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沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月26日

「共生」社会を作り上げるためには、多角的視点が必要である。
 この取り組みは、その実践である。
「沖縄戦の最新の研究成果を反映し網羅的に分かりやすくまとめた『沖縄戦を知る事典―非体験世代が語り継ぐ』(吉川弘文館)が25日までに発刊された。『障がい者』の項目を執筆したのは、生まれつきの脳性麻痺(まひ)のため、肢体不自由のハンディがある上間祥之介さん(23)=南風原町=だ。戦争を体験した視覚障がい者2人、聴覚障がい者1人、肢体不自由者1人の計4人に、当事者の視点から聞き取り調査をし、参考文献を踏まえて執筆した。『僕だからこそ書ける視点を大事にしたい』という上間さん。視覚や聴覚など障がいによって異なる体験の特徴を出したいと思いを込めて書いた。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-苦難、当事者目線で 「沖縄戦を知る事典」発刊 障がい者の沖縄戦執筆-2019年5月26日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄戦の最新の研究成果を反映し網羅的に分かりやすくまとめた『沖縄戦を知る事典―非体験世代が語り継ぐ』(吉川弘文館)が25日までに発刊された。『障がい者』の項目を執筆したのは、生まれつきの脳性麻痺(まひ)のため、肢体不自由のハンディがある上間祥之介さん(23)=南風原町=だ。戦争を体験した視覚障がい者2人、聴覚障がい者1人、肢体不自由者1人の計4人に、当事者の視点から聞き取り調査をし、参考文献を踏まえて執筆した。『僕だからこそ書ける視点を大事にしたい』という上間さん。視覚や聴覚など障がいによって異なる体験の特徴を出したいと思いを込めて書いた。」
②「関係者によると、障がい者自身が当事者の視点で戦争体験を調査し、成果をまとめたことは『全国的にも前例がないのではないか』と指摘する。」
③「上間さんが障がい者の戦争体験について調べ始めたのは、沖縄国際大に在学中だった。当時、沖国大教授だった吉浜忍さんが講師を務める沖縄戦の講義を3年生の時に受講し、関心を深めた。卒業論文は障がい者の沖縄戦体験についてまとめた。2018年3月に大学を卒業し、今回の事典で障がい者の項目の執筆を吉浜さんから打診を受けて引き受けた。」
④「研究者や地域史編集者ら経験豊富な執筆者がいる中で、上間さんは『僕で大丈夫かなと不安もあった』と明かす。聞き取り調査をへて、戦場を逃げる中、視覚障がい者は音やにおいで状況を読み取ったことや、障がい者を毒殺する光景を目の当たりにした証言なども記録し、まとめ上げた。執筆者に推薦した吉浜さんは『上間さんには、当事者としてわれわれには分からない体験がある。調査する意欲に頭が下がる。障がい者の戦争体験の証言は本当に少ない。今後も多様な体験を聞き取りし、障がい者にとっての沖縄戦体験の全容を捉えてほしい』と語った。」                         (古堅一樹)


(2)琉球新報-重機使用の工事再開 石垣陸自 「アセス必要」市民批判-2019年5月26日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局は25日、国指定特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認されたとして一時中断していた重機使用の工事を再開した。配備予定地ではダンプが砂利を搬入したり、パワーショベルが作業したりする様子が確認された。同日には伊波洋一参院議員が現場を視察し、防衛省職員からカンムリワシの保全対策などについて説明を受けた。」
②「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会メンバーと予定地に近接する高台から現場を視察した伊波氏は、4~7月とされるカンムリワシの営巣期間外の調査に基づき、3月に着工した防衛省の姿勢を批判。『営巣期間は工事を中止し、環境影響評価(アセスメント)をきちんとするべきだと防衛省職員には伝えた』とした。」
③「市民連絡会共同代表の上原秀政さん(64)は『アセス逃れのために3月に着工を強行した後に営巣が見つかった。アセスを実施しないから後から後から問題が出てくる。住民の理解を得るというのならば、アセスは必要だ』と指摘した。」
④「現場を訪れた配備予定地に近い川原公民館長の具志堅正さん(57)は『工事再開はやはり早い。(防衛局が再開の根拠とした)島外有識者だけでなく、地元専門家の意見を聞いて初めて影響があるかどうか分かると思う。防衛局の主張をすんなり受け入れた市長にも、カンムリワシのことをもっと慎重に考えてほしい』と求めた。」


(3)琉球新報-冨里さん、故郷〝帰国〟 比残留孤児 父と戦争で生き別れ 津堅島で墓参りへ-2019年5月26日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「戦争で父と生き別れとなり、フィリピンに残留した冨里ゼナイダスミコさん(78)が25日、那覇空港に降り立ち、初めて父親の故郷・沖縄の地を踏んだ。出迎えた異母弟の冨里利雄さん(71)=うるま市=と抱き合ったスミコさんは『父は私たちを忘れたと思ったが、今日の出来事が実現したのは父のおかげだと思う』と喜びをかみしめた。」
②「スミコさんの父は県出身の冨里清繁さんで1996年に死去、母は日系2世の寺田アントニアさんで戦争で45年に亡くなった。」
③「父と生き別れたスミコさんは戦後、親戚の家事手伝いをしながら苦学したという。ある時、母方の伯母がスミコさんと母の出生証明書を見つけ、父が『ヤマト フサト』だと分かった。『ヤマト』は童名とみられる。」
④「スミコさんが父を捜していたところ、フィリピン日系人リーガルサポートセンターの調査で、冨里清繁さんが父だと分かったのは2007年。清繁さんは終戦後、強制送還され沖縄で既に亡くなっていた。利雄さんは姉がいることを父の知人から聞かされていた。清繁さんは生前フィリピンの話はしなかったが、死の間際に頼み事をするように何かを訴えていた。」
⑤「 スミコさんが利雄さんと対面したのは戦後70年が経過した15年。スミコさんは『父の親族に会いたい』という長年の思いがかなったことで喜びの涙を流し神に感謝した。その姿に感激した利雄さんが『父の墓参りをさせたい』と考え、初来沖が実現した。」
⑥「スミコさんは26日、清繁さんが眠る津堅島を訪れる。『父の墓をお参りしたい。これ以上の願いはない』。父との再会に胸を膨らませた。」


(4)沖縄タイムス-届け沖縄の民意、全国に 国会包囲で訴え 平和と民主主義の実現を-2019年5月25日 21:43


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】名護市辺野古の新基地建設に反対する『国会包囲行動』が25日、国会周辺であり約5千人(主催者発表)が集まった。2月の県民投票で71%に達した新基地建設反対の民意を全国に発信しようと、市民らが国会周辺で思い思いに抗議の意思を表現した。同日、全国32都道府県、38カ所でも新基地建設に反対する集会が開かれた。」
②「包囲行動には国政野党の立憲、国民、共産、社民の国会議員のほか、作家の落合恵子さんら文化人も参加。沖縄からはヘリ基地反対協の安次富浩共同代表も駆けつけ、辺野古新基地建設の工事強行に抗議の声を上げた。」
③「主催者あいさつで『【止めよう! 辺野古埋め立て】国会包囲実行委員会』の野平晋作氏は『沖縄の民意を尊重できないなら、それは日本には民主主義がないという事ではないか。沖縄に過剰に押しつけられている米軍基地の問題を解決することで、日本に本当の平和と民主主義を実現しよう』と強調した。」
④「主催団体は他に『基地の県内移設に反対する県民会議』『戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会』」。


(5)沖縄タイムス-石垣への陸自配備工事再開 重機やトラック次々 カンムリワシ営巣場所から400メートル 市民ら「納得いかない」-2019年5月26日 08:18


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画で沖縄防衛局は25日、カンムリワシの営巣活動を確認後に中断していた駐屯地造成工事を再開した。午前9時ごろ、ショベルカーなどの重機が稼働し、荷台に砂利を積んだ大型トラックが往来した。繁殖活動に配慮した8日の中断から17日。『(営巣活動に)支障がない』とした防衛局の対応に、市民からは『説明が不十分。納得できない』など非難の声が上がった。」
②「防衛局は沖縄本島に住む有識者に意見を求めて再開を決めた。『営巣場所から400メートル離れており支障はない』『大きな機械音が突発的に出るような作業は避けるべきだ』などの助言があったという。有識者の氏名は明かしていない。」
③「重機の使用にもお墨付きを与え、初日から稼働した。現場はフェンスで囲まれ立ち入りが規制されているが、重機の稼働音や低いエンジン音が外まで聞こえた。」
④「一方、鳥類の専門家や市民からは『再開ありきだ』と反発が広がった。日本野鳥の会石垣島支部の小林孝事務局長は『400メートルの距離があるから影響がないという根拠は何なのか。本島在住でカンムリワシと付き合いのない人が遠くからものが言えるのだろうか』と首をかしげた。」
⑤「予定地周辺に住む於茂登公民館の嶺井善元館長(53)は『日頃から地域を歩き、周辺で4つがいを確認している。性急な工事再開で営巣放棄があれば個体数が減って(在来種が絶滅した)第二のトキになるんじゃないか』と憤った。」
⑥「『石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会』の上原秀政共同代表(64)は『今からでも環境アセスメントをやるべきだ』と訴えた。} 


(6)琉球新報-米兵を銃刀法違反容疑で逮捕 10センチのバタフライナイフを助手席に携帯-2019年5月26日 10:18


 琉球新報は、「嘉手納署は25日未明、読谷村の路上で正当な理由なく刃体6センチ以上の刃物を所持していたとして、銃刀法違反の容疑で嘉手納基地所属の米空軍上等兵(20)を現行犯逮捕した。容疑を否認している。逮捕容疑は25日午前2時20分ごろ、読谷村の国道58号で容疑者所有の車の助手席ドアポケットに長さ約10センチのバタフライナイフを携帯していた疑い。嘉手納署によると、警察官がライトの消えた車を運転する容疑者に職務質問をした際、ナイフを発見した。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-酒気帯び運転容疑で米軍の男を逮捕 沖縄市の国道で沖縄署-2019年5月26日 13:07


 沖縄タイムスは、「沖縄署は26日、酒気を帯びた状態で車を運転したとして、米軍嘉手納基地所属の空軍兵長22を道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。調べに対し『酔っていないと思った』と容疑を否認しているという。呼気からは基準値約2倍のアルコールが検出された。逮捕容疑は同日午前0時45分ごろ、沖縄市城前町の国道330号で酒気帯び状態で普通乗用車を運転した疑い。巡回中の警察官が方向指示器を付けたまま走行する車を見つけ停止させたところ、男から酒の臭いがしたという。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-有事にトランプ大統領が乗り込む? 米軍「空飛ぶ司令室」E4B機が嘉手納基地に飛来-2019年5月26日 09:01


