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沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年7月31日

 「沖縄県は31日午後4時半、名護市辺野古の公有水面埋め立て承認撤回に向けて、沖縄防衛局から弁明を聞くための『聴聞』を8月9日午後2時から県庁で開催すると通知した。」、と琉球新報。
 いよいよ「撤回の承認」に向けて動き始めた。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年7月30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「土砂投入や執行停止申し立てしないで」 首相官邸前で新基地建設に抗議集会や-2018年7月30日 18:52


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】辺野古新基地の埋め立てを巡る翁長雄志知事の承認撤回表明を支持し、土砂投入中止を求める集会(辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会主催)が30日、都内の首相官邸前で開かれた。8月に予定される土砂投入の中止と新基地建設計画の見直しなどを訴えた。」
②「主催者のメンバーは集会の合間に、土砂投入中止のほか、翁長知事の撤回に対する執行停止申し立てをしないよう求める申し入れ書を内閣府に提出した。」
③「政府への要請のほか、座り込み集会の中では、野党の立憲民主党に対して辺野古移設の再検証を具体的に進めるよう求める署名への呼び掛けもあった。」
④「官邸前座り込みに参加した都内在住の女性(81)は『沖縄には行きたいけれど、なかなか行けないので、ここで基地建設に反対の声を上げている。基地があることで戦争に加担することになる。沖縄の問題は海をよごすことにもつながる。知事さんを応援したい。病気なので心配だ』と知事をいたわった。」


(2)琉球新報-県が沖縄防衛局に「聴聞」通知 実施は8月9日 辺野古埋め立て承認撤回へ-2018年7月31日 17:11


 琉球新報は、「沖縄県は31日午後4時半、名護市辺野古の公有水面埋め立て承認撤回に向けて、沖縄防衛局から弁明を聞くための『聴聞』を8月9日午後2時から県庁で開催すると通知した。31日、県土木建築部の松島良成土木整備統括監が嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、同局調達部調達計画課の杉山英広課長に聴聞通知書を手渡した。」、と報じた。
 また、「聴聞手続きを経て撤回が実行されると、埋め立て承認の効力が失われ、国は海上での工事を停止しなければならない。政府は県の聴聞に応じる構えだ。県は8月17日にも予定される土砂投入前に撤回に踏み切りたい考えだが、聴聞手続きが長引けば、先に政府が土砂を投入する可能性もあり、不透明な情勢が続く。」、と報じた。


(3)沖縄タイムス-護岸つなぐ工事進む 重機で砕石を海中へ 辺野古新基地-2018年7月31日 14:14


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸では31日午前、新基地建設予定地南側の『K4』護岸をつなぐ造成工事が進められた。護岸上には砕石を積んだダンプカーがひっきりなしに行き来。降ろされた砕石を重機が海中に投下したり敷きならしたりし、前日に目視で30メートルほどだった未接続部分が、午前中だけで二十数メートルまで短くなった。」
 また、「海上では基地建設に反対する市民らが船2隻、カヌー11艇を出して沖縄防衛局に抗議。『私たちの税金を自然破壊と人殺しの基地のために使わないで』などと声を上げた。」、と報じた。


(4)沖縄タイムス-県民投票:条例制定、県議会へ働き掛け 第2段階に-2018年7月31日 12:04


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票の実現を目指す『【辺野古】県民投票の会』の副代表を務める新垣勉弁護士は30日の記者会見で、『民主主義社会において都道府県レベルで示された民意を無視し、中央集権的な政治や施策が実行し得るのか問われることになる』と述べ、投票で民意を明確にする重要性を説いた。」
②「新垣氏は、県民投票を求める運動は県議会という第2ステージに移ると説明。投票の目的は辺野古の埋め立ての賛否を問う、という1点にあるとし、『県民の民意が単純明快に反映されるよう県議会に働き掛けたい』とした。」
③「県民投票が実施された場合の時期については『さまざまな状況を考慮し、知事が判断する』とした一方、『埋め立ての賛否を問う投票なので、辺野古の海の環境が損なわれる前に実施した方が最もその趣旨に沿うと思う』とも述べた。」
③「県民投票を巡っては、県政野党や保守系首長の協力を取り付けられるかが注目されている。」
④「新垣氏は、県民投票は投票手続きによって民意を明確にする手続きであり、『民主主義を尊重する限り、県政与党・野党であろうが反対はできないものと考えている』との認識を示した。」


(5)沖縄タイムス-[解説]渉外知事会「特別要望」 地位協定の改定求める声、全国に広がる-2018年7月31日 12:01


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍基地所在15都道府県でつくる渉外知事会が、自治体意見を反映させ「特別要望」との形で日米地位協定の改定を求めたのは、改定に消極的な日本政府の取り組みを促す狙いがある。」
②「米軍関係の事件・事故が沖縄に限らず、全国で相次いでいることを背景に、改定を求める声は全国的に広がりつつある。27日の全国知事会で初めて改定を求める提言が採択された。」
③「渉外知事会会長の黒岩祐治神奈川県知事は30日の要請行動後、全都道府県が加盟する全国知事会の動きに『非常に大きな意味がある。両知事会がしっかり連携しながら大きなうねりをつくりたい』と力を込めた。だが、日本政府の反応は鈍い。これまで補足協定や運用改善などの成果はあるが、抜本的改定への取り組みはない。」
④「この日の要請に対しても、外務・防衛両副大臣から特段の言及はなかったという。黒岩氏は『政府と認識を一体化できているかというと、まだまだ距離がある』と課題を語る。その上で、黒岩氏は県が実施したドイツやイタリアなど実際に地位協定を改定した他国の調査研究を評価。『実際に協定を変えることができるということを、より多くの国民に知ってもらうことは非常に重要だ』と改定の機運をさらに高めたい考えだ。」
⑤「日米地位協定は1960年に締結以降、一度も改定されていない。住民の声を反映する都道府県からの要望は重く、政府は耳を傾ける必要がある。」           (東京報道部・大城大輔)

 いよいよ「撤回の承認」に向けて動き始めた。



by asyagi-df-2014 | 2018-07-31 21:15 | 沖縄から | Comments(0)

防衛省は、PAC3の撤収開始。

 東京新聞は2018年7月31日、表題について次のように報じた。


(1)「防衛省は三十日、北朝鮮の弾道ミサイル発射警戒のため展開していた航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊の撤収を開始した。米朝首脳会談後、ミサイル飛来の可能性は低下したと判断した。その一方で、脅威は続いているとして、弾道ミサイルの地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』を米国から購入する。三十年間の維持・運用費を合わせると二基で経費は計約四千六百六十四億円に上る。ミサイル発射装置や用地の取得費は含まない。」
(新開浩)
(2)「小野寺五典防衛相は三十日、地上イージス一基の購入費は当初の見積もりを五百億円も上回る約千三百四十億円と発表した。防衛省は当初、地上イージス購入費として、海上自衛隊のイージス艦の搭載レーダーを参考に一基約八百億円と試算した。しかし、より高性能の最新レーダーを選び、購入費が膨らんだ。選定したのはロッキード・マーチン社の「LMSSR」。性能はイージス艦よりも大幅に向上し、探知距離は一千キロ以上とされる。」
(3)「防衛省は二〇二三年度からの地上イージスの運用開始を目指したが、米側は契約から一基目の配備までに約六年かかると説明。米朝協議後、両国が対話を続ける中、北朝鮮がミサイル発射という暴挙に出る可能性は低いが、防衛省は地上イージスの購入を急ぐ。来年度予算案に関連経費を盛り込み、予算成立後に契約を結び、早期取得を目指す。」
(4)「地上イージスは二基で日本全体をカバーし、政府は陸上自衛隊の新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(山口県萩市、阿武町)を配備候補地としている。」
(5)「PAC3を巡っては、政府は北朝鮮が昨年八月に米領グアム周辺へのミサイル発射計画を公表した直後、上空通過を予告した中国・四国地方の四カ所に展開した。その後、北朝鮮は北海道上空に弾道ミサイルを相次ぎ通過させたため、函館市にも展開した。いずれも撤収後は、空自の岐阜基地(岐阜県)や白山分屯基地(三重県)など元の配備地四カ所に戻す。」
(6)「自衛隊によるミサイル迎撃を可能とする破壊措置命令は、引き続き発令したままとし、情勢が変化した場合は改めて配備する。」



by asyagi-df-2014 | 2018-07-31 10:10 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄からの「承認の撤回」の成否は、日本の未来を規定する。(1)~琉球新報20180728~

 沖縄県知事による辺野古の新基地地建設に反対する「承認の撤回」の成行は、日本という国の未来を規定する。
 それはいかに無視しようとしても、その結果は、日本のすべての市民・国民に覆い被さってくるものなのである。
だとしたら、まずは、このことを自分の問題として捉えようではないか。

 琉球新報(以下、「新報」)は2018年7月28日、「埋め立て撤回表明 新基地建設断念求める」、と社説を掲載した。
この社説を基に、この「承認の撤回」を捉える。
「新報」は、この撤回表明に関して、「翁長雄志知事が辺野古埋め立て承認の撤回を表明した。新基地建設を強行してきた政府はさまざまな対抗措置を準備しているとみられ、再び司法の場での争いになると予想される。政府がやるべきことは、長年基地の過重負担に苦しんでいる沖縄の状況を是正することである。知事が民意を背に決断したことを尊重し、辺野古新基地建設を断念すべきだ。」、と最初に断じる。
また、「2014年知事選で勝利した翁長知事は、仲井真弘多前知事による辺野古埋め立て承認を取り消した。代執行訴訟や和解、国地方係争処理委員会(係争委)の審査などを経て、最後は国が提起した不作為の違法確認訴訟で県が敗訴した。知事が『取り消し』を取り消したため、承認の効力が復活し現在に至っている。」、との事実経過を確認する。
さらに、今後の沖縄県側の対応について、「承認に違法性がある場合に承認時にさかのぼって効力を失わせる『取り消し』に対し、承認後に生じた違法行為を根拠にする『撤回』は、その時点で効力を失わせる。いずれも公有水面埋立法で定められた知事の権限であり、事業者である国は埋め立ての法的根拠を失う。国の姿勢が変わらなければ、事業者の言い分を聞く聴聞を経て、知事は撤回を行うことになる。」、と説明する。
 「新報」は、今回の翁長沖縄県知事の承認の撤回の表明について、次のように指摘する。


(1)「国と県が裁判で繰り返し争うのは正常な姿ではない。政府の一方的な姿勢が県を訴訟に追い込んできた。岩礁破砕を巡っても、政府が県の許可を一方的に不要と主張し強行した。県は差し止め訴訟を起こし、現在も係争中だ。」
(2)「15年の承認取り消し後の代執行訴訟では、裁判所が勧告した和解が成立した。しかしすぐに国が是正指示を出したため県は係争委に審査を求めた。係争委委員長は法的判断を回避した上で『国と沖縄県は真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題解決に向けての最善の道である』と述べた。しかし、ほとんど協議せず国は新たな提訴に踏み切る。裁判所や係争委の意向を国は無視した。」
(3)「そもそも国土の0・6%にすぎない沖縄県に全国の米軍専用施設面積の約70%が集中していることが問題の根本だ。基地の過重負担を強いながら、基地縮小を求める県民大多数の民意を無視し、貴重な自然を破壊する工事を強行する。このようなことが沖縄以外でできるだろうか。」
(4)「辺野古に新基地を建設することについて自民党の石破茂元幹事長でさえ『ベストでもベターでもない。ワーストではないという言い方しかできない』と述べた。ワーストでない所なら沖縄以外にいくらでもあるはずだ。普天間飛行場の代替施設がどうしても必要と言うなら、沖縄以外に求めるべきである。他県には決して振りかざさない強権を沖縄には突き付ける。二重基準であり、差別そのものだ。」


 「新報」の主張は、明確に日本政府に突きつけられる。


「知事の決断を多くの県民が支持している。その民意に向き合うよう改めて政府に求める。建設強行に未来はない。」


 確かに、辺野古新基地建設に、正義や未来はない。




by asyagi-df-2014 | 2018-07-31 07:11 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年7月30日

 「730(ナナサンマル)」を経験した沖縄。
「交通が右から左へ、一夜にして変わる。こんな経験をしたのは日本で沖縄だけだ。」、ということに深く気づくには大きな時間が必要だった。
 沖縄を初めて訪れたのは、7年経過後の1985年。その頃には、まだ、「車は左、人は右」(?)の標識があちこちに見られた。沖縄の歴史が少し見えだしたのは、1995年だった。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年7月30日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-右と左が一夜で逆転した日 沖縄「ナナサンマル」狂騒曲-2018年7月30日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


