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これでは、自国民は守れない。つまり主権の問題。

 まさしく、「これでは自国民は守れない」、ということだ。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年7月11日、「国が米軍基地内PFOS調査を断念 2年連続、嘉手納基地が許可せず」、と報じていた。
このことに関して、「新報」は2019年7月12日、「米軍が立ち入り拒否 基地内の調査権不可欠だ」、と社説論評した。
 「新報」は、「県民の健康や生活の安全を脅かしかねない環境問題ですら調査できない現状は容認できない。速やかに基地内の調査に応じるよう、政府は実効性のある対策を米側に迫るべきだ。」、と次のように指摘する。


(1)有機フッ素化合物による水質汚染で沖縄防衛局が嘉手納基地への立ち入り調査を要請したが、米軍は許可せず、防衛局が断念していたことが情報開示請求で明らかになった。県なども立ち入り調査を国へ要請しているが、国でさえこのありさまだ。
(2)有機フッ素化合物にはいくつか種類がある。PFOS、PFOAなどはその一種だ。水をはじく性質をもたせる撥水(はっすい)剤や、器具のコーティングに使われるフッ素樹脂の製造など幅広く使用されてきた。環境中で分解されにくく、蓄積性がある。健康へのリスクが指摘されており、発がん性や発達障がいなどの危険があるとされる。国際条約で製造、使用、輸出入も制限されている。
(3)県内では地下水や河川への混入が相次いで確認された。これを機に水道水を利用せず、安全な飲料水を市販のペットボトルに求める市民もいる。
(4)国内で規制基準が定まっていなくても、まさしく県民の安全に関わる問題だ。米軍とのやりとりなども開示請求を待たずに国が自ら公表してしかるべきだ。公務員は「全体の奉仕者」であることを改めて思い起こしてほしい。
(5)沖縄防衛局は2017、18年度に立ち入り調査を米軍に要請したが、許可されなかった。いちいち米軍に許可を求めなければならないのは日米地位協定が米軍の排他的管理権を規定しているからだ。15年9月に発効した環境補足協定も形ばかりだ。締結した際に安倍晋三首相は「事実上の地位協定の改定を行うことができた」と自画自賛した。
(6)だが防衛局は、この協定に基づいて今回、立ち入り調査の請求をしなかった。立ち入りの要件をクリアするハードルはあまりにも高い。環境事故の情報提供が米側から日本側にあったという前提条件に加えて「米軍の運用を妨げないなどと米側が判断した場合に限って」という要件もある。請求を認めるかどうかは米側に裁量権があり、要件を満たすのは困難視される。名ばかりの補足協定だったことは明らかだ。日米間では複数の協定がこれまで合意されてきたが、実効性に乏しい。


 「新報」は、最後に、この様に断じる。


「水質汚染問題が発覚してから3年が経過した。政府自身が立ち入り調査さえできていない。その政府に県が要請しても進展は見通せまい。ドイツは自治体が予告なしに基地へ立ち入る調査権を持つ。日本もこれにならい、主権国として地位協定の抜本改定に臨むべきだ。国や県には収集した全情報を県民に開示し問題を共有する姿勢が求められる。汚染源を断つための具体的な対策を構築することこそ急務だ。」


 なんとまあ、驚く実態である。
あらためて、この国の姿を見ている。




by asyagi-df-2014 | 2019-07-19 07:40 | 米軍再編 | Comments(0)

「情報保全隊」配置という空恐ろしさ。

 琉球新報(以下、「新報」)は2019年7月8日、その社説は「宮古島市と与那国町への陸上自衛隊の配備で、自衛隊の秘密情報を守るために編成された防衛相直轄の部隊『情報保全隊』が配置されていた。防衛省は住民らに説明していない。隠蔽体質がまたも露呈したとのそしりは免れない。」、と始められた。
 どういうことなのか。
「新報」は、次のように指摘する。

(1)防衛省は3月、宮古島に新たに陸自駐屯地を開設、約380人の警備部隊を先行配備した。鹿児島県奄美大島にも駐屯地を開設し警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊を配備している。与那国島では2016年に約160人の陸自沿岸監視部隊が発足した。これらの部隊の配備に伴い宮古島と与那国で情報保全隊が発足していた。規模は数人程度という。奄美でも発足した。建設中の石垣駐屯地にも配置される可能性がある。だがこうした事実を防衛省は明らかにしてこなかった。地元からは不安や批判の声が出ている。無理からぬことだ。
(2)情報公開請求で保全隊の情報を入手した軍事評論家の小西誠氏は部隊について、住民の調査・監視のほか、島嶼(とうしょ)戦争の際の対スパイ戦任務も想定されると指摘している。


 「情報保全隊」の情報活動については、次の用の問題を起こしてきた。


(1)情報保全隊は、従来は陸海空3自衛隊にそれぞれ編成されていたが、09年8月に統合された。自衛隊への攻撃に対する事前の情報収集や自衛隊員が外部の不審者と接触していないかといった調査を行うが、自衛隊のイラク派遣反対の活動をした団体や個人を監視していたことが07年に発覚し、大きな問題となった。
(2)イラク派遣反対活動の監視では16年、東北地方の住民が国に損害賠償などを求めた訴訟で、公表していない本名や勤務先の情報収集はプライバシー侵害で違法だと認めた判決が確定した。


 だからこそ、「新報」は「情報保全隊」の沖縄配備の問題点を指摘する。


(1)情報保全隊は那覇を拠点に県内でも活動している。防衛省は離島への配置について「内部管理が任務の部隊で、北海道から沖縄まで配置されている。与那国や宮古島が特別なわけではない」と話した。そうであればなぜ事前に地元に説明しなかったのか。
(2)宮古島駐屯地では、住民に説明がないまま迫撃砲弾や中距離多目的誘導弾などの弾薬が保管されていた。与那国では弾薬保管の「火薬庫」を「貯蔵庫」と説明していた。基地問題や防衛政策に関する防衛省説明への不信や疑念は枚挙にいとまがない。今回も都合の悪い情報を隠していたのではとみられても仕方がない。
(3)情報保全隊は過去に各地で市民集会や自衛隊、米軍に批判的な団体・個人の活動を監視していたことが報告された。沖縄でも沖縄弁護士会や沖縄平和運動センターなどの団
体や個人が監視され、戦前の憲兵隊や特高警察を想起させるとの批判が出ていた。


