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確かに、沖縄だけに押し込めておくことが安易だ。

 屋良朝博さん(以下、屋良)は2019年6月5日、フェイスブックに、「普天間の解決策」をアップしました。
屋良の書き出し。


 「普天間の解決策はいくらでも考えられます。沖縄だけに押し込めておくことが安易だから、あるいは中身を議論すると基地負担の火の粉が自身に及ぶから、この国では議論さえ起こらない。」


 屋良は、「昨日、日米関係の専門家マイク・モチヅキ准教授(ジョージワシントン大学)が国会で講演しました。」、と次のようにまとめています。


・普天間代替案を検討した1990年代といまは戦略環境が全く変化している。
・軍事合理性のない膨大な公共工事、膨大な浪費をなぜ日本の納税者は文句を言わないのか。
・米軍再編後の小規模部隊が必要な航空機は限られており、平時においてはヘリポートで十分。有事には本土で他の施設を提供すればいいし、そうせざるを得ない。
・米軍が日本に対する信頼がないため、既存基地を手放そうとしない。
・ミサイル攻撃のリスクが高いいま、軍事施設を集中させると危ない。
・沖縄の民意を無視し、政治的リスクを高めると、喜ぶのは中国である。
・最終的に米軍基地はNATO方式に転換し、自衛隊基地を米軍が使う方式へ。
・ワシントンは沖縄問題に関心ないが、柔軟な考え方をする人もいる。
・東京は、安倍政権に現行案を変更する考えはない。野党も分裂し弱い。
・沖縄の負担軽減は日米関係を健全化させる。与野党が歩み寄るべき。
・沖縄の政治も与野党が対立軸にするのは解決を妨げる。
・勇気を出して、新しい案を出すべきだ。
・オスプレイなどを半分でも九州へ移転できる。
・新しい案が出れば、米軍の戦略家は柔軟に対応する。海兵隊は朝鮮戦争の1950年代の大規模上陸部隊ではない。朝鮮半島は沖縄から遠すぎる。
・1990年代、普天間返還を協議したころ、米国は日本を信頼していなかった。だから既存基地を手放そうとしなかった。いまなら現実的な対応が可能だ。
・普天間は戦争計画に組み込まれている。それは普天間が使えるという理由だけ。別の施設が使用可能となれば、そこを使った戦争計画を描く。
・大規模な海兵遠征部隊を展開する時代ではない。海軍、空軍が主体となる。
・海兵隊はほとんどHA/DR(人道支援・災害救援)の活動。沖縄をHA/DRのセンターにするといい。
・沖縄の問題は迷惑施設を本土のみんなが嫌がっていることが本質だ。


 そうなのだ。
 答えは、「沖縄の問題は迷惑施設を本土のみんなが嫌がっていることが本質だ。」、ということ。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-13 07:57 | 米軍再編 | Comments(0)

安倍晋三政権(防衛省)は、市民に対して納得のいくように説明しなければならない。

 2019年6月5日付けの琉球新報(以下、「新報」)の社説は、「生活圏近くに弾薬庫 住民の安全確保できるか」、と強く日本政府のあり方を批判した。
 どういうことなのか。
同日付で、沖縄タイムスは、次のように伝えている。


(1)沖縄県の宮古島市と石垣市に配備予定の陸上自衛隊の地対空・地対艦ミサイル(誘導弾)について、陸自武器学校の訓練資料で「直接火災に包まれた場合には1キロ以上の距離、または遮へい物のかげなどに避難する」と対策を明記していることが分かった。弾頭が火災に包まれてから、発火、爆発などの反応が起こるまでの時間「クックオフタイム」は約2分間と説明している。
(2)弾薬庫を設置する宮古島市城辺保良の半径1キロの保良(ぼら)と七又の両集落に約230世帯450人、石垣市平得大俣の半径1キロの開南集落に約20世帯50人が暮らしている。

 元航空自衛官で先島地域への陸自配備の問題点を指摘してきた軍事ジャーナリストの小西誠さんは「住民への説明では弾薬の保管量や民家との距離などの発表がなかった。危険性が分からず、不安は募る。住民が2分以内に1キロ以上離れた場所に避難できるか、も疑問だ」と話した。
(3)小西さんが情報公開で、陸自教範「火砲弾薬、ロケット弾及び誘導弾」647ページを入手した。2013年改訂版で、「88式」地対艦誘導弾の異常発生時の対処法の中で、火災に触れている。宮古、石垣には後継の「12式」を配備する可能性があり、小西さんは「88式に比べ爆発力が大きく、影響は広がるかもしれない」と分析している。
(4)防衛省は「石垣島、宮古島に計画の火薬庫では、災害防止、公共の安全確保を目的に、火薬類取締法等の関連法に基づき、十分な保安距離を確保している」と安全性を強調した。
(4)防衛省は3月、宮古島市上野野原の駐屯地に約380人の宮古警備隊を新設。地対空・地対艦ミサイル部隊約330人を19年度末にも配備予定で、保良の弾薬庫が完成すればミサイルを保管する。石垣市でも駐屯地の造成を進めている。