 沖縄タイムスは、「沖縄県の米軍嘉手納基地に25日午後7時、米軍の空中指揮機E4Bが飛来した。米大統領の外遊の際には随行して近くの米軍基地に待機することが多く、トランプ米大統領の訪日に合わせた飛来とみられる。同機は有事の際に米大統領が搭乗し、指揮、管制など通信中枢としての機能を果たすことから『空飛ぶ司令部』とも呼ばれている。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-「水の安全を求めるママたちの会」設立 河川から有害物質検出が続き-2019年5月26日 10:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「北谷浄水場の水源である本島中部の河川などから人体に有害な影響が指摘される有機フッ素化合物が検出されたことを受けて、本島在住の主婦らが25日、『水の安全を求めるママたちの会』を立ち上げた。早ければ週明けにも水問題の改善を求めて玉城デニー知事や県議会など関係機関に要望書を提出する。」
②「呼び掛け人の山本藍さん(41)が、米軍嘉手納基地や普天間飛行場周辺の河川などで有機フッ素化合物の検出が相次いだことから、SNSで緊急ミーティングを告知。会場となった那覇市内の飲食店には有志14人が集まり赤嶺政賢衆院議員も同席して意見交換した。」
③「参加者からは今回の水問題が根本的に解決されず、県民への情報提供が不十分なまま県側が水道水の安全性を強調したことに疑問が上がった。『米軍基地から有害物質が垂れ流されている限り問題は解決しない。立ち入り検査を行うべきだ』などの意見があった。」
④「同会は署名運動やSNSを使った広報活動で問題提起と賛同者を募る考えで、山本さんは『私たちが口にする水が安全になるためには生活者目線で声を上げる必要がある。今が安全と決めるのは早い』と訴えた。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-26 17:24 | 沖縄から | Comments(0)

認知症基本政策策定とは。

 朝日新聞(以下、「朝日」)は2019年5月19日、「朝日新聞-認知症、基本計画策定を政府に義務づけ 自民の法案骨子」、と次のように報じた。


(1)自民党の社会保障制度調査会・介護委員会は17日、「認知症基本法案(仮称)」の骨子を公表した。認知症に関する施策を推進するための基本計画の策定を政府に義務づけ、首相がトップの推進本部を設置すると定める。公明党と協議し、今国会に共同提案する方針。
(2)骨子では、施策にあたっての基本理念として「認知症の人が地域において尊厳を保持しつつ他の人々と共生すること」を掲げる。政府の基本計画は、認知症の人や家族らの意見を聞いた上で策定することとし、都道府県や市町村の計画策定は努力義務とした。
(3)取り組むべき施策として、交通の安全確保や見守り体制の整備などを進める「地域づくりの推進」を挙げた。「認知症の予防」では、予防に関する活動の推進や情報収集、早期発見・対応に向けた医療体制の整備などが必要だとした。
(4)政府は来月、認知症対策の指針となる大綱を決定する予定。「共生」と「予防」を2本柱とし、予防促進に向けて、70代に占める認知症の人の割合を2025年までに6%減らすとの数値目標を盛り込む。基本法が成立すれば、大綱を基本計画と位置づける方向だ。
(石川春菜)


 また、「朝日」は前日、このことに関して、政府方針の内容とこのことに関する視点を次のように報じている。


(1)政府は16日、70代に占める認知症の人の割合を、2025年までの6年間で6%減らすとの数値目標を公表した。現役世代の減少や介護人材の不足、社会保障費の抑制に対応するために認知症の予防促進を掲げており、その一環として初めて数値目標を設定する。来月決定する認知症対策の指針となる大綱に盛り込む。
(2)厚生労働省の推計によると、65歳以上の認知症の人は15年時点で約520万人おり、65歳以上の人口の約16%。25年には約700万人となり、約20%に達する。「生涯現役社会の実現」を掲げる政府は、認知症対策を重要課題と位置付け、数値目標を設定することにした。
(3)16日の有識者会議に示した方針では、70代で認知症になる時期を19~29年の10年間で現在より1歳遅らせることで、70代の認知症の人の割合は約10%減るとした。25年には団塊の世代が全員75歳以上となり、認知症の人の増加が見込まれることから、25年までの6年間の目標として6%減を掲げることにした。6%減が達成できた場合、70~74歳の認知症の割合は18年の3・6%から3・4%に、75~79歳の10・4%は9・8%に下がることになる。
(4)目標達成に向けて進める認知症予防の取り組みとしては、運動不足の解消や社会参加を促すための「通いの場」の拡充などを挙げた。ただ、実効性や数値目標が実際に達成に至るかは不透明だ。
(5)政府は15~25年を対象とした認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定ずみだが、対策を強化するため、25年までを対象とした大綱を来月まとめる方針。これまでは認知症になっても地域で安心して暮らせるようにする「共生」に重点を置いていたが、大綱では「共生」と「予防」の2本柱とする。
(石川春菜)
<視点>予防強調、数字独り歩き懸念
(6)認知症に向き合う現場では、科学的根拠に基づく予防のあり方を研究したり、実践したりする取り組みも進められている。こうした予防の取り組み自体は否定されるものではない。しかし、認知症の国家戦略とも言うべき大綱に、認知症の人の割合を減らす数値目標を盛り込むことは、予防そのものの意義とは別の危うさをはらむ。新たな大綱において、予防と並ぶ柱は「共生」。削減目標はこの共生の理念を揺るがしかねない。かつて認知症は「痴呆(ちほう)」「ぼけ」と呼ばれ、本人は「何もわからない」という偏見のなかで孤立していた。近年、認知症の人自身が思いを語ることで、少しずつその壁を崩してきた。本人の活動や交流の場は急速に広がっている。
(7)いま国が予防を強調する背景には、社会保障費抑制の狙いもあるだろう。いまだ根強い偏見の中で、財政的圧力を背景とした削減目標の数字が独り歩きすれば、自治体が認知症の削減率を競うような、思わぬ副作用が生じないとも言い切れない。
(8)認知症の当事者でつくる日本認知症本人ワーキンググループのメンバーは今年3月、厚生労働相らと意見交換をした際、予防重視の方針について、「頑張って予防に取り組んでいながら認知症になった人が、落第者になって自信をなくしてしまう」との意見を伝えたという。こうした当事者の懸念を軽視すべきではない。誰のための予防で、何のための削減目標なのか。政府は、わかりやすく明確に説明する必要がある。
(編集委員・清川卓史)


 さて、琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月19日、「認知症対策の大綱案 『共生』の理念を忘れずに」、と社説でこのことに関して論評した。
「新報」は、「政府が認知症対策を強化するための新たな大綱の素案を示した。『予防』重視の方針を打ち出したことが特徴だが、もう一つの柱である『共生』の視点に立った取り組みをしっかりと進める必要がある。」との押さえの中で、次のように指摘する。


(1)素案では2025年までの6年間で、70代に占める認知症の人の割合を6%低下させることを目指すとした。認知症の人数を抑制する数値目標の導入は初めてだ。70代で発症する時期を10年間で現在より1歳遅らせることで、70代の認知症の人の割合を1割減らせると試算している。
(2)予防の具体策としては、運動や人との交流が発症を遅らせる可能性があるとして、公民館や公園など身近な場での体操や教育講座など「通いの場」への参加を促した。市民農園での農作業など地域活動も推奨している。
(3)認知症の治療法はまだ確立されていないが、予防には運動や健康的な食事、禁煙が良いとされており、高齢者の運動不足解消や孤立防止に向けた具体策を進めていくことは評価できる。ただ新たな数値目標の達成に向けて、こうした取り組みでどの程度の効果が見込めるかは不透明だ。
(4)政府は素案に治療法の開発強化も盛り込んだ。治療薬の臨床試験(治験)に、認知症になる可能性がある人の参加を増やす仕組みを構築するという。「未発症」段階での研究を深めることで発症のメカニズムが解明され、早期の診断や予防法の開発へ道が開けることが期待されよう。ただ未知な部分も大きい。認知症対策の科学的根拠がまだ不十分であることは政府も認めている。そうした中で予防重視の方針や数値目標を新たに示した背景には、膨張する社会保障費を抑制したいという思惑がある。
(5)だが、予防重視の方針に関して当事者や家族からは「認知症になった人は努力が足りないと思われるのでは」と、数値目標が独り歩きすることへの懸念も出ている。有識者からも「認知症にならない社会をつくる、という誤ったメッセージになる」と疑問がある。当事者らのこうした声は正面から受け止めなければならない。
(6)認知症の高齢者は2015年時点で約520万人と推計されており、高齢者の7人に1人に上る。さらに、団塊の世代全員が75歳以上となる25年には約700万人に達する。認知症の発症原因や予防の科学的効果が十分立証されていない中、加齢によって誰でも発症し得る病気であることを理解することがまずは大切なことではないか。
(7)政府は大綱の前身となる15年の国家戦略(新オレンジプラン)で、「住み慣れた地域で自分らしく暮らせる社会の実現」を掲げた。認知症になっても地域で安心して暮らすことができるという「共生」の理念だ。その基本精神を置き去りにすることなく、当事者に寄り添って新たな対策を進めてほしい。


 確かに、基本理念として「認知症の人が地域において尊厳を保持しつつ他の人々と共生すること」を掲げ、「予防」と「共生」が掲げられてはいるが、安倍晋三政権の成長戦略路線の中では、削減目標ありきの社会保障費抑制のための「予防」政策が偏重されることは、既定路線なのではないか、との不信感が拭えないこと。
「朝日」と「新報」の指摘から受け取るものは、次のことである。


