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新しい風に。米軍基地負担の陳情の広がりを。

 新しい風をを吹かせる。
その取り組みについて、琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月12日、「全国青年司法書士協議会(半田久之会長)は11日、那覇市で役員会を開き、辺野古新基地建設の即時中止や米軍普天間飛行場の県外・国外移転の国民的議論を求める意見書を可決するよう、全国1788の都道府県と区市町村議会に陳情を提出することを決めた。県内の有志の会による取り組みとして陳情提出の動きがあるが、全国的な士業組織が地方議会に陳情を展開していくのは初めて。」、と伝えている。
また、「新報」はこのことについて、「米軍基地負担の陳情 公正負担の国民的議論を」、と社説で論評した。
「新報」は、「全国青年司法書士協議会が、在日米軍基地負担の国民的議論を求める陳情を全国の都道府県議会と市区町村議会に提出することを決めた。画期的であり、歓迎したい。」、と次のように説く。


(1)協議会は普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設の即時中止や普天間飛行場の運用停止と併せて、米軍基地や普天間の代替施設が国内に必要かどうかを国民が議論することを求めた。米軍基地負担に関して「一地域への一方的な押し付けとならないよう公正で民主的な手続きで解決する」ことも掲げた。
(2)若手の司法書士が所属する同協議会は、これまでも全国を普天間の移設候補地とするよう求める会長声明などを出してきた。陳情の提出は、沖縄への基地偏在の本質を問う契機となろう。真摯(しんし)な取り組みに敬意を表したい。


 「新報」は在日米軍基地負担の問題について、まず、「日米安保は国土面積の0・6%の沖縄に全国の米軍専用施設面積の70%を置くことで維持されているが、軍事的な必然性からではなく、政治的な理由で沖縄が過重な負担を強いられていることを改めて指摘しておきたい。」、と押さえる。
 この上で、次のように指摘する。


(1)沖縄の米軍基地は、74年前の沖縄戦で米軍が住民の土地を奪い建設された。戦前は集落が点在する農村だった現在の普天間飛行場の一帯もその一つだ。沖縄戦を戦った米海兵隊の部隊の多くは戦後沖縄を離れたが、1950年代に山梨や岐阜から沖縄に海兵隊の第3海兵師団が移り、69年には海兵航空群が山口県の岩国基地から普天間に移った。
(2)「反米基地運動が燃え盛ることを恐れた日本と米国が、米国の施政下にあった沖縄に多くの海兵隊部隊を移した」「本土から沖縄に基地が集約する形で今日の姿ができあがった。このことを決して忘れてはならない」。安保政策に明るい石破茂自民党元幹事長は昨年、自身のホームページでこう解説した。まさにその通りである。
(3)発言が報じられると当該部分は削除されたが、政府が沖縄への米軍基地集中の理由として説明する「地理的優位性」に説得力がないことは明らかだ。安倍晋三首相が昨年2月に国会で答弁した通り、「移設先となる本土の理解が得られない」から沖縄に基地を置いているにすぎない。
(4)こうした差別的な政策は民主主義や正義に反し、住民の合意に基づいて成り立つはずの国防・安保の基本理念からも懸け離れていることは言うまでもない。辺野古の新基地建設は軟弱地盤の問題などで完成が見通せない中、工費は最大2兆6500億円に膨らむと試算されており、環境保全や財政負担の観点からも疑問が噴出している。


 「新報」は、最後に、「全国青年司法書士協議会の半田久之会長は陳情提出について『一人一人が自分ごととしてとらえ、考えていかなければならない』と語った。基地の公正負担や持続可能な安全保障政策のありようについて、根源的な議論をぜひ全国の各地で深めてほしい。」、と訴える。


 確かに、今は、新しい風を感じ、どこから吹いてくるのか、どこに吹こうとするのかを、日本という国の大地に立って、まずは感じ取る時。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-20 07:04 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄県の「他国地位協定調査報告書(欧州編)」で、改めて主権放棄の実態が明らかに。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)の2019年5月6日の社説は、「県基地対策課は『他国地位協定調査報告書(欧州編)』をホームページ(HP)で公開している。昨年現地調査したドイツとイタリア、今年調査したベルギーとイギリスの地位協定をまとめたものだ。日米地位協定の不平等性を浮き彫りにしており、抜本的な改定を政府に求めている県の論拠としても重要だ。」、と始める。
「タイムス」は、主権放棄との主張の根拠を次のように示す。


(1)米国は北大西洋条約機構(NATO)に基づき、欧州各国に米軍を駐留させ、NATO加盟国と地位協定を締結している。調査でわかったことは、各国とも補足協定などで米軍に自国の法律や規則を適用させていることだ。米軍の活動をコントロールし、主権を確立しているのである。
(2)何のたがもはめず、米軍のやりたい放題を許している日本とは大違いだ。
(3)日米地位協定は米軍が「(基地の)設定、運営、警護及(およ)び管理のため必要なすべての措置を執ることができる」と定めている。排他的管理権と呼ばれ、事実上の「治外法権」である。
(4)ベルギーのシエーヴル市長が「平時でも、何かが起きても、市民の安全のために確かめる必要がある」と立ち入り調査を当たり前とする姿勢が印象的だ。河野太郎外相は「NATO加盟国と地位協定が異なるということは当然あり得る」と後ろ向きだ。改定を求めていたかつての気概はどこへ行ったのか。
(5)ドイツは州や地方自治体の立ち入り権を明記し、緊急時は事前通告なしで入れる。イタリアやイギリスでも司令官が米軍基地に常駐するなど基地の管理権を確保している。


 「タイムス」は、「外国軍隊に自国の法律を守らせることは主権国家として当然ではないのか。」、と断じる。


 さらに、「タイムス」は「日本では基地内で何が起きているのか、『ブラックボックス化』し、自治権が大きく制限されている。」、と指摘を続ける。


(1)沖縄の米軍基地の特徴は住民生活の場と隣り合っていることだ。基地から発生する環境問題は住民の健康を脅かしかねない。
(2)航空機事故の捜査権は主権に関わる。日本では民間地の事故でも埒外(らちがい)に置かれるが、各国は現場規制したり、証拠品を押収したりするなど主体的に関与している。
(3)ベルギーでは低空飛行や、土日祝日の飛行を禁止。イギリスでは平日の午後11時から翌午前6時まで、週末は金曜日の午後6時から月曜日午前6時まで静音時間帯として飛行場の運用を禁止している。抜け穴だらけで、実効性に乏しい日米騒音防止協定との違いは歴然としている。
(4)容疑者の起訴前の身柄引き渡しは「好意的配慮」を払うことになったが、実現はわずかだ。「妥当な考慮」を払うことになった立ち入り調査はほとんど認められない。米軍の裁量次第で、運用改善ではほとんど変わらないのだ。


