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沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年9月29・30日

琉球新報は今回も、日本という国の安全保障の「構造」の一端を、記事で伝える。
「米軍普天間飛行場と嘉手納基地周辺で沖縄県などが実施する騒音測定調査によると、9月に入り騒音発生回数が減少している。普天間に近い宜野湾市新城で1日当たりの騒音発生回数が8月の37・4に対し、9月は半分以下の15・3回にとどまった。県外で訓練を実施していることが背景にあるとみられる。」、と。
 「山口県の岩国基地で米軍機の動向を確認している戸村良人さんによると、普天間所属のヘリやオスプレイは9月14日以降、岩国を拠点に訓練している。米軍のウェブサイト『dvids』では東シナ海で訓練する様子が掲載されている。」。
このことの意味をしっかりと確認しなければならない。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年9月29・30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-米軍機騒音、9月減 普天間・嘉手納、県外で訓練-2018年9月30日 12:28


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場と嘉手納基地周辺で沖縄県などが実施する騒音測定調査によると、9月に入り騒音発生回数が減少している。普天間に近い宜野湾市新城で1日当たりの騒音発生回数が8月の37・4に対し、9月は半分以下の15・3回にとどまった。県外で訓練を実施していることが背景にあるとみられる。」
②「9月の1日当たりの騒音回数は、宜野湾市大謝名で8月の36・3回から16回に、市野嵩で8月の28・1回から11・3回に、市我如古で8月の16・7回から4・3回に、市真志喜で8月の26回から8回に減った。」
③「山口県の岩国基地で米軍機の動向を確認している戸村良人さんによると、普天間所属のヘリやオスプレイは9月14日以降、岩国を拠点に訓練している。米軍のウェブサイト『dvids』では東シナ海で訓練する様子が掲載されている。」
④「嘉手納周辺での9月の1日当たりの騒音発生回数は、嘉手納町屋良で8月の35・8回から30・5回に、町嘉手納で8月の32回から30・5回に減少した。」
⑤「防衛省によると、訓練移転の一環で9月10日から21日まで、嘉手納所属のF15戦闘機12機ほどと人員約290人が米準州グアムのアンダーセン空軍基地などに移っていた。」


(2)沖縄タイムス-異例で異様な知事選 沖縄の将来を左右 本紙政経部長の視点-2018年9月30日 13:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「異例で異様な知事選だと感じた人も多かったに違いない。」
②「翁長雄志前知事の急逝で選挙が大幅に早まった。超短期決戦となり選挙自体が見えづらかったし、最後は台風の直撃も受け、日程を切り上げる形で選挙戦を終える展開となった。異例の連続が結果にどう影響を及ぼすかは見通せない。」

③「本紙などの調査に対し、知事選で『基地問題』を重視すると答えた有権者が多数を占めた。辺野古新基地建設問題が焦点化した4年前と同様、『経済の活性化』を上回った。」
④「今回も辺野古問題の是非が最大の争点である。新基地建設を推進する安倍政権・与党本部が死に物狂いで、テコ入れを図ってきたのも、このことを証明している。選挙結果が、辺野古新基地計画に重大な影響を及ぼすことになるからだ。それなのに、選挙戦で辺野古の是非について議論が深まることはなかった。異様さはここに尽きる。」
⑤「翁長前知事の後継の玉城デニー氏(58)は新基地に反対を明言した。だが、先の展望は見えなかった。政府・与党から全面支援を受ける佐喜真淳氏(54)は、普天間飛行場の早期返還は訴えた。だが、辺野古については最後まで賛否を明らかにせず、選挙戦を終えた。」
⑥「1996年の普天間返還の日米合意から知事選は6回目となる。普天間の移設について候補者の姿勢が明示されずに選択が迫られるのは、初めてである。結果によっては新基地の行方を決定づける選挙で、深められるべきことが深められず、1票を投じる判断材料が十分に提供されなかったのは残念である。」
⑦「辺野古についての問いは基地問題にとどまらない。沖縄と政府の関係性はどうなっていくのか。憲法が規定する地方自治とは何か、地方と中央の関係はどうあるべきなのか-。選挙結果は、さまざまな分野に波及することになるだろう。」
⑧「沖縄の将来を決定する岐路ともなる知事選である。一人一人が未来と、次の世代に大きな責任のある1票であることを胸に、投票に臨んでもらいたい。」         (沖縄タイムス政経部長 宮城栄作)




by asyagi-df-2014 | 2018-09-30 17:51 | 沖縄から | Comments(0)

安倍晋三政権と沖縄

 2018年9月30日。
 沖縄県知事選挙という大きな節目を迎える。またもや、沖縄にその命運を委ねるのかという忸怩たる想いの中で、
 OKIRONで、宮城大蔵上智大学教授は、「安倍政権の『幕引き』と沖縄上・下」を著し、安倍晋三政権と沖縄について次のように指摘した。
 一部を紹介する。


(1)さて、このように「キャッチフレーズ羅列」の第二次安倍政権の中にあって異彩を放つのが、実行ありきとばかり突き進んできた普天間・辺野古問題である。強固な政権基盤という安倍政権が手にした政治的資産は、消費税や社会保障をめぐる国内合意の調達といったハードルの高い問題には振り向けられず、その一方で辺野古新基地に反対して登場した翁長雄志県政を圧迫することには徹底的かつ熱心に用いられた。
(2)その手法も一括交付金の増減に始まり、強引な法解釈や県や名護市を頭越しにした集落単位への補助金交付など、実に芸が細かい。安全保障環境の変容に応じた態勢整備といった「大きな絵」は語られず、もっぱら「唯一の解決策」という決まり文句の反復ばかりである。細々とした微細な工作に用いる政治的エネルギーを、もう少し国政指導者に相応しい、歴史と国際情勢を踏まえた大局的な政治に向けられないものか。
(3)そんな歯がゆさを感じていたのだが、なるほど考えてみれば普天間・辺野古問題に安倍首相が直接的に関わった気配はほとんどない。もっぱら菅義偉官房長官の管轄する問題となってきた。上述のような日常業務的な手練手管も、同氏のキャラクターの反映なのであろう。
(4)菅氏にとっては、「県外移設」の公約を翻させ、水面下で「話しをつけた」はずの仲井真弘多前知事を選挙で下して登場した翁長知事と協議に応じることは、自らの政治手法の否定につながりかねず、自らの権勢を掘り崩す「蟻の一穴」と見えたのであろうか。また、翁長氏との感情的なしこりもあっただろう。だが結果として、菅氏が主導した強硬一辺倒の対応が、この問題を必要以上にこじらせてしまったことは確かである。筆者もこの問題について、自民党の重鎮が「官房長官がねえ・・・」と漏らすのを耳にしたことがある。


 また、沖縄知事選挙については、次のように触れる。


(1)自公が異例のテコ入れをする佐喜真淳候補、翁長知事の遺志を継ぎ、「オール沖縄」を標榜する玉城デニー候補。だが、どちらの候補が勝っても、普天間・辺野古をめぐるこれまでの政府側の強硬策は見直しを迫られるのではないか。そのとき安倍首相は・・・。
(2)折しも9月30日に翁長後継を選ぶ沖縄県知事選挙が実施される。官房長官は危機対応の要として東京を離れないというのが歴代政権での慣行であるが、菅氏はこれを顧みず、再三にわたって選挙応援のために沖縄入りしている。それ自体が問題のはずだが、それだけ同氏も必死なのであろう。とはいえ、仮に政権側が推す佐喜真淳氏が当選したとしても、各種世論調査によれば県民の7割前後は辺野古新基地に反対である。政権側の強硬策を丸呑みするようでは、佐喜真氏も知事としてもたないのではないか。また、同氏を推薦し、支持母体の創価学会ともどもひときわ熱心に選挙運動をしている公明党だが、公明党県本部は「県外移設」を維持したままという事情がある。安倍政権も、政敵と化した翁長知事相手だったので問答無用の強硬姿勢をとってきたが、佐喜真氏が知事となれば、何らかの対応が必要になるのではないだろうか。
(3)逆に玉城デニー氏が当選となれば、国政レベルでも安倍政権への打撃は甚大である。求心力の衰えが加速する中で、辺野古新基地だけは強引に推進という異様さがどこまで維持できるだろうか。また、当面は無理に工事を進めても、いずれ設計変更に伴う知事の承認は不可避で、工事が行き詰まる可能性は高い。そもそも地元の知事と全面対立しながら工事を進めていることが異常なのである。
(4)こうしてみれば今回の県知事選挙は、政権側の強引な対応によってこじれてしまった普天間・辺野古問題を本来の軌道に載せる好機だといえる。本来の軌道とは、政府と県が十分な協議を通じてどのようなものであれば沖縄にも受け入れ可能なのかを探り出す作業である。それが本来、政治が果たすべき役割なのである。


