<   2019年 02月 ( 58 )   > この月の画像一覧

総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は、「沖縄県の申し出は不適法」、と沖縄県の申し出を却下。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年2月18日、「係争委、沖縄県の申し出を却下 「国の関与」に該当しないと判断」、と伝えた。
 といっても、「国は、地方自治法で執行停止処分は係争委の審査の対象とならないと訴えており、係争委の審査の対象となるかどうかが焦点となっていた。富越委員長は会合後の記者会見で、却下の理由を『沖縄県の申し出は不適法』と述べた。」、との意味がよくわからない。
このことについて、「タイムス」は2019年2月19日、「[係争委 申し出却下]疑問は何も解消されぬ」、と社説で論評した。
この社説で、このことの意味を考える。
まず、「タイムス」は、「国地方係争処理委員会」の判断の経過を抑える。


(1)辺野古新基地建設を巡り、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」は18日、県の審査申し出を却下すること決めた。県の埋め立て承認の撤回を国土交通相が執行停止したのは違法だとし、昨年11月、取り消しを勧告するよう審査を申し出ていた。
(2)富越和厚委員長(元東京高裁長官)は会合後の記者会見で、国交相が撤回の効力を停止したことは、係争委の審査対象である「国の関与」に該当せず、「県の申し出は不適法」と理由を説明した。
(3)国交相の対応が違法かどうかの実質的な審議はせず、入り口段階での「門前払い」である。有識者5人の全員一致という。
(4)埋め立て承認取り消しを巡り、2015年に同じ構図で却下された際、係争委は、防衛省沖縄防衛局が「私人」として執行停止を申し立てるのは可能とする国交相に対し、「当否の疑問も生じる」としつつ「一見明白に不合理とは言えない」としていた。今回は「一般私人と異なることはない」と審査対象となる余地を自ら狭めた格好だ。
(5)だが多くの行政法学者が国の違法性を指摘するように、係争委の姿勢は前回よりも後退したと言わざるを得ない。


 さらに、「タイムス」は「疑念が拭えない。」、と次のように追求する。


(1)防衛局は行政不服審査法(行審法)に基づき執行停止を申し立て国交相が決定した。行審法は一般私人の利益を救済するための法律であり、県は防衛局が私人になりすましたとし、趣旨に反すると指摘していた。
(2)公有水面埋立法では民間事業者は県から「許可」を受け、国は「承認」を受けなければならない。防衛局が受けたのは「承認」であることからも明らかだ。
(3)内閣の一員である国交相は防衛局と一体の立場であると県は指摘する。「第三者たるべき審査庁ではない」と主張していたが、係争委は言及しなかった。
(4)係争委の結論は今月28日が期限だったが、なぜこの時期に却下の判断をしたのだろうか。思い出すのは1996年9月の県民投票である。告示前日の8月28日、代理署名訴訟の上告審が開かれ、最高裁大法廷は上告を棄却し、県敗訴が確定している。
(5)県内ではいま県民投票が告示され、関心の高さを示すように期日前投票が昨年9月の知事選を上回るペースで進んでいる。
(6)投開票の今月24日を前にした却下で県民投票に水を差し、県民のあきらめ感を醸成しようとしたのではないのかとの疑念が拭えない。


 「タイムス」の今回のことへの最終結論は次のものである。


(1)富越委員長が言うように、今回の却下は県が行った撤回の適法性についての判断ではない。
(2)玉城デニー知事は今後、国による効力停止決定を不服として、取り消しを求める訴訟を福岡高裁那覇支部に提訴する方針だ。
(3)係争委は国交相の対応についても違法かどうかの判断を回避している。県は「国の違法な関与」と訴え、撤回はなお有効だと主張している。係争委の却下は最終的な判断でない。まともな政府であれば工事を止めるのが筋である。


 依然として、「沖縄県の申し出は不適法」の意味がよくつかめない。
 「タイムス」の「今回の却下は県が行った撤回の適法性についての判断ではない。」及び「国交相の対応についても違法かどうかの判断を回避している。」、との指摘が当たるものだとすれば、この結論がより一層理解できなくなる。
今回も残るものは、「県は『国の違法な関与』と訴え、撤回はなお有効だと主張している。係争委の却下は最終的な判断でない。」(「タイムス」)、との指摘に過ぎないのか。
 ただ、確かに言えることは、「まともな政府であれば工事を止めるのが筋である。」、ということである。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-28 12:02 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年2月27日

  例えば、自民党等の議員の沖縄県議会での質問をどのように捉えるのか。
単に悪意のある発言ではあるのだが、もっと見えるのは普天間と辺野古新基地建設を結びつけるしかない安倍晋三政権の焦りを感じさせる。
なんと、「普天間の危険性除去のための代替施設と言えば分かるのに、新基地だと言われ、訳の分からないままやった。県民を誘導し、県民だましの投票だ。」(琉球新報)、というのだ。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年2月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-県民投票巡り、沖縄県と沖縄・自民が県議会で論戦-2019年2月26日 16:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「25日の県議会一般質問では、24日の県民投票を巡り、沖縄・自民の県議が『県民は十分に理解できず、訳の分からないまま投票した』『有権者の半数を超えず、民意と言えるのか』などと県の見解を聞いた。主なやりとりは次の通り。」
②「-投票していない有権者は54万人で、約48%。半数近くが投票してない(山川典二氏)。:『反対票が条件で定めた投票資格者数の4分の1を大きく上回り、十分な民意が示された』(池田竹州知事公室長)」
③「-1996年の県民投票は基地の整理縮小と地位協定の見直しに賛成9割で、有権者総数の約53%と過半数。今回は37・6%。民意と言えるのか(山川氏)。:『反対票が43万4273票。投票した60万5385票の71・7%を占める。はっきり民意が示された』(玉城デニー知事)」
④「-結果を今後の法廷闘争に使う予定は(山川氏)。:『辺野古移設に絞った明確な民意が示されたことになる』(池田氏)」
⑤「-直接民主制ではなく間接民主制の枠内での投票で、結果に法的拘束力がない(大浜一郎氏)。:『間接民主制を補完する直接請求制度で県民から請求され、法に基づく手続きを経た。法的拘束力はないが、他自治体の住民投票でも政策決定に大きな影響を与えてきた』(池田氏)」
⑥「-新聞の出口調査で反対に投票した理由を、約4割が『新基地は不要』と答えた。普天間の危険性除去のための代替施設と言えば分かるのに、新基地だと言われ、訳の分からないままやった。県民を誘導し、県民だましの投票だ。役に立たない。予算の無駄遣いだと思っている(又吉清義氏)。:『普天間の代替施設としての新たな基地を埋め立てて造ることに反対というのが表れたと理解している』(池田氏)」


(2)琉球新報-「負きてーないびらん」 進む作業に市民ら約200人、怒りの拳 名護市-2019年2月27日 13:12


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、27日も沖縄防衛局による埋め立て作業が続けられている。名護市安和の琉球セメントの桟橋では、午前7時半ごろから新基地建設に用いる土砂などが船に積まれ、搬出されている。」
②「桟橋前には基地建設に反対する市民約200人が集まり『負きてーないびらん(負けてはなりません)』『わじわじーを行動に変えよう』などと声を上げた。安和の海上でも市民がカヌーに乗って抗議した。午前10時半ごろに土砂を載せたこの日最初の船が出港したが、抗議行動によって通常より1時間半遅らせることができたという。」


(3)琉球新報-「県民投票の結果を日米両政府は尊重すべきだ」 沖縄県内の29首長-2019年2月27日 12:48


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「24日投開票の辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で、投票総数の約7割が『反対』に投じた結果について琉球新報は26日、41市町村の首長と議会議長に、日米両政府は結果を尊重すべきか否かを聞いた。首長は70・7%に当たる29人が、議長は58・5%に当たる24人が『尊重すべきだ』と回答した。『どちらとも言えない』は首長が8人、議長が10人だった。『尊重すべきではない』はいなかった。」
②「当初、県民投票への不参加を表明していた5市のうち、沖縄市の桑江朝千夫市長、宮古島市の下地敏彦市長、石垣市の中山義隆市長の3市長は『尊重すべき』と回答した。桑江市長は『投票率が50%を超えたのは元山仁士郎君たちがよくやったからだと思う。民意として日米両政府は尊重すべきだろう』と述べた。宜野湾市の松川正則市長と、うるま市の島袋俊夫市長は『どちらとも言えない』と答えた。」
③「民意に反して辺野古新基地の建設工事を進める日米両政府に対する異議も相次いだ。伊平屋村議会の金城信光議長は『絶対にこの結果を受け止めてほしい。なぜ沖縄だけ知事が要請しても工事が止まらないのか。ばかにしているのかと思う』と強調した。中城村議会の新垣博正議長は『これまでの国政選挙、知事選でも新基地建設反対の民意が示されてきたが、今回の県民投票の結果でさらに明確にされた。埋め立てを断念すべきだ』と迫った。」
④「一方、辺野古新基地建設の見直しについては『県民投票の結果で方針を変えるような日米両政府ではない』(新垣安弘八重瀬町長)、『もう工事は進んでいる。普天間の危険性除去を最優先にすべきだ』(大城好弘西原町議会議長)など否定的な意見もあった。」


(4)琉球新報-辺野古県民投票 マイク・モチヅキ氏に聞く 県はSACO開催主張を 投票率を評価-2019年2月27日 12:53


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設計画を巡り、24日に行われた名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票は、埋め立てに『反対』の得票が7割を超えた。投票結果は日米両政府にどのような影響を与え、県は両政府とどう向き合うべきか。マイク・モチヅキ米ジョージ・ワシントン大准教授(日本政治、日米関係論)に聞いた。」
②「―県民投票の結果をどうみるか。:『県民の圧倒的で幅広い反対が確認された。投票率は52・48%と1996年の県民投票を下回ったが、直前まで不参加を表明していた5市の論争と、選択肢に【どちらでもない】を追加した妥協案を考えると、依然として非常に高い投票率で評価すべきだ。2017年10月の衆院選の投票率は53・68%であり、安倍政権は投票率を理由に県民投票結果を否定できない』『反対票が県知事選での玉城デニー知事の得票数を大幅に超えたことは重要だ。幅広い層の県民が反対を示している。玉城知事が歴代最多得票だったことを考えると、特に注目に値する。宜野湾市と名護市の有権者の反対は半数を超え、これら2市の市長選の結果が現行計画への地元の支持を示したという政府の主張を弱めさせた』」
③「―投票結果は日米両政府に影響を与えるか。:『残念ながら両政府とも代替策を検討しようというイニシアチブを取らないだろう。貿易問題と北朝鮮を巡る日米関係の不確実性を考えると、安倍晋三首相はトランプ米大統領に沖縄の問題を提起することに消極的だ。両政府の防衛、外交担当者はこの問題を再検討することに関心も意思もなく、投票結果は彼らの考えを変えられない』」
④「―県はどう動くべきか。:『県庁の当局者は世論や政治家、ジャーナリストを巻き込み、日米の外交や防衛の専門家と連携し、これまでより積極的、創造的、かつ効果的に動く機会と義務がある。沖縄の状況に共感している人も多い。県は沖縄の声が反映される新たな日米特別行動委員会(SACO)の開催を主張すべきだ。約23年前のSACO合意以来、安全保障環境と日米同盟の在り方は大きく変わっている』『軟弱地盤の問題で現行計画はより複雑になり、予定より期間も長く費用も膨大にかかる可能性がある。県民投票の結果は県にとって現行計画より効果的かつ効率的で、日米同盟を支える沖縄の負担を大幅に軽減する現実的な代替策を検討するために、日米の専門家と協力する好機と推進力となるだろう』」
(聞き手 座波幸代)


