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地盤改良有識者会議は安倍晋三政権のごり押し常套手段。

 沖縄県名護市の辺野古新基地建設をめぐり、安倍晋三政権は、埋め立て予定海域の大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事について、土木工学の専門家らでつくる有識者会議を設置するという。
このことについて、沖縄タイムスは2019年8月24日、次のように伝えた。


(1)政府は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て予定海域東側で見つかった軟弱地盤の改良工事に向け、土木工学など専門家らによる有識者会議を設置する方針を固めた。9月上旬に東京都内で初会合を開く。政府関係者が23日、明らかにした。識者から地盤改良工事の技術的な提言を受けることで工事の正当性を強調し、工事に反対する県の主張に対抗する構えだ。
(2)改良工事は、砂を締め固めたくい約7万7千本を海底に打ち込み、地盤を強化する工法で、政府は3年8カ月かかると試算している。有識者会議の結論を根拠に、移設工事の設計変更に反発する県に対し「科学的なお墨付きを得た」として、正当性を主張する狙いがあるとみられる。
(3)県は昨年8月、軟弱地盤が見つかったことなどを理由に辺野古沿岸部の埋め立ての承認を撤回した。沖縄防衛局は、対抗措置として行政不服審査法に基づく審査請求を申し立てて、国土交通相は今年4月に撤回を取り消す裁決をした。
(4)政府は、年内にも改良工事の設計変更をまとめる方針。その後、県に申請する見込みだが、手続きは年明け以降にずれ込む可能性がある。ただ、玉城デニー知事は申請を認めない方針だ。また、政府は県が進める辺野古新基地建設に関する二つの訴訟にも対応を迫られており、有識者会議が迅速に結論を出せば、一連の司法闘争にもこうした動きが影響を与えそうだ。
(5)こうした政府の動きに対し、県幹部は「軟弱地盤が判明し、防衛局は技術的な検討を今ままでもしてきたはずだ。今更何を検討するのか分からないが、お墨付きを得て変更申請をした後に県が拒否しづらい環境をつくりたいのだろう」と静観する。


 この記事を沖縄の二紙で目にした時、すぐに浮かんだのは、「この会議は安倍晋三政権得意のごり押し常套手段ではないか」、ということだった。
 このことに関して、琉球新報(以下、「新報」は2019年8月25日、「地盤改良有識者会議 結論ありきではないのか」、と社説で論評した。
 「新報」の指摘を見てみる。


(1)名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府は埋め立て予定海域の大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事について、土木工学の専門家らでつくる有識者会議を設置する。9月上旬にも東京都内で初会合を開くという。
(2)識者から地盤改良工事の技術的な提言を得て工事の正当性を強調し、工事に反対する県の主張に対抗しようという意図が見える。
(3)しかし本来、政府が設置する有識者会議は公正でなければならない。辺野古新基地建設のように政府と地元沖縄の意見が対立しているような案件ならなおさらだ。少なくとも、会議に沖縄県が推薦する専門家を入れ、議事録を公表するなどして、公平性と透明性を担保するべきだ。


 「新報」は、この会議の歪な目的に対する疑問と「少なくとも、会議に沖縄県が推薦する専門家を入れ、議事録を公表するなどして、公平性と透明性を担保するべきだ。」、とする理由を次のように示す。


(1)大浦湾の軟弱地盤は、沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏らが情報開示請求で入手した沖縄防衛局の地質調査報告書によって2018年3月に発覚した。地盤の強さを示すN値がゼロを示す、「マヨネーズ状」といわれる非常に緩い砂地や軟らかい粘土があることが分かった。大規模な構造物を建設する場合、N値が50程度必要とされ、不足している場合は大規模な地盤改良が必要となる。
(2)県は昨年8月、軟弱地盤が見つかったことなどを理由に辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回した。沖縄防衛局は対抗措置として、行政不服審査法に基づく審査請求を申し立て、国土交通相が今年4月、撤回を取り消す裁決をした。
(3)防衛省が国会に提出した地盤改良に関する報告書では、改良が必要な海域は大浦湾側を中心に73ヘクタールあり、海底に砂ぐい約7万7千本を打ち込む工法を用いる。改良には県への設計変更申請が必要だが、玉城デニー知事は変更を認めない方針だ。
(4)辺野古の埋め立てについては仲井真弘多元知事が承認の条件として国が設置した環境監視等委員会がある。しかし委員会の運営は辺野古の関連工事を請け負う環境建設コンサルタント「いであ」(東京)が担い、しかも同社を含む受注業者から委員に寄付や理事報酬が支払われたことが明らかになった。委員会の中立性は極めて疑わしい。
(5)委員会の副委員長を務めた東清二琉球大名誉教授は「基地建設ありきで大事なことを調査せず、はんこだけで実施している委員会だ。何の意味もない」と指摘して辞任した。議事録も作成しないこのような委員会が公正に役割を果たしているだろうか。軟弱地盤の有識者会議も、専門家の「お墨付き」を得るための結論ありきの存在ではないのか。


 逆に、「新報」は、「そもそも安倍晋三首相は辺野古の地盤改良について『一般的で施工実績が豊富な工法』で可能と述べ、施工のたやすさを強調してきた。しかし一般的な工法なら有識者に改めて意見を聞くまでもないだろう。有識者会議の設置は辺野古新基地建設工事がいかに困難なのかを示した格好だ。」、と断じる。


 これまでの安倍晋三政権の手法は、自らの目的をごり押しするために『有職者会議』等を利用するのが常套手段であった。
 背景には、世論を誘導することによって、違法な強攻策をも辞さない手法を有効にするためである。
 それは、「新報」の「政府が設置する有識者会議は公正でなければならない。辺野古新基地建設のように政府と地元沖縄の意見が対立しているような案件ならなおさらだ。少なくとも、会議に沖縄県が推薦する専門家を入れ、議事録を公表するなどして、公平性と透明性を担保するべきだ。」、との当たり前の意見を無視するためのものでもある。
 『専門家に意見がすでに出ている。』、と。



by asyagi-df-2014 | 2019-08-31 06:11 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月30日

 民間レベルの交流を大事にしたい。
「沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は29日、那覇空港国際線ターミナルで外国客の出迎えと、出国を見送るセレモニーを開いた。到着ゲートの前ではOCVB職員やミス沖縄らが外国客へ記念品をプレゼンするなどし沖縄訪問を歓迎した。日韓関係の悪化に伴う韓国からの観光客減少の対策の一環として、今月1日に続き2回目の試み。今回のセレモニーには県ホテル組合や県ホテル旅館生活衛生同業組合、南風原町かすりの女王も参加した。また、美ら島財団からも美ら海水族館のポストカードの提供があり、韓国の航空各社から搭乗者へプレゼントされた。」、と琉球新報。
「OCVBの下地芳郎会長は『日韓関係が冷え込んでも沖縄を訪れる観光客を大切にしたい。また、両国の関係が改善した時に向けて沖縄の魅力を発信し続けることも重要だ。今は準備期間と捉えてできる対策を講じていきたい』と話した)。」(琉球新報)は、「普通」のこと。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-韓国プロ野球・サムスン、沖縄での秋季キャンプ中止検討 日韓関係悪化で-2019年8月30日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「韓国のプロ野球チーム・三星(サムスン)ライオンズが、毎年、春と秋に実施している恩納村でのキャンプについて、今秋のキャンプ中止を検討していることが29日、分かった。日韓関係の悪化を受けた対応とみられる。同村の担当者によると、球団関係者から20日に『秋のキャンプは行けないかもしれない』との話があった。」
②「県内では恩納村のほかにもうるま市や金武町、八重瀬町で韓国プロ野球チーム7球団がキャンプを実施している。プロサッカーチームも沖縄でキャンプを行っており、今後、さらなる影響拡大も懸念される。」
③「サムスンは2005年から恩納村でキャンプを実施している。約1カ月の期間中、村内のホテルに宿泊し、ファンが練習を見に訪れるなど村内での経済効果も期待されている。恩納村担当者は『球団から正式にキャンプ中止の申し入れがあったわけではないので、村としては静観している状況だ』とした。」


(2)沖縄タイムス-CH53ヘリ、窓落とす 沖縄本島の約8キロ沖合 2日後の連絡、反発必至-2019年8月29日 18:52


 沖縄タイムスは、「沖縄防衛局は29日、米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが沖縄本島東海岸沖8キロで27日午後5時半ごろに、窓を落下させたと県に連絡した。落下したのはプラスチック製の貨物室の窓。縦58センチ、横47センチで重さは約1キロ。現時点で被害情報はないという。防衛局は県や関係自治体に連絡したが、発生から2日後の連絡の遅さに反発の声が上がるのは必至だ。普天間所属のCH53Eは2017年12月、普天間第二小学校にも窓を落下させている。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-「日韓関係が悪化しても観光客を大切に」 那覇空港でお出迎え 観光団体ら続々参加-2019年8月30日 05:20


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は29日、那覇空港国際線ターミナルで外国客の出迎えと、出国を見送るセレモニーを開いた。到着ゲートの前ではOCVB職員やミス沖縄らが外国客へ記念品をプレゼンするなどし沖縄訪問を歓迎した。」
②「日韓関係の悪化に伴う韓国からの観光客減少の対策の一環として、今月1日に続き2回目の試み。今回のセレモニーには県ホテル組合や県ホテル旅館生活衛生同業組合、南風原町かすりの女王も参加した。また、美ら島財団からも美ら海水族館のポストカードの提供があり、韓国の航空各社から搭乗者へプレゼントされた。」
③「韓国からの誘客に向けてOCVBは、韓国での沖縄旅行商談会の開催や、韓国の観光関係者を沖縄に招いた視察ツアーの実施など対策を講じるとしている。OCVBの下地芳郎会長は『日韓関係が冷え込んでも沖縄を訪れる観光客を大切にしたい。また、両国の関係が改善した時に向けて沖縄の魅力を発信し続けることも重要だ。今は準備期間と捉えてできる対策を講じていきたい』と話した。」
④「韓国の30代男性は『友人に日本への旅行を止められたが、旅行と政治感情は別物だ。美ら海水族館や恩納村のきれいな海も良かったが、沖縄の人たちが親切だったのが印象的だった。会員制交流サイト(SNS)でも沖縄の良さを発信したい』と笑顔で帰路についた。」