 宮城大蔵上智大学教授は、安倍晋三について、こう指摘する。


(1)大規模な金融緩和からの出口の難しさを考えれば、安倍政権の看板政策である「アベノミクス」が、負の遺産としてはともかく、肯定的な意味で歴史に残ることはないだろう。日露交渉も拉致問題も行き詰まり、憲法改正も「言っただけ」で後を継ぐ後継者も見当たらない。荒涼たる光景の中で、沖縄の抵抗を押し切って辺野古新基地を建設することが、安倍政権の代表的な「実績」になるのだろうか(もっとも、現政権のうちに新基地が完成することはあり得ないのだが)。多くの問題点が指摘される中で強引に成立させたという点では、先日のカジノ法案も思い起こされる。「辺野古とカジノが置き土産」などと揶揄されては、安倍首相もいたたまれないであろう。
(2)安倍首相が敬愛してやまない祖父・岸信介の代表的な業績といえば日米安保改定(1960年)である。安保改定といえば、なんといっても戦後最大の抗議運動が耳目をひくが、改定された条約の内容自体は、在日米軍の出動に関わる事前協議制度の導入など、日米をより対等な関係に近づけるものであった。また、岸は「両岸」と揶揄されたように、イデオロギーや立場を越えて気脈を通じる老練さと奥深さを備えていた。
(3)そして岸の弟、すなわち安倍首相の大叔父にあたる佐藤栄作は、沖縄返還を悲願として、その実現に政治生命をかけた。戦後の首相として初めて沖縄を訪れた際(1965年)、佐藤が那覇空港で述べた「沖縄が本土から分かれて20年、私たち国民は沖縄90万のみなさんのことを片時たりとも忘れたことはありません」「沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって戦後が終わっていないことをよく承知しております」というスピーチは、戦後政治史を代表する演説であった。
(4)その血脈を継ぎ、保守を掲げる安倍首相である。保守の根幹とは、歴史と国民統合である。引くに引けなくなった官房長官と一蓮托生となってアメリカの一基地の返還・移設をここまで政治化し、一部における沖縄ヘイトの風潮まで生み出してしまったことについて、安倍首相は、内心では不本意なのではなかろうか。しかし、仮にそうであったとしても、この政権下での施策はすべて、安倍首相の名前で歴史に刻まれる。


 だから最後に、宮城大蔵上智大学教授は、締めくくる。


「今からでも遅くはない。知事選後という好機に、普天間・辺野古問題を本来の軌道に載せるべく、指導力を発揮して欲しい。このままではいずれ天上で祖父や大叔父に対面したとき、彼らがなした政治的営為に、深く傷をつける軽率な政治であったと白眼視されるのではないか。だから本稿【上】の冒頭のように思うのである。『本当にそれでいいのですか?』」


 宮城大蔵上智大学教授の「荒涼たる光景の中で、沖縄の抵抗を押し切って辺野古新基地を建設することが、安倍政権の代表的な『実績』になるのだろうか」との指摘は、心情的には思うところもある。
 また、安倍晋三に関しての「安全保障環境の変容に応じた態勢整備といった『大きな絵』は語られず」「なるほど考えてみれば普天間・辺野古問題に安倍首相が直接的に関わった気配はほとんどない。」、との批判は頷くところである。
 だからこそ、今、沖縄について考える時なのだ。
 さらに、「菅の必死な理由とは」の指摘は、「菅氏にとっては、『県外移設』の公約を翻させ、水面下で『話しをつけた』はずの仲井真弘多前知事を選挙で下して登場した翁長知事と協議に応じることは、自らの政治手法の否定につながりかねず、自らの権勢を掘り崩す『蟻の一穴』と見えたのであろうか。」、との指摘にこれまた頷く。




by asyagi-df-2014 | 2018-09-30 07:01 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

大分地裁は、住民側の申し立てを却下する決定で3号機再稼働を容認。

 大分合同新聞は2018年9月29日、表題について次のように報じた。


(1)大分県内の住民4人が四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた仮処分申請で、大分地裁は28日、住民側の申し立てを却下する決定をした。佐藤重憲裁判長は、東京電力福島第1原発事故後に導入された原発の新規制基準や地震、火山噴火に対する四国電の対策に「不合理な点はない」と、同機の再稼働を容認する判断を示した。住民側は福岡高裁に即時抗告する方針。
(2)伊方3号機は約130キロ離れた阿蘇山の巨大噴火リスクを理由に運転を禁じた昨年12月の広島高裁の仮処分決定を受けて停止していた。その判断も25日の異議審決定で覆り、運転再開が可能になった。大分地裁も追認し、10月27日の再稼働に向けて準備を進める。
(3)審理では▽新規制基準の合理性▽耐震設計の基準となる揺れ「基準地震動」の妥当性▽阿蘇山の巨大噴火のリスク―の3点が主な争点になった。
(4)決定理由で佐藤裁判長は、新規制基準が「専門性、透明性、中立性が確保された上で策定され、合理性が認められる」と指摘した。原発近くを通る国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」などの影響を過小評価しているという住民側の主張に対しては、四国電の計算手法や規制委の審査結果に「不合理な点はない」と判断した。噴火リスクを巡っては、国の原子力規制委員会の審査内規「火山影響評価ガイド」を合理的だと認定した。巨大噴火について、原発運用期間中の発生が差し迫っているといえなければ「危険性は社会通念上、無視できる」との考えを提示。阿蘇山で運用期間中に発生する可能性は低いとする同社の主張を支持した。
(5)住民側は2016年6、7月に仮処分を申請。今年5月までに計12回の審尋が開かれた。同種仮処分の裁判は高松高裁と山口地裁岩国支部でも続いている。
(6)大分地裁では仮処分と並行して差し止め訴訟も継続中。大分県民514人が原告となり、住民運動による裁判としては同地裁で過去最大規模に発展している。



by asyagi-df-2014 | 2018-09-29 18:10 | 書くことから-原発 | Comments(0)

派遣法改正は、成長戦略政策に乗った経営者側からの要求を満たすためだけに特化した『法改正』でしかない。~沖縄タイムス20180925~

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2018年9月24日、「[「派遣切り」問題]法改正で待遇改善図れ」、とその社説で論評した。
「タイムス」の主張は、「正社員への道はむしろ狭まったのではないか。」、との指摘である。
 「タイムス」は、法改正の矛盾について、次のように示す。


(1)改正労働者派遣法の施行から3年を前に、「派遣切り」や「雇い止め」への不安が高まっている。
(2)2015年9月30日に施行された改正法は、派遣労働者が同じ職場で働ける期間を最長3年に制限するものだった。それまで受け入れ期間に制限がなかった秘書や通訳など26専門業務でもルールを統一したのだ。
(3)他方、派遣会社に対しては雇用安定措置を義務付けた。同じ職場で3年を迎えた労働者の正社員化など直接雇用を派遣先企業に依頼するほか、派遣会社自らが無期雇用するなどの対応である。派遣元と派遣先は、10月1日以降、この雇用安定措置をとらなければならない。


 しかし、日本という国の実態は、「ところが3年の経過を前に、派遣切りが指摘されている。」「市民団体『非正規労働者の権利実現全国会議』が昨年来続ける労働相談にも深刻な事例が数多く寄せられている。」、というのが実情ではないのかと言うのである。
 どいうことなのか。


(1)15年以上継続勤務してきた女性が直接雇用されることなく派遣を打ち切られた、派遣元が派遣先に求めた高額の紹介料が壁となって直接雇用が頓挫した、派遣元で無期雇用となった場合、時給が下がると言われた-などである。
(2)3年前の法案審議で安倍晋三首相は、「正社員を希望する人にはその道を開き、派遣を選択する人には処遇の改善を図る」と意義を繰り返した。
(3)希望者の正社員化どころか、現状は雇用の安定とは逆の方向に進む。


 「タイムス」は、この問題の本質を次のように指摘する。


(1)そもそも派遣法改正は、労働分野の規制改革を掲げる安倍政権が経済界の意向をくんで進めた規制緩和策である。
(2)改正法の最大のポイントは、企業の派遣労働者受け入れ期間の制限をなくしたことだ。働く個人でみると同じ職場にいられるのは3年に限られるが、3年ごとに人を入れ替え、労働組合の意見を聞くといった手続きを踏めば、企業は派遣労働者に同じ仕事を任せられる。そのため当時から「不安定な雇用が拡大する」との懸念が強かった。 
(3)頼みの綱の雇用安定措置も、派遣元は直接雇用の依頼義務を負うが、派遣先が断るのを拒めない。派遣先が見つからない間も給与を保障する派遣元での無期雇用には高い壁がある。


 だから、「タイムス」は、日本政府に対して、まずはきちんとした「雇用安定措置の実効性や、派遣切りの実態を調査すべきだ。」、と要求する。
また、「改正労働契約法により4月から始まった『無期転換ルール』で、開始直前の雇い止めが問題となったばかりだ。法の『抜け道』を利用したルール逃れである。改正派遣法も同様に『抜け道』による悪影響が目立ってきている。」、「派遣で働く人は、昨年6月時点で約156万人。リーマン・ショック後、雇い止めが横行したピーク時からは減っているものの、ここ数年増える傾向にある。」、との実態を突きつける。 


 「タイムス」は、「企業のやる気やモラルに頼るだけでは待遇改善は図れない。法の再改正を含む見直しが必要だ。」、と


 確かに、「労働分野の規制改革を掲げる安倍政権が経済界の意向をくんで進めた規制緩和策」(沖縄タイムス)としての派遣法改正は、成長戦略政策に乗った経営者側からの要求を満たすためだけに特化した『法改正』でしかない。
むしろ、沖縄タイムスの「法の再改正を含む見直しが必要だ。」との論調さへがむなしく響く。



by asyagi-df-2014 | 2018-09-29 07:52 | 書くことから-労働 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年9月27・28日