 「新報」は、「憲法で保障された表現の自由や思想・良心の自由を侵害するような活動は許されない。今回の配置を含めて、情報保全隊の活動内容をきちんと説明し、県民、国民の十分な理解を得ることは防衛省の最低限の義務である。」、と断じる。


 確かに、防衛庁から防衛省となり、「米軍再編」を好機と捉える中で、その傲慢な体質は、容易に「憲法で保障された表現の自由や思想・良心の自由を侵害するような活動」(「新報」)に結びつくのは、予想できるではないか。




by asyagi-df-2014 | 2019-07-17 07:38 | 米軍再編 | Comments(0)

米大統領の日米安保条約は『不公平な合意だ』発言を考える。

 朝日新聞は2019年6月29日、米国大統領トランプの会見の要旨(日米部分のみ)を次のように伝えた。


「(日米安全保障条約の破棄は)全く考えていない。不公平な条約だと言っているだけだ。私は彼(安倍晋三首相)にそれを、この6カ月間言ってきた。もし、日本が攻撃されたら、米国は全力で戦う。戦闘に入らざるを得ず、日本のために戦うことを約束している。もし、米国が攻撃されても、日本はそうする必要はない。それは不公平だ。それが、我々がやったディール(取引)の類いだ。すべての取引がそうだ。典型的だ。私は彼(安倍首相)に、我々は変える必要があると言った。誰も米国を攻撃しないだろうと、私は願っている。だが、万が一、それが起きた場合、米国が日本を助けるなら、日本も米国を助けなければならない。彼(安倍首相)はそれを分かっている。彼(安倍首相)はそのことについて異存もないだろう。」


 米国の軍事植民地主義に苛まれてきた沖縄からは、当然のごとく「異論」が出された。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年7月1日に「[米大統領安保発言]首相は説明責任果たせ」、琉球新報(以下、「新報」)は同日「日米安保変更発言 沖縄の不公平こそ解消を」、と社説で論評した。


まず、「タイムス」の批判は次のものである。


(1)トランプ米大統領はG20大阪サミット閉幕後の記者会見で、日米安保条約について「不公平な合意だ」と述べた。米国だけが防衛義務を負うことへの不満を安倍晋三首相に「この6カ月間言ってきた」ことも明らかにしている。発言の直前にはFOXビジネステレビの電話インタビューで「日本が攻撃されたら米国は日本を守らなければならないが、米国が攻撃されたときに日本はわれわれを助ける必要がない」と訴えている。
(2)トランプ氏の一連の指摘が、大統領就任前から抱いていた日米安保観を反映したものであることは明白だ。協議が進む日米貿易交渉や、来春始まる「思いやり予算」の協定改定を優位に進めたい思惑があるのだろう。トランプ政権が今後も同盟国に対し安全保障面での「役割増」や「負担増」を求めてくるのは確実で、同盟も「取引(ディール)」の対象とみなす予測不可能な外交は大きなリスクになりつつある。
(3)同盟関係の不安定化を招きかねない発言にもかかわらず、安倍首相は日米首脳会談で真意をただすことをしなかったという。トランプ氏が安倍首相に対して安保条約への不満を6カ月間言ってきたというのは本当なのか。それが嘘であればトランプ氏は記者会見で平気で嘘をつく大統領ということになる。もし本当だとしたらこれほど重要な指摘を安倍首相は国民に隠していたことになる。
(4)トランプ氏の安保発言が浮き彫りにしたのは、両氏の個人的関係の親密さに秘められた危うさだ。
(5)米ブルームバーグ通信の記事によると、トランプ氏は「沖縄の巨大な基地の移設」を米国からの土地収奪と見なし、賠償を求める考えも示したという。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題が念頭にあるとみられる。どういう文脈で語られたのかはっきりしないものの、発言が事実であれば甚だしい理解の欠如というしかない。
(6)そもそも普天間飛行場は沖縄戦の際、上陸した米軍が地主の承諾なしに土地を囲い込み建設した飛行場である。安保条約は第6条で米軍の日本駐留と基地提供義務を定めているが、基地の移設を米国からの土地収奪と見なすのは明らかな誤りだ。
(7)日米両政府に求めたいのは戦後74年も続く基地過重負担の解消に優先的に取り組むことである。


 「タイムス」は、米国大統領の発言に対して、次のように断じる。


(1)安倍首相はトランプ氏と蜜月関係を築き、日米首脳会談のたびに同盟強化を強調してきた。しかし首相が国会や国民に対して丁寧な背景説明を行ったことはあまりない。
(2)北朝鮮対応で条件を付けずに日朝首脳会談の開催を目指す意向を示した際も方針転換の理由をきちんと説明していない。前回の日米首脳会談でトランプ氏が貿易交渉の8月決着に言及したことの真意もあやふやなままだ。
(3)安倍外交の最大の問題点は、本当に知りたいことの説明責任を果たしていないことである。


 次に、「新報」は、「トランプ米大統領が日米安全保障条約の見直しを公然と要求した。この際、沖縄の過重な基地負担を含めて、いびつな『同盟』の在り方そのものを見直してもらいたい。」、と米国大統領及び日本政府に突きつける。
 その素敵は、次のものである。