Ⅰ.「認知症の発症原因や予防の科学的効果が十分立証されていない中、加齢によって誰でも発症し得る病気であることを理解することがまずは大切なこと」(「新報」)であることを、取り組みの大原則にしなければならないこと。
Ⅱ.「かつて認知症は「痴呆(ちほう)」「ぼけ」と呼ばれ、本人は「何もわからない」という偏見のなかで孤立していた。近年、認知症の人自身が思いを語ることで、少しずつその壁を崩してきた。本人の活動や交流の場は急速に広がっている。」(「朝日」)、との取り組みの成果を大切にしなければならないこと。
Ⅲ.「認知症の国家戦略とも言うべき大綱に、認知症の人の割合を減らす数値目標を盛り込むことは、予防そのものの意義とは別の危うさをはらむ」(「朝日」)ものであること。したがって、予防と並ぶ柱は「共生」であり、削減目標はこの共生の理念を揺るがしかねないものであること。
Ⅳ.いま国が予防を強調する背景には、社会保障費抑制の狙いがあること。また、「いまだ根強い偏見の中で、財政的圧力を背景とした削減目標の数字が独り歩きすれば、自治体が認知症の削減率を競うような、思わぬ副作用が生じないとも言い切れない。」(「朝日」)ことが予想されること。
Ⅴ.「予防重視の方針について、『頑張って予防に取り組んでいながら認知症になった人が、落第者になって自信をなくしてしまう』との意見を伝えたという。こうした当事者の懸念を軽視すべきではない。」(「朝日」)こと。また、「『認知症になった人は努力が足りないと思われるのでは』と、数値目標が独り歩きすることへの懸念も出ている。有識者からも『認知症にならない社会をつくる、という誤ったメッセージになる』と疑問」(「朝日」)を解消することが大事であること。
Ⅵ.「誰のための予防で、何のための削減目標なのか。政府は、わかりやすく明確に説明する必要がある。」(「朝日」)ことが重要であること。
Ⅶ.国の社会保障費抑制政策の中で、「公助」の位置づけは著しく後退させられてきているが、今回の基本政策の具体策の一つとして、「地域づくりの推進」や「公民館や公園など身近な場での体操や教育講座など『通いの場』への参加」(「新報」)が位置づけられている。このことは実際に、地域住民への過度な「自助」「共助」の押しつけになる危険性がある。特に、過疎地域では、その負担は危険水域に達している状況がある。このことのために、「公助」があって初めて、「自助」「共助」が生かされることを背景にした政策立案をする必要があること。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-26 08:50 | 持続可能な社会 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月25日

 「【東京】岩屋毅防衛相は24日の閣議後会見で、米軍嘉手納基地で21日に実施されたパラシュート降下訓練に『(米側の)事情を聞いてみるとやむを得なかったかな、と判断した』と述べ、容認する考えを明言した。」と、沖縄タイムス。
 安倍晋三政権の閣僚の発言である。
「例外」の意味をを定義することなく、すべて肯定してしまうのであるならば、やはり、主権国家としての意味を問わざるを得ない。
 最低限、日米地位協定の改定しかないではないか。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月25日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-「やむを得ない」 防衛相が異例の容認 米軍嘉手納基地でのパラシュート降下訓練 沖縄県は反発-2019年5月25日 10:09


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】岩屋毅防衛相は24日の閣議後会見で、米軍嘉手納基地で21日に実施されたパラシュート降下訓練に『(米側の)事情を聞いてみるとやむを得なかったかな、と判断した』と述べ、容認する考えを明言した。降下訓練は通常、伊江島補助飛行場で実施されるが、日米両政府は「例外的」な場合に限り嘉手納で認めている。ことしは既に3回実施されており、謝花喜一郎副知事が23日、関係機関へ抗議した直後の発言。県や周辺自治体は強く反発している。」
②「政府はこれまで例外の定義を巡り『拡大解釈することは許されない』(河野太郎外相)として、嘉手納での訓練を問題視してきたが、閣僚が容認姿勢を明確にするのは異例だ。」
③「岩屋氏は米側から、当初計画していた伊江島での訓練が、悪天候などの理由で5回中止していたと報告を受けたと説明。こうした経緯を踏まえ、今回の訓練は容認する考えを示した。」
④「米側が悪天候でも伊江島で降下訓練できるよう導入を進める大型救助船が、実際に使用される場合も『嘉手納での(訓練)回数を減らしていくことには役立つのではないか』とする一方で『ゼロになるということではないと思う』と指摘。頻度は減るものの、訓練が続くとの見通しを示した。」
⑤「『何をもって例外とするかはその時々の状況に応じて判断せざるを得ない』として、原則的に伊江島で訓練するよう米側に申し入れていく考えも示した。」
⑥「嘉手納、北谷の両町議会は24日までに、例外的措置の撤廃を求める抗議決議と意見書を可決している。」
⑦「河野外相は国会答弁で、嘉手納で訓練する例外の基準を(1)定期的ではなく小規模(2)悪天候などの制約により伊江島で行えない(3)喫緊の必要がある-と例示。『基本的に伊江島で行っていただく』と強調していた。」


(2)沖縄タイムス-ドローン飛行同意に慎重 沖縄の米海軍も 報道の対応、「ケース・バイ・ケース」-2019年5月25日 09:51


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「在沖米海軍は24日、小型無人機ドローンの基地周辺飛行に改正ドローン規制法に基づく同意を与えるかどうかについて、『人員と施設の危険、運用と保安への悪影響がない申請だけを検討の対象とする』と述べた。先に本紙取材に応じた在沖米空軍と同じ表現で、条件を列挙して飛行の同意に慎重な姿勢を示した。」
②「海軍は『同意を得ないドローンによる基地上空飛行は基地内と周辺地域の人々にかなりの危険を及ぼす』と指摘。メディアによる同意申請を検討する際、報道の自由に配慮するかどうか尋ねた本紙の質問には直接返答せず、『各施設がケース・バイ・ケースで検討する』と述べるにとどめた。」
③「県内の海軍基地はうるま市のホワイト・ビーチと天願桟橋、沖縄市のキャンプ・シールズと泡瀬通信施設などがあり、海上には訓練水域もある。これらの施設が防衛相に指定された場合、上空や周辺約300メートルでは各基地司令官の同意がないと飛行できなくなる。」
④「ドローン対策として基地内から妨害電波などを発しているかどうかは『作戦安全上の懸念があり、ドローン検知と追尾の具体的な能力や手段には言及できない』とだけ述べ、否定しなかった。」


(3)沖縄タイムス-カヌーの抗議市民 海保が一時拘束-2019年5月25日 11:21


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「5月25日午前9時すぎ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ海上で、海上保安庁のボート2隻に抗議市民のカヌーチームの一部が拘束された。抗議船船長が、カヌーチームを拘束している海上保安官に対し、『仲間を早く解放してほしい』と呼び掛けた。」
②「拘束された市民は同10時40分に瀬嵩の海岸で解放された。」


(4)沖縄タイムス-護岸延長の作業続く 名護市辺野古 新基地建設現場-2019年5月25日 14:07


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡り、米軍キャンプ・シュワブ沿岸では25日午前、埋め立て土砂の投入や、『K8』護岸の延長、同護岸への被覆ブロック設置などの作業が進められた。新基地建設に反対する市民は抗議船3隻、カヌー12艇で海上から抗議した。」
②「午前9時には大浦湾北側の『K9』護岸に土砂を積んだ台船が着岸し、護岸上に並んだダンプカ―に土砂を積み替えた。キャンプ・シュワブゲートからの資材の搬入はなかった。」


(5)琉球新報-在沖米海軍もドローン禁止 「報道への配慮」言及なし-2019年5月25日 11:15


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「在沖米海軍は海軍の施設・区域での小型無人機(ドローン)の使用について『施設や周辺住民に危険が及ぶ恐れがある』として、原則許可しない考えを示した。24日、本紙の取材に回答した。17日に成立した改正ドローン規制法は新たに米軍提供施設・区域が飛行禁止の対象で、司令官の同意があれば撮影できる。だが本紙の取材に対し海軍のほか、これまで海兵隊と陸軍も安全性を理由に原則として許可しない考えを示しており、日本政府が要請した『報道の自由への配慮』が軽視されている。」
②「県内で海軍が管理する施設はホワイト・ビーチ地区(うるま市)、キャンプ・シールズ(沖縄市)、泡瀬通信施設(同)。報道への配慮がなければ、小型無人機の使用が禁止され、何らかの事故が発生した場合でも状況の把握が困難になる恐れがある。」
③「回答では米側が米軍施設の運営、警護および管理のため必要な全ての措置を取ることができるとした日米地位協定3条を挙げ『米軍施設・区域での個人の小型無人機の飛行を禁じている』と指摘。『ドローンの飛行は軍の作戦の安全を脅かし、軍用機や兵士、その家族、市民を危険にさらす恐れがある』と説明した。」
④「禁止区域の飛行は司令官など施設管理者の許可を48時間前までに得ることが必要。日本政府は米側に報道の自由への配慮を要請し米側から『趣旨を理解した』との回答を得たとしているが、海軍は『米軍施設と区域、運用上の安全を守るために必要な対策を講じる権限がある』と述べ、報道への配慮に言及しなかった。」
⑤「妨害電波の発信など対ドローン防御システムを導入しているか否かについては『運用上の保障や安全に関わるため特定の防護対策について議論するつもりはない』と回答した。」


(6)琉球新報-石垣陸自きょう工事再開 防衛局 カンムリワシ「支障ない」-2019年5月25日 12:57


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局は24日、国指定特別天然記念物カンムリワシの営巣活動が確認されたとして4月下旬から中断していた重機使用の工事を、25日に再開すると公表した。有識者の意見を踏まえ、工事を再開しても営巣に支障がないと判断した。再開後は、大きな機械音が突発的に出るような作業を控えるなどの保全対策を実施するとしている。」
②「防衛局によると有識者から突発的に大きな機械音が発生するような作業は避けるべきだが、工事現場と距離が離れているため支障はないとの意見が示されたという。『中立的立場を確保する』ためとして、有識者の氏名は公表していない。」
③「防衛局は市と対応を協議した上で再開を決定した。中山義隆市長は取材に対し、『市としても調査・監視などを継続し、営巣に影響がないように対応したい』と述べた。」
④「一方、日本野鳥の会石垣島支部事務局長の小林孝さん(63)は『営巣に影響がないとの裏付けがない。島全体でカンムリワシの卵は減っており、貴重な卵の一つだ。たとえ影響があっても誰も責任を取らないだろう。最悪の決定だ』と憤りをあらわにした。」



by asyagi-df-2014 | 2019-05-25 20:32 | 沖縄から | Comments(0)

ドロ-ン規制法の成立を考える。

 琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月18日、表題について「基地上空ドローン禁止 改正規制法成立 報道大幅制限の恐れ」、と次のように報じた。


(1)小型無人機ドローンの飛行禁止区域に自衛隊や在日米軍施設上空を追加したドローン規制法の改正案が17日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。6月中旬にも施行される見通しだ。日本国内の米軍専用施設の7割が集中する沖縄では規制区域が広範に及ぶとみられ、名護市辺野古の新基地建設工事現場の撮影など報道機関によるドローンの活用が大幅に制限される可能性がある。荷物の宅配など今後利用の拡大が見込まれる分野でも、技術革新の効果を享受できないとの懸念もある。日本新聞協会などは「取材活動を大きく制限し、国民の知る権利を侵害する」と反対した。
(2)改正法の施行後は、規制対象となる防衛施設の上空にドローンを飛ばす際は、報道機関も含めて、基地の司令官など管理者の同意を得た上で、飛行の48時間前までに所轄の警察署長に届け出ることが必要となる。
(3)規制対象となる在日米軍の施設について、防衛省は法律の成立後に米側と協議して決めるとしている。対象施設の指定の仕方は基地内の建物ごとに指定する方法と、提供施設区域を面的に指定する方法がある。水域も含め、防衛省が規制対象をどのように設定するかも焦点となる。
(4)山本順三国家公安委員長は16日の参院内閣委員会の質疑で、対象施設の周囲約300メートルに設定される飛行禁止区域の範囲を見直す可能性を問われ「(見直しを)検討するに当たっては、ドローンの利活用の促進にも配慮しつつメリット、デメリットを見極める必要がある」と、禁止区域拡大も含め見直す可能性を示唆した。報道の自由が制限される懸念には、防衛省が米側に配慮を要請したのに対し、米側は「趣旨を理解した」と回答するにとどめている。