(4)琉球新報-「飛行訓練の自粛を」 米軍機窓落下で松川宜野湾市長 沖縄防衛局に申し入れ-2019年8月30日 11:49


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】米軍普天間飛行場所属の輸送機CH53Eヘリコプターが沖縄本島沖に窓を落下させたことを受け、普天間飛行場がある宜野湾市の松川正則市長は30日午前、説明のために市役所を訪れた沖縄防衛局の村井勝企画部長に対し、原因究明と再発防止を求めた上で『飛行は訓練を含め自粛してもらいたい』と強く申し入れた。」
②「村井企画部長は、市に落下の概要や米側からの連絡について説明。米軍に対して点検整備や安全管理の徹底、再発防止、速やかな情報提供を求めているとした。」
③「発生2日後に市へ連絡したことについて、松川市長は『非常に遅い。米側は事故に対して、どういった認識なのか。軽い事故と考えているのか』と不快感をあらわにした。沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した8月に、今回の落下事故があったことに『8月は精神的にデリケートな月で、市民の不安も多い』と指摘した。」
⑤「面談後、松川市長は米軍機によるトラブルが相次いでいることに『遺憾で、非常に怒りを禁じ得ない』と強調した。」
 


(5)琉球新報-「窓、最後に確認したのは海上」 米軍機窓落下で海兵隊 詳細な落下地点把握せず-2019年8月30日 11:02


 琉球新報は、「米軍CH53E大型輸送ヘリコプターから窓が落下した件で、在沖米海兵隊は『通常訓練後、(事故機が)普天間飛行場に戻った後に、窓の落下について報告があった。乗組員が最後に窓を確認したのは、海上を飛行していた時だった』と説明した。米軍がヘリからの窓の落下を把握したのは普天間飛行場への着陸後で、詳細な落下地点を把握していないことが明らかになった。30日午前、本紙取材に答えた。今回落下した窓ついて『「軽量で柔軟なプレキシガラスで、ゴム製シールで包まれている』と強調。『緊急時に脱出するため、取り外せるように設計されている』と説明した。落下原因は現在、調査中だとした。」、と報じた。


(6)琉球新報-米軍機窓落下、沖縄県が抗議 1週間の飛行停止求める 米軍は4日午前7時まで普天間閉鎖-2019年8月30日 17:34


 琉球新報は、表題について次のように報じた。



①「米軍普天間飛行場所属のCH53E大型ヘリコプターが沖縄本島東海岸に窓を落下させたことを受け、沖縄県の謝花喜一郎副知事は30日夕、川村裕外務省沖縄担当大使と田中利則沖縄防衛局長を県庁に呼び出し、落下事故に抗議した。」
②「謝花副知事は相次ぐ米軍機による事故に『米軍の再発防止策が極めて不十分なものだと言わざるを得ない』と指摘。県への連絡が2日後だったことにも『強い憤りを禁じ得ない』と述べた。同型機の飛行を1週間停止した上で、原因究明に加え、詳細な説明、実効性のある再発防止策を講じるよう求めた。」
③「抗議文を受け取った田中局長は米側から『普天間飛行場を4日午前7時までクローズ(閉鎖)すると聞いている』と説明した。県との面談後、落下事故を受けた措置かと問う記者団の質問には答えなかった。週明けの2日月曜日は米国の祝日『レイバー・デー(労働者の日)』となっており、事故を受けた措置ではないとの見方もある。」


(7)琉球新報-沖縄副知事「強い憤り」 米ヘリ落下窓、緊急脱出口-2019年8月30日 12:45


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のCH53E大型輸送ヘリコプターからの窓落下について、謝花喜一郎副知事は30日、県庁で取材に応じ『強い憤りとしか表現しようがない」と述べた。在沖縄米海兵隊は、窓が緊急時の脱出用に取り外せるよう設計されていると明らかにした。」
②「海兵隊によると、ヘリは定期的に予定された飛行の後、普天間飛行場に戻り窓の欠落を報告。原因を調査している。窓はゴム製のシールで囲まれているという。」
③「防衛省沖縄防衛局によると、27日午後5時半ごろ、沖縄本島の東海岸から約8キロの沖に窓が落下。1辺の長さが約58センチと約47センチで重さ約1キロだった。」


(8)琉球新報-「今すぐ飛ばすのやめて」 やまない米軍機の落下事故に県民怒り 連絡遅れにも不信感-2019年8月30日 09:56


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【中部】米軍普天間飛行場所属のCH53E大型ヘリコプターから窓が落下したことを受け、2017年に同型機から窓が落下した宜野湾市の普天間第二小学校の保護者や、ヘリの部品が落下した緑ヶ丘保育園関係者らからは『またか』『犠牲者が出てからでは遅い」と不安の声が上がった。県や県内自治体への周知が事故から2日後だったことについても怒りが広がった。」
②「防衛省によると事故は27日に起きたが、県や県内自治体への連絡は2日後の29日だった。普天間第二小の事故当時、6年生の息子が同校に通っていたチーム緑ヶ丘1207の宮城智子会長は『そのままなかったことになったのでは』と疑念を抱いた。事故と同型機が飛び続けていることに『私たちがいくら声を上げても届かないし、対策もないのか』とうなだれた。」
③「緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長は『これだけ事故を繰り返しながらも、いまだ飛び続けている。今後も落ちる可能性があるということだ』と嘆いた。『機体も古い。今回は幸い海上で済んだが、次はどうなるか分からない。今すぐ飛ばすのをやめてほしい』と訴えた。」
④「落下場所は「沖縄本島の東海岸沖約8キロ」との情報のみで、具体的には明らかにされていない。東海岸に位置する平安座島にある与那城町漁業協同組合の玉栄将幸組合長は『米軍機が飛んでいるのはよく目にする。近くに落ちても不思議ではない』と述べた上で、海中道路の本島側から平安座島が約6キロしかないことに触れ『もし津堅島や伊計島の近くでの落下となると(住民の)反感を買うだろう』と語った。」
⑤「普天間飛行場では事故が発生した27日以降も米軍機の訓練が繰り返され、29日も夜間飛行が確認された。」


(9)沖縄タイムス-米軍機の整備体制「根本的な問題」 軍事評論家、人的ミスの可能性指摘「起きるはずのない事故」 米軍ヘリ窓落下事故で-2019年8月30日 09:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリから窓が落下した事故について、専門家は『米軍機の整備体制に根本的な問題がある可能性がある』と提起。事故発生について周辺自治体への通報が遅れた点についても、通報時期について米側に裁量がある現状の課題を指摘した。」
②「軍事評論家の前田哲男さんは『米軍が整備をきちんとしていればめったに起きるはずのない事故が、普天間周辺で頻発しているとして『被害がなかったのが幸いだが、いつ人的被害に及んでもおかしくない状況だ』と強調した。」
③「窓の落下は構造上の欠陥よりもヒューマン(人的)エラーが考えられるとして『整備員のオーバーワークや教育、訓練が手抜きになっていないか。そうであれば軍の体制そのものが問題だ』と話した。」
④「前田さんは、事故が頻発する根源に『日本側が主体的な再発防止措置を取れないことに一因がある』とも指摘。一般的な労働災害では労基署が立ち入るが、『フェンスの向こうに日本の公権力は及ばず米軍任せにするしかない。日米合同委員会で申し入れるにしても、今回のように人的被害が出なかった事故で日本側が米側に対してどんな姿勢を取るか疑問だ』と語った。」
⑤「沖縄防衛局は29日、今回落下したのはへリの胴体部分にある貨物室の窓と発表。航空評論家の青木謙知さんは『(落ちたのは)胴体部分のキャビンドアの窓だと聞いている』とした。2017年に普天間第二小学校に落ちた窓は開閉式だった一方、キャビンドアの窓は固定式だとし『それが落ちるのは珍しい。米軍内部の点検整備に問題があるのではないか』」と解説した。
⑥「事故発生から2日後の通報については、『日本側に通報するかどうかは、被害や影響などを勘案して米側の判断に委ねられているのが現状だ』とし、即時通報を求めるなら、沖縄県が日本政府に要求し、日米両政府で協議して、何らかの規定などをもうける必要があるだろうと話した。」




by asyagi-df-2014 | 2019-08-30 18:31 | 沖縄から | Comments(0)

韓国政府の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了をここで考える。

 韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を韓国サイドから見てみる。
ハンギョレは2019年8月24日、「理解できない米国の反応と居直った日本」と社説で論評した。
 また、YAHOOニュ-スは2019年8月21日、中央日報日本語版で「安倍首相の判断ミス…輸出減少は韓国1兆ウォン、日本5兆ウォン」、とこの間のことを伝えた。
ハンギョレの指摘は次のものである。まずは、米国の対応について。