(1)日米安保条約は1951年に調印され、60年に全面改定された。第5条は日本の施政下への武力攻撃があった場合、米国が日本の防衛義務を負うと定めている。一方、第6条では日本と極東の安全へ寄与するため米軍は日本国内の施設・区域を使用できるとして、日本による米軍への基地提供義務を規定している。
(2)この内容についてトランプ氏は29日の記者会見で「不公平な合意だ」と述べた。その上で日本の防衛義務を負う米国の負担が一方的だとの不満を安倍晋三首相に「この6カ月間言ってきた」と明らかにし「(条約を)変えなければならないと伝えた」と語った。
(3)トランプ氏は米国による日本防衛義務は片務的で不公平だと言いたいようだ。だが日本の基地提供義務に伴う沖縄への負担の偏在はおそらく理解していないだろう。住民の4人に1人が犠牲となった苛烈な沖縄戦の結果、沖縄は米軍に軍事占領され、強制的に奪われた土地に基地が建設された。戦後の米施政権下時代には日本本土から海兵隊の部隊が移駐され、基地の集約が進んだ。
(4)今も沖縄には在日米軍専用施設面積の7割が集中している。基地から派生する事件・事故は後を絶たず、米軍人・軍属の優越的地位を保証する日米地位協定の存在が、米軍駐留に伴う諸課題の解決に大きな壁となり続けている。
(5)この沖縄の不公平の解消こそ両国が最優先で取り組むべき課題ではないのか。特定の地域が軍事負担の重荷を長年背負って成り立つ2国間関係の本質と今こそ正面から向き合ってほしい。
(6)トランプ氏は日米安保条約の必要性に関しては「破棄は全く考えていない」と説明しており、今回の発言には、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の増額を迫る狙いがあるとも指摘される。今後の貿易交渉で圧力をかけるための材料だとの見方もある。
(7)防衛省の試算によると米軍駐留経費の日本側の負担割合は2015年度で86%にも達し、韓国やドイツなどの他の米同盟国に比べて突出している。一方で沖縄などの在日米軍の活動範囲は世界各地に広がっており、第一義的に米国の国益のために駐留していることは自明である。
(8)菅義偉官房長官は30日、トランプ氏の発言について日本側に直接伝えられたものではないと説明した。そうであれば抗議してもおかしくないはずだが、米側に真意をただす考えは「全くない」という。これが「同盟」の現実だ。


 「新報」は、最後に、「沖縄の過重負担の解消と日米安保の在り方を米側と率直に議論する好機として、今回の発言を生かしたい。それは米国との主従関係を乗り越える第一歩ともなるはずだ。」、と結論づけた。


 確かに、米国大統領の発言で、浮き上がってきたものは、「安倍外交の最大の問題点は、本当に知りたいことの説明責任を果たしていないことである。」(「タイムス」)、ということになる。
それにしても、「沖縄の過重負担の解消と日米安保の在り方を米側と率直に議論する好機として、今回の発言を生かしたい。それは米国との主従関係を乗り越える第一歩ともなるはずだ。」(「新報」)ということが必要なことは十分理解できるが、安倍晋三政権では、不可能であることも目に見えている。



by asyagi-df-2014 | 2019-07-16 07:04 | 米軍再編 | Comments(0)

「米軍普天間飛行場の移設についても『(米軍の)土地の収奪だ』」、と米国大統領。

 植民者としての思いなのだな。
 米大統領のありうる発言ではある。

 琉球新報(以下、「新報」)は、2019年6月27日、「米大統領「安保破棄」 安全保障を考える契機に」、と社説で答えた。
「新報」は、「トランプ米大統領が日米安全保障条約を破棄する考えを側近に漏らしていたと米ブルームバーグ通信が報じた。米軍普天間飛行場の移設についても『(米軍の)土地の収奪だ』として、日本政府に金銭的補償を求める考えを示していたという。」、と事の発端を説明する。
 どうやら、この米ブルームバーグ通信の段階で社説を書いている。
 あり得ることだとして、すでに準備をしていたかのようだ。
実は、このことに関連して、朝日新聞は同日、「『日本はテレビで見るだけ』トランプ氏、日米安保に不満」、と次のように伝えている。


(1)トランプ米大統領は26日、米テレビ局FOXビジネスのインタビューで日米安全保障条約に言及し、「日本が攻撃されれば、米国は第3次世界大戦を戦う。我々は命と財産をかけて戦い、彼らを守る」と強調した上で、「でも、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要はない。彼らができるのは攻撃をソニーのテレビで見ることだ」と主張。条約は不平等だと不満を表明した。
(2)トランプ氏は「米国は世界の警察官ではない」が持論。就任以来、米軍の外国駐留は公金の無駄遣いとして、同盟国に「公平な負担」を求めるなど、同盟関係を軽視する発言を繰り返してきた。
(3)日米安保条約では、米国は集団的自衛権を行使して日本を防衛する義務があり、日本は米軍に基地を提供する義務があるが、トランプ氏は条約を「片務的」とみて、不満を表明したとみられる。
(4)今回の発言に先立ち、米ブルームバーグ通信は24日、トランプ氏が最近、私的な会話のなかで、日米安全保障条約は不平等として、破棄する可能性について言及したと報じていた。


 さて、「新報」は、「米軍普天間飛行場の移設についても『(米軍の)土地の収奪だ』として、日本政府に金銭的補償を求める考えを示していたという。」との米国大統領の発言に関連して、「米国が本当に破棄を望むのなら、沖縄の米軍基地を平和につながる生産の場に変えることも可能だろう。辺野古の新基地建設も不要になる。政府はむしろ、これを奇貨として対応を検討すべきだ。」、と主張する。
 まずは、この報道について、次のように押さえる。


(1)菅義偉官房長官は「報道にあるような話は全くない。米国の大統領府からも米国政府の立場と相いれないものであると確認した」と述べ、打ち消しに躍起になっていた。
(2)米国政府の立場はその通りだろう。だが予測不能といわれるトランプ氏だ。このような発言をしたとしても一向に不思議ではない。だからこそ事実ではないかという憶測が一時、外務省内でも広がった。本当だったとしても、個人的見解の域を出ず、現実に安保を破棄する事態は起こらないとの見方が強い。貿易交渉を有利に進めるための取引材料として持ち出す可能性はあるかもしれない。
(3)報道によると、トランプ氏は「日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援をすることは義務付けられておらず、あまりにも一方的だ」と不満を示したとされる。


 この上で、「新報」は、明確に批判を行う。


(1)日本政府は在日米軍関係経費として毎年巨額の予算を計上している。防衛省の公表資料によると2019年度は基地従業員の労務費、施設借料を含め、駐留に関連する経費だけで3888億円に上る。それ以外にSACO関係経費(256億円)、米軍再編関係経費(1679億円)もある。
(2)トランプ氏は日本が負担する経費をどこまで理解しているのだろうか。普天間飛行場を巡る認識に至っては、事実を百八十度ねじ曲げている。
(3)飛行場のある場所は戦前、集落が点在する農村地帯だった。住民を収容所に押し込んでいる間に土地を奪い、戻った時には立ち入りができないようにした。敵国の領土で私有財産の没収を禁じるハーグ陸戦条約にも違反している。
(4)米大統領がこのような自明の事実さえ理解していないのだとすれば、基地問題の解決などおぼつかない。日本政府はトランプ氏の啓発に努めた方がいい。
(5)在日米軍専用施設面積の7割が集中する沖縄は日米安保体制の重荷を最も多く背負わされている。基地から派生する事件・事故は後を絶たず、軍用機がまき散らす騒音は我慢の限度を超える。


