがあるという。」
③「火災当日に設置した首里城火災対策等本部の下部組織として、関係課長らでワーキングチーム(作業部会)をつくり、火災原因の検証や分析、施設管理の在り方など具体的な課題を話し合う。戦略チームと作業部会が連携し、県民の声を受け止める形となる。」
④「玉城知事は『国内外から首里城の焼失をわがごとのように心を痛めながらも、何かできることはないかと早々に立ち上がり、チムグクル(肝心)からの支援をいただき、大きな励みになっている』と、この1週間の動きに感謝し、引き続きの理解と協力を求めた。」
⑤「玉城知事は、沖縄の本土復帰50周年を迎える2022年までに県としての再建計画策定を目指している。」


(2)沖縄タイムス-「大家さんは国だ」 首里城、スプリンクラーが未設置だったワケ-2019年11月7日 18:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。-[失われた象徴 首里城炎上](6)夜の屋内火災-


①「『国が整備した施設で、消火設備は、きちんとしているはずなのに』。10月31日、午前7時半すぎ、県幹部は、県庁で首里城の正殿が焼き尽くされていくテレビニュースの映像を横目に、うなだれた。別の県幹部は、『今回の火災は、想定外だった』と声を落とした。閉館後の正殿のように、人がいなくても火災を早期に感知し、自動的に消火するスプリンクラーは、設置されていなかった。」
②「首里城を整備した所有者の国によると、『正殿復元はできるだけ昔使われた材料と伝統的な工法を用いて、往時の姿に戻していく』考えが基本にあった。法律を順守し、『厳正な復元を目指した』とスプリンクラーが設置されなかった経緯を説明。消火設備の妥当性については、『法律を順守した』との立場だ。」
③「新たな設備の設置や、100万円以上の修繕は、所有者の国が担う。」
④「今年2月、国から首里城正殿などの有料施設の管理を移管された県は、『既存施設の管理を移管された』と主張。県から指定管理を受け、実際の管理運営を担う沖縄美ら島財団は、『(既存の)設備を前提に、指定管理を受けているので、これを最大限に活用して対処する』との立場。県も財団も、スプリンクラーなど、屋内の出火に対応する自動消火設備の検討はしてこなかった。」
⑤「文化庁は、今年4月、パリのノートルダム寺院火災の発生後、文化財の防火対策の徹底と点検を呼び掛けていた。通知の対象は国宝と重要文化財の建造物で、首里城は対象外だった。」
⑥「木造建築物への防火意識が高まる中でも、国や県は、体制の見直しを行っていない。県幹部は『大家さんは国だ』と例え、『スプリンクラーなど、勝手には新しい設備は付けられない』と、所有者と管理者の関係性を説明する。」
⑦「設備の新設では大きな権限を持つ国だが、防火訓練や消防計画の策定は、財団が行い、県が確認している。財団は、夜間を想定した訓練をこれまでに実施していない。県幹部は『消防署に計画を出し、消防隊員立ち会いで訓練を実施しており、これまでに特段の指摘は受けていない』とする。県も、財団に対し、夜間訓練の実施を指導しておらず、閉館後の火災は、盲点だった。」(政経部・屋宜菜々子)