(1)韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を決めた後、米国が「失望」と「懸念」を込めた論評を出した。米国防総省と国務省は22日(現地時間)、韓国政府がGSOMIAを延長しなかったことについて、「強い懸念と失望を表明する」と発表した。マイク・ポンペオ国務長官も韓国政府の決定に「失望した」という反応を示し、マーク・エスパー国防長官もチョン・ギョンドゥ国防長官との電話会談で「懸念」を表明した。韓国政府の決定に対する不満を露わにしている。
(2)米国がGSOMIAの維持を強く希望してきただけに、このような反応はある程度予期されたものだった。しかし、韓日の対立が最高潮に達するまで、対岸の火事のように手を拱いてきたにもかかわらず、今になって声を荒げる米国の態度には、我々こそが失望させられたと言わざるを得ない。過去の歴史問題を口実に経済報復措置に乗り出した日本に対しては沈黙を守る一方、対抗措置を取った韓国に対しては不満を露わにするのは、同盟に対する正しい態度とは言えない。米国は今からでも、日本の誤った行動について、批判すべきことは積極的に批判しなければならない。


 次に、日本の対応について。


(1)日本がGSOMIAの終了決定に“居直り”ともいうべき無礼な態度を取ることについても、遺憾を覚える。日本側が韓国政府のGSOMIA終了決定を受け、真夜中にもかかわらず、駐日大使を呼んで抗議したのは常軌を逸するものだ。河野太郎外相が「韓国が極めて否定的で非合理的な行動を続けている」と抗議したのも盗人猛々しい行動と言わざるを得ない。河野外相の主張こそがそのまま日本に返さなければならない言葉だ。安倍晋三首相が「韓国が韓日請求権協定に違反するなど、国と国との間の信頼関係を損ねる対応を続けている」と述べたのも、日本の経済報復に対する省察の態度が見られない発言という点で、同じ問題を抱えている。日本は、このような居直りの態度が韓日関係を解決するのに役に立っておらず、韓国国民の反感を高めるだけであることを自覚しなければならない。


 それは、韓国内部の対応についても、「国内政界の一部で、GSOMIAの終了をめぐって、安保危機を誇張していることも見苦しい。自由韓国党のファン・ギョアン代表は『北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)は万歳を叫び、中国とロシアは祝杯をあげながら喜ぶだろう』とし、政府が安保を自ら壊していると主張した。ファン代表が本当に国益に関心があるなら、このような辻褄の合わない発言を慎まなければならない。GSOMIAが終了しても、韓日間の情報交換が減るだけで、韓米同盟自体に問題が生じるわけではないのは保守政界もよく知っているだろう。」、と指摘する。


 ハンギョレは、最後に、「日本が反発し、米国が抗議する状況だが、韓国政府はこのような時であればあるほど、国民を信じて毅然として対処しなければならない。GSOMIAの終了は日本の誤った行動に対する正当な対応であり、韓国の自尊心を守るために避けられない措置だ。政府は原則を守りながら、韓日関係が相互尊重と互恵の中で発展できる案を模索しなければならない。」


 どうやら、ハンギョレは、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了は、「韓国の自尊心を守るために避けられない措置だ」、と捉えている。
また、「韓日関係が相互尊重と互恵の中で発展できる案を模索しなければならない。」、とも。


 一方、中央日報日本語版は、「安倍首相の判断ミス…輸出減少は韓国1兆ウォン、日本5兆ウォン」。とその『事実』を次のように指摘している。


(1)安倍晋三首相の判断ミスだった。日本政府が韓国を相手に経済報復を始めた7月(累計基準)、対日本輸入は対日輸出より大幅に減少したことが確認された。
(2) 韓国貿易協会によると、7月の対日輸出額は167億9100万ドル(約20兆2900億ウォン、約1兆8000億円)だった。これは前年同月比5.4%減。一方、対日輸入額は284億6900万ドル(34兆4100億ウォン)と、前年同月比12.7%減少した。前年と比較すると両国の輸出入の減少は明確に表れた。
(3) 昨年7月の対日輸出額は177億5100万ドル(21兆4600億ウォン)、対日輸入額は326億2200万ドル(39兆4300億ウォン)だった。1年間に日本企業の対韓輸出は5兆200億ウォン減少した半面、韓国企業の対日輸出は1兆1700億ウォン減少した。これは日本企業が韓国企業よりも損失が大きかったと解釈できる。
(4)日本政府は先月4日、高純度フッ化水素など半導体素材3品目の韓国輸出規制を発表した。こうした理由から7月の輸出入統計に関心が集まっていた。日本を相手にした輸入額は輸出額と比較して減少幅が大きい。貿易協会によると、対日輸出は今年2月から先月まで6カ月連続でマイナスとなっている。2月が-2.3%、3月が-6.0%、4月が-6.5%、5月が-5.0%、6月が-6.3%、7月が-5.4%(7月)。
(5) 一方、日本からの輸入は昨年12月から8カ月連続でマイナスとなった。-12.7%(2月)、-14.5%(3月)、-12.3%(4月)、-13.2%(5月)、-13.3%(6月)、-12.7%(7月)だ。
(6)ムン・ビョンキ貿易協会首席研究員は「米国と中国の貿易紛争に世界的な景気減速が重なり、日本を相手にした輸出と輸入が減少したとみられる」とし「日本の経済報復も制限的に影響を及ぼしたようだ」と述べた。
(7) 韓国と日本の貿易減少は日本政府の統計でも確認できる。日本財務省が19日に出した7月の貿易統計によると、韓国に対する輸出額は前年同月比5.9%減の4363億円(4兆9500億ウォン)。日本財務省は「韓国に対する輸出が昨年11月から9カ月連続でマイナスとなった」と伝えた。品目別には原動機が47.4%減少した。半導体など製造装備(-41.6%)、荷役機械(-39.5%)、金属加工機械(-36.6%)の減少幅も大きかった。韓国に対する原料品の輸出も23.4%減少した。一方、化学製品の対韓輸出は前年同月比7.5%増加した。日本財務省は「(輸出制限した半導体素材の)品目分類がないため、これによる輸出減少があったのかは確認できない」と伝えた。


UさんはFBで、「どちらにとっても得るものがない、無意味な消耗戦に持ち込んでしまった安倍さんの判断ミスの代償はあまりに大きいと思う。」、とコメントした。
確かに、このコメントが大枠を捉えているのではないか。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-30 07:16 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月29日

住民訴訟制度を否定するものではないか。むしろ、裏側の事情を推測させるものでしかないのではないか。あまり、行政側のには得にはならない気がするのだが。
「沖縄県宮古島市が2014年度に実施した不法投棄ごみ撤去事業は違法だとして、市民6人が下地敏彦市長や市職員に事業費約2250万円の返還を求めた住民訴訟を巡り、一連の裁判で虚偽の主張を続けて市の名誉を毀損(きそん)したとして、市がこの市民6人に1100万円の損害賠償を請求する訴えを起こす方針であることが28日分かった。市が提訴するには議会の承認が必要で、市は市議会9月定例会に議案を上程する。識者からは「行政をチェックする市民を萎縮させる」と批判が出ている。」
、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-在沖海兵隊グアム移転先に遺跡 射撃場工事を中断-2019年8月29日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【与那嶺路代本紙嘱託記者】在沖海兵隊のグアム移転計画に伴い施設建設が進むアンダーセン基地北西部の実弾射撃場で7月末、二つの遺跡が見つかり、工事が一時中断していることが分かった。」
②「グアムの地元紙パシフィック・デーリー・ニュースによると、7月29日に考古学者と海兵隊が実弾射撃場を調査したところ、乳鉢や乳棒、貝の道具、石器などが見つかった。軍は工事を一時中断し、さらに調査を進めている。」
③「調査の後、遺跡を移して保管し、工事を再開する。軍によると、工事が避けられない場所ではこのような手順を取るという。グアムの米軍施設の建設現場では2018年12月以降、石器や陶器の破片など13件が相次いで見つかっている。」


(2)琉球新報-「市の名誉を毀損した」住民訴訟の市民を逆に提訴へ 宮古島市-2019年8月29日 06:34


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄県宮古島市が2014年度に実施した不法投棄ごみ撤去事業は違法だとして、市民6人が下地敏彦市長や市職員に事業費約2250万円の返還を求めた住民訴訟を巡り、一連の裁判で虚偽の主張を続けて市の名誉を毀損(きそん)したとして、市がこの市民6人に1100万円の損害賠償を請求する訴えを起こす方針であることが28日分かった。市が提訴するには議会の承認が必要で、市は市議会9月定例会に議案を上程する。識者からは「行政をチェックする市民を萎縮させる」と批判が出ている。」
②「不法投棄ごみの撤去委託事業を巡っては、市内に住む男女6人が16年1月、『市内のごみ1650トンを全て撤去する契約だったが、実際に存在したごみは少なく、市はごみの総量を把握せずに高額な契約を結んだ』として公金返還を求める住民訴訟を起こした。」
③「18年3月には那覇地裁が『市が業者と結んだ契約について違法とは言えず、事業費の支出についても職員に重過失はない』との判決を出し、市民側が敗訴。市民側は控訴したが、同年12月に福岡高裁那覇支部は『市に違法性はない』と訴えを棄却し、最高裁も今年4月に上告を棄却した。」
④「市は訴訟の理由について、市民側が一連の訴訟で事業費が違法に高額であり、市が違法な支出を阻止すべき指揮監督義務を怠ったと虚偽の主張をしたことで、市の名誉が傷つけられたとしている。賠償額については、裁判でかかった弁護士費用や弁護士との打ち合わせに伴う職員の旅費、名誉毀損に対する賠償額に加え、今後の訴訟にかかる費用を根拠とした。」
⑤「下地敏彦市長は『住民訴訟では市の主張が認められた。市が適正な処理をしたことを市民に知っていただくとともに、市の名誉を回復したい』と話した。」


