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認知症基本政策策定とは。(2)

 自民党の認知症基本政策策定に関して、朝日新聞は2019年5月19日、「自民党の社会保障制度調査会・介護委員会は17日、「認知症基本法案(仮称)」の骨子を公表した。認知症に関する施策を推進するための基本計画の策定を政府に義務づけ、首相がトップの推進本部を設置すると定める。公明党と協議し、今国会に共同提案する方針。」、と報じている。
 このことに関して、朝日新聞と琉球新報の社説から、次のようにまとめてみた。


 確かに、基本理念として「認知症の人が地域において尊厳を保持しつつ他の人々と共生すること」を掲げ、「予防」と「共生」が掲げられてはいるが、安倍晋三政権の成長戦略路線の中では、削減目標ありきの社会保障費抑制のための「予防」政策が偏重されることは、「既定路線なのではないか」、との不信感が拭えない。
「朝日」と「新報」の指摘から受け取るものは、次のことである。
Ⅰ.「認知症の発症原因や予防の科学的効果が十分立証されていない中、加齢によって誰でも発症し得る病気であることを理解することがまずは大切なこと」(「新報」)であることを、取り組みの大原則にしなければならないこと。
Ⅱ.「かつて認知症は「痴呆(ちほう)」「ぼけ」と呼ばれ、本人は「何もわからない」という偏見のなかで孤立していた。近年、認知症の人自身が思いを語ることで、少しずつその壁を崩してきた。本人の活動や交流の場は急速に広がっている。」(「朝日」)、との取り組みの成果を大切にしなければならないこと。
Ⅲ.「認知症の国家戦略とも言うべき大綱に、認知症の人の割合を減らす数値目標を盛り込むことは、予防そのものの意義とは別の危うさをはらむ」(「朝日」)ものであること。したがって、予防と並ぶ柱は「共生」であり、削減目標はこの共生の理念を揺るがしかねないものであること。
Ⅳ.いま国が予防を強調する背景には、社会保障費抑制の狙いがあること。また、「いまだ根強い偏見の中で、財政的圧力を背景とした削減目標の数字が独り歩きすれば、自治体が認知症の削減率を競うような、思わぬ副作用が生じないとも言い切れない。」(「朝日」)ことが予想されること。
Ⅴ.「予防重視の方針について、『頑張って予防に取り組んでいながら認知症になった人が、落第者になって自信をなくしてしまう』との意見を伝えたという。こうした当事者の懸念を軽視すべきではない。」(「朝日」)こと。また、「『認知症になった人は努力が足りないと思われるのでは』と、数値目標が独り歩きすることへの懸念も出ている。有識者からも『認知症にならない社会をつくる、という誤ったメッセージになる』と疑問」(「朝日」)を解消することが大事であること。
Ⅵ.「誰のための予防で、何のための削減目標なのか。政府は、わかりやすく明確に説明する必要がある。」(「朝日」)ことが重要であること。
Ⅶ.国の社会保障費抑制政策の中で、「公助」の位置づけは著しく後退させられてきているが、今回の基本政策の具体策の一つとして、「地域づくりの推進」や「公民館や公園など身近な場での体操や教育講座など『通いの場』への参加」(「新報」)が位置づけられている。このことは実際に、地域住民への過度な「自助」「共助」の押しつけになる危険性がある。特に、過疎地域では、その負担は危険水域に達している状況がある。このことのために、「公助」があって初めて、「自助」「共助」が生かされることを背景にした政策立案をする必要があること。


 今回は、北海道新聞(以下、「北海道」)の「認知症の予防 数値目標は懸念拭えぬ」との社説で、再度、この問題を考えてみる。


 「北海道」は、「認知症になる人の割合を減らす数値目標が一人歩きしてしまわないか、懸念が拭えない。」から始める。
 どういうことなのか。
 「北海道」は、安倍晋三政権の意図を、「政府は、従来の『共生』社会の実現に加え、『予防』重視を打ち出した新たな認知症対策の大綱素案を公表した。初めて数値目標を設定し、70代に占める認知症の人の割合を2025年までの6年で6%減、10年で1割減を目指す。認知症の医療・介護費など社会的コストは30年に21兆円を上回るとの推計もあり、予防で認知症になる年齢を遅らせ、社会保障費の抑制につなげる狙いのようだ。」、と指摘する。
 だから、「北海道」は、このことに関して、「しかし、認知症はいまだに治療法も予防法も確立されていない。予防を強調しすぎると、認知症になった人が責められるような風潮を生まないか危惧される。認知症になっても安心して暮らせる共生社会の実現に軸足を置くべきだ。」、と押さえる。


 さらに、「数値目標を設けるのは拙速ではないか。」、と批判を加える。


(1)現行の認知症施策「新オレンジプラン」は15年に策定され、住み慣れた地域で自分らしく暮らせる社会の実現をうたう。20年度末までに当事者や家族を支援する「認知症サポーター」を1200万人養成し、交流の場となる「認知症カフェ」の全市町村設置を目標に掲げる。こうした環境整備を急がなければならない。
(2)厚生労働省は、認知症の高齢者が15年の約500万人から25年には約700万人に増え、高齢者の5人に1人に達すると予測する。
(3)今回の大綱素案が「共生」とともに重視する「予防」では、運動不足の解消や高齢者らが交流する「通いの場」の拡充などを図る。
(4)一般的に、予防のため、禁煙や節酒などが推奨されるが、科学的根拠は不十分だ。予防の取り組みや研究を進めるのは当然だが、数値目標を設けるのは拙速ではないか。
(5)認知症の人の団体メンバーが根本匠厚生労働相に、予防重視は「予防に取り組んでいながら認知症になった人が落第者になってしまう」と伝えた。
(6)こうした当事者の声を十分にくみ取ったか疑わしい。


 最後に、「北海道」は、「全国各地で、認知症の人たちが思いを語る『本人ミーティング』が広がっている。認知症でも人の役に立ちたいと望む人は多い。介護をする家族や若年で認知症になる人なども置き去りにならぬよう、政府は、誰もが認知症になり得ることを前提に、制度を練り上げる必要がある。」、と結ぶ。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-31 07:05 | 持続可能な社会 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月30日

「沖縄県与那原町の町民平和の日の21日、町与那原の軽便与那原駅舎展示資料館前広場で記念式典が開かれた。地元中高生たちが平和の意味を掘り下げて作ったメッセージの朗読があり、不戦の心の継承を誓った。子どもから高齢者まで参加して戦没者を悼み、戦火にあった地域の記憶を共有した。」、と琉球新報。
不戦の心の継承の営みを忘れてしまったいないか。
いや、知ろうともしないのではないか。
「幼いので行事や言葉一つ一つの意味は分からないかもしれない。でも学ぶ年齢になった時、きょうの記憶とつながると思う」(琉球新報)との想い、行為が沖縄の「こころ」かもしれない。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-辺野古:土砂投入や「N4」護岸での作業を確認 座り込みの60人排除-2019年5月30日 14:40


 沖縄タイムスは、「【名護】新基地建設が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸では30日午前、埋め立て地域への土砂投入や『N4』護岸での作業が確認された。新基地建設に反対する市民らは船2隻とカヌー4艇で海上から抗議した。午前9時すぎにはカヌーがフロートを越え、海上保安官に一時拘束された。シュワブゲート前では午前9時半と午後0時半に、座り込む市民ら約60人を機動隊が排除して工事車両の資材搬入があった。市民らは『無駄な埋め立てはやめろ』『法律を守ろう』などとシュプレヒコールを続けた。」、と報じた。


(2)沖縄タイムス-沖縄の中高生ら不戦の誓い 平和引き継ぐメッセージ朗読 「命どぅ宝」語り継ぐ-2019年5月30日 09:25


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県与那原町の町民平和の日の21日、町与那原の軽便与那原駅舎展示資料館前広場で記念式典が開かれた。地元中高生たちが平和の意味を掘り下げて作ったメッセージの朗読があり、不戦の心の継承を誓った。子どもから高齢者まで参加して戦没者を悼み、戦火にあった地域の記憶を共有した。」                       (南部報道部・松田興平)
②「町内中高生らでつくるジュニアリーダークラブ13人は、平和学習を重ねて紡ぎ上げた言葉を交互に読んだ。平和を願う象徴的な言葉『命どぅ宝』の意味を素朴な表現を連ねて追求していく構成だ。74年前の光景を「空は戦闘機で黒く染まり」「赤く染まった地面の上では逃げまどう人々の叫び声が響き渡っていた」などと描写している。続いて現代を「青い空に飛行機雲が浮かびそれを見てはしゃぐ子ども達」「緑が広がる芝生の上で響きあう笑い声」などと対比させる表現で平穏な日々の価値を浮かび上がらせた。」
③「子ども3人と参加した上原薫さん(39)は『まだ幼いので行事や言葉一つ一つの意味は分からないかもしれない。でも学ぶ年齢になった時、きょうの記憶とつながると思う』と語った。」
④「与那原に移住した4年前から毎年参加している熊本県出身の加茂三國さん(78)は壇上であいさつ。『生きた人間の熱い血と涙を戦争は一瞬にして冷たいものにする。悲惨な犠牲の上に、今日の繁栄がある』と語った。」
⑤「式典では照屋勉町長の式辞や参列者による献花、シャンソン歌手の石坂美砂さんによる独唱、与那原小児童による合唱があった。町によると1945年5月21日に運玉森東側を米軍が占領。2011年にこの日を記念日に定めて毎年、沖縄戦で破壊された与那原駅舎を再現した同資料館前で式典を開いている。また戦時下に米軍が撮影した与那原の焦土と現在の写真を並列して展示する『撮影現場を探して』が役場仮庁舎の町社会福祉センターで始まっている。期間は未定。問い合わせは同町総務課、電話098(945)2201。」
【平和メッセージ全文】

戦(いく)さ世(ゆ)んしまち
みるく世(ゆ)ややがて
嘆くなよ臣下
命(ぬち)どぅ宝
沖縄(うちなー)芝居の中で
琉球王朝最後の国王
尚泰(しょうたい)王が民の前で詠んだ琉歌
沖縄の心を表す言葉として
受け継がれてきたこの言葉-
命どぅ宝
今となっては誰でもわかる聞きなれた言葉-
でもどれほど大事な言葉か
わからなかった
今から七十四年前、沖縄が戦場と化していった
空は戦闘機で黒く染まり
地上には火の粉が雨のように降りそそいだ
赤く染まった地面の上では
逃げまどう人々の
叫び声が響き渡っていた
女性や子ども、老人たちは
ガマや壕の中で飢えに耐えながら
今日を必死に生き延びようとしていた
だがその思いも叶(かな)わず
砲弾に倒れた人もいれば自ら命を絶つ人もいた
青年たちは夢や希望を捨て
国の為(ため)に戦った
自らの命も武器にして-
その人々はどのような思いで
命を絶ったのだろうか
あれから時が流れた今
青い空に飛行機雲が浮かび
それを見てはしゃぐ子ども達-
緑が広がる芝生の上で
響きあう笑い声-
今なら分かる気がする
大切な人と笑い合えること-
みんなが笑顔で幸せだと思えること-
命があり、平穏な日々を
何事もなく過ごせること-
語り継いでいこう
「命どぅ宝」
あの日と同じ過ちを
もう二度と
くり返さない為に-