 この声を私たちはどのように受け取るべきなのか。
『補償が無いなら基地は来てほしくない。今からでも反対決議をすべきだ』『国には責任がある。このまま(基地を)造られてはたまらない。政府と対峙(たいじ)するつもりで個別補償をしっかりと求めるべきだ』(琉球新報)。
いつもの構造という言葉だけでは済まされないのかもしれない。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年9月27・28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-個別補償 揺れる辺野古 区民「無いなら基地反対」-2018年9月27日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【名護】米軍普天間飛行場移設に伴う新基地建設で予定地に隣接する名護市辺野古区への個別補償問題を巡り、辺野古区民が揺れている。国からの個別補償が無くなったことを受け『条件付き容認』を掲げてきた区民からは『補償が無いなら基地は来てほしくない。今からでも反対決議をすべきだ』『国には責任がある。このまま(基地を)造られてはたまらない。政府と対峙(たいじ)するつもりで個別補償をしっかりと求めるべきだ』といった声が挙がっている。」
②「26日、辺野古公民館で開かれた行政委員会では、臨時の区民総会を開き、区民全員に個別補償について説明するよう求める声が上がった。区はこれまで、個別補償を『実施できない』とする沖縄防衛局からの通達について、区民に説明する場を設けていない。出席した行政委員によると、臨時の区民総会について『時期尚早』との意見があり、政府との懇談会開催後に、10月以降に改めて行政委員会を開いて臨時の区民総会を開催するかどうかを決めるとした。」
③「行政委員の一人は『補償問題は防衛局との交渉でなくて、政府の上の方と話をしないといけない。区民総会に防衛大臣を呼ぶ位の気持ちでやらないといけない』と強調した。別の行政委員は『(個別補償を)一生懸命交渉しているが歯が立たない。大きな国とちっぽけな区が、どれだけやっても勝てることはない』と無力感を示した。」
④「区民総会の開催を区長に要請した西川征夫さん(74)は開催の有無の決定が先送りになったことについて『言語道断で理解不能だ』と憤った。その上で『容認条件の一つが頓挫した。今後どうするか改めて区民の意見を聞くべきだ』と強調する。委員会を傍聴した60代の男性は『18人の委員だけでなく区民一人一人の意見を聞くべきだ。白黒はっきりしてほしい』と訴えた。傍聴した金城武政さん(61)も『政府とどんな交渉をしているのか。これまでも報告を求めたり議事録公開を要請したりしてきたが、何一つ応えない。不透明なまま【容認】を押し付けられている』と指摘した。」
⑥「これに対して辺野古の嘉陽宗克区長は『政府との懇談を調整中だ。懇談の結果を踏まえて改めて検討したい』と述べるにとどめた。」


(2)琉球新報-「『ゆくさー』、強い表現だった」 遠山議員、投稿を釈明-2018年9月27日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「公明党の遠山清彦衆院議員は26日、自身の短文投稿サイトツイッターでの書き込みについて報じた琉球新報の一括交付金を巡る『ファクトチェック』の記事に関して、沖縄知事選の候補者を『ゆくさー』(うそつき)と表現したのは『少し感情が入って強い表現だったかもしれない』と釈明した。」
②「その上で、一括交付金創設に関する候補者の発言について『当時の与党の一員として関与はしていたと思うが、(候補者の言う)【直談判して実現にこぎつけた】は、一人でやったようで誇大宣伝だ』と改めて強調した。公職にある立場として、真偽が確認できない内容の書き込みをリツイート(共有)することについては『自分が作ったわけではないものだが、今後は自分がリツイートして事実上、拡散する中身について、少し細かく精査をして慎重にやりたい』と語った。」


(3)沖縄タイムス-沖縄県知事選で偽情報検証:フェイク「佐喜真氏の政策文字数は2.2万字超えで、デニーは約800字」-2018年9月27日 16:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「30日投開票の県知事選を巡り、候補者をおとしめるような虚偽情報『フェイクニュース』が飛び交っている。多くがツイッターなど会員制交流サイト(SNS)で一気に拡散するため、専門家は『有権者の判断をゆがめかねず、民主主義の根幹を揺るがす』と警鐘を鳴らす。佐喜真淳氏(54)、玉城デニー氏(58)の2候補に関わるニュースの中から沖縄タイムスが検証した一部を紹介する。」
②「沖縄タイムスは法政大・藤代裕之研究室の協力の下、国際ファクトチェック・ネットワーク(IFCN)の基準にできる限り沿って、フェイクニュースをチェックした。告示日の13日から26日までに、フェイクニュースの疑いが高い60件が記者から集められた。IFCNの基準は、(1)特定の党派に偏らず公平に行う(2)情報源の詳細も公開する-など5項目。」
③「候補者の政策は、有権者自身が実現可能性を判断するものであり、扱っていない。真偽不明な投稿は混乱を招く恐れがあるため見送った。」
④「内容 本紙が虚偽と判断した理由:『さきま淳氏の政策(1枚目)の文字数は2.2万字超えで、1番文字数が少ないテーマでも約1000字。 玉城デニーの政策(2枚目)の文字数は約800字。 さきま氏はそれぞれの政策について具体的に何をするか書いてますが、玉城デニーの政策は具体的に何をするか全くなし… その差が文字数となって表れてると思います 比較の根拠が異なる。佐喜真氏は政策集。玉城氏はホームページから主要ポイントの抜粋』」
④「『政策』の文字数を比較した上で、佐喜真氏は『具体的』だが、玉城氏は『具体的に何をするか全くなし』とし、『その差が文字数となって表れている』と主張している。これに対し、玉城氏選対の関係者は『全くの事実無根だ』」と否定。『9月10日の記者会見で政策を発表している。選挙母体のホームページなどでも多種多様な政策を具体的に公開している』と説明した。」
⑤「佐喜真氏の選対関係者は『今回の政策集は沖縄の現状を数字で示すなど見やすさ、分かりやすさを重視した。必要な項目を書いたらあの分量になった』という。佐喜真氏の政策は、佐喜真氏の公式ホームページで読むことができる。ホームページはこちら。玉城氏の政策は、玉城氏の公式ホームページで読むことができる。ホームページはこちら。」


(4)沖縄タイムス-「民主主義の脅威」 沖縄県知事選で飛び交うフェイクニュース、専門家に聞いた-2018年9月27日 16:06


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「県知事選に関連して、ネット上で飛び交うフェイクニュースを専門家はどう見るのか。フェイクニュースに詳しい法政大学の藤代裕之准教授に聞いた。」
②「フェイクニュースが広まると、有権者が投票判断を間違えてしまう可能性がある。誤った情報が投票行動に結び付けば、うその情報で知事が選ばれることになる。これは、民主主義の根幹を揺るがしかねない大きな問題だ。選挙は激戦になるほど、多くのフェイクニュースが飛び交う。うその情報で投票先を判断しないためには、情報源に当たることが大切だ。」
②「選挙の場合、日本では政見放送や選挙公報、候補者のホームページなど公式なメディアが複数ある。フェイクのチェックがやりやすい国でもあるが、意外に有権者がチェックをしていない。うそに惑わされないように、投票前に自分で確認することが大切だ。」
③「これまで、フェイクニュースはメディア側であまり注目されてこなかった。しかし、今回の県知事選は、地元紙も含めてネットメディアも扱い、関心が高まっている。メディア側も公平に発信し、対立をあおらないよう、慎重に検証していく必要がある。(ソーシャルメディア論)」