(3)沖縄タイムス-津田大介さん「毀損された表現の自由リカバリーしたい」 不自由展中止の波紋-2019年8月29日 06:27


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「愛知県で開催中の国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の企画展『表現の不自由展・その後』が中止となった問題で、芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介さん(45)が27日までに沖縄タイムスのインタビューに応じた。『毀損された表現の自由を回復させるプロセスを残りの会期で見せたい』と述べ、今後何らかの対応をする考えを示した。」
②「津田さんは企画展の狙いについて、行政の運営する美術館で作品の撤去などが近年問題になっている現状を踏まえ、『アートでこれだけ検閲的な状況がある。メディアも同じ危機感を抱えなければいけないと思った』と語った。」
③「企画展が中止したことについては、『ガソリンをまくぞ』といった抗議や脅迫が殺到したことを挙げ、『職員と観客の生命が人質に取られた状況だった』と理解を求めた。」
④「補助金交付を慎重に判断するとした菅義偉官房長官の発言について『あんなことをちらつかせられたら、政治的な表現はどこもやれなくなる』と批判。公金が使われた文化事業で行政による検閲を当然と考える風潮が強いことにも懸念を示した。」
⑤「米軍基地などを巡る沖縄の訴えが本土で無視されているとも指摘。『バッシングが起きる構図は沖縄にかかる問題と似ている。表現の自由が損なわれるのは沖縄だけでなく、日本のどこでも起こりうる問題だ』と語った。」                  (東京報道部・又吉俊充)


(4)琉球新報-米軍、北側滑走路の運用を再開 嘉手納基地 補修工事で閉鎖 住民は騒音を懸念-2019年8月29日 11:41


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【中部】1月初旬から補修工事のため閉鎖されていた米軍嘉手納基地の北側滑走路が29日午前、運用を再開した。閉鎖後、1本の滑走路で運用していたが、外来機の飛来が相次ぐなど過密な運用が続いていた。運用再開で北側滑走路に近い住宅地住民への騒音被害などが懸念される。」
②「29日午前9時ごろ、米軍普天間飛行場所属のUC35Dが北側滑走路でタッチアンドゴーを行う様子が確認されたほか、午前10時ごろには航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機1機が滑走路に緊急着陸した。航空自衛隊那覇基地は『脚系統に不具合が生じたため緊急着陸した』と説明している。」
③「米軍は当初、補修工事を6カ月間としていたが、米連邦航空局の訓練計画航空情報(ノータム)で8月31日まで滑走路を閉鎖するとしていた。同基地の第18航空団は遅延の理由について明らかにしていない。」
④「工事期間中は沖縄市と北谷町に近接する南側滑走路1本で運用されていたため、米軍機の離着陸が集中。嘉手納基地に着陸できず、普天間飛行場にダイバートする回数も増加していた。」


(5)沖縄タイムス-嘉手納基地の北側滑走路、運用再開 自衛隊1機が緊急着陸-2019年8月29日 10:58


 沖縄タイムスは、「【中部】米軍は29日午前、嘉手納基地の2本の滑走路のうち、補修工事に伴い閉鎖していた北側滑走路の運用を再開した。午前9時57分には、航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機1機が北側滑走路に緊急着陸した。同基地によると、通常訓練で午前8時21分に同基地を離陸後、着陸時に出す車輪を格納するドアが閉まらない不具合が生じたためという。乗員1人にけがはなく、原因はこれから調査する。」、と報じた。



(6)沖縄タイムス-「市に異議申し立てる市民は許さないということか」 宮古島市、住民提訴方針の波紋-2019年8月29日 11:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「宮古島市が不法投棄ごみ訴訟を巡って名誉を毀損(きそん)されたとして、原告側の市民6人に損害賠償を求めて提訴する方針であることが分かった。『見せしめだ』『行政をチェックしようとする市民を萎縮させる』。市民や識者からは批判と怒りの声が上がった。」
②「同訴訟で原告の一人は『裁判で市の名誉を傷つけたことはない。提訴は市民の萎縮につながりかねず、理解できない』と驚く。同訴訟について『民事は最高裁で棄却されたが、高裁では行政のずさんさが指摘された。行政をただす意義のある裁判だった』と提訴の動きに強い疑問を示した。」
③「同訴訟に関連し、市の担当者は虚偽有印公文書作成・同行使の罪で有罪になった。行政の在り方が問われているとし『市側はしっかり反省し、市民のための運営に努めてもらいたい』と述べた。」
④「別の市民は『私たちは行政がよくなればとの思いで裁判を闘った。今後訴訟になるのであれば対応を協議し、再び真実を追求したい』と語った。」
⑤「同訴訟で住民側代理人を務めた喜多自然弁護士は『名誉毀損などあり得ない。市民の意見を封じるための訴訟としか思えず、通常では考えられない』と批判した。さらに『市長の政策に異議を申し立てた市民は許さないという独裁的な発想。議案を上程するだけで威嚇効果は十分で、他の市民への見せしめだろう』と話した。」


(7)沖縄タイムス-「沖縄バッシングと似た構図」 津田大介さん、混乱から見えたもの-2019年8月29日 11:07


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「『慰安婦』問題や昭和天皇を題材にした作品が抗議、脅迫を受け、中止に追い込まれたあいちトリエンナーレ2019の企画展『表現の不自由展・その後』。芸術監督の津田大介さんに企画意図や中止判断、混乱から見えた日本社会の問題点について聞いた。」 (聞き手=東京報道部・又吉俊充)
②「-企画の狙いは。:『契機は2015年に民間のギャラリーで見た【表現の不自由展】。僕自身ジャーナリストでアートにも興味があり、アートとジャーナリズムが地続きで交差する場所って、こういうことなんだと。アートの検閲的な状況にメディアは同じ危機感を抱えなければいけないと思った。公的な場所での美術表現が制限されているとも感じていた』」
②「-『不自由展・その後』は公的な場所、トリエンナーレで始まった。:『民間だったら普通にできる表現がひとたびパブリック・セクター、つまり公共性の高い場所になると批判が集中してできなくなる。ゆえに美術館や行政がある種の忖度(そんたく)や自己検閲して表現ができなくなってしまう状況に対し問題意識があった。不自由展を会期の75日間展示できれば、行政で当たり前に行われている検閲的状況に、美術館が対抗するモデルケースになるんじゃないか。ここは大きな動機だった』」
③「-今回の事態になる前から公共施設でこうした展示をやることがそもそもの狙いだった。:『狙いは大村秀章愛知県知事にも、事務局にも伝えた。ただ警備の都合で事前の説明が多方面に十分できなかったこともあり、非常に苛烈な抗議が来てしまった。しかも政治家があおるようなことを言い、収拾がつかなくなり現場が崩壊した。責任を感じていると同時にトリエンナーレの事務局自体が被害者でもある』」
④「-抗議の電話で事務局がパンクした。中止判断は致し方なかったか。:『僕は間違ってないと思う。現実的にテロの恐怖がどれだけあるのか。展示の2週間前に京都アニメーションの放火事件があり、電話口で【ガソリンまくぞ】と言われたり、実際にファクスも来たり。【テロに屈するのか、展示を続行しろ】という意見も理解できる。だが現場のストレスが非常に強い状況で、あの時点では続けることができなかった。ある意味、職員と観客の生命が人質に取られた状況だった』」








by asyagi-df-2014 | 2019-08-29 17:52 | 沖縄から | Comments(0)

伝え続ける責任とは。-沖縄タイムス社説から-

 何を伝えなければならないのか。
 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年8月22日、軍の食料を確保し、戦略の足手まといになる女性や子どもらを立ち退かせるのが目的だった疎開船「対馬丸」の沈没と「乗船者のうち氏名が判明している1484人(2019年8月22日現在)が犠牲になった。うち半数以上の784人が学童だった。」(「タイムス」)との犠牲を伝えた。


(1)アジア・太平洋戦争の最中の1944年8月22日、国の疎開命令で学童ら1788人が乗船した疎開船「対馬丸」が、米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃で沈められた日から22日で75年を迎える。44年7月、サイパン島で日本軍が玉砕し米軍の沖縄上陸が必至と判断した政府は、沖縄本島などから本土へ8万人、台湾へ2万人を送る疎開命令を沖縄県へ伝えた。疎開は軍の食料を確保し、戦略の足手まといになる女性や子どもらを立ち退かせるのが目的だった。
(2)対馬丸事件の以前にも、沖縄関係者を乗せた船が周辺海域で17隻沈められていたが、軍事機密としてかん口令が敷かれ、県民へ正確な情報は伝わっていなかった。
(3)対馬丸は44年8月21日午後6時35分、学童らを乗せて那覇から長崎へ出発。だが、南西諸島の海域は既に日本の補給路を断とうとする米潜水艦の動きが活発化。日本側の軍事情報は米軍に傍受され、対馬丸の船団もボーフィン号に追跡を受けていた。当時、建造から30年がたった老朽船は速度が遅く、翌22日午後10時12分、鹿児島県悪石島の北西約10キロで魚雷を受け、11分後の同23分に沈没した。
(4)対馬丸記念館によると、乗船者のうち氏名が判明している1484人(2019年8月22日現在)が犠牲になった。うち半数以上の784人が学童だった。


 何を、何故、伝えなければならないのか。
 「タイムス」は同日社説で、「[対馬丸撃沈75年]伝え続ける責任がある」、と示した。
まず最初に、「あまりにも多くの夢、希望、未来が、暗い海にのみ込まれていった。」というその様子を伝える。