(5)琉球新報-嘉手納基地にF16緊急着陸 1機に不具合-2019年2月27日 12:55


 琉球新報は、「【嘉手納】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機12機と、22日から嘉手納基地に滞在していた米空軍三沢基地所属のF16戦闘機9機が26日午前、訓練のためグアムへ向け離陸した。うちF16 1機が不具合が生じたために、午後0時50分ごろ、嘉手納基地に引き返し緊急着陸した。同日午後には普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリも飛来した。同機は先月、不具合のため渡名喜村入砂島に緊急着陸し、別の米軍ヘリでつり下げ移送されている。米軍によると、F16は米国とオーストラリアが合同訓練を実施しているグアムへ向かう予定だったが、アンダーセン基地などに台風が接近していたため一時的に嘉手納基地に飛来していた。沖縄防衛局はF16が引き返す様子を確認したが、米側から事前通知はなかった。防衛局は現在、事実確認や緊急着陸の原因について米側へ照会している。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-「民意は出たぞ」 辺野古への土砂搬出に150人抗議-2019年2月27日 11:48


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する市民約150人は27日午前、同市安和の琉球セメント桟橋前や桟橋周辺の海上で、辺野古への埋め立て土砂搬出に抗議した。市民は桟橋入口前の歩道を往復し、辺野古へ搬出する土砂を運び入れるダンプカーに『土砂を運ぶな』『反対の民意は出たぞ』などと怒りの声を上げた。海上では市民がカヌー13艇で抗議行動し、運搬船の阻止を試みたが、海上保安官に拘束された。ダンプカー240台分の土砂を積んだ運搬船1隻が桟橋を離れ、辺野古に向かった。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-岩屋防衛相「しかるべき時期に概算説明」 辺野古新基地の工期・工費-2019年2月27日 12:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「岩屋毅防衛相は26日の記者会見で、名護市辺野古の新基地建設に要する工期や工費に関し、『概算をしかるべき時期に説明したい』と明言した。ただ、軟弱地盤改良のための設計変更が必要になるとして、時期は明らかにしなかった。」
②「工期や費用を巡っては、地盤改良を伴うことから、県が工費2兆5500億円、工期13年に膨らむと試算。国会でも、野党が工期や工費を明示しないまま工事を進めているとして批判を強めていた。」
③「岩屋氏は会見で、県の埋め立て承認撤回を受けて国交省に提出した地盤改良の工法などに関する報告書について『審査請求中で、審査への影響を考えて今、公表するのは控えている』と説明。その上で、設計変更の必要性に触れ、『工事自体進んでいかないければ確定的なものは出てこないかもしれないが、概算としてどういう形になるのか、しかるべき時期にしっかり説明したい』と述べた。」
④「政府は年内にも埋め立て承認に伴う設計変更申請を県に提出する見通し。」

工事止め積算示して
⑤「沖縄大・沖縄国際大の宮田裕特別研究員の話:「国が辺野古の工事にかかる工期や工費の概算を示すのは公共工事であれば、ある意味当然のことだ。ただ、いつになるのか分からない、その間も工事を進めるというならば問題だ。例えば、県や市町村が使う国の補助事業で、費用も積算されない、計画も固まっていないものに予算をつけるだろうか。普通はあり得ない。これがまかり通るなら、国が自ら予算の適正執行の原則をねじ曲げているようなものだ。しかも、軟弱地盤で工事が進められるかも分からない。県民投票で『辺野古反対』の民意が示された後でもある。ただちに工事を止め、積算を示し、本当に辺野古の工事が予算執行の面からも適正なのか国会で審議されるべきだ。」






















by asyagi-df-2014 | 2019-02-27 16:54 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄は、米軍普天間飛行場の「5年以内に運用停止」の期限を迎える。(2)

2019年2月18日の意味をどれくらい把握できてきたのだろうか。
 これは、どういうことなのか。
 琉球新報)は2019年2月18日、「政府と県が約束した米軍普天間飛行場の「5年以内の運用停止」は、実現されないまま18日に期限を迎える。当初、名護市辺野古の新基地建設と関係なく協議されるはずだったが、政府は県の協力が得られないことを理由に、責任を転嫁する形で運用停止の実現を困難だと主張してきた。」、と伝えた。
 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、このことについて、「安倍晋三首相が約束した米軍普天間飛行場の『5年以内の運用停止』が18日、期限を迎えた。5年以内どころか、この先10年後に運用停止ができるかどうかさえ、まったく分からない。軟弱地盤の改良工事のため、辺野古の新基地建設が長期化するのは避けられなくなったからだ。」、と描写する。
結局、「タイムス」は、「普天間停止きょう期限 約束ほご、国に重大責任」、と2019年2月18日の社説で論評することになる。
「タイムス」は日本政府の対応のあり方について、次のように批判を加える。


(1)埋め立て予定区域にある軟弱地盤は深いところで水深90メートルに達する。国内に対応可能な作業船がなく、工事例もない。
(2)本紙の平安名純代・米国特約記者が複数の米連邦議会議員から聞いたところによると、米軍は少なくとも2028年度ごろまで普天間飛行場の使用(運用)を想定しているという。
(3)国会で質問されても、工期も経費も説明できない。説明責任すら果たせない政府が、辺野古現地で連日、反対行動を排除して埋め立て工事を強行しているのは異常というしかない。


 「5年以内の運用停止」に関する安倍晋三政権の対応について、「タイムス」は指摘する。


(1)5年以内の運用停止は、埋め立てを承認するにあたって、仲井真弘多元知事が政府に突きつけた条件だった。
(2)安倍首相は「最大限、実現するよう努力したい」と述べ、14年4月、政府として運用停止期限を「19年2月」とすることを確認した。
(3)知事選に立候補した仲井真氏をバックアップするため、14年10月、5年以内の運用停止に「全力で取り組む」との答弁書を閣議決定している。 前提が崩れたことで新基地建設計画は完全に破たんした。
(4)政府の態度が手のひらを返したように変わったのは、翁長雄志氏が当選したときからだ。17年2月には「難しい状況になっている」(安倍首相)ことを認め、新基地建設に反対する県側に責任を転嫁し始めた。
(5)だが、仲井真氏は埋め立てを承認した時点で、辺野古移設に10年かかることを想定し、辺野古の埋め立て工事と切り離して5年以内の運用停止を進めるよう求めていた。
(6)翁長氏が当選したとき、政府が公平・公正な立場を堅持し、直ちに県と切り離しに向けた協議を進めていれば、事態は変わっていたはずだ。
(7)政府は翁長氏を敵視し、運用停止は辺野古移設が前提、だと言い出す。
(8)政府として米国に対して5年以内の運用停止を公式協議のテーブルに載せ、真剣に取り組んだ形跡はない。
(9)ご都合主義、責任転嫁、牽強付会、我田引水、無為無策。この間の政府の態度を何と表現すればいいのだろうか。


 最後に、「タイムス」は、次のように結論づける。


「県議会は昨年2月、即時運用停止を求める決議を全会一致で可決した。県と基地所在市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会は7日、政府に対し5年以内の運用停止などを求めた。普天間飛行場の滑走路補修工事に多額の国費を投入し、その半面、運用停止の期限を迎えたことに対しては、何の『痛み』も感じていないとすれば、政府の罪は限りなく大きい。」


 そして、「県、市町村、県議会は一日も早い運用停止に向け、声を上げ続けるべきだ。」、と結ぶ。


結局、「2019年2月18日」の意味とは、安倍晋三政権の強圧的で傲慢な政治のあり方そのものを暴くものでである。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-27 07:11 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年2月26日

 誰が考えても、当たり前の沖縄県側の対応だ。
「玉城デニー知事は投票結果を直接通知するため、県議会2月定例会一般質問終了後の3月1日にも上京し、安倍首相と会談する日程の調整に入った。県議会で玉城知事は『政府は県民の民意を正面から受け止め工事を中止するとともに、一日も早い普天間の閉鎖・返還という問題解決に向けて県との対話に応じるよう強く求めていく』と強調した。」(琉球新報)。
 それにしても目立つのは、この国の首相発言の薄っぺらさと欺瞞性。
『県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める』と『移設をこれ以上、先送りすることはできない』(琉球新報)。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年2月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-新基地工事強行 投票翌日 知事「中止を」 首相「先送りできない」 来月1日会談へ調整-2019年2月26日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票から一夜明けた25日、43万人余りが埋め立てに反対する民意が示されたにもかかわらず、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部では土砂投入を伴う埋め立て工事が続行された。安倍晋三首相は官邸で記者団に『県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める』と述べた一方、普天間の固定化を避ける必要があるとして『移設をこれ以上、先送りすることはできない』として、引き続き辺野古移設を進める考えを示した。」
②「玉城デニー知事は投票結果を直接通知するため、県議会2月定例会一般質問終了後の3月1日にも上京し、安倍首相と会談する日程の調整に入った。県議会で玉城知事は『政府は県民の民意を正面から受け止め工事を中止するとともに、一日も早い普天間の閉鎖・返還という問題解決に向けて県との対話に応じるよう強く求めていく』と強調した。」
④「菅義偉官房長官は25日の会見で、玉城知事から安倍首相らとの面談要請があれば『しっかり対応したい』と述べ、応じる意向を示した。」
⑤「25日はシュワブ沿岸部で昨年12月に土砂投入を始めた辺野古崎横の区域に、何台ものダンプが土砂を投入した。辺野古崎先端の『N4』護岸では、作業員が被覆ブロックを積んでいく様子が海上から確認された。市民らはカヌー11艇と抗議船で工事を強行する政府に抗議の声を上げた。シュワブゲート前には市民約60人が座り込み『民意を無視するな』などと抗議の声を上げた。工事車両299台が3回にわたって資材搬入でゲートを通過した。名護市安和にある琉球セメントの桟橋では、工事車両583台が運搬船3隻に土砂を運んだ。」
⑥「24日の県民投票は開票率100%で、有効投票総数60万1888票のうち埋め立て『反対』の得票が72・15%に当たる43万4273票に達した。『賛成』は11万4933票で19・10%、『どちらでもない』は5万2682票で8・75%だった。投票率は52・48%。」