 だからこそ、「新報」は、「米軍の権益を維持・拡大してきたのが安保の実態であり、その不平等性は日米地位協定に端的に表れている。今回の報道を契機に、安全保障への関心が高まり、安保を巡る国民的な議論が深まるのならいいことだ。」、と断じる。


 確かに、気づかされる。
 日本政府が東アジアで行った植民地主義に基づく侵略行為を認めないことが沖縄の「構造的沖縄差別」を引き起こしている。そんな日本政府が、米国に対して、自明の事実を自明なものとして説明したことはなかったはずだ。
植民者が植民者らしい発言をしただけだ。
だとしたら、新しい安全保障のあり方を自らのものする必要がある。



by asyagi-df-2014 | 2019-07-06 05:57 | 米軍再編 | Comments(0)

その場しのぎの方法では、「構造的沖縄差別」を解決できない。

 琉球新報(以下、「新報」)は2019年6月22日、「地域安全パトロール 米兵事件抑止に役立つか」、と社説で論評した。
許されない事件の後、この地域安全パトロールは、安倍晋三政権によって対策として喧伝されたものである。
 やはり、実態は無残なものである。
 このことについて、「新報」は、「米軍人・軍属絡みの事件を防止する効果があるのだろうか。極めて疑わしい。」、と次のように指摘する。


(1)2016年に元海兵隊員の米軍属の男が女性を殺害した事件を受け、再発防止のために政府がスタートさせた「沖縄・地域安全パトロール隊」事業で、米軍関係者に関する通報は全体の0・7%にとどまっている。
(2)パトロール隊が始動したのは16年6月15日。当初は内閣府沖縄総合事務局と沖縄防衛局の職員が青色灯を付けた車両20台で午後7時~10時の3時間、沖縄本島内の繁華街などで巡回に当たった。一時は気象台、税関などの職員までが要員とされた。現在は1台2人の100台態勢だ。夜の早い時間帯は総合事務局と防衛局が雇用する派遣社員、非常勤職員、深夜以降は総合事務局が委託した警備会社が巡回している。
(3)総合事務局によると、16年6月から18年末までの間にパトロール隊が県警に通報したのは計855件。このうち米軍関連はわずか6件だ。内訳は路上寝3件、交通関係2件、けんか・口論1件である。通報の4分の3が泥酔者対応で、ほかは少年補導、不審者などだ。もちろん、通報件数だけが全てとは言わない。1%未満でも、それらが凶悪犯罪につながる恐れもあったと仮定すれば、一定の成果はあったのかもしれない。今後、事件の未然防止に力を発揮する可能性もある。とはいえ18年度までの事業費は約15億円となる見込みだ。内閣府の資料では1日当たり約200万円とされる。費用対効果に疑問符が付く。
(4)総合事務局は「米兵だけを対象にしているわけではない」と説明するが、米軍人・軍属が関わる犯罪の抑止が所期の目的だったはずだ。いつの間にか、事業の位置付けが変質してしまったように映る。
(5)巡回業務を担う警備会社の元契約社員らは、本紙の取材に対し、通報の実績を作るため路上寝を探す人がいた実態を明かし「事件の遺族に申し訳ない」と語った。事実なら予算が有効・適正に執行されているとは言い難い。事業を所管する総合事務局の責任が問われよう。警備会社に任せきりにして管理・監督を怠っていたのか。犯罪抑止よりも事業それ自体が目的化している可能性はないか。第三者の検証が必要だ。
(6)そもそも米軍基地がなければ米軍関係の犯罪は起きず、地域安全パトロール隊も不要になる。在沖米軍人・軍属を大幅に削減することこそが最も効果的な予防策だ。それが直ちに実現しない以上は、実効性が伴う形で兵士らの行動を制限するしかない。未明の時間帯に外出したり基地外で飲酒したりすることを禁止する制度はあっても、守られない実態がある。政府は、この点を改めるよう米国に強く要求すべきだ。


 「新報」は、「安全パトロールはその場しのぎの苦肉の策であり、抜本的な解決には程遠い。」、と断じる。


 残念ではあるが、どうやら、「巡回業務を担う警備会社の元契約社員らは、本紙の取材に対し、通報の実績を作るため路上寝を探す人がいた実態を明かし『事件の遺族に申し訳ない』と語った。事実なら予算が有効・適正に執行されているとは言い難い。事業を所管する総合事務局の責任が問われよう。警備会社に任せきりにして管理・監督を怠っていたのか。犯罪抑止よりも事業それ自体が目的化している可能性はないか。第三者の検証が必要だ。」、との「新報」の指摘がすべてを物語る。
 どうしたって、「そもそも米軍基地がなければ米軍関係の犯罪は起きず、地域安全パトロール隊も不要になる。」(「新報」)を上回る解決策はない。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-30 06:01 | 米軍再編 | Comments(0)

「治外法権」を撃つ。

「民間地に銃弾が撃ち込まれながら、捜査機関の検証を受けることもなく、発砲した容疑者側の言い分だけで決着が図られる。住民の安全を脅かす『治外法権』をいつまでも放置するわけにいかない。」
2019年6月21日付けの琉球新報(以下、「新報」)の社説はこう始められる。
どのような事件で、どのように事後処理が扱われたのか。
 「新報」は、同日、下記のように報告する。