(3)沖縄タイムス-「米軍、たがが緩んでいる」 沖縄・嘉手納町長 相次ぐ米兵事件・事故を批判-2019年5月30日 08:55


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「在沖米空軍兵や軍属による酒気帯び運転、交通死亡事故などが相次いでいることを受け、「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」は29日の沖縄防衛局への要請で、実効性のある再発防止策を講じることや遺族への補償を求める要請文を田中利則局長に手渡した。23日から26日のわずか4日間に、米空軍兵や軍属による事件・事故は4件と続発している。」
②「会長の當山宏嘉手納町長は『毎日のように逮捕者が出ていてあまりにもひどすぎる』と急きょ、要請に至ったと説明。『以前は空軍兵の飲酒運転などの不祥事はほとんどなかった。たがが緩んでいるのではないか』と厳しく批判した。」
③「田中局長は『米側には綱紀粛正や再発防止を働き掛けている。個々の隊員の意識を高めていくことが重要だ』とした。補償については『公務外の事故は原則として当事者で解決が基本だが他方、いろんな制度があるのできちんと制度にのっとって適切に対応していきたい』との考えを示した。」


(4)沖縄タイムス-米軍に国内法適用必要 地位協定改定で集い 沖縄県、欧州4カ国と運用比較-2019年5月30日 08:46


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「斎藤勁元官房副長官が代表理事を務める勁草塾沖縄事務所の第3回講演会『鼎談(ていだん)・日米地位協定改定を加速させる集い』が29日、沖縄県那覇市で開かれた。沖縄県の池田竹州知事公室長は、NATO加盟の欧州4カ国を調査した結果、『自国の法律や規則を駐留米軍に適用することで自国の主権を確立し、米軍の活動をコントロールしている』と報告。日米地位協定とは大きな違いがあり、改定が必要であると強調した。」
②「池田氏と前泊博盛沖縄国際大学・大学院教授、太田昌克共同通信編集委員の3氏が意見を交わした」。
③「県は2017、18の両年度にドイツ、イタリア、ベルギー、イギリスを調査。池田氏は4カ国と日米地位協定との違いとして(1)国内法を米軍に適用する(2)地元自治体が基地内に立ち入る権利を確保している(3)米軍機の飛行を規制するなど訓練に関与できる(4)米側が基地所在地域に訓練や演習の情報を提供している-などを挙げた。」
④「池田氏は『米軍機事故は全国どこでも起きる。日本の主権がどうあるべきか。国民全体の問題として考えてほしい』と訴えた。」
⑤「1960年の締結以来、日米地位協定が改定されていないことに、太田氏は『(日本では)有事になれば米国が守ってくれるという意識が強すぎる』と指摘。『地位協定改定を言い出すと米国に何を言われるか分からない。日本の主権を脅かす問題であり、沖縄だけの話ではないと認識し、政治家を動かさなければいけない』と話した。」
⑥「前泊氏は『日本は外交権さえも地位協定で制限されている。辺野古にノーと言えなければ、返還後の北方領土での米軍基地建設にノーと言えない。ロシアのプーチン大統領には日本がどの程度主権を持っているか分からないと言われた』と問題点を取り上げた。」
⑥「斎藤代表理事は『地位協定改定を阻むモノがある。それが何かを考え、地方から中央へ、そして米国に改定を求める動きをつくりたい』と期待した。」


(5)沖縄タイムス-沖縄県、国を新たに提訴へ 名護市・辺野古の埋め立て巡り 「国交相裁決は違法」-2019年5月30日 08:20

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て承認の撤回を取り消した国土交通相の裁決を違法として沖縄県が新たな訴訟を提起する調整に入ったことが29日、分かった。県が裁判を起こすためには地方自治法の規定で県議会の同意が必要なため、6月定例会の議案に盛り込む方針。」
②「県は週明けに与党議員への議案説明を予定している。県議会は与党多数のため、議案が提案されれば可決される公算が大きい。県議会の同意が得られれば、辺野古問題は県と国の新たな裁判闘争に入る。」
③「国交相が今年4月に撤回を取り消した段階で県の選択肢は二つあった。一つは国と地方の意見の違いを裁判よりも迅速に判断するため、総務省が設置する第三者組織『国地方係争処理委員会』への審査の申し立て。県は4月23日に係争委へ審査を申し立てており、7月23日までに結論が出る。もう一つ想定されていたのが、行政事件訴訟法に基づき、権力に対する不服を主張し国の関与取り消しを求める抗告訴訟。県は国交相の撤回取り消しは違法として新たな訴訟を起こす考えだ。」
④「玉城デニー知事はこれまで『政府が自分たちの都合のいいような仕組みをつくり、法律を自分たちなりに解釈をねじ曲げてやろうとすることに対しては、しっかりと法的な訴えも起こしていく』と発言。謝花喜一郎副知事は抗告訴訟について『庁内で議論した上で、弁護士、専門家の意見を聞き、判断する』としていた。」


(6)琉球新報-アセス審査会が辺野古保全措置に疑問「適切か確認できない」-2019年5月30日 10:33


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖国大名誉教授)が29日、浦添市のピーズスクエアで開かれた。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、沖縄防衛局が提出した2017年度の事後調査報告書に対する答申案を事務局が提案した。答申案は新基地建設工事の工程や工法が当初計画から変更されたことについて『変更後の工事計画に沿って適切に環境保全措置を講じる必要があるが、講じられた措置が適切なものか確認できない』と指摘した。工事に伴う海上作業が始まって以降、沖縄防衛局が確認していたジュゴン3頭のうち1頭が死亡し、2頭が行方不明となっていることについても原因究明や生息状況の把握に関する追加調査を求めた。」
②「この日の審査会で示された答申案に委員が出した意見を踏まえて委員会は今後、知事に審査結果を答申する。県はこれを受けて沖縄防衛局に対応を求める知事意見を出す予定。」
③「海上工事の後に辺野古周辺海域からジュゴンの行方が分からなくなっていることについて答申案は『工事による影響がないと断定できない限り、工事による影響の恐れがある』と指摘。海上工事や作業船の航行による水中音の分析、他の海域に生息域が移った可能性を調べるための海藻藻場の調査などが必要だとした。沖縄防衛局が移植対象のサンゴを移植せず、汚濁防止膜の設置で対応可能だとしてK8護岸の一部を建設したことに、答申案は『妥当性の検証とともに、周辺のサンゴ類の生息状況を調べ、影響があれば必要な措置を講じさせること』を求めた。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-30 19:55 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月29日

 平和の礎は、まずは訪れてみる場所の一つである。
 この場所を作らざるを得なかった沖縄の歴史がそこにはある。
 「沖縄県の女性力・平和推進課は28日、沖縄戦などで犠牲になった人々の名前が刻まれている糸満市摩文仁の『平和の礎』に、2019年度は韓国人2人を含む42人を追加刻銘すると発表した。沖縄へ強制連行されるなどした朝鮮半島出身者の追加刻銘は17年以来2年ぶり。刻銘者の総数は24万1566人になる。平和の礎は1995年6月23日に除幕した。遺族からの申請に基づき、県が策定した基本方針に沿って刻銘を決めている。2019年度の42人の追加は、12年度の36人に次いで過去2番目に少ない。内訳は県出身者28人、県外12人、韓国2人。重複が判明した北中城村の女性1人の名前を削除するほか、16人分の名前や地域の修正も行う。県は6月23日の慰霊の日に間に合うよう、20日までに刻銘作業を終える予定。」、と琉球新報。
 平和の礎は、未来に向けての課題をも明確にする。
「県女性力・平和推進課によると、刻銘が決まったのは金(キム)萬斗(マンドゥ)さんと朴(パク)在雲(ザイウン)さんの2人。朴さんは遺族から直接申請があり、金さんはNPO法人沖縄恨之碑の会が申請に携わった。同会メンバーで金さんの申請書を作成した「本部町健堅の遺骨を故郷に帰す会(準備会)」共同代表の沖本富貴子さん(69)によると、金さんは日本軍の輸送船「彦山丸」に徴用されていた。1945年1月22日、米軍機の攻撃を受け23歳で亡くなり、同町健堅に埋葬されたことが米雑誌掲載の写真などで明らかになっていた。沖本さんは県内で犠牲となった朝鮮人は『はっきりは分かっていないが、数千人いるだろう』と推測する。平和の礎の事業でも朝鮮人犠牲者の刻銘作業は遅れていると指摘し、遺族の高齢化でさらに困難になると危機感を募らせる。『県は韓国の関係機関と連絡を取り合い、刻銘に力を注いでほしい』と望んだ。」(琉球新報)、とも。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「平和の礎」追加刻銘42人 韓国人2人も 総数24万1566人に-2019年5月29日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の女性力・平和推進課は28日、沖縄戦などで犠牲になった人々の名前が刻まれている糸満市摩文仁の『平和の礎』に、2019年度は韓国人2人を含む42人を追加刻銘すると発表した。沖縄へ強制連行されるなどした朝鮮半島出身者の追加刻銘は17年以来2年ぶり。刻銘者の総数は24万1566人になる。」
②「平和の礎は1995年6月23日に除幕した。遺族からの申請に基づき、県が策定した基本方針に沿って刻銘を決めている。2019年度の42人の追加は、12年度の36人に次いで過去2番目に少ない。」
③「内訳は県出身者28人、県外12人、韓国2人。重複が判明した北中城村の女性1人の名前を削除するほか、16人分の名前や地域の修正も行う。県は6月23日の慰霊の日に間に合うよう、20日までに刻銘作業を終える予定。」
④「糸満市真栄平の金城栄保さん(84)は、沖縄戦中、壕を追い出され一緒に戦場を逃げ回った祖母ウサさんの刻銘が決まった。礎にウサさんの名前がないと気付いていたが、追加刻銘できると知らず最近まで申請していなかったという。『祖母にずっと申し訳なく思っていた。ようやく生きた証しを刻むことができて喜んでいる』と話した。」
⑤「強制連行などで沖縄に渡り、犠牲となった韓国人の追加刻銘が2年ぶりに認められた。朝鮮半島出身者の平和の礎への刻銘は累計464人となる。強制連行については不明点が多く、関係者からは刻銘に向けて県が韓国側と連携するよう求める声も上がる。」
⑥「県女性力・平和推進課によると、刻銘が決まったのは金(キム)萬斗(マンドゥ)さんと朴(パク)在雲(ザイウン)さんの2人。朴さんは遺族から直接申請があり、金さんはNPO法人沖縄恨之碑の会が申請に携わった。同会メンバーで金さんの申請書を作成した「本部町健堅の遺骨を故郷に帰す会(準備会)」共同代表の沖本富貴子さん(69)によると、金さんは日本軍の輸送船「彦山丸」に徴用されていた。1945年1月22日、米軍機の攻撃を受け23歳で亡くなり、同町健堅に埋葬されたことが米雑誌掲載の写真などで明らかになっていた。」
⑦「沖本さんは県内で犠牲となった朝鮮人は『はっきりは分かっていないが、数千人いるだろう』と推測する。平和の礎の事業でも朝鮮人犠牲者の刻銘作業は遅れていると指摘し、遺族の高齢化でさらに困難になると危機感を募らせる。『県は韓国の関係機関と連絡を取り合い、刻銘に力を注いでほしい』と望んだ。」