(1)集団疎開の学童や一般の疎開者ら1788人を乗せた「対馬丸」が米潜水艦に撃沈されてから、きょうで75年となる。犠牲者は氏名が判明しただけで1484人。そのうち学童は半数以上の784人に上る。「雪も富士山も見ることができる」。修学旅行気分で船に乗り込んだ子どもも多かった。あまりにも多くの夢、希望、未来が、暗い海にのみ込まれていった。
(2)「生と死は紙一重だった」。垣花国民学校4年生だった上原清さん(85)は、あの日、あまりの蒸し暑さに船倉の寝場所を抜けだし甲板で寝ていた。そのため魚雷を受けてもいち早く海に飛び込めた。だが、「そこからが地獄の始まり」。上原さんは年長の少年3人と台風の影響が残る荒波を必死で救命いかだにしがみついた。日中は灼熱の太陽が体中に刺さった。海水を飲んだが、しょっぱくてすぐに吐き出した。体中が熱くなり、氷やアイスケーキを思い浮かべることで、喉の渇きを癒やした。4日間、一滴も水を飲んでいなかった。
(3)「リッカ、シーバイ、ヌマ(おい、小便飲もう)」「ウヌママ、ソーチーネー、シヌンドー(このままだと死んでしまうぞ)」。3、4滴しか出なかったが、手のひらに浸して一気に飲み干した。奄美大島に流れ着くまでの6日間、食べたのは、仲間が素手で捕まえたカワハギ1匹。「4人で分け、刺し身一切れ分だったが生きる希望が湧いた」。生き延びたのは奇跡だった。


 もしかしたら、最大の罪の一つは、被害者に、「体験を語るまでに59年もの時間が必要だった。」もの負い目を負わせてしまったことなのかもしれない。
「タイムス」は、伝える。


(1)対馬丸が長崎向けに那覇港を出港したのは1944年8月21日。7月にサイパンが陥落。米軍の沖縄上陸は必至と判断した日本軍の要請を受け、政府は女性や子ども、高齢者を島外へ疎開させるよう沖縄県に命じた。
(2)軍の食糧を確保し、戦闘の足手まといになる住民を戦場から排除する目的もあった。
(3)対馬丸の沈没は、国策で進めていた疎開を妨げることから軍事機密として厳重なかん口令が敷かれた。県民に正確な情報が伝わらず、生存者は、事実を語れないことに苦しんだ。そして生存者たちは、戦後も「自分だけ助かってしまった」という負い目を抱き生きてきた。
(4)「亡くなった子どもたちのために本当のことを伝えたい」。上原さん自身、体験を語るまでに59年もの時間が必要だった。
(5)対馬丸撃沈は、その後の「10・10空襲」、凄惨(せいさん)な地上戦へと沖縄がのみ込まれていく中で起きた。


 「タイムス」は、「[対馬丸撃沈75年]伝え続ける責任がある」の意味を示す。
「悲劇から75年の歳月が流れた。生存者の語り部は4人。親・きょうだいから次の世代へ遺族の代替わりが進む中、対馬丸記念館は昨年度から遺族宅を訪問し、戦前戦後の暮らしなどを聞き取る作業を始めた。今を生きる私たちに求められているのは『生きたかった』子どもたちの声に耳を澄ませ、戦争を知る努力を怠らないことだ。」、と。
 だからこそ、「悲劇を学び、伝え続ける責任がある。」、と。
このことが、新聞社の責任である、と。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-29 07:14 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月28日

 悲惨な体験を正確に残していくこと。
その決意に頷く。
「『絶対に戦争はさせない。記憶が確かなうちに語り継がなければならないという気持ちが強くなった』。小瀧(旧姓大城)千代子さん(86)=東京都=はサイパン島の地上戦で、母ときょうだい4人を失った。戦争体験を語ることをかたくなに拒んできたが、『教訓として伝える必要がある』と考えるようになり、2年前から自身の悲惨な体験を語りだした。27日にサイパン島で行われた第50回全南洋群島沖縄県人戦没者慰霊祭に参列した。」、と琉球新報。
この意思をそれぞれが刻み込もう。
 「小瀧さんは家族に勧められ、自身の戦争体験をノートに書き記すことはあったが、他の人に見せることはなかった。『当時は信じられないことばかりだった。証言することで傷つく人もいる。悲惨な体験を思い出したくない気持ちもあった』と振り返る。しかし、2年前から戦争体験を教訓として語り継ぐべきだという思いから自身の体験を話すようになった。『一緒に生き残った父も軍隊に裏切られた思いを持っていた。平和のためにできることを考えたい』と小瀧さんは語った。」(琉球新報))。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-つらい記憶、継承決意 小瀧千代子さん(86)戦争体験語る-2019年8月28日 07:00


 ①「『絶対に戦争はさせない。記憶が確かなうちに語り継がなければならないという気持ちが強くなった』。小瀧(旧姓大城)千代子さん(86)=東京都=はサイパン島の地上戦で、母ときょうだい4人を失った。戦争体験を語ることをかたくなに拒んできたが、『教訓として伝える必要がある』と考えるようになり、2年前から自身の悲惨な体験を語りだした。27日にサイパン島で行われた第50回全南洋群島沖縄県人戦没者慰霊祭に参列した。」
②「小瀧さんは、サイパンに生まれ、料亭の料理人として働く父に育てられた。次男は優秀で自慢の兄だった。そんな穏やかな日常を戦争が奪った。」
③「1944年6月13日、家族は自宅を出て山の中に入り、北部の「千人壕」を目指した。しかし壕内は避難民でいっぱいだったため、そのまま山中を逃げ続けた。7月中旬頃、次男兄と姉が水くみから戻らなかった。追い掛けるように水をくみに行った小瀧さんは兄の遺体を見つけた。『盛り土に覆いかぶさっていた。たぶん土の下は姉だったのだろう。兄は姉を埋めて力尽きたんだと思う』。その後、母と三男兄と山中を逃げたが、機関銃に撃たれ負傷した。気が付くと収容所に入れられていた。以後、聞いた話では母と兄は11月ごろまで逃げ回り、最後は戦車による攻撃で命を落とした。母は内臓が飛び出た状態で横たわっていたという。」
④「小瀧さんは家族に勧められ、自身の戦争体験をノートに書き記すことはあったが、他の人に見せることはなかった。『当時は信じられないことばかりだった。証言することで傷つく人もいる。悲惨な体験を思い出したくない気持ちもあった』と振り返る。」
⑤「しかし、2年前から戦争体験を教訓として語り継ぐべきだという思いから自身の体験を話すようになった。『一緒に生き残った父も軍隊に裏切られた思いを持っていた。平和のためにできることを考えたい』と小瀧さんは語った。」


(2)琉球新報-慰安婦資料問題は日韓の意向尊重 世界記憶遺産でユネスコ事務局長-2019年8月28日 17:10


 琉球新報は、「【パリ共同】国連教育科学文化機関(ユネスコ、本部パリ)のアズレ事務局長は27日、就任後初の訪日に際して共同通信の書面インタビューに応じた。現在凍結している旧日本軍の従軍慰安婦関連資料の『世界の記憶』(世界記憶遺産)への登録審査に関し『進展は関係当事者の意思次第だ』として、反対する日本と、登録を後押しする韓国の双方の意向を尊重する考えを示した。2017年11月の就任後、アズレ氏が日本メディアのインタビューに応じるのは初めて。慰安婦資料の登録は中韓両国などの団体が申請し、ユネスコは17年10月に登録に関する判断を延期した。」、と報じた。


(3)琉球新報-埋め立て土砂搬入に抗議 ゲート前、学生や市民130人座り込み 名護市辺野古-2019年8月28日 15:16


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は28日、埋め立て土砂の投入作業を続けた。本部港塩川地区や安和の琉球セメント桟橋では、土砂を積んだ大型車両に向かって建設に反対する市民が『違法工事を続けるのか』などと声を上げた。琉球セメント桟の沖合では、市民がカヌー13艇とボート1槽で抗議した。米軍キャンプ・シュワブゲート前では、工事車両が積荷を搬入する際に国内外の学生や市民ら約130人が集まり、座り込むなどして抗議した。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-28 17:53 | 沖縄から | Comments(0)

「見たくない過去、語ろう」、とは。 

 朝日新聞(以下、「朝日」)の記事が目についた。
「朝日」は2019年8月21日、国際政治学者の藤原帰一の「(時事小言)原爆投下と慰安婦像 見たくない過去、語ろう」を掲載した。
藤原帰一(以下、「藤原」)は、まずこのように、気ががりを指摘する。


(1)今年もまた、広島に原爆が投下された8月6日、長崎が被爆した8月9日、そして8月15日の終戦記念日と、戦争で亡くなった方々を追悼する式典が催された。新聞とテレビは74年前の戦争を振り返る記事や番組でいっぱいだった。
(2)それを読み、観(み)ながら、心に引っかかることがあった。第2次世界大戦において展開された暴力のなかに、広く語られる暴力と、語ることの許されない暴力の二つがあることだ。


 「藤原」の指摘する「第2次世界大戦において展開された暴力のなかに、広く語られる暴力と、語ることの許されない暴力の二つがある」、とは何を具体的に指すのか。
「藤原」の示す「語ることの許されない暴力」、とは次のものである。


(1)あいちトリエンナーレの企画「表現の不自由展・その後」が抗議ばかりでなく暴力行為の予告などを受けて中止となった。抗議や脅迫の元となった展示のなかには、昭和天皇の肖像群が燃える作品に加え、慰安婦の少女を表現した作品が、あったと報道されている。
(2)企画展の中止に関する論評の多くは憲法によって保障された表現の自由との関係から議論するものであった。もちろん展示会を暴力によって威迫することがあってはならない。だが、表現の自由とはまた別に、気になった問題がある。慰安婦の姿を表現することは受け入れることができない、そのような展示は認められないと考える人々が日本国内に少なからず存在するということだ。
(3)初めてのことではない。慰安婦の姿を表現した少女像は、設置を求める運動が韓国系団体を中心として展開され、ソウルの日本大使館前ばかりでなく世界各地に設置される一方、撤去を求める運動も行われてきた。ここでは慰安婦の表象が戦時性暴力ではなく反日的な行為として捉えられている。語られない、語ることが許されない戦争の暴力である。「見たくない過去」といってもいいだろう。