【道路も「アメリカ世」から「大和世」へ】
①「上の写真は1978年(昭和53年)7月17日の那覇市内を撮影した写真だ。
何か違和感を感じないだろうか?そう、車が右側を走っているのだ。ちょうど40年前の1978年7月30日。沖縄県民が「730(ナナサンマル)」と呼ぶこの日は、歴史的な一日として語り継がれている。それまで自動車は右側通行だったのが左側通行に変更され、道路標識や道路標示、信号の切り替えがわずか8時間で行われたという、国内で類がない〝交通革命〟が起こった日だ。」
②「沖縄も戦前は日本の他の地域と同じように左側通行だった。戦後、米統治下となったことで交通法規もアメリカ式の右側通行になった。1972年に沖縄は日本復帰を果たす。だが、『復帰特別措置法』の中で交通方法は『復帰後3年を経過した適切な時期』で切り替えることと記され、しばらくは右側通行を維持することに。県民には『世界の多くの国が右側通行なのに強いて日本に合わせる必要はない』という反対意見もあったというが『一国一交通制度』が尊重された。」
③「 当初、県は復帰2年後の74年に右・左の切り替えを行うつもりだったが、翌年の沖縄国際海洋博覧会、海洋博後の『アンコール・フェア』(後に開催断念)とビッグイベント開催を控えていたことから延期。さらに、道路標識や信号機の変更、バスやタクシーのドアを反対側に取り付けることへの補償、運転手の教育、県民へのPRなどに時間がかかることを考慮した結果、切り替えは78年7月30日実施と決定された。」
④「78年7月30日を境に『車は右、人は左』の“アメリカ世”から『車は左、人は右』の“大和世”へ移り変わる―。県民全体を巻き込んだ一大プロジェクトが動き出した。」
【日常にあふれた「車は左、人は右」のうたい文句 】
⑤「当日に向けて街にはシンボルマークやポスター、『車は左』『人は右』の標語があふれ、『ナナサンマルの歌』がつくられた。学校では交通安全教室が開かれ、テレビや新聞でもキャンペーン報道が繰り広げられた。『クイズ730』という視聴者参加型のクイズ番組は連日放送されて人気を集めたという。」
⑥「『ナナサンマルは日常の話題だった』。 当時を知る男性記者(52)はそう振り返る。那覇に近い浦添市に暮らす中学1年生だった。所属していたバスケットボール部では、一列に並んでリングボードにボールをぶつける練習を『連続で730回成功するまでやろう』と盛り上がった。道路には新しい標識が次々と立てられ、右左折を示す道路標示も塗り替えられていった。『街の風景がどんどん変わっていく。中学生ながらにナナサンマルは身近に感じた』という。」
⑦「 本島北部の本部町で中学2年生だった別の男性記者(53)は『730まであと〇日』とカウントダウンする残歴版を自作し、実家の商店に飾って客にアピールしたという。
『ものすごく高揚感があった。(72年の)復帰のときのカルチャーショックが再来したような感覚だった』。 一定年齢以上のウチナーンチュにとってナナサンマルは鮮烈な光景として残っている。それぞれの思い出があり、ノスタルジックな感情とともに語ってくれる。」
【興奮と混乱の中でスタート】
⑧「来る日に備え、沖縄県警察本部は『対策室』を設置。およそ10年前に『左』から『右』への交通方法変更を行ったスウェーデンの取り組みを研究したという。 左側通行用に新たに設置された信号機や道路標識には、当日まで黄色いカバーがかけられた。道路標示の矢印は事前にペイントして上から特殊カバーをかぶせた。直前には県外31都府県から2800人の応援警察官が派遣された。」
⑨「 右から左へ。切り替えのタイミングは7月30日(日)午前6時だ。」 前日の29日午後10時から8時間、全県下で車の通行が禁止された。1700人以上の作業員が投入され、この8時間の間に信号も道路標識・標示も一斉に切り替えた。警察官は県外からの応援も含め、4200人が夜通し街頭で規制や指導に当たった。」
⑩「那覇市内の交差点には切り替え作業を見守ろうと多くの見物人が詰め掛け、歩道橋はカメラを構えた人で鈴なりになったという。午前6時、消防や警察が鳴らすサイレンを合図に、「車は左、人は右」時代が幕を開けた。変更当初は大荒れだった。車体が大きいバスはスムーズに走行できず交差点で接触事故を起こし、玉城村(現南城市)では対向車を避けようとして左側に寄りすぎた路線バスが道路から3メートル下に転落横転した。県民も不慣れな左側通行にこわごわ、のろのろ運転で、たちまち各地で渋滞が発生。翌日31日(月)は、那覇の国際通りで車が500メートル進むのに1時間かかったといい、会社や役所で遅刻者が続出した。当時を『鏡の国にいるようだった』と表現する人もいる。」
【今も〝現役〟ナナサンマル世代】
⑪「ナナサンマルでは、路線バスも全車両を右ハンドル・左ドアの車両に切り替える必要があり、1000台の新車が導入された。このとき各バス会社に導入された車両は『ナナサンマル車』の愛称で親しまれている。老朽化などで徐々に姿を消していったが、現在も沖縄バスと東陽バスにそれぞれ1台ずつ残る。いずれも走行距離は130万キロ超え(地球30周以上に相当)だが、大事にメンテナンスされながら現役で運行している。東陽バスのナナサンマル車は、日曜と祝日に限り191番城間線で1日3往復。沖縄バスは週に1回、39番百名線で午前中に2往復の運行をしている。」
⑫「筆者も、取材で沖縄バスのナナサンマル車に乗せてもらった。三菱ふそうの「MP117K」という型式で、国内ではこの1台だけしかないという。今の車両と比べると、車体は丸みを帯びてどこか愛嬌があるフォルム。外装に鉄板を継ぎ合わせた丸いビスの形があるのも特徴だ。最新の車両はギアチェンジがオートマチック化されており、最近免許を取った運転手だとナナサンマル車の棒式ギアを扱いきれないそうだ。」
⑬「東陽バスで現在は配車係を務める平良實さん(70)はナナサンマル当時、運転手だった。本番まで10日間ほどの練習期間があり、運転手たちは空き地に集められて交代で練習したという。しかし人数が多いため実際に練習したのは『1人10分もなかったはず』と平良さん。乗客の命を預かる責任感。切り替え後最初の乗車は緊張したのを覚えているという。『景色がこれまでと反対。停留所への寄せや右折の感覚をつかむのに苦労した。運転手はみんな戻ってきて【今日も無事終わった】とほっとしていたよ』と懐かしむ。」
⑭「交通が右から左へ、一夜にして変わる。こんな経験をしたのは日本で沖縄だけだ。
もしいま、同じことをやれと言われたら? 40年の節目。『ナナサンマル』を振り返り、あらためて沖縄特有の歴史を考えさせられた。」


(2)沖縄タイムス-米軍、放射性物質を下水に流す 大震災後トモダチ作戦 厚木・三沢で12万リットル超-2018年7月30日 05:28

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【ジョン・ミッチェル特約通信員】在日米軍が2011年6月、厚木基地(神奈川県)と三沢基地(青森県)で放射性物質を含む汚染水12万リットル以上を下水道に流していたことが分かった。本紙が米軍の内部資料を入手した」。
②「汚染水は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の『トモダチ作戦』に参加した軍用車両や装備品の除染で発生していた。」
③「米太平洋軍(当時)と在日米軍の内部討議資料によると、11年5月3日時点で『液体低レベル放射性廃棄物』が厚木に9万4635リットル(2万5千ガロン)、三沢に3万283リットル(8千ガロン)あった。本紙の取材に対し、在日米軍はこの時の保管量より多い量を翌月、厚木と三沢で投棄したことを認めた。同時に『投棄は日本政府の基準で安全と認められていた』と説明した。」
④「汚染水は『低レベル』と分類されているものの、実際の放射性物質の濃度は明らかでない。内部資料には、装備品の中に除染しきれないほど深刻に汚染された物があったと記されている。」
⑤「トモダチ作戦で出た固形や液体の『低レベル放射性廃棄物』は在日米軍基地6カ所で保管されていたことが公表されている。厚木と三沢のほかは普天間飛行場、横田基地(東京都)、横須賀基地(神奈川県)、佐世保基地(長崎県)。普天間では除染に使った布などの固形物がドラム缶に詰められていた。」
⑥「本紙の取材に、在日米軍は横田と横須賀では18年3月時点でも固形廃棄物の保管が続いていたことを明らかにした。横田の廃棄物は表面線量が日本政府が定める通常の被ばく限度、毎時0・23マイクロシーベルトを上回る2・1マイクロシーベルト、横須賀では下回る0・1マイクロシーベルトだった。横田にあった汚染水は東電が回収して廃棄したという。」
⑦「ことば:『トモダチ作戦 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の後に米軍が実施した被災地支援活動。在沖米軍からもヘリや兵士が参加した。一方、原子力空母の元乗組員が放射線被ばくによる健康被害が出ているとして、東京電力などを相手に救済基金設立を求める訴えを米裁判所で起こしている。』


(3)沖縄タイムス-翁長知事が撤回に踏み切った3つの新事実とは?【深掘り】-2018年7月30日 05:00

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「翁長雄志沖縄県知事は27日の臨時記者会見で、名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の撤回に踏み切る理由として、沖縄防衛局の調査や報道などで新たな事実が判明したことを取り上げた。2013年12月の仲井真弘多前知事の承認時には分からなかった事実が出てきたことで、環境保全や災害防止といった承認の要件を満たすことができず、承認の効力を存続させることは『公益に適合し得ない』と強調した。知事が新たな事実として挙げた三つの項目をまとめた。」                     (政経部・福元大輔、銘苅一哲、嘉良謙太朗)
【(1)高さ制限:県「小中高専や住宅も抵触」国「米側と調整し対象外に」】
②「県は辺野古新基地が完成した場合、国立沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)の校舎などの既存の建物等が、米国防総省が航空機の安全な航行のため飛行場周辺に設定する『高さ制限』に抵触していることが判明したと指摘する。」
③「同省策定の統一施設基準書によると、辺野古新基地では滑走路の周囲2286メートル、高さ45・72メートルの範囲に高さ制限が設けられる。辺野古新基地の滑走路は標高8・8メートルで設計されているため、高さ制限は標高54・52メートルとなる。久辺小・中学校や辺野古・豊原両区の住宅なども高さ制限を超過している。」
④「一方、国は沖縄高専や民家などは『米側との調整結果により、高さ制限の対象とはならない』と主張。新基地完成後の飛行経路は『離陸、着陸のいずれも周辺の集落上空を通過するのではなく、基本的に海上とすることで日米間で合意している』と強調する。」
⑤「また、県は高さ制限について『日米の統一基準の適用除外が明確でなく、安全性に疑義がある』との考えを示すが、国は米側と運用も踏まえた上で調整した結果、『(適用除外の認定基準は)米側が判断する』としている。」
【(2)軟弱地盤:全護岸の設計図を示せ 辺野古側15年提示済み国】
⑥「翁長知事は撤回を表明した会見で撤回理由の一つとして『沖縄防衛局が実施した土質調査により、(大浦湾側の)C護岸設計箇所が軟弱地盤であり、護岸の倒壊などの危険性がある』と述べ、専門家からは活断層の存在が指摘されていることも付け加えた。」
⑦「軟弱地盤、活断層の存在は公有水面埋立法の承認要件である『環境保全および災害防止に十分配慮する』『国土利用上、適正かつ合理的』の要件を満たしていないとする論理だ。」
⑧「沖縄防衛局の2016年3月の地質調査報告書は、大浦湾のC護岸建設予定地で土の硬さを表す『N値』がゼロの『軟弱地盤』があることが明らかになり『当初想定されていないような特徴的な地質が確認された』としている。」
⑨「県は報告書を基に『護岸の構造や配置などが変更される可能性がある』とし、C護岸を含めた全体の設計図を示し、環境保全策などを工事の前に実施するべきだと主張してきた。一方で、防衛局は15年7月に埋め立てを先に進める辺野古側など12護岸の設計図と環境保全策を県に示しているとし、軟弱地盤が明らかになった報告書が示す護岸はこれらの護岸とは異なるとしている。」
【(3)普天間の返還条件:県「埋め立ての理由不成立」国「辺野古の移設以外にも」】
⑪「翁長知事は、当時の稲田朋美防衛相が2016年6月の国会答弁で、名護市辺野古への移設が完了しても他の条件が調わなければ普天間飛行場は返還されないとの認識を示したことに、『辺野古を埋め立てる理由が成り立たない』と語った。稲田氏は13年の日米合意で示された八つの返還条件のうち『緊急時の民間施設の使用改善』について、『米側と調整が調わなければ、返還条件が調わず、(普天間)飛行場は返還されない』と述べた。」
⑫「米側は辺野古の滑走路が普天間より短いとして、滑走路の長い施設の使用を求めている。一方、1996年の日米特別行動委員会(SACO)の最終報告にこの条件は含まれていない。2013年の合意でなぜ追加されたのか、県側には一切明らかにされていない。」
⑬「米政府監査院は17年4月の報告書で『緊急時に使用できる県内1カ所を含む国内12カ所の空港を確定する必要がある』と指摘した。県内の1カ所は那覇空港とみられ、翁長知事は『(米軍には)絶対に那覇空港を使わせない』と使用を拒否し、米側との条件が調うか、不透明な状況だ。」
⑭「国は普天間の危険性除去のため、辺野古の海を埋め立てると説明しており、辺野古移設が完了しても、返還されないなら、埋め立ての理由が成り立たないというのが県の主張だ。」


(4)琉球新報-K4護岸、開口部に砕石投下 辺野古新基地建設-2018年7月30日 14:15


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設工事で30日午前9時半ごろ、沖縄防衛局は辺野古漁港側に位置するK4護岸の開口部へ砕石を投下し、数十メートルの開口部を護岸として接続する作業を開始した。」
②「ダンプカーで搬入した砕石をクレーン車を使って次々に開口部へ投下し『バラバラ』と大きな音をたてて砕石が海中へと沈んでいった。」
③「海上では、赤嶺政賢衆院議員や安次富浩ヘリ基地反対協共同代表、具志堅徹元嫌疑らも抗議の声を上げた。赤嶺氏は船上から防衛局の職員らに対し『県の指示や留意事項を守らずに工事を進めていることをこれまで何度も指摘されてきた』として問題点を挙げ、工事を中止すべきだと訴えた。」
④「一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では移設に反対する市民らが座り込んで防衛局に抗議する中、資機材の搬入が行われた。」


(5)琉球新報-県民投票求める署名10万千筆に 有効署名数約2万3千筆で県民投票条例を直接請求へ-2018年7月30日 12:17


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍新基地建設に伴う名護市辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の実現を目指す「辺野古」県民投票の会は30日午前、県庁で記者会見を開き、直接請求を行うために集めた署名が約10万千筆に上ったことを発表した。」
②「会見で元山仁士郎代表は署名収集について『私たちは多くの県民が県民投票を強く望んでいることを実感した』と振り返った上で、【軍事的に沖縄である必要はないが、本土の理解が得られないから】と強権を振りかざして国策を強行する政府に抗するためには、私たち沖縄県民が民主主義の原理に基づき、主権者としてしっかりと【民意】を明確に示すことが重要だ』と強調した。政府に対し、県民投票が実施されるまで辺野古埋め立て工事を中止するよう強く要請した。」
③「若者や法律家、経済人や芸術家などでつくる『辺野古』県民投票の会は、辺野古埋め立て賛否を問う県民投票条例制定の直接請求に向け、5月23日からの2カ月間で10万979筆の署名を集めた。41市町村全てで有権者の2%を超えた。」
④「同会の副代表の新垣勉弁護士は『私たちが県民投票で民意を明確にすることができれば、日本の民主主義の歴史の中で大変画期的な結果になる。民意を基本にして成立している社会で、都道府県レベルで示された民意を無視して中央集権的な政治や施策が実行しうるのか、問われることになる』と指摘した。」
⑤「記者会見の後、同会の請求代表者らは同日、各市町村選挙管理委員会に署名簿を提出した。元山代表らは那覇市選挙管理委員会に3276冊の署名簿を提出し、対応した古謝秀和副参事は『署名した1人1人の思いを大切に、審査を正確に間違いのないように進めていきたい』と述べた。署名簿は各市町村の選管で20日以内に有効審査が行われ、同会に返却される。有効署名数が直接請求に必要な約2万3千筆に達していれば、翁長知事に県民投票条例を直接請求する。」




by asyagi-df-2014 | 2018-07-30 17:56 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄から-三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記第82回

沖縄の地で、体を張って新しい歴史を作ろうとしている人たちがいる。
そこには、その煌めきの記録を残そうとしているジャーナリストがいる。
だとしたら、その生きざまの瞬間を私たちは受け取る必要がある。
三上知恵の沖縄撮影日記。