(2)沖縄タイムス-米軍関係者の犯罪、8割以上が不起訴 背景に日米の「密約」か-2019年5月29日 06:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2018年に国内で発生した米兵や軍属など米軍関係者による一般刑法犯の起訴率は14・5%にとどまり、8割以上は不起訴となっていることが27日、日本平和委員会(東京)の調べで分かった。全国の一般刑法犯の起訴率37・4%の半分以下で、同会は背景に日米両政府の『密約』があるとしている。県内の起訴率は18・8%だった。」
②「一般刑法犯は刑法犯全体から交通関係の過失運転致死傷罪などを除いたもの。法務省が開示した「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」に基づき、同会が集計した。米軍関係者による一般刑法犯の起訴は9件で、不起訴は53件だった。県内は起訴6件、不起訴26件。」
③「米軍関係者と全国の起訴率に差がある背景として、同会は1953年の日米合同委員会の【密約】にあると分析。『日本側が特に重要と考えられる事件以外は第1次裁判権を行使しないという約束を、日本政府が忠実に実行しているからだ』と指摘している。」
④「沖縄の起訴率が全国より高い理由として『米軍犯罪に厳しい目を向ける県民世論があり、捜査機関も意識しているのではないか』と話した。」


(3)沖縄タイムス-「生きた証引き継ぎたい」 戦後74年 戦没者へ思い募らせ 追加刻銘の遺族-2019年5月29日 14:18


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県は沖縄戦などの戦没者名を刻んだ糸満市摩文仁の『平和の礎』に、2019年度は新たに42人を追加刻銘する。県内出身者28人、県外出身者12人、韓国籍の朝鮮半島出身者2人。刻銘者総数は24万1566人となる。」
②「糸満市西崎町の安谷屋正幸さん(82)は母の刻銘を申請した。母の最期に接した時、安谷屋さんは8歳ごろ。母の本名を覚えておらず、記憶をたどって役場に申し込んだ。母が周囲から呼ばれていた『ウサ小(グワァ)』の名で刻まれる予定だ。豊見城市田頭の出身。祖父母と母と戦火を逃げ惑う中、高嶺村(現糸満市)の十字路付近で艦砲射撃に襲われた。土ぼこりが巻き上がり、振り向くと母が倒れているのが見えた。母の息はあったが、自力で首を立てることもできなかった。祖父は艦砲射撃でできた穴に母を横たえた。『早くおじーとおばーと行きなさい』と言った母の姿を鮮明に覚えている。」
③「戦後、あの十字路を通り過ぎるたび、安谷屋さんは母を思う。道端に寝そべり、母と添い寝するように夜を明かしたこともある。年を重ね、子や孫の世代にも母が生きた証しを引き継ぎたいと刻銘を申請した。『今年は平和の礎が会える場所になる』と静かにほほ笑んだ。」
④「うるま市与那城の野辺憲勇さん(85)は、祖父の武太(んた)さん=享年77=の名前が新たに刻まれることになった。武太さんは1945年6月3日、感染症で亡くなった。家族は当時、宮城島に暮らしていた。45年の5月29日、米軍に隣の平安座島に強制的に移動させられたが、武太さんはその際に坂道で転倒。持っていた鎌で左手を切り、やがて破傷風に感染し亡くなった。憲勇さんは『戦争がなければあんな死に方はしなかった』と回想する。沖縄戦の犠牲者として刻銘してほしいという思いがあったが、礎には戦闘で亡くなった人の名前が刻まれているのだと思い違いをしていたという。今回、病死者でも刻銘が可能だと知り追加刻銘を申請した。『親族は皆喜んでいる』と話す。祖父の年齢は超えてしまったが、長年の夢がかない安堵(あんど)感に包まれている。」


(4)沖縄タイムス-米軍のパラシュート降下訓練に抗議 沖縄の自治体、防衛省に-2019年5月29日 12:22


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【中部】米軍が21日に嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行した問題で、嘉手納、北谷、沖縄3市町でつくる『嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)』(会長・當山宏嘉手納町長)は29日午前、沖縄防衛局に田中利則局長を訪れ抗議した。同基地で降下訓練を実施しないことや、伊江島補助飛行場への訓練移転が合意された日米特別行動委員会(SACO)最終報告の順守などを求めた。」
②「要請は冒頭のみの公開。終了後、取材に応じた三連協によると、田中局長は21日の訓練は『例外的に該当する』との認識を示した。當山嘉手納町長は『米軍側が一方的な解釈で(訓練を)行うことはこれまでもあったような感じがする』と指摘。その上で『過去には訓練が6年も行われなかったケースがあり厳格に運用されてきたのではないか。(米軍には)基本的には嘉手納では実施できないんだという立場でもって運用してもらう以外ないと局長に申し入れた』と話した。」
③「また、米空軍兵による道路交通法違反などの事件事故が相次いでいることに抗議し、実効性のある再発防止策を講じることや遺族への謝罪と完全補償なども合わせて要請した。」


(5)沖縄タイムス-不発弾139発、海中で爆破処理 宮古島の平良港で30日-2019年5月29日 10:21


 沖縄タイムスは、「沖縄県宮古島市平良港湾のしゅんせつ工事に伴う磁気探査などで見つかった、50キロ爆弾や50ミリ迫撃砲弾などの不発弾計139発の海中爆破処理が30日午前11時から正午まで、平良港下崎埠頭(ふとう)沖で行われる。いずれも処理現場から半径300メートルは船舶の航行・停泊を、半径3千メートルは入水が禁止。規制時間は午前8時から午後1時ごろまで。現地対策本部は宮古島漁協2階会議室に設置する。避難対象となる世帯はない。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-沖縄・辺野古のサンゴ「回復続く」 環境団体などが調査-2019年5月29日 10:02


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「日本自然保護協会と沖縄リーフチェック研究会、ダイビングチームレインボーは28日、名護市辺野古沖でサンゴの状況を調べるリーフチェックを実施した。2016年の白化現象から引き続き回復傾向を保っているとの調査結果を報告した。調査では、生きたサンゴが海底を覆う割合を示す『被度』を確認した。」
②「この日潜った長島近くは最も長く調査してきた場所の一つで、深場で被度45%を観測した。悪天候のため浅場は調査できなかったという。」
③「同協会の安部真理子主任は『健全な状態を保っている』と説明。その上で『基地建設の影響はサンゴの状況とすぐに関連づけられるものではない。ただ今後の水質や海流の変化で何かしら影響を及ぼす可能性はある』と話した。」


(7)沖縄タイムス-自衛隊の弾薬庫、町長「説明は受けた」 住民には伝えず 沖縄・与那国-2019年5月29日 08:13


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2016年3月に沖縄県与那国町に配備された陸上自衛隊『与那国沿岸監視隊』を巡り、防衛省が弾薬の保管を住民に周知していなかった問題で、外間守吉町長は『貯蔵庫』とされていた施設が弾薬庫であると認識しながら、住民へ説明をしていなかったことが28日、分かった。」
②「外間町長は本紙の取材に、『防衛省から弾薬庫との説明は受けた』と認めた。住民へ説明しなかったことについては『(説明会で)質問がなかったので答えていない』と述べた。」
③「配備を巡り15年2月に行われた住民投票では約6割が賛成票を投じた。貯蔵庫とされた施設は住民の関心事にならなかった。防衛省や町が、配備の是非を決める重要な判断材料を知らせていなかったことになる。」
④「同問題では、市民団体が14年に沖縄防衛局に弾薬類の保管場所の有無について質問状を送ったが回答はなく、政府関係者は『沿岸監視隊は町が誘致したと理解しており説明も町に任せていた』としている。」


(8)沖縄タイムス-米軍普天間飛行場の司令官 夜間の訓練騒音「住民に厳しいが、せざるを得ない」 有害物質「16年以降、使用ない」-2019年5月29日 08:26


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県宜野湾市の松川正則市長は28日、米軍普天間飛行場のデイビッド・スティール司令官(大佐)と市役所内で面談し、夜間騒音の改善や普天間飛行場に所属していない外来機の飛来禁止などを求めた。」
②「市長によると司令官は、普天間飛行場周辺の河川などから有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)が高濃度で検出されている問題について、『2016年以降、普天間飛行場ではいずれの物質も使用していない』と説明したという。」
③「夜間騒音については『市民にとって厳しい面は理解しているが、夜間訓練は大切。せざるを得ない』との考えを示したという。訓練があってこそ日本を守ることにつながるとの説明もあった。普天間飛行場への外来機の飛来が増えている要因については、嘉手納基地の滑走路2本のうち1本が補修工事で閉鎖されている影響ではないかと述べたという。」
④「松川市長は、米軍が所有する普天間市民駐車場に外灯や防犯カメラを設置したい考えも伝えた。今後、文書で正式に依頼する。」
⑤「意見交換は、2月13日に続き2回目。市が昨年7月、普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会で米軍と沖縄防衛局を交えた実務者レベルの意見交換の場を設けるよう求めたのをきっかけに、市と米軍の2者が2~3カ月に1回、意見交換することで合意している。」