(2)沖縄タイムス-「日米政府は結果の尊重を」 沖縄県民投票で市町村長の73%-2019年2月26日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「24日に投開票された、名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票で、投票総数の7割以上が反対との結果を受け、沖縄タイムスは25日までに県内全市町村長に対し、日米両政府は結果を尊重すべきかを聞いた。41人中30人(73%)が『尊重すべきだ』と回答。『どちらとも言えない』は9人で、無回答は2人。『尊重すべきでない』はいなかった。」
②「普天間飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長は、反対の民意が示された昨年の県知事選後も環境に変化がないとの認識を示し『政府、知事の動向を注視したい』と述べるにとどめた。」
③「新基地建設が進む名護市の渡具知武豊市長は『これまでの経緯を鑑みても法的に解決されるべき問題だ。国と県で何らかの協議が整うのか、県が撤回について訴訟を起こすのか推移を注視したい』とした。」
④「一方、宜野湾市を含め県民投票に5市が一時不参加を表明したが、沖縄、うるま、石垣の3市は結果を尊重すべきだと回答。桑江朝千夫沖縄市長は『結果は民意として当然受け止められるべきだ』、島袋俊夫うるま市長は『民意は当然大事にされるべきだ』とした。」
⑤「中山義隆石垣市長は『投票率は低いが、投票した7割の方が反対で、民主主義の中では尊重すべきだ』と答えた。その上で『単純に埋め立て反対、普天間は出て行け、だけでは打開策にならない。県もしっかり対案を出して議論に望むべきだ』と注文を付けた。」
⑥「下地敏彦宮古島市長は『どちらとも言えない』としながらも、『反対が多数を占めた結果については政府は十分考慮すべきだ』と述べた。」
⑦「条例では、3択の中で得票の多い方が4分の1に達したときは知事は結果を尊重し、首相や米大統領に通知すると明記。『反対』が43万4273票と最多で、投票資格者総数115万3591人の4分の1(28万8398票)を上回った。」


(3)琉球新報-辺野古新基地、工事続く ゲート前で市民抗議-2019年2月26日 13:41


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設工事で、沖縄防衛局は26日午前から辺野古側や大浦湾側の海域で建設作業を続けた。大浦湾側のK9護岸で台船からダンプカーに土砂を移し替える作業が確認された。米軍キャンプ・シュワブゲート前では市民が抗議する中、資材を積んだトラックなどが入って行った。」、と報じた。


(4)琉球新報-防衛相、県の計画変更不承認の方針に「残念」-2019年2月26日 11:04


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】名護市辺野古の新基地建設を巡り、岩屋毅防衛相は26日午前の会見で、埋め立て海域の軟弱地盤の改良のため設計計画変更を沖縄県が承認しない構えを見せていることについて『ちょっと残念に思う』と述べた。」
②「軟弱地盤の改良工事を進めるためには、防衛省が今後、沖縄県に計画変更を申請し、承認を得る必要がある。25日の沖縄県議会一般質問で、県の池田竹州知事公室長は防衛省が計画変更を申請した場合の対応について『承認の取り消しの効力は生きていると理解している。設計変更は出せない立場だ』と答弁した。これに関し岩屋氏は26日の会見で『来る設計変更の中身も見ていただいて、是非をご判断をしていただき、ぜひ承認をしていただきたい』と語った。」
③「防衛省は軟弱地盤の改良など今後の新基地建設に要する工期や工費を明示していない。これについて岩屋氏は『概算としてどういう形の工事になるかは、しかるべき時にしっかりご説明させていただきたい』と話した。」


(5)琉球新報-辺野古、即時中止を 東京・小平市議会が意見書を可決 小金井市に続き2例目-2019年2月26日 10:48


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】東京都の小平市議会は25日の本会議で辺野古新基地建設の即時中止と、国内外に普天間の代替施設が必要かどうかを含めて国民的な議論を行うことを求める請願と意見書を賛成多数で可決した。米軍普天間飛行場の代替施設の必要性や移設先について国民的な議論を求める『新しい提案』の実践に基づくもので、意見書の可決は小金井市に続き2例目となる。24日に投開票された県民投票とともに、沖縄の基地問題についての全国的な世論喚起につながりそうだ。」
②「請願理由では、沖縄県民が基地があることによるさまざまな不安や危険にさらされて生活しており『新たに造られる米軍基地建設に反対することは当然』だと指摘した。国民の多くが沖縄に集中する米軍基地に疑問を抱くことなく戦後70年以上が経過したとし『当事者意識を持った国民的議論を行い、解決への道を開きたい』とした。」
③「請願した『辺野古問題を考える小平市民の会』の針谷幸子代表(恩納村出身)は、24日の県民投票で辺野古の埋め立てに反対する人が多数だったことに触れ『沖縄の人はやるべきことをした。今度は私たちがどうするべきなのかが突き付けられている』と指摘し、議論の輪の広がりに期待を込めた。」


(6)沖縄タイムス-普天間への外来機飛来、宜野湾市議会が抗議決議 一日も早い閉鎖返還求める-2019年2月26日 11:05


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場に相次いでいる外来機の飛来による騒音被害を受け、宜野湾市議会(上地安之議長)は26日開会の市議会定例会で、『市民の怒りは限界に達している』として日米両政府などに抗議する決議案と意見書案を全会一致で可決した。外来機の飛来禁止に加え、普天間飛行場を固定化せず一日も早く閉鎖・返還を実現するよう要求。普天間飛行場の危険性除去と負担軽減の着実な実施を求めた。」
②「沖縄防衛局によると今年1月の外来機の離着陸などの回数は378回。前月に比べて約2・8倍に増えており、市内は県などの測定で『飛行機のエンジン近く』に相当する最大120デシベルを超える騒音が度々記録されている。」
③「抗議文は『普天間飛行場の全面返還合意から23年経過したが、いまだまちのど真ん中に存在し危険性は放置され続けている。市民の生命財産を脅かす重大事故も発生し、市民の不安や不信感は頂点に達している』と指摘。『相次ぐ事故やトラブルなどの原因究明と再発防止策徹底を再三再四強く申し入れているにもかかわらず、外来機飛来により騒音が相次いでいることに強い憤りを禁じ得ない』と言及した。」
④「抗議文のあて先は第3海兵遠征軍司令官や在沖米国総領事、内閣総理大臣、防衛大臣ら。」


(7)沖縄タイムス-荻上チキさん、県民投票の全県実施「民主主義の形式を守る成功事例」-2019年2月26日 08:40


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「県民投票に関して沖縄で取材している評論家の荻上チキさんが24日、那覇市古島の教育福祉会館で、沖縄タイムスの取材に応じた。県民投票が全県で実施できた一連の経緯について、荻上さんは『民主主義の形式を守るという点では成功事例』とした上で『結果を国政が受け止めて、適正なリアクションをしてこそ、民主主義が完成する』と述べた。」
②「昨年9月の県知事選も取材した荻上さん。今回、ラジオ番組の特集のために『【辺野古】県民投票の会』の元山仁士郎代表らを取材した。」
③「元山代表がハンガーストライキをしたことに対し『声を上げるために自らの身体をメディア化して世の中に訴えた方法はオールドスタイルだった』と評価。『ネットメディアをどう使うということが注目されがちだが、自分の体をメディア化する手段は運動の選択の幅を示した」と説明した。


(8)琉球新報-座波幸代のワシントン報告-「新基地ノー鳴り響く」 海外メディア高い関心 県民投票 反対7割超 建設強行も報道-2019年2月26日 09:48


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米軍普天間飛行場移設計画を巡り、24日に行われた名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票について、海外メディアも電子版で一斉に報じた。新基地建設に反対する得票数が7割を超えたが、安倍政権は建設を進める方針を変えないと伝えた。」
②「AP通信は玉城デニー知事が『県民投票の結果は尊重されるべきだ』と述べたことを紹介。一方、安倍政権は現行計画を変更しない方針だと報じ、米紙ニューヨーク・タイムズやFOXニュースなどが掲載した。」
③「ワシントン・ポストは『沖縄で有権者の新基地建設へのノーが鳴り響いた』との見出しで、県民投票の結果は『日米両政府に新たな頭痛をもたらす』と伝えた。米軍準機関紙『星条旗』も同記事を掲載した。」
④「中東の衛星テレビ、アルジャジーラは23、24日に3本の記事を掲載。沖縄の有権者が県民投票で『民主主義が試されている』と捉えていることや約43万4千票の反対票が投じられた一方、安倍政権は現行計画を進める方針だと伝えた。英ガーディアンは県内の有権者は、米軍基地に反対の民意を政府が無視し続けていると抗議していると伝えた。デーリー・テレグラフは米軍ヘリの部品が落下した宜野湾市の緑ヶ丘保育園の保護者の声を紹介した。フランスのAFP通信や、ロシアのニュース専門局、ロシア・トゥデイも県民投票について報じた。」


(9)沖縄タイムス-県民投票で民意が示されても…辺野古で工事進む 「真摯に受け止めるなら作業止めて」-2019年2月26日 15:14


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では26日、新基地建設に反対する市民らが約50人集まり、『県民の民意を受け止めろ』などと訴えた。午前9時ごろから行われた座り込み行動では、沖縄平和運動センターの大城悟事務局長がマイクを握り、24日の県民投票の結果で新基地建設『反対』が70%を超えたことについて「圧倒的な民意が示された」と強調。安倍晋三首相が『真摯(しんし)に受け止める』と話していることについては、『真摯に受け止めるなら、まずは工事を止めろ』と訴えた。県統一連の中村司代表幹事は、軟弱地盤の問題を取り上げ『政府は、工期も費用もどのくらいかかるか分からないで新基地建設を進めているようだ。うそをつかなければ造れない基地だ』と批判した。」
②「一方、県民投票で民意が示されても、沖縄防衛局は26日も工事を進めた。同日午後2時までに工事車両計232台による資材搬入があった。」