 つまり、考慮されなけねばならない事実は、陸自武器学校の訓練資料では、「弾頭が火災に包まれてから、発火、爆発などの反応が起こるまでの時間『クックオフタイム』は約2分間と説明」されているということ。また、「弾薬庫を設置する宮古島市城辺保良の半径1キロの保良(ぼら)と七又の両集落に約230世帯450人、石垣市平得大俣の半径1キロの開南集落に約20世帯50人が暮らしている。」ということなのである。
 したがって、「新報」は、「生活圏の近くに弾薬を保管する危険性が改めて浮き彫りにされた。国の安全を守ることを目的とする自衛隊の施設が、住民の生命・財産を脅かすとすれば本末転倒と言うしかない。」、と断じるのである。
「新報」は、「万一、火災が起きたとき、2分間で1キロ以上離れることができるのだろうか。」、と次のように指摘する。


(1)陸上自衛隊の教科書(教範)が、地対艦誘導弾(ミサイル)が火災に巻き込まれたときに発火、爆発するまでの時間は約2分で、その際は1キロ以上離れるか物陰に避難するなどの対応を取ることを指示していたのである。
(2)陸自宮古島駐屯地には2020年以降、ミサイル部隊が配備される計画になっている。これに伴い保良地区に建設される弾薬庫には地対艦・地対空ミサイルも保管される見通しだ。近くには住宅や道路などがあり、生活圏に近い。
(3)石垣島には500~600人規模のミサイル部隊を配備する計画がある。駐屯地内には誘導弾の弾薬庫が設置される予定だ。近隣には開南集落がある。


 「新報」は、「そもそも、人々が暮らす場所の近くに危険な弾薬を置くこと自体が間違っている。文字通り、爆弾を抱えた状態での生活を強いるに等しい。弾薬庫を含め配備計画を根本から見直すべきだ。」、と突きつける。
 「新報」の批判は、続けられる。。
(1)宮古島駐屯地では、住民に説明がないまま中距離多目的誘導弾(ミサイル)などの弾薬が保管されていたことが分かり、岩屋毅防衛相が謝罪した経緯がある。その後、弾薬は、島外に搬出された。保良地区に整備される予定の弾薬庫が完成した後、保管する方針だという。防衛省は住民説明会などの際、駐屯地で保管するのは小銃や発煙筒だと説明していた。結果的に、うそをついていたことになる。
(2)先島への自衛隊の配備は、南西地域の防衛態勢の強化を目的としているが、軍事拠点ができれば、攻撃目標となるリスクが生じることもまた明らかだ。
(3)だからこそ、軍事施設の建設が地域に及ぼす影響は計り知れない。そこで生活する人々にとっては、極めて重い意味を持っている。有事の際には弾薬庫が火に包まれる事態も想定される。平時にあっても、火災が起きないとは限らない。そのような場合に、近隣住民の安全を確保することはできるのだろうか。防衛省は、市民に対して納得のいくように説明すべきだ。
(4)陸上自衛隊の教範は軍事評論家の小西誠氏が情報開示請求によって入手した。各種弾薬の詳細な構造や機能、取り扱い方法を解説している。本来、火災時の対応などは、問われるまでもなく進んで公表すべき事柄だ。都合が悪いので頰かぶりを決め込んだのか。弾薬庫を設置する以上、爆発したときに周辺に及ぼす危険についても、あらかじめ住民に説明する責任が防衛省にはあるはずだ。


 どうやら、安倍晋三政権の『構造的沖縄差別』の徹底化だけは、貫徹される方針として変えないということなのか。
 「先島への自衛隊の配備は、南西地域の防衛態勢の強化を目的としているが、軍事拠点ができれば、攻撃目標となるリスクが生じることもまた明らかだ。だからこそ、軍事施設の建設が地域に及ぼす影響は計り知れない。そこで生活する人々にとっては、極めて重い意味を持っている。有事の際には弾薬庫が火に包まれる事態も想定される。平時にあっても、火災が起きないとは限らない。そのような場合に、近隣住民の安全を確保することはできるのだろうか。防衛省は、市民に対して納得のいくように説明すべきだ。」(琉球新報)の主張は、あまりに重い。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-10 07:05 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄の命に関わる問題。今は、日米地位協定の改定がまずは必要。

 琉球新報は(以下、「新報」)2019年6月4日、「基地汚染の調査要請 地位協定改定が不可欠だ」、と社説で論評した。
米軍の嘉手納基地や普天間飛行場周辺の浄水場や河川から高濃度の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)が検出されているからだ。
 「新報」は、次のように指摘する。


(1)玉城デニー知事は今月にも上京し、基地内の立ち入り調査を米軍に認めさせるよう政府に要請する。米軍の嘉手納基地や普天間飛行場周辺の浄水場や河川から高濃度の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)が検出されているためだ。
(2)ただ立ち入りの実現は厳しい見通しだ。背景には、日米地位協定の環境補足協定がある。2015年9月の発効から3年半が過ぎたが、補足協定に基づき自治体が申請する米軍基地内の立ち入りは一度も実現していないことが、国会での外務省答弁で判明した。
(3)協定の条件が壁になっているからだ。条件とは、基地内を調査できるのは返還日の約7カ月前からという内容だ。さらに日本側が立ち入りを申請できるのは、環境事故について米側が日本側に通報することも前提条件だ。しかも米軍の運用を妨げないなどと米側が判断した場合に限って、調査は認められる。