 一方、「広く語られる暴力」について、次のように示す。


(1)語られる過去もある。日本で広く伝えられてきた暴力の中核は、広島と長崎への原爆投下だろう。膨大な数の国民の生命を奪い、生き延びた人々についてもその心と身体(からだ)にむごい傷を与えたこの事件は、核兵器は地上から廃絶されなければならないという願いとともに繰り返し語られてきた。原爆投下ばかりでない。広島・長崎の被爆は、東京や阪神への空襲、あるいは沖縄戦を始めとした、銃後の日本人が経験した戦争のシンボルとして伝えられてきたといっていいだろう。
(2)一般市民の視点から戦争を捉えた作品の一つが「この世界の片隅に」である。こうの史代の漫画を原作としてテレビドラマも映画も作られたが、ここでは片渕須直が監督したアニメ映画を取り上げてみよう。この映画のほとんどが、絵を描くのが好きな主人公、すずの視点で貫かれている。この夢見がちな少女は北條周作と結婚して広島を離れて呉に住むことになるが、太平洋戦争のさなか、日を追うごとに暮らしは厳しさを増してゆく。食べるものにも事欠く状態となり、呉は米軍の空襲を受け、広島に原爆が投下される。悲劇としか呼びようのない展開ではあるが、悲劇性を印象づける画面づくりや音響効果は抑制され、他方では結婚前のすずが住んだ広島も、夫の実家がある呉も、細部まで描かれている。
(3)「この世界の片隅に」は、反戦や反核のメッセージを訴えるのではなく、すずの目に映ったものを観客に伝えることに徹している。ここで描かれる戦争の姿は、必ずしも新しいイメージではない。空襲と原爆投下というこれまでにも日本で語られてきた戦争経験が、軍人ではない日本国民の視点から精妙に表現されている。


 ここで、「藤原」は、この「広く語られる暴力と、語ることの許されない暴力の二つ」について、「『表現の不自由展・その後』の中止が発表された後、私は、3年前に観た『この世界の片隅に』を再見し、改めて感銘を受けた。そして、『この世界の片隅に』と慰安婦の少女像もともに受け入れることはできないのかを考えた。」、と次のように語る。


(1)戦争の記憶が政治的な争点となることは日本に限った現象ではない。1995年、スミソニアン航空宇宙博物館の企画した原爆投下の展覧会がアメリカ国内の反発を受けて中止に追い込まれ、原爆を投下したエノラ・ゲイが展示されるにとどまった。ここには「見たくない過去」としての原爆投下を排除する態度がある。
(2)原爆投下を「見たくない過去」とするアメリカ人がいるように、慰安婦を「見たくない過去」とする日本国民がいるのだろう。だが、原爆投下への批判がアメリカ国民への侮辱ではないように、慰安婦を語ることを日本国民への侮辱だと考える必要もない。
(3)不条理な暴力に踏みにじられた人間を描く点において、すずに心情同化して戦争を捉えることと慰安婦の表象を通して植民地支配と戦争を語ることとの間には矛盾はない。既に植民地支配も侵略戦争も過去のものとした日本であればこそ、民族の違いを超えて戦時の暴力の犠牲を見ることはできるはずである。(国際政治学者)


 確かに、「原爆投下を『見たくない過去』とするアメリカ人がいるように、慰安婦を『見たくない過去』とする日本国民がいるのだろう。」(「藤原」)という現状があったとしても、「だが、原爆投下への批判がアメリカ国民への侮辱ではないように、慰安婦を語ることを日本国民への侮辱だと考える必要もない。」(「藤原」)、ということは確かである。
 一方では、植民地支配や侵略戦争を、自国的にも対外的にもきちんと精算できていないからこそ、慰安婦像が戦時暴力を暴くものとして捉えられるのである。
ただ、「見たくない過去、語ろう」は、極めて正しい。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-28 07:13 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月27日

確かに、数年前はアマゾンでの購入であった。
「米軍基地引き取り運動の理論書といわれる野村浩也広島修道大学教授の著作『無意識の植民地主義 日本人の米軍基地と沖縄人』の復刊(松籟社)を記念したトークイベントが25日、那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれた。」、と琉球新報。
また、この復刊の意味を「野村氏は『沖縄県の基地集中が現在も続くのは日本人の植民地主義により、差別が制度化されていることが背景にある』と説明。その上で発刊後、各地で基地の引き取り運動が起こっていることに触れ、『日本人の中で差別をやめたいという人が増えてきた。ぜひ基地を引き取ることで差別をやめてほしい』と強調した。」(琉球新報)、と。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-基地問題対策「不適切」が増加 振興審総合部会 県民意識の重視求める-2019年8月27日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄21世紀ビジョン基本計画の総点検を実施している県は26日、振興審議会総合部会(部会長・大城郁寛琉球大国際地域創造学部教授)の第2回会合を県庁で開き、県内の地域安全対策や米軍基地問題、所有者不明土地などについて議論した。11月中旬に予定する第5回部会で意見書案を取りまとめる。」
②「県の各担当部による総点検報告書素案の説明に対し、委員からは追記や補足を求める意見が上がった。県民意識調査で、米軍基地から派生する諸問題への対策が適切に講じられているとの回答が、2015年度の12・7%から18年度は11・9%に低下したことについて委員の村上尚子弁護士は『改善していない。低下を重視する必要がある』と求めた。」
③「委員らは、観光業の好調に伴う交通安全上の問題としてレンタカーの事故率の上昇や標識の多言語化の必要性などを挙げた。共助・共創型地域づくりの推進について委員の島袋伊津子沖縄国際大教授は『外国人労働者が増えている現状がある。県として世代・性別間以外にも、国籍の違う人々がコミュニティーで増えていくことを考慮した社会を目指すべきだ』と指摘した。」
④「同部会は第3回会合を9月10日に開催し、駐留軍用地跡地の有効利用などについて議論する。」



(2)琉球新報-陸自ミサイル基地配備中止を 宮古島住民が防衛局要請 地盤改良せずに建設へ-2019年8月27日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の仲里成繁代表らメンバーは26日、県庁と沖縄防衛局を訪れ、宮古島市への陸上自衛隊部隊の配備中止や宮古島駐屯地内の保管庫撤去、10月中にも着工が予定されている保良鉱山地区(同市城辺)の弾薬庫施設建設工事に関する住民説明会の開催などを求めた。同日夕には浦添市社会福祉センターで『宮古・石垣・与那国の自衛隊軍事化反対に連帯する集会』も開かれ、各島の参加者から現状報告があった。」
②「沖縄防衛局の担当者は、燃料施設地下の地盤が軟弱であることや空洞の存在について問われ『必要な支持力があることを確認しているので、地盤改良などは行っていない』と説明した。これに対し同会のメンバーからは安全性を疑問視する声が相次いだ。」
③「一方、県庁では池田竹州知事公室長が対応し『知事に要請内容を報告する』と述べた。その上で『さまざまな意見があり、住民合意がないまま地域に分断を持ち込むような配備強行は認められない。国が住民と対話し、説明を尽くすよう求めたい』と県の立場を説明した。」


(3)琉球新報-沖縄に米軍基地が集中しているのはなぜ? 野村浩也氏「基地引き取りで差別抜け出して」-2019年8月27日 10:20


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍基地引き取り運動の理論書といわれる野村浩也広島修道大学教授の著作『無意識の植民地主義 日本人の米軍基地と沖縄人』の復刊(松籟社)を記念したトークイベントが25日、那覇市のジュンク堂書店那覇店で開かれた。」
②「同書は2005年に発刊されているが増補と解説を加えて14年ぶりに復刊された。約70人が駆け付け、沖縄県への基地集中の背景にある日本人の『植民地主義』と基地問題の解決に向けた意識変革の必要性などについて考えを深めた。」
③「野村氏は『沖縄県の基地集中が現在も続くのは日本人の植民地主義により、差別が制度化されていることが背景にある』と説明。その上で発刊後、各地で基地の引き取り運動が起こっていることに触れ、『日本人の中で差別をやめたいという人が増えてきた。ぜひ基地を引き取ることで差別をやめてほしい』と強調した。」
④「同書では解説を寄せ、聞き手を務めた松永勝利琉球新報読者事業局特任局長・出版部長は『東京出身の自分にとって、初読は自覚のない差別意識を突き付けられつらい読書体験になった。だが指摘は正論だ。日本人、新聞記者として沖縄にどう向き合うか方向性を明確にしてくれた』と振り返った。」


(4)沖縄タイムス-本土の反対で沖縄に移転 米軍基地の歴史、「分かりやすく表記を」 専門家が沖縄県に注文-2019年8月27日 08:40


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「『沖縄21世紀ビジョン基本計画』の総点検のため県は26日、県庁で総合部会(部会長・大城郁寛琉球大学国際地域創造学部教授)を開いた。委員らは、総点検報告書は県内外の人が活用するとし、在沖米海兵隊が本土の反対運動などによって沖縄に移ってきたことなどを分かりやすく明記するよう求めた。」
②「素案には『米軍基地の整理・縮小の流れを受け本土から沖縄への海兵隊移転などにより広大な米軍基地が形成された』とある。委員らは『若い世代はもともと(多くの)米軍基地が沖縄にあったと思っている人が多い』と節目の年代を記すことや『機能移転か、敷地面積が増えたのかも書いた方がいい』と提案した。」
③「また米軍基地から派生する問題への対応検証で、県は日米両政府への要請活動や国民的議論の喚起、ワシントン駐在員の配置をいずれも『達成』と評価している。委員からは『達成に違和感がある。要請したら終わりではないというのが(県民の)大半だろう。表現を変えたほうがいい』との指摘があった。」