 今回の三上さんの報告は、「いよいよ公開!「沖縄スパイ戦史」~沖縄各地で先行上映会」。
三上さんは、映像作成に向き合う心境を次のように書き込んでいます。


「このところ、マガジン9でのコラム更新がかつてなく遅くなっていた。去年5月、沖縄戦のドキュメンタリーに取り組み始めてこの方、辺野古や高江の撮影に走り回っている以上に自分を追い込んでしまった。そうでもしないと、沖縄戦の闇に迫るという自分の能力を超えた仕事に、逆に呑み込まれ廃人になりそうで怖かった。一人で暗い海原を低く低く飛んで、やがて東の空から明るくなってくると信じて滑空するも、永遠に夜が明けてこない。もう一度顔を上げたときに光が見えなかったら、もう飛べないかも知れない。そんな悲壮な日々だった。」


 三上さんの思いは語られます。


(1)「え? 一人で飛んでたんじゃないでしょ。今回は若くて元気な後輩の大矢英代さんと共同監督でしょ?……ええ、まあ。しかし、彼女は遥か南端の波照間島上空を飛んだり、アメリカを飛んだりしていたので、担当地域がそれぞれ別だったから暗い海原からは見えませんでした。それに彼女は、たとえればオウムかセキセイインコ(物まねが上手なんです)。孤独な渡り鳥風情とは違うんです。たまに甲高い声で「みかみさあ~ん! 大丈夫ですよ! 面白くなりますよお!」と能天気な声が雲の向こうから聞こえたが、テレビ番組しか作ったことのないあやつには、孤独で長く、保証もない映画製作の道のりがまだ見えていないに違いない。だから、あんなに楽観してるんだろう。そのうちに泣く日も来るだろう、その時のために私がしっかりしていなくては! と眉間にしわを寄せたまま過ごしてきた。」
(2)「そう、私は20年も先輩なんだから、不安など断じて見せてはいけないのだ。歯を食いしばって虚勢を張っていた、つもり。資金を集めるのも、もっぱら私だ。取材の合間に全国を行脚しながら『沖縄戦の映画を作ってます、絶対に今こそ必要な映画なんで、カンパよろしくお願いします!』と勢いよく叫ぶ私に、各地の心ある方々から順調に支援を頂くことができた。なのに、帰りの飛行機の中では、こんなに資金を集めて『やはり今回は無理でした。まとまりませんでしたっ! ごめんなさあーい!!(泣)』って白旗を上げたらどうなるのかな、二度と映画が撮れないどころかヒトとして終わりだよな…と想像して青ざめていた。」
(3)「撮影を終えるめどにしていた11月になってもどんどん取材が広がっていき、手に負えなくなり、手応えや確信がつかめない。しかも記憶力の鈍った脳みそは、三日前に読んだ日本軍の資料がどれだったかも判別できない。私は馬鹿なのか? これじゃあ嘘つきピエロが大風呂敷広げてるのと変わらないじゃないか! と資料を前に、何度も夜中に一人で泣いた。しかし、こんなことはハナヨ(英代)には内緒だ。あいつはアメリカの空でカラフルな歌でも歌ってるんだろう。私の頭の中に流れているのはせいぜい『海ゆかば』か『護郷隊の歌』だ。」
(4)「そんな超悲観主義の先輩と楽天的で有能な後輩の組み合わせで【沖縄スパイ戦史】は奇跡的に出来上がった。凸凹コンビではあるが、私たちには大きな共通点がいくつもあった。テレビ報道マンとして、地域を日々這いずり回ってきたこと。若い時から沖縄戦のことがずっと自分のど真ん中にあること。そして彼女は八重山、私は宮古島にフィールドワークの原点があり、離島びいきであること。そしてその島に実の祖父母を超える程の、自分のおばあと言える存在があること。辺野古と高江の現場を共有してきた後輩はたくさんいるけれど、ミサイル基地と共に先島に自衛隊がやってくることに強い危機意識を持っている同業者は多くはない。離島と沖縄戦にこだわってきたからこそ、自衛隊配備が招く悲劇を予想し、座視できないのだ。そこまで私たちはそっくりだった。この二人に敏腕の橋本佳子プロデューサーが加われば、ゴールまでいけないはずがない。そう信じて、7月28日の全国公開を迎えるまでどうにか走ってきた。」


 三上さんの話は続きます。


(1)「15歳前後の少年たちにテロ・スパイ・ゲリラをさせた『護郷隊』。日本の戦争史上類を見ないこの犯罪的な作戦を指揮したのは、陸軍中野学校の卒業生たちだった。護郷隊の慰霊祭は毎年名護小学校と恩納村の安冨祖の二カ所で行われ、私はいつかちゃんとこの話を世に出したいと慰霊祭に通いつつ9年経ってしまった。ついに今年の慰霊の日にようやく、護郷隊の碑に集まった元隊員や遺族の方々をそのまま名護博物館にお連れして、関係者向けの完成披露試写を開催することができた。映画の後半で、誰も話したくはない『スパイ虐殺』の証言に応じてくださった人たちも駆け付けて下さり、感無量だった。」
(2)「この日、第一護郷隊の隊長だった今は亡き村上治夫さんの息子さんと娘さん、そしてお孫さんが慰霊の日に合わせて来沖、試写にも付き合ってくださった。村上隊長は、少年兵たちに慕われた英雄的な上官でもあるが、子どもを失った遺族からすれば複雑な存在である。この映画でも、少年ゲリラ兵部隊を率いた青年将校の部分以外に、村上隊長の陸軍中野学校の側面をどこまで描くべきなのか最後まで迷った。着任時22歳、1946年の1月に山を下りた時には23歳で大尉になっていた村上は、度々下山を促す米軍に対して、『自分は故郷には帰らずこの島で部下の供養に徹したいので、小さな畑と住むところを用意してほしい』と条件を出している。結局願いはかなわず大阪に戻されるのだが、その後、渡航が可能になるとすぐに沖縄に渡り、部下の家を何カ月もかけて全部回っている。そんな部下思いの隊長であったことは間違いないが、一方で陸軍中野学校のエリート将校として沖縄の住民を苦しめる『秘密戦』の主導的立場にいたこともまた事実だ。」
(3)「私は村上さんのご遺族の家を訪ね、趣旨をお話しして写真や資料を見せていただいた。並外れた才覚と優れた人物であったことは誰もが知るところだが、この映画では持ち上げるような演出はできないこともお伝えはしていた。そして遺族の厳しい目があることも。『うちの息子は死んで、なんでお前が生きてるのか?』と戦後、村上隊長につかみかかったという母を持つ久高栄一さん。彼の目に映る村上隊長像は、部下だった少年兵たちの印象とはかなり異なっている。そんな遺族の姿を含め、違う角度から照射された村上治夫と沖縄戦がスクリーンいっぱいに映し出され、村上さんの娘さんと孫娘に当たる女性は少なからず衝撃を受けたようだった。二人が泣いているのを見て、私は胸がズキっとした。『きつい内容でしたね。大丈夫ですか?』と声をかけると『いいえ、気にしないでください。ただ、私たちにとっては…ヒーローなんです』と村上隊長の娘さんはハンカチを握りしめた。何度も沖縄を訪ね、沖縄戦についてある程度わかったつもりでいたけれど、実相はまるでわかってなかったんでしょうね、ともおっしゃった。」
(4)「戦後73年経った今になって、ご家族を苦しめる権利が私にあるのだろうか。覚悟はしていたものの、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。それは岩波壽隊長のご家族に対しても同じ心配がある。映画を見ていただければわかるであろうが、作品としては決して二人の隊長を悪者にしてはいない。22、23歳の青年将校たちに課せられた過酷すぎる任務と、戦後も背負い続けた重荷の一端を描いたつもりだ。お二人の人間像を知るにつけて、敬愛の念さえ持つ。しかし『軍命に従っただけの軍人に罪はないんだ。それを問うてはならない』という考えに与することもできない。それでは、一見優しげで無責任な戦後日本人の、他人を許し自分も許してもらおうというずるい論理に絡めとられてしまい、次の戦争を止める力に全くならないからだ。何よりも、村上・岩波両隊長こそ、沖縄の民間人を大量に犠牲にしていった旧日本軍の作戦の欠陥について後世、冷静かつ鋭い批判と分析がなされるべきだと思っているに違いないと、私は信じるからだ。」


 さらに、三上さんの報告。


(1)「今回の動画は、慰霊の日に名護市で行った試写会と、ハナヨ監督の担当した『戦争マラリア』の悲劇の舞台・最南端の島波照間島での試写会、そして桜坂劇場での公開と、三つの上映会の様子をまとめた。特に楽しく見られるのは、ハナヨ監督が1年間休学して住み込んでいた波照間島での珍道中だ。」
(2)「波照間島に映画を見せる設備があるかどうか、ハナヨ監督は今年のゴールデンウィークに下見に行ったはずだったが、悪い予感は的中した。暗幕もない。光量の強いプロジェクターもない、音響設備はあれどケーブルがない、スクリーンは脚立と祭りのテント生地…。『離島あるある、ですよね!?』と朗らかに言うハナヨ監督。キミこそ離島あるあるの代表だ、とつぶやきつつ、楽しいDIYが始まった。どう頑張っても暗くならないと上映なんて無理。14時からと島中に張り出したお知らせを訂正して歩き、19時半からですよーと島内放送で呼びかけた。」
(3)「港に駐車してあったハナヨ監督の知人の車をお借りした。おかげで短時間で仕事がはかどった。もちろん電話で連絡してあったのだが、そのお父さんに『〇〇さんの車、お借りしましょうね』というと、『借りるとか借りないとか、ないよ。使うだけよ!』と言われて爆笑。離島の空気に身も心もほぐれていく至福の時間だった。死の病が蔓延する地域に移住を強いられて3人に1人が亡くなったという『マラリア地獄』の島として映画に登場するのだが、島の空はどこまでも青く、初夏の風がキラキラと吹き渡る楽園のような島だ。彼女が1年お世話になっていた浦仲孝子さんの家は、島内で最もマラリア犠牲者が多かった家族だった。13歳の孝子さんと9歳の妹を残して家族全員マラリアで死んでしまった。孝子さん自身、熱に襲われながら、家族が亡くなるたびに埋葬を親戚縁者に頼みに行くも、誰も引き受けてくれない。どの家にも埋葬を待つ遺体があって手が回らなかったのだ。それらもすべて、山下寅雄という偽名で島に入ってきた陸軍中野学校の工作員がいなければ生きられた命だった。波照間島にはマラリアはなかったし、米軍の攻撃すらなかった。軍の移住命令が500人弱の命を奪うという、まったく理不尽な話だった。」
(4)「ハナヨ監督に強い影響を与えたのは孝子おばあだけではない。跡継ぎのいなくなった浦仲家に婿養子に入って孝子おばあを支え続けた、浦仲浩おじいの存在が大きかった。彼女は6年前の大学院生だったころに波照間で制作したドキュメンタリー映像があり、私はそれに写っていた、とてもチャーミングなおじいの姿を覚えている。『ハナヨには、学んだ者の責任があるよ。話を聞いた者の責任があるんだよ』。彼女が撮影を再開した去年の秋、永眠されたこの浩おじいの言葉が、ちゃんと映画にして伝えなさい、と背中を押したんだという。『軍隊は住民を守らない』。なぜそうなってしまうのか。いったい何がいけなかったのか。諜報機関の人間、たった一人の力でこの悲劇は起きた。島のリーダーたちも、止めることができなかった。軍隊の本質と住民の脆さ、波照間島から獲得するべき教訓をまだ私たちは受け取っているとは言えない。」
(5)「『生き延びたものは、伝えなきゃならないんです。もし伝えないなら、伝えないなりの責任があるということです』。映画のラストでマラリア体験者の悔しそうな言葉が出てくる。戦争マラリアは、まだ現在の社会への特効薬として機能しないまま眠っている。私たちはアマゾンの奥地から未知の特効薬を見つけてくるよりも、目の前でおじいおばあが話してくれる言葉から処方箋を編み出す方が確実だと知り、努力をするべきだ。」
(6)「待ちに待った【沖縄スパイ戦史】沖縄公開日の21日。台風10号の暴風警報が出てしまった。初日はいつもシンポジウムやコンサートなどのイベントを企画するのだが、今回は90歳前後の出演者たちの中から当日体調も良くて会場に来られた方とトークができれば、という心づもりでいたので、この荒天ではもう絶望的だなあとがっかりしていた。しかし当日になってみると何とか映画館は開けられる状況になり、那覇近郊に住んでいる元護郷隊員の皆さんが頑張って会場に来てくださった。主人公格のリョーコー二等兵こと瑞慶山良光さんは台風を見越して大宜味村から中部の家族の家まで移動しておいてくださったので、3人の隊員と2人の遺族に壇上に上がっていただき40分のトークを展開することができた。最後は『護郷隊の歌』を会場の皆さんに聞いていただいた。この歌に対する隊員の皆さんの思い入れはとても強い。私は拒否されない限り、お会いした20人の隊員の皆さんそれぞれにこの歌を歌っていただいた。この歌を朝から晩まで歌い、少年兵は訓練に明け暮れていた。つらいだけの記憶ではないのだろう。この歌を歌う時のおじいたちの表情の中に、私は当時の少年の面影を見る。彼らの脳裏に甦っているであろう光景が垣間見できる瞬間に身震いがする。そして大抵そのあとで『この歌を歌うとね、家内に怒られるんだよ…』とか『この前、老人会でこれをリクエストされてね…』とか『これは人前では歌わない。でも歌詞は、忘れたことはないよ』とか、歌に対する彼らのコメントの中から、護郷隊の日々が人生のどんな位置を占めているのかを知ることができるのだ。」
(7)「お茶目に歌ってくれるおじいもいれば、呑まないと歌えない複雑な気持ちのおじいもいる。途中で止まって遠い目になり、こっちも涙目になってしまうこともあった。『軍歌を歌うなんて』というご批判も受けたが、ここだけは私は全然意見が違う。軍歌だから不謹慎などという短絡的な発想ではなしに、この歌で膨らんだ少年たちの正義感や一体感、何でもできると思えた高揚感、そのあとに待っていた地獄と、護郷隊のことを人前で語れなくなった戦後を経て、この歌が彼らの人生にとって、肯定もできないが否定などもっとできない大事な何かであること、それをまるごと私は身体化して、彼らの世界を表現したいと思った。」
(8)そして実は、1番と2番の歌詞だけが沖縄の少年向けに岩波隊長が作ったものだが、3,4番は歌詞もメロディーも陸軍中野学校の歌と同じものなのだ。『護郷の戦士』」に選ばれたことを『感激の日』として少年たちの郷土愛を最大限に引き出そうとする1番2番。『故郷を守るはこの俺たちよ』という歌詞を歌いながら実家の裏の山で、家族や集落を守る地続きの空間で死んでいった少年兵のこと、この歌詞を子どもだった彼らに刷り込んでしまったことを、隊長たちは戦後思い出して苦しまなかったのか否か。岩波隊長は戦後、『殺される覚悟で再び沖縄の土を踏んだ』時に、大人になった隊員たちがこの歌を歌うのを聞いて『とめどなく涙が流れた』と述懐している。しかし、これが『三々別れの歌』という陸軍中野学校の愛唱歌であるというのは重大な事実である。戦後ひっそりと同窓会をする中野学校の卒業生が数百人でこの歌を歌うシーンを番組で見たことがある。『中野は語らず』で、特殊工作の任務など戦後も言葉にできない戦争の裏側を支えた彼らが、大声をあげてこの歌を歌う場面はいかにも異様であった。彼らもまた、人前で歌えないこの歌を抱えて生きた人たちだった。そして中野学校卒のスパイたち2500人余りはもうほぼ鬼籍に入ったという2018年、南の島の劇場でまだこの同じ歌を万感の思いで歌う元少年兵がいること、かつての日本のスパイたちも天空から眺めてびっくりしているに違いない。このメロディーに翻弄された15歳前後の少年たちのストーリーは、ほとんど手つかずのまま戦後73年眠っていた。