 このドロ-ン規制法の成立を、沖縄の二紙の社説から考える。
沖縄から見えるこの改正案について、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は「いまでも立ち入り調査がほとんど認められていない米軍基地の「ブラックボックス化」が進む懸念が消えない。」と、「新報」は「改正法によって最も大きな影響を受けるのは、全国の米軍専用施設面積の70%を押し付けられ、基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている沖縄県民だ。」、との懸念を明らかにする。
こうした懸念を引き起こす原因と根拠を二紙は、次のように指摘する。


1.原因

(「タイムス」)
(1)施設内と、外側約300メートルの上空が規制される。米軍基地については提供水域と空域も含まれ、米軍専用施設の約7割が集中する沖縄では特に、取材規制などで深刻な影響を受けるのは間違いない。
(2)防衛省沖縄防衛局が土砂投入を強行している辺野古新基地建設現場にも広大なキャンプ・シュワブ水域が広がる。本紙写真部がドローン規制法改正を想定して水域から約300メートル離れた名護市安部からドローンを飛ばして撮影した新基地建設現場の写真が17日付紙面に掲載されている。現場まで約3・8キロも離れており、土砂運搬船や護岸がかろうじて見える程度だ。具体的な作業の様子はまったく確認できなかった。工事をチェックする目をふさがれる危機感が募る。
(3)報道機関や市民団体はドローンを使った空撮で、土砂投入に伴う赤土流出の疑いや汚濁防止膜の設置不備による濁った水の流出、工事の進捗(しんちょく)状況を明らかにするなど監視機能を果たしてきた。
(4)沖縄の米軍基地の特徴は民間地域に近いことだ。米軍の軍事活動が県民の生命や財産、生活環境を脅かしている以上、基地内で何が起きているのか知る必要がある。
(「新報」)
(1)規制されるのは、防衛相が指定する施設・敷地と周囲おおむね300メートルの区域の上空だ。飛行させるには施設管理者の同意が必要になる。違反すれば1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることがある。警察官や自衛官は、違反者のドローンを捕獲したり、破壊したりできる。
(2)何よりも問題なのは、テロ防止の名の下に、国民の知る権利が大きく侵害される点だ。ドローンによる空撮ができなくなれば、報道機関の取材活動は著しく制限される。その結果、基地内や基地周辺で起きていることがベールに包まれ、実情を把握することが困難になるのである。
(3)飛行禁止の範囲は今後、政府が指定することになっているが、32カ所の米軍施設周辺に加え、キャンプ・シュワブを含む27カ所の提供水域、20カ所の提供空域まで対象になる可能性がある。指定を守って飛行させた場合でも、施設管理者の恣意的な判断によって民間のドローンが排除されることが日常的に起こり得る。

2.根拠

(「タイムス」)
(1)ドローン規制は米軍が日本側に要請した経緯がある。2017年11月に当時の米太平洋軍司令官が防衛相と会談した際、米軍キャンプ・シュワブでのドローンの飛行を規制するよう強く要請した。
(2)改正法では基地司令官などの同意があれば飛行できるとするが、規制の経緯を考えると、司令官が同意する可能性はほとんどない。
(3)具体的にどの米軍基地を指定するのかは米側と協議して防衛相が判断するという。米軍の恣意的な運用がなされる懸念が拭えない。基地周辺300メートルの飛行禁止も政府はすでに国会で範囲を拡大する方向性を示唆している。
(4)基地周辺の恒久的な規制と、9月のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会、東京五輪パラリンピックの会場を取材メディアを除き上空飛行を禁止する時限的な規制とセットだ。テロ防止を全面的に押し出し、恒久的な規制を隠すのが政府の意図である。
(「新報」)
(1)基地から派生するさまざまな問題が見えにくくなり、住民はこれまで以上に蚊帳の外に置かれる。災害発生時に、被害の迅速な把握が困難になることも懸念される。
(2)米国はかねて、基地周辺でのドローン使用を禁止するよう日本側に要請してきた。法改正で、これに応えた格好だ。国民の知る権利よりも米軍の都合を優先する態度と言わざるを得ない。
(3)防衛省は、報道の自由との関係を含め適切に同意の可否を判断するよう米側に求めたというが、アリバイづくりにしか映らない。


3.主張

(「タイムス」)
(1)県マスコミ労協は声明で「基地の実態を隠し、米軍や自衛隊の都合を優先する法改正に強く反対する」と批判した。日本新聞協会は「限度を超える規制とならないよう注視していく」とする編集委員会代表幹事の談話を発表した。
(2)衆参両院の内閣委員会は国民の知る権利と取材・報道の自由を損なうことのないよう慎重かつ合理的な運用を政府に求める付帯決議を採択。米軍の実態に目隠しするような法改正を日本側がするのがそもそも本末転倒である。報道目的には除外規定を設けることを明示すべきである。
(「新報」)
(1)報道目的の場合は飛行を原則として認めるとした立憲民主党提出の修正案が与党などの反対で否決されたのはその表れだ。与党の動きは政府の意を受けたものと言える。
(2)米軍基地や周辺で重大事故が起きたとき、報道機関がドローンを使って上空から撮影することに米軍は同意するだろうか。むしろ、隠す方向に動くのではないか。今回の法改正を機に、米軍による傍若無人な基地運用がますますエスカレートすることが危惧される。日米両政府による米軍基地の「隠蔽(いんぺい)工作」という側面は否めない。
(3)政府は、軍施設周辺の撮影などを禁じる法律があった戦前のような体制に逆戻りしたいのか。国民の権利を米国に譲り渡すかのような姿勢は断じて容認できない。


 確かに、日米地位協定が日本の主権を侵害している状況を沖縄が告発してき現状を見た時、この法が、「日米安保条約-日米地位協定-「運用」「密約」の構造的沖縄差別の構図そのものを支えるものになることは間違いない。それは、「基地周辺の恒久的な規制と、9月のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会、東京五輪パラリンピックの会場を取材メディアを除き上空飛行を禁止する時限的な規制とセットだ。テロ防止を全面的に押し出し、恒久的な規制を隠すのが政府の意図である。」(「タイムス」)、ということである。
 結局、今回の法は、「政府は、軍施設周辺の撮影などを禁じる法律があった戦前のような体制に逆戻りしたいのか。国民の権利を米国に譲り渡すかのような姿勢は断じて容認できない。」(琉球新報)、ということに尽きる。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-25 05:45 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月24日

 うるま市石川の宮森小学校に米軍嘉手納基地所属のF100D戦闘機が墜落した事故が、この6月30日で60年を迎える。
 沖縄の「構造的沖縄差別」の象徴的な事件。
 そこには、問い続ける営みがある。
「土江さんは『沖縄が負った傷の一つとして、事故のことをちゃんと知らなければならない』と話し、松本記者も『事故から60年がたっても被害者や遺族の傷は癒えていない。番組が事故の真相を知るピースの一つになってほしい』と語る。」、と琉球新報は伝える。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-米軍操縦士長男を取材 宮森墜落60年 真相追う-2019年5月24日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「うるま市石川(旧石川市)の宮森小学校に米軍嘉手納基地所属のF100D戦闘機が墜落した事故から6月30日で60年になるのに合わせて、沖縄テレビ放送(OTV)が25日午後2時から開局60周年記念特別番組『60年目の宮森~失われたピースを探して~』を放送する。操縦士の長男にメディアで初めてインタビューしたほか、事故後に消息が分からなくなった少年を追った。」
②「企画したのはフリージャーナリストの土江真樹子さん。土江さんは他局の記者だった20年前に宮森小の墜落事故を初めて取材。遺族や関係者に接した経験から『事故をなかったことにはできない』と取材を続けている。OTV報道部の松本早織記者も制作に携わった。」
③「番組ではパラシュートで脱出して無事だった操縦士の事故後を追跡。土江さんは20年来、操縦士に取材を申し込んでいたが断られ続けていた。今年になって操縦士の長男ジョン・シュミッツさん(59)の住まいが分かり、インタビューが実現した。」
④「シュミッツさんは、父が事故後も1年半、嘉手納基地にいたことやベトナム戦争にも出兵していたことを明かした一方で、宮森小の事故については『一切聞かされていなかった』と話したという。」
⑤「土江さんは『沖縄が負った傷の一つとして、事故のことをちゃんと知らなければならない』と話し、松本記者も『事故から60年がたっても被害者や遺族の傷は癒えていない。番組が事故の真相を知るピースの一つになってほしい』と語る。」
⑥「事故は1959年6月30日に起きた。飛行中、突然火を噴き操縦不能となった機体が住宅地に墜落。弾みで宮森小にも突っ込み、児童12人を含む18人が死亡(児童1人は後遺症で死亡)、210人が重軽傷を負うなど戦後の沖縄で過去最大の墜落事故となった。」


(2)琉球新報-07年有害物質調査 北谷系水道で高濃度 新都心は名護の100倍-2019年5月24日 05:30


 ①「2007年に岩手県環境保健研究センターが全国で実施した水道水調査で、有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)の合計含有量が、北谷浄水場が供給する那覇市新都心公園で1リットル当たり26・86ナノグラムとなり、名護浄水場が供給する名護市久志の約100倍の値が検出されていたことが23日までに分かった。北谷浄水場の水道水は米空軍嘉手納基地からのPFOS、PFOA流入の可能性が指摘されている。県は対策として、16年から北谷浄水場で粒状活性炭を使った除去を行っているが、それ以前に有害物質が長く水道水を汚染していた可能性がある。」
②「環境調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト』の河村雅美代表が情報公開請求で報告書を入手した。それによると、新都心公園と同じく北谷浄水場が供給する北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧の水道水でも1リットル当たり16・62ナノグラムのPFOS・PFOAが検出された。これは名護市久志の値の約66倍に当たる。西原浄水場が供給元の糸満市の平和祈念公園は0・42ナノグラム。県内では北谷浄水場が突出して高い値だった。」
③「県企業局は現在の北谷浄水場の浄水のPFOS・PFOA値は米国環境保護庁(EPA)の健康勧告値70ナノグラムを下回っており、水道水を飲んでも健康への懸念はないとしている。一方、企業局の調査では15年5月に82ナノグラム、同6月には120ナノグラムと、米EPAの健康基準値を超える濃度のPFOS・PFOAが検出されたこともあった。」
④「PFOSによる北谷浄水場の汚染問題は16年に県企業局の発表で発覚した。PFOSは1970年代から米軍が使う泡消化剤などに使われていた。同物質は自然環境でほとんど分解されず、地下水などに蓄積している可能性があるが、米軍は県が求める基地内の立ち入り調査を拒んでいる。」
⑤「河村氏は「環境汚染問題は問題の発生から汚染者の認識、市民の認識までに長い時間的な隔たりがある。県はまだ認識されていない有害物質の実態も考慮に入れる必要がある。土壌汚染や地下水汚染の抜本的な調査と対策が必要だ」と指摘した。」