 「タイムス」は、社説の最後を、「本土でもオスプレイを使用した日米共同訓練が行われ、戦闘機の低空飛行も頻繁だ。『本土の沖縄化』が進む。地位協定は1960年の締結以来、一度も改定されていない。玉城デニー知事が抜本的改定の先頭に立って、米軍に国内法の適用を求めた全国知事会、渉外知事会とも連携して動かしてほしい。」、と結ぶ。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-16 12:59 | 米軍再編 | Comments(0)

世界平和アピール七人委員会アピ-ルは、「日米地位協定の根本的改定を沖縄県とともに求める」、とする。

 世界平和アピール七人委員会(以下、「7人委員会」)- 武者小路公秀 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晋一郎 髙村薫 島薗進-は、2019年4月26日、「日米地位協定の根本的改定を沖縄県とともに求める」、とのアピ-ルを発表した。
この「七人委員会」のアピ-ルを考える。
「七人委員会」は、このアピールの根拠を次のように規定する。


(1)沖縄県は、沖縄県議会における指摘と全国知事会に2016年に設置された「米軍基地負担に関する研究会」の議論を踏まえ、日米地位協定*とヨーロッパの4か国(ドイツ・イタリア・ベルギー・英国)に駐留する米軍の地位協定の現地調査と比較検討を、2年にわたって行い、報告書**を4月12日に公表した。
(2)日本に駐留する米軍の規模は2018年3月31日現在世界最大であり、日米地位協定の問題点と不平等性は、これまでも問題が起こるたびに指摘されてきたが、発効以来一度も改定されたことはなかった。今回の調査結果によって、沖縄の基地、首都圏の横田と沖縄の空域などをはじめとする『在日米軍施設・区域』についての日本の立場が、ヨーロッパ諸国に比べて著しく弱いことが具体的に明らかになった。


 この上に、「七人委員会」は、次のように主張する。


(1)『在日米軍施設・区域』は、2018年1月1日現在30都道府県に置かれている以上、本来は国が行うべき調査であった。にもかかわらず、沖縄県の発表について、河野太郎外相が直ちにまったく意味がないと批判したように、日本政府は日米地位協定の改定に否定的な姿勢を変えていない。
(2)日本国憲法との関係で問題があるにも関わらず、1990年代初めのいわゆる湾岸戦争直後の掃海作業以来、自衛隊の海外派遣が繰り返され、海外派遣は「付随的任務」から「本来的任務」と変わった。派遣される自衛隊の地位についての取り決めも作成されている。さらに自衛隊員の米国派遣も増加している。
(3)今や受け入れ国と派遣国の立場にある日本は、日米地位協定の不平等性を抜本的に見直し解消に向けて努力すべき段階になっている。現状をこれ以上放置することは許されない。
(4)私たちは沖縄県の地道で綿密な努力に共感するとともに、これを高く評価し、国際的にみても著しく不平等な日米地位協定の根本的改定を求める。
(5)他の都道府県と各団体、及び国民一人一人もそれぞれの立場から発言し、政府に米国政府との交渉を求め、改定を速やかに実現させるべきだと考える。


 確かに、「今や受け入れ国と派遣国の立場にある日本は、日米地位協定の不平等性を抜本的に見直し解消に向けて努力すべき段階になっている。現状をこれ以上放置することは許されない。」(「七人委員会」)、との主張は間違いない。
「他の都道府県と各団体、及び国民一人一人もそれぞれの立場から発言し、政府に米国政府との交渉を求め、改定を速やかに実現させるべきだと考える。」(「七人委員会」)、との新しい日本を作り直す時期にきていることも間違いない。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-06 07:15 | 米軍再編 | Comments(0)

日米地位協定の抜本的改正が必要だ。

日米地位協定の抜本的見直しに関して、沖縄県議会は2000年7月14日、日米地位協定の見直しに関する意見書を始めて決議した。また、2004年6月9日に 全国市長会が日米地位協定の見直しを求めていく要望を決定、2004年7月16日に全国知事会が日米地位協定の抜本的見直しを決議している。
 新たに、全国知事会は2018年7月、「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。その中で日米地位協定の抜本的な見直しを求めている。
日米地位協定の抜本的見直しは、新しい時期を迎えているはずである。
しかし、琉球新報(以下、「新報」)は2019年4月19日、「他国地位協定調査 政府は不平等に向き合え」、と社説で論評した。
「新報」の「日米地位協定の抜本的な見直しに、政府は真剣に向き合うべきだ。」、との主張が何故必要なのか。
 「新報」は、次のように指摘する。


(1)県は2017年度と18年度に行った現地調査を基に、日本や欧州4カ国と米国との地位協定を比較した他国地位協定調査報告書をまとめた。報告書は、欧州各国では米軍基地への立ち入り権や米軍機の飛行などで、受け入れ側の国内法を米軍に適用していることを明らかにしている。
(2)在日米軍には原則として国内法が適用されないとする日本政府との違いが改めて浮き彫りになった。ところが県の調査報告に河野太郎外相は「何かを取り出して比較するということに全く意味はない」と開き直りとしかいいようのない態度を取った。
(3)国際的な事例比較を通じて課題を国民に分かりやすく示し、交渉によって改善に導くことは本来、外務省が率先して取り組む仕事のはずだ。
(4)幕末に欧米列強と結んだ不平等条約の改正まで約半世紀の歳月を要した明治政府の歴史を、河野氏が知らないはずはあるまい。国民の利益を損なう不平等から目をそむけ、現状を容認し続けるのなら、外相の資格はない。