(9)琉球新報-街頭シール投票で反対が8割 辺野古新基地建設続行に全国でもノーの声-2019年5月29日 19:09


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】学識経験者などでつくる辺野古米軍基地全国投票の会の野田隆三郎代表(岡山大名誉教授)らが29日、東京都の衆院議員会館内で会見し、5月末までに全国で実施した辺野古新基地建設続行の賛否を問う街頭投票で反対が約8割に上ったとの結果を発表した。結果を受けて辺野古新基地建設の即時中止を求める要望書を、安倍晋三首相と衆参全国会議員に送った。」
②「街頭投票は3月15日~5月20日、会の呼び掛けに応じた東京や埼玉、愛知、大阪、鳥取、山口など11都道府県31カ所で実施した。2169人が投票し、反対が79・6%の1727人、賛成が7・2%の156人、『わからない』が13・2%の286人だった。」
③「全国投票の会は10年以上、憲法9条改定や特定秘密保護法などの賛否を問う全国投票を実施している。2010年には普天間飛行場の移設先を問う投票を14都道府県28カ所で行い、4446人が投票した。最多が『国内のどこにもつくらない』(64・6%)で、次いで『沖縄以外の国内』(11・6%)、『沖縄県内』(9・8%)、『わからない』(14・0%)だった。」
④「野田代表は『沖縄の意思は県民投票でも示されているのに、政府は無視して工事を強行して民主主義の破壊だ。本土の住民がどう考えているのか街頭投票で調べた。沖縄だけの問題ではなく日本全体の問題だ』と投票の経緯を説明した。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-30 06:42 | 沖縄から | Comments(0)

日本政府は、米空軍のパラシュート降下訓練を直ちに中止させなけねばならない。

 米空軍のパラシュ-降下訓練が、「在沖縄米軍は22日、沖縄県の津堅島訓練場水域で今月3度目のパラシュート降下訓練を実施した。沖縄防衛局によると、恐らく「1カ月間に実施された回数としては最多」。今年に入って津堅島では4度目。」(沖縄タイムス)、との状況を生んでいる。
このことについて、琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月23日、「嘉手納で落下傘降下 全ての訓練中止すべきだ」、と社説で論評している。
 「新報」は、「米空軍が21日、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。基地周辺には学校や住宅などが密集している。降下訓練は周辺住民の安全を脅かす暴挙以外の何物でもない。政府は、嘉手納基地で訓練をしないよう、米国に対し強く要求すべきだ。」、と主張する。
 この「新報」の指摘は、次のものである。


(1)パラシュート降下訓練は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、伊江島補助飛行場で実施することが合意されていた。ところが政府は、2007年の日米合同委員会で、例外的な場合に限って嘉手納基地を使用することを認めてしまった。どのような場合が「例外」に当たるかは不明なままである。これでは米軍の恣意的な運用にお墨付きを与えるようなものだ。米国に迎合する政府の姿勢が今日、SACO合意違反の横行を招いたと言っていい。
(2)SACOで合意された伊江島での降下訓練も地元の負担が大きく、容認し難い。まして訓練場所を嘉手納基地まで広げるなど言語道断だ。
(3)米軍は今回、訓練をする必要に迫られているが伊江島の天候が良くない―などとして「例外的措置に当たる」と當山宏嘉手納町長に説明した。一方的で身勝手な言い分だ。
(4)嘉手納基地での降下訓練はSACO合意以降、12回を数える。今年は2月21日以来で、既に3回目だ。このままだと、米軍が「例外」を乱発することで、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練が常態化しかねない。
(5)岩屋毅防衛相は「引き続き、米軍に対し伊江島飛行場で(訓練を)実施するよう求めていく」とする、従来の政府方針を繰り返した。これではいつまでたってもらちが明かない。政府がまず取り組むべきなのは、日米合同委員会の合意を白紙に戻すことだ。その上で、伊江村民の大幅な負担軽減を図る必要がある。


 問題は、嘉手納基地だけに留まらない。うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練についても、次のように批判する。


(1)米軍は22日には、うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施した。普段は、本島と津堅島を結ぶ定期船や漁船などが頻繁に航行している海域だ。
(2)うるま市議会は「事前に通知がなされてはいるものの、一歩間違えれば重大な事故につながる可能性があり、極めて危険である」として、繰り返し中止を求めてきた。
(3)地元の要求を一顧だにせず、訓練を強行する米軍の方針は一貫している。軍幹部らが度々言及してきた「良き隣人」には程遠い。


 結局、「新報」は、日本政府に向けて、この様に断じることになる。


(1)米国に基地を提供している日本政府には、地元自治体や住民の意向を踏まえ、米軍の傍若無人な振る舞いをやめさせる責任がある。
(2)基地周辺住民の負担を増加させる取り決めを平然と受け入れ、その後も放置しているのは自らに課された責務の放棄にほかならない。

 だからこそ、「新報」は「そもそも狭い沖縄でパラシュート降下訓練を実施すること自体に無理がある。全ての訓練を中止すべきだ。」、と強く要求する。


 ここで、まず確認できるのは、「パラシュート降下訓練は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、伊江島補助飛行場で実施することが合意されていた。ところが政府は、2007年の日米合同委員会で、例外的な場合に限って嘉手納基地を使用することを認めてしまった。どのような場合が『例外』に当たるかは不明なままである。これでは米軍の恣意的な運用にお墨付きを与えるようなものだ。米国に迎合する政府の姿勢が今日、SACO合意違反の横行を招いたと言っていい。」(「新報」)、ということ。そして、「日米安保-日米地位協定-日米合同委員会-運用」が「構造的沖縄差別」を構造化してきたことである。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-29 07:06 | 米軍再編 | Comments(0)

仙台地裁、強制不妊訴訟で、旧優生保護法が違憲だったと判断したが手術を実施させた国の責任を認めず、原告側の請求を棄却。

 宮城県内の女性が国に損害賠償を求めた訴訟で仙台地裁は2019年5月28日、旧優生保護法が違憲だったと判断したが国の責任を認めず、原告側の請求を棄却した。
このことについて、朝日新聞は、同日、次のように報じた。


(1)旧優生保護法の下で知的障害を理由に不妊手術を強制されたのは違法だとして、宮城県内の60代と70代の女性が国に損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、仙台地裁(中島基至裁判長)であった。判決は旧優生保護法が違憲だったと判断したうえで、手術を実施させた国の責任を認めず、原告側の請求を棄却した。
(2)判決は、「生殖の権利」(リプロダクティブ・ライツ)が憲法13条によって保障されており、旧優生保護法による強制不妊手術はこれを侵害すると判断。そのうえで、手術から20年の「除斥期間」が経過したため、損害賠償を請求する権利が消滅していると述べた。国会が原告を救済する法律を立法しなかったという責任も認めなかった。
(3)強制不妊手術をめぐっては全国7地裁に20人が提訴しており、判決は初めて。 (志村英司、山本逸生)


 「生殖の権利」(リプロダクティブ・ライツ)は、1994年にカイロで開かれた国際人口・開発会議で提唱され、95の世界女性会議で合意された概念。
 この概念の意味は、人々が生殖の過程で、身体的、精神的、社会的に良好な状態であること、また、それを享受する権利を持つこと。さらに、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める権利、安全な避妊法についての情報やサービスを入手する権利も含まれるとされる。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-28 19:15 | 人権・自由権 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月28日

 この国の人権把握度の実情なのか。
 久しぶりに実権を揮えることに驕り高ぶっているのか。
そりゃ、米軍のしたい放題を支えてきたのだから、やりたくなるのは無理もない。
「2016年3月の与那国島での陸上自衛隊沿岸監視隊配備に関して、防衛省が事前の地元説明で、駐屯地内に整備する弾薬保管のための『火薬庫』を『貯蔵庫』と示していたことが27日までに分かった。配備を巡っては島が賛否で二分され、15年2月の住民投票で『賛成』が上回る結果となったが、弾薬保管について明確な説明がないまま駐屯地建設が進められたことになる。防衛省の担当者は『部隊を配備する以上、任務に必要な弾薬を持つのは当然のことで、隠す意図はなかった』とした。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-弾薬保管、与那国も説明なし 陸自配備、地元に「貯蔵庫」  防衛省「隠す意図ない」-2019年5月28日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2016年3月の与那国島での陸上自衛隊沿岸監視隊配備に関して、防衛省が事前の地元説明で、駐屯地内に整備する弾薬保管のための『火薬庫』を『貯蔵庫』と示していたことが27日までに分かった。配備を巡っては島が賛否で二分され、15年2月の住民投票で『賛成』が上回る結果となったが、弾薬保管について明確な説明がないまま駐屯地建設が進められたことになる。防衛省の担当者は『部隊を配備する以上、任務に必要な弾薬を持つのは当然のことで、隠す意図はなかった』とした。」
②「陸自配備を巡っては、今年3月に宮古島市に新設された宮古島駐屯地でも、防衛省が事前の計画段階で地元住民にミサイルは置かないと説明していた『保管庫』に、実際には迫撃砲の砲弾や中距離多目的ミサイルの弾薬が持ち込まれていたことが判明。住民から『事実上の弾薬庫だ』との反発を招き、防衛省は砲弾や弾薬を島外に搬出した。」
③「宮古島配備に先立つ与那国島の計画でも、弾薬保管に関する説明は明確ではなかった。13年8月の防衛省による与那国町への説明資料では『貯蔵庫施設』と記載され、14年4月作成の部隊配置に関する概要資料でも『火薬庫』の表記はない。同省の担当者は当時の地元への説明について、弾薬保管よりも『沿岸監視レーダーの人体への影響などについて、懸念や論点が集中していた』と述べた。」
④「同省は弾薬保管について『隠す意図はなかった』と説明するが、宮古島と与那国双方のケースからは、『弾薬庫』や『火薬庫』の語感が周辺住民の機微に触れることから、『貯蔵庫』『保管庫』などの文言が使用された可能性も浮かび上がる。」
⑤「自衛隊の施設整備の際に用いる呼称には弾薬庫、火薬庫、貯蔵庫、保管庫などがあるが、防衛省によるとこれまで明確な定義はなかった。だが宮古島での問題を受け、今後は火薬類を扱う建物について『火薬庫』と表記することで統一するという。」


(2)琉球新報-悲劇、後輩たちに伝えたい 「宮森ジェット機墜落事故」絵本・パンフレット作り 宮森小6年生-2019年5月28日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【うるま】うるま市立宮森小学校6年生が、60年前に起こった『宮森ジェット機墜落事故』に関する絵本やパンフレット、壁新聞などを作成している。毎年実施している平和学習の一環で、昨年は調べ学習と演劇に取り組んだ。今年は4人一組のグループに分かれ、1年間かけて作品を仕上げる。児童自らが調べ、まとめることで事故を学び、後輩たちに伝えることを目指している。」
②「27日の授業はグループに分かれ、証言集や当時の新聞記事を片手に、どういった内容のものを作るか各グループで話し合った。平良志衿(しえり)さん(11)のグループは、証言集を読んで絵本を作ることに決めた。小学1年の妹がいる平良さんは『妹がいる低学年でも分かりやすく、興味を持ってもらえるような絵本を作りたい』と語った。中山珀(はく)さん(11)のグループは、ポスターを作製することを検討。詳細は決めていないが『事故のすごさが伝わるようなものにしたい』と話した。」
③「事故から60年がたち、新たな文献や資料が明らかになっている。その一方で『子どもたちが理解できるような資料はまだまだ少ない』と同校の嘉陽哲子教諭は語った。完成した作品は今後、図書館や校内で展示予定で、フィールドワークも検討している。」