(1)昨年6月、米軍キャンプ・シュワブの演習場「レンジ10」からの流弾が名護市数久田の農作業小屋に着弾した事故から21日で1年がたった。米軍は26日に事故後初めて県などのシュワブ内立ち入りを認めたが、5月末には再発防止策を実施した上で小屋に着弾した50口径弾の使用を解禁すると日本側に通告。県警は殺人未遂と器物損壊容疑で刑事告発された米軍幹部らの立件を視野に捜査しているが不起訴になるとみられる。問題の本質的な解決にほど遠いまま米軍は訓練を再開すると公表している。
(2)流弾事故は小嶺雅彦さん(45)所有の農作業小屋で発生。海兵隊は5月29日、「射撃前に標的に照準を合わせる手順が適切に行われなかった」(沖縄防衛局)ため流弾が発生したとようやく公表した。
(3)沖縄防衛局は原因公表に時間を要したことについて「米側が原因の究明とともに、過去の事案も踏まえつつ実効的な再発防止策を慎重に検討しており、この時期の説明となった」と述べた。米海兵隊は、訓練を実際に再開したのかや安全策の詳細について質問した本紙取材に回答していない。
(4)県や名護市、数久田区は26日、シュワブ内に立ち入り、米軍から再発防止策と安全対策について説明を受ける。米軍は昨年12月、50口径弾を除くレンジ10での実弾射撃訓練を再開すると通知していた。その際に県は、事故原因の説明と再発防止策の実施・公表までは訓練しないよう要請していた。今回、米軍が50口径弾の使用も再開しようとしていることについては立ち入り調査後、対応を検討するとしている。小嶺さんも共に立ち入りすることを望んだが、米軍が拒否した。
(5)県警は昨年7月、照屋寛徳衆院議員をはじめとした社民党の議員らが在沖米軍幹部3人を殺人未遂と器物損壊容疑で刑事告発したことを踏まえ、両容疑での立件を視野に捜査を続けている。仮に両容疑で書類送検しても、日米地位協定では演習など公務中に発生した事件事故の第一次裁判権は米側に有すると規定されているため、最終的には不起訴となる見込みだ。


 「新報」は、この事件について、「数久田流弾事故1年 米軍幹部、不起訴見込み 地位協定が壁、解決遠く」、と論評した。
「新報」の指摘は、次のものである。


(1)2018年6月21日に、米軍キャンプ・シュワブに隣接する名護市数久田の農作業小屋で50口径の銃弾が見つかった事故から1年が経過した。米軍はこのほど、原因を「人為的ミス」と位置付けた上で、流弾と同一の50口径弾を使用した訓練を再開すると沖縄防衛局に通知した。
(2)米軍基地から派生する被弾事故は復帰後、29件発生した。このうち9件がキャンプ・シュワブからだ。事故が起きるたびに米軍は「安全対策がなされた」として訓練を再開してきたが、再発防止は守られたためしがない。
(3)今回も発生から1年もの時間を要しながら、民間地まで銃弾が届いてしまう演習場で引き続き実弾を使用する結論を出してきた。周辺住民の安全軽視も甚だしい。事故の真相もはっきりしない。訓練再開は言語道断だ。演習場を閉鎖し、撤去する以外に実効性のある再発防止策はない。
(3)銃弾が発射されたシュワブ内の実弾演習場「レンジ10」を巡っては、02年7月にも数久田のパイナップル畑で農作業をしていた男性の近くに着弾する事故があった。銃器の射程が基地内に収まらず、民間地に弾丸を撃ち込む恐れがある明らかな欠陥演習場だ。


 また、「新報」は、「原因究明や安全対策を米軍に委ねるしかない現状では、人命に関わる重大な事故が繰り返されるばかりだ。」、と批判を加える。


(1)名護市や数久田区はレンジ10の撤去を求めてきた。これに対し米軍は「再発防止策を講じた上で射撃訓練を再開する」と継続使用を強調する。地元住民の安全よりも、訓練の維持が優先事項という軍隊の本質を露呈している。
(2)流弾がレンジ10から発射されたものだった事実を米軍が認めたのは、発生から約6カ月も過ぎてからだった。この間に県警は流弾と同種の実弾の提供を求めてきたが、結局1年たっても米軍は応じていない。
(2)米軍の公務中に発生した事件では、米軍側が第1次裁判権を持つと規定する日米地位協定が県警の捜査を阻んでいる。02年の数久田や08年の金武町伊芸、17年の恩納村安富祖の流弾で、県警は被疑者不詳のまま書類送検する形で捜査を終えている。地位協定の改定が不可欠だ。
(3)日本側による原因究明や再発防止に米軍の協力を引き出すには、県警の力だけでは壁が厚すぎる。沖縄には「米軍などとの連絡・調整」の役割も担う外務省の「沖縄担当特命全権大使」が存在するが、事態の当事者として調整に奔走するような存在感は一向に見えてこない。危険との同居を余儀なくされる地元住民の要求を踏まえ、演習場の速やかな閉鎖に動くべきだ。


 はっきり確認できるもの。
(1)日米安保、日米地位協定は、「地元住民の安全よりも、訓練の維持が優先事項という軍隊の本質」が徹底されているということ。
(2)この様な状況下では、警察の力は及ばないということ。



by asyagi-df-2014 | 2019-06-28 05:43 | 米軍再編 | Comments(0)

これは、普天間飛行場の早期閉鎖しかないのではないか。

 これほどの米軍の事故、事件は異常ではないか。
 2014年以来、沖縄の二紙を中止してきたが、あまりのひどさに驚かされる。
 この状況を受けて、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年6月6日、「[米軍ヘリ部品落下]『普天間』の運用見直せ」と、琉球新報(以下、「新報」)は同日「浦西中に米軍落下物 『普天間』は早急に閉鎖を」と、社説で論評した。
まず、「タイムス」は、事実経過を次のように押さえる


(1)米軍ヘリの部品が落ちてきたのは、部活動中の生徒の足元30センチのところだった。一瞬、背筋が凍り付いた。小さな物だから、けが人が出なかったからと、胸をなで下ろすことはできない。広がるのは「この次は…」との不安だ。
(2)4日午後、浦添市当山にある浦西中学校のテニスコートに、縦12センチ、横18センチ、重さ20グラムほどのゴム製のものが落下した。当時、コートには生徒二十数人がいた。「空から何かが落ちてきた」との連絡を受け、学校はすぐさま屋内避難を指示。200~300人が体育館に駆け込んだ。
(3)ヘリを見たとの生徒の目撃情報もあり、沖縄防衛局が米軍に照会したところ、普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリの部品だったことが明らかになった。ブレード(羽根の部分)を保護するテープの一部だという。


 「タイムス」は、この問題の把握のありようについて、次のように批判する。


(1)米軍は落ちたのが軽いテープだったことから「人や物に脅威をもたらすものではない」とし、対象となる航空機を検査し、劣化があれば「取り換える」と説明する。防衛省関係者も「不具合があったわけではなく、ぺろっとはがれた感じ」と米側の説明を受け入れる。ただその説明を裏返して言えば劣化を見逃したことになる。航空機の整備や管理に問題があったとすれば別の部品が落ちた可能性もある。
(2)大惨事につながる危険を内包した事故にもかかわらず、日米双方から危機感は伝わらない。