 「新報」は、この環境補足協定を、「忖度改定」と次のように批判する。


(1)協定を締結した際、菅義偉官房長官や岸田文雄外相は「歴史的な意義を有する」と評価した。安倍晋三首相に至っては「事実上の地位協定の改定を行うことができた」と成果を強調した。
(2)しかし協定はむしろ米軍に都合が良い内容だ。自治体による調査へのハードルを上げただけの「忖度改定」と断じざるを得ない。調査実績ゼロの結果がそれを雄弁に物語る。
(3)米本国や海外との対応の差は一層際立った。米軍は、米本国では、汚染の有無や地点、物質の使用履歴などを厳密に記録する。使用履歴がない場合は退役軍人の聴き取り調査まで実施する。今回のような事案が発生すれば、重大案件として国や州の環境保護機関が調査に乗り出し、問題化するに違いない。
(4)ドイツでは米軍に国内法順守の義務があり、自治体は予告なしで立ち入って調査できる。環境汚染も米国が浄化の義務を負う。韓国でも汚染があれば、自治体は米軍と共同で調査ができる。一方、日本では、立ち入りどころか、米本国では常識である有害物質の使用履歴もなく、基地内の管理実態さえも公表されない。これでは環境保全とは名ばかりで、無法地帯と言っても過言ではない。


 その上で、「新報」は、次のように断じる。


(1)その元凶は、日米地位協定が定める「排他的管理権」にある。基地内は米国が全権を持ち、日本側は一切口出しできないという他国ではあり得ない権利を与えてしまっている。とはいえ、水源の汚染は重大な問題だ。米国が立ち入りを認めないのは、人道上許されることではない。
(2)国民の安全安心を確保するのは政府にとって当然の責務である。そのためには、日米地位協定の抜本改定が不可欠だ。自治体の立ち入り調査を認めることや汚染の浄化を米側に義務付ける必要がある。基地内の有害物質の管理と汚染時の対応を米国内の基準に準じて制度化し、順守徹底を米側に求めるべきだ。


 結局、「日米安保条約-日米地位協定-日米合同委員会」という構造に基づく「運用」または「密約」が日本を蝕んでいる。
 この問題については、日米地位協定の環境補足協定が立ち入りの実現を阻むことになる。
それも、「2015年9月の発効から3年半が過ぎたが、補足協定に基づき自治体が申請する米軍基地内の立ち入りは一度も実現していないことが、国会での外務省答弁で判明した。」(琉球新報)というのが実態である。
 いや、むしろ、この日米地位協定の環境補足協定は、「米本国や海外との対応の差は一層際立った」(琉球新報)ということしかもたらしていない。
問題は、明確である。
 沖縄の命に関わる問題に関わって、今は、日米地位協定の改定がまずは必要である。



by asyagi-df-2014 | 2019-06-07 06:08 | 米軍再編 | Comments(0)

東京新聞で、日本の安全保障について考える。

 東京新聞(以下、「東京」)は2019年5月30日の社説で、「日米安保体制 一体化の度が過ぎる」、と掲げた。
安倍晋三政権と米国大統領との関係が映し出されるマスコミ報道に辟易としているなかで、この社説で、いろんなことを考えさせられた。
最近は、ニュ-スを真剣に見ない自分がいることに慣れてきてしまっている。
 あまりの怒りの所在をまとめようがない自分がいる。
 こうした冷静に批判できる文章を待って落とし所を作っているのが実情だ。

今回、「東京」は、「トランプ米大統領の四日間にわたる日本訪問。安倍晋三首相は日米『同盟』関係の緊密さをアピールしたが、自衛隊と米軍の軍事的一体化の度が過ぎれば、専守防衛の憲法九条を逸脱する。」、と問題のありかを次のように描いて見せている。


(1)大統領の日本での最後の日程は海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中のヘリコプター搭載型護衛艦「かが」を、首相とともに視察することだった。
(2)海自や米海軍の隊員ら約五百人を前に訓示した大統領は『日米両国の軍隊は、世界中で一緒に訓練し、活動している』と述べた。まるで自衛隊があらゆる地域に派遣され、米軍と一緒に戦っているかのような口ぶりだ。
(3)トランプ氏の目に、自衛隊がそう映ったとしても無理はない。