(5)沖縄タイムス-投票前にチェック 沖縄県知事選の争点の経緯を分かりやすくまとめました-2018年9月28日 15:21


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2018年の沖縄県知事選挙は9月30日、投開票されます。翁長雄志前知事が8月に急逝したため、元々11月に予定されていた知事選が繰り上がり、次の知事を決めることになりました。今回の立候補者は、前宜野湾市長の佐喜真淳(さきま・あつし)さん(54) 、自由党前衆院議員の玉城(たまき)デニーさん(58)、元那覇市議・琉球料理研究家の渡口初美(とぐち・はつみ)さん(83)、元会社員の兼島俊(かねしま・しゅん)さん(40)です。今回の知事選について、大きな争点を次にまとめました。」
②「佐喜真さんと玉城さんは共に、米軍普天間飛行場の早期返還や危険性の除去を訴えています。違いは、対応策です。ここが今回の選挙の争点になるので、簡潔に説明します。
③「普天間飛行場は、那覇空港から車で30分ほどにある宜野湾市にあります。大きさは東京ドーム約100個分です。MVー22オスプレイや大型輸送ヘリCH-53などが配備されています。沖縄戦前年の1944年、普天間飛行場がある場所には、村役場や国民学校があり、8800人が暮らしていました。しかし、1945年の沖縄戦で、米軍は本土に出撃するため、飛行場に適していた宜野湾の土地を奪います。沖縄は、航空機で本土を攻撃して戻ってこられる距離にあったからです。」
④「米軍は1945年6月17日の沖縄戦中から、人々を追い払って飛行場を造り始めました。戦争が終わった後も住民らは捕虜収容施設での生活を余儀なくされ、戻ることが許された頃には、すでに自宅や畑はなく、飛行場が建設されていました。住民たちは、飛行場周辺の土地で集落を作り直すことを余儀なくされました。2018年の現在まで、普天間飛行場の土地は住民に戻ってきていません。普天間飛行場の91%は民有地で、地主は3400人にも上ります。」
⑤「普天間飛行場は、宜野湾市のど真ん中にあります。市の25%の面積を占め、キャンプ瑞慶覧(ずけらん)という、もう一つの基地も8%あるのです。結果、残りの67%に9万5千人が暮らしています。そんな普天間飛行場を視察したラムズフェルド米国防長官(当時)は『世界一危険な米軍施設』と感想を漏らしました。」
⑥「危険な例を一つ挙げてみます。普天間飛行場の隣には普天間第二小学校があります。2017年12月、大型ヘリコプターが小学校の運動場に7.7キロの窓を落とす事故がありました。体育の授業中の子どもたちもいました。事故の後も飛行機やヘリが学校の近くを飛んだため、2月13日から3月23日の間に子どもたちが避難した回数は216回に上りました。」
⑦「普天間第二小学校は、隣の小学校の児童が増えたため、過密化を解消するために1969年設置されました。適当な土地が見つからず、飛行場の隣に建設された経緯があります。普天間飛行場は、もともと常駐機は少なく、休眠状態でした。しかし、危険になったのは、関東地方の米軍基地を大幅に縮小するため、1979年に本土からヘリが移ってきたことです。小学校だけでなく、周辺の住環境も悪化しました。宜野湾市は小学校を移転しようとしましたが、米軍が移転後の小学校敷地を普天間飛行場に組み込むように求めてきたり、移転の土地を買うのに25億円が必要で、結局、断念しました。」
⑧「1996年、日本と米軍が普天間飛行場の返還に合意しました。それは、沖縄県内に移設することが条件でした。国は、普天間飛行場を名護市辺野古へ移設しようと2014年から埋め立て事業を始めました。一方で、翁長雄志前知事は、県内への移設に反対し、埋め立てを承認しないという立場でした。国と県の主張は異なり、返還の合意から22年間、普天間飛行場の問題は足踏み状態が続いています。」
⑨「以上を踏まえて、佐喜真さんと玉城さんの対応策の違いについて紹介します。」
⑩「佐喜真さんは、国政の与党の自民党をはじめ、公明党、日本維新の会、希望の党が推薦しています。辺野古の新基地建設をめぐって、これまで沖縄県と国が対立してきたため、普天間飛行場の早期返還に向けて国と対等な立場で交渉したいと考えています。普天間飛行場の閉鎖・返還にかかる作業をすぐに始め、運用停止をおこないたいとしています。」
⑪「玉城さんは翁長前知事の“後継者”で、『オール沖縄』が推しています。普天間飛行場は、閉鎖・返還をさせ、あらゆる手法を駆使して辺野古新基地建設を阻止するとしています。新たな基地を造れば、将来の世代に負の負担を押しつけてしまうと考えているからです。また、基地が沖縄に固定化されてしまう可能性にも言及しています。」




by asyagi-df-2014 | 2018-09-28 18:19 | 沖縄から | Comments(0)

日本政府は、「斡旋業」を克服しなけねばならない。~琉球新報20180923~

 琉球新報は「米軍は自分たちに不都合な事件をうやむやにしようとしているのか。」、と怒りを隠さない。
琉球新報は2018年9月23日、「名護流弾、捜査進まず 沖縄大使は米軍と交渉を」、とその社説で論評した。
この名護流弾の事実経過は、次のものである。


(1)「6月21日に名護市数久田の農作業小屋で実弾が見つかってから3カ月が過ぎた。現場は米軍キャンプ・シュワブの実弾演習場『レンジ10』に近く、米軍からの流弾である可能性は極めて高い。」
(2)「県警は発生1週間後に『重火器から発射された銃弾』と断定し、米軍に同種の実弾や資料の提供を求めた。しかし、いまだに実現していない。」


 「新報」は、このことについて、「米軍は頰かむりをして責任逃れをするつもりなのか。」、と怒りを露わにしているのである。
 「新報」は、次のことを指摘する。


(1)「重火器を使うのは米軍以外に考えにくい。数久田周辺では過去にも流弾事件が続発している。米軍自体も直後にレンジ10の一時閉鎖措置を取ったことから、疑いは濃厚だ。」
(2)「県警の捜査を阻んでいるのは日米地位協定である。公務中に発生した米軍事件の場合、米軍側に第1次裁判権があると規定されている。米軍の協力なしには、基地内立ち入りも実況見分もできない。」
(3)「海兵隊員はローテーションで駐留するため、遅くなれば容疑者が国外に出る恐れがある。証拠隠滅に手を貸していると疑われても仕方ない。」
(4)「これまでも全容解明に至らなかった流弾事件が幾つもある。2002年の名護市数久田、08年の金武町伊芸、17年の恩納村安富祖などでの流弾は、米軍が捜査に協力せず、県警は被疑者不詳のまま書類送検し、捜査を終えた。」


 だから、「新報」は、日本政府に、具体的な要求を突きつける。


(1)「県民の命や生活の安全を保つためには日米地位協定の改定が最優先だ。」
(2)「だが、今回の事件では、改定に後ろ向きな政府の動きを待つわけにはいかない。政府は米軍に即座に捜査協力をするよう強く求めるべきだ。」
(3)「県内には外務省の『沖縄全権特命大使』がいる。その役割は『駐留米軍にかかわる事項などについて沖縄県民の意見、要望を聴取し、これを外務省本省に伝え、必要に応じ、米軍などとの連絡調整を行うこと』(政府答弁書)である。まさに今が『必要に応じ』る時だ。四軍調整官と粘り強く交渉し、県警の捜査に応じるように求めて、本来の職責を果たしてほしい。」
(4)「近年、県民からは沖縄大使の姿が見えにくい。事件・事故の抗議を受けることだけが仕事ではないはずだ。任期を大過なく過ごせばいいだけの役職になってはいないか。過去には県民のために汗を流した沖縄大使もいた。05年のキャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設の建設問題で、当時の宮本雄二大使は何度も在日米軍幹部に直談判し、訓練場の移設にこぎ着けた。地元金武町の強い反発に耳を傾け、自ら動く行動派だった。」
(5)「年々落ちていく沖縄大使の存在価値を取り戻すためにも、6月に着任した川村裕大使は積極的にこの問題に関わるべきだ。加えて、日米地位協定が県民の命や人権を脅かしている実態をつぶさに見て、究極的には協定の抜本改定も本省に進言してほしい。」


 もはや、すでに、日米地位協定の抜本改定は動かせない。
確かに、せめて、そのために沖縄全権特命大使は動かなけねばならない。



by asyagi-df-2014 | 2018-09-28 06:59 | 沖縄から | Comments(0)

労働者が追い込まれている実態を変えなくては。

 毎日新聞は2018年9月17日、表題に関して次のように報じた。


(1)「三菱電機(本社・東京都千代田区)の男性社員5人が精神障害や脳疾患を発症し、2014~17年に労災認定されていたことが判明した。同社が27日、明らかにした。いずれも開発業務にあたるエンジニアで、うち2人は過労自殺していた。自殺者1人を含む3人には裁量労働制が適用されていたが、同社は今年3月、これを廃止している。」
(2)「同社によると、労災認定されたのは20~40代(いずれも認定か死亡当時)の男性社員で、長時間労働が原因とみられる。このうち、情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)で医療用半導体レーザーの研究開発などを担当していた社員(当時31歳)は16年11月、記者会見して、違法な長時間残業を強いられて適応障害を発症し、神奈川労働局藤沢労働基準監督署から労災認定されたと明らかにした。」
(3)「同社では04年に裁量労働制を導入し、全社員約3万人のうち研究職や企画業務にあたる社員約1万人に適用していた。裁量労働制は実際に働いた時間でなく、あらかじめ決めた『みなし労働時間』を基に残業代込みの賃金を支払う制度。仕事の進め方や時間配分を自分で決められる労働者に限り適用できるが、長時間労働の温床となっているとの指摘がある。
(4)「裁量労働制が適用されていた3人(労災認定は15年3月~17年8月)のうち、コミュニケーション・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)の当時40代の社員は16年2月に過労自殺、2人は脳疾患を発症した。また、12年8月に過労自殺した名古屋製作所(名古屋市)の当時20代の社員や、労災を公表した社員も将来的には裁量労働制が適用される可能性の高い業務だった。」
(5)「今年3月に裁量労働制を全廃したことについて、同社広報部は「労働時間をより厳格に把握するため」と説明し、一連の労災認定との関連については「直接的な理由ではない」としている。」
【神足俊輔】


 2004に裁量労働制を導入した三菱電機が、2018年3月で、裁量労働制を全廃した理由を、是非とも公にし、学ぶ必要がある。
その理由の一つが、裁量労働制では果たせなかった「労働時間をより厳格に把握するため」ということが明確になったので。
確かに、労働者にとって「時間」の問題は、命に関わるのだから。




by asyagi-df-2014 | 2018-09-27 17:10 | 書くことから-労働 | Comments(0)

「杉田発言」を考えるために。

 「新潮45」と「杉田発言」は、怒りとして問題意識は持っているとしても、自分自身が取りあげる必要まではと思っていたが、石戸諭さんの YAHOOニュース-「杉田発言に黙ってはいられなかった」を読んだ。
これを全文掲載する。
《悪質な差別が許されない社会になってほしいから。一人一人の尊厳が守られる社会になってほしいから。それだけだよね。》、ということを共有するために。


 「これは杉田水脈・衆院議員だけの問題ではない。彼女を国会議員として当選させている日本の政治、社会の問題なのだと言いたい」

 岡野八代・同志社大教授は静かに、しかし怒りで口を震わしながら、言葉を絞り出した。専門は政治思想、特にフェミニズム理論だ。

 彼女は杉田氏の論考に抗議するために、レズビアンであることを公表した。「カムアウトをしないと、幾度も自分で決めてきたのに」である。なぜ告白するに至ったのか。政治学者であり、問題の当事者である彼女はこの問題をどう捉えているのかを聞いた。