(3)琉球新報-閣僚は嘉手納、宜野湾住んで… 玉城知事、ツイッターに投稿 「いいね」2465件、体感して「寄り添って」-2019年5月28日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「玉城デニー知事は25日、自身のツイッターで『基地負担軽減担当の官房長官、地元自治体と米軍とのパイプ役の防衛大臣、地位協定担当の外務大臣たちは任期中は嘉手納や宜野湾に住んでそこから登庁するべきだ』と投稿した。『沖縄に寄り添う』という言葉だけでなく、事件事故や騒音問題などにさいなまれる地元の現状を体感した上で沖縄問題に取り組むべきだとの考えを示した。投稿には27日時点で、2465件の『いいね』が付いた。」
②「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡っては、安倍晋三首相をはじめ関係閣僚は『沖縄に寄り添う』と言明しつつ、県知事選や国政選挙、2月の県民投票で示された『反対』の民意に寄り添わず、工事を強行し続けている。」
③「嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を巡っては、岩屋毅防衛相が『やむを得なかったと判断している』と述べ、日米で確認されている例外的措置に当たる訓練だったとの認識を示すなど、地元の不安を軽視するような発言が県の反発を招いた。」
④「玉城知事は投稿で『【地元の肌感覚を身近に覚えることが大事】。このような声を実はよく耳にする。基地に賛成も反対も関係なく。実感を知ってほしいということ』と強調した。」
⑤「閣僚らの〝沖縄軽視〟の言動に対し、地元の懸念により真摯(しんし)に向き合うよう呼び掛けた格好だ。知事の投稿に対して『全くその通りです! そこに暮らさなければ感じられないことがあります』と賛同のコメントが寄せられた一方、『言いたいことがあれば、直接会える立場なのだから発言して』とのコメントもあった。」


(4)琉球新報-米軍関係、不起訴8割 日本平和委調べ 〝密約〟浮き彫り-2019年5月28日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2018年に国内で発生した米軍関係者(米兵、軍属、家族)による一般刑法犯(刑法犯から自動車による過失致死傷などや業務上重過失致死傷を除く)の起訴率が14・5%だったことが27日までに、日本平和委員会の調べで分かった。起訴件数が9件だったのに対し、不起訴件数は53件だった。沖縄に限定した際の起訴率は18・8%だった。同委員会によると17年までの5年間の国内全起訴率は30%後半で推移しているといい、米軍関係者による犯罪起訴率の低さが浮き彫りになった。」
②「調べでは暴行5件、強制性交、詐欺、横領それぞれ1件は全て不起訴となっており、窃盗も28件のうち27件が不起訴だった。」
③「日本平和委員会は、法務省に開示請求した米軍関係者による犯罪の処理に関する検察の統計文書『合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調』に基づき、数字をまとめた。起訴率は、起訴数を起訴と不起訴を合わせた数で割って算出している。2001年から昨年分までこの文書を入手し、統計をまとめる作業を続けている。」
④「同委員会は、起訴率が低くなる背景として、1953年に日米間で結ばれた『特に重要と考えられる事件以外は(日本側が)裁判権を行使しない』とする『密約』の存在を指摘。『低い起訴率は、この【密約】を日本政府が現在も忠実に実行している証左だ』と分析している。」


(5)琉球新報-「平和な空条例」不採択はなぜ? 宜野湾市議会市民意見交換会に寄せられた市民の声-2019年5月27日 10:49


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】沖縄県の宜野湾市議会(上地安之議長)は14~17日、市内4カ所で議会報告と市民との意見交換会を開いた。延べ112人の市民が来場した。米軍機事故から市民を守ることを目的とした『宜野湾市平和な空を守る条例』制定を求める市民の請願を、議会が3月定例会で不採択としたことなどに質問が集中した。」
②「意見交換では市民から『不採択に疑問が残っている』『市民から出てきた請願はもっと真剣に扱ってほしい』などの意見があった。不採択とした総務常任委員会の桃原朗委員長は『請願者の意見を聞き、有識者の参考意見も聴取し慎重に審査した。委員会と本会議で賛成と反対討論がされ、賛成少数で不採択となった』と経緯を説明した。」
③「また有機フッ素化合物PFOSなどが市内の湧き水から検出されていることについて市が独自調査することや、交通事故が多い地域への信号機設置、通学路の草刈りなどの要望があった。」
④「議会報告では総務、経済建設、福祉教育の3常任委員会の取り組みなどが紹介された。市民からの意見は議会で議論し、松川正則市長に政策として提言する。」


(6)沖縄タイムス-消えた加害者、泣き寝入りか 「Yナンバー車」の事故 補償はどこに-2019年5月28日 04:55


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「今年1月20日、読谷村の国道58号で男性米軍関係者が運転する車が対向車線に進入し、計4台の車を巻き込む事故が発生。被害者の1人の女性(54)=北中城村=が、事故から4カ月以上がたった現在も破損した車の修理費や弁償がないと訴えている。いわゆる『Yナンバー車』による物損事故だ。米軍関係者は対物賠償の任意保険に未加入だったとみられる。女性は『米軍駐留ゆえの事故。なぜ個人に負担が降りかかるのか』と泣き寝入りの現状に憤る。」                             (社会部・城間陽介)
②「事故は1月20日午後7時すぎに発生。女性によるとYナンバー車は中央分離帯を越え『ひっくりかえった状態で飛んできた』。あわや正面衝突だった。女性にけがはなかったが、嘉手納署によると、巻き込まれた4台のうち1人が軽傷。署は運転手の男を自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで書類送検した。」
③「事故後、女性は米海兵隊当局から運転手の名前と連絡先を伝えられ、補償のやり取りを直接するよう促された。しかし電話はつながらなかった。そのことを米当局に告げると、『運転手は任意保険に入っていないようだ』『補償の窓口は沖縄防衛局になる』と説明されたという。」
④「女性は今度は防衛局に連絡。すると『海兵隊に補償するよう促す』(防衛局)との返答があったという。だが現在までに進捗(しんちょく)の報告はない。女性は『手続きに従ったのに何も進まない』と困惑する。」
⑤「車の修理代は自らの車両保険を適用したため保険料が上がった。車を修理している間1カ月はレンタカーを借りての通勤を余儀なくされた。」
⑥「米海兵隊は本紙の取材に『(任意保険加入義務の)規則に従わなかった個人は行政処分、懲戒処分の対象になる』とし女性への補償の見通しは示さなかった。沖縄防衛局は『』個別具体的な状況について回答は差し控える』とし、当事者間で示談が困難な場合は日米地位協定の規定に従うと回答している。同協定では『日本側が被害請求報告書を米当局に交付すれば、米当局は金額を含めて支払いの可否を判断する』とするが、女性のケースが同協定に合致するかどうかは不明のままだ。」
⑦「女性は『私のように補償が進まず困っている人は他にもいると思う。日米当局が問題改善に本腰入れて取り組んでほしい』と求めた。」
⑧「米軍は自家用車を持つ米軍人・軍属に対し自賠責と任意の二つの保険加入を義務付けている。違反した場合は免許停止または取り消し処分となる。しかし米軍関係者がよく利用する沖縄本島中部の自動車販売業者によると、車は米軍関係者個人で売買されることも多く『車両や保険の名義変更をしないまま乗り続ける人もいる』。客の9割以上が米軍関係者という別の販売店の男性スタッフは『未保険は多くの場合、事故を起こしたり、米基地ゲートでの抜き打ちチェック、車の新規購入時に発覚する』と話す。自動車を販売する際、購入者本人に代わって基地内の自動車登録事務所と日本の陸運事務所で手続きする男性スタッフは『車の保険や名義が変更されていないケースをたまに見かける』と明かす。」
⑨「交通事故の損害賠償請求に詳しいコザ法律事務所の日高洋一郎弁護士は『任意保険加入義務が果たされていない』と保険加入義務が形骸化している可能性を示唆。配属先の変更で沖縄を離れた本人と連絡がつかなくなるケースも少なくないとして、『保険加入チェックの厳密化を含め確実に補償する仕組みをつくるべきだ』と強調した。」


(7)沖縄タイムス-辺野古「K8」護岸などで重機による作業を確認-2019年5月28日 14:10

 沖縄タイムスは、「新基地建設が進む名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸では28日午前、『K8』護岸などで重機による作業が確認された。建設に反対する市民は抗議船2隻、カヌー9艇で海上から声を上げた。カヌーに乗った市民たちは『K8』や『K4』護岸の作業現場に向け、オイルフェンスを乗り越えて抗議。海上保安官に一時的に拘束された。ゲート前では午前9時半ごろと午後12時半ごろ、2回に渡ってトラックによる資材などの搬入があった。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-[解説]配備ありきの不誠実な対応 与那国島の弾薬庫-2019年5月28日 14:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「与那国島に配備された陸上自衛隊『沿岸監視隊』を巡り、防衛省が迫撃砲弾などを保管する弾薬庫の存在を住民らに説明していなかったことが明らかになった。3月に、宮古島駐屯地で保管庫とされた施設が弾薬庫と判明し、市民の反発を招いたのと同じ構図だ。防衛省は『町には説明した』と釈明したが、宮古島の事例を教訓に自ら公表すべきだったのではないか。住民に背を向けた、配備ありきの不誠実な対応と言わざるを得ない。」
②「与那国島への自衛隊配備は町民の多数が誘致を決めた経緯があり、配備の是非を問う住民投票でも賛成が約6割という結果が出た。だが防衛省によって議論の本質が隠され、投票行動がゆがめられていたと言える。」
③「賛成票を投じた住民からは、弾薬の危険性があると分かっていれば反対票に転じていた、との悲痛な訴えも上がっている。住民が配備計画への是非を判断する際、防衛省にとって障害になるような情報を意図的に遮断したとの批判は免れない。」
④「南西防衛の強化を掲げる防衛省は目下、最後の石垣島への部隊配備を押し進める。今回の宮古島と与那国島の事例から浮かび上がるのは、配備を優先するあまり、住民に充分な判断材料を提供しない不作為だ。防衛省は今からでも与那国島を訪れ、住民に謝罪し、問題の経緯について言葉を尽くして説明する責任がある。」
(八重山支局・粟国祥輔)