 つまり、米国大統領にうまく利用されることを嬉々として受け入れる政権とは何なのか、ということである。
 「東京」の具体的な指摘は続く。


(1)歴代内閣は、戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の下、専守防衛に徹し、節度ある防衛力整備に努めてきたが、安倍内閣は、違憲とされてきた「集団的自衛権の行使」を一転可能としたり、専守防衛逸脱の恐れありとして保有してこなかった航空母艦や長距離巡航ミサイルを持とうとしているからだ。
(2)「かが」は全長二百四十八メートル。通常はヘリコプターを載せる「いずも」型の二番艦だが、政府は昨年、「いずも」型を改修し、米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35Bを運用する方針を閣議決定した。
(3)米空母ロナルド・レーガン(全長三百三十三メートル)や、中国の遼寧(同三百五メートル)などと比べれば小型だが、事実上の空母化である。
(4)専守防衛の逸脱が指摘される状況での「かが」乗艦には、中国けん制の狙いに加え、事実上の空母化や、一機百億円以上という高額な米国製戦闘機の大量購入を既成事実化する意図もあるのだろう。


 だから、「東京」は、安倍晋三政権に対して、『異』を突きつけるのである。
 マスコミの責任として。


(1)不安定さが残る東アジア情勢を考えれば、日米安全保障条約に基づいて米軍がこの地域に警察力として展開することは当面認めざるを得ないとしても、自衛隊が憲法を逸脱してまで米軍と軍事的に一体化していいわけはない。
(2)安倍内閣は米国製の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入も進めるが、配備候補地である秋田、山口両県の地元住民から、強力な電磁波による健康被害や攻撃対象になることを心配する声が上がる。沖縄県民の過重な米軍基地負担も深刻だ。
(3)高額な米国製武器の大量購入によるのではなく、専守防衛という日本の国家戦略への国際理解を求め、また基地負担に苦しむ住民の思いに応えてこそ、真に緊密な関係と言えるのではないか。


 確かに、「高額な米国製武器の大量購入によるのではなく、専守防衛という日本の国家戦略への国際理解を求め、また基地負担に苦しむ住民の思いに応えてこそ、真に緊密な関係と言えるのではないか。」との「東京」の主張を重く受け止める必要があることは間違いない。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-06 05:45 | 米軍再編 | Comments(0)

「やむを得なかったと判断している」との強弁の向こうには沖縄県民の悲劇が待っている。

 「やむを得なかったと判断している」との強弁の向こうに、実は、沖縄県民の悲劇がある。
何を問題にしているのか。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年5月25日、「岩屋毅防衛相は24日の閣議後会見で、米軍嘉手納基地で21日に実施されたパラシュート降下訓練に「(米側の)事情を聞いてみるとやむを得なかったかな、と判断した」と述べ、容認する考えを明言した。降下訓練は通常、伊江島補助飛行場で実施されるが、日米両政府は「例外的」な場合に限り嘉手納で認めている。ことしは既に3回実施されており、謝花喜一郎副知事が23日、関係機関へ抗議した直後の発言。県や周辺自治体は強く反発している。」、と報じていた。


 このことに関して、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年5月26日、「[パラシュート降下訓練]県内での中止を求める」、と社説で見解を表明した。
 「タイムス」は、「地元住民の安全をないがしろにし、米軍の訓練を優先する驚くべき発言である。」、と批判を明確にする。
 「タイムス」は、何が問題なのかについて、指摘する。


(1)米軍嘉手納基地で実施されたパラシュート降下訓練について岩屋毅防衛相が「やむを得なかったと判断している」と訓練を容認した。
(2)降下訓練は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で伊江島補助飛行場へ移転することが明記された。
(3)米軍が地元の反対を押し切って嘉手納で強行するのは例外規定があるからだ。2007年、日米合同委員会で嘉手納が「例外的な場合に限って使用される」という抜け穴がつくられた。
(4)沖縄の基地は民間地域と隣り合わせである。今回も住宅地上空を横切り、滑走路に降り立っている。一歩間違えば住民を巻き込む事故が起きる不安が拭えない。伊江島でもたびたび提供区域外の畑などに落下している。沖縄での降下訓練はやめるべきである。


 今回の岩屋発言そのものについては、次のように切り込む。
 
 
(1)岩屋氏は、伊江島での条件が整わず、5回中止したとする米軍に理解を示す。
(2)17年に外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で政府が米側に「地元の懸念」を伝えた。歴代防衛相は嘉手納では行わないよう要請してきたが、岩屋氏は逆にお墨付きを与えた形だ。とうてい認められない。
(3)看過できない点はまだある。米軍が悪天候でも訓練ができるよう大型救助船を導入しても嘉手納の降下訓練がゼロにならないとの見通しを示していることだ。今後も嘉手納での降下訓練を容認しているということではないのか。