 「新報」は、沖縄における日米地位協定の「事実」を重ねる。


(1)県によると復帰から18年12月末までに、米軍人等による刑法犯が5998件、航空機関連の事故が786件起きている。近年も米軍ヘリ沖国大墜落事故、名護市安部沿岸へのMV22オスプレイ墜落、東村高江の米軍ヘリ不時着・炎上など、民間地域で事故が多発している。
(2)そのたびに県警は事故現場に立ち入ることができず、米軍は機体を持ち去った。環境調査の立ち入りも認められていない。それにもかかわらず日米地位協定は1960年の締結以来、一度も改正されていない。米軍に裁量を委ねた運用の改善では歯止めがかからず、県民の安全や人権を守れないことはもはや明白だ。
(3)イタリアでは98年に米軍機によるロープウエーのケーブル切断事故で20人の死者が出たことをきっかけに、米軍機の規制をさらに強化することとなった。本紙記者の報告による連載「駐留の実像」は、米側に低空飛行訓練の見直しを迫るイタリア側代表の言葉を紹介している。「これは取引や協議でもない。米軍の飛行機が飛ぶのはイタリアの空だ。私が規則を決め、あなた方は従うのみだ。さあ、署名を」。
(4)これこそが主権国家として取るべき態度だ。
(5)日米地位協定の不条理は沖縄に限った話ではない。日本の首都東京の空でさえも、米軍横田基地が管制を握っている。全国知事会は18年7月に「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択し、その中で日米地位協定の抜本的な見直しを求めた。


 「新報」は、「県の問題提起に無視を決め込む政府の態度からは、主権国家としての気概が全く感じられない。米国に追従するだけの卑屈な態度を改め、協定の抜本改正を要求すべきだ。」、と断じる。



by asyagi-df-2014 | 2019-04-27 09:14 | 米軍再編 | Comments(0)

航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの墜落。

 航空自衛隊のステルス戦闘機F35Aが訓練中に墜落した。
 このことをどのように捉えるのか。
 毎日新聞(以下、「毎日」)は2019年4月11日、「空自F35墜落 国民が分かる究明に」との社説の中で、「航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが訓練中に墜落した。不明隊員の無事を祈りつつも、多額の税金をつぎ込む次期主力戦闘機だ。機体に問題はないのか、事故原因の究明を急ぐべきである。」、と主張した。
「毎日」の指摘は、次のものである。


(1)F35Aはレーダーで捉えにくいステルス性に優れた最新鋭の「第五世代」戦闘機だ。米ロッキード・マーチン社が主体となり米英伊など九カ国が国際共同開発した。日本企業は開発には参加していないが、製造には加わり、事故機は愛知県の三菱重工業小牧南工場で組み立てた機体だった。
(2)操縦士の四十代の男性三佐は訓練を中止すると無線で伝えた後、消息を絶った。何らかの異変を認識していた可能性があるという。
(3)二〇一八年九月、米国で海兵隊仕様のF35Bの墜落例はあるが、F35Aの墜落は初めてだ。空自の航空事故調査委員会が調査を始めた。機体に原因があったのか、操縦に問題があったのか。事故原因の究明を急ぐべきは当然だ。
(4)F35Aは老朽化したF4戦闘機の後継機として、昨年一月、青森県三沢市の空自三沢基地に配備され、今年三月、十二機、八十人態勢で飛行隊が発足したばかりだ。


 「毎日」は、今回の墜落が示した問題点を次のように押さえる。


(1)岩屋毅防衛相はすでに同型機の飛行見合わせを表明し、三沢市の種市一正市長との面会では「地元の皆さまに大変ご不安を与えてしまい申し訳ない」と陳謝した。基地周辺住民の不安を考えれば、原因が究明され、対応策が完了するまで飛行を再開すべきではない。
(2)政府はF35を次期主力戦闘機と位置付け、F35Aと、短距離での離陸と垂直着陸が可能なF35Bを合わせて百四十七機まで調達する計画だ。仮に機体トラブルが墜落の原因なら、調達計画の妥当性も問われなければならない。
(3)大量調達にはトランプ大統領が求める米国製装備品の購入拡大に応える安倍晋三首相の狙いもあった。とはいえ、米国に配慮するあまり、事故原因究明の目が曇ってはならない。最新鋭戦闘機は米軍の軍事機密の固まりとされるが、可能な限り究明し、国民への説明を尽くすべきだ。
(4)F35A一機当たりの調達価格は一八年度の契約ベースで約百十六億円。多額の税金投入だ。F35Bのヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」上での運用には、憲法が禁じる空母保有に当たるとの批判がある。


 「毎日」は、最後に、「安全保障政策は、国民の理解がなければ成り立たない。事故原因の究明と国民への丁寧な説明がその前提であることを、安倍政権は肝に銘じるべきである。」、と


 確かに、安倍晋三政権は、「安全保障政策は、国民の理解がなければ成り立たない。事故原因の究明と国民への丁寧な説明がその前提であること」を、せめて、日米安保条約に直接波及しない時ぐらい、肝に銘じる必要がある。



by asyagi-df-2014 | 2019-04-18 08:14 | 米軍再編 | Comments(0)

日本という国の姿。辺野古新基地建設の背後にあるもの。

 辺野古新基地建設の背後にあるもの。
まさしくそれは、安倍晋三政権の『沖縄の軍事要塞化』の強い意志である。
 このことに関して、琉球新報(以下、「新報」)は「石垣陸自駐屯地着工 アセス踏みにじる蛮行だ」、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は同日に「[石垣陸自基地着手]住民理解にはほど遠い」、と2019年3月3日の社説で論評した。
この両者の社説を見てみる。


「新報」は、「あまりに乱暴」な安倍晋三政権の民意を無視した「強権手法」に徹したこれまでの経過について次のように指摘する。


(1)防衛省が1日、石垣市で陸上自衛隊駐屯地の建設工事に着手した。住民の理解が得られていない中での着工は、あまりに乱暴だ。
(2)防衛省が建設着手に急ぐのには理由がある。県が昨年改正した県環境影響評価(アセスメント)条例の適用を回避するためだ。アセス対象事業について、これまでゴルフ場や飛行場など特定事業に限定していたが「土地造成を伴う事業」は全て対象となった。このため基地施設の整備もアセスの対象に含まれたのだ。
(3)駐屯地の建設予定地は平得大俣地区の約46ヘクタールで、さらに土地造成も実施する予定だ。明確に改正アセス条例の適用事業となる。しかし条例では経過措置として本年度内の工事は対象から除外している。
(3)防衛省はこの経過措置の除外に目を付けたようだ。今回、沖縄防衛局が県に通知した工事計画の面積は全体の約46ヘクタールのうち、わずか0・5ヘクタールだ。本年度中にほんの一部でも工事に着手すれば、アセスの手続きを踏まなくて済むことになる。