今回だけは言わないといけない

 最初に私と岡野さんの関係を書いておきたい。私は大学時代、彼女のゼミに所属して、卒業論文を書いた。

 彼女は当時、立命館大の教員で、カナダから帰国したばかり。政治思想をベースに国内のフェミニズム理論の最先端を走っていた。明るく、快活な性格で学生からも人気があった。

 彼女は「新潮45」に掲載された杉田氏の論考に抗議するために同性愛者であることを公表するとともに、論壇誌「世界」10月号に「差別発言と、政治的文脈の重要性」という杉田発言を批判する論考を発表した。

 《私はいままでレズビアンであると明かしたことなかった。それは私の研究が「レズビアン」だから、そう考えるんだと思ってほしくないから。特別視されることが嫌だった。
 異性愛者が何を書いても、異性愛であることを注目されることはないのに、レズビアンだったら、そこが注目される。

 確かにまったく研究に影響がないとは言わない。私の人生にずっとついて回ってきて、差別も偏見の目にもさらされてきたから、考えには影響があるだろうと思う。

 でも、私にとっては私のアイディンティティの一部であって全てではないんだよね。

 政治に関わる発言をするときは、その文脈に応じて立場を明らかにしているけど、その文脈と関係のない属性とは、切り離して発言の中身、書いていることの中身だけで判断してほしいと思っている。

 レズビアンであると言ったら、私の過去の発言や論考がすべて特別視されるものになっていくのかも、という恐れから自由になれない。

 フェミニストだからといってすべての人が受け入れてくれるわけではない。言わないだけで、差別まではいかないけど偏見を持っている人だっているよ。だからずっと黙ってきた。

 でも、今回だけは言わないといけないと思った。》

「制度で生きづらさは救える。杉田氏擁護は明らかに間違っている」

 彼女は大学教員として、何度もカムアウトすべきではなかったかと思ったこと。学生たちが性的少数者であることを明かして、サークルなどを作っているのに、「あえてカムアウトしない」と決めた自分にずっと罪悪感があったと明かしている。

《今回、言わないといけないと思ったのは、罪悪感からだけではないんだ。

 杉田議員の論考が明らかに差別発言であることが認識されていないこと。本当に議論しなければいけないのは、家族観の問題であること。

それは私が研究してきた分野だから発言しないといけないと思ったことが大きい。

 杉田議員は制度で生きづらさを救うことはないと書いている。政治は生きづらさを救えないという擁護論もある。

 これは明らかに間違っている。家族制度は政治的な問題で、異性の両親に子供がいるという規範的な家族があり、彼らのために制度が組み立てられいる。

 私はフランスやイギリスで同性婚をした人たちの話を聞く機会があったけど、広い意味で婚姻という制度が認められているからこそ、彼女たちは差別に対して、「差別する側がおかしい」「自分たちにも権利がある」と堂々と反論できると言っていた。

 これで生きづらさはずいぶんと軽減されるでしょう。

 日本ではどうか。異性同士の婚姻には手厚い法的保護がなされているのに、同性カップルにはまったく法的な保護がない。

 制度に組み込まれていないことに生きづらさに要因があるなら、軽減することは政治の務めではないのか。同性婚を「容認」できないと書く、杉田発言は、異性婚と同等の権利を求めてきた人を不当に貶める意見なんだ。

 制度に組み込まれている人たちから「救えない」とは言われたくない。》

 「制度があれば認識は変わる」と岡野さんは強調する。彼女は理想的には婚姻制度ではない、別の制度があればいいと考えている。

《例えば、同性のカップルが結婚式をあげても親が祝福しないことが多い。私も自分の経験上、よく知っている。

 なぜかといえば「正式な結婚ではない」と考えているからなんだよ。これが法的に同性婚が認められていれば、考えは変わるでしょう。

 理想を言えば、私は現状の婚姻制度を批判しているから、婚姻ではない形でも、家族としてのつながりが尊重される権利が認められればいいと思う。

 でも、政治的な妥協として同性婚が認められ、異性婚だけに認められている手厚い権利が手に入るなら、まずはいい。それで間違いなく、生きづらい人は減るよ。》

なぜ杉田発言は悪質な差別なのか?

 岡野さんは政治思想家なので、家族や差別という概念にこだわる。彼女は「差別」を語る時に、何よりも重視するのは文脈だ。

 どのような政治状況で、彼女の発言がでてきたのか。杉田氏は安倍首相が引き上げた人材であること、杉田氏の家族観は自民党の改憲草案にあらわれた価値観と同じであること----。

《なんでも安倍政権批判に結びつけるなという声があるのは知っている。でも、杉田発言を放置しているのは、差別を放置するのと同じことであるという認識を政権が持っていないということではないのか。

 私は杉田発言を「個人的な意見」として放置して、議員辞職をせよという声すら上がってこないのが安倍政権であり、自民党政権の本質的な問題だと考えている。

 何度もいうけど、私は今まで、レズビアンとして声を上げようと思ってこなかった。その点ではあえて、自分を押し殺して生きてきた。

  でも、私たちが「生産性がない人間」であり、権利すら必要ないと国会議員が公然と書くのは明らかに悪質な差別であると言いたい。法制度を動かせる権力を持っている国会議員にそんなことを言われたくないんだ。》

自分がカムアウトしたのが正しかったかわからない

 ここまで一気に話した後、ふっと一息つく。彼女は「自分がカムアウトしたことが正しかったか今でもわからない」と言った。

 彼女の生活圏から遠い人たちは彼女の勇気を称賛した。しかし、彼女の生活に関わる近しい人たちのなかには、戸惑いやわだかまりが残っているのもまた事実だ。

《これは私的な問題ではないんだ。レズビアンであるということは、私だけの問題ではなく、私と周囲の関係性の問題。公表することで関係性に変化がでてくるのは当然のことで、私はその変化を引き受けないといけない。

 杉田氏も杉田氏を擁護する異性愛者はそんなことでは悩まないでしょ。普段から結婚や恋愛の話題をしても何にも思わないでしょ。それも婚姻という制度があって、手厚い保護があるって当たり前のように思っているからだよね。

 私は異性婚というシステムに組み込まれずに、その外にいると思って生きてきた。だから、一人でも生きていけるような仕事についたし、若い頃悩まされた自分について考えなくてもいいように、政治思想史を選んで勉強してきた。

 私自身は、いまさら生きづらさを誰かにわかってほしいと思わないし、周囲にわかれとも言わない。考え方が違うから、いまのLGBTの運動にあまり関わろうとも思わない。

 できるなら公表しないで生活していたかったと思うよ。もちろん、それがすっきりした生活だとも、いえないけど。

 ただでさえ、政治的発言をしたら女性であるというだけでいろいろ誹謗中傷の対象になるのに、さらにレズビアンでしょ。差別される属性が増えるんだよ。》

「悪質な差別が許されない社会になってほしい」

 人間関係に変化が生じても、周囲からの眼差しが変わっても、それでも今は言わないといけないと彼女は繰り返した。自らで責任を引き受けて言わないといけない、と。

 なぜか。

《悪質な差別が許されない社会になってほしいから。一人一人の尊厳が守られる社会になってほしいから。それだけだよね。》




by asyagi-df-2014 | 2018-09-27 07:57 | 人権・自由権 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年9月26日

 小金井市の「新しい提案」の採択について、沖縄タイムスは、「【解説】米軍普天間飛行場の代替施設が必要かどうか、本土で議論し、その結果責任も引き受けるという陳情が東京都小金井市議会で初めて採択された。本土側が『公正な解決』を宣言した意義は大きい。」、と伝える。
このことを、阿部岳沖縄タイムス記者は、『平等負担』の問い掛けを、本土が責任を果たす機会にしてほしい。」、と解説する。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年9月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-【辺野古新基地】反対60%、賛成32% 知事選Webアンケート結果-2018年9月25日 18:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「30日投開票の沖縄県知事選挙で最大の争点になっている名護市辺野古の新基地建設問題。沖縄タイムスのウェブアンケートで、フェイスブックやツイッターなどのSNSで11~14日まで意見を募集したところ、387件の回答が寄せられた。『新基地建設についてどう思いますか?』との質問に、60・2%(233人)が『反対』、32・3%(125人)が『賛成』と回答した。『辺野古は唯一の解決策』との立場を堅持する安倍政権の姿勢については、『納得できない』が65・9%(255人)、『納得できる』が34・1%(132人)だった。」
②「『新基地建設についてどう思いますか?』との質問で『反対』と回答した人は世代別では60代~70代が70・4%(38人)、40代~50代で60%(84人)、18歳未満~30代で54・4%(31人)で世代が上になるほど割合が高かった。一方、『賛成』は18歳未満~30代で31・6%(18人)、40代~50代が30・7%(43人)、60代~70代で『賛成』は29・6%(16人)で世代が若い人の割合が高かった。」
③「『普天間飛行場の返還問題をどのように解決するのが望ましいか?』の問いでは、『無条件の閉鎖・撤去』との回答が35・7%(138人)で最も高く、『本土に移設する』14・2%(55人)、『国外に移設する』11・6%(45人)と合わせ、辺野古以外で約6割を占めた。『辺野古に移設する』は32・3%(125人)だった。」
④「国土面積0・6%の沖縄に、日本全体の米軍専用施設面積中70%以上が集中していることには、『納得できない』が38・5%(149人)、『各都道府県で平等に負担すべきだ』25・6%(99人)、『安全保障上やむを得ない』25・1%(97人)と続いた。」
⑤「沖縄に米軍基地を置く理由で、中国など近隣諸国に対する『抑止力』を挙げる政府説明については、『説得力がない』が57・4%(222人)、『説得力がある』が36・7%(142人)だった。」
⑥「ウェブアンケートの自由記述では米軍普天間飛行場の返還について『その行程を示すべきだ。辺野古への移設も含め発言してほしい』(沖縄市の会社員、50代男性)との意見や、『辺野古移設は反対だが、お互いの主張を理解し合い、妥協点を探すべきだ』(那覇市の自営業、50代男性)との提案もあった。『新基地建設推進派が多い地域への移設を検討してみては?』(うるま市の会社員、30代男性)といった考えや、『沖縄の自然や県民の笑顔・平穏な日々を壊さないという気持ちを常に持っていただきたい』(沖縄市の学生、20代女性)と要望する声も。」
⑦「知事選後を見据え『新基地建設が白紙撤回された場合、現時点で工事が進んでいる部分の復旧はどうするのか?』(那覇市の会社員、30代男性)、『新基地が造られた場合、20年、50年後の沖縄はどうなっていると思いますか?』(豊見城市の50代女性)など候補者への質問も寄せられた。」