(3)琉球新報-首里城復旧県民会議はどんな組織に? 県民の「声」を再建プロジェクトにどれだけ反映できるか-2019年11月9日 11:58


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「玉城デニー知事が7日に発表した『首里城復旧・復興県民会議』(仮称)は、県内各界各層を幅広く網羅して設置する構想だ。玉城知事は記者会見で『県民の思いをしっかりと受け止めて、その県民の声をスピーディーに県の全庁的な施策に反映させていく』との考えを示した。一方、衛藤晟一沖縄担当相は8日、『みんなで議論を進めて基本コンセプトをまとめる』として有識者、専門家、県の意見を基に国がコンセプトをまとめる意向を示した。県民の声を首里城の再建へ向けた作業にどれだけ反映できるのか、県は迅速な対応が求められる。」
②「県民会議は、組織としては子どもの貧困解消に向けて経済や福祉、教育、労働など県内各界を網羅して県が設置した『沖縄子どもの未来県民会議』のような枠組みを想定している。子どもの未来県民会議は会長を沖縄県知事が務め、115団体で構成する。基金を創設して事業を実施し、県民運動として子どもの貧困対策を展開する原動力となってきた。首里城復旧・復興県民会議(仮称)も首里城再建支援を志願する県内の幅広い層の協力を得たい考え。」
③「再建へ向けた国と県の役割分担について県民からは『再建は国ではなく、沖縄県が主体となるべきだ』との意見もある。これに対し玉城知事は今後の国との協議で県の役割を整理していく方針だ。県として課題の整理は関係課長らでつくる首里城復旧ワーキンググループが担う。首里城の復旧・復興に向けたロードマップやコンセプトなどへの対応は、知事直轄の首里城復興戦略チームが担う。県は、県民会議の意見を集約し、全庁的な作業に反映させる方針だ。」
④「今回、玉城知事がスピード感を持って県民会議設置を発表した背景には、官民連携して機運を高める狙いがある。焼失前の復元で、首里城復元期成会が政府要請など活発に動いた経緯を踏まえたとみられる。」




by asyagi-df-2014 | 2019-11-09 21:20 | 沖縄から | Comments(0)

英語民間試験導入から見えてくるもの。

 「英語民間試験導入」について、改めて押さえる。
  手元に、沖縄タイムス、琉球新報、朝日新聞の三社の社説がある。
 それぞれの社説の見出しは、次のものである。

(1)沖縄タイムス社説-[英語民間試験見送り]混乱招いた責任は重い
(2)琉球新報社説-英語民間試験見送り 制度設計を見直すべきだ
(3)朝日新聞社説-英語民間試験見送り 制度設計を見直すべきだ

 この問題に不覚にも問題が大きくなってから気づかされた者として、この制度そのものについて、『どうしてこんなことが導入されることになったのか。』、もしくは『どうしてこんな制度の導入を許したのか。』、ということが大きな疑問としてあった。
 この答えを知るためにこの三社の社説を見てみる。
まず最初に、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)から。
 「タイムス」は、英語民間試験見送りに係る問題点を、まず最初に指摘する。


(1)大学入学共通テストにおける英語民間検定試験について萩生田光一文部科学相は1日の記者会見で、2020年度の導入を見送ると発表した。萩生田氏は同日時点で「試験がいつ、どこの会場で、全体を通じて確定できない。運営上、足らざるところがあった」と不備を認めた。強行すれば混乱を招くのは必至で出直すべきだ。
(2)1年かけて抜本的な見直しを議論。今の中1が受験生となる24年度をめどに新たな制度の導入を検討するという。従来の「読む・聞く」に、「話す・書く」を加えた4技能を評価する方向性は間違っていない。民間試験でなければならないのかどうか。ゼロベースでの議論を求めたい。
(3)大学入試センターは1日、受験に必要な「共通ID」の受け付け開始を中止した。萩生田氏は10月30日の衆院文部科学委員会で実施に前向きな答弁をしており、直前になってからの見送りは遅すぎる。
(4)被害者は民間試験に振り回された受験生である。志望大学の準備をしながら、不安を募らせていたに違いない。
(5)萩生田氏は文科省のホームページで「経済的な状況や居住している地域にかかわらず、等しく安心して受けられるようにするためには、更なる時間が必要だと判断した」と説明した。教育現場に一番近い全国高等学校長協会(全高長)などがかねてへき地や離島で暮らしていたり、家計が苦しかったりする受験生への救済策が乏しいなどと指摘。導入延期を求めていた。文科省が真剣に受け止めておれば、ぎりぎりになってからの延期決定にはならなかったはずである。文科省の責任は大きい。