 この上で、「新報」は、次のように批判を加える。


(1)防衛省関係者は「アセスは回避できたと考えている」と述べている。最短でも3年程度が必要なアセスの手続きを省くことで、工事を加速させたいのだろう。
(2)国が定めた環境影響評価法1条にはこう記されている。「土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者がその事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが環境の保全上極めて重要である」。政府が自ら法で定めたアセスの重要性を踏みにじり、県条例のアセス逃れのために駆け込み工事をする。これが果たして法治国家のすることだろうか。
(3)駐屯地配備予定周辺の於茂登、開南、川原、嵩田の4区は反対を表明している。工事直前の2月27日に初めて開催された4区住民と防衛省との面談では、周辺の地下水汚染や国指定特別天然記念物のカンムリワシなどの営巣への影響に懸念が示された。アセス実施を求める声が相次いだが、防衛省側はアセス実施を否定している。
(4)石垣市の文化財課の報告書ではカンムリワシのほか、国指定天然記念物のリュウキュウキンバトとカラスバトが騒音、振動により巣を放棄する可能性があると指摘している。このため同課は営巣時期の11月から春先までの工事は避ける必要があるとの指摘を沖縄防衛局に伝えている。
(5)配備の賛否を問う住民投票の条例は、住民の直接請求によって提案され市議会で否決されたが、議員提案で再び議会に諮られる予定がある。配備予定地の半分を占める市有地売却の審議もこれからだ。


 だから、「新報」は、「あまりにも住民不在のまま基地建設を進めている。『島しょ防衛』という配備目的の中に、地元住民は含まれていないとしか思えない。アセスの手続きを踏まない拙速な工事はただちに中止すべきだ。」、と断じるのである。


 同様に、「タイムス」は、「住民へ丁寧に説明することなく、環境影響評価(アセスメント)を求める声も顧みない。合意形成にはほど遠い強行だ。」、と批判する。


(1)石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備に向け、沖縄防衛局は1日、駐屯地の工事に着手した。予定地内に土のうを置く作業などを進めた後、早ければ週明け以降、本格的な造成工事に入る。
(2)防衛省は南西地域の防衛態勢の充実を図るとし、石垣島に500~600人規模の警備部隊やミサイル部隊を配備する方針である。駐屯地には隊庁舎のほか車両整備場、倉庫、弾薬庫などの建設が計画されている。
(3)全46ヘクタールのうち、今回、造成工事を行うのは土地取得済みの旧ゴルフ場13ヘクタールの一部で、進入路部分に当たる0・5ヘクタール。現時点で予定地の約半分を占める市有地は未取得だ。

 
 また、「タイムス」は、「このタイミングで、なぜ工事着手なのか。」、と指摘する。


(1)指摘されるのは、調査などで工事が遅れるのを嫌っての「アセス逃れ」である。年度内に着工すれば、20ヘクタール以上の土地造成を伴う事業が対象となる県の改正アセス条例の適用外となるからだ。
(2)予定地は島民が飲み水や農業用水として使う水源の宮良川にほど近い。大雨が降ると雨水は川に流れ込み下流へと運ばれる。
(3県内では米軍基地周辺の河川から何度も高濃度の有機フッ素化合物が検出されており、予定されている車両整備場や弾薬庫から流れ出る水の安全が心配されている。


 「タイムス」は、まず、「住民の不安を拭い去るためにも、工事より先にアセス手続きを進めるべきだ。」、と主張する。


 また、「タイムス」は、石垣市に対しても次のように指摘する。


(1)自衛隊配備計画に対し於茂登、開南、川原、嵩田の近隣4地区は反対を決議している。先月末、「話し合いの第一歩」とし防衛省の担当者と面談したが、カンムリワシなど希少動植物や水源への影響、合意形成の在り方などについて納得のいく答えは得られなかった。
(2)そして住民らが再度話し合いを求めた直後の工事着手である。時間をかけた対応が必要だというのに、合意形成作業をすっ飛ばすという乱暴なやり方だ。
(3)石垣市の中山義隆市長は「国防や安全保障は国の専権事項」として配備を容認している。自治体には市民の生命や健康、安全を守る責務があるというのに、「国の専権事項」だからと思考停止に陥るのは一種の逃げである。本来なら「アセス逃れ」とも受け取れる国の姿勢をただしていくのが首長の役割ではないか。


 結局、「タイムス」もまた、「辺野古新基地建設を巡る県民投票で、投票者の7割超が「反対」の意思を示したにもかかわらず、政府は工事を止めることなく、県が求める新たな協議の場の設置にも耳を貸そうとしない。『説明責任』と『合意形成』という最低限のルールさえ守られず、沖縄の北では米軍基地、南では自衛隊駐屯地工事が強行されている。米軍と自衛隊の一体化が急速に進む中での基地建設は、南西諸島の『軍事要塞化』というほかない。」、と断じるのである。


 確かに、法治国家が行う行為ではない。
 安倍晋三政権の「強権手法」は、環境影響評価法1条-「土地の形状の変更、工作物の新設等の事業を行う事業者がその事業の実施に当たりあらかじめ環境影響評価を行うことが環境の保全上極めて重要である」。-に違反しているのは、明らかである。
こうした一連の動きは、戦争をする国家作りのための日本という国の軍事要塞化でしかない。




by asyagi-df-2014 | 2019-03-13 07:08 | 米軍再編 | Comments(0)

安倍晋三政権による米国製兵器の輸入拡大で、防衛省が装備品代金の支払い延期という異例の措置を業界に求めていることが明らかになった。

 どういうことなのか。
東京新聞(以下、「東京」)2018年11月29日によると、「防衛省が装備品代金の支払い延期という異例の措置を業界に求めていることが明らかになり、安倍政権による米国製兵器の輸入拡大が、毎年の予算の大幅増にもかかわらず、防衛費を圧迫している実態が鮮明になった。」、というのである。
 ちょっと待った。どんなに考えても、やってはいけないことではないのか。
 しかし、「東京」は、このように続ける。