 「タイムス」は、パラシュート降下訓練について、次のように断じる。


(1)例外の定義を巡り、河野太郎外相は今年3月、国会で「拡大解釈をすることは許されない」と答弁した。
(2)具体的には、①定期的ではなく小規模、②悪天候などの制約により伊江島で行えない、③喫緊の必要がある-ことを基準として例示した。
(3)嘉手納での降下訓練は今年1、2月と連続して行われ、河野氏が基準を例示した後の5月も続いた。定期的、小規模の定義があいまいだ。
(4)今回米軍は伊江島の「海象条件が悪く、救難ボートを運用できない」ことを理由に挙げたが、実際はダイビングが可能な海象条件だったことがわかっている。
(5)米軍は48時間前の情報で決定していると説明する。米軍の一方的な解釈でどうにでもなるような例外規定は撤廃すべきだ。
(6)県が欧州の地位協定と比較した調査によると、例えばドイツやイタリアでは米軍の訓練にはいずれも事前通告や両国の承認が必要である。地域の意見を吸い上げる委員会も設置されている。
(7)日本では日米合同委員会という沖縄が関わることのない「密室」の中で決まっている。沖縄の声は、軍の論理を押し通す米軍と、米軍の運用に口を差し挟むことをしない政府との間に埋没しているのが現状である。
(8)政府が呪文のように唱える負担軽減とは裏腹に負担増が実感である。沖縄の声に耳を傾け、米軍と本気になって向き合わなければならない。


 沖縄から、受け取るものは、「沖縄の負担軽減」の政策が「沖縄の負担増」の構造をつくり出しているというまやかしの「姿」である。
確かに、安倍晋三政権が行わなければならないのは、沖縄の声に耳を傾け、米軍と本気になって向き合うことである。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-04 07:06 | 米軍再編 | Comments(0)

『隠す意図はなかった』との強弁は、隠蔽体質の証拠。

 「『隠す意図はなかった』と言われてもにわかには信じられない。貯蔵庫と火薬庫。その意味するところは、一般人の価値尺度からしても別物だろう。」
 2019年5月29日の琉球新報(以下、「新報」)の社説は、この様に始められる。
まず、「新報」は、事実を指摘する。


(1)与那国島の陸上自衛隊沿岸監視隊配備に際し、駐屯地内に整備する弾薬保管の「火薬庫」を「貯蔵庫」と示していたことが明らかになった。防衛省の担当者は、本紙の取材に「任務に必要な弾薬を持つのは当然」とする。ならばなぜ「火薬庫」と表記しなかったのか。住民の「知る権利」に誠実に向き合わず、なおざりにする体質は危険な兆候と言わざるを得ない。
(2)今年3月に宮古島市に新設された陸上自衛隊宮古島駐屯地についても住民に対し十分な説明がなされないまま施設整備が進められていた。ミサイルは配備しないと説明していた「保管庫」に中距離多目的ミサイルの弾薬などが持ち込まれていた。駐屯地で保管するのは小銃や発煙筒と説明していたというから開いた口が塞がらない。
(3)自衛隊の施設の呼称には弾薬庫、火薬庫、貯蔵庫、保管庫などの用語があり、防衛省はこれらの用語に明確な定義付けをしていなかったという。与那国でも、中身をあいまいにしたまま施設が整備されてきた。住民が十分な説明を受けたとは到底いえない。
(4)当初から各施設には意図する用途があったはずであり住民への説明をあえて避けたと受け取らざるを得ない。

 「新報」の批判の根拠は次のものである。


(1)貯蔵庫や保管庫と火薬庫、弾薬庫では、受け取る意味はまるで違う。明確な定義を欠いたままでは、住民はどのような施設ができて、どのような危険性があるのか、安全性は確保されるのかなど、予測すらできない。正確な情報を住民に示さなかった政府の姿勢は、誠意を欠いている。
(2)岩屋毅防衛相は28日の閣議後の会見で与那国島の火薬庫について「隠すような意図は全くなかった」と釈明した。一方で明確性を欠く呼称、呼び方については「誤解を招いた向きがあったかもしれない」と言及した。
(3)火薬類取締法などで火薬庫などは規定されているが、問題は、その規定にのっとった施設であることを示さず、「貯蔵庫」というあいまいな表記で建設を進めたことである。住民の生活や生命にも関わる情報である。岩屋氏は会見で「火薬類を貯蔵するものについては法律上の名称である火薬庫に統一して説明するよう指示をしている」と言及した。そもそも宮古島で問題が発覚した時点で、与那国島の住民へも速やかな説明義務が生じていたはずである。遅きに失した対応と言わざるを得ない。


 「新報」は、最後に、「与那国島では、陸自沿岸監視隊配備の賛否をめぐって住民投票が行われた。投票の意思形成に当たり、十分な情報が開示されていたとは言えまい。改めて住民に対する説明責任を果たすよう防衛相には強く求めたい。」、と主張する。


 問題は、住民の生活や生命にも関わる情報を、住民に開示しなかったことである。
また、開示しないことを選択した組織的決定があったということである。



by asyagi-df-2014 | 2019-06-03 05:58 | 米軍再編 | Comments(0)

日本政府は、米空軍のパラシュート降下訓練を直ちに中止させなけねばならない。

 米空軍のパラシュ-降下訓練が、「在沖縄米軍は22日、沖縄県の津堅島訓練場水域で今月3度目のパラシュート降下訓練を実施した。沖縄防衛局によると、恐らく「1カ月間に実施された回数としては最多」。今年に入って津堅島では4度目。」(沖縄タイムス)、との状況を生んでいる。
このことについて、琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月23日、「嘉手納で落下傘降下 全ての訓練中止すべきだ」、と社説で論評している。
 「新報」は、「米空軍が21日、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。基地周辺には学校や住宅などが密集している。降下訓練は周辺住民の安全を脅かす暴挙以外の何物でもない。政府は、嘉手納基地で訓練をしないよう、米国に対し強く要求すべきだ。」、と主張する。
 この「新報」の指摘は、次のものである。