(2)沖縄タイムス-米軍基地の「平等負担」 本土側が責任果たす機会-2018年9月26日 12:08


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【解説】米軍普天間飛行場の代替施設が必要かどうか、本土で議論し、その結果責任も引き受けるという陳情が東京都小金井市議会で初めて採択された。本土側が『公正な解決』を宣言した意義は大きい。」
②「陳情のベースになった『新しい提案』は、日米安保に賛成でも反対でも賛同できるように構想された。議論の過程で、誰しも多数を獲得するチャンスがある。今は少数派でも、主張が正しければいずれ多数派になれるかもしれない。」
③「一方、沖縄は本土に対して常に少数派で、変えようがない。多数決の『数の暴力』で基地を封じ込められてきた。そこでまず差別の象徴である辺野古新基地建設をやめ、人権と自由を保障する。その後、多数の議論に委ねるという手順は、民主主義の理念に沿っている。」
④「最近、本土各地で基地引き取り運動が広がる。東京都文京区議会は7月、『米軍基地は日本の防衛のためで、負担は全国で平等に負うべきだ』と、新基地建設中止を求める要望書を政府に提出している。」
⑤「沖縄の中にも、自ら体験してきた基地被害を本土に移転することへの抵抗感は根強くある。ただ、本土の側がそれを理由に公平を考えることすら拒絶するのでは、溝は深まるばかりだ。沖縄だけが普天間問題で20年以上も悩まされている。今回の陳情をはじめとする『平等負担』の問い掛けを、本土が責任を果たす機会にしてほしい。」(北部報道部・阿部岳)


(3)沖縄タイムス-普天間代替「議論」に理解 小金井市議会 「他県は無理」自民会派は反対-2018年9月26日 12:02


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の行方を本土の議論に委ねる陳情は25日の東京都小金井市議会で、日米安保に反対する共産党会派から安保を認める保守の会派まで、幅広い支持を得て採択された。反対に回った自民党会派は『他県で基地が受け入れられるとは思えない』と理由を説明した。」
②「『リベラル保守』を掲げる1人会派の渡辺大三議員は『陳情をぱっと見た時は安保反対の内容かと思ったが、熟読すると理性的な提案だった』と賛成に回った。『安保は認めるが、沖縄への基地偏在は受忍限度を超えている。普天間代替の適地はフラットに議論すべきだ』と語った。」
③「別の1人会派の片山薫議員は『私自身は政府の防衛政策を支持しない』としつつ、『基地が必要という人が多いなら、小金井が建設地の選択肢に入っても当然。差別を自覚して引き受けるべきだ』と指摘した。」
④「共産党会派の板倉真也議員は議場で賛成討論に立った。『沖縄からも日本からも米軍基地の撤去を求める』と前置きしながら、『基地の在り方は特定地域の住民ではなく、国民全体で議論すべきだ。全面的に賛同する』と演説した。」
⑤「一方、反対した自民党会派の遠藤百合子議員は『個人的には全国的に議論すべきだと思うが、国の方針として辺野古を推進している』と説明。『民主党政権は県外移設と言ってできなかった。安易に口に出すべきではない』と話した。」
⑥「退席した公明党会派は取材に応じなかった。」


(4)沖縄タイムス-沖縄ジュゴン訴訟、控訴 新基地建設巡り原告 米高裁へ-2018年9月26日 08:39


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡り、日米の自然保護団体などが米国防総省に工事中止を求めて起こした『沖縄ジュゴン訴訟』で原告が25日、米サンフランシスコ連邦地裁の判決を不服として、連邦高裁に控訴した。高裁は受理の可否を近く判断する。」
②「新基地建設は、文化財の保護義務を定めた米国家歴史保存法(NHPA)に違反しているとして、工事の差し止めやジュゴンの保護を求めている。同訴訟は2003年に提訴。裁判の一時休止などを経て15年2月、連邦地裁は『外交問題である基地建設の中断を命じる法的権限がない』として訴えを退けた。」
③「原告が控訴し17年8月、控訴裁判所が原告適格を認め審理を差し戻したが、地裁は今年8月、国防総省の主張を全面的に認める判決を下した。」
④「原告の一人の真喜志好一さんは『個体C(ジュゴン)が辺野古にすめなくなるなど明らかに変化が起きているにもかかわらず、国防総省が環境に配慮しているという主張が認められてしまった。辺野古の現状と、国防総省の対応の不十分さをしっかり認識してもらうための控訴だ』と話した。」
⑤「米国の原告の非政府組織(NGO)生物多様性センター(CBD)のピーター・ガルビンさんは『これがジュゴンを守る最後のチャンス。裁判所は絶滅回避のため工事を強制的に止めるべきだ』と訴えた。」


(5)沖縄タイムス-沖縄の観光波及効果、1.1兆円 観光客増加で過去最高-2018年9月26日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県観光政策課が25日発表した、2017年度の旅行・観光の経済波及効果(推計結果)は、前回調査時の15年度と比べ、14・2%(1451億1500万円)増の1兆1699億8500万円となり、調査を始めた04年度以降、過去最高を記録した。同課は観光客数の増加に伴う観光収入の増加が主な増加要因としている。」
②「国内観光客、外国人観光客、県民を合わせた『旅行・観光消費額』は12・7%増の7793億3400万円で、このうち県外に流れず県内の観光産業に残った『直接効果』は13・6%増の6912億円だった。」
③「県内の観光産業から関連する他産業へ広がった『1次間接波及効果』は15・7%増の3144億円、一般県民の所得が上がり新たな消費行動にまでつながった『2次間接波及効果』は13・3%増の1644億円。」
④「旅行・観光による消費額のうち、原材料の仕入れ費などを差し引いた「付加価値誘発効果」(粗利益)は13%増の5735億9千万円で、15年度の県内総生産(4兆1400億円)の13・8%に相当。また、雇用誘発効果は13・2%増の14万2734人で、いずれも過去最高となった。」
⑤「今回の推計結果は、観光客へのアンケートから算出した観光収入(県内消費額)を基に、各産業部門の生産がどれくらい誘発されたか、県産業連関表を用いて分析した。」




by asyagi-df-2014 | 2018-09-26 18:31 | 沖縄から | Comments(0)

本からのもの-「沖縄と国体」

著書名;DAYS JYAPAN10月号 「沖縄と国体」
著作者:白井 聡
出版社;DAYS JYAPAN


 白井聡(以下、白井)の「沖縄と国体」での指摘は、Ⅰ.沖縄と日本、Ⅱ.「永続敗戦レジーム」とは、Ⅲ.沖縄と国体、ということの三点に渡る。
 それぞれの指摘を視てみる。


Ⅰ.沖縄と日本


 白井は、沖縄の現在の闘いの姿を理解するために始める。
 沖縄を考える時の一つの重要な視点を示す。
 それは次のことである。


「戦後レジーム」の「構成的外部」である。「構成的外部」とは、あるシステムが自立的に成立するために、システムの外へと排除したものを指す。つまりそれは、当該システムの外側にあるように見えて、実はそのシステムが成り立つための根幹的な役割を負っている。

 つまり、沖縄は「構成的外部」とされたという指摘である、
 このことを説明するために、戦後の日本の「平和と繁栄」に関しての日本本土と沖縄の対称を、次のようにそれぞれを抉り出す。