(9)沖縄タイムス-「中国・北朝鮮問題は海軍と空軍で対応可能」 デニー沖縄知事、トランプ大統領へ書簡-2019年5月28日 15:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「玉城デニー知事は27日、米政府と米軍に対し、普天間飛行場の早期運用停止を求める書簡を郵送したと発表した。知事の考えを直接伝える狙いがある。『米国は海軍と空軍によって中国、北朝鮮問題に対応する力を有する』と評価し、『(海兵隊の飛行場である)普天間の県外、国外移設という賢明な選択をすると信じている』と結んでいる。」
②「県と日本政府が約束し、ことし2月に期限切れを迎えた『普天間の5年以内の運用停止』について、日米両政府が交渉した形跡がない中、知事は米国への直訴を模索していた。書簡の宛先は、駐日米大使、在日米軍司令官、在沖米総領事、在沖米軍トップの四軍調整官の4人。『ぜひトランプ大統領に届けていただきたい』と求めた。」
③「書簡の中で、県として米政府に5年以内の運用停止を含む危険性の除去に取り組むよう繰り返し求めてきたが、『真に努力しているのか大きな疑念がある』と投げ掛けた。宜野湾市と米シカゴの人口密度が同規模であると説明。2004年の沖縄国際大学への大型ヘリ墜落事故、17年の普天間第二小への部品落下事故など『事件事故が多発し、地域住民の生命と財産に不安を与える』と強調した。」
④「また、辺野古の新基地建設では軟弱地盤が見つかったことで工期が延び、経費が増し、国民の理解を得られていないほか、『他国からの攻撃に対して、海兵隊の即応力を損なう恐れがある』と米側の懸念材料を詳細に取り上げた。」



by asyagi-df-2014 | 2019-05-28 18:02 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄タイムスが、日米共同声明の50年を問うことの意味。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)はこう語り始める。


「佐藤栄作首相とニクソン米大統領は1969年11月、首脳会談後に日米共同声明を発表し、沖縄の『72年、核抜き、本土並み』返還に合意したことを正式に明らかにした。今年は、あの日米共同声明からちょうど50年に当たる。『復帰』(施政権返還)が実現して47年になるというのに、いまさら共同声明を語る意味がどこにあるのか。」


 この問いかけは、実は、「構造的沖縄差別」とは何なのかという問いかけなのである。
 「タイムス」は指摘する。


(1)膨大な基地群が復帰後も居座り続けたため、復帰そのものが、最重要問題の解決を先送りした「未完の復帰」となってしまった。
(2)政府は当時、「日米安保のもとで基地を提供するのは本土も沖縄も同じ」だと宣伝したものである。
(3)主席公選で当選した屋良朝苗行政主席は「沖縄本島の基地の密度は、実に本土の200倍に及ぶ」と指摘し、こう反論した。「形式的な、法律制度上の本土並みでは納得できない」。基地の島に、対等でもなく相互的でもない地位協定が適用されたとき、どういう現象が起こるか。説明するまでもないだろう。
(4)そして今また、名護市辺野古への新基地建設によって、沖縄への基地集中が半永久的に固定化されるおそれが出てきたのである。
(5)米国は戦後一貫して「極東に脅威と緊張が存在する限り、米国は沖縄における現在の権力と権利を行使し続ける」と主張してきた。この考え方に基づく政策が「ブルースカイ・ポリシー」と呼ばれる。日米共同声明の中に流れる米国のこの考え方は基本的に今も変わっていない。


 また、「新報」は、このことに加えて、新たな情勢を指摘する。


(1)安倍晋三首相は、北朝鮮への「最大限の圧力」を国際社会に訴え続け、中国の海洋進出に対しても、包囲網形成を推し進めてきた。東アジアの緊張を理由に、米国製の武器を大量購入するなど、トランプ米大統領の気に入るような政策を矢継ぎ早に打ち出した。その流れが今、急速に変わりつつある。
(2)安倍首相は、中国との関係改善を進める一方、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長と「条件を付けずに会って、素直に話したい」と、従来の姿勢を180度転換させた。貿易交渉や北朝鮮対応で米国との隔たりが鮮明になってきたのだ。
(3)トランプ政権の誕生で、従来のような硬直した安保観は通用しなくなった。


 「新報」は、「今」について、次のように押さえる。


(1)ブルースカイ・ポリシーに代わるものとして元関西学院大学教授の豊下楢彦さんが打ち出したのが国連の「軍縮アジェンダ(検討課題)」である。
(2)国連のグテレス事務総長は昨年5月、世界的な軍拡競争に歯止めをかけるため、優先的に軍縮に取り組む必要性を強調し、「軍縮アジェンダ」を発表した。
(3)18日に那覇市で開かれたシンポジウムで豊下さんは「脅威があるから軍拡なのではなく、軍拡が脅威なのだ」と指摘し、沖縄に国連・東アジア軍縮センターを設置することを提案した。
(4)オリンピック開催で世界の耳目が日本に集まる来年は、軍縮の動きを具体化する大きなチャンスである。


 確かに、日米共同声明の50年とは、米国の「ブルースカイ・ポリシー」という考え方が貫徹されている状況とともに、日本という国の克服されていない課題を焙り出している。
 それは、「基地の島に、対等でもなく相互的でもない地位協定が適用されたとき、どういう現象が起こるか。説明するまでもないだろう。」「そして今また、名護市辺野古への新基地建設によって、沖縄への基地集中が半永久的に固定化されるおそれが出てきたのである。」、との「新報」の「声」とともに。
では、何が必要なのか。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-28 07:57 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月27日

 沖縄では、「ドローン規制法と沖縄の基地」と題した緊急集会を開かれた。
「会場には県民ら約200人が集まった。奥間さんは昨年4月からドローンで撮影した辺野古沖の新基地建設現場の写真を示しながら、濁水の流出など工事による環境破壊の実情を訴えた。その上で『ドローンによる監視で不正工事の実態が明らかになった。法案の施行を急いだのは、こうした不都合な実態を覆い隠すためだ」と指摘した。仲松正人弁護士は、法律に『報道の自由』『国民の知る権利』の保障が明示されていない点などを問題視し『国が法律を恣意(しい)的に運用する恐れもある』と危機感を示した。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-ドローン規制「基地隠す」 那覇 200人集会、改廃要求-2019年5月27日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍基地上空などでの小型無人機(ドローン)の飛行区域を制限する改正ドローン法が成立し、来月13日から施行されるのを受け、ドローンによる基地の監視を続ける市民団体『沖縄ドローンプロジェクト』は26日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で『ドローン規制法と沖縄の基地』と題した緊急集会を開いた。名護市辺野古沖の新基地建設予定地などでドローンによる監視を続けてきた土木技師の奥間政則さんらが講演し、法案の問題点を指摘。改廃を求める決議を採択したほか、弁護団の結成を呼び掛けた。」
②「会場には県民ら約200人が集まった。奥間さんは昨年4月からドローンで撮影した辺野古沖の新基地建設現場の写真を示しながら、濁水の流出など工事による環境破壊の実情を訴えた。その上で『ドローンによる監視で不正工事の実態が明らかになった。法案の施行を急いだのは、こうした不都合な実態を覆い隠すためだ」と指摘した。」
③「仲松正人弁護士は、法律に『報道の自由』『国民の知る権利』の保障が明示されていない点などを問題視し『国が法律を恣意(しい)的に運用する恐れもある』と危機感を示した。」
④「集会では、『報道の自由』『国民の知る権利』を制限しないように法律を改廃するよう防衛省に要請する決議を採択した。『法律施行後にドローンによる監視活動を行えば、逮捕されてしまう恐れもある』(仲松さん)として弁護団の結成も呼び掛けた。」


(2)琉球新報-PFOS「田芋は安全」 宜野湾・大山京大調査 土壌からの移行0.2%-2019年5月27日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)などが宜野湾市大山の湧き水から検出されている問題で、京都大学の小泉昭夫名誉教授(環境衛生学)と原田浩二准教授(同)が大山の土壌と田芋を調査し、26日に結果を公表した。土壌のPFOSは、環境省が全国河川の底質で調査した最大値の16・6倍となる1キロ当たり1万1436・4ナノグラムを検出。一方、田芋のPFOS平均は18・9ナノグラムで、土壌からの移行率は0・2%と低い。小泉名誉教授と原田准教授は『摂取による健康リスクは十分低く、田芋は食品として安全と考えられる』と強調した。調査は4月13日に大山の田芋農家の協力を得て、土壌5地点と田芋5個を採取し分析した。」
②「PFOSなどは発がん性などのリスクがあるとされる。米軍普天間飛行場周辺の河川で高濃度で検出され、基地が汚染源と指摘されている。化合物PFOA(ピーホア)は田芋平均が1キロ当たり7・5ナノグラム、土壌平均は全国調査の最大値1・7倍の332・1ナノグラムだった。土壌から田芋への移行率は2・3%となっている。今後使用が禁止される可能性があり、調査資料がないPFHxSの田芋平均は33・6ナノグラムだった。土壌からは315・9ナノグラムが検出され、移行率は10・6%だった。」
②「小泉名誉教授と原田准教授は、田芋からPFOSなどが検出されても微量だとし『いずれも田芋中の濃度は低く蓄積性は認められなかった』とした。また『普天間飛行場で使用された消火剤成分が地下水を経由して畑土壌を汚染していると考えられる』と指摘した。」
③「県による2018年度冬季の調査では、大山の湧き水メンダカリヒーガーで、PFOSとPFOAの合計が最大1リットル当たり770ナノグラム検出されている。国内でPFOS・PFOAの環境基準はなく、米国では飲料水中の生涯健康勧告値を1リットル当たり70ナノグラムとしている。」 
④「【宜野湾】常に絶えない豊富な水を利用し、県内指折りのターンム(田芋)産地である宜野湾市大山。京都大学の田芋調査では、健康リスクが低い値の有機フッ素化合物が検出されたとした。田芋農家・伊佐實雄(すみお)さん(82)と妻リツ子さん(77)は、一定の安全担保に安(あん)堵(ど)するも『農家が安心して出荷できるようにしてほしい」と行政側に長期的な調査や対策を求める。一方、識者からは土壌汚染を懸念する声も上がった。」
⑤「大山地域の湧き水から化合物が高濃度で検出されたことが分かり、住民や消費者に不安が広がったのは2016年度。ある住民は『基地ゆえの汚染で、絶対大山の田芋は買わない』と言われたことがある。県は農作物への影響はないと判断したが、田芋農家では風評被害の懸念が続いている。」
⑥「伊佐家は3世代にわたり田芋を作ってきた。京大の調査を聞いた伊佐さん夫婦は『田芋を買った人の健康を害したら迷惑だ。高い値が出た場合、農家を辞める覚悟だった』と振り返る。結果に胸をなで下ろすが、土壌に化合物が多いことに『原因をはっきり特定し、これからの子たちのため行政が継続的に検査してほしい』と要望。共に暮らす子と孫ら5人で血液検査も受け、ほぼ全員が全国平均より高い値が出た懸念も残る。『水は食や命に関わる。どれくらいの量を摂取していいのか基準値を設けてほしい』とも求めた。」
⑦「環境調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト』の河村雅美代表は京大の調査について、これまで土壌調査が実施されていなかったことから『貴重なデータ』としつつも『田芋の安全性が強調されているが、水と土壌が汚染されていることは環境汚染が発生しているということだ。汚染範囲の確定も含めた県や市の包括的な調査が必要と考える』と指摘した。」                              (金良孝矢)