 三上さんは、報告の最後をこのようにまとめています。


「しかし、この少年ゲリラ兵と秘密戦の話こそ、次の戦争を止める特効薬だと私は信じている。話したくても話せなかった裏の沖縄戦の中から最も学ぶべき教訓を引っ張り出して世の中に叩き付け、戦前回帰する日本にブレーキを掛けられるのなら、まだ軍服を着て沖縄北部の山を彷徨っているという少年兵たちも初めて浮かばれるのではないだろうか。」
「そんな思いを込めて、那覇の初日にうたわれた『護郷隊の歌』の場面を動画に入れた。歌う元隊員の空気感と、口を結んだ遺族の間の溝は、73年間同じ島で違う戦後を過ごしてきたそれぞれの残酷なドラマをあぶりだす。会場にいた人からは『その両方が痛々しかった』『拍手できなかった』『ドキュメンタリーが続いていた』と複雑な感想が寄せられた。そのもやもやした気分こそ、持ち帰って反芻できる初日最大のお土産だったと私は思っている。」


 「沖縄スパイ戦史」を見てない中での想いがある。
 「村上・岩波両隊長こそ、沖縄の民間人を大量に犠牲にしていった旧日本軍の作戦の欠陥について後世、冷静かつ鋭い批判と分析がなされるべきだと思っているに違いないと、私は信じるからだ。」と「この歌で膨らんだ少年たちの正義感や一体感、何でもできると思えた高揚感、そのあとに待っていた地獄と、護郷隊のことを人前で語れなくなった戦後を経て、この歌が彼らの人生にとって、肯定もできないが否定などもっとできない大事な何かであること、それをまるごと私は身体化して、彼らの世界を表現したいと思った。」を映像でどのように語っているのかじっくり見てきます。




by asyagi-df-2014 | 2018-07-30 07:03 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年7月29日

 「沖縄戦の実相 詩集に 全編しまくとぅばで執筆」、との山入端さんの記事を心を柔らかくして読む。
「るくぐゎちぬあみぬひや ちむしからーはぬ」(6月の雨の日は心寂しくなる)。
「さんしんしかりーちきてぃ やーぬしーすび うゆぇーさびん むらやじこうはねーち うみちとぅうっさたん」(三線で果報をつけて家の完成祝いをします。村はたいへんにぎやかで、とってもうれしかった)」
「にんぎんたーよー またとぅすてぃちかむるゆぬなかぬいくさや なあーいがにどうやー」(人間たちよ、ソテツを食べる戦争はもう二度と起こしてはいけないよ)
人の営みには、じっと見つめる柔らかなこころが必要である。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年7月29日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-メトロポリタン美術館に石川さん写真収蔵 70年代 基地の町の女性撮影-2018年7月29日 10:43


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「写真家の石川真生さん(65)の写真『赤花 アカバナー 沖縄の女』シリーズの10点が、米ニューヨーク市のメトロポリタン美術館に収蔵されることが決まった。同美術館のホームページ上で先月公表された。石川さんが27日、自身の会員制交流サイト(SNS)で伝えた。」
②「2017年11月に、写真専門の見本市『パリフォト』に参加した際、メトロポリタン美術館の学芸員が訪れ、その場で収蔵の話になったという。」
③「石川さんは『メイドインオキナワを“見れ見れ攻撃”したい私としては、とてもうれしい。沖縄の写真を米国の美術館が未来永劫(えいごう)管理して、見せてくれるのはありがたい』と話した。」
④「作品は1975~77年にかけて、コザや金武で撮影した基地の町で働く女性が中心の写真。黒人を相手に働く女性を見下す人が多かった当時、『何が悪いの』と強くたくましく、とても明るく生きる女性たちに石川さんは大きな影響を受けたという。」
⑤「『作品に対し、政治的背景などを考える人が日本には多いが、外国では純粋に明るい表情の彼女たちへの評価が高かった』と語った。石川さんの作品が海外の美術館に収蔵されるのは、米ヒューストン美術館に次いで2館目。」
⑥「現在、沖縄の歴史を写真に収める『大琉球写真絵巻』に取り組んでおり、8月21から26日まで、那覇市民ギャラリーで最新作パート5を含む全パートの展示会を開催する。」


(2)沖縄タイムス-辺野古埋め立て承認撤回 社説で取り上げた4紙の論調は-2018年7月29日 12:25


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】辺野古新基地建設に関し、翁長雄志知事が埋め立て承認を撤回する意向を表明したことを受け、在京全国紙・ブロック紙のうち4紙が、28日朝刊の社説で取り上げた。」
②「朝日新聞は『目にあまる政府の背信』という見出しで、辺野古沖の一部が軟弱地盤であることやその説明が十分にされていないと指摘。『権力をもつ側がルールや手続きを平然と踏みにじる。これでは民主主義はなり立たない』と政府対応を批判した。」
③「毎日新聞は『知事選を待った方がよい』との見出し。翁長知事の決断は『移設反対派の置かれた苦しい状況を物語る』とし、土砂投入開始の時期を遅らせることで求心力を保つ狙いがあると分析。『知事選の結果を待ったうえで土砂投入の是非を判断した方がよい』と主張した。」
④「読売新聞は『承認撤回は政治利用が過ぎる』と知事の姿勢に疑問を呈した。政府は県との協議に応じているとし『工事停止ありきの姿勢は、強引との批判を免れまい』と強調。辺野古移設は現実的な選択肢として、政府へは丁寧な説明と理解を得る努力を求めた。」
⑤「産経新聞は『知事は【承認撤回】中止を』との見出しで『県民を含む国民の安全確保と、北東アジア地域の平和の保持に逆行する誤った対応』と主張。北朝鮮は核・弾道ミサイルを放棄せず、中国の軍事的圧力は高まっているとし『翁長氏の情勢認識は間違っている』と批判した。」


(3)沖縄タイムス-沖縄の米海軍兵、傷害容疑で逮捕 酒に酔い、ガラス片で切り付ける-2018年7月29日 14:05


 沖縄タイムスは、「沖縄県警沖縄署は29日、酒に酔った状態で男性をガラス片で切り付けてけがをさせたとして、傷害の疑いで、米海軍の2等兵曹(23)を逮捕した。同署によると、黙秘している。男性の命に別条はない。逮捕容疑は29日午前4時5分ごろ、沖縄県北谷町の路上で、男性会社員(23)の左首をガラス片で切り付け負傷させた疑い。沖縄署によると、酒に酔った様子で北谷町の路上に停車中の車のドアミラーを壊していた2等兵曹を男性が発見し110番。2人がかりで制止しようとしたところ、2等兵曹が割れたドアミラーのガラス片で男性の左首を切り付けた。」、と報じた。(共同通信)


(4)沖縄タイムス-沖縄戦の実相 詩集に 全編しまくとぅばで執筆-2018年7月29日 08:40


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「『るくぐゎちぬあみぬひや ちむしからーはぬ』(6月の雨の日は心寂しくなる)。まるで子や孫に語り掛けるようなやわらかい響きが、聞き手を包み込む。那覇市の山入端利子さん(79)の詩集『ゆるんねんいくさば(夜のない戦場)』に付いている朗読CDの一節だ。山入端さん本人が声を吹き込んだ。5歳の時に体験した沖縄戦の実相を後世に残したいと詩を書いた。筆を取った時、自然と心に浮かんできたのは共通語ではなく、ふるさとの言葉だった。」(社会部・西江千尋)
②「1939年、大宜味村田港に生まれた。母は田港、父は那覇市首里の出身。両方の言葉を聞いて育った山入端さんは、自身の言葉を『まんちゃー』と呼ぶ。これまで出版した7冊の詩集は、和裁仕立ての仕事の合間に書いてきた。」
②「9歳の頃から好きで作詩してきたが、戦の体験をつづったのは初めて。2005年、鮮明に残る記憶を全編しまくとぅばで書いた。丸2日かけて書き終えた途端、不整脈で病院に運ばれた。『戦の世界に入り込みすぎたんでしょうね』と推測するが、それでも書きたかった。『込み上げるものがあって、子や孫には戦の体験を話せない。だからせめて詩で残さないといけない』と。」
③「田港集落に住んでいた一家は、戦争の足音が近づく1945年4月ごろ、押川の山に避難した。艦砲射撃が山を揺らしてとどろき、昼は岩穴で息を潜めた。より安全な地を求め山奥へとさまよった。夜の山中、食べ物を探していると周囲が急にぱっと明るくなった。米軍の照明弾だ。とっさに地に伏せた。『いんにがたがたー ゆるんねんいくさば』(恐怖におびえ、夜のない戦場)。米軍の捕虜になり、喜如嘉の収容所で頭からDDTをまかれた時の気持ちはこう記した。『なちんなからんくとぅ わらーてぃるういたんどー』(泣くに泣けないから、笑っていたんだよ)。泣きたくても、感情が整理できず涙が出ない。そんな複雑な心情はしまくとぅばでしか表せなかった。」
④「書いた後で共通語の訳をつけたが、『ぴったり合う言葉がなかなか見つからず、この作業に一番苦労した』という。しまくとぅばでしか表せない感情やニュアンスがあるからだ。例えば、田港では会話の頭や最後によく『わいー』と付ける。『はんめーなー、ひーちきてぃへーりよー、わいー(あらまあ、気をつけて帰ってね)』だと、相手を気遣うやさしいニュアンスで使う。悪さをした子どもを親がしかるときも『わいー!』。この場合は強めに言う。」
⑤「凄惨(せいさん)な戦場とは対照的に、詩集には故郷の日常をつづった作品も集録されている。「ねーんなて行ちゅる言葉たぁ(消えていく言葉たち)」では新しい家の完成を喜ぶ人々の様子を表現した。「さんしんしかりーちきてぃ やーぬしーすび うゆぇーさびん むらやじこうはねーち うみちとぅうっさたん」(三線で果報をつけて家の完成祝いをします。村はたいへんにぎやかで、とってもうれしかった)
⑥「独特のまじないも出てくる。『きんやよーく るーやつーく』(着物は弱く体は強く)。新調した服に袖を通す前に、母は必ず襟を家の柱にこすり、こう唱えていた。山入端さんも子どもたちに教え、親となった娘は今もこのまじないで健康を祈願するという。山入端さんは『言葉は生きている。人々の息づかい、言霊が宿る。だからふるさとの言葉を聞くとほっとするんでしょうね』とほほ笑む。」
⑦「豊かな清流、山、海に囲まれた田港集落。そこに暮らす人々のささやかな日常を、戦が一変させた。『すてぃちぬるーついむにー(蘇鉄(ソテツ)の独り言)』では、戦中戦後の食糧難を見つめたソテツの思いをこう代弁した。「にんぎんたーよー またとぅすてぃちかむるゆぬなかぬいくさや なあーいがにどうやー」(人間たちよ、ソテツを食べる戦争はもう二度と起こしてはいけないよ)


(5)沖縄タイムス-沖縄防衛局、港湾審議委員を強制排除 県「委員の個人調査は想定せず」-2018年7月29日 12:52


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「港湾労働者の労働組合、全港湾沖縄地方本部(組合員約750人)の山口順市委員長が27日、本部港塩川地区(沖縄県本部町)で辺野古新基地建設に向けた土砂搬出の現場を視察しようとしたが、沖縄防衛局や県警機動隊によって強制排除された。山口さんは県地方港湾審議会の委員としての活動であることを告げていた。」
②「山口さんは『港湾は公共施設であり、基本的には立ち入り自由だ。まして審議会委員の視察を、使用許可を受けているわけでもない防衛局や機動隊が妨害することは許されない』と批判した。」
③「抗議行動でけが人が出ていること、防衛局などが県の許可を得ずに荷さばき地に多数の駐車をしていることも問題視。県北部土木事務所の職員を呼んで改善を求めた。」
④「県港湾課は取材に対し、『審議会は知事の諮問に応じて調査する。委員個人の調査は想定されていない』と説明。防衛局などによる駐車については事実関係を確認する考えを示した。」
⑤「全港湾は辺野古新基地建設に反対の立場を取っている。」


(6)琉球新報-自衛隊に電子攻撃機の導入検討 敵の通信を妨害-2018年7月29日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「防衛省は敵のレーダーや通信の妨害機能を備えた電子攻撃機を自衛隊に導入する検討を始めた。攻撃と防御の両面でネットワーク化が進む現代戦への対応力を高める。しかし、電子攻撃機は政府が否定する敵基地攻撃能力の保有につながる可能性があり、『専守防衛』との整合性が問われそうだ。」
②「航空、海上両自衛隊は、敵の航空機や艦船が発する電波を分析する電子情報収集機と、訓練時に自衛隊機に電波妨害をかける電子訓練支援機を保有しているが、いずれも敵に対する電波妨害は想定していない。」
②「空自が導入を進めるF35ステルス戦闘機には一定の電子戦能力があるが、防衛省はより能力の高い電子戦機が必要と判断。開発に向け、民間企業から関連技術の説明を受けている。
③「独自に開発する場合、空自のC2輸送機や民間旅客機を改造する案が有力だ。敵のミサイルが届かない場所から電波妨害をかける『スタンドオフ電子戦機』としての運用を想定している。敵の脅威圏内に入って電波妨害をかける機種の導入に関しては、防衛省に危険性を懸念する声がある。」
④「防衛省は、空中発射型ミサイルに搭載可能な電子妨害装置の研究にも着手している。自衛隊機が遠方から敵に電波妨害をかけることが可能で、民間企業に6月、情報提供を求めた。現代戦は航空機や艦船をネットワーク化し、レーダーや衛星などで捉えた敵の位置情報をリアルタイムで共有し、効率的な攻撃や防御を図る戦術が主流になっている。電子攻撃機導入には、ネットワーク化を進める中国やロシアに対する抑止力を高める狙いがある。」
⑤「政府は敵基地攻撃能力の保有を否定しているが、戦闘機に搭載する長射程巡航ミサイルの導入を今年度から進めるなど、技術的には保有に近づいている。電波妨害はミサイルや戦闘機が敵のレーダー網をかいくぐることに応用できるため、防衛省はこれまで、電子攻撃機の導入に慎重だった経緯がある。」                     【秋山信一】(毎日新聞)




by asyagi-df-2014 | 2018-07-29 17:54 | 沖縄から | Comments(0)