(1)複数年で支払う装備品代金の繰り延べは過去にも行われてきたが、返済の最終期限を延ばすことはなかった。今回は追加発注という、いわばニンジンと抱き合わせで期限を延ばしており、防衛省のある元幹部は「過去にやったことはないのでは」と驚く。
(2)防衛省が「禁じ手」に踏み切る要因となった兵器ローンは二〇一二年度まで三兆円前後で横ばいだった。だが、安倍政権のわずか六年間で二兆一千億円も増え、来年度は五兆三千億円と年間の防衛費に匹敵するまでに膨張。毎年、返済額を大きく上回る新規ローンが発生しており、今後さらに増えるのは必至だ。
(3)現場の自衛隊では、現政権が米国製兵器を急激に買い進めるあまり、維持整備や隊員の訓練にしわ寄せが出ていることに深刻な懸念が広がる。財政が危機的状況であるにもかかわらず、借金を増大させた原因と責任は、国会で検証する必要がある。 
(鷲野史彦)


 確かに、「国会で検証する必要がある。」問題である。
それにしても、「兵器ローンは二〇一二年度まで三兆円前後で横ばいだった。だが、安倍政権のわずか六年間で二兆一千億円も増え、来年度は五兆三千億円と年間の防衛費に匹敵するまでに膨張。毎年、返済額を大きく上回る新規ローンが発生しており、今後さらに増えるのは必至だ。」、とはあまりもひどいのではないのか。


 また、「東京」は同日、業界側の声を、次のように続ける。


(1)「防衛省から話を聞いて社内でも『大変だ』となった」。防衛省が国内の防衛企業六十二社に求めた装備品代金の「支払い猶予」が業界に大きな波紋を広げている。「支払いを遅らせてくれ、というのはつらい」「我々にメリットはない」。企業側は戸惑いや反発を強めており、年末の予算案作成に向け、どれくらいの企業が応じるのか、先行きは見えない。
(「税を追う」取材班)
(2)「防衛省から『今、厳しいからよろしくお願いします』という話があった。来年度に全部の後年度負担(兵器ローン)を支払えないから、少しでも額を減らしたいのだろう。防衛省は本当に切羽詰まっている」。支払い延期の要請を受けた防衛商社の幹部はそう証言する。十一月初めに防衛省で開かれた説明会は多数の企業関係者で埋め尽くされたという。
(3)席上、防衛省の担当者は「自衛隊の安定的な運用のため、必要な部品の追加発注をしたい」と説明したという。だが、部品の追加発注だけなら新たに契約すればいいはず。既に入札や契約を終えた部品の支払いを延ばす理由にはならない。「米国から高額な兵器をいっぱい買った。その支払いがどんどん増え、しわ寄せが来ている」と、この幹部は分析する。
(4)部品メーカーの担当者は「キャッシュ(現金)が入ってこない状況が厳しいのは、どこの会社も同じ。お金を借りなければいけなくなってしまうからだ」と戸惑いを隠せない。「うちだけでなく、どの会社も対応が難しいと言っている」。別の防衛商社幹部は「入札して(納入する)数量が決まっているものを、『数を増やしてやるから代金を後払いさせてくれ』というのはあまり考えられない」と言う。この商社には支払いの延期要請は来ていないが、「数量や代金支払い時期の変更は、大きな契約変更で内々でやる話ではない。後日、公表しなければおかしい」と批判する。
(5)防衛省が予算不足で支払いを先送りする「繰り延べ」は、一九九七~二〇一二年度までは毎年繰り返されたが、今回のように最終期限を延ばしたり、追加発注を抱き合わせにすることはなかったという。
(6)安倍政権は毎年防衛予算を増やしており、一三年度からは、繰り延べはなくなっていた。だが、米政府を窓口にした対外有償軍事援助(FMS)による兵器の輸入が進み、毎年返済額を超える新たな兵器ローンが発生。今回の支払い延期要請につながったとみられる。
(7)防衛省会計課の担当者は「歳出化経費(兵器ローン返済)の先送りではない」と否定するが、本紙記者が「企業側は先送りと受け止めています」とただすと、こう漏らした。「中には、そう受け止める方もいるでしょうね」。


 「米政府を窓口にした対外有償軍事援助(FMS)による兵器の輸入が進み、毎年返済額を超える新たな兵器ローンが発生。」、との指摘は、日本国にとって重大な問題である。
 また、業界関係者の「『米国から高額な兵器をいっぱい買った。その支払いがどんどん増え、しわ寄せが来ている』と、この幹部は分析する。」、との声が当を得ているとしたら、あまりにも日本国は稚拙である。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-11 07:15 | 米軍再編 | Comments(0)

「差止め認めず」「賠償勝訴」、と二枚の旗が掲げられた。

 東京新聞(以下、「東京」)は2018年11月30日、表題に関して、「米軍横田基地(東京都福生市など)の周辺住民百四十四人が米軍機などの夜間、早朝の飛行差し止めと騒音被害の損害賠償を求めた『第九次横田基地公害訴訟』の判決で、東京地裁立川支部(見米正裁判長)は三十日、国に過去の被害賠償として九千五百六十七万円の支払いを命じた。一方で、夜間、早朝の飛行差し止めと、騒音被害がなくなるまでの将来分の賠償請求は退けた。」、と報じた。
また、その判決内容について、次のように報じた。


(1)判決は、航空機騒音の指標「うるささ指数(W値)」が七五以上となる地域の住民について「周辺住民への見過ごせない不公平が存在する。国による防音工事は対策として不十分だ」と指摘。W値七五で月四千円、同八〇で月八千円、同八五で月一万二千円の慰謝料支払いを命じた。同七五を下回る地域の住民の賠償請求は認めなかった。賠償額は昨年十月の「第二次新横田基地公害訴訟」の一審判決と同額だった。
(2)ただ、米軍機の飛行差し止めは「国は米軍機の運航を規制、制限できる立場にない」とし、将来生じる騒音被害の賠償は「被害が明確に認定できず請求できない」などと判断した。
(3)一九七五年に小松基地(石川県小松市)を巡る訴訟が起こされて以降、全国六基地の周辺住民が同様の訴訟を繰り返してきた。最高裁は二〇一六年十二月、厚木基地(神奈川県)訴訟の判決で、米軍機の飛行差し止めは国内で審理できないとし、将来分の騒音被害も明確に認定できず賠償請求できないとの判断を示した。今回の判決もこの判断基準を踏襲する形となった。
(4)第九次横田基地公害訴訟は二〇一二年十二月、騒音で人格権などが侵害されているとして周辺住民が提訴。午後七時~午前八時の航空機の飛行差し止めと居住地上空での訓練差し止め、これらが実現するまで一人当たり月二万三千円の賠償を求めた。