(3)琉球新報-海自、米豪韓と初の共同訓練 中国をけん制-2019年5月23日 19:27


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「海上自衛隊は23日、米領グアム周辺の海空域で、米国、オーストラリア、韓国と初の共同訓練を始めたと明らかにした。4カ国が連携することで海洋進出を強める中国をけん制する狙いがある。海自によると、昨年12月の韓国海軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題の発生以降、日韓が本格的な訓練を共にするのも初めて。」
②「訓練には海自の護衛艦『ありあけ』と『あさひ』、艦載ヘリコプター2機が参加。対空、対水上、対潜水艦の戦闘を想定した訓練を28日まで実施し、戦術技量の向上や連携強化を図る。」
③「日韓は今月上旬、シンガポール周辺で多国間の訓練にも参加している。」


(4)沖縄タイムス-「『出て行け』はひどい」 歩いて日本縦断中の写真家、石川文洋さんが辺野古に-2019年5月24日 13:28


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県出身の報道写真家で、日本を歩いて縦断している石川文洋さんが24日朝、新基地建設が進む名護市辺野古を訪れ、抗議船に乗り海上から工事の状況を撮影した。」
②「辺野古は昨年12月に政府が護岸に初めて土砂投入して以来。トラックから土砂が積み下ろされる作業や、抗議するカヌーチームが海上保安官に拘束される場面にカメラを向け『来るたびにどんどん(立ち入りができない)制限区域が広がっている。海は皆の財産で、私のものでもある。県民の民意に反して、国策の名の下に土砂を落とし、近づいたら【出て行け】というのはひどい』と嘆いた。」
③「その後、米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪問。資材搬入を阻もうと座り込む人々と交流した。」


(5)沖縄タイムス-「私たちの声は届いているのか」 米軍がパラシュート降下訓練、またしても強行-2019年5月24日 11:05


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍は23日夜、沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施した。同水域での訓練は2日連続で、今月4度目。今年に入って5度目となる。定期船や漁船が航行する水域で安全上の理由から市や県が訓練の中止を求める中、またも訓練が強行された。21日には嘉手納基地でも地元自治体の反対を押し切る形で降下訓練を実施しており、県内で3日連続となる。」
②「23日はMC130特殊作戦機から午後7時40分ごろに四つ、同8時ごろに三つのパラシュートが降下し、兵士か物資が水面に降りたとみられる。」
③「1997年から2016年までの20年間に同水域で確認された降下訓練は7回だが、17年と18年はそれぞれ少なくとも9回と急増。訓練が常態化し、地元の不安は増している。」
④「勝連漁業協同組合の上原勇行組合長は【もし何かあったら大きな事故につながりかねない。回数が増えるほどその可能性は高まる。夜間ならなおさらでは】と危惧した。」
⑤「21日に沖縄防衛局を訪れて訓練を実施しないよう求めた、うるま市議会基地対策特別委員会の又吉法尚委員長は『怒り心頭だ。市民の生命や安全が脅かされている。何度も抗議しているのに私たちの声は届いているのか』と憤る。『市議会として8月にも防衛相を直接訪ねて中止を要請したい』と話した。」


(6)沖縄タイムス-化学物質で水汚染 取水源の見直しを要請 宜野湾市が沖縄県に-2019年5月24日 11:42


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】人体に有害な影響が指摘されている有機フッ素化合物が北谷浄水場の水源から検出された問題を受け、宜野湾市上下水道局の島袋清松局長は21日、県庁に県企業局の金城武局長を訪ね、水源の見直しなどを求める要請書を手渡した。松川正則宜野湾市長が23日、明らかにした。」
②「文書では、有機フッ素化合物の安全性が確認できるまでの間、嘉手納町の井戸群や周辺水域からの取水を停止し、別の水源を確保するよう要請。水道水の安全性を明確にして広く周知することや、汚染の原因究明と抜本対策も盛り込んだ。宜野湾市上下水道局によると、県企業局から具体的な回答はなかったという。」
③「北谷浄水場は、中部地域の河川や嘉手納町の井戸群などを水源に水道用水を処理しており、北谷町や宜野湾市、那覇市など中南部7市町村に給水している。県企業局による直近の水質調査では、嘉手納町の井戸集合群で1リットル当たり26ナノグラムのPFHxS(ピーエフヘクスエス)が検出された。PFHxSは国際的に製造や使用の禁止が検討されているが、国内では水道水の基準値が定められていない。」


(7)沖縄タイムス-嘉手納基地のパラシュート降下訓練に北谷町議会が抗議-2019年5月24日 12:15


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県北谷町議会(亀谷長久議長)は24日、臨時会を開き、21日に米軍嘉手納基地であったパラシュート降下訓練に対する抗議決議と意見書の両案を全会一致で可決した。降下訓練の全面禁止や、天候などによって嘉手納でも訓練を実施できる日米合意の『例外的措置』の撤廃などを求めている。」
②「両案では1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、『例外的措置』を除いて伊江島補助飛行場での訓練実施が合意されていることに言及。県や地元自治体の訓練中止要請を無視し『例外的措置』を盾に訓練を強行する姿勢を『断じて容認できるものではない』と批判した。当日の伊江島の天候、波の高さは嘉手納基地周辺とほぼ同じであったとも指摘した。」
③「また、うるま市の津堅島訓練場水域では、市議会の抗議決議を無視する形で降下訓練が相次ぎ『米軍の一方的な解釈での運用は決して認めることはできない』と強調した。さらに『負担軽減にも逆行した機能強化や訓練の常態化が懸念され、県民は不安な生活を余儀なくされ看過できない』とくぎを刺した。」
④「宛先は抗議決議が米国防長官、四軍調整官、嘉手納基地第18航空団司令官、意見書は首相、防衛相、沖縄防衛局長ら。」
⑤「4月から今月にかけ頻発する米兵の飲酒絡みの事件・事故に対しての抗議決議、意見書も全会一致で可決した。」


(8)沖縄タイムス-謝花副知事がパラシュート降下訓練で米側に抗議-2019年5月24日 12:53


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の謝花喜一郎副知事は24日、日米が例外的な場合にのみ認めている米軍嘉手納基地でのパラシュート降下訓練が今年に入り3回実施されたことを受け、同基地のケース・カニングハム司令官、ロバート・ケプキー在沖米総領事にそれぞれ抗議した。」
②「謝花副知事は訓練に抗議すると同時に県外、国外での降下訓練を検討するよう求めた。謝花副知事によると、カニングハム司令官は国外の訓練の可能性を否定しなかったが、予算などの問題があるとの考えを示したという。」
③「米軍は本来日米が訓練の場所とする伊江島補助飛行場の気象、海象が悪いことを理由に例外として嘉手納での訓練を繰り返している。一方で、実際には訓練当日の環境条件が伊江島と嘉手納で大きく変わりがないケースも散見されている。」
④「カニングハム司令官は降下訓練をする場合は48時間前に日本側に通知する日米合意があると説明。48時間前の予報で判断するため、当日の状況が変化することがあるとして理解を求めた。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-24 22:21 | 沖縄から | Comments(0)

久留米市石橋文化センタ-の薔薇園を覗く。

いつもの仲間と今回は、バラの花を覗くことにしました。
ちょっと盛りを過ぎていたかもしれませんが、バラ特有の香りとともに、迎えてくれました。


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バラ園は、考えていたよりも規模が大きく、その管理の大変さも感じることができました。
もちろん、それは地域の文化力というものなのかもしれません。
バラの花、こんな様子でした。
また、いつものことで、花の名前などは、頭の中をかすめもしませんでした。


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なかなか、花の盛りと出会うことは難しいことです。
でも、初めての久留米でしたが、秋バラもと考えています。


by asyagi-df-2014 | 2019-05-24 07:02 | 写真を | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月23日

 沖縄の米軍基地被害。
 どれくらい共有できているのか。
「在沖縄米軍は22日、沖縄県の津堅島訓練場水域で今月3度目のパラシュート降下訓練を実施した。沖縄防衛局によると、恐らく『1カ月間に実施された回数としては最多』。今年に入って津堅島では4度目。訓練は23日にも予定されている。」(沖縄タイムス)
「沖縄防衛局によると、21日に米軍普天間飛行場に2機が飛来。宜野湾市と県が実施している米軍機の騒音調査では、着陸した時刻に当たる午後2時42分ごろに上大謝名で99・9デシベル、離陸した時刻に当たる午後6時10分ごろには、野嵩で105・8デシベル、新城で103・8デシベルを測定した。」(沖縄タイムス)。
 しかも、パラシュート降下訓練については、「うるま市議会は20日の臨時会で『度重なる訓練の実施は、いかなる理由があるにせよ到底容認できない』などとする抗議決議を全会一致で可決したばかりだった。」(琉球新報)というのだから、許されないこと。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月23日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-津堅でパラシュート訓練 嘉手納に続き きょうも予定、3日連続-2019年5月23日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【うるま】米軍は22日午後、うるま市の津堅島訓練場水域で、横田基地所属機のC130Jを使用したパラシュート降下訓練を実施した。午後0時40分から1時13分にかけて、兵士計8人が降下した。同水域での降下訓練は今月3回目で、今年に入って4回目。県基地対策課によると、統計を取り始めた1997年以降、この水域で1カ月間に3回実施されるのは初めて。米軍は23日午後7~10時にも津堅島沖で訓練するという航空情報(ノータム)を出しており、実施されると3日連続になる。」 
②「うるま市議会は20日の臨時会で『度重なる訓練の実施は、いかなる理由があるにせよ到底容認できない』などとする抗議決議を全会一致で可決したばかりだった。」
③「うるま市は米軍が22、23の両日、同水域を使用し演習するとの連絡を、沖縄防衛局から10日に受けていた。同市は中止するよう防衛局に働き掛けていたが、訓練は強行された格好だ。」
④「ノータムには24日も降下訓練をするとの情報が出ていたが、現在は削除されている。」