この場合、「生産性」という表現に差別の根源がある。

 朝日新聞(以下、「朝日」。)は2018年7月25日、「LGBT 自民の認識が問われる」、と社説を掲げた。
 どういうことだったのか。
 「朝日」は、ことの成行を、「自民党の杉田水脈(みお)衆院議員(比例中国ブロック)が『【LGBT】支援の度が過ぎる』と題した月刊誌『新潮45』への寄稿で、同性カップルを念頭にこんな持論を展開した。『彼ら彼女らは子供を作らない、つまり【生産性】がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか』」、と始める。
「朝日」は、この問題そのものについて、次のように切り込む。


(1)「異性のカップルであっても、子どもを産むか産まないかは、個人の選択である。それを「生産性」という観点で評価する感覚にぞっとする。歴史的に少数者を排除してきた優生思想の差別的考えとどこが違うのか。」
(2)「杉田氏は、日本は寛容な社会で、LGBTへの差別はそれほどないという見方も示した。事実誤認もはなはだしい。学校や職場、地域での偏見や差別は各種の報告で明らかだ。」
(3)「さまざまな性的指向を認めれば、『兄弟婚を認めろ、親子婚を認めろ、それどころかペット婚や、機械と結婚させろという声も出てくるかもしれません』という主張に至っては、噴飯物というしかない。」
(4)「同じ自民党内の若手議員から「劣情をあおるのは政治ではなくて単なるヘイト」といった批判があがったのも当然だ。」


 だが、「朝日」は、「ただ、こうした認識は党内で共有されていないようだ。」、ともう一つの問題点、「自民党の地金」について指摘する。


(1)「驚いたのは、きのうの二階俊博幹事長の記者会見である。『人それぞれ政治的立場、いろんな人生観がある』『右から左まで各方面の人が集まって自民党は成り立っている』。杉田氏の見解を全く問題視しない考えを示したのだ。」
(2)「自民党はもともと伝統的な家族観を重んじる議員が多い。しかし、国内外の潮流に押される形で、昨秋の衆院選の公約に『性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す』と明記、『多様性を受け入れていく社会の実現を図る』と掲げた。杉田氏の主張は、この党の方針に明らかに反する。」
(3)「杉田氏はSNSで自身への批判が広がった後、ツイッターで『大臣クラス』の先輩議員らから『間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ』などと声をかけられたとつぶやいた。こちらが自民党の地金ではないかと疑う。」


 つまり、「朝日」は、「少数者も受け入れ、多様な社会を実現する気が本当にあるのか。問われているのは、一所属議員だけでなく、自民党全体の認識である。」、と断じる。


 確かに、この場合の「生産性」とは、少数者を排除の「優生思想」でしかない。



by asyagi-df-2014 | 2018-07-29 05:51 | 人権・自由権 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年7月28日

 沖縄のこころ。
 『いつかまた切り捨てられるような沖縄ではできない。この質問にこんなに長く答えていいのかということもあるかもしれないが、思いがないとこの問題には答えられないんですよ。この思いをみんなでどういう風に共有して何十年後の子や孫にね、私たちの沖縄何百年も苦労してきたんだから、いまやっと沖縄飛び立とうとしている訳だから、そしてそれは十二分に可能な世の中になってきているんで、そういう中で飛び立とうとしているのを足を引っ張ろうとしてまた沖縄はまあまあまあ振興策もらって基地を預かったらいいんですよなどというものが、これから以降もこういうのがあったら沖縄の政治家としては、これはとても今日までやってきた政治家が私と別な事を言っている場合には、私からすると容認できないというような思いです』、と翁長沖縄知事。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年7月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-翁長雄志沖縄県知事の承認撤回表明記者会見の全文(記者との質疑応答含む)-2018年7月27日 18:12


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「翁長雄志沖縄県知事が27日午前10時半、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、前知事の埋め立て承認撤回を表明した臨時の記者会見での発言全文(記者との質疑応答含む)は次の通り。」
②「『はいさいぐすーよー、ちゅうがなびら。』」
③「『発表事項に入ります前に辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票条例の署名活動が7月23日に終了し、主催者によると中間集計で必要署名数約2万3千筆を大きく上回る約7万7千筆もの署名が集まったとのことであります。署名活動に取り組まれた皆様のご努力に心から敬意を表するとともに、政府におきましてもこれほど多く県民が署名を行った重みについてしっかりと向き合ってもらいたいと思います。東アジアにおきましては南北首脳会談、あるいはまた米朝首脳会談のあとも、今月上旬には米国務長官が訪朝をし、24日にはトランプ大統領が北朝鮮のミサイル施設解体を歓迎するコメントを発するなど朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた米朝の努力は続けられています。このような中、20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に押し進めようとする政府の姿勢は、到底容認できるものではありません。私としては平和を求める大きな流れからも取り残されているのではないかと危惧していることを申し上げた上で発表事項に入らせていただきます』」
【知事コメント「聴聞手続きに関する関係部局への指示について」読み上げ】
④「『本日、辺野古新基地建設にかかる公有水面埋め立て承認の撤回に向けて、事業者である沖縄防衛局への聴聞の手続きに入るよう、関係部局長に指示をしました。
 辺野古新基地建設にかかる公有水面埋め立て処分には、【環境保全および災害防止に付き十分配慮】という基幹的な処分要件が事業の実施中も維持されるために、事前に実施設計や環境保全対策等について協議をすることや、環境保全図書等を変更する場合には、承認を得ることなどを事業者に義務づけて留意事項を付しております。
 しかし沖縄防衛局は、全体の実施設計や環境保全対策を示すこともなく公有水面埋め立て工事に着工し、また、サンゴ類を事前に移植することなく工事に着工するなど、承認を得ないで環境保全図書の記載等と異なる方法で工事を実施しています。
 留意事項で定められた事業者の義務に違反しているとともに、【環境保全および災害防止に付き十分配慮】という処分要件も充足されていないものと言わざるを得ません。
 また、沖縄防衛局が実施した土質調査により、C護岸設計箇所が軟弱地盤であり護岸の倒壊などの危険性があることが判明したことや活断層の存在が専門家から指摘されたこと、米国防総省は航空機の安全な航行のため飛行場周辺の高さ制限を設定しているところ国立沖縄工業高等専門学校の校舎などの既存の建物等が辺野古新基地が完成した場合には高さ制限に抵触していることが判明したこと、米国会計検査院の報告で辺野古新基地が固定翼機には滑走路が短すぎると指摘され、当時の稲田防衛大臣が、辺野古新基地が完成しても民間施設の使用改善等について米側との協議が整わなければ普天間飛行場は返還されないと答弁したことにより、普天間飛行場返還のための辺野古新基地建設という埋め立て理由が成り立っていないことが明らかにされるなど、承認時には明らかにされていなかった事実が判明しました。
 これらの承認後の事実からすれば、【境保全及び災害防止に付き十分配慮】の要件を充足していないとともに、【国土利用上適正かつ合理的】の要件も充足していないものと認められます。
 この間、県では、様々な観点から国の埋め立て工事に関する内容を確認してきましたが、沖縄防衛局の留意事項違反や処分要件の事後的不充足などが認められるにもかかわらず、公有水面埋め立て承認処分の効力を存続させることは、公益に適合し得ないものであるため、撤回に向けた聴聞の手続きを実施する必要があるとの結論に至ったところです。
 私は、今後もあらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります』」
【記者との質疑応答】
⑤「―1点目はタイミングについて。承認取り消しの訴訟、県の敗訴が確定してから、1年7カ月、知事が撤回を必ず行うと明言してから1年4カ月経ちました。その間、法的に慎重に検討を進めるという一方、早期の撤回を求めるという知事の支持者からの声も非常に多かったと思います。この時期にこのタイミングで撤回した理由と、判断が遅れたと考えるか、そうではないと考えるかお聞かせ下さい。:『県の敗訴から1年7カ月、昨年3月には撤回を必ず行うと、本会議場でも、いろんなところで時期などに関してそれなりに答弁をし、皆様方のその時々の記者会見でもお話しをしてきたと思っております。1番目には法的な観点からの検討を丁寧に、行うというようなことが一番重要というのがありましたから、慎重にこの検討を重ねてきました。県としては留意事項に基づく事前協議、サンゴ類の移植をはじめとした環境保全措置など、沖縄防衛局へ行政指導など行ってきたことも踏まえ、日々の国の動きと全体的な流れを勘案しながら、あらゆる状況を想定して検討してきました。6月12日に防衛局が県赤土等流出防止条例に基づく事業行為通知書を提出し、土砂投入に向けた手続きを行ったことや、7月17日に行った工事停止要求にまったく応じる姿勢がみられなかったことを踏まえて、総合的に判断して、撤回に向けて聴聞手続きに入るよう、関係部局に指示を行ったところです。』
『この件に関しては具体的な流れやタイミングいろいろある。そういった4年間のことを考えると、取り消しがあって、最高裁判所の判決があって、現場でもいろんなことがあって、オール沖縄という意味合い、あるいは国と国政与党とのいろんな私からするとそんなことでいいのかなと思ったりするようなこともありましたけど、そういったことひとつひとつ吟味しながら、撤回の時期をしっかり把握して、そしてわたしの4年前の県民の理解をいただけるよう、公約を発表し、付託されたことについてひとつひとつ、実現に向かっていこうと、そういうことも総合的な流れのなかにあったということも今付け加えておきたいと思います』
⑥「―撤回後の話になるが、国との訴訟に発展した場合、裁判が1期目の任期中に終わらないこともあると思う。撤回が今踏み切る、知事として、知事の責任として、その2期目をどう考えているのか、2期目に出る出ないは別として、公務復帰から2カ月が経った今、2期目に出馬するほど体調が回復したのか、教えて下さい。」:『私も政治生活に入って35年ですか、市会議員、県議会議員、那覇市長4期、知事にもこういう形でみなさんに受け答えしております。そういうなかで、政治がいかにダイナミックにその都度その都度動いてくるかということをよく私は承知しております。なんせ5、6年前は自民党県連と一緒に辺野古基地反対ということで、向こうからしたらオールのいわゆる枠組みが崩れたとおっしゃっていると思いますけれども、私からすると、声をひとつにして【沖縄には基地をつくらせない、いくらなんでも0・6%に70数%のこれから何十年間 もいりません】と、いうようなことでご一緒した。あの時の蜜月時代をよく覚えている。それが急に中央から手が差し伸べられると、私から見ると、とても反論できるような国政与党ではないというような状況にある。そういったこと踏まえて私からすると政治はいつもダイナミックに動いている、ですから、その時々の出来事等々は、私の30数年の中でいろいろ思い出すことがございます。』
『ですから今回の私の4年間の付託というものは、私が4年前にしっかりと公約で約束したものを、しっかりと築きあげていく、守っていく、というものが今日まで本会議場であれ、答えてきたように、一日一日の、公務を遂行するために、頑張っていきたいと思っているわけであります』」
⑦「―体調を理由に2期目の出馬を断念することは考えてない?:『日々、一日一日ですから。今ちょっと足、外反母趾で、痛めてちょっと歩くのきついくらいなんですが、人生は昨日おとといなかったものが、今日こうして外反母趾になって歩きにくくなるようなことがありますので、それも含めて、考えていきたいと思います』」
⑧「―2問聞きたい。1問目は実際の正式撤回の時期について。政府は8月17日以降に土砂投入すると通知しています。知事として聴聞手続きを開始するということですが、実際の撤回決定の時期について土砂投入の前にしたいという考えがあるか。:知事公室長『それではお答えします。沖縄防衛局は留意事項が整わないまま工事に着工し、再三にわたる沖縄県の行政指導にも従わずに工事を強行しております。このような状況の中で環境に深刻な影響を与える土砂投入を行うことは、到底容認できるものではないと考えております。』
『一方で撤回につきましては、法的な観点からの検討を丁寧に行った上で対応する必要があると考えており、聴聞の調書、報告書等も参酌して、適切な時期に最終的な判断を行政長のほうで行うことになろうかと思っております』」
⑨「―2問目です。撤回に向けた聴聞手続きに入った理由について。知事は常々、環境上看過できない状況になれば撤回すると繰り返してきた。看過できない理由になった点は。:『常々看過できないという話をさせていただいた。本当に傍若無人なこれまでの工事状況だという風に思っております。法的には向こう側にも言い分があるかもしれないが、環境保全対策、事前協議が整わない中で工事を進める。あるいは軟弱地盤などもしっかり聴取して分かっている中で無理してやっていく。』
『こういうものは普段からそれに値するものがあったかと思っている。こういう司法、行政手続き、いろんなものの中で私たちは慎重にやっていかなければなりませんから、看過できないものをよりいっそう高めて、時間がたてばたつほどその事項が増えてくるものですが、時間がたつほど埋め立てられていくものですので、この兼ね合いは難しいものでありますが、こういうことも含めて今看過できない状況を、冒頭でも申し上げました赤土防止条例も含めて時期的なものを私たちは判断したということだと思っております』」
⑩「―撤回に踏み切る理由として再三にわたる工事停止に応じていないことを挙げている。傍若無人だという表現もあった。国が県のこうした行政指導を省みることなく進めていることに国にどんな狙い、思惑があると考えているか。:『何が何でも沖縄に新辺野古基地をつくる、この固い、固いというと何となく意思決定としては言葉使いはいい感じがしますが、私からするととんでもない固い決意でですね、沖縄に新辺野古基地をつくるという思いがあると思っている。』
『いろいろと土砂を投げ入れようとしたり、あるいは4メートルの壁を造って歩行者道路を縮めたり、あるいは直接新辺野古ではない場合もこの重機などを住民の上、村民の上から運んでいく、私はこういうことを政府がやることについて日本国民などがまったく違和感のない中で【沖縄に造るのは当たり前だ】と いうようなものがあるのではないかということで、大変、私個人的には憤りを持って見ている。ですが、この新辺野古基地を造るということも、冒頭若干申し上げましたが、いまの北朝鮮問題、北東アジア、あのダイナミックにアメリカのトランプと金正恩が握手をして抱き合うぐらいの気持ちで、あの緊張緩和をしている。実際上実るか実らないかは別としてああいう大胆な動きの中で米韓合同演習を中止し、北朝鮮もどういう施設か分かりませんが爆破して、一定程度その気持ちに応える。中国は中国でロシアはロシアで、その後ろからこの北東アジアの平和に対して行く末に対してしっかりと見定めている中に、おかしくないでしょうかね、皆さん。』
『20年以上前に合意した新辺野古基地。あのときの抑止力というのは北朝鮮であり、中国なんですよね。こういった事などが20年前に沖縄でなければならないということで新辺野古基地の建設が決まり、そして、色々苦節をへて今日まで来ている。今のトランプや金正恩や韓国の大統領この方々が平和に対する思い北東アジアに対しての思いいろんな形でやっている時に、私は安倍総理は戦後レジームからの脱却という言葉もよく使っていましたが、最近使わなくなりました。日本を取り戻す、と言っていましたけども、その中に沖縄が入っているのかということにも答えていただけませんでした。一番日本にとって大切な北東アジアの政治情勢、国際情勢に手をこまねいて大切な拉致問題に関しても他人任せというのが今の状況だ。数カ月後には分かりませんけども。』
『こういう状況の中であの美しい辺野古を埋め立てていく。もう理由がないんですよ。私からすると。で、ワシントンDC行った時にはペリー長官もお名前を申し上げませんが、大概の方々が北朝鮮の抑止力、尖閣の抑止力、そういうことで言われていましたが、一番は北朝鮮だ。自分たちは沖縄でなくともいいと言ったが、日本政府が沖縄なければならないと言ったというんですね。私たちが理由を問うていくと、お金はどっちが出すかということで連邦下院、上院議員30人ずつお会いしましたけども、お金は誰が払うかなんですよ、いや1兆円ぐらい掛かるが日本政府が払いますよと。だったら日本の国内問題ということでいいんじゃないかというような形でやっている。』
『アメリカは軍事費も含めていろんな形でいこうとしている中に日本だけが何かを守ろうとして新辺野古基地を造ろうとしている。こういったようなことは沖縄県民からすると、長い歴史とこれからの見通し。稲田防衛大臣が民間飛行場あれを固定翼機や飛べるものができなければ普天間返しませんよと言った時にもうすでに10年、15年内の沖縄の現状が分かりますよ。』
『いわゆる、だめだと、言ったでしょう。固定翼機がなければ、新辺野古基地ができあがっても、これオスプレイが使うのであって新しい飛行場どこが出す、沖縄だろう、本土は理解がないから沖縄がやるべきだと、で10年後、私みたいのが出てきて反対したら、じゃあそういった意味での振興策は厳しくなるぞというような事でこれから以降の沖縄も何十年先も置かれていいのかというところをご理解いただかなければならない。』
『アジアのダイナミズムを取り入れて、アジアが沖縄を離さないんです、沖縄はアジアの地政学的な意味も含めて経済ということでは大変大きな立場になってきている。こういったこ と等を平和的利用、アジアの中の沖縄の役割、日本とアジアの架け橋、こういったところに沖縄のあるべき姿があるんではないかと思う。』
『いつかまた切り捨てられるような沖縄ではできない。この質問にこんなに長く答えていいのかということもあるかもしれないが、思いがないとこの問題には答えられないんですよ。この思いをみんなでどういう風に共有して何十年後の子や孫にね、私たちの沖縄何百年も苦労してきたんだから、いまやっと沖縄飛び立とうとしている訳だから、そしてそれは十二分に可能な世の中になってきているんで、そういう中で飛び立とうとしているのを足を引っ張ろうとしてまた沖縄はまあまあまあ振興策もらって基地を預かったらいいんですよなどというものが、これから以降もこういうのがあったら沖縄の政治家としては、これはとても今日までやってきた政治家が私と別な事を言っている場合には、私からすると容認できないというような思いです』」
⑪「―承認撤回は移設阻止の最後のカードと言われている。知事はあらゆる手法駆使して造らせないという公約を今後、どのように実現していくのか。:『「今、長々と話しをしたので、若干重なるものがあると思いますが、撤回というと、まず裁判に勝たないといけない。本会議でも話しをしたので問題ないと思いますが、今の日本の米に対しての従属は、日本国憲法の上に日米地位協定があって、国会の上に日米合同委員会がある。この2つの状況の中で日本はアメリカに対して何も言えない状況がある。これはもし違うなら反論しながら【そうじゃないよ。ちゃんと憲法が日米地位協定抑えているよ、国会も日米合同委員会から報告させているよ】と日本の最高権力がそうやっているならいいが、F15から何から飛んでいくのをみんな日米合同委員会で決められて、何も問題がないということで国会でも議論にならない。』
『こういう中で撤回ができないときにどうなるんだと、効力を発しないときどうなるんだと、なりますが、それこそ米韓合同軍事演習がストップしたこと、トランプさんが金正恩と会ったこと、アジアが大きく変わりつつあること、アジアは経済ということから世界の中で一番発展していますから、アジアは中国とも米国とも安保条約結んでいるところはベトナムでもタイでもどこもありませんのでね、距離を測りながら国際外交をやっている。日本だけが寄り添うようにして米国とやっている。それに関して司法も行政もなかなか日本国民、今の現状から言うと厳しいものがあるかもしれませんが、そういう動きは必ず日本を揺り動かす、今の日本の動きではアジアから閉め出されるのではないかというものを感じている。その辺のところは撤回以外にも何か変わる要素がありますか、というところにも入ってくると思いますね』」