(10)沖縄タイムス-石垣島の陸自駐屯地、3月着工 岩屋防衛相が表明「掘削工事を開始」-2019年2月26日 11:11


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】石垣島への陸上自衛隊配備計画を巡り、岩屋毅防衛相は26日の記者会見で、3月に平得大俣の配備予定地で造成工事に着手すると表明した。事前の安全対策として仮設安全柵の赤土流出防止のための土のう設置などを行った後、『3月には造成にかかる掘削工事を開始する予定だ』と述べた。」
②「配備予定地は46ヘクタールで、造成工事に着手するのはすでに取得した民有地(約13ヘクタール)の一部。市有地を含む全体の土地取得は完了していない。」
③「一部土地の造成工事を先行して実施することには、4月から適用される県の改正環境アセス条例逃れとの批判があるが、岩屋氏は『そのようなことを目的としてはいない』と否定。『石垣島にもできる限り早く部隊を開設して、南西地域の防衛体制を確固たるものにしたいと考えているので、契約ができたところから工事に着手したい』と説明した。」




by asyagi-df-2014 | 2019-02-26 17:15 | 沖縄から | Comments(0)

「6割以上の自治体から募集に必要な協力を得られていない」との首相の発言とこれに忖度した自民党の対応。

 2019年2月17日付けの二社の社説の内容に驚かされている。
 高知新聞(以下、「高知」)は「【自衛官募集】首相の理屈は乱暴すぎる」、と。
 琉球新報(以下、「新報」)は「首相自衛官募集発言 自治体への不当な弾圧だ」、と。
 まず、「高知」は、「自民党が所属する全ての国会議員に出した通達に大きな波紋が広がっている。自衛官募集に利用する適齢者名簿の提出を地元自治体に促すよう求める内容だ。」、とその問題点を指摘する。
「高知」は、具体的に批判を次のように加える。


(1)安倍首相は、先の党大会や国会答弁で「6割以上の自治体から募集に必要な協力を得られていない」などと主張。憲法9条に「自衛隊を明記することで、そういう空気は大きく変わっていく」と改憲の必要性を強く訴えた。通達はそれを党としても後押しした格好だ。問題の多い主張、対応というほかない。」
(2)首相がいう協力自治体とは、名簿を紙や電子媒体で提出する市町村を指す。防衛省によると、2017年度は全国36%の市町村だった。残る6割超のほとんどが非協力的との捉え方だが、過半数53%の市町村は住民基本台帳の閲覧を認め、自衛隊が適齢者を把握できるようにしている。合わせて9割近くが協力しているのであって、首相の切り捨て方は乱暴すぎる。」
(3)自衛隊法は、募集事務の一部を自治体首長が行うと定める。自衛隊法施行令では、防衛相は首長に「必要な報告または資料の提出を求めることができる」としている。
 これらを踏まえ、防衛省・自衛隊は市町村に自衛官適齢者の氏名や住所などの提出を依頼してきた。18年度からは紙・電子媒体の提出を要請している。
(4)とはいえ制度的には「求めることができる」のであって、義務ではない。どのように協力するかは自治体の裁量といってよい。各自治体は個人情報保護のため、住民情報は原則非開示としている。書き写しに時間がかかる住民基本台帳の閲覧のみであっても、自衛官募集には特別対応をしているとみるべきだ。


 「高知」は、こうした批判の根拠を示す。


(1)政府・自民党には14年度の高知市の事例を忘れてもらっては困る。住民基本台帳の閲覧方式で協力してきた市に対し、自衛隊高知地方協力本部が突然、「法定受託事務が執行されていない」「従来の方針を変更し強く適齢者情報の(紙での)提供を求める」と要請した。批判を受けた防衛省は国会で、法令の理解が十分でない不適切な要請だったと釈明。当時の中谷元・防衛相も「地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いしている」との立場を強調した。同じ安倍政権下でありながら、今回の首相や自民党の言動はこうした経緯を無視している。
(2)まして自衛官募集と憲法9条への自衛隊明記は筋が違う話だ。任期中に改憲を実現したい安倍首相が、なりふり構わず改憲の動機付けをしているとの批判が出て当然だろう。与党内からも疑問の声が出ている。


 「高知」は、最後に、「自衛隊はいまや多くの国民に受け入れられている。特に災害時の活動には期待が大きい。隊員募集は重要だろうが、政治が市町村を批判し、改憲と強引に結び付けては、自衛隊の印象をかえって悪くしかねない。」、と結ぶ。


 次に、「新報」は、首相の発言の明らかな間違いに対して、次のように反論する。


(1)安倍晋三首相が自民党大会で「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある」と発言した。しかしこれは明らかに事実に反する。首相本人が2日後の衆院予算委員会での答弁で「正しくは都道府県と市町村だ。自治体だ」と一部を修正した。しかしそれでも事実と異なる。
(2)しかも安倍首相は「非協力」自治体を解消するため、自衛隊を明記する憲法9条改正の必要性を主張し始めた。改憲の目的に、自衛官募集の自治体協力を挙げること自体、詭弁(きべん)としか言いようがない。
(3)防衛省は自衛官募集の目的で、市区町村に対して、18歳、22歳になる住民の個人情報の提供を依頼している。2017年度は全1741市区町村のうち、36%の自治体が紙か電子媒体での名簿を提供し、53%の自治体は住民基本台帳の閲覧を認めている。
(4)防衛省は残り10%の自治体の名簿を取得していない。未取得のうち協力拒否は5自治体だけだ。ほかは募集効果の観点で判断し、防衛省が閲覧していないなどが理由だ。つまり自衛官募集に協力をしているのは名簿提供と住民基本台帳の閲覧を認めている合計89%の自治体だ。明確に協力を拒否しているのは5自治体だけで、全市区町村のわずか0・3%に満たない。
(5)安倍首相が主張する「協力を拒否している」6割以上の自治体とはおそらく、個人情報を紙か電子媒体で提供している36%の自治体を除く64%の自治体を指すのだろう。つまり住民基本台帳の閲覧を認めている53%の自治体も、防衛省が募集効果で判断して閲覧自体をしていない自治体も「協力を拒否している」とみなしているのだ。あまりにも乱暴だ。首相の発言とは思えない。


 また、「新報」は、首相の発言を住民基本台帳帳の閲覧の問題の観点から、批判を加える。


(1)住民基本台帳法11条は、国や地方公共団体の機関が法令で定める事務のために必要な場合は、住民基本台帳に記載されている氏名、生年月日、性別、住所の写しについての閲覧を認めている。住民基本台帳法は閲覧を認めているが、名簿提供まで認める規定はない。このため半数以上の自治体が閲覧にとどめている。同法は06年の改正で「何人でも閲覧を請求できる」との制度を廃止し、閲覧対象を限定した。
(2)閲覧さえ厳密化されたのに、自治体が防衛省に名簿自体を提供することには批判の声がある。中には防衛省がダイレクトメールを送るための便宜として「宛名シール」などの紙媒体を作成し、提供している自治体もある。これこそ業務を逸脱していないか。


 さらに、「新報」は、自民党という組織が首相におもねるかたちで通達を出したことに、次の明確な結論を示す。


「自民党は14日、所属国会議員に対し、自衛官募集の関連名簿提出を地元市町村に促すよう求める通達を出した。国会議員が自治体に圧力を掛けることなどあってはならない。政府の意に反する自治体への不当な弾圧を見過ごすことはできない。」


 今は、①国会議員が自治体に圧力を掛けることなどあってはならない、②政府の意に反する自治体への不当な弾圧を見過ごすことはできない、との「新報」の見解に、日本国集諸将の発言とその「忖度」組織の行動論理の問題の本質を見る。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-26 07:44 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年2月25日

まずは、この結果を刻み込もう。
「沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が24日、投開票された。3択のうち、埋め立てに『反対』は43万4273票に上り、投票総数の71・7%を占めた。県民投票条例で定める知事の結果尊重義務が生じる投票資格者総数の4分の1を超え、昨年9月の知事選で新基地建設反対を訴えて当選した玉城デニー知事が獲得した過去最多得票の39万6632票も上回った。『賛成』11万4933票で、反対が賛成の3・8倍に達した。『どちらでもない』は5万2682票。投票資格者総数は115万3591人で、投票総数は60万5385人。注目された投票率は52・48%だった。」(沖縄タイムス)


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年2月25日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-辺野古埋め立て「反対」が7割超え 知事の得票上回る43万票 沖縄県民投票、投票率は52.48%-2019年2月25日 01:32


①「沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が24日、投開票された。3択のうち、埋め立てに『反対』は43万4273票に上り、投票総数の71・7%を占めた。県民投票条例で定める知事の結果尊重義務が生じる投票資格者総数の4分の1を超え、昨年9月の知事選で新基地建設反対を訴えて当選した玉城デニー知事が獲得した過去最多得票の39万6632票も上回った。『賛成』11万4933票で、反対が賛成の3・8倍に達した。『どちらでもない』は5万2682票。投票資格者総数は115万3591人で、投票総数は60万5385人。注目された投票率は52・48%だった。」
②「県民が新基地建設のみに絞って直接賛否を示す初の投票で、昨年の知事選などでも示された新基地建設反対の民意がより明確に示された。菅義偉官房長官は投票結果に関わらず工事を進める方針を示しており、政府の対応次第では県民の反発がさらに強まることは必至だ。県民投票に法的拘束力はないが、条例では3択の中で得票の多い方が4分の1に達したときは知事は結果を尊重し、首相や米大統領に通知すると定める。」
③「県民投票の条例制定を請求した『【辺野古】県民投票の会』の元山仁士郎代表は『沖縄の人の【うむい】(思い)を重く受け止めてほしい』と訴えた。」
④「県民投票を巡っては、5市長が一時不参加を表明したが、全県実施へ賛否の2択から新たに「どちらでもない」を加えることで県議会の全会派が合意し、知事提案で条例を改正。県議会の県政与党は労組や企業などで構成する『新基地建設反対県民投票連絡会』を立ち上げ、街頭などで『反対の圧倒的民意を』と訴えた。一方、県政野党の自民や中立の公明、維新は自主投票として静観した。」
⑤「都道府県単位の住民投票は1996年9月に沖縄県が実施した、日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小の賛否を問う県民投票以来、全国2例目。96年の投票率は59・53%だった。」


(2)沖縄タイムス-デニー知事「民意が明確に示された」 安倍首相に早期面談申し入れ-2019年2月25日 04:50


 沖縄タイムスは、「玉城デニー知事は25日未明、県庁で会見し、県民投票で反対票が条例の尊重基準となる投票資格者総数の4分の1を大幅に上回ったことを受け、条例に基づき日米両政府の首脳に結果を通知する考えを示した。県は3月1日にも安倍晋三首相に面談に応じるよう申し入れている。玉城氏は過去2回の知事選などで辺野古反対の民意は示されてきたとし、『辺野古埋め立てに絞った民意が明確に示されたのは初めて。極めて重要な意義がある』と述べ、辺野古反対の民意の根強さを強調した。また、結果を受け『辺野古新基地建設の阻止に全身全霊をささげる』と言及。政府に対しては、民意を真正面から受け止めて工事を中止し、県との対話に応じるよう要求。国民にも『一人一人が自らの問題として議論してほしい』と述べ、県も国民的議論の喚起を働き掛ける考えを示した。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-辺野古どうなる? 沖縄県民投票、知事「不許可」の後ろ盾に-2019年2月25日 04:20