(1)パラシュート降下訓練は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、伊江島補助飛行場で実施することが合意されていた。ところが政府は、2007年の日米合同委員会で、例外的な場合に限って嘉手納基地を使用することを認めてしまった。どのような場合が「例外」に当たるかは不明なままである。これでは米軍の恣意的な運用にお墨付きを与えるようなものだ。米国に迎合する政府の姿勢が今日、SACO合意違反の横行を招いたと言っていい。
(2)SACOで合意された伊江島での降下訓練も地元の負担が大きく、容認し難い。まして訓練場所を嘉手納基地まで広げるなど言語道断だ。
(3)米軍は今回、訓練をする必要に迫られているが伊江島の天候が良くない―などとして「例外的措置に当たる」と當山宏嘉手納町長に説明した。一方的で身勝手な言い分だ。
(4)嘉手納基地での降下訓練はSACO合意以降、12回を数える。今年は2月21日以来で、既に3回目だ。このままだと、米軍が「例外」を乱発することで、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練が常態化しかねない。
(5)岩屋毅防衛相は「引き続き、米軍に対し伊江島飛行場で(訓練を)実施するよう求めていく」とする、従来の政府方針を繰り返した。これではいつまでたってもらちが明かない。政府がまず取り組むべきなのは、日米合同委員会の合意を白紙に戻すことだ。その上で、伊江村民の大幅な負担軽減を図る必要がある。


 問題は、嘉手納基地だけに留まらない。うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練についても、次のように批判する。


(1)米軍は22日には、うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施した。普段は、本島と津堅島を結ぶ定期船や漁船などが頻繁に航行している海域だ。
(2)うるま市議会は「事前に通知がなされてはいるものの、一歩間違えれば重大な事故につながる可能性があり、極めて危険である」として、繰り返し中止を求めてきた。
(3)地元の要求を一顧だにせず、訓練を強行する米軍の方針は一貫している。軍幹部らが度々言及してきた「良き隣人」には程遠い。


 結局、「新報」は、日本政府に向けて、この様に断じることになる。


(1)米国に基地を提供している日本政府には、地元自治体や住民の意向を踏まえ、米軍の傍若無人な振る舞いをやめさせる責任がある。
(2)基地周辺住民の負担を増加させる取り決めを平然と受け入れ、その後も放置しているのは自らに課された責務の放棄にほかならない。

 だからこそ、「新報」は「そもそも狭い沖縄でパラシュート降下訓練を実施すること自体に無理がある。全ての訓練を中止すべきだ。」、と強く要求する。


 ここで、まず確認できるのは、「パラシュート降下訓練は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で、伊江島補助飛行場で実施することが合意されていた。ところが政府は、2007年の日米合同委員会で、例外的な場合に限って嘉手納基地を使用することを認めてしまった。どのような場合が『例外』に当たるかは不明なままである。これでは米軍の恣意的な運用にお墨付きを与えるようなものだ。米国に迎合する政府の姿勢が今日、SACO合意違反の横行を招いたと言っていい。」(「新報」)、ということ。そして、「日米安保-日米地位協定-日米合同委員会-運用」が「構造的沖縄差別」を構造化してきたことである。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-29 07:06 | 米軍再編 | Comments(0)

「やむを得なかったと判断している」との強弁の向こうには沖縄県民の悲劇が待っている。

 「やむを得なかったと判断している」との強弁の向こうに、実は、沖縄県民の悲劇がある。
何を問題にしているのか。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年5月25日、「岩屋毅防衛相は24日の閣議後会見で、米軍嘉手納基地で21日に実施されたパラシュート降下訓練に「(米側の)事情を聞いてみるとやむを得なかったかな、と判断した」と述べ、容認する考えを明言した。降下訓練は通常、伊江島補助飛行場で実施されるが、日米両政府は「例外的」な場合に限り嘉手納で認めている。ことしは既に3回実施されており、謝花喜一郎副知事が23日、関係機関へ抗議した直後の発言。県や周辺自治体は強く反発している。」、と報じていた。


 このことに関して、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年5月26日、「[パラシュート降下訓練]県内での中止を求める」、と社説で見解を表明した。
 「タイムス」は、「地元住民の安全をないがしろにし、米軍の訓練を優先する驚くべき発言である。」、と批判を明確にする。
 「タイムス」は、何が問題なのかについて、指摘する。