(2)琉球新報-抜本改定、異例の提言 知事会 「不平等性」に理解-2018年7月28日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「全国知事会が日米地位協定の抜本改定を求める『提言』を全会一致で採択した。提言は翁長雄志知事の要望を受けて全国知事会が約2年前に設置した『全国知事会米軍基地負担に関する研究会』の調査結果の“集大成”と言える。これまで米軍基地を抱える15都道府県でつくる『渉外知事会』が日米地位協定の改定を日米両政府に要請してはきたが、全国知事会には基地のない自治体も多数含まれており、地位協定問題を巡る議論を全国に広げる契機となりそうだ。」
②「『提言』は日米安保体制については『領土・領海を守る』と共通理解を示した。一方で基地を実際に抱える自治体には、騒音や事件・事故、環境汚染といった日常生活面の負担を与えている側面も指摘した。」
③「地位協定問題は全国的には『政府間の問題』として処理され、保革を超えて抜本改定を求める沖縄側の訴えはほとんど反映されてこなかった。特に基地を抱えていない自治体は『国防問題は国の専権事項』と距離を置く傾向が強い。その中で全国知事会が住民生活や自治の観点から地位協定の『抜本改定』にまで踏み込んで今回の提言をしたことは異例だ。」
④「全国知事会の研究会は提言をまとめるに当たり、地位協定改定の必要性を否定する外務省を含め広く聞き取りをした上で、今回の結論を出した。日米地位協定について沖縄側が指摘してきた『不公平性』『不平等性』に関する認識が一定程度理解を得たと言える。」
⑤「知事会議では渉外知事会の黒岩祐治会長(神奈川県知事)も挙手し、全国知事会として基地のない自治体も一緒に地位協定の改定を求めることの意義を強調した。一方、全国知事会として採択した『提言』をどう国政の場に反映させていけるか、今後の具体的な動きが鍵となりそうだ。」                             (島袋良太)


(3)沖縄タイムス-辺野古埋め立てを承認した仲井真前知事は… 撤回表明に「コメントできない」-2018年7月28日 05:04


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、2013年に埋め立て承認をした仲井真弘多前知事は27日、那覇市内で取材に対し、撤回表明の詳細を把握していないため、『コメントできない』とした。沖縄県の翁長雄志知事は同日午前、前知事の埋め立て承認を撤回する意向を示し、事業者の沖縄防衛局の意見を聞き取る『聴聞』を実施すると発表した。聴聞を終えれば、防衛局が8月17日を目安に予定する埋め立て土砂の投入の前に承認を撤回する見通し。」、と報じた。


(4)琉球新報-翁長知事、土砂投入阻止図る 辺野古承認撤回、政府は対抗策に自信-2018年7月28日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、沖縄県の翁長雄志知事が前知事の埋め立て承認を撤回する手続きに入った。8月上旬に沖縄防衛局側の言い分を聞く聴聞を開催する見通しだ。8月17日以降に土砂を投入する方針を示す政府は、意に介さず辺野古新基地建設を進める姿勢を崩さない。辺野古新基地建設を巡る県と国の闘いは重大局面に突入しようとしている。」
②「翁長知事は、撤回を表明した記者会見で新基地建設の工事状況を『傍若無人』と表現するなど政府批判を繰り広げた。記者団の質問に言葉が少なかった26日以前と打って変わり『翁長節』(知事周辺)が飛び出した。質疑応答は予定を10分ほど超えて続けられた。」
③「会見冒頭、用意した発表文を読み上げるのに先立ち、東アジアの緊張緩和に言及し『20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に押し進めようとする政府の姿勢は到底容認できるものではない』と非難した。6月23日の『慰霊の日』に発した平和宣言と同様『平和を求める大きな流れからも取り残されている』ととがめた。」
④「『美しい辺野古を埋め立てる理由がない』。県からの繰り返される行政指導に従わない国の姿勢について意見を問われると、用意された原稿は一切見ずに、手振りを交えて思いを語った。『(政府は)とんでもなく固い意思で沖縄に新辺野古基地を造るという思いを持っている』。」
⑤「翁長知事は来週から2019年度沖縄関係予算の概算要求に向けた要請行動に臨む。膵臓(すいぞう)がんの療養で長距離移動を伴う出張は控えていたが、強い希望で自ら東京に赴く。撤回表明は国庫要請後になるとの見方もあったが、翁長知事は真っ向から挑む姿勢を隠さなかった。27日の記者会見で、沖縄振興予算を基地とリンクさせて増減させる政府への不満をにじませ、それに依存する県内の一部政治家にも矛先を向けた。『私のような者が出てきて反対したら【振興策は厳しくなるぞ】というような状況に、(この先)何十年も沖縄が置かれていいのか』」
⑥「政府は県が『撤回』に向けた聴聞手続きに入ることついて『聴聞通知書が届いたら内容を精査の上、適切に対応したい』(小野寺五典防衛相)などと述べるにとどめ、今後の対応についての明言は避けた。防衛省関係者は、翁長氏が昨年から撤回を明言していたことに触れ『こちらもあらゆる出方を想定し工事を進めてきた。知事の会見内容も驚くものはない』と自信をのぞかせる。」
⑦「聴聞手続きを経て翁長氏が撤回すれば移設工事は止まる見込みだが、政府は直ちに撤回の処分執行停止の申し立てや、撤回の取り消しに関する訴訟を提起するなどの対抗策を検討している。執行停止が認められれば工事は再開される見込みで、政府関係者は『再開まで時間はかからないだろう』と見通す。」
⑧「11月の知事選への影響を避けるため、早い段階で埋め立てに着手し既成事実化を進める狙いが政府にはある。だが、防衛省幹部は8月17日にも予定している辺野古沿岸への埋め立て土砂投入について『撤回されれば期日の意味はなくなる』として、スケジュールが後ろにずれこむ可能性も示唆する。政府は今後の県の聴聞に応じる構えだ。県は土砂投入前に撤回に踏み切りたい考えだが、聴聞手続きが長引けば、先に政府が土砂を投入する可能性もあり、不透明な情勢が続く。」
⑨「翁長知事は撤回の時期を示さず、政府も撤回された場合の対応方針を明らかにしていない。今後予想される攻防に向け、互いに腹の内を探り合う駆け引きが既に始まっている。」(當山幸都、明真南斗)


(5)琉球新報-護岸開口部に汚濁防止膜 辺野古新基地建設-2018年7月28日 12:36


 琉球新報は、「【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設工事で28日、辺野古漁港側のK4護岸の開口部に作業員らが汚濁防止膜を張る様子が確認された。開口部は30メートルほどで、今後沖縄防衛局は護岸をつなげる作業に着手するとみられる。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-翁長知事の「撤回」表明から一夜明け… 変わらず進む新基地工事-2018年7月28日 13:21


 沖縄タイムスは、「沖縄県の翁長雄志知事が名護市辺野古の新基地建設で埋め立て承認撤回を表明してから一夜明けた28日午前、米軍キャンプ・シュワブ沖では護岸工事がこれまでと変わらず進められた。K4護岸の南側は30メートルを残してつながっておらず、この日は護岸両端に汚濁防止膜を設置する様子が確認された。砕石投下の準備とみられる。基地建設に反対する市民は12艇のカヌーを出して抗議の声を上げた。抗議船の船長(63)は、知事の行政指導に従わず工事を進める政府に『彼らは法治国家を繰り返すが、自分たちの都合に合わせているだけ。法の下の公平性や正当性が全く無い』と批判した。」、と報じた。


(7)沖縄タイムス-【解説】撤回後は裁判闘争へ 法的根拠は「埋め立て承認後に発覚した問題」-2018年7月28日 13:04


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の翁長雄志知事が27日に表明した名護市辺野古新基地建設を巡る前知事の埋め立て承認の撤回は、沖縄防衛局の県との約束である留意事項違反に加え、承認後に報道などで発覚した軟弱地盤の存在や米国の高さ制限への抵触などの問題により、承認が公有水面埋立法が定める要件を満たされない状況となったことを法的な根拠とする。防衛局への聴聞を経て翁長知事が撤回に踏みきった後は国との裁判闘争に入り、埋立法を巡る法律的な論争に臨むことになる。」                          (政経部・銘苅一哲)
②「県はこれまで防衛局に対し(1)埋め立て事業全体の設計、環境保全策を示さず事業に着手した(2)サンゴを移植せず護岸などの工事を進めた-ことなどを指摘。工事は前知事が承認の条件とした留意事項に盛り込んだ県と国の事前協議が必要だが、防衛局が協議せず工事を進めるのは義務違反とし、埋立法が定める承認の要件である『環境保全および災害防止に十分配慮』することを満たしていないことを撤回の理由とする。」
③「ただ、県庁内の一部や識者からは、留意事項の違反のみを理由に撤回するのは裁判で苦しい戦いになるとの声があった。そうした中、知事は撤回を表明した27日の会見で、承認後に明らかになった複数の問題が撤回の理由となることを初めて明らかにした。」
④「県は17日に防衛局に発出した行政文書で大浦湾側の護岸の地盤が軟弱なため倒壊の危険性があることを指摘していたが、知事は軟弱地盤に加え、新基地建設後に周辺の建物が米国防総省の高さ制限に抵触することにも言及。さらに、稲田朋美元防衛相が、固定翼機が新基地を使用するには滑走路が短いため、別の民間空港などの使用の日米協議が整わなければ普天間飛行場が返還されない、と発言したことも指摘。承認の後に判明した複数の問題は、埋立法が定める承認要件の環境・防災配慮に加え『国土利用上適正かつ合理的』の要件を充足しないとした。」
⑤「留意事項違反だけでなく承認後に判明した問題を撤回の法的根拠を補強した格好で、法廷闘争ではいかに客観的に問題を証明し、司法を説得できるかが迫られる。」