日に何回も生徒の頭上を米軍機が飛び交い、「何かが落ちてくるかもしれない」と屋外活動が中断される学校が日本中のどこにあるのか。日常的な避難は憲法が保障する「教育を受ける権利」をも侵害する。

 結局、沖縄の住民はこの状況を受け入れることを強いられただけである。


(1)事故から一夜明けた5日、浦西中学校は屋外での部活動について、当面は教諭を監視役に付け、米軍ヘリが飛行した場合は一時避難する決定をした。この日、確認されたヘリの飛行は計9回。上空にヘリが現れると教諭の笛が校庭に響き、生徒たちは一斉に建物内に駆けだした。
(2)日に何回も生徒の頭上を米軍機が飛び交い、「何かが落ちてくるかもしれない」と屋外活動が中断される学校が日本中のどこにあるのか。日常的な避難は憲法が保障する「教育を受ける権利」をも侵害する。
(3)事故直後、「ヘリが毎日のように学校の上を飛んでいるので、これからも何か落ちてきそうで怖い」と話した女子生徒の言葉が胸に刺さる。最も安全であるべきはずの学校で、不安と恐怖におびえるという日常はあまりに異常だ。


 「タイムス」のこのことに関する、主張は明確である。


(1)県内では2017年12月に宜野湾市の緑ヶ丘保育園に米軍ヘリの部品、普天間第二小学校に米軍ヘリの金属製の窓が立て続けに落下した。事故は相次いでおり、今回はたまたま軽いテープだっただけ。もう一度、窓が落ちたらどうするつもりなのか。人身事故が発生してからでは遅い。
(2)米軍機の飛行に関しては既に日米で合意済みの、学校上空を飛ばないことを徹底すべきである。普天間の危険性除去が重要というのなら、普天間の使用を減らす運用見直しを早急に進めるべきだ。


 確かに、安倍晋三政権は、「普天間の危険性除去が重要というのなら、普天間の使用を減らす運用見直しを早急に進めるべきだ。」、ということに尽きる。


 一方、「新報」は、「タイムス」の運用の見直しのレベルではなく「最も安全でなければならない学校に、またしても米軍ヘリの部品が落下した。今度は浦添市の浦西中学校だ。2017年にも米軍は宜野湾市の普天間第二小学校で落下物事案を引き起こしている。これ以上、看過できない。危険な米軍普天間飛行場は早急に閉鎖すべきだ。」、と断じる。
 この主張の根拠を、「新報」は次のように指摘する。


(1)米海兵隊は浦西中で発生した落下物について普天間飛行場所属のCH53Eヘリコプターのプロペラ部品であることを5日認めた。
(2)浦西中では4日午後3時半ごろ、校庭のテニスコートに生徒二十数人と野球部員がいた。部活動をしていた生徒は「校庭の上空からひらひらと何かが落ちてきた」と話している。地面に落ちた後に上空を見ると、学校から南に向けて飛行するヘリを目撃した。落下物は縦18センチ、横12センチ、重さ約20グラムの部品だが、部活動中の生徒の足元に落ちている。
(3)プロペラの運航性能を維持する部品のようだが、米軍の整備態勢はどうなっているのか。おざなりのチェックで運用している可能性がある。原因がはっきりするまでヘリの飛行を中止するよう米軍に対し強く求めたい。
(4)普天間第二小学校で17年に発生した落下物事案では、米軍ヘリの窓が小学校の運動場に落ちた。当時、約60人の児童が運動場にいて、落下地点と児童との距離は約10メートルしか離れていなかった。しかも落下の衝撃で飛んだとみられる石が男児の左腕に当たった。
(5)問題なのは、同じく17年に宜野湾市の緑ヶ丘保育園で発生した事案である。円筒状の部品が衝撃音とともに保育園の屋根に落ちているのが見つかった。米軍ヘリの部品であることは認めたものの、飛行したヘリから落ちた可能性は低いと関与を否定し、解明をうやむやにしたままである。民間と違い米軍が絡む事故は機密のベールに包まれ、責任の帰属や発生原因すら特定できない。
(6)緑ヶ丘保育園の落下物で徹底した究明を怠り、頰かむりを続けていることが綱紀の緩みを助長していないか。厳しく検証すべきだ。


 「新報」のこの問題に関する主張も明解である。


「浦西中を含め県内の児童生徒は、他県にない危険にさらされながら学校生活を送っている。米軍基地があるためだ。教育を受ける静穏な環境が確保されず、幸福追求の権利など憲法上の権利がことごとくないがしろにされている。浦西中は普天間飛行場の南約2キロに位置する。同校の上空は米軍ヘリが日常的に飛行するルートだ。このままでは、いつか大事故が起きるのではないかという不安は消えない。事は生命に関わる問題である。被害がないからといって軽視することは許されない。重大事に至る可能性があったことを念頭に徹底した原因究明が必要だ。同時に、普天間飛行場の早期閉鎖に向けて議論を開始するよう、日米両政府には強く求めたい。」


 例えば、「緑ヶ丘保育園の落下物で徹底した究明を怠り、頰かむりを続けていることが綱紀の緩みを助長していないか。厳しく検証すべきだ。」、との「新報」の指摘は、真実を突く。
確かに、「普天間飛行場の早期閉鎖」を実現させる動きを早急に起こすことを日本政府は求められている。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-14 18:18 | 米軍再編 | Comments(0)

確かに、沖縄だけに押し込めておくことが安易だ。

 屋良朝博さん(以下、屋良)は2019年6月5日、フェイスブックに、「普天間の解決策」をアップしました。
屋良の書き出し。


 「普天間の解決策はいくらでも考えられます。沖縄だけに押し込めておくことが安易だから、あるいは中身を議論すると基地負担の火の粉が自身に及ぶから、この国では議論さえ起こらない。」