 また、「タイムス」は、英語民間試験制度の導入の問題点を次のように指摘する。


(1)民間試験は「英検」や「GTEC」など6団体の7種類で、現在の高2が20年4~12月に最大2回まで受験できる仕組みだった。大学の英語専門家からは複数の異なる試験結果を比較できるか疑問の声が上がった。
(2)利用しない大学もあれば、成績を出願資格にしたり、大学独自の試験に加点したりするなど利用は大学に委ねられた。四年制大学の3割が利用しないのは民間試験への不信の表れだろう。県内では琉球大など5大学が参加を予定していた。
(3)1回の受験料は、5千円台~2万5千円台と4倍以上の開きがあり、会場も大都市にしかなく沖縄では受験できない試験もある。経済的に苦しい家庭や、離島などの受験生は宿泊も想定しなければならず、都市部に比べ不利になるのは明らかだ。


 最後に、「タイムス」は、英語民間試験制度導入そのものについて、見解を明らかにする。


「萩生田氏は10月24日のテレビ番組で家計状況や居住地で不利が生じるとの指摘に、『自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば』と発言。教育格差を容認する制度の矛盾を図らずも明るみに出した。萩生田氏は批判を浴び、謝罪と撤回に追い込まれた。大学受験に当たって経済格差、地域格差が横たわっているのは現実である。教育行政を預かる文科省のトップとして親の所得や住んでいる地域によって格差が生じないよう是正するのが責務であることを肝に銘じてもらいたい。」


 次に、琉球新報(以下、「新報」)は、「見送りは当然だ。むしろ遅きに失したと言える。」、と英語民間試験見送りに関して断じる。その上で、次のように批判する。


(1)萩生田光一文部科学相は、大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入について「自信を持って受験生に薦められるシステムになっていない」と述べ、2020年度は見送ると発表した。経済格差や地域格差を広げるという批判に対し、十分な対応策が間に合わないと判断したためだ。
(2)民間試験の会場は都市部が中心のため、住む地域によっては受験生に渡航費や宿泊費の負担を強いる。家庭に経済力があれば、高校3年になる前に検定試験を何度も受けて、慣れておくこともできる。
(3)家庭の経済力や居住地が成績を左右しかねない。受験生や教育現場、家庭からは不安や批判が噴出したが、それでも実施へ突き進む文科省に不信感が拡大していた。そんな中、萩生田文科相はテレビ番組で「身の丈に合わせて頑張って」と言い放った。格差を容認し、弱者切り捨てとも取れる発言が火に油を注いだ。これが引き金となり、政権批判を恐れた官邸が見切りを付けた形だ。
(3)公平・公正を確保できない制度の欠陥は以前から指摘されていた。全国の国公私立高校計約5200校でつくる全国高等学校長協会(全高長)は9月10日、制度の実施を延期した上で大幅な見直しを求める要望書を文科省に提出した。本来なら文科省はその段階で実施延期を決断すべきだった。現場の切実な声は非常に重いからだ。
(4)英語民間試験導入の背景には、グローバル化の進展に伴い、聞く・読む・話す・書くの実践力を総合的に評価する狙いがある。この趣旨は大事だが、だからといって制度の欠陥を放置することは許されない。


 結局、「新報」は、この制度そのものについて、「最大の問題は、受験生の立場を最優先に考えずに、試験を民間に丸投げしたことにある。公平・公正の確保は教育基本法で定める教育の機会均等に関わる。その実現への努力を国が放棄したに等しい。」、と安倍晋三政権の責任を明確にする。
この上で、「教育に対する基本姿勢をおろそかにし、混乱を招いた文科省の責任は重大だ。同じ過ちを二度と繰り返してはならない。文科省は猛省し、受験生や教育現場、家庭の声に謙虚に向き合うことが求められる。受験生の立場を最優先しなければならない。文科省は今後、民間試験の活用中止も選択肢に含め、関係者を集めた検討会議を立ち上げ、1年間かけて抜本的な見直しを議論するという。中途半端では、全国の関係者は決して納得しないだろう。ゼロベースで制度設計を見直す必要がある。この際、大学入学共通テストの原点に立ち返らなければならない。原点とは、生徒の立場を第一に考え、公平・公正を確保することである。その実現に向け、全ての受験生がそれぞれの生活圏の中で同一の試験を同一の日程で受けられる仕組みを文科省が主導して整えることが望ましい。」、と見解を明確にする。