 日本本土について。
(1)親米路線が長年にわたり安定的に追求された結果だと親米保守派は自賛する。他方、リベラル左派のあいだでは、憲法9条の平和主義により、やはり同じく「平和と繁栄」が実現されたと考えられている
(2)本土が「持たず、作らず、持ち込ませず」という徹底的「反核」を国是と定める。
(3)「民主化」の掛け声の下に、(外見的には)議会制民主主義が定着した。
(4)戦後日本の経済発展を支えた吉田ドクトリン(軽武装+親米路線)は、沖縄に巨大な米軍基地を置くことで可能になった。かつ、本土は重化学工業を基軸とする先進工業国化に成功する。
 沖縄について
(1)だが、平和?本土は、第2次大戦が終わるや否や憲法9条を戴く「平和国家」へと素早く変身し、東西対立の激化にもかかわらずその看板を守れたのに対し、沖縄は戦争終結から30年近くもの間、軍事的要請がすべてに優先し、平然と人権を蹂躙する支配の下に置かれ続けた。
(2)米軍統治下の沖縄は、核戦略の重要拠点に指定され、ピーク時には1000発を超える核弾頭が持ち込まれていた。そして、沖縄返還時の核密約。
(3)1972年の返還=本土復帰以前には、米軍の端的な軍事支配があったし、復帰以後も、民主国家であれば当然担保されるべき住民の主権(自決権)を簒奪された状況にある。
(4)米軍統治下の沖縄は産業の内発的発展を阻害され、基地依存経済が構造化されたのであった。


Ⅱ.「永続敗戦レジーム」とは


 白井は、沖縄の犠牲を下に反映してきた日本という国のあり方を、次のように示す。
それは、「沖縄とは『戦後レジーム』の『構成的外部』である。」、という規定でもある。


(1)要するに、非核三原則とは、一個の笑い話である。
(2)本土と沖縄の対照的な様相は、両者が別々にそうなったのではなく、本土における「平和・繁栄・民主主義」が沖縄のそれらすべての不在に依存してきた。「平和・繁栄・民主主義」が戦後レジームの壮観な外観である一方、その成立のためには、例外としての、否、見えない支柱としての、
「平和・繁栄・民主主義」がを完全に欠いた空間(=沖縄)を必要としてきた。
(3)この意味において戦後レジームにとっての沖縄とは、「構成的外部」にほかならない。


 だから、一つの例として、沖縄にとって辺野古新基地建設を反対することがどのような意味を持つのかということへの理解が、どうしてもできない日本本土の「構造」を次のように押さえる。


(1)名護市辺野古での米軍基地建設をめぐって沖縄の我慢が限界を超えたいま、どのような政治的立場からであれ、戦後という時代を「平和・繁栄・民主主義」と安易に特徴づけることには、欺瞞性がつきまとう。
(2)親米保守派とリベラル左派は、「平和・繁栄・民主主義」の理由を前者は親米路線(≒日米安保体制)に、後者は9条平和主義に帰することによって対立しているかのように見えるが、両者ともその肯定的な戦後感が「構成的外部としての沖縄」を排除することで成り立つ点で、共通している。両者の対立は、同じ対象を異なる角度から視ることで生まれるものに過ぎない。
(3)日米安保体制と9条平和主義は、漫然として意味においてではなく、政治的事実を明確にたどれる形で、密接に繋がっている。言い換えれば、それは同一物の二側面である。


 白井は、論を進めるに当たり、白井のいう「永続敗戦」という意味を、「戦後レジームとは、筆者の言う『永続敗戦レジーム』と同一である。『永続敗戦』とは、『平和と繁栄』としてとらえられてきた戦後レジームの正体を言い表す概念である。それは、先の大戦での大日本帝国の敗北が持つ意味を曖昧にした歴史認識である。」、と説明する。
 その上で、このことがもたらした結果について、「かかる歴史認識は『敗戦』が『終戦』と呼び換えられて流通していることに端的に現れているが、戦後日本人は、『敗戦を否認』してきたのであり、これを可能にした最大の要素こそ、戦後の「親米」の名を借りた対米従属であった。東西対立の世界で、アジアにおけるアメリカの最重要パートナーに収まることで、比較的速やかな復興をはじめ、戦後日本は敗戦の意味を矮小化することができた。」、と断じる。
 だから、白井は、現在までの『永続敗戦レジーム』を背景とした歴史意識に関わって日本の現況について、次のように指摘する。


(1)戦後の日本人の多くは、自覚的速やかにそうした状況から脱することに成功した。だがいま、その幸福の代償が政治と社会のゆがみとして全面的に露呈してきているのである。統治エリート(政官財学メディアの主流派)の領域では、それは、世界に類を見ないような卑小さを伴う自己目的化した対米従属として現れている。
(2)体制のそうした在り方の起源に遡れば、東西対立の激化を背景とした「逆コース」政策へとアメリカの対日政策が転換するなかで、戦前の保守支配層は戦争責任の追及を逃れて復権する機会を掴んだ。だから彼らが「アメリカ様」に対して頭が上がる道理がない。岸信介の孫である安倍晋三に象徴されるように、現在も統治エリート集団の枢腰部を占めているのは、右の経過によって首がつながった者たちの末裔である。
(3)一般的な社会現象としては、「敗戦の否認」は、先の大戦への真摯な反省と自己変革の努力の不在として現れている。われわれが実はあの戦争に負けていないのだとすれば、後悔の必要もなく自分を変える必要もないのだから。
(4)この精神態度が、戦後民主主義を表層にとどめた一方、「成長し続ける経済」という戦後日本の繁栄の前提は東西対立の終焉と同時期に崩壊した。そこで現れたのが、敗戦の結果もたらされた戦後民主主義的価値観に対する不満の鬱屈であり、それが、「ポツダム宣言を詳らかに読んだことがない」まま「戦後レジームからの脱却」を唱えるという、奇行に及んでいる宰相に支持を与えている。その行き着く先は何らかの形での「第二の敗戦」であるほかはない。敗戦を正面から受けとめないためにダラダラと負け続ける-これが「永続敗戦」の合意である。


 白井は、このように「永続敗戦レジーム」を定義したうえで、これを可能にしたのは、日本という国の「戦後の対米従属、より正確には、古今東西類を見ないような特殊な対米従属である」と規定する。
次に、白井は、「対米従属」の構造を次のように解き明かす。


(1)ある国家が超大国に従属していること自体はありふれた現象だが、戦後日本の対米従属は、従属の事実がボヤかされている点に重要な特徴がある。そこには、対米従属は対米戦敗北の直接的帰結であるが、敗戦を否定するには、その帰結をも否認しなければならない、という構造的な動機がある。そして、そこから、「従属の事実を否認する従属」という類希なる特殊な従属が生まれる。その「特殊性」とは究極的には天皇制に起因するものである。
(2)どういうことか?明治維新以後に国家の公認イデオロギーとして形成された「国体」観念は、日本を「万世一系の天皇が永久に君臨する家族国家」であると定義した。天皇は、他の文明圏の、権力により「支配する」君主とは違って、人民を我が子のように、「赤子」として慈しむ日本民族(さらには、植民地諸民族)の「大いなる家長」であるとされた。
(3)この構造が戦後は対米関係に投影されたのだ。アメリカは「慈悲深き家長」として日本を従える。愛に基づく支配であるならばそれは支配ではない、という論理が従属に事実を否認する。ゆえに、「戦後レジーム」=「永続敗戦レジーム」とは、同時に「戦後の国体」にほかならない。


Ⅲ.沖縄と国体ということ


 白井は、いよいよ本論に入る。
 まずは、「『戦後の国体』の形成とその歩み、そしてその崩壊において、沖縄がどのような役割を割り振られたのか」、という問題を掲げる。
 それは、「戦後の国体」の問題を理解することが、沖縄返還の「虚構性」とその「虚構性」が必要とされた理由を焙り出すだけでなく、その「虚構性」に利用されてきた沖縄の「虚構性」への現在の闘いの意味まで解明する。
まずは、日本の「国体の護持」について。


(1)1945年8月のポツダム宣言受諾に際して、当時の国家指導部が最後までこだわった降伏の条件が「国体保持の保障」であったことはよく知られているが、その実質は何であったのか。敗戦と占領改革の時期における「国体護持の行方」は、昭和天皇の戦争責任の不問と象徴天皇制の導入によって決着された、と一般的には受けとめられている。
(2)「国家のあり方」が変革されたという対外的評価を得ることができてはじめて、戦後日本の国際社会への復帰(占領終結、サンフランシスコ講和条約の締結(、)が許されたのである。そうでなければ、戦後ドイツがナチス第三帝国であるがまま国際社会に復帰するのと同じであって、そのような事態は到底あり得なかった。したがって、「国家のあり方」という意味での国体は、面目を一新したのであり、国体が護持されたとは到底言えない。ゆえに、マッカーサーが主導した天王星の存続(国体護持)とは、多分に外面的なものである。
(3)マッカーサーが内外の世論、また米政府内での「天皇の責任を問うべし」という圧力を断固たる決意で押し返した端的な理由は、天皇を攻撃するよりも、天皇を活用した方が円滑な占領統治に有益である、という判断であった。
 マッカーサー自身が骨子である「三原則」を提示して起草された新憲法の内容も、この文脈から理解される必要がある。「三原則」とは「天皇を元首とする」「戦争放棄」「封建制度の廃止」であったが、「天皇を元首とする」(天皇が象徴として存在し続ける)と「戦争放棄」(完全な非武装化)は、密接に関連していた。天皇の責任を問う内外の圧力をかわすためには、日本を軍事面で徹底的に無力化することが必要だったのである。
(4)GHQは、単に昭和天皇を免責するだけでなく、新生日本を「平和主義」で「民主主義」の国へと変える主導者の役割をも天皇に割り当てるようになる。こうしたアメリカの思惑に対して、昭和天皇は、「官民挙ゲテ平和主義ニ徹シ」と述べた「人間宣言」をはじめ巧みに応えた。
(5)天皇にとって、戦前から存在した国体の不倶戴天の仇としての共産主義は、いよいよ力を増してきたと認識された。そのとき、国体の守護神といて要請されたのが米軍のプレゼンスにほかならなかった。豊下が明らかにしたように占領終結後の米軍駐留継続は、昭和天皇による「天皇メッセージ」にも後押しされて、アメリカが「われわれの」望む数の兵力を、望む場所に、臨む期間だけ駐留させる権利を確保する」取り決めとして、日米安保条約がサ条約とセットで結ばれることによって実現された。