 さらに、「東京」は、原告団等の「金さえ払えばいいってことか」「私たちのつらさを、どうして裁判所は分かってくれないのか」、といった怒りの声を次のように伝えた。


(1)米軍横田基地(東京都福生市など)の騒音被害を巡る第九次横田基地公害訴訟で、東京地裁立川支部は三十日、過去の被害に対する賠償は認めたものの、夜間、早朝の飛行差し止めと、騒音被害がなくなるまでの将来分の賠償請求は退けた。原告の住民にはため息と怒りが交錯した。(松村裕子、萩原誠)
(2)「差止(さしと)め認めず」「賠償勝訴」。午前十一時二十分、立川支部前の路上で弁護士が二枚の旗を広げた。集まった原告の住民や、全国で同種裁判を闘う人の間からは「金さえ払えばいいってことか」「私たちのつらさを、どうして裁判所は分かってくれないのか」などと声が上がった。
(3)原告の中里博文さん(64)=立川市=は「まるっきり期待外れというか、何も踏み込まず、新しいことはなくてがっかり。飛行差し止めについても今まで通りという感じで、人の情けのないような判決だ」。やはり原告の設計業菅原和夫さん(74)=昭島市=も「ある程度予想はしていたが、全く進歩のない判決で、憤りを感じる。結果は同じでも、先の見える何かがあればと思ったが、がっかりだ」と嘆いた。同市の無職原島清さん(77)は「窓を開けると何も聞こえない。オスプレイは振動も騒音もひどい」と被害がむしろひどくなっていることに顔をゆがめた。同市の無職花岡靖智さん(76)は「安保法がある限りだめだ。民事裁判ではどうにもできない。沖縄だけでなく、東京でも基地問題があることを知ってほしい」と話した。
(4)「基地周辺住民はいつまで闘い続けなければならないのか」。第九次横田基地公害訴訟の原告団長・福本道夫さん(69)は、米軍機の飛行差し止めなどを認めなかった判決を聞き、唇をかんだ。伊豆大島で生まれ、三歳のときに家族で東京都昭島市に転居して以来、米軍機の騒音に苦しめられてきた。「一九七〇年代までは戦闘機が頻繁に飛び、エンジンを吹かす音で会話も勉強もままならなかった」。基地への飛来が戦闘機から輸送機中心に変わっても、被害は収まらなかった。
(5)都職員だった父・龍蔵さん=故人=は七六年提訴の第一次訴訟以来、原告団長を務めた。八二年に自身も原告に加わり、四年前からは第九次訴訟の原告団長に。父への思いも胸に、この日の判決に臨んだ。現在の住まいは基地のフェンスから直線距離で二キロ余り。「うるささ指数(W値)」が七五以上の区域からは外れている。だが「上空で旋回訓練をすれば騒音の激しさはどこでも同じ。判決は実態を反映していない」との思いを強くする。
(6)横田基地に十月、米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが正式配備され、周辺住民に新たな懸念材料が加わった。福本さんは「遠くまで届くプロペラの音や振動は異質で強い不快感がある」と指摘した上で、決意を新たにする。「被害が続くのは政府が米国に何も言えず、その結果を私たちが負わされているからだ。一歩ずつ、半歩ずつでも解決に近づけるために闘うしかない」


 「東京」は、この判決の批判に関して、12月2日に回された原告団と弁護団は立川市内での記者会見の模様を次のように伝えた。


(1)判決は、横田基地周辺の住民が一九七六年以降、同様の訴訟を繰り返してきた経緯に触れ、国と米国が「抜本的な被害防止策を講じず、漫然と放置している」と指摘。航空機騒音の指標「うるささ指数(W値)」が七五以上となる地域の住民は「受忍限度を超える違法な権利侵害を受けている」と、過去の被害に対する賠償として、W値七五~八五の地域の住民に月四千円~一万二千円の支払いを国に命じた。賠償額は計九千五百六十七万円。
(2)しかし、焦点となった夜間、早朝の飛行差し止めや将来の被害に対する賠償は認めず、最高裁が二〇一六年の厚木基地訴訟の判決で示した判断を踏襲する形となった。
(3)原告側は新たな司法判断を導き出そうと、十月に横田基地に正式配備された米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイによる被害拡大も主張。しかし判決は、結審の七月時点では正式配備されておらず「事故の危険性は抽象的」とし、被害認定に踏み込まなかった。
(4)福本原告団長は会見で「オスプレイは正式配備前の六月から訓練している」と憤り、控訴審ではCV22の騒音被害の詳細データを提出する考えを示した。また、佐竹俊之弁護団長は、W値七五未満の地域では賠償を認めなかったことに『受忍限度を超えていることを立証するように住民に求めているように受け取れる』と批判した。


 確かに、私たちが肝に銘じなけねばならないのは、「被害が続くのは政府が米国に何も言えず、その結果を私たちが負わされているからだ。一歩ずつ、半歩ずつでも解決に近づけるために闘うしかない」(「東京」)、との声である。
 それにしても、日本の司法の役割が「『事故の危険性は抽象的』とし、被害認定に踏み込まなかった。」(「東京」)ということでしかないのであれば、日本の司法は完全に責任放棄をしている。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-09 07:01 | 米軍再編 | Comments(0)