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の埋め立てを問う県民投票は、『反対』の得票が知事に結果尊重義務が生じる投票資格者総数の4分の1を超え、玉城デニー知事が昨年9月の知事選で得票した約40万票も上回った。県は埋め立て承認撤回は現在も有効との立場のため、県民投票を理由にした再撤回は現在検討していない。ただ、政府は埋め立て予定海域の軟弱地盤などに対応するため従来予定していない工事を玉城知事へ申請する見通しで、『反対』の民意は知事が不許可の判断を下す後ろ盾となりそうだ。」、と報じた。
②「新基地建設は2013年の埋め立て承認後に発覚した新たな問題を複数抱える。特に、大浦湾側の軟弱地盤は地盤改良のため世界で実績がない水面下90メートルに砂(すな)杭(ぐい)を地盤に打ち込む工事や、7万7千本の砂杭の材料となる650万立方メートルの砂利の調達方法が不明などの問題が指摘されている。必要な砂利は県内の年間採取量の数年分に当たる。」
③「政府が工事の変更を申請した場合、県は行政手続きの一環として審査する。だが、知事が最終判断する場面で、県民投票で初めて純粋に示された反対の民意が不許可を後押しする可能性は高い。」
④「県の埋め立て承認撤回を巡っては、沖縄防衛局が私人を救済する行政不服審査法(行審法)を根拠に国土交通相に一時的な執行停止、取り消しの審査の二つを請求した。国交相は執行停止を認め、県は総務省の第三者機関『国地方係争処理委員会』に不服を申し立てたが、却下された。ただ、国交相の判断はあくまでも撤回の一時的な執行停止にとどまり、本格的に撤回の効力を取り消すかの結論は出ていない。県は撤回は現在も有効との立場で、県民投票結果は現在の撤回の根拠を補強する要素になり得る。」
④「県は防衛局が行審法を利用した問題を近く司法に訴える考えだが、行政手続きを巡る訴訟のため、この段階では県民投票の結果が直接的に影響するとは考えにくい。国交相が撤回の効力を本格的に取り消す決定を下せば、撤回自体を巡る訴訟に発展する可能性があり、その場合は県民投票で示された民意を司法がどう判断するかが注目される。」   (政経部・銘苅一哲)


(4)沖縄タイムス-さすがに「民意じゃない」とは言い切れぬ……政府、辺野古推進に逆風-2019年2月25日 04:30


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票は反対が40万票を上回り、辺野古反対の強い民意が改めて示された結果となった。玉城デニー知事は民意を後ろ盾に、新基地建設断念を政府に求める構えだ。ただ、安倍政権が基地建設を強行するのは確実で、県と国の鋭い対立は続く。反対への投票を呼び掛けてきた『オール沖縄』勢力は4月の衆院補欠選、夏の参院選に照準を向けた。昨年知事選以降続く勝利を収めることで、辺野古反対の民意継続と国内世論の喚起を狙う。」                    (政経部・大野亨恭、銘苅一哲、東京報道部・大城大輔)
②「『単なる辺野古反対票ではない。米兵暴行事件、米軍機墜落など73年間の怒りが込められた反対票だ』。与党関係者は頬を紅潮させ、こう強調した。投票率は午後4時になっても4割にとどまっていた。50%を割れば政府が『民意ではない』と意義を矮小(わいしょう)化することが予想されていた。ただ、県幹部は『当初から県は投票率に重きは置いていない。大切なのは条例で知事が尊重するラインとした投票資格者総数の4分の1を超えるかだ』と落ち着いていた。」
③「『自民支持者も反対している。政府のやり方は許されない不条理なことだということを県民が表した結果だ』。新基地建設反対県民投票連絡会の呉屋守將共同代表は反対多数となった結果を受け、勝利宣言した。」
④「『5割を超えたか…』。政府関係者は投票率も半数を超えたことに、ため息交じりに語った。政府はこれまで、辺野古が争点に挙げられる知事選や首長選の結果が出ても『さまざまな施策について主張が行われるものだ』(菅義偉官房長官)などと、選挙結果に伴う辺野古の評価をかわしてきた。ただ、今回は辺野古の賛否だけを問うワン・イシューの結果だ。政府関係者は『さすがに民意ではないとは言い切れない』と本音を漏らす。辺野古を進める方針は変わらないが『反対の声が強まり、逆風になるのは確かだ』と語る。」
⑤「一方、自主投票を決め静観した自民側からは選挙への影響を懸念する声が上がる。県連関係者は『県は民意を全面に首相官邸や各党に辺野古断念を求める。そのたびに辺野古が話題になる』と不快感を示す。ただ、自民が『3択』に応じたことで県民投票の全県実施が実現した経緯がある。県連幹部は『やはり全県実施すべきではなかった』と声を落とし、こう吐き捨てた。『結局、県民投票はオール沖縄の政争の具にされただけではないか』」


(5)琉球新報-揺るがぬ「ノー」 県民投票「反対」7割超 反対市民「勝利だ」 「民主主義の大きな一歩」-2019年2月25日 06:00


①「沖縄の未来へ、県民の民意が示された。名護市辺野古への新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問うた24日の県民投票は『反対』が多数を占め、『賛成』『どちらでもない』を大きく上回った。基地建設に反対する県民は『民意の勝利だ』と喜びを爆発させた。『普天間の危険性除去を』『危険性を考えると辺野古も反対』など、一人一人が1票に託した思いは多様だが、沖縄の過重な基地負担の軽減を求める切実な願いは多くの県民が込めた思いだ。『ボールは日本国民に投げられた』。示された『辺野古埋め立て反対』の民意に日米両政府がどう答えるか、県民は注目している。」
②「午後8時。投票が締め切られると、名護市大南の新基地建設反対県民投票連絡会事務所に続々と市民が駆け付けた。『反対多数』との報道速報が流れると、市民らはグラスを高々と掲げ『辺野古は止められると肝に銘じ、明日からも頑張ろう』と誓い、歓声や指笛が割れんばかりに響いた。前名護市長で連絡会共同代表の稲嶺進さんは『辺野古のワンイシュー(単一争点)での結果だ。県民にとって大きな力になる』と喜び、民意を背に新基地建設阻止を改めて決意した。」
③「23日に糸満市の魂魄(こんぱく)の塔を出発し、北上していた『新基地建設反対県民投票連絡会』の若者らは24日午後7時半ごろ、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前に到着した。1950年代に米軍に土地を奪われた伊江村民が沖縄本島を歩いて縦断し実情を訴えた『乞食(こじき)行進』をイメージし、約80キロを徒歩と自転車で進んだ。足を引きずりながら2日間歩いていた連絡会青年局長で那覇市議の翁長雄治さんは反対多数の結果に『政府はそれでも工事を進めると言うのだろうか。ボールは日本国民に投げられた』と強調した。」
④「那覇市古島の教育福祉会館には『辺野古』県民投票の会のメンバー50人余が集まった。『埋め立て【反対】多数確実』の速報が流れると『おー』と声が上がった。報道陣の取材に応じた元山仁士郎代表は『政党や労働組合主導ではなく、市民による運動をつくることができた。沖縄の民主主義が大きく発展する一歩になった』。かみしめるように話す姿を、署名集めからここまで共に闘った仲間たちが見守った。」
⑤「政党や労組、企業などでつくる那覇市古島の新基地建設反対県民投票連絡会事務所でも『反対多数確実』の一報が流れ、万歳三唱に沸いた。報道陣の取材に応じた同会共同代表の呉屋守将金秀グループ会長は『ニュースを見ると8割が反対しており、自民党支持者も半数以上が反対している。政府の不条理なやり方は許せないということを表している』と意義を強調した。」


(6)沖縄タイムス-安倍首相、沖縄県民投票の結果「真摯に受け止める」 返還「先送りできない」と工事進める考え-2019年2月25日 09:45


 沖縄タイムスは、「【東京】24日に投開票された県民投票で、沖縄県名護市の辺野古沿岸部の埋め立てに『反対』が投票の7割を超える結果となったことを受けて、安倍晋三首相は25日午前、首相官邸で記者団に『結果を真摯(しんし)に受け止める』と答えた。その上で、米軍普天間飛行場の固定化や危険性の除去は避けなければならないとして、『普天間基地の全面返還に合意してから20年以上実現されていない。これ以上先送りすることはできない』と辺野古新基地建設を進める考えを示した。『反対』の結果に対しては『これまでも長年にわたって県民と対話を重ねてきたが、これからも理解をいただけるよう全力で県民との対話を続けていきたい』とした。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-県民投票から一夜明け…辺野古の工事進む 車両115台が基地内へ-2019年2月25日 11:39


 沖縄タイムスは、「名護市辺野古の米軍新基地建設の賛否を問う県民投票から一夜明けた25日午前、辺野古では、沖縄防衛局による工事が進められた。米軍キャンプ・シュワブのゲート前には、新基地建設に反対する市民約60人が座り込みに参加。『辺野古の海を埋め立てるな』と抗議の声を上げる中、機動隊が市民を排除し、資材を積んだ工事車両115台が基地内に入った。シュワブ沿岸ではこの日も埋め立て土砂が投入された。『N4』護岸では被覆ブロックの設置作業が進み、海上では抗議船1隻、カヌー9艇が抗議の声をあげた。抗議船の船長は『新基地反対の民意を尊重しない国の暴力だ』と批判した。」、と報じた。


(8)沖縄タイムス-県基地対策課「沖縄の米軍基地」5年ぶり改訂 辺野古の経緯盛り込む-2019年2月25日 14:15


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県基地対策課は19日、在沖米軍基地の概要や基地問題の推移をまとめた冊子『沖縄の米軍基地』(2018年12月改訂版)を発刊した。5年ぶりの改訂。」
②「本土復帰前の米軍基地の成り立ちから現在までの歴史や普天間飛行場返還問題の経緯、日米地位協定の改定に向けた取り組みなどを盛り込み、基地の概要や訓練区域・水域も紹介している。」
③「前回の2013年改訂版以降の出来事では、普天間移設に伴う名護市辺野古の埋め立てを13年12月に仲井真弘多元知事が承認し、翁長雄志前知事以降の県政は辺野古に反対し政府と協議にあたってきた経緯を盛り込んだ。」
④「同冊子は1975年から4、5年ごとに改訂し、今回はA4判529ページで2500部を発刊。政府や市町村、教育機関、県内外の図書館などに配布され、近く県のホームページでも公開する。」