(5)沖縄タイムス-違法送迎の予約FB、今も 米軍Yナンバー車両の「白タク」 日本のタクシー業者、警戒続く-2019年8月27日 09:42


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県内のYナンバー車両が違法な『白タク』行為をしている問題が沖縄タイムスの報道で発覚してから1カ月半。米軍はフェイスブック(FB)の公式アカウントなどで禁止を呼び掛け、白タクの姿は表向き見られなくなっている。ただ、FBを通じた利用申し込みなどは外部からは確認できず、実態は不明だ。予約に使われていたアカウントがアカウント名を変えて存続している例もあり、日本のタクシー乗務員からは『一時的に沈静化しているだけでは』と警戒の声が聞かれる。」(社会部・比嘉太一、西倉悟朗)
②「『このグループは捜査で監視されている可能性がある。たくさんの人が捕まるかもしれない。白タクに関するコメントを消してほしい』。7月中旬、あるFBのアカウントに、米軍関係者とみられる人物がこう書き込んでいた。『証拠隠滅』と受け取れ、白タク関係者の危機感がうかがえる。」
③「報道を受け、米軍は白タクが日本の法律に触れると警告する表示をFBに掲載したほか、フェンスや基地内にも同様な看板や横断幕を設置した。これまで複数の白タクが日常的に待機していた北谷町や沖縄市の繁華街では現在、疑わしい車両は見られない。」
④「米軍基地を出入りしている日本のタクシー乗務員の一人は『白タクがいなくなり、売り上げも戻ってきた』と話す。一方、予約に使われていたFBアカウントの一つは報道の後も、別のアカウント名に切り替えて存続している。フォロワー数は4千人以上。所属基地や住んでいる場所に答えることが登録条件になっており、本紙は登録を試みたが拒否された。白タク営業がなくなったのか、それとも場所や手法を変えて続いているのか、実態は分からない。」
⑤「沖縄総合事務局は7月末、北谷町や沖縄市で現地調査を実施した。米軍が禁止を通知した後で違法行為は確認できなかったものの、担当者は『米軍や県警と密に情報交換し、引き続き実態把握や警戒に務めたい』と話している。」


(6)沖縄タイムス-埋め立て次々と搬入 抗議市民「美ちゅら海返せ」 名護市辺野古の新基地問題-2019年8月27日 14:33


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する市民ら約30人が27日午前、同市安和の琉球セメント桟橋敷地の出入り口で抗議した。埋め立てに使うとみられる土砂を運搬船に積み込む作業があり、市民は次々と入っていくトラックに向かって『美ちゅら海返せ』『命を壊すな』と声を上げた。市民によると、午前11時45分までに大型車両33台が延べ210回搬入。敷地内に仮置きしていた土砂を運搬船に積み込んだ。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-地盤改良せず駐屯地建設 宮古島の陸自施設 地下に空洞や軟弱地盤 識者は強度調査求める-2019年8月27日 14:29


 沖縄防衛局は26日、地下に空洞が確認されている陸上自衛隊宮古島駐屯地を建設中の千代田カントリークラブ地区の地盤改良をせずに工事を進めていることを明らかにした。同日防衛局を訪れた宮古島市への陸上自衛隊配備に反対する「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の代表者らと面談した防衛局職員が「(工事に)必要な支持力を確認しているので地盤改良はしていない」と述べた。専門家は地盤の強度を含む十分な調査を求めていた。

 住民連絡会の仲里成繁代表らは防衛局への開示請求で公開された資料を基に、空洞や軟弱地盤が存在するとして駐屯地の建設を問題視。ボーリング調査では1メートル以上の空洞が燃料タンクや宿舎などの地下3カ所で見つかっている。

 防衛局は「ボーリング調査を含めた土質調査のデータを基に地盤改良は必要がないと判断した」と説明。面談に同席した琉球大学理学部の新城竜一教授は「調査では地盤の強度まで調べていない。データを検証せず工事業者の説明をうのみにすれば、将来事故が起きたときに誰が責任を負うのか」と指摘した。

 住宅地に近い市城辺保良で予定される弾薬庫建設が、10月にも着工との報道については「できるかぎり早く着工したい」と否定しなかった。連絡会は「過去にあった住民説明会では2019年度の工事には触れていない」と指摘し、あらためて住民説明会を開くよう求めた。

 同弾薬庫を巡り陸自武器学校の資料で地対艦誘導弾が火災に巻き込まれた場合、2分以内に1キロ以上離れるように明記されていることについては「記載は事実だが、遮蔽(しゃへい)物がない場合を念頭に置いた内容。火薬庫で保管した場合の話ではない」と説明した。

 連絡会は同日、県庁で池田竹州知事公室長とも面談。ミサイル基地としての運用や弾薬庫の建設を撤回するよう国に働き掛けることなどを要請した。

 また、連絡会は同日夜、浦添市内で宮古、石垣、与那国への自衛隊配備に反対する市民の集会を開き各地の報告と連携を確認した。


(8)琉球新報-「二度と同じ悲劇起こさせない」 南洋犠牲者に平和誓う サイパンで慰霊祭 -019年8月27日 14:44


 琉球新報は、「【サイパンで謝花史哲】1944年に太平洋戦争で旧南洋群島の住民が地上戦に巻き込まれてから75年が経過した。命を落とした沖縄県出身者のみ霊を慰める第50回全南洋群島沖縄県人戦没者慰霊祭(主催・南洋群島帰還者会、県遺族連合会)が現地時間27日午後、米自治領サイパン島の『おきなわの塔』で開かれた。帰還者やその家族、現地関係者ら多くが参列し、旧南洋群島で戦禍に見舞われ、犠牲となった県出身者1万2千人余の鎮魂を祈り、二度と同じ悲劇を起こさせないと誓った。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-27 17:32 | 沖縄から | Comments(0)

天皇制ということ。

 この所の沖縄の二紙は、初代宮内庁長官の故田島道治氏が昭和天皇とのやりとりを詳細に記録した「拝謁記」の一部公開の内容について、大きく取りあげている。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年8月21日、早くも、「昭和天皇『拝謁記』 戦後責任も検証が必要だ」、と社説で論説した。
 前もって用意できたものかどうかは分からないが、非常に早い見解の表明である。
 どういうものであるのか。
 「新報」の指摘は次のものである。


(1)初代宮内庁長官の故田島道治氏が昭和天皇とのやりとりを詳細に記録した「拝謁(はいえつ)記」の一部が公開された。
(2)それによると、本土で米軍基地反対闘争が起きていた1953年、昭和天皇は「全体の為(ため)ニ之がいいと分れば一部の犠牲は已(や)むを得ぬと考へる…」「誰かがどこかで不利を忍び犠牲を払ハねばならぬ」(引用部は一部原文のまま)などと述べていた。
(3)昭和天皇が47年、米軍による沖縄の長期占領を望むと米国側に伝えた「天皇メッセージ」の根本にある考え方と言っていいだろう。


 このことに関しての「新報」の見解は明快である。
 それは、「沖縄を巡り、昭和天皇には「戦争責任」と「戦後責任」がある。歴史を正しく継承していく上で、これらの検証は欠かせない。」、というものである。
 その理由を次のように示す。
まず、「戦争責任」について。

(1)45年2月、近衛文麿元首相が国体護持の観点から「敗戦は必至」として早期和平を進言した。昭和天皇は、もう一度戦果を挙げなければ難しい―との見方を示す。米軍に多大な損害を与えることで講和に際し少しでも立場を有利にする意向だった。
(2)さらに、45年7月に和平工作のため天皇の特使として近衛元首相をソ連に送ろうとした際には沖縄放棄の方針が作成された。ソ連が特使の派遣を拒み、実現を見なかった。


 次に、「戦後責任」について。


(1)そして47年9月の「天皇メッセージ」である。琉球諸島の軍事占領の継続を米国に希望し、占領は日本に主権を残したまま「25年から50年、あるいはそれ以上」貸与するという擬制(フィクション)に基づくべきだ―としている。宮内府御用掛だった故寺崎英成氏を通じてシーボルトGHQ外交局長に伝えられた。
(2)既に新憲法が施行され「象徴」になっていたが、戦前の意識が残っていたのだろう。
(3)これまで見てきたように、昭和天皇との関連で沖縄は少なくとも3度切り捨てられている。根底にあるのは全体のためには一部の犠牲はやむを得ないという思考法だ。
(4)こうした考え方は現在の沖縄の基地問題にも通じる。


 「新報」は、最後に、今回の「拝謁記」の一部公開について、「『拝謁記』で明らかになった昭和天皇の発言が、現政権による改憲の動きに利用されることはあってはならない。」とし、次のようにまとめる。


(1)日本の独立回復を祝う52年の式典で昭和天皇が戦争への後悔と反省を表明しようとしたところ、当時の吉田茂首相が反対し「お言葉」から削除されたという。だからといって昭和天皇の責任が薄れるものではない。
(2)戦争の責任は軍部だけに押し付けていい話ではない。天皇がもっと早く終戦を決意し、行動を起こしていれば、沖縄戦の多大な犠牲も、広島、長崎の原爆投下も、あるいは避けられたかもしれない。
(3)「拝謁記」で、昭和天皇が戦前の軍隊を否定しつつも、改憲による再軍備を口にしていたことは驚きだ。憲法99条は天皇や国務大臣など公務員に「憲法尊重擁護の義務」を課している。象徴である天皇自身が憲法改正を主張することは許されないはずだ。


 現在の「構造的沖縄差別」が天皇メッセ-ジによって位置づけられたのは間違いことである。そして今、「『拝謁記』で明らかになった昭和天皇の発言が、現政権による改憲の動きに利用されることはあってはならない。」(琉球新報)、ということが直近の課題である。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-27 11:10 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月26日