(2)沖縄タイムス-岩国の米軍戦闘機 沖縄に連日飛来 爆音まき散らす-2019年5月23日 07:49


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍のFA18戦闘機が21、22の両日、沖縄県内の米軍基地に相次いで飛来した。」
②「沖縄防衛局によると、21日に米軍普天間飛行場に2機が飛来。宜野湾市と県が実施している米軍機の騒音調査では、着陸した時刻に当たる午後2時42分ごろに上大謝名で99・9デシベル、離陸した時刻に当たる午後6時10分ごろには、野嵩で105・8デシベル、新城で103・8デシベルを測定した。」
③「22日は、米軍嘉手納基地に午後3時43分までに2機が飛来し、模擬弾が積まれているのが確認された。午後6時に離陸した。沖縄近海の訓練区域に向かったとみられる。F18戦闘機は米軍岩国基地(山口)に配備されている。」


(3)沖縄タイムス-原発と基地「同じ構図」 俳優の中村敦夫さん、国の姿勢批判 朗読劇で危険性を告知-2019年5月23日 08:09


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「元参院議員で俳優の中村敦夫さん(79)の朗読劇『線量計が鳴る-元原発技師のモノローグ』が23日から県内3カ所で開催されるのを前に、中村さんのトーク&サイン会が22日、ジュンク堂書店那覇店で開かれた。中村さんは『経済的に弱い地域が犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ』と訴えた。」
②「1998年に議員になって以降、チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナを視察するなど環境や原発問題を提起し続けてきたという。『人類は生物の一種にもかかわらず、環境汚染や原発など生命を破滅するようなことをしている』と強調した。」
③「福島の原発事故が起きても、責任の所在や莫大(ばくだい)な事故処理費用の負担先などが明確になっていないとし、『肝心なところまでごまかす異常体質の国となっている』と指摘。問題の本質が埋没されないよう『表現者の一人として、告知する責任を感じた』と芝居を手掛けた理由を述べた。」
④「沖縄では、米軍が沖縄戦で上陸したまま今も続いて駐留しているのは『沖縄への差別。日本の他の地域との扱いの差があまりにも大きい』と指摘し『沖縄が独立してもおかしくない』と話した。」
⑤「福島の原発事故を語ることによって『沖縄に置かれている構図も同時に分かってもらえる』とし、沖縄県民に芝居を見てどう思うかを考えてもらいたいと来場を呼び掛けた。上演の日程は、23日が那覇市の桜坂劇場、24日が北谷町のちゃたんニライセンターカナイホール、25日が名護市民会館中ホール。開演時間はいずれも午後6時半。入場料は一般2千円(当日券2500円)、高校生以下千円(当日券のみ)。問い合わせは、電話090(1818)8129(小林)。」


(4)沖縄タイムス-米軍がパラシュート降下訓練 沖縄で今月3度目 地元の中止要請無視-2019年5月23日 08:02


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「在沖縄米軍は22日、沖縄県の津堅島訓練場水域で今月3度目のパラシュート降下訓練を実施した。沖縄防衛局によると、『恐らく1カ月間に実施された回数としては最多』。今年に入って津堅島では4度目。訓練は23日にも予定されている。」
②「22日午後0時40分~同1時15分の間に、MC130特殊作戦機から8人が降下したとみられる。」
③「同水域は定期船や漁船が航行しており、市や県は訓練に反対している。21日にはうるま市議会が防衛局を訪れ訓練を実施しないよう求めていた。与那城町漁業協同組合の玉榮將幸組合長は『ここ数年訓練の回数が増えているようだ。このままなし崩し的に訓練が恒常化すれば、われわれの仕事や生活に影響が出かねない』と懸念した。」
④「21日午後4時43分には事前の通報がないまま24日の訓練予定が航空情報(ノータム)に記載されたが、22日午前までに削除された。同水域での訓練は実施の7日前までに防衛局を通じて市や県に訓練通報することが日米で定められている。」
⑤「米軍は21日、周辺自治体が反対するなか嘉手納基地で降下訓練を実施し反発を招いていた。」


(5)琉球新報-パラシュート降下訓練に抗議 謝花・沖縄副知事「当日はダイビングもできる天気だった」 悪天候を理由にした米側説明に反論-2019年5月23日 12:20


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「謝花喜一郎副知事は23日午前、県庁に川村裕外務省沖縄担当大使、田中利則沖縄防衛局長を呼び、21日に嘉手納基地で実施された米空軍によるパラシュート降下訓練に抗議した。」
②「川村大使は米側から『当初は伊江島での訓練を計画していたが波の高さなど悪天候を理由に伊江島での訓練実施は困難』との説明があったことを明かした。田中局長は『当時、波は2、3メートルあり、救命ボートの運用ができなかった』と述べた。」
③「謝花副知事は『判断が米側に委ねられている。訓練当時はダイビングも行える天気だった。もう一度日米合同委員会で議論するなどしてほしい』と求めた。謝花副知事は24日も米軍と米総領事館に要請をする予定。」


(6)琉球新報-沖縄防衛局、遅延損害金905万円の支払いを拒否 08年米兵タクシー強盗致死事件-2019年5月23日 10:17


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2008年に沖縄市で発生した米軍人2人によるタクシー強盗致傷事件で、沖縄防衛局は22日、那覇地裁沖縄支部が支払いを命じた損害賠償約2642万円のうち、遅延損害金分の約905万円の支払いはできないと被害者側に回答した。その上で『遅延損害金を除いた金額を受領し、以後異議を申し立てない』よう求めたという。被害者側は受け取りに応じなかった。」
②「遅延損害金は支払い完了まで発生する利息で、事件発生日が起算点となっている。被害者側は発生から10年以上経過していることを問題視。国の対応の遅さに対する責任を求めたが、防衛局は『遅延損害金については、加害者本人の延滞責任であるため、被害救済とは別であると考えている』と説明したという。」
③「判決は米軍人2人に遅延損害金を含めた賠償支払いを命じた。判決確定を受け、被害者側は米側による見舞金と賠償額の差額を日本政府が穴埋めする『SACO見舞金』の支払いを、沖縄防衛局に請求していた。」
④「被害者側の代理人弁護士は『遅延損害金は日本の法律が認めた被害だ。事件への対応が放置され、補償が遅延したことに被害者側には何の過失もない』と反論したが、防衛局側は『承諾しなければ見舞金は支払えない』と述べたという。」


(7)沖縄タイムス-米軍基地の一部、31日に引き渡し 沖縄防衛局が地主に伝える-2019年5月23日 08:52


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2015年9月30日に返還された、沖縄県読谷村の米軍トリイ通信施設の一部土地(約3・8ヘクタール、読谷村大木・大湾)について、沖縄防衛局は22日、読谷村内の大木公民館で地権者への説明会を開き、31日に引き渡すと伝えた。不発弾探査など土地の支障除去措置は終えている。地主会は組合を設立し、同返還地で土地区画整理事業を実施する。」
②「防衛局によると、返還地は土壌汚染対策法で規定された特定有害物質は、全て基準に適合していた。油汚染土は、約1900平方メートルを処分。不発弾探査は3発の不発弾と約40発の小銃弾などを確認し、処理した。」
③「同村大木・大湾地区跡地利用推進地主会の砂辺松元会長は『支障除去も終え、安心して区画整理事業の実施に取りかかれる』と話した。同村は『地主の皆さんの跡地利用を推進していきたい』と語った。」


(8)沖縄タイムス-水道水から有害物質検出 那覇・新都心で26・86ナノグラム 名護の100倍 2007年に岩手の研究所が調査 原因、米軍基地の可能性も-2019年5月23日 09:14


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2007年に全国124カ所で実施された水道水調査で、北谷浄水場が給水元となる那覇市新都心公園の水道水の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)の合計値が1リットル当たり26・86ナノグラムとなり、名護浄水場が給水する名護市久志の同0・25ナノグラムの約100倍だったことが分かった。浄水場を管理する県企業局がPFOS・PFOAの計測を始めた16年以前から、県民に供給されていた水道水に有害物質が流出していた可能性がある。」                  (社会部・松田麗香)
②「保健や衛生に関する試験検査を実施している岩手県環境保健研究センターが、全国の水道水中の有機フッ素化合物を調査。北海道から東北ではPFOSの値が低く、関東以南の都市で汚染が進行していた。近畿のある都市はPFOAが同35・1ナノグラムだった。」
③「環境調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト』の河村雅美代表が情報開示請求し入手した。」
④「県内では、北中城村のキャンプ瑞慶覧、那覇市おもろまちの新都心公園、名護市久志、糸満市摩文仁の県平和祈念公園の4カ所を計測。新都心公園と同じく北谷浄水場から給水するキャンプ瑞慶覧は同16・62ナノグラム、西原浄水場から給水する平和祈念公園は同0・42ナノグラムで、北谷浄水場からの水道水が比較的高濃度だった。」
⑤「県内では、企業局が16年1月に米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や北谷浄水場からPFOSが高濃度で検出されたと発表し、汚染が発覚。企業局は17年度、約1億7千万円をかけてPFOSやPFOAの吸着効果がある活性炭フィルターを設置した。フィルター設置前(15年度)の北谷浄水場などの最高値は同120ナノグラムだったが、18年度は同63ナノグラムとなっている。」
⑥「河村代表はPFOS・PFOAが含まれた消火剤が1970年代から県内の米軍基地で使われていたことを挙げ、県内の汚染は基地由来である可能性を指摘。『有害物質の汚染は、発生から市民が問題を認識するまでに時間がかかる場合がある。県は、まだ明らかになっていない有害物質の実態も考慮し、危機感を持つべきだ』と話した。」
⑦「PFOS・PFOA 泡消火剤や油圧作動油などに利用されていた残留性の有機フッ素化合物。2000年ごろから体内がんや胎児・乳児の発育障害の原因となる恐れが指摘され、国内で製造・使用が禁止された。一方、水道水などの汚染の規制値は国内にはない。県内では企業局が16年1月、米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や浄水場から高濃度で検出されたと発表した。同年2月には普天間飛行場周辺の湧き水からも検出されている。」