 屋良は、「昨日、日米関係の専門家マイク・モチヅキ准教授(ジョージワシントン大学)が国会で講演しました。」、と次のようにまとめています。


・普天間代替案を検討した1990年代といまは戦略環境が全く変化している。
・軍事合理性のない膨大な公共工事、膨大な浪費をなぜ日本の納税者は文句を言わないのか。
・米軍再編後の小規模部隊が必要な航空機は限られており、平時においてはヘリポートで十分。有事には本土で他の施設を提供すればいいし、そうせざるを得ない。
・米軍が日本に対する信頼がないため、既存基地を手放そうとしない。
・ミサイル攻撃のリスクが高いいま、軍事施設を集中させると危ない。
・沖縄の民意を無視し、政治的リスクを高めると、喜ぶのは中国である。
・最終的に米軍基地はNATO方式に転換し、自衛隊基地を米軍が使う方式へ。
・ワシントンは沖縄問題に関心ないが、柔軟な考え方をする人もいる。
・東京は、安倍政権に現行案を変更する考えはない。野党も分裂し弱い。
・沖縄の負担軽減は日米関係を健全化させる。与野党が歩み寄るべき。
・沖縄の政治も与野党が対立軸にするのは解決を妨げる。
・勇気を出して、新しい案を出すべきだ。
・オスプレイなどを半分でも九州へ移転できる。
・新しい案が出れば、米軍の戦略家は柔軟に対応する。海兵隊は朝鮮戦争の1950年代の大規模上陸部隊ではない。朝鮮半島は沖縄から遠すぎる。
・1990年代、普天間返還を協議したころ、米国は日本を信頼していなかった。だから既存基地を手放そうとしなかった。いまなら現実的な対応が可能だ。
・普天間は戦争計画に組み込まれている。それは普天間が使えるという理由だけ。別の施設が使用可能となれば、そこを使った戦争計画を描く。
・大規模な海兵遠征部隊を展開する時代ではない。海軍、空軍が主体となる。
・海兵隊はほとんどHA/DR(人道支援・災害救援)の活動。沖縄をHA/DRのセンターにするといい。
・沖縄の問題は迷惑施設を本土のみんなが嫌がっていることが本質だ。


 そうなのだ。
 答えは、「沖縄の問題は迷惑施設を本土のみんなが嫌がっていることが本質だ。」、ということ。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-13 07:57 | 米軍再編 | Comments(0)

安倍晋三政権(防衛省)は、市民に対して納得のいくように説明しなければならない。

 2019年6月5日付けの琉球新報(以下、「新報」)の社説は、「生活圏近くに弾薬庫 住民の安全確保できるか」、と強く日本政府のあり方を批判した。
 どういうことなのか。
同日付で、沖縄タイムスは、次のように伝えている。


(1)沖縄県の宮古島市と石垣市に配備予定の陸上自衛隊の地対空・地対艦ミサイル(誘導弾)について、陸自武器学校の訓練資料で「直接火災に包まれた場合には1キロ以上の距離、または遮へい物のかげなどに避難する」と対策を明記していることが分かった。弾頭が火災に包まれてから、発火、爆発などの反応が起こるまでの時間「クックオフタイム」は約2分間と説明している。
(2)弾薬庫を設置する宮古島市城辺保良の半径1キロの保良(ぼら)と七又の両集落に約230世帯450人、石垣市平得大俣の半径1キロの開南集落に約20世帯50人が暮らしている。

 元航空自衛官で先島地域への陸自配備の問題点を指摘してきた軍事ジャーナリストの小西誠さんは「住民への説明では弾薬の保管量や民家との距離などの発表がなかった。危険性が分からず、不安は募る。住民が2分以内に1キロ以上離れた場所に避難できるか、も疑問だ」と話した。
(3)小西さんが情報公開で、陸自教範「火砲弾薬、ロケット弾及び誘導弾」647ページを入手した。2013年改訂版で、「88式」地対艦誘導弾の異常発生時の対処法の中で、火災に触れている。宮古、石垣には後継の「12式」を配備する可能性があり、小西さんは「88式に比べ爆発力が大きく、影響は広がるかもしれない」と分析している。
(4)防衛省は「石垣島、宮古島に計画の火薬庫では、災害防止、公共の安全確保を目的に、火薬類取締法等の関連法に基づき、十分な保安距離を確保している」と安全性を強調した。
(4)防衛省は3月、宮古島市上野野原の駐屯地に約380人の宮古警備隊を新設。地対空・地対艦ミサイル部隊約330人を19年度末にも配備予定で、保良の弾薬庫が完成すればミサイルを保管する。石垣市でも駐屯地の造成を進めている。


 つまり、考慮されなけねばならない事実は、陸自武器学校の訓練資料では、「弾頭が火災に包まれてから、発火、爆発などの反応が起こるまでの時間『クックオフタイム』は約2分間と説明」されているということ。また、「弾薬庫を設置する宮古島市城辺保良の半径1キロの保良(ぼら)と七又の両集落に約230世帯450人、石垣市平得大俣の半径1キロの開南集落に約20世帯50人が暮らしている。」ということなのである。
 したがって、「新報」は、「生活圏の近くに弾薬を保管する危険性が改めて浮き彫りにされた。国の安全を守ることを目的とする自衛隊の施設が、住民の生命・財産を脅かすとすれば本末転倒と言うしかない。」、と断じるのである。
「新報」は、「万一、火災が起きたとき、2分間で1キロ以上離れることができるのだろうか。」、と次のように指摘する。


(1)陸上自衛隊の教科書(教範)が、地対艦誘導弾(ミサイル)が火災に巻き込まれたときに発火、爆発するまでの時間は約2分で、その際は1キロ以上離れるか物陰に避難するなどの対応を取ることを指示していたのである。
(2)陸自宮古島駐屯地には2020年以降、ミサイル部隊が配備される計画になっている。これに伴い保良地区に建設される弾薬庫には地対艦・地対空ミサイルも保管される見通しだ。近くには住宅や道路などがあり、生活圏に近い。
(3)石垣島には500~600人規模のミサイル部隊を配備する計画がある。駐屯地内には誘導弾の弾薬庫が設置される予定だ。近隣には開南集落がある。