(1)米軍嘉手納基地で実施されたパラシュート降下訓練について岩屋毅防衛相が「やむを得なかったと判断している」と訓練を容認した。
(2)降下訓練は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で伊江島補助飛行場へ移転することが明記された。
(3)米軍が地元の反対を押し切って嘉手納で強行するのは例外規定があるからだ。2007年、日米合同委員会で嘉手納が「例外的な場合に限って使用される」という抜け穴がつくられた。
(4)沖縄の基地は民間地域と隣り合わせである。今回も住宅地上空を横切り、滑走路に降り立っている。一歩間違えば住民を巻き込む事故が起きる不安が拭えない。伊江島でもたびたび提供区域外の畑などに落下している。沖縄での降下訓練はやめるべきである。


 今回の岩屋発言そのものについては、次のように切り込む。
 
 
(1)岩屋氏は、伊江島での条件が整わず、5回中止したとする米軍に理解を示す。
(2)17年に外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で政府が米側に「地元の懸念」を伝えた。歴代防衛相は嘉手納では行わないよう要請してきたが、岩屋氏は逆にお墨付きを与えた形だ。とうてい認められない。
(3)看過できない点はまだある。米軍が悪天候でも訓練ができるよう大型救助船を導入しても嘉手納の降下訓練がゼロにならないとの見通しを示していることだ。今後も嘉手納での降下訓練を容認しているということではないのか。


 「タイムス」は、パラシュート降下訓練について、次のように断じる。


(1)例外の定義を巡り、河野太郎外相は今年3月、国会で「拡大解釈をすることは許されない」と答弁した。
(2)具体的には、①定期的ではなく小規模、②悪天候などの制約により伊江島で行えない、③喫緊の必要がある-ことを基準として例示した。
(3)嘉手納での降下訓練は今年1、2月と連続して行われ、河野氏が基準を例示した後の5月も続いた。定期的、小規模の定義があいまいだ。
(4)今回米軍は伊江島の「海象条件が悪く、救難ボートを運用できない」ことを理由に挙げたが、実際はダイビングが可能な海象条件だったことがわかっている。
(5)米軍は48時間前の情報で決定していると説明する。米軍の一方的な解釈でどうにでもなるような例外規定は撤廃すべきだ。
(6)県が欧州の地位協定と比較した調査によると、例えばドイツやイタリアでは米軍の訓練にはいずれも事前通告や両国の承認が必要である。地域の意見を吸い上げる委員会も設置されている。
(7)日本では日米合同委員会という沖縄が関わることのない「密室」の中で決まっている。沖縄の声は、軍の論理を押し通す米軍と、米軍の運用に口を差し挟むことをしない政府との間に埋没しているのが現状である。
(8)政府が呪文のように唱える負担軽減とは裏腹に負担増が実感である。沖縄の声に耳を傾け、米軍と本気になって向き合わなければならない。


 沖縄から、受け取るものは、「沖縄の負担軽減」の政策が「沖縄の負担増」の構造をつくり出しているというまやかしの「姿」である。
確かに、安倍晋三政権が行わなければならないのは、沖縄の声に耳を傾け、米軍と本気になって向き合うことである。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-26 16:03 | 米軍再編 | Comments(0)

新しい風に。米軍基地負担の陳情の広がりを。

 新しい風をを吹かせる。
その取り組みについて、琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月12日、「全国青年司法書士協議会(半田久之会長)は11日、那覇市で役員会を開き、辺野古新基地建設の即時中止や米軍普天間飛行場の県外・国外移転の国民的議論を求める意見書を可決するよう、全国1788の都道府県と区市町村議会に陳情を提出することを決めた。県内の有志の会による取り組みとして陳情提出の動きがあるが、全国的な士業組織が地方議会に陳情を展開していくのは初めて。」、と伝えている。
また、「新報」はこのことについて、「米軍基地負担の陳情 公正負担の国民的議論を」、と社説で論評した。
「新報」は、「全国青年司法書士協議会が、在日米軍基地負担の国民的議論を求める陳情を全国の都道府県議会と市区町村議会に提出することを決めた。画期的であり、歓迎したい。」、と次のように説く。


(1)協議会は普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設の即時中止や普天間飛行場の運用停止と併せて、米軍基地や普天間の代替施設が国内に必要かどうかを国民が議論することを求めた。米軍基地負担に関して「一地域への一方的な押し付けとならないよう公正で民主的な手続きで解決する」ことも掲げた。
(2)若手の司法書士が所属する同協議会は、これまでも全国を普天間の移設候補地とするよう求める会長声明などを出してきた。陳情の提出は、沖縄への基地偏在の本質を問う契機となろう。真摯(しんし)な取り組みに敬意を表したい。


 「新報」は在日米軍基地負担の問題について、まず、「日米安保は国土面積の0・6%の沖縄に全国の米軍専用施設面積の70%を置くことで維持されているが、軍事的な必然性からではなく、政治的な理由で沖縄が過重な負担を強いられていることを改めて指摘しておきたい。」、と押さえる。
 この上で、次のように指摘する。