(9)沖縄タイムス-沖縄県民投票:普天間飛行場を抱える宜野湾市 松川市長「民意測れたか疑念ある」-2019年2月25日 16:47


 沖縄タイムスは、「【宜野湾】県民投票で辺野古埋め立て反対多数の結果を受け、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長は『投票率が5割ほどで、民意が測れたのか疑念がある』と不満を口にした。宜野湾市でも6割強が反対だったことに『普天間の危険性除去の原点に触れられておらず、こうなるのは当然だ』と反論した。反対票が投票資格者総数の4分の1に達し、知事が首相や米大統領に結果を通知することに『知事の動き、政府の動向を注視しながら、どう行動を起こせるか考えたい』と話した。」、と報じた。


(10)沖縄タイムス-沖縄県民投票:名護市・渡具知市長「今後の参考に」-2019年2月25日 15:09


 沖縄タイムスは、「【名護】県民投票で辺野古埋め立てに『反対』票が多数を占め、投票資格者総数の4分の1も超えた結果について、辺野古を抱える名護市の渡具知武豊市長は評価を示さず、『県民が意思表示した事実を事実として受け止め、今後の参考にしたい』」と従来の見解を繰り返した。渡具知氏は『これまでも普天間飛行場の代替施設建設については反対の民意が多かったことに変わりはない。それでもさまざまな変遷の中で工事が進められてきたと認識している。今後も国と県の推移を注視したい』と述べるにとどめた。」、と報じた。


(11)琉球新報-「これが民主主義国家のやることか」 県民投票から一夜 埋め立て反対の民意が示されても続く工事-2019年2月25日 10:13


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【辺野古問題取材班】米軍軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題で、県民投票で『埋め立て反対』の民意が示されてから一夜明けた25日午前、沖縄防衛局は埋め立てに使用する土砂の搬出作業を名護市安和の琉球セメント安和桟橋で継続した。」
②「市民から『これが民主主義国家がやることか。あきれて言葉が出ない』など、怒りの声が上がった。」
③「安和桟橋では、工事車両が次々に土砂を運び込み、停泊している運搬船にベルトコンベアーで土砂を運んだ。作業は午前7時半から実施されている。」
④「新基地建設に反対する市民5人は『県民投票で民意は示された。土砂の運搬をやめて』などの声を上げた。本部町島ぐるみ会議の高垣喜三さんは『政府は工事を止めて、沖縄と話し合うべきなのに、作業が今日も続いている。あきれて言葉がない。沖縄で起きている問題について、日本国民全体が考えるべきだ』と憤った。」


(12)琉球新報-沖縄からの「異議申し立て」に本土の国民1人1人はどう向き合うのか-2019年2月25日 11:14-<大型解説>


①「辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票で、県民は戦後74年を経ても国内の米軍専用施設の7割が集中する現状に加えてさらに基地負担を背負わされることに『反対』の意思を示した。軟弱地盤の問題などで長期化が不可避となった工期や膨れ上がる予算について明確な説明を避けたまま、投票結果にかかわらず工事を継続して普天間の危険性を放置し続ける政府への批判が結果に反映されたとみられる。県民の選択は沖縄に寄り添わずに工事を強行する政府への『異議申し立て』として歴史に刻まれることになる。」
②「一方、県民投票の結果に法的拘束力はなく、国は引き続き工事を続けることを明言している。『反対』が投票資格者総数の過半数には届かなかったこともあり『【圧倒的民意】ではない』との声が政府内から上がっており、工事への影響は限定的だとの見方もある。
③「確かに投票率は52・48%にとどまったものの、得票数を見ると『反対』が『賛成』を4倍近く上回った。投票を通じて政治に参加する意思のある県民の圧倒的多数が辺野古移設に『ノー』の意思を示した意味は大きい。」
④「工事の継続は、主権者をないがしろにし、安全保障にかかる負担を一地域に過剰に押し付ける専制国家的な印象を国内外に発信することになる。」
⑤「県民投票条例に基づき、玉城デニー知事は首相と米大統領に結果を通知するが、日本政府が工事を止める見通しは現時点ではない。県の試算で13年かかる辺野古新基地が完成しても、条件を満たさなければ普天間飛行場は返還されないことになっており、『危険性除去が原点だ』と強調する政府自身が宜野湾市民を危険にさらす矛盾が生じている。」
⑥「埋め立て反対票を投じた県民の多くは、沖縄に負担を集中させる『構造的差別』の解消を求めているに違いない。今後は日米政府の対応が焦点となるが、普天間の危険性除去と、さらなる負担となる新基地建設を中止する必要性をどう考えて沖縄県民に向き合うかが本土の国民一人一人にも問われている。」
 (松堂秀樹)


(13)琉球新報-「沖縄県民のうむい受け止めて」 県民投票の会 元山仁士郎代表 「これで終わりではない」-2019年2月25日 10:51


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「『辺野古』県民投票の会の元山仁士郎代表は24日夜、沖縄県那覇市古島の教育福祉会館で会見し、名護市辺野古の埋め立て『反対』が投票者の大多数を占めた結果に『【ノー】の民意がより明確になった。政府は県民のうむい(思い)を重く受け止めてほしい。日本に住む一人一人が、自分のこととして考えてほしい』と述べた。投票率が50%を超えたことについては『ものすごく良かった』と話した。」
②「昨年4月の発足後、10万を超える署名を集め、条例制定を請求。曲折を経ながらも『沖縄のことは沖縄県民が決める』を合言葉に、全県実施にこぎ着けた。」
③「会見で元山代表は『沖縄の民主主義を大きく発展させる一歩になった』と述べ、県民投票が実施された意義を改めて強調した。その上で『これで終わりではない。県民の間で対話を続け、分断を乗り越えていきたい』と決意を示した。」



(14)琉球新報-沖縄県内の全市町村で反対多数 戦後史に節目刻む 基地の有無で違いも 辺野古県民投票-2019年2月25日 10:13


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票は24日、移設に反対する票が賛成票を圧倒的に上回った。反対票は、県民投票条例で知事が首相と米大統領に結果を通知することを定める『投票資格者総数の4分の1』を上回った。昨年9月の県知事選で移設反対を掲げ、当選した玉城デニー氏の得票数約39万6千票も越えた。自民、公明が静観する中でも県民の強固な民意が示されたことで、今後の政局に与える影響は大きいとみられる。識者は沖縄の戦後史で、今回の県民投票が持つ意義の大きさを指摘している。」
②「市町村ごとに見ると、全41市町村で反対が賛成を上回った。新基地建設が進む名護市では反対が73%、普天間飛行場を抱える宜野湾市でも66・8%となった。人口が最も多い那覇市でも、反対が75・1%となった。」
③「一方、米軍基地所在市町村と基地のない市町村で賛否の割合に違いがあったほか、尖閣諸島や自衛隊配備の問題を抱える先島地方では米軍基地に対する複雑な住民感情がうかがえる結果となった。」
②「投票資格者総数に占める反対票の割合は、名護市で36・7%となったほか、宜野湾市でも3割を超えた。那覇市でも4分の1を超える39・9%となった。投票率は52・48%で昨年の県知事選の63・24を10ポイント余下回った。市町村別で最も高かったのは座間味村の72・66%、最も低かったのは宮古島市の38・48%だった。宜野湾市は51・81%だった。米軍基地整理縮小などの是非が問われた1996年の県民投票の投票率は59・53%だったが、それを約7ポイント下回った。期日前投票が好調だった名護市、南城市はそれぞれ50・48%、56・05%だった。」




by asyagi-df-2014 | 2019-02-25 18:13 | 沖縄から | Comments(0)

2019年2月25日の朝-2月24日を超えて。(1)

 2019年2月25日の朝を、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、次のように報じた。


(1)沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が24日、投開票された。3択のうち、埋め立てに「反対」は43万4273票に上り、投票総数の71・7%を占めた。県民投票条例で定める知事の結果尊重義務が生じる投票資格者総数の4分の1を超え、昨年9月の知事選で新基地建設反対を訴えて当選した玉城デニー知事が獲得した過去最多得票の39万6632票も上回った。「賛成」11万4933票で、反対が賛成の3・8倍に達した。「どちらでもない」は5万2682票。投票資格者総数は115万3591人で、投票総数は60万5385人。注目された投票率は52・48%だった。
(2)県民が新基地建設のみに絞って直接賛否を示す初の投票で、昨年の知事選などでも示された新基地建設反対の民意がより明確に示された。菅義偉官房長官は投票結果に関わらず工事を進める方針を示しており、政府の対応次第では県民の反発がさらに強まることは必至だ。県民投票に法的拘束力はないが、条例では3択の中で得票の多い方が4分の1に達したときは知事は結果を尊重し、首相や米大統領に通知すると定める。
(3)県民投票の条例制定を請求した「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郎代表は「沖縄の人の『うむい』(思い)を重く受け止めてほしい」と訴えた。
(4)県民投票を巡っては、5市長が一時不参加を表明したが、全県実施へ賛否の2択から新たに「どちらでもない」を加えることで県議会の全会派が合意し、知事提案で条例を改正。県議会の県政与党は労組や企業などで構成する「新基地建設反対県民投票連絡会」を立ち上げ、街頭などで「反対の圧倒的民意を」と訴えた。一方、県政野党の自民や中立の公明、維新は自主投票として静観した。
(5)都道府県単位の住民投票は1996年9月に沖縄県が実施した、日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小の賛否を問う県民投票以来、全国2例目。96年の投票率は59・53%だった。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-25 07:12 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う県民投票が始まった。(3)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う沖縄県の県民投票(以下、「県民投票」)が2019年2月14日、告示された。
この県民投票は、日本という国のあり方、日本という国の民主主義の未来を規定する意味を持つ。
 しかし、安倍晋三政権を担う菅官房長官は、相も変わらず、「『住環境や生活環境に十分配慮しながら進める考え方に変わりはない』と話し、投票結果に関わらず移設工事を進める考えを示した。」(琉球新報)、との会見での発言に留まっている。
また、菅官房長官の「県民投票に向け、政府や与党として移設に理解を得る取り組みをするかについては『(自主投票を決めた自民党)県連の意思が優先される』とした上で『移設の必要性はあらゆる所で答えてきた』と語った。投票が行われる24日までの間、工事を止めることについては『考えておりません』と否定した。」、との発言を伝えた。
一方、愛媛新聞(以下、「愛媛」)は、2019年2月17日の社説で、「沖縄県民投票告示 全国民で国の在り方を考えたい」、とその見解を明確にした。
「愛媛」の主張は、次のものである。