(3)沖縄タイムス-きょうの辺野古-2019年5月27日 12:41


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では27日午前、新基地建設に反対する市民ら約30人が『美ら海を米軍基地にするな』『沖縄の未来をつぶすな』と声を上げた。午前9時半ごろには、資材搬入を止めようと市民らがゲート前に座り込んだが機動隊に強制排除され、正午までに工事車両55台が基地内に入った。抗議の声を上げていた男性67は『約300人がゲート前に集まった20日は、計3回の資材搬入のうち1回を追い返した。大勢が集まれば工事を止めることができる』と話し、ゲート前への結集を呼び掛けた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-栽培止める覚悟で調査に協力 宜野湾大山の田芋農家 有害物資は基準値以下-2019年5月27日 07:46


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の米軍普天間飛行場周辺の湧き水から有害物質が検出されている問題を受け、京都大学の原田浩二准教授、小泉昭夫名誉教授はこのほど、湧き水を農業用水として使用する田芋畑のPFOS(ピーホス)など有機フッ素化合物の濃度を調べた。」
②「土壌からは高濃度のPFOSが検出された一方で、田芋は米国の生涯健康勧告値以下だった。原田准教授らは『食べても健康リスクは低く安全』との考えを示した。」
③「調査は今年4月、田芋の生産地である宜野湾市大山地区で農家1軒に協力を依頼した。土壌は、地表から5センチほどの深さから採取したものを乾燥させて分析したところ、5地点の平均値は1キロ当たりPFOSが最も高く1万1436・4ナノグラム。PFOA(ピーホア)332・1ナノグラム、PFHxS(ピーエフヘクスエス)315・9ナノグラムだった。」
④「田芋は5検体の皮を除去して分析した。PFOSの平均値は18・9ナノグラム。PFOA7・5ナノグラム、PFHxSは33・6ナノグラムといずれも米国の基準値を下回った。調査に協力した生産農家は、行政が継続して土壌などを調査するよう求めている。」
⑤「原田准教授らは『普天間飛行場で使用された泡消火剤の成分が地下水を経由して畑の土壌を汚染している』と推測。『田芋から検出されたPFOSなどは微量で、食品として安全だと考えられる』と説明した。」
⑥「【宜野湾】宜野湾市大山の伊佐實雄(さねお)さん(82)と妻のリツ子さん(77)が育てる田芋は、ゆで上げるとでんぷん質が白く光る。ふくふくとした食感にこだわり、水っぽい部分は決して出荷しない。京大の准教授らに田芋や茎、畑の土壌を提供したのは4月のこと。『2人で決めて、協力したんです。もし悪い結果が出たらその時は…田芋を売るのをやめようって』。祖父の代から田芋を作り始めて3代目。3300平方メートル超の敷地で年間1トンを出荷する。よどんだ水に漬かるとたちまち根腐れすると言い、實雄さんは『湧き水が財産』と話す。」
⑦「その湧き水は米軍普天間飛行場に近く、2016年には県の調査で、有害なフッ素化合物PFOS(ピーホス)が検出された。報道の後、實雄さんは、エビやタウナギ、カニ、グッピーなどがいつも通り畑にいるか、カメラを片手に確認するようになった。今回、『食べる人の命に関わる』と覚悟して調査に試料を差し出した。田芋は『安全』との結果が出た一方、土壌は汚染されていると分かった。お得意さんたち15人ほどが『調べてくれてありがとう』と次々電話をくれたのが救いだった。」
⑧「かつて、本島あちこちの田んぼの隅で栽培されていた田芋。今も年中行事に欠かせない食材だが、生産地は限られている。リツ子さんは言う。『水と土がどうしてこうなったのか、誰に何を言ったらいいのかも分からない。調査で全部さらけ出すしか、私たち夫婦には怒りのはけ口がないんです』」


(5)沖縄タイムス-衝突事故でバイクの男性死亡 弾みで別の車にもあたる 米軍属を過失致死疑いで逮捕 沖縄・北谷-2019年5月27日 09:31


 26日午前8時10分ごろ、北谷町砂辺の国道58号の交差点で、右折しようとした乗用車と対向車線を直進してきた大型バイクが衝突した。沖縄署によると、バイクを運転していた浦添市の男性(39)が意識不明のまま中部の病院に搬送されたが、約1時間後に死亡が確認された。

 署は、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで、乗用車を運転していた米空軍の軍属の男(38)を現行犯逮捕した。容疑を過失致死に切り替えて捜査している。

 現場は片側3車線で見通しの良い直線道路。署によると、軍属の男が宮城海岸方面に右折する際、青信号を北向けに直進してきた男性のバイクに衝突した。男性は弾みで投げ出され、約30メートル離れたコンビニ駐車場に止まっていたタクシーにぶつかった。

 軍属の男は調べに「バイクは認識していたが、先に右折できると思った」と話しているという。

 近くに住む20代の男性は「現場は騒然としていた。近くでこんな事故が起こるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子だった。


(6)琉球新報-トランプ大統領来日の影響は沖縄にも 嘉手納基地にエアフォースワン随行機が飛来-2019年5月27日 09:55


 琉球新報は、「【中部】米軍嘉手納基地に25日午後6時58分ごろ、E4B国家空中作戦センター1機が飛来した。E4Bは有事に備えて大統領専用機エアフォースワンに随行する機種で、同日トランプ大統領が来日したことから、嘉手納基地に着陸したとみられる。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-27 18:05 | 沖縄から | Comments(0)

国地方係争処理委員会の審議に求められるもの。

 琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月21日、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法と主張している沖縄県の審査申し出について総務省の第三者機関『地方係争処理委員会』(委員長・富越和厚元東京高裁長官)は20日、初会合を同省で開いた。富越氏は会合後の会見で、県の申し出が審査対象になるかどうか議論する考えを示した。7月23日までに結論を出す。」、と報じた。
この審議に求められるものは何なのか。
「新報」は2019年5月22日、「係争委の撤回審査 実質審議で公正な判断を」、と社説で論評した。
この社説で、この審議に求められるものは何かを考える。
「新報」は、「門前払いは係争処理機関として許されない。実質審議に踏み込み、公正公平な判断を下すことを求める。」、と結論づける中で、基本的な問題について、次のように指摘する。

(1)埋め立て承認撤回の効力停止を不服とした県の主張を退けた2月の結論は、国交相の判断が違法かどうかなど実質的な審議はせず形式論に終始した。今回も前回の議論を踏まえ審議しているという。県は却下された場合、国交相の裁決の取り消しを求めて福岡高裁に提訴する見通しだ。
(2)県の主張は、多くの行政法学者が指摘しているように、地方自治の在り方に関わる重大な問題を含む。
(3)県は、行政不服審査制度を用いて撤回の審査を申し出た沖縄防衛局は一般私人と同様の立場にないため審査請求できないとする。内閣の一員である国交相は、防衛局の申し立てを判断できる立場にないとも指摘している。これに対し国は、防衛局は私人と同様の立場と反論する。審査の中立性についても、防衛局は「私人」と同一の立場であるから、国の機関が審査庁になり得るとする。
(4)2月の係争委の判断はこの国の主張をうのみにした内容で、行政法学者の批判もお構いなしだった。改めるべきだ。国が埋め立てを正当化する内容は疑問だらけだ。


 また、「新報」は、具体的な問題に関しても押さえる。


(1)大浦湾の軟弱地盤については、世界でも例のない水面下90メートルまでの地盤改良の工期や工費を示せていない。3月に本部港で死骸が見つかったジュゴンについても、環境監視等検討委員会の委員から埋め立て工事との関係を調べるよう意見が出るなど環境保護の面でも疑念が残る。
(2)こうした工事の中身に踏み込まず形式論で門前払いすれば、係争委が第三者機関として機能していないことになる。


 「新報」は、この審議に求められるものは何かについて、次の指摘をする中で、「係争委は後世の批判に耐え得る判断を下してもらいたい。」と投げかける。


(1)係争委は、国と自治体の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に転換した1999年の地方自治法改正に伴い設置された。自治体は行政運営への介入を意味する「国の関与」に不服があれば審査の申し出ができる。係争委が関与を違法・不当と判断すれば関係省庁に改善を勧告する。国の主張に寄り添う2月の判断は、このあるべき姿から程遠い。本来の役割を放棄した、国の追認機関と化している。それにより国の間違いをただすすべを失う結果を招く。
(2)県が係争委に申し出た背景には、対話による解決を再三求めても工事を強行する政府の蛮行がある。投票者の約7割が反対した県民投票後も政府が姿勢を変えない中、第三者機関が機能しないのでは、民主政治だけでなく、日本の自治も機能不全に陥る。全国の自治体にとっても危機だ。


 確かに、国地方係争処理委員会の審議に求められるものは、日本という国の民主主義のあり方の根幹を問うている。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-27 05:45 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月26日

「共生」社会を作り上げるためには、多角的視点が必要である。
 この取り組みは、その実践である。
「沖縄戦の最新の研究成果を反映し網羅的に分かりやすくまとめた『沖縄戦を知る事典―非体験世代が語り継ぐ』(吉川弘文館)が25日までに発刊された。『障がい者』の項目を執筆したのは、生まれつきの脳性麻痺(まひ)のため、肢体不自由のハンディがある上間祥之介さん(23)=南風原町=だ。戦争を体験した視覚障がい者2人、聴覚障がい者1人、肢体不自由者1人の計4人に、当事者の視点から聞き取り調査をし、参考文献を踏まえて執筆した。『僕だからこそ書ける視点を大事にしたい』という上間さん。視覚や聴覚など障がいによって異なる体験の特徴を出したいと思いを込めて書いた。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-苦難、当事者目線で 「沖縄戦を知る事典」発刊 障がい者の沖縄戦執筆-2019年5月26日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄戦の最新の研究成果を反映し網羅的に分かりやすくまとめた『沖縄戦を知る事典―非体験世代が語り継ぐ』(吉川弘文館)が25日までに発刊された。『障がい者』の項目を執筆したのは、生まれつきの脳性麻痺(まひ)のため、肢体不自由のハンディがある上間祥之介さん(23)=南風原町=だ。戦争を体験した視覚障がい者2人、聴覚障がい者1人、肢体不自由者1人の計4人に、当事者の視点から聞き取り調査をし、参考文献を踏まえて執筆した。『僕だからこそ書ける視点を大事にしたい』という上間さん。視覚や聴覚など障がいによって異なる体験の特徴を出したいと思いを込めて書いた。」
②「関係者によると、障がい者自身が当事者の視点で戦争体験を調査し、成果をまとめたことは『全国的にも前例がないのではないか』と指摘する。」
③「上間さんが障がい者の戦争体験について調べ始めたのは、沖縄国際大に在学中だった。当時、沖国大教授だった吉浜忍さんが講師を務める沖縄戦の講義を3年生の時に受講し、関心を深めた。卒業論文は障がい者の沖縄戦体験についてまとめた。2018年3月に大学を卒業し、今回の事典で障がい者の項目の執筆を吉浜さんから打診を受けて引き受けた。」
④「研究者や地域史編集者ら経験豊富な執筆者がいる中で、上間さんは『僕で大丈夫かなと不安もあった』と明かす。聞き取り調査をへて、戦場を逃げる中、視覚障がい者は音やにおいで状況を読み取ったことや、障がい者を毒殺する光景を目の当たりにした証言なども記録し、まとめ上げた。執筆者に推薦した吉浜さんは『上間さんには、当事者としてわれわれには分からない体験がある。調査する意欲に頭が下がる。障がい者の戦争体験の証言は本当に少ない。今後も多様な体験を聞き取りし、障がい者にとっての沖縄戦体験の全容を捉えてほしい』と語った。」                         (古堅一樹)