(1)沖縄の米軍基地は、74年前の沖縄戦で米軍が住民の土地を奪い建設された。戦前は集落が点在する農村だった現在の普天間飛行場の一帯もその一つだ。沖縄戦を戦った米海兵隊の部隊の多くは戦後沖縄を離れたが、1950年代に山梨や岐阜から沖縄に海兵隊の第3海兵師団が移り、69年には海兵航空群が山口県の岩国基地から普天間に移った。
(2)「反米基地運動が燃え盛ることを恐れた日本と米国が、米国の施政下にあった沖縄に多くの海兵隊部隊を移した」「本土から沖縄に基地が集約する形で今日の姿ができあがった。このことを決して忘れてはならない」。安保政策に明るい石破茂自民党元幹事長は昨年、自身のホームページでこう解説した。まさにその通りである。
(3)発言が報じられると当該部分は削除されたが、政府が沖縄への米軍基地集中の理由として説明する「地理的優位性」に説得力がないことは明らかだ。安倍晋三首相が昨年2月に国会で答弁した通り、「移設先となる本土の理解が得られない」から沖縄に基地を置いているにすぎない。
(4)こうした差別的な政策は民主主義や正義に反し、住民の合意に基づいて成り立つはずの国防・安保の基本理念からも懸け離れていることは言うまでもない。辺野古の新基地建設は軟弱地盤の問題などで完成が見通せない中、工費は最大2兆6500億円に膨らむと試算されており、環境保全や財政負担の観点からも疑問が噴出している。


 「新報」は、最後に、「全国青年司法書士協議会の半田久之会長は陳情提出について『一人一人が自分ごととしてとらえ、考えていかなければならない』と語った。基地の公正負担や持続可能な安全保障政策のありようについて、根源的な議論をぜひ全国の各地で深めてほしい。」、と訴える。


 確かに、今は、新しい風を感じ、どこから吹いてくるのか、どこに吹こうとするのかを、日本という国の大地に立って、まずは感じ取る時。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-20 07:04 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄県の「他国地位協定調査報告書(欧州編)」で、改めて主権放棄の実態が明らかに。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)の2019年5月6日の社説は、「県基地対策課は『他国地位協定調査報告書(欧州編)』をホームページ(HP)で公開している。昨年現地調査したドイツとイタリア、今年調査したベルギーとイギリスの地位協定をまとめたものだ。日米地位協定の不平等性を浮き彫りにしており、抜本的な改定を政府に求めている県の論拠としても重要だ。」、と始める。
「タイムス」は、主権放棄との主張の根拠を次のように示す。


(1)米国は北大西洋条約機構(NATO)に基づき、欧州各国に米軍を駐留させ、NATO加盟国と地位協定を締結している。調査でわかったことは、各国とも補足協定などで米軍に自国の法律や規則を適用させていることだ。米軍の活動をコントロールし、主権を確立しているのである。
(2)何のたがもはめず、米軍のやりたい放題を許している日本とは大違いだ。
(3)日米地位協定は米軍が「(基地の)設定、運営、警護及(およ)び管理のため必要なすべての措置を執ることができる」と定めている。排他的管理権と呼ばれ、事実上の「治外法権」である。
(4)ベルギーのシエーヴル市長が「平時でも、何かが起きても、市民の安全のために確かめる必要がある」と立ち入り調査を当たり前とする姿勢が印象的だ。河野太郎外相は「NATO加盟国と地位協定が異なるということは当然あり得る」と後ろ向きだ。改定を求めていたかつての気概はどこへ行ったのか。
(5)ドイツは州や地方自治体の立ち入り権を明記し、緊急時は事前通告なしで入れる。イタリアやイギリスでも司令官が米軍基地に常駐するなど基地の管理権を確保している。


 「タイムス」は、「外国軍隊に自国の法律を守らせることは主権国家として当然ではないのか。」、と断じる。


 さらに、「タイムス」は「日本では基地内で何が起きているのか、『ブラックボックス化』し、自治権が大きく制限されている。」、と指摘を続ける。


(1)沖縄の米軍基地の特徴は住民生活の場と隣り合っていることだ。基地から発生する環境問題は住民の健康を脅かしかねない。
(2)航空機事故の捜査権は主権に関わる。日本では民間地の事故でも埒外(らちがい)に置かれるが、各国は現場規制したり、証拠品を押収したりするなど主体的に関与している。
(3)ベルギーでは低空飛行や、土日祝日の飛行を禁止。イギリスでは平日の午後11時から翌午前6時まで、週末は金曜日の午後6時から月曜日午前6時まで静音時間帯として飛行場の運用を禁止している。抜け穴だらけで、実効性に乏しい日米騒音防止協定との違いは歴然としている。
(4)容疑者の起訴前の身柄引き渡しは「好意的配慮」を払うことになったが、実現はわずかだ。「妥当な考慮」を払うことになった立ち入り調査はほとんど認められない。米軍の裁量次第で、運用改善ではほとんど変わらないのだ。


 「タイムス」は、社説の最後を、「本土でもオスプレイを使用した日米共同訓練が行われ、戦闘機の低空飛行も頻繁だ。『本土の沖縄化』が進む。地位協定は1960年の締結以来、一度も改定されていない。玉城デニー知事が抜本的改定の先頭に立って、米軍に国内法の適用を求めた全国知事会、渉外知事会とも連携して動かしてほしい。」、と結ぶ。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-16 12:59 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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