 白井は、次に、「利用された沖縄」という核心を突きつける。
 どういうことなのか。
実は、「利用された沖縄」とは、「ここに深刻な矛盾が発生する。第二次大戦後のアメリカは、主要なものだけでも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、ほぼ間断なく戦争をし続けてきた。そして、これらの戦争が、日米安保条約に基づく大規模な基地の提供なしに遂行し得なかったことは、明白である。」 、という「矛盾」の解消のために沖縄が利用されたことを指すのである。
沖縄が背負わされた「矛盾」とは次のものである。


(1)矛盾とは、日本は一方で決して戦争をしないという「平和国家」の看板を掲げつつ、同時に他方で、常に何らかの戦争を闘っている国家の、その戦争遂行にとって不可欠な援助者である、という事実にある。
(2)この矛盾を覆い隠す役割を背負わされたのが沖縄であった。そのプロセスは、大戦終結直後から始まっている。アメリカが凄惨な地上戦の果てに占領した沖縄は、サンフランシスコ講和条約(以下、サ条約)によって日本の主権が回復されたがゆえに、国際法的にきわめて曖昧な、極度の無権利状態に置かれることとなった。サ条約は、沖縄に対する日本の「潜在主権」を認めつつ、統治の実権は全面的にアメリカに帰せられたからだ。同時にアメリカは、「いかなる領土の変更も欲しない」と宣言した大西洋憲章(連合国の行動要領、1941年)以来の無併合の大方針に拘束されており、沖縄を一時的にであれ併合するわけにはいかなかったため、沖縄は国際法的に定義困難な地位に留め置かれた。その結果、沖縄は、日本の領土でもなければアメリカ領でもなく、ゆえに両国の憲法が規定する人権保障がいずれも機能しないがために、軍事的要請が制約なしに貫徹される空間と化した。その具体的表れが、「銃剣とブルドーザー」による軍用地の強制収容であった。
(3)かかる明白な人権蹂躙を、アメリカは何時まで続けるつもりだったのか。答えは「無期限」である。53年に、時の国務長官・ジョン・フォスター・ダレスは、「極東に脅威と緊張の状態が存する限りアメリカは琉球諸島に対する統治権を行使続ける」と、宣言した。この宣言は「ブルースカイ・ポリシー」と呼ばれ、「一点の雲もなく空が青くなるまで沖縄は返還されない」ことを意味した。「極東に脅威と緊張の状態が存する」か否かを判断するのは、無論アメリカである。


 では、こうした状況下での沖縄返還はどういう位置づけであったのか。
白井は、次のように説明する。


(1)それでも72年に沖縄返還が実現するのは、日本の本土および沖縄での復帰要求の高まりと、アメリカの事実上の沖縄領有、否、領有よりさらに悪い自由軍事利用への国際的な批判の視線を、アメリカも意識せざるを得なかったためである。
(2)米軍による沖縄支配に終止符を打つために、日本外交があらゆる手段を動員したことはない。具体的には、返還以前に、サ条約が認めた日本の潜在主権を根拠に沖縄の軍事植民地的状況の不当性を国連の場で問題化するという手段は検討されなかった。また、東西対立終焉以後、在日米軍の最大の駐留根拠(対ソ連)が失われた以上、大規模な駐留削減の提案も可能だったはずが、96年の日米安保共同宣言は、日米同盟がアジア太平洋地域の安定の基礎であるという論理にによって、在日米軍の兵力規模維持を宣言した。これは、「ブルースカイ」は、存在せず、今後も存在しない、つまり、「沖縄は返還されない」と宣しているに等しい。
(3)このような、自発的な従属の実態、従属の事実を否認する従属の虚構性は、沖縄の現実において暴き出されてしまう。
(4)本土の多くの米軍基地が沖縄に移されたことによって、右の虚構は本土では現実として通用する。「戦争と絶縁した平和主義の日本」という虚構と「世界最強の軍国主義国家の援助者=子分」という現実は、「アメリカに愛されているのであって従属などしていない本土」と「アメリカによって力づくで支配されている沖縄」という形で空間上に転態されるのである。


 白井の指摘は、「この構造が固定され変わらない理由の筆頭は、差別であろう。」、と規定する中で、「ここでは、第一の理由として、このような戦後沖縄の状況をつくり出した経緯の一端を昭和天皇が担ったことの意味を指摘したい。」、とその核心に至る。


(1)昭和天皇は、日米安保条約締結を働きかけたのみならず、47年に「天皇メッセージ」をアメリカに伝え、米軍による沖縄占領を50年間よりもさらに長く継続させることを希望する意思を表した。天皇の考えでは、国体を護持する(=皇統が持続する)ためには、平和主義の国是と同時に、共産主義の脅威に対抗するための国土の要塞化が必要だったのである。この矛盾を解消すべき指定されたのが、「日本でもなくなくアメリカでもない」沖縄であった。
(2)「天皇メッセージ」がどれほどの政治的実効性を持ったかについては、まだ十分に解明されていない。ただし、その直接的効果よりも重要なのは、昭和天皇の考え方が戦後日本の統治エリートの全般的な意思とシンクロし、一般化していった点にある。とにもかくにも施政権が返還され、東西対立も終焉し、日米間の国力格差も戦後直後とは全く異なった状況になったにもかかわらず、沖縄を不変の構造に押し込め続けている無意識化された動機に、われわれは直面する。つまりそれは、「昭和天皇がお決めになったことだから、変更できない」ということではないのか。
  

 白井は、最後に、「『戦後の国体』は明白に崩れ始めている。」、との現在の状況把握の下に、現在の「戦後の国体」と闘う沖縄の姿の意味を示す。


(1)「天皇陛下のように日本を愛してくれるアメリカ」という幻想は、東西対立にその根拠があった。アメリカは日本をアジアにおける最重要の同盟国と見なして、恩恵を授けた。しかし、東西対立の時代はとうに終わった。にもかかわらず、対米従属の合理性が失われた時代(ポスト冷戦)においてこそ、親米保守派が支配する戦後レジームの対米従属姿勢は、より露骨なものとなってきた。
(2)「戦後の国体」の構成的外部としての沖縄から発せられた声は、今日の日本の政治状況の本質を衝くものとなり、故翁長雄志知事の発言は、的確で鋭利な戦後レジーム批判として現れた。
(3)本土の日本人が安倍政権に支持を与えてきたことは、これらの指摘を却下してきたということであり、「戦後の国体」を依然として支持しているということでもある。しかし、いまオール沖縄が闘いを挑んでいる。「戦後の国体」とは、本来は、現レジームの特権階級(例えば、「家柄の良さ」だけで二度も総理大臣を務めさせてもらえるような特権階級)の構成員を除くすべての日本人にとって、打倒すべき敵なのである。


 さて、こうした白井の論理展開が、新崎盛暉の提起した「構造的沖縄差別」という論理と重なるということに気づかされる。
例えば、新崎は、「新崎盛暉が説く構造的沖縄差別」の中で、次のように指摘している。


 新崎は、日本の戦後の出発を、「象徴天皇制、日本の非武装化、沖縄の(分離)軍事支配は、占領政策の上で、三位一体の関係になったのである。構造的沖縄差別の上に立つ対米従属的日米関係は、ここから始まる。一九四七年の、『沖縄を二五年ないし五〇年、米軍統治に委ねることに異存はない』といういわゆる天皇メッセージや、講和後も米軍の駐留を希望するという天皇のGHQへの積極的働きかけなどは、天皇がこの仕組みの中で自らに与えられた役割を果たしたものと言えるだろう。」と規定し、このことにより、「日本の非武装化は、日本国憲法にも明記され、それは平和憲法と呼ばれるようになったと説明する。 
 つまり、日本国憲法は、「沖縄を除外することによって成立した」ものであり、このことこそが、構造的沖縄差別を端的に顕していると。
 また、米国の「日本非武装化」という考え方は東西冷戦が顕在化すると、米国は「敵対者として覇権を争った日本を『目下の同盟者』として保護育成利用する方針」に転換し、「米国内市場を開放して経済的復興を支援するとともに、日本の再軍備を促すことになった。」と指摘する。
 さらに、「構造的沖縄差別」に関して、「日本、米国、沖縄、基地など様々な要素が織りなす構造において、沖縄への基地押しつけを中心とする差別的仕組みは、日米安保体制維持のための不可欠の要素とされてきた。そしてそれは、時の経過とともに、『沖縄の米軍基地に対する存在の当然視』という思考停止を生んだ。」という現状認識を問うている。
 その結果、ヤマトの側の「この数十年にわたる思考停止状態の中での『沖縄の米軍基地に対する存在の当然視』こそ、構造的沖縄差別に他ならない」と、断じている。


 今回の白井の指摘は、まさに、核心を突くものであった。
 最後に、あらためて、大きく気づかされることがある。
 日本人の「沖縄でよかった」というつぶやきは、「昭和天皇がお決めになったことだから、変更できない」という意味をも含んでいたのだということを。



by asyagi-df-2014 | 2018-09-26 07:04 | 本等からのもの | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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