 「新報」は、「そもそも、人々が暮らす場所の近くに危険な弾薬を置くこと自体が間違っている。文字通り、爆弾を抱えた状態での生活を強いるに等しい。弾薬庫を含め配備計画を根本から見直すべきだ。」、と突きつける。
 「新報」の批判は、続けられる。。
(1)宮古島駐屯地では、住民に説明がないまま中距離多目的誘導弾(ミサイル)などの弾薬が保管されていたことが分かり、岩屋毅防衛相が謝罪した経緯がある。その後、弾薬は、島外に搬出された。保良地区に整備される予定の弾薬庫が完成した後、保管する方針だという。防衛省は住民説明会などの際、駐屯地で保管するのは小銃や発煙筒だと説明していた。結果的に、うそをついていたことになる。
(2)先島への自衛隊の配備は、南西地域の防衛態勢の強化を目的としているが、軍事拠点ができれば、攻撃目標となるリスクが生じることもまた明らかだ。
(3)だからこそ、軍事施設の建設が地域に及ぼす影響は計り知れない。そこで生活する人々にとっては、極めて重い意味を持っている。有事の際には弾薬庫が火に包まれる事態も想定される。平時にあっても、火災が起きないとは限らない。そのような場合に、近隣住民の安全を確保することはできるのだろうか。防衛省は、市民に対して納得のいくように説明すべきだ。
(4)陸上自衛隊の教範は軍事評論家の小西誠氏が情報開示請求によって入手した。各種弾薬の詳細な構造や機能、取り扱い方法を解説している。本来、火災時の対応などは、問われるまでもなく進んで公表すべき事柄だ。都合が悪いので頰かぶりを決め込んだのか。弾薬庫を設置する以上、爆発したときに周辺に及ぼす危険についても、あらかじめ住民に説明する責任が防衛省にはあるはずだ。


 どうやら、安倍晋三政権の『構造的沖縄差別』の徹底化だけは、貫徹される方針として変えないということなのか。
 「先島への自衛隊の配備は、南西地域の防衛態勢の強化を目的としているが、軍事拠点ができれば、攻撃目標となるリスクが生じることもまた明らかだ。だからこそ、軍事施設の建設が地域に及ぼす影響は計り知れない。そこで生活する人々にとっては、極めて重い意味を持っている。有事の際には弾薬庫が火に包まれる事態も想定される。平時にあっても、火災が起きないとは限らない。そのような場合に、近隣住民の安全を確保することはできるのだろうか。防衛省は、市民に対して納得のいくように説明すべきだ。」(琉球新報)の主張は、あまりに重い。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-10 07:05 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄の命に関わる問題。今は、日米地位協定の改定がまずは必要。

 琉球新報は(以下、「新報」)2019年6月4日、「基地汚染の調査要請 地位協定改定が不可欠だ」、と社説で論評した。
米軍の嘉手納基地や普天間飛行場周辺の浄水場や河川から高濃度の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)が検出されているからだ。
 「新報」は、次のように指摘する。


(1)玉城デニー知事は今月にも上京し、基地内の立ち入り調査を米軍に認めさせるよう政府に要請する。米軍の嘉手納基地や普天間飛行場周辺の浄水場や河川から高濃度の有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)が検出されているためだ。
(2)ただ立ち入りの実現は厳しい見通しだ。背景には、日米地位協定の環境補足協定がある。2015年9月の発効から3年半が過ぎたが、補足協定に基づき自治体が申請する米軍基地内の立ち入りは一度も実現していないことが、国会での外務省答弁で判明した。
(3)協定の条件が壁になっているからだ。条件とは、基地内を調査できるのは返還日の約7カ月前からという内容だ。さらに日本側が立ち入りを申請できるのは、環境事故について米側が日本側に通報することも前提条件だ。しかも米軍の運用を妨げないなどと米側が判断した場合に限って、調査は認められる。


 「新報」は、この環境補足協定を、「忖度改定」と次のように批判する。


(1)協定を締結した際、菅義偉官房長官や岸田文雄外相は「歴史的な意義を有する」と評価した。安倍晋三首相に至っては「事実上の地位協定の改定を行うことができた」と成果を強調した。
(2)しかし協定はむしろ米軍に都合が良い内容だ。自治体による調査へのハードルを上げただけの「忖度改定」と断じざるを得ない。調査実績ゼロの結果がそれを雄弁に物語る。
(3)米本国や海外との対応の差は一層際立った。米軍は、米本国では、汚染の有無や地点、物質の使用履歴などを厳密に記録する。使用履歴がない場合は退役軍人の聴き取り調査まで実施する。今回のような事案が発生すれば、重大案件として国や州の環境保護機関が調査に乗り出し、問題化するに違いない。
(4)ドイツでは米軍に国内法順守の義務があり、自治体は予告なしで立ち入って調査できる。環境汚染も米国が浄化の義務を負う。韓国でも汚染があれば、自治体は米軍と共同で調査ができる。一方、日本では、立ち入りどころか、米本国では常識である有害物質の使用履歴もなく、基地内の管理実態さえも公表されない。これでは環境保全とは名ばかりで、無法地帯と言っても過言ではない。


 その上で、「新報」は、次のように断じる。


(1)その元凶は、日米地位協定が定める「排他的管理権」にある。基地内は米国が全権を持ち、日本側は一切口出しできないという他国ではあり得ない権利を与えてしまっている。とはいえ、水源の汚染は重大な問題だ。米国が立ち入りを認めないのは、人道上許されることではない。
(2)国民の安全安心を確保するのは政府にとって当然の責務である。そのためには、日米地位協定の抜本改定が不可欠だ。自治体の立ち入り調査を認めることや汚染の浄化を米側に義務付ける必要がある。基地内の有害物質の管理と汚染時の対応を米国内の基準に準じて制度化し、順守徹底を米側に求めるべきだ。


 結局、「日米安保条約-日米地位協定-日米合同委員会」という構造に基づく「運用」または「密約」が日本を蝕んでいる。
 この問題については、日米地位協定の環境補足協定が立ち入りの実現を阻むことになる。
それも、「2015年9月の発効から3年半が過ぎたが、補足協定に基づき自治体が申請する米軍基地内の立ち入りは一度も実現していないことが、国会での外務省答弁で判明した。」(琉球新報)というのが実態である。
 いや、むしろ、この日米地位協定の環境補足協定は、「米本国や海外との対応の差は一層際立った」(琉球新報)ということしかもたらしていない。
問題は、明確である。
 沖縄の命に関わる問題に関わって、今は、日米地位協定の改定がまずは必要である。



by asyagi-df-2014 | 2019-06-07 06:08 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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