「日出生台でオスプレイ訓練」が大分合同新聞の1面で。

 大分合同新聞は2018年11月16日、「日出生台でオスプレイ訓練 日米が12月実施へ」、と次のように報じた。


(1)垂直離着陸型の米軍輸送機オスプレイを使った「日米共同訓練」が12月に陸上自衛隊日出生台演習場で実施される見通しであることが15日、関係者への取材で分かった。近く防衛省サイドが地元自治体に説明するとみられる。安全性が不安視される同機が大分県内の演習場で運用されるのは初めてになる。
(2)防衛省は今年4月、九州で10~12月に共同訓練を計画していると発表。「期間は2週間程度。オスプレイも参加する」とした。5月には米軍関係者が日出生台を視察していた。
(3)オスプレイは2012年10月に沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に配備されて以降、国内でもトラブルが相次いでいる。16年12月に同県名護市の沿岸に不時着し、大破。昨年8月にはエンジントラブルで大分空港に緊急着陸した。
(4)日出生台は広さ約5千ヘクタールで、西日本最大の陸自演習場。1987~2012年にかけ、日米共同訓練が5回実施されている。これとは別に、2018年2月には4年連続13回目となる在沖縄米軍の実弾砲撃訓練があった。
(5)今回の訓練計画に対し、大分県と地元の由布市、玖珠、九重両町でつくる日出生台演習場問題協議会(4者協)は「既に沖縄の負担軽減に十分協力している」との立場。今年5月に会長の二日市具正副知事と市長、町長が福岡市の九州防衛局を訪ね、日出生台で実施しないよう要請書を手渡している。




by asyagi-df-2014 | 2018-11-16 11:48 | 米軍再編 | Comments(0)

オスプレイ8機の「一斉交換」て何なの。

 半田滋さん(以下、「半田」)が2018年9月9日、「内部はサビと腐食だらけ…!オスプレイ8機が『一斉交換』の謎 もうすぐ首都圏でも飛ぶというのに」、とGENDAI ISMEDIAに著した。
どいうことなのか。
「半田」は経過について、こう説明する。


(1)沖縄県の米海兵隊普天間基地に配備されている垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」が8機一斉交換となった。米軍側と日本の防衛省は「通常の機体交換」と口を揃えるが、これ以上の説明はない。
(2)そもそも機体を丸ごと交換すること自体、「通常」とはいえない。それも同時に8機である。普天間基地に配備されて5年も経過しないうちに、墜落などで2機が失われたオスプレイ。いったい何が起きているのか。
(3)この問題は、全国紙やテレビで報道されていない。最初から説明する必要があるだろう。8機のオスプレイが山口県岩国市の米海兵隊岩国基地に到着したのは7月7日だった。大型輸送船に乗せられ、6月22日に西海岸にあるカリフォルニア州のサンディエゴ海軍基地を出港した。岩国基地への陸揚げに際し、日本政府や岩国市への事前通告はなかった。今年5月、横浜港にある米陸軍横浜ノース・ドックに陸揚げされた米空軍仕様の「CV22オスプレイ」5機の場合、到着直前の1日前に米側から通報があったが、今回は岩国基地に到着して4日も経過した7月11日の事後通告だった。しかも「保安上の理由から機数は言えない」というのだ。防衛省に取材しても「機数は聞いていない」。岩国市は基地の状況を把握するため、民間の「情報提供協力員」に基地監視を委嘱している。その専門家が機数を数えているにもかかわらず、シラを切り通した。
(4)陸揚げの際、確認された機体番号から、カリフォルニア州のミラマー基地所属の4機と東海岸のノースカロライナ州にあるニューリバー基地所属の4機と判明、米本土の海兵隊基地からかき集めたことがわかる。ブロックCと呼ばれるレーダーなどを強化した機体も含まれていた。
(5)岩国基地には今年6月末、普天間基地のオスプレイ8機が飛来し、駐機場に置かれていたことが確認されている。これらの機体が、交換する8機を載せてきた大型輸送船に入れ替わりで積み込まれ、7月のうちに米本土へ向けて出港した。岩国基地に陸揚げされた8機のうち、7機は7月中に普天間基地へ飛び立ったが、1機は滑走路で立ち往生。8月3日になって、ようやく普天間へ向けて離陸した。交換する機体に不具合があったとすれば、何のための交換なのか、という話である。
(6)普天間配備のオスプレイは2012年7月に12機、翌13年7月にも12機の合計24機が岩国基地に陸揚げされた。ところが、16年12月、沖縄県名護市の浅瀬に1機が不時着水して大破、17年8月にはオーストラリアで揚陸艦への着艦に失敗して洋上に墜落、兵士3人が死亡している。配備開始から5年も経たないうちに2機が失われているのだ。失われた2機はすでに補てんされている。


 「半田」の追求が始まる。


(1)筆者は今回の交換について、普天間基地の広報部に「8機一斉に交換する理由は何か」「交換の理由が定期整備なら(オスプレイの定期整備を行う千葉県の陸上自衛隊)木更津駐屯地を活用しないのはなぜか」とメールで問い合わせた。
(2)これに対する回答は、以下の通りである。
(3)「この交換は、航空機および機器の通常の交換の一部である。入ってくるオスプレイと普天間基地の機体との1対1の交換が行われる。特定の機体は、アップグレードの予定。機数の増減はなく、沖縄のオスプレイの戦力レベルを変更する計画はない」
(4)回答らしい回答は「通常の機体交換」「一部はアップグレード」の部分だけ。機数の増減や戦力レベルなど聞いてもいないことに答えて、肝心の機体交換の理由には触れていない。
(5)防衛省に取材すると、沖縄調整官付は「米側から『通常の機体交換』と聞いている。それ以上は、米軍の運用にかかわることなので聞いていない」とまるで人ごとだった。普天間基地を抱える宜野湾市基地渉外課にも問い合わせたが、「米軍は『保安上の理由』として、交換した機体の数さえ明かさないのです」とのことだった。宜野湾市役所は普天間基地に隣接している。「よき隣人でありたい」と繰り返す米軍が、機数という基礎データさえ明らかにしないのだ。
(6)筆者は「定期整備の必要性から交換したのでは?」という仮説を立てていたが、岩国市や宜野湾市の問い合わせに、交換した機数さえ答えようとしないのは、「8機一斉交換」の事実そのものを隠したいから、ではないだろうか。