 最後に、「見送りは当然だ。むしろ遅きに失したと言える。」、との朝日新聞(以下、「朝日」)の社説を見てみる。
 「朝日」も、この制度導入の見送りについて、次のように批判する。


(1)萩生田光一文部科学相は、大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入について「自信を持って受験生に薦められるシステムになっていない」と述べ、2020年度は見送ると発表した。経済格差や地域格差を広げるという批判に対し、十分な対応策が間に合わないと判断したためだ。
(2)民間試験の会場は都市部が中心のため、住む地域によっては受験生に渡航費や宿泊費の負担を強いる。家庭に経済力があれば、高校3年になる前に検定試験を何度も受けて、慣れておくこともできる。
(3)家庭の経済力や居住地が成績を左右しかねない。受験生や教育現場、家庭からは不安や批判が噴出したが、それでも実施へ突き進む文科省に不信感が拡大していた。そんな中、萩生田文科相はテレビ番組で「身の丈に合わせて頑張って」と言い放った。格差を容認し、弱者切り捨てとも取れる発言が火に油を注いだ。これが引き金となり、政権批判を恐れた官邸が見切りを付けた形だ。


 「朝日」は、この制度の疑問について、「公平・公正を確保できない制度の欠陥は以前から指摘されていた。全国の国公私立高校計約5200校でつくる全国高等学校長協会(全高長)は9月10日、制度の実施を延期した上で大幅な見直しを求める要望書を文科省に提出した。本来なら文科省はその段階で実施延期を決断すべきだった。現場の切実な声は非常に重いからだ。」、と指摘する。
 また、「英語民間試験導入の背景には、グローバル化の進展に伴い、聞く・読む・話す・書くの実践力を総合的に評価する狙いがある。この趣旨は大事だが、だからといって制度の欠陥を放置することは許されない。最大の問題は、受験生の立場を最優先に考えずに、試験を民間に丸投げしたことにある。公平・公正の確保は教育基本法で定める教育の機会均等に関わる。その実現への努力を国が放棄したに等しい。」、とも。


 「朝日」は、この制度の見送り問題の責任及び制度そのものについて切り込む。


(1)教育に対する基本姿勢をおろそかにし、混乱を招いた文科省の責任は重大だ。同じ過ちを二度と繰り返してはならない。文科省は猛省し、受験生や教育現場、家庭の声に謙虚に向き合うことが求められる。受験生の立場を最優先しなければならない。
(2)文科省は今後、民間試験の活用中止も選択肢に含め、関係者を集めた検討会議を立ち上げ、1年間かけて抜本的な見直しを議論するという。中途半端では、全国の関係者は決して納得しないだろう。ゼロベースで制度設計を見直す必要がある。この際、大学入学共通テストの原点に立ち返らなければならない。原点とは、生徒の立場を第一に考え、公平・公正を確保することである。その実現に向け、全ての受験生がそれぞれの生活圏の中で同一の試験を同一の日程で受けられる仕組みを文科省が主導して整えることが望ましい。


 こうした三社の社説からは、「英語民間試験見送りの問題」と「英語民間試験導入の問題点」は、ある程度理解できる。
 ただ、この制度が「公平・公正を確保できない制度の欠陥は以前から指摘されていた。」(「新報」)にもかかわらず、ここまで来てしまった理由がわからない。つまり、安倍晋三政権の策動を止められなかった理由がよくわからない。
それは、安倍晋三政権の権力がこうした悪い状況をもたらすほどに、日本という国を悪化させているということが答えであるということなのか。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-09 07:14 | 持続可能な社会 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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