(9)沖縄タイムス-「水は安全か」 住民から不安の声 自治体に確認相次ぐ 北谷浄水場からの水 基準値以下に浄化-2019年5月23日 10:16


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「人体に有害な影響が指摘されている有機フッ素化合物が北谷浄水場の水源から検出されていることなどを受け、供給先の中南部7市町村には、住民から『水道水は安全なのか』『うちの水道水はどの浄水場から来ているのか』などの問い合わせが寄せられている。自治体側は『(PFOSやPFOAについては)県企業局が米国の基準以下に浄水しており、安全性に問題はない』と説明している。」
②「北谷浄水場からの水が市内全域に届く宜野湾市には、17~22日までに市民からの電話が少なくとも20件あり『保護者にどう説明したらいいか』と尋ねる保育事業者もいたという。同じく全域が北谷浄水場の供給先に当たる北谷町は、同期間に約10件の問い合わせがあった。」
③「沖縄市、北中城村、中城村は北谷浄水場と石川浄水場の両方から供給を受けており、沖縄市では『石川浄水場の水に変えてほしい』との声もあったという。」
④「北谷浄水場と西原浄水場の2浄水場から給水される那覇市でも、『うちはどの浄水場の水か』との問い合わせが10件確認された。市によると、北谷浄水場の供給先は那覇新都心地域を含め約11万人(今年3月時点)。同じく2浄水場が給水元の浦添市は同様の問い合わせが数十件寄せられた。」
⑤「嘉手納町は全域が北谷浄水場ではなく石川浄水場から給水しているが、住民の不安を考慮し、今後の広報誌で改めて周知する予定だ。」


(10)沖縄タイムス-米国は州が厳しい基準 水源の有害物資PFOS・PFOA 日本は規制値なし 専門家「沖縄県民の健康問題」 安全値再考求める-2019年5月23日 10:22


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「各地で汚染が判明しているPFOS・PFOAだが、国内での規制値はない。県企業局は米国環境保護庁(EPA)の生涯勧告値1リットル当たり合計70ナノグラムを目安としている。同勧告値は『1日2リットルを70年にわたって飲んでも健康に影響しない』という基準だが、米国では近年、規制値が高すぎるとして独自に厳しい飲用水の基準を設定したり、提案されたりしている州もある。」
②「米国の非営利団体『天然資源防護協議会(NRDC)』のまとめによると、基準を設定しているのはミシガン州とカリフォルニア州でそれぞれPFOSが8ナノグラムと13ナノグラム、PFOAは9ナノグラムと14ナノグラム。独自の基準が提案されている州はニュージャージー州(PFOS13ナノグラム、PFOA14ナノグラム)、ミネソタ州(同15ナノグラム、同35ナノグラム)、バーモント州(PFOSなどを含む5種類の有機フッ素化合物の合計20ナノグラム)。どの州も勧告値を大幅に下回っている。」
③「環境調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト』の河村雅美代表は『汚染は県民の健康の問題であることを認識し、県や企業局は安全値を見直す必要がある』と話している。」


(11)沖縄タイムス-「例外的措置」撤廃を パラシュート降下訓練で嘉手納町議会が抗議決議可決-2019年5月23日 11:31


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【嘉手納】嘉手納町議会(徳里直樹議長)は23日、臨時議会を開き、21日に米軍が嘉手納基地で強行したパラシュート降下訓練に抗議する決議と意見書の両案を全会一致で可決した。日米合同委員会で『例外的措置』として確認されている同基地での降下訓練の禁止と例外的措置の撤廃を求めた。午後に沖縄防衛局を訪れ意見書を手交する。」
②「抗議決議と意見書では、21日の嘉手納町は最大瞬間風速約12メートルの風が吹いており『(訓練は)居住地上空を横切り、一歩間違えれば重大な事故につながりかねない』と批判。例外的措置に関して『日米合意の解釈を巡る問題が根本的な解決に至っていない』とし、日米両政府に問題解決に早急に取り組むことを求めている。」
③「また、米空軍353特殊作戦群の駐機場の拡張工事に伴い、MC130特殊作戦機が今年2月から住宅地に近接する元駐機場『パパループ』に駐機している問題にも抗議。エンジン調整などの地上騒音に住民が悩まされていることから、パパループに駐機させないことも求めた。」


(12)沖縄タイムス-酒絡み米兵逮捕続発 車の窓破壊、飲酒検知を拒否-2019年5月23日 12:24


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄署は12日、知人女性の車のガラスを割ったとして、米軍キャンプフォスター所属の海兵隊員ジョセフ・テイラー・ハード容疑者(21)を器物損壊容疑で逮捕。また同日、軍嘉手納基地所属の一等軍曹クリストファー・リー・ロックハルト容疑者(36)を道交法違反(飲酒検知拒否)の疑いで現行犯逮捕するなど、米兵がらみの事件・事故が相次いだ。」
②「ハード容疑者の逮捕容疑は同日午前4時35分ごろ、北谷町北谷にあるアパートの駐車場に駐車していた知人女性(20)=北中城村=の車のリアガラスを手拳で割った疑い。同署によると、発生当時、同容疑者の呼気から酒気帯び程度のアルコールが検出された。」
③「ロックハルト容疑者の逮捕容疑は同日午前1時25分ごろ、北谷町宮城の路上で乗用車を運転していた同容疑者が警察官による飲酒検知を拒否した疑い。署によると、巡回中の警察官が接近運転をしていた車を停止させ職務質問しようとしたところ、同容疑者から酒の臭いがしたという。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-23 17:47 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の日本復帰47年。それは、日本国憲法に関わる問題。(4)

 沖縄から受け取ることは、沖縄には日本国憲法が適用されなかったということである。
 それは、日本という国が沖縄に、日本国憲法の代わりに「日米安全保障条約-日米地位協定-『運用』や『密約』」という構図(「0.6%に70.03%」)を押しつけてきた歴史に端的に表されている。
2019年5月15日、沖縄は、日本に復帰して47年目を迎えた。
日本という国は、このことをどのように捉えることができているのか。
中央紙でなく地方紙がこの問題をどのように捉えているのかを社説から見てみる。
 例えば、宮崎日日新聞(以下、「宮日」)は2019年5月19日、「沖縄本土復帰47年」、と社説で論評した。
 「地位協定抜本改定が必要だ」と主張する、この「宮日」の社説を考える。
 「宮日」は、「今も重い基地の負担」との沖縄の現状を次のように押さえる。


(1)1972年の沖縄本土復帰から47年がたった。敗戦後、米国の施政権下に置かれた沖縄では復帰によって初めて日本国憲法が適用されるようになった。同時に日米安全保障条約と在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の適用も始まった。本土復帰を願った沖縄の人々の運動には「日本国憲法の下へ」という強い思いがあった。戦争放棄、国民主権、基本的人権の尊重という憲法の理念の実現を求めたからだ。
(2)だが現状はどうだろう。在日米軍専用施設は沖縄に集中し、地位協定に守られた米軍に絡む事件・事故は後を絶たない。さらに、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、安倍政権は沖縄の民意を顧みない対応を続けている。人権尊重など憲法の理念が侵されていると言わざるを得ない。
(3) 玉城デニー知事は今年の憲法記念日の談話で「県民は熾烈(しれつ)な沖縄戦や米軍施政下の苦難の歴史を通して、平和と人権の尊さを肌身で感じている」と強調、「全ての人の尊厳を守る『沖縄らしい優しい社会』を実現する」と表明した。


 この上で、「復帰の日に当たり、この1年を振り返ろう。」、と沖縄の今を次のように描写する。


(1)故翁長雄志前知事は昨年の復帰の日、米軍施設が集中する現状を指摘し、地位協定が壁となって事件・事故に悩まされ続けているとの談話を出した。その状況は何も変わらないどころか、沖縄に対する政権の対応は強硬さを増している。
(2)沖縄は声を上げ続けている。翁長氏の急死に伴う昨年9月の県知事選では辺野古移設反対を訴えた玉城氏が圧勝。今年2月の県民投票では辺野古埋め立て「反対」が72・2%に上った。
(3)だが安倍政権は昨年末、辺野古埋め立ての土砂投入に踏み切った。安全保障政策は国の専権事項だとしても、沖縄の主権者の声を無視し不利益を押し付けるのは、まっとうな民主主義と言えるのか。
(4)全国の憲法学者の有志は今年1月、声明を発表し、辺野古移設の強行は「基本的人権の尊重や平和主義、民主主義、地方自治という憲法の重要な原理を侵害、空洞化するものだ」と指摘した。


 さらに、「宮日」は、「背景にあるのが、米兵犯罪に対する米側の優先的な裁判権や米軍機への航空法の適用除外などを定めた地位協定だ。」、と言い当てる。


(1)県によると、復帰から昨年末までに米軍人らによる刑法犯罪は約6千件、航空機関連事故は786件も起きている。
(2)沖縄県は今年4月、ドイツやイタリアなど欧州4カ国が結ぶ地位協定の現状を調査した報告書を公表した。それによると、いずれの国も駐留米軍に自国の国内法を適用していた。日米地位協定との違いは明確だ。


 だからこそ、「宮日は、「地位協定は沖縄だけの問題ではない。全国知事会も昨年7月、地位協定の抜本的見直しを政府に提言した。政府はこれまで運用の見直しなどで対応してきたが不十分だ。抜本的な改定が必要だ。」、と断じる。


 どうやら、どうしようもなく頭の固いのは、日本政府のようではある。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-23 08:00 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月22日

沖縄が抱えさせれている「構造的沖縄差別」は、常に矛盾を露呈させる役割をもたらされている。ドロ-ン規制でもまた。
「米海兵隊太平洋基地(MCIPAC)が在沖海兵隊の施設周辺での小型無人機ドローン飛行に難色を示したのは、米軍の運用上の機密性を維持するためだ。規制の主目的はテロ対策だが、テロとは無関係の辺野古埋め立て工事の取材時のドローン使用についても『運用や安全に影響を与えない場合は承認されるかもしれない』と許可に消極的な姿勢を示しており、『安全』を隠れみのにして、反対が根強い基地建設の現場の撮影を規制しようという思惑が透ける。」、と琉球新報。
だから、沖縄からは、「民主主義の根幹をなす国民の知る権利を守るため、日本政府には米軍への過剰な配慮ではなく、当初要請した報道への配慮に米側が真摯に応じているか注視し、粘り強く協議することが求められる。」(琉球新報)、との真実が突かれる。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月22日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-海兵隊がドローン規制 「安全」を隠れみのに、基地建設現場の撮影も規制か有料-2019年5月21日 18:24