 「半田」は、核心に迫る。


(1)そのナゾに迫るには、筆者が米軍に問い合わせた「木更津駐屯地での定期整備」についての解説が必要だろう。
(2)航空機は、定められた飛行時間ごとに分解され点検を受ける。オスプレイも例外ではなく、5年に1回の割合で、分解点検を含む定期整備が必要とされている。
(3)防衛装備庁は、普天間配備のオスプレイと陸上自衛隊が導入を進める17機のオスプレイの共通整備基盤として木更津駐屯地の活用を決め、自衛隊の格納庫1棟を整備工場に改修した。米軍の入札により、整備は「スバル」(旧富士重工業)が請け負い、約30人の整備員が機体整備にあたることになった。
(4)最初の1機は昨年1月、普天間基地から飛来し、翌2月から定期整備に入った。防衛装備庁は「1機あたり整備工期は3、4カ月程度」と説明していたが、今月になって9月5日以降の試験飛行開始を発表した。つまり、整備に1年8カ月以上もの長期間を要したことになる。
(5)これにより「定期整備は年5~10機」とする防衛装備庁の目算は外れた。最初の1機の定期整備が順調に終わっていれば、交換した8機は米本国へ送り返すことなく、木更津で整備できたのかもしれない。
(6)定期整備が異常に長引いたことについて、防衛装備庁の坂本大祐事業管理監は「最初の一機なので慎重にやっている。開けてみないと分からない状態のところもあり、部品を発注しても米国から届くまでに時間がかかる」と話す。整備の「不慣れ」が主な原因との説明だが、防衛省関係者は「事態はもっと深刻でした。乗員や兵士が乗る部分の床板を開けてみたら、機体の内側はサビと腐食だらけ。自衛隊が丁寧に使っている機体しか見たことのない整備員たちは『これは整備ではない、修理だ』と驚いていた」と明かす。手の施しようがなく、そっくり交換しなければならない部品が思いのほか多く、その部品の修理・交換のために必要な工具も米国から取り寄せたという。その間、作業は滞らざるを得ず、整備の遅れにつながった。


 さらに、「半田」の追求は続く。


(1)では、どうしてそれほど腐食やサビが多いのか。
(2)前出の防衛省関係者は「普天間基地の自然環境と地勢的な条件が影響している。ただでさえ潮風で機体が腐食する沖縄に置かれているうえ、米本土より近いので中東など海外へも頻繁に派遣されている。自衛隊と比べて、使い方も荒いようだ」と解説する。8機一斉交換の背景には、過酷なまでのオスプレイの運用があるというのだ。
(3)米海兵隊は、普天間以外の海外基地にオスプレイを配備していない。例えば、オスプレイを中東へ派遣するには米本土から送り込むよりも沖縄から派遣した方が早い。現にオーストラリアで墜落したオスプレイも普天間配備の機体だった。


 「半田」は、「オスプレイ8機が『一斉交換』の謎」を突く。
 

(1)機体を酷使した結果なのだろうか。普天間配備のオスプレイは、報道されているだけで墜落や緊急着陸が合計11回に上る。今年8月14日には、同じ日に鹿児島県奄美市の奄美空港と、沖縄の米空軍嘉手納基地に緊急着陸したばかりだ。
(2)配備から6年も経過していないうちに、これほど墜落したり、緊急着陸したりした在日米軍の航空機は他に例がない。以前から指摘されてきた機体構造の問題にもあらためて目を向ける必要があるだろう。
(3)2009年6月、当時、国防分析研究所主席分析官だったアーサー・リボロ氏は米連邦下院の委員会で「ヘリコプターがエンジン停止した場合、風圧で回転翼を回転させ、安全に着陸できる『オートローテーション(自動回転)』機能が欠落している」とオスプレイの構造的欠陥を証言した。
(3)16年12月にあった名護市でのオスプレイの不時着水・大破事故の原因について、リボロ氏は琉球新報の取材に対し、「事故は操縦士のミスもあるが、そもそもの機体デザインの設計ミスも追及されるべきだ」と指摘し、「人口密集地で事故が起こればどれだけ危険か、米軍や日本政府はもっとリスクを考え、人口密集地では飛ばせないなど対策を取るべきだ」と訴えている。


 最後に、「半田」からの警告。ただ、沖縄では、常時飛行しているが。


(1)防衛省は8月、在日米軍が空軍版のCV22を10月1日から都内の米空軍横田基地に5機配備すると発表した。最終的に10機まで増えるという。また、陸上自衛隊が導入するオスプレイは佐賀空港への配備が間に合わず、やはり10月ごろには木更津駐屯地へ5機が配備され、最終的には17機が導入される。
(2)海兵隊版MV22の10万飛行時間あたりのクラスA(被害が200万ドル以上か、死者の出た事故)事故率は、海兵隊保有の航空機でトップの3.24。CV22のクラスA事故率は、より高い4.05(昨年9月現在)である。
(3)米国の専門家が「人口密集地を飛ぶべきではない」と進言するオスプレイが、間もなく、人口密集地の首都圏上空を飛ぶことになる。


 どうやら、オスプレイ8機の「一斉交換」とは、次のことを示している。


Ⅰ.オスプレイの整備に関して、「最初の1機は昨年1月、普天間基地から飛来し、翌2月から定期整備に入った。防衛装備庁は『1機あたり整備工期は3、4カ月程度』と説明していたが、今月になって9月5日以降の試験飛行開始を発表した。つまり、整備に1年8カ月以上もの長期間を要したことになる。これにより『定期整備は年5~10機』とする防衛装備庁の目算は外れた。最初の1機の定期整備が順調に終わっていれば、交換した8機は米本国へ送り返すことなく、木更津で整備できたのかもしれない。」、との技術的問題。
Ⅱ.オスプレイが配備されている普天間基地が、「普天間基地の自然環境と地勢的な条件が影響している。ただでさえ潮風で機体が腐食する沖縄に置かれている」、という設備条件。
Ⅲ.オスプレイの運用が、「米本土より近いので中東など海外へも頻繁に派遣されている。自衛隊と比べて、使い方も荒い」という過酷なまでのオスプレイの運用条件。
Ⅳ.オスプレイが配備から6年も経過していないうちに、これほど墜落したり、緊急着陸したりした在日米軍の航空機は他に例がないことから、これまでも指摘されてきた機体構造の問題。


 つまり、オスプレイ8機の「一斉交換」とは、日本政府の説明する「通常の機体交換」ではなく、整備に関する技術的問題、米国の運用の問題等に留まるのではなく、機体構造の根本問題が引き起こしているということなのだ。



by asyagi-df-2014 | 2018-09-15 21:31 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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