常に、目の前の『暴力』があるとしたら、やはり、闘いは厳しい。できることは。
「新基地建設が進む沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸では26日午前、K8護岸で消波ブロックの設置があった。大浦湾では土砂を積んだ運搬船から台船への積み替え作業があったが、K8・K9護岸への陸揚げ作業はなかった。新基地建設に反対する市民らは、カヌー7艇で作業を監視した。抗議船に乗って参加した高知県在住の男性(33)は『来る度に護岸工事が進んでいてショックだ。自分に何ができるか考えさせられる』と話した。」、と沖縄タイムス。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-辺野古の新基地建設 大浦湾で埋め立て用土砂を積み替え 反対する市民ら作業を監視-2019年8月26日 14:24


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「新基地建設が進む沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸では26日午前、K8護岸で消波ブロックの設置があった。大浦湾では土砂を積んだ運搬船から台船への積み替え作業があったが、K8・K9護岸への陸揚げ作業はなかった。新基地建設に反対する市民らは、カヌー7艇で作業を監視した。抗議船に乗って参加した高知県在住の男性(33)は『来る度に護岸工事が進んでいてショックだ。自分に何ができるか考えさせられる』と話した。」
②「キャンプ・シュワブゲート前では午前、座り込む市民らを機動隊が排除し、資材を積んだ工事車両がゲート内に入った。市民らは『美ら海を返せ』『工事を止めろ』などシュプレヒコールを続けた。」


(2)沖縄タイムス-沖縄女性の入れ墨「ハジチ」禁止令から今年で120年 法令で「憧れ」が「恥」に変わった歴史【WEB限定】-2019年8月26日 16:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄にはかつて、女性が手に入れ墨を彫る『ハジチ』の文化があった。1899年、日本政府が入れ墨を禁止したことで、ハジチは『憧れ』から『排除』の対象に変わった歴史がある。禁止されてから今年で120年。専門家は『ハジチを通して、歴史や差別の問題を知ってほしい』と話す。」(デジタル部・與那覇里子)
②「ハジチは、琉球王国の時代から沖縄にあった。ハジチを入れることは、女性として当たり前で、厄払い、婚姻、内地に連れて行かれるのを防ぐなどの意味があった。結婚を前提として突いたハジチには、痛さを我慢するように、姑付き合いも辛抱できるようにとの意味も込められていた。」
③「ハジチを入れた女性たちの調査をしてきた都留文科大学の山本芳美教授は『【あんなきれいな手でご飯をつくっていたら、さぞおいしかろう】と男性たちがハジチのある女性の手に憧れも持っていました。女性たちは誰が一番美しい仕上がりか勝負もしていました。女性たちもあこがれていたようです』」。
④「しかし、日本政府は1899年(明治32年)、入れ墨を禁止する『分身禁止令』を出した。山本教授によると、ちょんまげやお歯黒なども禁止された日本の『文明開化』政策の一環だったという。『明治政府は、入れ墨が欧米の人の目に触れることを気にして、庶民の行動を規制しようとしていたことが背景にあると思います』と指摘する。」
⑤「この禁止令を機に、ハジチはあこがれから排除の対象に変わる。山本教授によれば、違反者は罰せられ、学校でハジチをして登校すれば、教師にしかられ、塩酸で焼くようにしたこともあったという。ハジチを理由に離婚されるケースも出てきていた。『インタビューでも、【前はすごくきれいな風に見えたけど、今はものすごくきたないね】という言葉がありました。制度によって、価値観がガラリと変わってしまいました』」
⑥「ハジチはタブー視され、恥の文化になり、差別を受けることもあった。ハジチを入れた女性はカメラに収まる時、手を隠すため、正面から写ることを避けたという。」⑦「山本教授は、海外のタトゥーの研究者たちが日本の入れ墨について話す時、アイヌと東京の彫り師の話に集中していることを危惧している。『アイヌや東京は、英語の論文で触れられていたりするんですが、沖縄は全くない。でも、ハジチほど、調査がされているものもないんです。調査の蓄積や厚みが違う。1980年代、ハジチを入れたおばあさんたちが亡くなろうとしてしたころ、行政が細かく記録を残しているんです。読谷村は沖縄本島だけで772人も調査しています。世界的にも沖縄の調査はまれです』」
自由民権運動の謝花昇の実の妹=1973年9月13日撮影(元の白黒写真)
⑧「そんなハジチの歴史を見つめ直すため、山本教授は10月から沖縄で『沖縄のハジチ、台湾原住民族のタトゥー』と題した企画展を始める。なぜ、台湾かと言えば、台湾にも原住民族は入れ墨の文化がありながら、沖縄と同じように施術を禁止された歴史をたどったからだ。一方で、台湾ではさまざまな形でタトゥーが復活しつつある。『沖縄と台湾の歴史と今から、現代日本のあり方を考えたいと思っています』
⑨「しかし、ハジチをしている女性がいなくなった今、なぜこのタイミングでの開催なのか。『ハジチをしている知り合いや生き証人がいないということは、歴史的な生々しさがない状態です。模様をロマンチックに思うかもしれない。差別の話も冷静に受け入れ、考えられるかもしれない。フラットな状況で、もう一度、沖縄のことを見つめ直したいんです』」
⑩「企画展では、ハジチを身近に感じてもらえるように、レプリカも用意した。ハジチは、おばあさんの手の写真しかなく、若い女性の手に入っているイメージがつきにくい。また、黄色人種は、墨を差すと肌では青色になるので、色も青で着色した。『急ピッチで準備を進めているところで、企画展のクラウドファンディングも募集しています。ぜひ、力を貸してください』」


(3)琉球新報-末の妹を置き去りにして逃げた 「水もなく乳も出ない…」母の苦悩を胸に 南洋へ慰霊の旅を続けるきょうだい-2019年8月26日 10:26


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「母は山の中で生まれて間もない6人きょうだいの末っ子を岩のくぼみに置いて立ち去った。赤ちゃんのその後の行方は分からない。1944年6月、太平洋戦争で米軍がサイパンに攻め入り、穏やかな日常は一変した。激しさを増す艦砲射撃から逃げ惑う中、連れ添うほかのきょうだい3人を救いたい一心で母が下した決断だった。」
②「名前はさえこちゃん。当時4歳の次女崎浜洋子さん(80)=本部町=と2歳の三男秀晴さん(77)=同=は、その時の様子も妹の顔も覚えていない。35年前に亡くなった母が生前に幾度となく語り聞かせてくれたため、2人はサイパンでの悲惨な戦争体験を『記憶』としてとどめている。」
③「崎浜さん一家は漁師だった父を追い掛けて37年にサイパンに移住した。2年後には本部町に残っていた長男の秀市さんも来島し、洋子さんら3人が生まれた。秀市さんはサイパン実業高校、姉の和子さんはサイパン高女へ入学。将来が期待された。しかし秀市さんは卒業後、軍の整備員となり、戦争で生き別れた。どこで亡くなったか不明のままだ。」
④「『水もなく乳も出ない。このままではどのみち助からない。もしかしたら誰かに救われるかもしれない』。次男の秀司さんは避難中にはぐれてしまっていた。母は全員の死を覚悟しながらも、子どもたちを守るため赤ちゃんを手放した。その後、洋子さんと秀晴さんの2人は姉の和子さんに背負われたり手を引かれたりして、母と共に島の北端へと追いやられた。多くの人が崖から海へ身を投げていた。和子さんも飛び込もうとしたが、母が止めた。山中に引き返した後も和子さんは首をくくって死のうとした。この時、洋子さんは『洋子は死なないよ』と叫んだという。それが効いたのか和子さんは一命を取り留め、米兵に見つかった4人は収容所に入れられた。4カ月後、家族とはぐれていた秀司さんと再会を果たしたが、長男は帰ってこなかった。」
⑤「『生きている間は兄や妹を弔ってほしい』。長男秀市さんと末っ子のさえこちゃんを亡くした洋子さんと秀晴さんらきょうだいは母の遺言を胸に、慰霊の旅を40回以上続けてきた。一緒に母を支え、サイパンへの思いを寄せた次男の秀司さんも今年2月に87歳で亡くなった。秀晴さんは『戦争がなければ、母も苦労なんてしなかった』と75年の歳月を振り返る。」
⑥「『優秀で自慢だった長男』(洋子さん)を失った家族の悲しみは特に深く、母は自ら体験した戦争の悲惨さとともに反戦への強い思いを語り続けた。長兄を慕っていた秀司さんは教員となり『教え子を2度と戦場に送らない』との思いで教べんを取ってきた。姉の和子さんと洋子さんも教員になり、戦争の教訓を広げようと取り組んだ。」
⑦「サイパンとテニアンの戦闘終結から75年。基地の問題を巡り昭和天皇が『一部の犠牲はやむを得ぬ』との認識を示していたことが明らかになった。秀晴さんは『国を守るための一部の犠牲は戦争の時から続き、沖縄に負担を強いる構図が今も続いている』と憤る。」
⑧「復帰前から慰霊の旅を続け、戦争の教訓や平和への思いを発信してきた帰還者たち。しかし高齢化に伴い参加者は年々減少し、当時の学童たちは80歳を超えた。悲惨な戦争の記憶が薄れてしまわないか。懸念が膨らむ中で2度と同じ過ちを起こさないことを祈り続けている。」
(謝花史哲)
⑨「旧南洋群島サイパン・テニアンの戦闘終結から今年で75年がたった。戦争で犠牲となった家族が眠る、もう一つの古里。50回目の節目となる現地慰霊祭が27、28日開かれ、組織的な墓参りは終了する。慰霊の旅を続けてきた帰還者たちの思いを追った。」



by asyagi-df-2014 | 2019-08-26 18:20 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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