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米海兵隊太平洋基地(MCIPAC)が在沖海兵隊の施設周辺での小型無人機ドローン飛行に難色を示したのは、米軍の運用上の機密性を維持するためだ。規制の主目的はテロ対策だが、テロとは無関係の辺野古埋め立て工事の取材時のドローン使用についても『運用や安全に影響を与えない場合は承認されるかもしれない』と許可に消極的な姿勢を示しており、『安全』を隠れみのにして、反対が根強い基地建設の現場の撮影を規制しようという思惑が透ける。」
②「政府が規制の対象とするのは米軍施設とその周辺300メートル、提供空域、提供水域。具体的な対象区域は米側と協議するとしているが、本紙の取材に応じた海兵隊に関しては、陸上の提供施設だけで県内の米軍施設面積の7割弱を占めており、広範囲にわたって規制される可能性が強い。」
③「辺野古新基地建設を巡っては、報道各社が辺野古新基地建設の進捗(しんちょく)状況を取材するためにドローンを飛行させてきたが、飛行場所はほとんどが米軍の提供水域上空だ。キャンプ・シュワブ沿岸の提供水域は沖合約10キロまで広がる面積約115平方キロと広大で、ドローンの飛行が規制されてきた『第三者や第三者の建物、車などから30メートル未満』という規定に抵触することはほぼなかった。」
④「だが、改正ドローン規制法では提供水域上空も飛行禁止の対象となるため、今後は米軍の意向を尊重した日本政府が改正法を根拠に厳しく報道を規制する可能性が強い。陸上施設とその周辺300メートルを規制区域としたことについて政府は根拠を示していない。米軍は『地域社会や住民の安全』も規制の理由に挙げるが、所属機の墜落や部品落下などで県民の安全を脅かしてきた当事者であり、説得力に欠ける。」
⑤「さらに米軍が否定しなかった妨害電波の発信など対ドローン防御システムによって、民間のドローンが制御を失って墜落するなどの事態が発生すれば、住民の生命と財産をより危険にさらすことになる。」
⑥「民主主義の根幹をなす国民の知る権利を守るため、日本政府には米軍への過剰な配慮ではなく、当初要請した報道への配慮に米側が真摯(しんし)に応じているか注視し、粘り強く協議することが求められる。」
 (松堂秀樹)


(2)琉球新報-2日連続でパラシュート降下訓練 昨日は嘉手納基地、今日は津堅島-2019年5月22日 13:03


 琉球新報は、「【うるま】米空軍は22日午後、うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施した。21日の嘉手納基地での訓練に続き2日連続の実施。嘉手納基地を離陸したC130輸送機から午後0時40分ごろ、兵士2人が降下した。」、と報じた。


(3)琉球新報-「県民を愚弄する工事は止める」 辺野古埋め立てに抗議の水曜大行動-2019年5月22日 11:25


 琉球新報は、「【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で22日午前、移設に反対する市民ら約70人は、埋め立て用土砂の搬出が行われている名護市安和の琉球セメント桟橋前で抗議を続けている。この日は抗議の水曜大行動の日で、県内各地の島ぐるみ会議が参加している。抗議に参加した稲嶺進前名護市長は『反対の意思を示し続けてきた県民を愚弄する工事は止めなければならない。団結して頑張ろう』とマイクを握った。一方、21日に作業が確認された本部港塩川地区での搬出作業は22日午前は行われていない。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-辺野古埋め立て:沖縄県の申し出却下か 係争委、早期終結を示唆-2019年5月22日 07:50


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決を巡り、総務省の第三者機関『国地方係争処理委員会』(委員長・富越和厚元東京高裁長官)は20日、初会合を開いた。会合後の会見で富越委員長は2月に埋め立て承認撤回の執行停止処分は『国の関与』に当たらないと県の申し出を却下したことに絡み『審査申し出書は基本的には同じ。従前の議論の蓄積の上で議論している』と述べ、前回よりも早い審査で県の申し出を却下する可能性を示唆した。7月23日までに結論を出す。」
②「係争委は昨年12月からことし2月にかけ、名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て承認撤回の効力を国土交通相が停止したのは『違法な国の関与』とした県の審査申し出について、計4回の会合を開催。最終会合で審査対象となる『国の関与』に該当しないと県の申し出を却下している。」
③「係争委は有識者5人で構成し、自治体の行政運営に対する『国の関与』が違法・不当かどうかを審査する。会合は非公開。富越委員長は会見で『(国交相の裁決が)関与に当たるかどうか。入り口論について、従前の議論の蓄積の上で議論した』と述べ、『従前の議論の蓄積』という表現を繰り返し強調した。」
④「県は裁決の取り消しを国に勧告するよう求めており、認められなかった場合は訴訟を起こす方針。」
⑤「申し出書によると、移設工事を担う沖縄防衛局は昨年10月、埋め立て承認を撤回した県に対抗するため、行政不服審査法に基づき審査を請求。石井啓一国土交通相が先月、防衛局の主張を認め、埋め立てを可能にする裁決を下した。県は、私人でない防衛局に不服審査請求の資格はないと主張。埋め立てを推進する内閣の一員で、中立的ではない国交相による裁決は違法だと訴えている。」



by asyagi-df-2014 | 2019-05-22 20:07 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の日本復帰47年。それは、日本国憲法に関わる問題。(3)

 沖縄から受け取ることは、沖縄には日本国憲法が適用されなかったということである。
 それは、日本という国が沖縄に、日本国憲法の代わりに「日米安全保障条約-日米地位協定-『運用』や『密約』」という構図(「0.6%に70.03%」)を押しつけてきた歴史に端的に表されている。
2019年5月15日、沖縄は、日本に復帰して47年目を迎えた。
日本という国は、このことをどのように捉えることができているのか。
5月18日までに把握できた各紙の社説・論説でこのことをみてみた。
例えば、東京新聞(以下、「東京」)は2019年5月13日に、「沖縄復帰47年 真に憲法の仲間として」、と社説で論評した。
ただ、 この「真に憲法の仲間として」との表現はどのような意味を持つものなのかについて考えさせられた。
 このことについて、「東京」の社説で考える。
まず、「東京」は次のように沖縄を描写する。


(1)沖縄県読谷村(よみたんそん)。太平洋戦争末期、米軍が沖縄本島で最初に上陸した村の役場前に高さ三メートルほどのコンクリート柱が立っている。憲法九条の碑。『日本國(こく)民は正義と秩序を基調とする國際平和を…』。旧字体で条文を刻んだ金属板が埋め込まれ、柱の上には植物の萌芽(ほうが)のごとく九条の精神が世界に満ちるように、との願いを込めた彫刻が掲げられている。」
(2)建立は戦後五十年に当たる一九九五年。「沖縄の人々にとって日本国憲法は輝かしい命そのものだった。人間が大事にされ、戦争をしない国になるという希望を与えてくれた。戦後の米国統治下の沖縄の復帰運動は、日本国憲法の下への復帰を目指すものでもありました」。当時読谷村長だった山内徳信(とくしん)さん(84)=元社民党参院議員=は、建立の背景を振り返る。
(3)五二年発効のサンフランシスコ講和条約で、沖縄は正式に米国の施政権下に置かれた。米側は沖縄に日本の「潜在主権」を残すことは認めたが、日本側は六五年、政府統一見解日本国憲法の「適用はない」と宣言した。
(4)沖縄には米国憲法も適用されない。軍人の高等弁務官を頂点とする米国民政府が軍事的必要性を最優先に行政、立法、司法上の権力を行使。基地拡大のための土地の強制収用をはじめ政治家の弾圧、表現の自由の規制、事件事故を起こした米兵の無罪放免-などが繰り返された。
(5)人々が、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義を基本原理とする憲法下での生活を求めたのは言うまでもない。山内さんによると、若者たちは鉛筆で条文を書き写しながらその日を夢見ていた。


 続いて、「東京」は、「沖縄は十五日、本土復帰四十七年を迎える。しかし、沖縄の人権や自治は今なお、日本国憲法の外にある状況ではないか。復帰の意味を問い直すときだ。」、と沖縄の現状を指摘する。


(1)七二年五月、沖縄の復帰は実現する。しかし「日本国憲法への復帰」は決してかなえられたとはいえない。悲運の発端は、広大な基地の継続・維持が盛り込まれた日米間の沖縄返還協定である。返還交渉中、日本政府は基地の扱いについて「核抜き本土並み」と表明し縮小に期待を持たせたものの、復帰前に沖縄本島面積の20%を占めた米軍基地は今なお14・6%と取り組みは進んでいない。
(2)基地は復帰まで、共産圏をにらむ最前線として最大約千三百発もの核が配備され、ベトナム戦争の出撃拠点となった。冷戦終結後も湾岸戦争、イラク戦争などに空軍や海兵隊を送り出してきた。
(3)日本は戦後一度も他国と戦火を交えていないのに、沖縄は米国の戦争と隣り合わせの状態に置かれ米軍機の事故や米兵、米軍属による事件が繰り返される。在日米軍の特権を定め、翁長雄志(おながたけし)前沖縄県知事が「憲法の上にある」と嘆いた日米地位協定もそのままだ。
(4)沖縄県や県警のまとめでは、復帰後二〇一七年末までに、県内で発生した米軍航空機関連の事故は七百三十八件(うち墜落は四十七件)、米軍人などによる刑法犯罪は五千九百六十七件(うち凶悪事件は五百八十件)。生命、生活、財産が脅かされる日常は法の下の平等に大きく反する。
(5)その上で、名護市辺野古で進められる新基地建設に県民が重ねて反対の意思を示すのは、当然すぎる行動だ。政府は米軍普天間飛行場の移設・返還のためというが新基地完成のめどは立っていない。その矛盾をどう解消するのか。新基地建設を巡ってはことし一月、国内の主な憲法研究者の約四分の一に当たる百三十一人が連名で「憲法の重要原理を侵害、空洞化する」との声明を発表した。解決には「何よりもまず沖縄の人々の人権問題」を考え工事を即時中止すべきだとする。
(6)「民主主義や地方自治の在り方が問われている点で、日本国民全体の問題」ととらえようとの提起は極めて重要だ。沖縄の地元紙琉球新報が、本土復帰に関して五年ごとに行っている県民世論調査がある。復帰して「とても良かった」「どちらかと言えば良かった」との回答の合計は、復帰から三十五年の〇七年には82・3%だった。四十周年の一二年にはちょうど80%。さらに五年後の一七年には75・5%と幅を広げながら低下している。一方、同紙の別の県民意識調査では、今後の沖縄の立場について自治州や連邦制への移行、または「独立」を望む声が一一~一六年の五年間に二割から三割超に急増した。「自己決定権」の希求。裏を返せば、復帰の本意をかなえないままの「日本」不信の表れだ。


 最後に、「東京」は、「沖縄を真に憲法の下の仲間とする-。中央の政治はもちろん本土側の国民も、あらためて当たり前のことを行いたい。」、とまとめる。


 「東京」の指摘する「真に憲法の仲間として」との意味は、「東京」が沖縄の現状を言い当て、「中央の政治はもちろん本土側の国民」の責任を問うものであることを示すものであった。
 それは、「あらためて当たり前のことを行いたい。」との決意とともに。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-22 05:41 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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