(8)沖縄タイムス-【記者の視点】埋め立て承認撤回 「困難」でも切った最終カードの、政治的覚悟-2018年7月28日 12:28


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の翁長雄志知事が名護市辺野古の埋め立て承認の撤回に踏み切る。公有水面埋立法を所管する土木建築部が現時点で『困難』とみる状況で、法的な要件がそろっていないのではないか、という疑念を抱く人は少なくない。決断の背景に『オール沖縄』を瓦解(がかい)させてはいけないという知事の思いを感じざるを得ない。」
②「辺野古問題を巡る節目の記者会見で、知事は両副知事や弁護士を横並びで同席させてきた。しかし、27日の会見に両副知事の姿はなく、弁護士2人も知事の後ろの席から見守っていた。」
③「知事は担当職員の用意した紙をそのまま読み上げるわけではなく、国際的な安全保障環境の変化や、沖縄経済の発展、その中で『沖縄に新基地を造るのは当たり前』という国内の雰囲気への憤りを、自分の言葉で語った。撤回を表明する根拠や訴訟に発展した場合の対応といった法的、行政的な説明より、政治的な覚悟が目立った。」
④「辺野古反対でまとまるために、その他の考えが違っても目をつむる『腹八分、腹六分』でオール沖縄の結集を呼び掛けてきた。一方、護岸工事が着々と進むにもかかわらず、撤回に慎重な知事の姿勢に、批判や抗議の声も届いた。『辺野古で腹十分』の民意をつなぎ留めるには、手持ちの材料をかき集めてでも、埋め立て土砂投入を前に工事を止める最後のカードを切る必要があると判断したのかもしれない。」
⑤「翁長知事は今年の新年会で、知事公舎に集まった記者たちに父・助静氏の琉歌を披露した。《わびしげに見ゆれど 孤(ひと)つの高さを示し 岩を圧(おさ)へて ひともと小松》。『岩の上の小さな松は孤独でさみしく見えても、一つの高さを示している。追い込まれ、苦しい立場になっても、岩に根を張り、人間的、政治的に一つの高さを示すことが大切なんだ』。27日の会見場を出る時、新年会での知事の話を思い出した。」  (政経部・福元大輔)


(9)沖縄タイムス-埋め立て承認撤回 東京の夕刊、どう伝えたか-2018年7月28日 11:51


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】翁長雄志知事の埋め立て承認撤回の会見について、在京の全国紙やブロック紙はいずれも27日夕刊の1面で扱った。各社とも翁長知事の『留意事項違反』などの説明と菅義偉官房長官の『工事を進める考えに変わりない』とした反応を掲載した。」
②「1面トップだったのは朝日新聞と東京新聞。会見内容のほか国側の反論を聞く『聴聞』手続きを経て8月17日をめどとした土砂投入前に撤回へ踏み切る予定といった県の今後の動きや、想定される国の対抗措置などを説明した。」
③「読売新聞は1面の2番手で、撤回手続きに入る理由などを記し、3面では2015年から続く国と県の訴訟合戦を振り返った。毎日新聞は1面3番手に記事とともに翁長知事と護岸工事が進められる名護市辺野古の写真を載せた。社会面には、キャンプ・シュワブのゲート前で基地建設に反対し座りこむ人たちが安堵(あんど)した様子や、冷ややかな反応の宜野湾市民などの声も伝えた。」
④「日経新聞は、11月に県知事選を控えており、政府と県の対立が大きな局面を迎えていることを説明した。」


(10)沖縄タイムス-埋め立て承認撤回:知事への疑問・支持 現場から約60キロ離れた那覇、思いは複雑-2018年7月28日 10:19


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「オフィスが多く立ち並び、会社員や若者、国内外からの観光客など多くの人が集まる那覇市。名護市辺野古の新基地建設の現場からは約60キロ離れている。知事が辺野古への新基地建設を止める最後の手段に打って出たことをどう思うのか聞いた。」
②「会見をテレビで見ていた飲食店オーナーの男性(67)=那覇市=は『国が決めたことだから工事は止められない』とぽつり。出来上がっていく護岸を見て、工事は中止できない段階まできたと感じたという。『国とケンカしても地元が苦しむだけ。知事にはもっと沖縄が豊かになるような振興策を取ってきてほしい』と要望した。」
③「那覇市のパレットくもじ前で知事の承認撤回表明の号外に見入っていた金城トミ子さん(82)=那覇市=は『本当にうれしい』と涙を流した。『体調のこともあるのに、知事は一生懸命やってくれている。国は工事をもう進めないでほしい』と訴えた。」
④「健康診断を受けた後、職場に向かっていた会社員の女性(23)=浦添市=は『他にも埋め立て地ありますよね。どうして辺野古だけ反対するんですか』と知事の考えに疑問を持つ。『基地はなくなったら困ります。中国の脅威もあるし、国からの補助金も止まるんですよね。』。」
⑤「号外を手にした女子高校生2人組は『何のことかよく分かりません』と口をそろえた。基地は『あるのが当たり前。フェスとか楽しいし、嫌なイメージないよね』。『でも、物が落ちてくるのは怖いし、きれいな海を埋め立てるのは嫌だな』。2人の中でまだ答えは出ていないようだった。」                            (社会部・比嘉桃乃)




by asyagi-df-2014 | 2018-07-28 21:08 | 沖縄から | Comments(0)

カジノ法は、「人の不幸を食い物にして成り立つ」ものである。(3)~琉球新報20180721~

 今回の問題点は、「人の不幸を食い物にして成り立つ経済」でないかとの指摘が、すべてに当てはまるものでしかないものを、安易に成立させたということである。
 カジノ解禁を柱とする統合型リゾート施設(IR)整備法案が2018年7月20日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。
琉球新報(以下、「琉球」。)は2018年7月21日、「カジノ法成立 国民不幸にして金儲けか」、と社説を掲載した。
「IR整備法といっても実際は賭博合法化法だ。賭博を認める法律がなぜ必要なのか。強い疑問が残る。」、と「琉球」は主張する。
 「琉球」の批判の根拠は、次のものである。


(1)「ギャンブル依存症の拡大や治安悪化が懸念され、国民の不安は根強い。6月の共同通信の世論調査では69%が『今国会で成立させる必要はない』と回答している。カジノ解禁への理解は進んでいない。それにもかかわらず、あまりにも拙速に成立させた。世論軽視の強行と言わざるを得ない。」
(2)「政府は昨年3月、ギャンブル依存症の実態把握のための成人2200人を対象にした初の面接調査の結果を発表した。回答した993人のうち生涯で依存症の経験が疑われる人は2・7%だった。一方、各国のギャンブル依存症が疑われる人の割合は、調査対象数や調査方法にばらつきがあるものの、米国や韓国など11カ国と香港では0・2~2・4%だった。」
(3)「つまり日本はギャンブル依存症の割合が各国と比べても高い水準にある。国内で依存症経験が疑われる人は320万人に上るとの推計もある。そこにカジノを解禁すれば、依存症の割合がさらに高まるのは目に見えている。」
(3)「法案では依存症対策として、日本人のカジノ入場にマイナンバーカードを使った本人確認を義務付け、週3回、月10回という上限を設定している。安易な利用を減らそうと入場料6千円を徴収するほか、国が事業者を厳しく監督する免許制度も導入するとしている。しかし年間120日まで入場できる仕組みで依存症の歯止めになるのか。極めて疑問だ。」
(4)「政府はカジノを含むIRによる観光立国をアピールする。しかし訪日外国人客は過去6年間で4・6倍と急拡大している。カジノに頼る必要などない。むしろカジノ客の7~8割は日本人が占めるとの民間や自治体の推計もある。」
(5)「安倍晋三首相は『IRが日本全体の経済成長につながる』と主張する。しかし政府は『現時点では経済効果額の試算はできない』と説明する。数字の裏付けのない経済効果をアピールされても、判断のしようがない。」


 「琉球」は、「政府は賭博を刑法で処罰してきた根拠に立ち返るべきだ。最高裁の判例では賭博について『国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害する』などと示している。カジノ合法化の法律を成立させるべきではなかった。政府は国民を不幸にさらしてでも金儲けを優先させようというのか。そうでないというのなら、早期に廃止すべきだ。」、断じる。


 確かに、最大の問題は、「IR整備法といっても実際は賭博合法化法だ。」(琉球新報)、ということにある。また、「数字の裏付けのない経済効果をアピールされても、判断のしようがない。」(琉球新報)、ということも。
今回もまた、安倍晋三首相の『岩盤規制に穴を開け経済成長につなげる』、とのにやけた笑顔がマスコミでは徹底される。
どう考えても、この国は、壊されている。



by asyagi-df-2014 | 2018-07-28 05:39 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年7月27日

  「死刑廃止は世界の大きな流れで、国際社会の常識だ」(沖縄タイムス)ということに挑む、1カ月で13人もの執行という日本国の蛮行。
日本という国は、どこに向かっているのか。そこにあるのは、「管理統制国家」がより歪になった「管理統制脅迫国家」の姿でしかないのではないか。
 この「管理統制脅迫国家」に立ち向かうために、沖縄は立ち上がった。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年7月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-辺野古問題は新局面に きょう午前、翁長知事が承認撤回表明-2018年7月27日 05:10


 沖縄タイムスは。表題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事は27日午前10時半から沖縄県庁で臨時記者会見を開き、名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の撤回を表明する。不利益処分を受ける沖縄防衛局に対し、意見を聞くための『聴聞』の期日を通知する。県は、赤土等流出防止条例に基づく確認通知書を防衛局へ送付しないなど、『撤回表明』を理由に、埋め立て工事を前提とした手続きに応じない方針を固めた。」
②「翁長知事は、撤回によって工事を止める狙いで、県政運営の柱に掲げる『辺野古新基地建設阻止』に向けた最大の手段と位置付けてきた。国は撤回の効力を止めるための法的措置を講じる見通しだ。再び訴訟に発展する可能性が高い。辺野古問題は新たな局面を迎え、11月18日投開票の知事選にも大きな影響を与える。」
③「行政手続法に準じた聴聞には約1~2週間かかり、その後に防衛局の意見をまとめ、撤回に踏み切るまで、約3~4週間かかる見込み。県は、全体の実施設計を示した上で協議に応じるよう求めるなどした県の再三の行政指導に防衛局が従わず、このまま工事を続ければ環境に大きな影響が生じかねないことなどを理由に撤回するとみられる。」
④「翁長知事は26日午前、前日に引き続き、富川盛武、謝花喜一郎の両副知事と県庁で協議。記者団に『記者会見を27日に実施するよう指示した。私の考えをお伝えする。詳細は会見で確認いただきたい』と語った。知事は、県議会の与党会派の代表者に電話し、『いろいろお騒がせしている』などと述べ、撤回の手続きを開始する方針を伝えた。」
⑤「防衛局は8月17日を目安に、護岸で取り囲んだ一部海域に埋め立て土砂を投入すると、6月12日付で県に通知。県は赤土防止条例に基づき、45日以内に審査し、27日を期限に確認通知書を送付することになっていた。」


(2)琉球新報-死刑廃止団体が抗議の会見 「前代未聞の異常事態」-2018年7月27日 00:17


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「オウム真理教の元幹部ら6人の死刑執行を受け、死刑に反対するNPO法人や人権団体が26日、国会内で記者会見し、『6日の7人も含め、1カ月で13人もの執行は前代未聞の異常事態だ』と訴えた。」                         ②「NPO法人『監獄人権センター』事務局長の田鎖麻衣子弁護士は、6人中4人が再審請求中だったことを問題視。『民主国家の司法の在り方として本当に恥ずべきことだ』と批判し『執行への感覚がまひしてしまう危険がある』と懸念した。」
③「人権団体『アムネスティ・インターナショナル日本』の中川英明事務局長は『死刑廃止は世界の大きな流れで、国際社会の常識だ』と指摘した。」
(共同通信)


(3)沖縄タイムス-沖縄防衛局、県の新基地「最後通告」に応じず 工事停止「必要なし」と回答-2018年7月26日 07:45

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は25日、県が『「最後通告』と位置付ける留意事項への違反などを理由に工事の即時停止を求めた行政文書に対し、工事は埋め立て承認に基づき適法に実施しているとし、『停止する必要はない』と回答した。防衛局は行政指導に応じず、翁長雄志知事は埋め立て承認撤回へ踏み出す。」
②「県は防衛局が事業全体の実施設計を示さず、埋め立て承認の条件である留意事項に盛り込まれた県と国の『事前協議』を行わないまま工事に着手していると指摘。環境保全対策も事業全体の実施設計を明らかにしていないため協議ができないと主張した。」
③「一方、防衛局は護岸の設置工事は段階的に実施されるため、『留意事項に反しない』と主張。環境保全対策については、分割して行われる実施設計協議と連動して順次行っても『留意事項に違反しない』との認識を示した。」
④「防衛局の調査の結果、大浦湾側の護岸建設予定地では『軟弱地盤』の存在が明らかになっている。県は、提出された工事の設計概要説明書は地質調査報告書より前に作成されており、『このまま工事を進めれば、護岸の倒壊の危険性を否定することはできない』と指摘している。」
⑤「これに対し防衛局は、護岸計画箇所付近の地盤の強度などについては『現在実施中のものも含めたボーリング調査の結果などを踏まえ、総合的に判断する』と回答した。さらに防衛局は、環境保全対策は周辺への影響を検討する『環境監視等委員会』の指導・助言を経て、詳細を県に説明したと反論。県との協議など承認の条件となっている留意事項にも反していないと主張した。」