(2)琉球新報-重機使用の工事再開 石垣陸自 「アセス必要」市民批判-2019年5月26日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局は25日、国指定特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認されたとして一時中断していた重機使用の工事を再開した。配備予定地ではダンプが砂利を搬入したり、パワーショベルが作業したりする様子が確認された。同日には伊波洋一参院議員が現場を視察し、防衛省職員からカンムリワシの保全対策などについて説明を受けた。」
②「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会メンバーと予定地に近接する高台から現場を視察した伊波氏は、4~7月とされるカンムリワシの営巣期間外の調査に基づき、3月に着工した防衛省の姿勢を批判。『営巣期間は工事を中止し、環境影響評価(アセスメント)をきちんとするべきだと防衛省職員には伝えた』とした。」
③「市民連絡会共同代表の上原秀政さん(64)は『アセス逃れのために3月に着工を強行した後に営巣が見つかった。アセスを実施しないから後から後から問題が出てくる。住民の理解を得るというのならば、アセスは必要だ』と指摘した。」
④「現場を訪れた配備予定地に近い川原公民館長の具志堅正さん(57)は『工事再開はやはり早い。(防衛局が再開の根拠とした)島外有識者だけでなく、地元専門家の意見を聞いて初めて影響があるかどうか分かると思う。防衛局の主張をすんなり受け入れた市長にも、カンムリワシのことをもっと慎重に考えてほしい』と求めた。」


(3)琉球新報-冨里さん、故郷〝帰国〟 比残留孤児 父と戦争で生き別れ 津堅島で墓参りへ-2019年5月26日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「戦争で父と生き別れとなり、フィリピンに残留した冨里ゼナイダスミコさん(78)が25日、那覇空港に降り立ち、初めて父親の故郷・沖縄の地を踏んだ。出迎えた異母弟の冨里利雄さん(71)=うるま市=と抱き合ったスミコさんは『父は私たちを忘れたと思ったが、今日の出来事が実現したのは父のおかげだと思う』と喜びをかみしめた。」
②「スミコさんの父は県出身の冨里清繁さんで1996年に死去、母は日系2世の寺田アントニアさんで戦争で45年に亡くなった。」
③「父と生き別れたスミコさんは戦後、親戚の家事手伝いをしながら苦学したという。ある時、母方の伯母がスミコさんと母の出生証明書を見つけ、父が『ヤマト フサト』だと分かった。『ヤマト』は童名とみられる。」
④「スミコさんが父を捜していたところ、フィリピン日系人リーガルサポートセンターの調査で、冨里清繁さんが父だと分かったのは2007年。清繁さんは終戦後、強制送還され沖縄で既に亡くなっていた。利雄さんは姉がいることを父の知人から聞かされていた。清繁さんは生前フィリピンの話はしなかったが、死の間際に頼み事をするように何かを訴えていた。」
⑤「 スミコさんが利雄さんと対面したのは戦後70年が経過した15年。スミコさんは『父の親族に会いたい』という長年の思いがかなったことで喜びの涙を流し神に感謝した。その姿に感激した利雄さんが『父の墓参りをさせたい』と考え、初来沖が実現した。」
⑥「スミコさんは26日、清繁さんが眠る津堅島を訪れる。『父の墓をお参りしたい。これ以上の願いはない』。父との再会に胸を膨らませた。」


(4)沖縄タイムス-届け沖縄の民意、全国に 国会包囲で訴え 平和と民主主義の実現を-2019年5月25日 21:43


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】名護市辺野古の新基地建設に反対する『国会包囲行動』が25日、国会周辺であり約5千人(主催者発表)が集まった。2月の県民投票で71%に達した新基地建設反対の民意を全国に発信しようと、市民らが国会周辺で思い思いに抗議の意思を表現した。同日、全国32都道府県、38カ所でも新基地建設に反対する集会が開かれた。」
②「包囲行動には国政野党の立憲、国民、共産、社民の国会議員のほか、作家の落合恵子さんら文化人も参加。沖縄からはヘリ基地反対協の安次富浩共同代表も駆けつけ、辺野古新基地建設の工事強行に抗議の声を上げた。」
③「主催者あいさつで『【止めよう! 辺野古埋め立て】国会包囲実行委員会』の野平晋作氏は『沖縄の民意を尊重できないなら、それは日本には民主主義がないという事ではないか。沖縄に過剰に押しつけられている米軍基地の問題を解決することで、日本に本当の平和と民主主義を実現しよう』と強調した。」
④「主催団体は他に『基地の県内移設に反対する県民会議』『戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会』」。


(5)沖縄タイムス-石垣への陸自配備工事再開 重機やトラック次々 カンムリワシ営巣場所から400メートル 市民ら「納得いかない」-2019年5月26日 08:18


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画で沖縄防衛局は25日、カンムリワシの営巣活動を確認後に中断していた駐屯地造成工事を再開した。午前9時ごろ、ショベルカーなどの重機が稼働し、荷台に砂利を積んだ大型トラックが往来した。繁殖活動に配慮した8日の中断から17日。『(営巣活動に)支障がない』とした防衛局の対応に、市民からは『説明が不十分。納得できない』など非難の声が上がった。」
②「防衛局は沖縄本島に住む有識者に意見を求めて再開を決めた。『営巣場所から400メートル離れており支障はない』『大きな機械音が突発的に出るような作業は避けるべきだ』などの助言があったという。有識者の氏名は明かしていない。」
③「重機の使用にもお墨付きを与え、初日から稼働した。現場はフェンスで囲まれ立ち入りが規制されているが、重機の稼働音や低いエンジン音が外まで聞こえた。」
④「一方、鳥類の専門家や市民からは『再開ありきだ』と反発が広がった。日本野鳥の会石垣島支部の小林孝事務局長は『400メートルの距離があるから影響がないという根拠は何なのか。本島在住でカンムリワシと付き合いのない人が遠くからものが言えるのだろうか』と首をかしげた。」
⑤「予定地周辺に住む於茂登公民館の嶺井善元館長(53)は『日頃から地域を歩き、周辺で4つがいを確認している。性急な工事再開で営巣放棄があれば個体数が減って(在来種が絶滅した)第二のトキになるんじゃないか』と憤った。」
⑥「『石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会』の上原秀政共同代表(64)は『今からでも環境アセスメントをやるべきだ』と訴えた。} 


(6)琉球新報-米兵を銃刀法違反容疑で逮捕 10センチのバタフライナイフを助手席に携帯-2019年5月26日 10:18


 琉球新報は、「嘉手納署は25日未明、読谷村の路上で正当な理由なく刃体6センチ以上の刃物を所持していたとして、銃刀法違反の容疑で嘉手納基地所属の米空軍上等兵(20)を現行犯逮捕した。容疑を否認している。逮捕容疑は25日午前2時20分ごろ、読谷村の国道58号で容疑者所有の車の助手席ドアポケットに長さ約10センチのバタフライナイフを携帯していた疑い。嘉手納署によると、警察官がライトの消えた車を運転する容疑者に職務質問をした際、ナイフを発見した。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-酒気帯び運転容疑で米軍の男を逮捕 沖縄市の国道で沖縄署-2019年5月26日 13:07


 沖縄タイムスは、「沖縄署は26日、酒気を帯びた状態で車を運転したとして、米軍嘉手納基地所属の空軍兵長22を道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。調べに対し『酔っていないと思った』と容疑を否認しているという。呼気からは基準値約2倍のアルコールが検出された。逮捕容疑は同日午前0時45分ごろ、沖縄市城前町の国道330号で酒気帯び状態で普通乗用車を運転した疑い。巡回中の警察官が方向指示器を付けたまま走行する車を見つけ停止させたところ、男から酒の臭いがしたという。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-有事にトランプ大統領が乗り込む? 米軍「空飛ぶ司令室」E4B機が嘉手納基地に飛来-2019年5月26日 09:01


 沖縄タイムスは、「沖縄県の米軍嘉手納基地に25日午後7時、米軍の空中指揮機E4Bが飛来した。米大統領の外遊の際には随行して近くの米軍基地に待機することが多く、トランプ米大統領の訪日に合わせた飛来とみられる。同機は有事の際に米大統領が搭乗し、指揮、管制など通信中枢としての機能を果たすことから『空飛ぶ司令部』とも呼ばれている。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-「水の安全を求めるママたちの会」設立 河川から有害物質検出が続き-2019年5月26日 10:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「北谷浄水場の水源である本島中部の河川などから人体に有害な影響が指摘される有機フッ素化合物が検出されたことを受けて、本島在住の主婦らが25日、『水の安全を求めるママたちの会』を立ち上げた。早ければ週明けにも水問題の改善を求めて玉城デニー知事や県議会など関係機関に要望書を提出する。」
②「呼び掛け人の山本藍さん(41)が、米軍嘉手納基地や普天間飛行場周辺の河川などで有機フッ素化合物の検出が相次いだことから、SNSで緊急ミーティングを告知。会場となった那覇市内の飲食店には有志14人が集まり赤嶺政賢衆院議員も同席して意見交換した。」
③「参加者からは今回の水問題が根本的に解決されず、県民への情報提供が不十分なまま県側が水道水の安全性を強調したことに疑問が上がった。『米軍基地から有害物質が垂れ流されている限り問題は解決しない。立ち入り検査を行うべきだ』などの意見があった。」
④「同会は署名運動やSNSを使った広報活動で問題提起と賛同者を募る考えで、山本さんは『私たちが口にする水が安全になるためには生活者目線で声を上げる必要がある。今が安全と決めるのは早い』と訴えた。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-26 17:24 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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