(1)県民投票の結果は国への法的な拘束力はないが、辺野古移設に絞って県民が直接民意を示すのは初めてであり、意義は大きい。県民は投票までの期間中、異なる意見を尊重しながら議論をじっくり深めてほしい。基地問題は日本全体の問題であり、国民は県民投票を見守るとともに当事者として国の在り方を考えなければならない。
(2)当初の県民投票は「賛成」か「反対」の2択だった。だが、政権と協調関係にある市長らが「多様な民意を推し量るのが難しい」として不参加を表明したため、「どちらでもない」を加えることで実施に至った。民意を明確化するという観点では後退したが、有権者の3割が投票できないという最悪の事態を回避しようとした苦渋の決断だ。
(3)条例では、最も多い得票だった選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事はその結果を尊重しなければならないと定めている。選択肢が一つ増え、移設反対を掲げる県にとっては4分の1というハードルが上がった格好だ。さらに「どちらでもない」の評価が難しく、投票後に混乱も懸念される。投票率や議論の中身も踏まえ、総合的に評価する必要がある。
(4)これまで県民投票を実施するための環境整備に時間や労力が費やされ、基地負担や安全保障上の必要性など本質的な論議が深まっていない。こうした状況で移設容認の立場の自民党は自主投票で静観し、議論の盛り上がりを避けようという構えを見せている。県民の意思を示す貴重な機会である。政府が主張する辺野古移設の妥当性や普天間の危険性除去などについて議論を尽くすよう求めたい。


 他方、「愛媛」は、安倍晋三政権に対しても、次のこと要求する。


(1)県民投票に合わせて、辺野古移設工事を加速させた政府の姿勢は看過できない。昨年12月に埋め立てのための土砂投入を開始し、今年1月には新たな護岸造成に着手した。既成事実を積み重ね、反対派の無力感を誘う狙いが透けて見える。
(2)埋め立て予定海域では海底に軟弱地盤が確認されており、政府は今春にも設計変更の作業に着手する方針だ。県の試算では費用が跳ね上がり、工期も大幅に延びるとみられるが、政府は費用や工期を具体的に示していない。県民の投票行動にも関わる問題であり、政府は説明責任を果たすべきだ。
(3)政府は県民投票の結果にかかわらず辺野古移設を進める方針を表明している。苦悩の末に県民投票にこぎ着けた沖縄県民の思いを踏みにじる態度と言わざるを得ない。事態が混迷した責任は政府にあり、民意に向き合うのは最低限の責務であると肝に銘じなければならない。


 「愛媛」は、沖縄県民に向かって、「県民の意思を示す貴重な機会である。政府が主張する辺野古移設の妥当性や普天間の危険性除去などについて議論を尽くすよう求めたい。」、と投げかける。
一方、「基地問題は日本全体の問題であり、国民は県民投票を見守るとともに当事者として国の在り方を考えなければならない。」、と自らの立ち位置を示してみせる。
ハッキリしているのは、「愛媛」が、24日以後の行動を問われているということだ。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-24 19:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う県民投票が始まった。(2)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う沖縄県の県民投票(以下、「県民投票」)が2019年2月14日、告示された。
この県民投票は、日本という国のあり方、日本という国の民主主義の未来を規定する意味を持つ。
 しかし、安倍晋三政権を担う菅官房長官は、相も変わらず、「『住環境や生活環境に十分配慮しながら進める考え方に変わりはない』と話し、投票結果に関わらず移設工事を進める考えを示した。」(琉球新報)、との会見での発言に留まっている。
また、菅官房長官の「県民投票に向け、政府や与党として移設に理解を得る取り組みをするかについては『(自主投票を決めた自民党)県連の意思が優先される』とした上で『移設の必要性はあらゆる所で答えてきた』と語った。投票が行われる24日までの間、工事を止めることについては『考えておりません』と否定した。」、との発言を伝えた。
一方、沖縄県の二紙は、「県民投票きょう告示 高投票率で民意示したい」(琉球新報)、「[県民投票きょう告示]沖縄の将来像を語ろう」(沖縄タイムス)、とその主張を社説で明確にする。
この二紙で、「県民投票」について考える。
まず、琉球新報(以下、「新報」)は、「県民投票に法的拘束力がないことを強調してその意義を軽んじる意見もある。しかし、個別の課題で民意を直接示すことの重要性は、いくら強調してもし過ぎることはない。熟考して1票を投じ、明確に民意を示したい。」、と沖縄県民にとっての「県民投票」の意義を明確にする。
また、「新報」は、「県民投票」について、次のように押さえる。


(1)昨年9月の県知事選をはじめとして選挙で新基地反対の民意が何度も明らかになってきた。にもかかわらず、安倍政権は選挙結果を無視して工事を強行してきた。また、この間の県内選挙で、政権の支援を受けた候補は新基地への賛否を明確にせず、公開の討論会も避けるなどして、争点隠しを徹底した。マスメディアが「新基地の是非が事実上の争点」と報じても、選挙戦の中では議論として盛り上がらず、有権者の判断材料は乏しかった。このような争点隠しと選挙結果無視の中で、今回の県民投票が必要とされたのである。
(2)論点は単純ではない。辺野古の自然環境の保護か、普天間飛行場の危険性の除去かという二者択一ではない。
(3)大浦湾の軟弱地盤のために、工期の長期化、費用の増大は避けられない。技術的に可能なのかどうかさえ専門家から疑問符が付けられた。普天間は本当に返還されるのか、それはいつなのか、政府は説明を拒んでいる。
(4)それ以前に、普天間飛行場を拠点とする米海兵隊は必要なのか。沖縄にいる必要があるのか。本当に抑止力になっているのか。そもそも抑止力とは何か。こうした根本的な問題も議論されるべきだ。


 さらに、新法は、次のことを指摘する。


(1)今回、県政野党である自民党県連と中立の公明党県本部は自主投票を決定した。賛否いずれの立場にも立てないとしても、沖縄の未来に関わる議論を傍観すべきではない。
(2)当初、県議会の賛成多数で決定した条例は「賛成」「反対」の2択だった。しかし、実施のための予算が5市で否決され、有権者の31%が投票権を行使できなくなる事態となった。結局、与野党が折り合う形で「どちらでもない」を加えた3択で全県実施が実現した。
(3)このような経緯を踏まえれば、自民党も公明党も積極的に議論に参加すべきだ。2択を批判した際の「普天間の危険性除去が置き去りにされる」とか「賛成・反対だけでは乱暴」といった論点も、改めて議論すべきである。


 最後に、新法は、次のように結論づける。


 「沖縄の戦後史は人権と民主主義、自己決定権を求めてきた歴史である。今回の県民投票が実現した経緯、全県実施を巡る曲折も、民主主義実現の実践だった。その成否は投票率の高さで示される。結果は世界から注目されている。力強く県民の意思を示すため、投票率を高める努力が必要だ。」


 次に、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、「『ようやく』という言葉がふさわしいのかもしれない。」と差へ表現する今回の「県民投票」の意味を次のように押さえる。


(1)1996年に実施された県民投票は、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定見直しの賛否を問うものだった。
(2)辺野古埋め立ての賛否を問う今回は、結果次第では、沖縄の民意を反映した「実質的な負担軽減」を求める声が国内外で高まる可能性がある。政府は「辺野古が唯一の選択肢」だと繰り返し主張してきた。辺野古では今も、連日のように土砂投入などの埋め立て作業が続いている。
(3)今さら法的拘束力もない県民投票を実施する必要がどこにあるのか-そんな声は今もある。だが、県民投票を実施する最大の理由は、まさにそこにある。「他に選択肢がない」という言い方は、政策決定によってもっとも影響を受ける者の声を押しつぶし、上から目線で「これに従え」と命じているのに等しい。実際、選挙で示された民意はずっと無視され続けてきた。
(4)県民投票は、戦後74年にわたる基地優先政策が招いたいびつな現実を問い直す試みでもある。


 「タイムス」は、「軟弱地盤の改良工事のため、当初の予定を大幅に上回る工期と建設経費がかかることも明らかになってきた。状況が変わったのだ。」との論調とともに、「米軍普天間飛行場の一日も早い危険性除去をどう実現すべきか。辺野古の自然環境は果たして保全されるのか。埋め立ての賛否を考える上で避けて通れないのは、この二つの論点である。」、埋立是非の論点を明確にする。
 また、新たな問題点も次のように把握する。


(1)自民党県連や公明党県本は、積極的に運動することはせず静観の構えで臨むという。政党としての立ち位置を明確にするためにも自公両党にはそれぞれの考えを示し、積極的に県民投票にかかわってほしい。
(2)選択肢が2択から3択に変わったのは、与野党がぎりぎりの段階で歩み寄った結果である。3択になったことで「どちらでもない」という選択肢の結果をどう評価するか、という新たな難題を抱えることになった。「賛成」よりも「反対」よりも「どちらでもない」の選択肢が多かった場合、玉城デニー知事は、後ろ盾を失うことになる。知事にとっては大きな痛手だ。


 再議に、「タイムス」は、今回の「県民投票」結果の今後について、次のように押さえる。


(1)県民投票に法的な拘束力はない。どのような結果になっても計画通り工事を進める、というのが政府の考えである。しかし、「反対」が多数を占めた場合、玉城知事は辺野古反対を推し進める強力な根拠を得ることになる。
(2)県民投票によって、疑う余地のない形で沖縄の民意が示されれば国内世論に変化が生じるのは確実だ。
(3)政府が辺野古での工事を強行しているのは、県民投票を意識している現れでもある。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-24 18:57 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う県民投票が始まった。(1)

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での埋め立ての賛否を問う沖縄県の県民投票(以下、「県民投票」)が2019年2月14日、告示された。
この「県民投票」は、日本という国のあり方、日本という国の民主主義の未来を規定する意味を持つ。
 しかし、安倍晋三政権を担う菅官房長官は、「『住環境や生活環境に十分配慮しながら進める考え方に変わりはない』と話し、投票結果に関わらず移設工事を進める考えを示した。」(琉球新報)、との会見での発言に相も変わらず留まっている。
また、菅官房長官の「県民投票に向け、政府や与党として移設に理解を得る取り組みをするかについては『(自主投票を決めた自民党)県連の意思が優先される』とした上で『移設の必要性はあらゆる所で答えてきた』と語った。投票が行われる24日までの間、工事を止めることについては『考えておりません』と否定した。」、との発言が伝えられている。
 こうした官房長官の発言は、国民には何ら具体的な説明をすることなく、「辺野古が唯一の選択」や「沖縄の基地負担軽減」と繰り返すだけで、強硬な姿勢を見せ続けることが「強い政治」「決定できる政治」の証明になるとばかりに愚かな政治を変えきれないという安倍晋三政権の愚民政策の現状を浮き上がらせている。