(4)沖縄タイムス-翁長知事「辺野古」阻止へ 埋め立て承認撤回を表明-2018年7月27日 10:48


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、翁長雄志知事は27日午前、前知事の埋め立て承認を撤回する意向を示し、事業者の沖縄防衛局の意見を聞き取る『聴聞』を実施すると発表した。聴聞を終えれば、防衛局が8月17日を目安に予定する埋め立て土砂の投入の前に承認を撤回する見通し。」
②「土砂の投入という重大局面に差し掛かる前に知事の最大の権限である承認撤回に踏みきり、工事を停止させる。沖縄防衛局が撤回を無効化する法的な対抗策を打ち出してくるのは必至で、県と国の争いは再び法廷の場へと移る。」
③「27日午前10時半から県庁で会見した翁長知事は『さまざまな観点から国の工事内容を確認し、沖縄防衛局の留意事項違反や処分要件の事後的不充足などが認められた。公有水面埋め立て承認の効力を存続させることは、公益に適合し得ない』と述べ、撤回に向けた聴聞開始の理由を説明。」
④「撤回の理由について、承認の条件となった『留意事項』に盛り込まれた県と国の環境保全策などの事前協議が行われていないことや、大浦湾側の軟弱地盤や活断層の存在、新基地が米国防総省の航空機の高さ制限に抵触していることなどを挙げた。」


(5)沖縄タイムス-翁長知事が承認撤回について、県議会与党会派へ説明-2018年7月27日 10:21


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の翁長雄志知事は27日午前9時20分から、県庁5階の部屋で県議会与党系会派の全議員と面談した。名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の撤回について自らの方針や考え方、今後の見通しなどを伝えた。全議員を集めるのは異例の対応。県議会会派の社民・社大・結、共産、おきなわから約25人が出席した。」
②「県議らは「口」の字形に配列されたテーブルといすの3辺に座り、翁長知事が正面に座った。説明会は非公開だった。約20分後に大きな拍手が鳴り響いた後、翁長知事は部屋を出て6階の知事室に向かった。午前9時50分ごろから、弁護士らと調整に入った。」
③「説明会に出席した照屋大河県議は『知事は記者会見で県民に対して、詳細に説明すると話していた。手続きを進める職員たちの思い、法律家、各分野の研究者の意見、県民の民意を検討しながら整合性を図り、このタイミングになったと説明していた』と話した。」
④「27日午前10時半から県庁6階で臨時記者会見を開き、撤回に向けた手続きを始めると正式に表明する。」


(6)沖縄タイムス-翁長知事の記者会見、コメント全文 埋め立て承認撤回を表明-2018年7月27日 10:55


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


 本日、辺野古新基地建設に係る公有水面埋立承認の撤回に向けて、事業者である沖縄防衛局への聴聞の手続きに入るよう、関係部局長に指示をしました。

 辺野古新基地建設に係る公有水面埋立承認処分には、「環境保全及災害防止二付十分配慮」という基幹的な処分要件が事業の実施中も維持されるために、事前に実施設計や環境保全対策等について協議をすることや環境保全図書等を変更する場合には承認を得ることなどを事業者に義務づける留意事項を付しております。
 しかし、沖縄防衛局は、全体の実施設計や環境保全対策を示すこともなく公有水面埋立工事に着工し、また、サンゴ類を事前に移植することなく工事に着工するなど、承認を得ないで環境保全図書の記載等と異なる方法で工事を実施しており、留意事項で定められた事業者の義務に違反しているとともに、「環境保全及災害防止二付十分配慮」という処分要件も充足されていないものと言わざるをえません。

 また、沖縄防衛局が実施した土質調査により、C護岸設計箇所が軟弱地盤であり護岸の倒壊等の危険性があることが判明したことや活断層の存在が専門家から指摘されたこと、米国防総省は航空機の安全な航行のため飛行場周辺の高さ制限を設定しているところ国立沖縄工業高等専門学校の校舎などの既存の建物等が辺野古新基地が完成した場合には高さ制限に抵触していることが判明したこと、米国会計検査院の報告で辺野古新基地が固定翼機には滑走路が短すぎると指摘され、当時の稲田防衛大臣が、辺野古新基地が完成しても民間施設の使用改善等について米側との協議が整わなければ普天間飛行場は返還されないと答弁したことにより、普天間飛行場返還のための辺野古新基地建設という埋立理由が成り立っていないことが明らかにされるなど、承認時には明らかにされていなかった事実が判明しました。

 これらの承認後の事実からすれば、「環境保全及災害防止ニ付十分配慮」の要件を充足していないとともに、「国土利用上適正且合理的」の要件も充足していないものと認められます。

 この間、県では、様々な観点から国の埋立工事に関する内容を確認してきましたが、沖縄防衛局の留意事項違反や処分要件の事後的不充足などが認められるにもかかわらず公有水面埋立承認処分の効力を存続させることは、公益に適合しえないものであるため、撤回に向けた聴聞の手続きを実施する必要があるとの結論に至ったところです。

 私は、今後もあらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせないという公約の実現に向け、全力で取り組む考えであります。
                         平成30年7月27日
                         沖縄県知事 翁長 雄志


(7)沖縄タイムス-菅官房長官「工事進める考え、変わらない」 翁長知事の承認撤回表明を受け-2018年7月27日 12:04


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認を、翁長雄志知事が撤回することを表明したことに対し、菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、『工事を進めていくという考え方に、何ら変わりはない』と述べた。」
②「2016年に国が勝訴した最高裁判決に触れ、『国と県が互いに協力し、誠実に対応し、埋め立て工事を進めていくことが求められている』とも話した。」
③「撤回手続きへの対応については『通知が来れば法令の規定に従い、適切に対応する』と述べるにとどめた。」
④「小野寺五典防衛相も記者会見で『聴聞通知書の内容を精査の上、適切に対応したい』との考えを重ねて示した。」
⑤「福井照沖縄担当相は記者会見で『沖縄の基地負担軽減にかかる政府の取り組みについては、沖縄の方々に説明を尽くす努力を継続していく』と述べた。」


(8)沖縄タイムス-承認撤回を巡る翁長知事の主な発言 「必ずやる」「私の責任」「決意揺らがず」-2018年7月27日 16:43


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2014年の知事選への出馬会見以降、名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の撤回を巡る、翁長雄志知事の主な発言をまとめた。」
②「『知事選に勝ち、みんなで相談する中で(前知事の埋め立て承認の)取り消し、撤回のあり方を力を合わせてやれるよう頑張りたい』(2014年9月13日、知事選への出馬会見で)」
③「『私たちは心を一つにして包容力を持ち、新辺野古基地は絶対に造らせないとやっていきたい。私はあらゆる手法を持って、撤回を力強く、必ずやる』(17年3月25日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前での新基地建設に反対する県民集会で、撤回を初めて明言)」
④「『どのような事由が撤回の根拠になるのか、法的な観点、国の日々の動き、全体の流れを勘案しながら、あらゆる状況を想定して弁護団と議論している』(同年4月25日、辺野古沖の護岸工事着手を受けた記者会見で)」
⑤「『撤回については法的なもの、しっかりしたものを行政法学者や弁護士と相談しながら、ぜひともやっていきたい』(同年7月24日、工事差し止め訴訟提起の記者会見で)」
⑥「『県の再三の要請や行政指導にも応じず、国ともあろうものが法令の決まり事をすり抜けることに心血を注ぎ、強行に新基地建設を推し進める姿勢は法治国家とは大変ほど遠い。工事を強行に推し進める状況は、必ず埋め立て承認の撤回につながる。あらゆる情報を判断して、撤回時期について私の責任で決断する』(同年8月12日、那覇市内で開かれた「翁長知事を支え、辺野古に新基地を造らせない県民大会」で)」
⑦「『(任期中に撤回する可能性は)十二分にあり得る。任期をまたぐことは基本的にまだ考えていない。行政の長である私が判断する。誰にも責任をおっかぶせない』(同年12月21日、報道各社の新春インタビューで)」
⑧「『(承認撤回は引き続き検討するかとの問いに)ベースとしてそう考えているから、今まで申し上げた通り、法的な意味合いもしっかりと考えながらこれは判断したい』(18年2月5日、名護市長選の結果を受けて県庁で記者団に)」
⑨「『多くの皆さんの関心事は、いつ撤回するのかだと思う。辺野古に新基地を造らせないとの決意はみじんも揺らぐことはない。法的観点から丁寧に検討しており、環境保全措置などについて看過できない事態となれば、ちゅうちょなく必ず撤回を決断する』(同年7月7日、シュワブゲート前で開かれた「ジュゴン・サンゴを守れ!土砂投入を許さない!辺野古新基地建設断念を求める県民集会」に寄せたメッセージで)」


(9)沖縄タイムス-知事の埋め立て承認撤回に拍手 シュワブゲート前-2018年7月27日 14:13


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では27日、翁長雄志知事の辺野古新基地建設に伴う埋め立て承認の撤回表明に合わせて市民集会が開かれた。30人ほどの市民が参加。ラジオやインターネット中継で翁長知事の承認撤回表明を知ると、参加者から拍手や歓声が湧き上がった。」、と報じた。
 また、「午後1時までに2回の工事車両の搬出があった。シュワブ沿岸の『K4』護岸建設現場では被覆ブロックを設置する作業が確認された。宜野座村から参加した男性(76)は『私たち県民が知事を支え、基地建設反対の声を上げ続けなければならない』と話した。」、と報じた。


(10)沖縄タイムス-承認撤回、国の対抗策は? 沖縄県と再び法廷闘争へ 想定される4つのケース-2018年7月27日 14:50


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「翁長雄志知事が、名護市辺野古沿岸の埋め立て承認の撤回に向け、不利益を受ける沖縄防衛局に対し、今月中に行政手続法に準じた『聴聞』の期日を通知する方針だ。早ければ8月中旬の撤回を目指す。埋め立て承認撤回の前例はない。工事を止められる国は、対抗策を取るとみられる。どちらも譲る気配はなく、法廷闘争は避けられそうにない。想定される四つのケースをまとめた。」                        (政経部・福元大輔、社会部・下里潤)
<ケース1>差し止め訴訟:正式撤回前に提訴可能
②「今後の展開で想定されるのは、翁長知事が正式に『撤回』する前に、その効力を止める差し止め訴訟だ。撤回の事実がなくても、重大な損害が生じる恐れがある場合に限り、国は提訴できる。損害を避けるために他の方法がある場合はできない。2004年の行政事件訴訟法改正で、新たな訴訟類型として定められた。県が沖縄防衛局の意見を聞き取る『聴聞』の手続きに入り、正式撤回するまでに訴訟を起こすことが可能だ。」
③「提訴には、撤回により国の利益が侵害されるなど『法律上の利益』があるかなどの要件を満たすことが求められる。『公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れ』がないことなども必要となる。」
④「判決までに時間がかかるため、国が裁判所に申し立てれば、仮の差し止めが認められる場合もある。損害を避けるため、緊急の必要性があることなどが要件。」
<ケース2>取り消し訴訟:執行停止の申し立ても
⑤「国が県を相手に『撤回』の取り消しを求める訴訟。撤回を知った日から6カ月以内、かつ撤回を行った日から1年以内に提訴する必要がある。」
⑥「撤回の効力を止める点では差し止め訴訟と同じだが、取り消し訴訟は撤回後の提訴となる。裁判を起こしただけでは撤回は有効なため、国は工事を進められない。対抗策として、提訴と同時に裁判所へ執行停止を申し立てる可能性が高い。」
⑦「執行停止の要件は仮差し止めとほぼ同じだ。どちらも『本案について理由がないとみえるとき』。つまり、国の敗訴が濃厚な場合は認められない可能性が高い。」
⑧「専門家の一人は『執行停止などが認められれば、県敗訴の見通しが高くなる』と指摘。2015年からの埋め立て承認取り消しを巡る訴訟を挙げ『工事全体を止めるには決定的な理由が必要だ』と述べた。」
<ケース3>執行停止申し立て:「私人」の立場で主張か
⑨「2015年10月の埋め立て承認取り消しで、防衛局は最初の対抗策として、行政不服審査法に基づき、執行停止を申し立てた。国土交通相はその13日後に執行停止を決め、防衛局は工事を再開した。同法は違法、不当な行政処分に対し、『国民』に不服申し立ての道を開く。国の申し立てを想定しないが、防衛局は『私人』の立場で申し立て、同じ内閣の一員の国交相が認めた。」
⑩「県は中立・公平性を欠くと、国地方係争処理委員会へ訴えや取り消し訴訟を提起したが、16年3月の和解成立で、防衛局が申し立てを取り下げたことで、県と国のどちらの主張が正しいか、うやむやのままだ。『申し立ての取り下げは国が非を認めた証拠だ』という意見がある一方、『白黒はっきりしていないので、すぐに撤回を無効にする手段として国は使ってくる』という見方も残る。」
<ケース4>代執行:他に手段ない場合限定
⑪「埋め立て承認のような法定受託事務に関する国と県との争いを想定するのは、地方自治法だ。245条7で国が県に『是正の指示』を出し、従わなければ、251条7の違法確認訴訟を提起。勝訴した上、違法な撤回の取り消しを求めるのが国の正攻法といえる。245条8の『代執行』は、他に手段がない場合に限られる。承認取り消しの際、国はいきなり代執行の手続きを始めたが、高裁に和解を促され、応じた。結局、違法確認訴訟で問題は終結し、『代執行以外に手段がない』とはいえない状況だ。撤回でもいきなり代執行の手続きを始める可能性は低いとみられる。ただ取り消しの例では、国の提訴後、最高裁が国勝訴の判決を出すまで約5カ月かかった。その間、埋め立て工事は止まる。そのため、国は暫定的に撤回の効力を止め、工事を再開する方法を探るとみられる。」


(11)琉球新報-「知事、頑張れ」「県民がついているぞ」 緊急集会で撤回表明に喜びと決意 「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」-2018年7月27日 17:33


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、翁長雄志知事が埋め立て承認を撤回すると表明したことを受け、政党や市民団体などでつくる『辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議』は27日、那覇市の県民広場で緊急の集会を開いた。」
②「県内各地から300人以上が参加し『翁長知事、頑張れ』『県民がついているぞ』とシュプレヒコールを上げ、撤回を支持するアピール文を採択した。」
③「オール沖縄会議共同代表の高良鉄美琉球大学法科大学院教授は『県外、国外にも埋め立て承認の撤回が間違っていないと示すことができる表明だった」』知事の会見を評価し、あいさつした。」
④「集会には県内各地から市民が訪れた。名護市辺野古の島袋文子さん(89)は『撤回をずっと待っていた。今後、裁判になるだろう。県が勝っても負けても、支えたい』と語った。『沖縄ばかりに基地が押しつけられ、苦労している。2度と戦争をしないため、基地はいらない』と訴えた。」
⑤「ツイッターで集会を知り、駆けつけた島袋博江さん(43)=那覇市=は『いてもたってもいらない気持ちだった。あとは県民が知事を後押しするしかない』と決意を口にした。」
⑥「長嶺勇さん(69)=恩納村=は午前9時過ぎから県庁を訪れ、集会に参加した。『撤回を表明しても国は総掛かりで沖縄を襲ってくるだろう。県民が一つになって、新たな島ぐるみ闘争を起こさなければいけない』と語気を強めた。」




by asyagi-df-2014 | 2018-07-27 18:32 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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