一方、地方紙と言われる各新聞社は2019年2月14日、次のように明確な意見を社説・論説で示している。


(1)琉球新報社説-県民投票きょう告示 高投票率で民意示したい-
(2)沖縄タイムス社説-[県民投票きょう告示]沖縄の将来像を語ろう-
(3)茨新聞論説-沖縄県民投票きょう告示 問われる「本土」の意識-
(4)信濃毎日新聞社説-沖縄の県民投票 国民全体の問題として-
(5)岩手日報論説-沖縄の県民投票告示 国は無視を決め込むか-
(6)福井新聞論説-沖縄県民投票告示 国民が考える機会とせよ-
(7)山陰中央新報論説- 沖縄県民投票きょう告示/問われる「本土」の意識-
(8)南日本新聞社説-[[県民投票告示] 国民全体で沖縄に目を-
(9)中国新聞社説-沖縄県国民投票告示 基地負担を直視しよう-
(10)大分合同新聞論説-沖縄県民投票 是非は全国民の問題-


 この見出しをまとめると、「基地負担を直視しよう」から始まり、「問われる『本土』の意識」「国民全体の問題として」「国民が考える機会とせよ」「国民全体で沖縄に目を」「是非は全国民の問題」、と現在の日本はまさしく日本の民主主義が問われていると位置づけている。その上で、日本政府に「国は無視を決め込むか」、と「異論」を日本政府に突きつけているのがわかる。
なお2月14日現在、中央紙はどこも社説で取りあげていない。
ここでは、1.国民全体の問題として捉える意味、2.「県民投票」をとおして日本政府に要求すること、の二つの観点から、沖縄県紙以外の各紙の主張を見てみる。
 驚かされるのは、その見解が明確であるということである。また、安倍晋三政権側の愚民政策をもあわせて批判している。


1.国民全体の問題として捉える意味

(茨新聞論説)
(1)辺野古移設の是非を沖縄県民だけに問うのは妥当だろうか。辺野古移設は政府が進めている計画であり、日本の安全保障政策上の観点から抑止力の維持をその理由に挙げている。日本全体の安保政策であるならば、その是非は全国民が考えなければならない問題だろう。問われるのは「本土」の側の意識であり、県民投票を機会に国民一人一人が当事者としてその是非を考えたい。
(2)県民投票は、議員を通じた間接民主制では把握しきれない個別事案への意識を問う直接民主制の手法であり、間接民主制を補完するものだ。一方で、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票のように、混乱や市民の分断を招く恐れも指摘される。だが沖縄県民が分断されるとすれば、その原因は誰がつくっているのか。本土の側の責任こそを自覚すべきだろう。

(信濃毎日新聞社説)
(1)基地問題は国民全体で考えなければならない問題である。政府のごり押しが続く現状に改めて目を向け、結果を見守りたい。

(岩手日報論説)
(1)2000年施行の地方分権一括法で、国と地方の関係は「上下」から「対等」へと転換した。投票結果に拘束力はないとはいえ、国が無視を決め込むのは妥当なのか。今回の県民投票は、国と地方の関係を考える上で貴重な国民的体験ともなるだろう。
(2)もちろん投票結果は本土に跳ね返る。安全保障に関わる問題の重さから、われわれも対話を求められているとの認識を持たなければならない。

(福井新聞論説)
(1)だが、民意が求める地位協定の抜本的な見直しがなされないばかりか、在日米軍専用施設の7割が沖縄に集中している。こうした現状は一義的には「防衛は国の専権事項」としてきた政府の責任だ。一方で「本土」の国民は真剣に向き合ってきただろうか。今回の県民投票では傍観者然とせず、その是非を考える機会としなければならない。
(2)県民投票が新たな分断を生むと危惧する声もある。しかし、それ以上に長年民意が顧みられない構図が分断をあおってきたのではないか。対等であるべき国と地方自治体の関係を無視し、アメとムチを使い分けてきた政府の姿勢がもたらした結果だ。それを黙認してきた本土の国民も責任を自覚する必要がある。

(山陰中央新報論説)
(1)だが辺野古移設の是非を沖縄県民だけに問うのは妥当だろうか。辺野古移設は政府が進めている計画で、日本の安全保障上の観点から抑止力の維持をその理由に挙げている。日本全体の安保政策であるなら、その是非は全国民が考えなければならない問題だろう。問われるのは「本土」の側の意識で、県民投票を機会に国民一人一人が当事者としてその是非を考えたい。
(2)県民投票は、議員を通じた間接民主制では把握しきれない個別事案への意識を問う直接民主制の手法で、間接民主制を補完するものだ。一方で英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票のように混乱や市民の分断を招く恐れも指摘される。だが沖縄県民が分断されるとすれば、その原因は誰がつくっているのか。本土の側の責任こそを自覚すべきだろう。

(南日本新聞社説)
(1)政府は、日本の安保政策上の観点から抑止力の維持を辺野古移設の理由に挙げている。日本全体の安保政策のために辺野古移設が必要だとするのなら、その是非は全国民で考えるべき問題ではないか。
(2)鹿児島県にとっても、在日米軍を巡る問題はよそごとではない。西之表市の馬毛島は米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)の移転が検討されている。岩国基地(山口県岩国市)に移駐した在日米軍給油機部隊は、訓練のローテーション展開先として鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地を使用することになっている。
(3)沖縄県民投票を、国民一人一人が安保問題の当事者として考える機会としたい。

(大分合同新聞論説)
(1)だが、辺野古移設の是非を沖縄県民だけに問うのは妥当だろうか。辺野古移設は政府が進めている計画であり、日本の安全保障政策上の観点から抑止力の維持をその理由に挙げている。日本全体の安保政策であるならば、その是非は全国民が考えなければならない問題だろう。
(2)県民投票は、議員を通じた間接民主制では把握しきれない個別事案への意識を問う直接民主制の手法であり、間接民主制を補完するものだ。一方で、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票のように、混乱や市民の分断を招く恐れも指摘される。だが沖縄県民が分断されるとすれば、その原因は誰がつくっているのか。本土の側の責任こそを自覚すべきだろう。


2.「県民投票」を通して日本政府に要求すること

(茨新聞論説)
(1)県民投票は、最も多い得票の選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事は結果を尊重するとともに首相と米大統領に速やかに通知すると定めている。政府が結果を厳粛に受け止めるべきなのは言うまでもない。

(信濃毎日新聞社説)
(1)それでもあえて県民投票に踏み切るのは、政府が沖縄の声に耳を傾けることなく、工事を強行しているためだ。改めて明確な形で民意を示し、断念を迫ろうという切実な思いからである。政府は重く受け止めなくてはならない。
(2)普天間の危険除去のため辺野古が「唯一の解決策」と繰り返す政府の姿勢が対立や分断を生んできた。県民が広く納得できる基地負担軽減策を県とともに模索するよう改めて求める。

(岩手日報論説)
(1)埋め立て予定海域では、大規模な改良が必要な軟弱地盤の存在が顕在化。これまで国が県に示してきた工期や費用は大幅に変更される可能性があるが、政府は今国会でも詳細を明らかにしていない。肝心の普天間返還の時期が一層不透明さを増す中で、国は早期に認識を示してもらいたい。投票前に、それくらいの「誠意」はあっていい。

(福井新聞論説)
(1)普天間の固定化回避は玉城氏にとって重要命題だ。新基地とは切り離して普天間返還を目指す方策について説明を求めたい。「反対」の民意が示されたとき、安倍政権こそが向き合うべき課題でもある。辺野古の軟弱地盤対策に長期間を要するとの試算もある。危険性が解消されない普天間の運用停止に向け米側と早急に話し合うべきだ。

(山陰中央新報論説)
(1)県民投票は、最も多い得票の選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事は結果を尊重するとともに首相と米大統領に速やかに通知すると定めている。政府が結果を厳粛に受け止めるべきなのは言うまでもない。

(南日本新聞社説)
(1)政府は昨年12月に辺野古沿岸部での埋め立て工事に着手し、投票結果にかかわらず工事を進める構えを崩していない。根底には「安全保障政策は政府の専権事項」という考え方がある。しかし、民意を顧みずに民主主義国家と言えるのか。問われるのは政府の姿勢である。


 この一連の社説・論説だけでも、次のように受け止めることができる。
あまりに、安倍晋三政権との「差」は大きいことに唖然とする。。


1.「県民投票」を、どのように受けとめることができるのか。

①悲惨を極めた戦争体験を経て、「基地の島」と言われるに至る現実を、今を生きる県民自身がどう受け止め、どう次世代に伝えていくか。若者が提起した問題意識が単に集票を争うだけにとどまらず、「悩みながら」投票する過程で老若がひざすり合わせ、対話を深める動機付けになることを期待したい。(岩手日報)

2.本来、この「県民投票」は何を訴えているのか

①日本全体の安保政策のために辺野古移設が必要だとするのなら、その是非は全国民で考えるべき問題ではないか。(南日本新聞)
②問われるのは「本土」の側の意識であり、県民投票を機会に国民一人一人が当事者としてその是非を考えたい。(茨新聞論説)
③沖縄県民が分断されるとすれば、その原因は誰がつくっているのか。本土の側の責任こそを自覚すべきだろう。(茨新聞論説)
④それでもあえて県民投票に踏み切るのは、政府が沖縄の声に耳を傾けることなく、工事を強行しているためだ。改めて明確な形で民意を示し、断念を迫ろうという切実な思いからである。政府は重く受け止めなくてはならない。(信濃毎日新聞社説)
⑤普天間の危険除去のため辺野古が「唯一の解決策」と繰り返す政府の姿勢が対立や分断を生んできた。県民が広く納得できる基地負担軽減策を県とともに模索するよう改めて求める。(信濃毎日新聞社説)

3.「県民投票」はどういうことをもたらすのか。

①今回の県民投票は、国と地方の関係を考える上で貴重な国民的体験ともなるだろう。(岩手日報)
②沖縄県民投票を、国民一人一人が安保問題の当事者として考える機会としたい。(南日本新聞}

4.政府への要求。

①肝心の普天間返還の時期が一層不透明さを増す中で、国は早期に認識を示してもらいたい。投票前に、それくらいの「誠意」はあっていい。(岩手日報)


 確かに、今回の「県民投票」は、「国と地方の関係を考える上で貴重な国民的体験」(岩手日報)であり、「国民一人一人が安保問題の当事者として考える機会」(南日本新聞}である。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-24 18:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る