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この国の闇を浮き上がらせること。

 日本国憲法から、守られていない地域があること。
 それは、この国の「闇」。
 単なる「隠蔽」以前の問題として、不可侵の「闇」としてある。
この「闇」に関して、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年11月4日、「[米軍事故公表せず]政府は毅然と向き合え」、と社説で論評した。
最初に、「タイムス」は、ことの顛末を次のように指摘する。


(1)米海兵隊岩国基地(山口県)所属部隊が2016年4月、嘉手納基地沖の上空でFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機の接触事故を起こしながら公表せず、正式な調査も見送っていたことが米軍の報告書でわかった。
(2)2機は嘉手納基地に着陸し、けが人はいなかったという。報告書には引きちぎられた給油機の給油ホースがFA18の右翼に引っかかっている生々しい写真が掲載されている。一歩間違えれば民間地を巻き込む大惨事につながりかねなかったはずである。18年12月に高知沖で6人が死亡・行方不明になる事故の調査過程で明らかになった。
(3)沖縄、高知の事故はいずれもFA18の操縦士が月明かりのない暗闇で空中給油を受けている最中に起きたという共通点がある。報告書では「(沖縄で)調査していれば(高知は)防げた可能性がある」と内部批判している。


 このことについて「タイムス」は、「米軍は日本側に通報せず、隠蔽した上に調査をしなかったのである。事故をなかったことにしたのである。県民の生命と財産を軽んじていることに憤りを禁じ得ない。」、と断じる。
何故なのか。
「タイムス」は、このことについて続けて追求する。


(1)16年12月に名護市安部の沿岸部でオスプレイが墜落した。夜間の困難な気象条件で空中給油訓練を強行した末の墜落である。調査しておればこれも防げたかもしれない。
(2)米軍担当者は「通報は日米両政府間の合意に沿って行う」という。実際は日本側に伝えておらず、日本政府はきちんとただすべきだ。
(2)仮に通報があったとしても日本側は捜査にはタッチできず米側の捜査報告を丸のみするだけだ。日本側が捜査権を行使できるようにするにはやはり地位協定改定しかない。


 さらに、「タイムス」は「ぞっとする」、と指摘を続ける。


(1)ぞっとするのは、岩国基地で重大な事故につながりかねない規律違反が横行していることだ。報告書には手放しでの操縦や飛行中の読書なども含まれている。事故の背景として報告書は部隊内に「薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、指示違反といった職業倫理にもとる実例」が存在したと指摘している。
(2)高知の事故では乗員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出されている。身の毛がよだつ。チェック体制はどうなっているのだろうか。
(3)岩国基地に限らない。18年4月には米軍三沢基地(青森県三沢市)のF16戦闘機が東北の山間部を超低空飛行した動画を「ユーチューブ」に投稿。操縦席から撮影したとみられ、日本国内での最低高度150メートルより低く飛行したことを同基地は認めている。
(4)岩国基地は米軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機約60機が移駐し、嘉手納基地と並ぶ極東最大級の航空基地となった。FA18などは外来機として沖縄にたびたび飛来しており、危険性は岩国にとどまらず拡散しているのだ。


 最後に、「タイムス」は、「米軍内に安全性軽視の考えが蔓延しているのではないか。個人だけでなく構造的問題に踏み込むべきである。日本政府は米軍と毅然と向き合い、事故を通報しなかった理由とともに、原因究明と再発防止策、規律違反の横行に対する対策をただし公表させなければならない。」、と要求する。


 この国の「闇」の実態がここにある。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-11 07:13 | 米軍再編 | Comments(0)

米軍の気ままな「パラシュート降下訓練」が許されていいわけはない。

 「地元自治体が中止を要請する中、米空軍が嘉手納基地でパラシュート降下訓練を29日に強行した。基地周辺には学校や住宅が密集しており一歩間違えば重大事故につながりかねない。政府は毅然とした態度で米国に抗議すべきだ。」、との琉球新報主張を安倍晋三政権は、日本政府は、まともに受け止めることができない。
 どういうことなのか。
 琉球新報(以下、「新報」)は2019年10月30日の社説で、「米軍の落下傘降下 訓練は全て中止すべきだ」、と断じるのである。
 「新報」の「事実」に関する指摘は次のもの。


(1)パラシュート降下訓練は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告によって、米軍伊江島補助飛行場で実施することが合意されている。その後、2007年の日米合同委員会で例外的な場合に限り嘉手納基地を使用すると追加合意された。
(2)だが嘉手納基地での訓練は今年に入り既に4回を数える。今や「例外」どころか常態化の様相を呈している。日本を軽く見ているからこそ、米国は国同士の取り決めさえ守ろうとしないのだ。


 この「事実」について、さらに「例外」事項について指摘する。


(1)河野太郎防衛相によると、「例外的」と言えるような状況の説明さえ、米国からなされていないという。防衛省は「SACO合意に反する」として米国に中止を求めたが、無視された。これでは同盟国とは言えない。属国に対する扱いだ。
(2)この間、政府はあらゆる場面で米国に迎合し追従してきた。トランプ米大統領の求めに応じ米国製武器の大量購入を約束したのは象徴的だ。何でも言いなりになる政府の姿勢が今日の事態を招いたと言っていい。
(3)そもそも07年に嘉手納基地の使用を例外的に認めたことが大きな間違いだ。どのような場合が「例外」に当たるかは明らかにされていない。当時、政府関係者が基準として挙げたのは(1)非定期かつ小規模(2)人命に関わる(3)伊江島の気象条件―だった。
(4)今回は空軍が訓練をした同じ日に海兵隊が伊江島で降下訓練を実施しており、気象条件は理由にならない。米軍は、自分たちが「例外」と主張すればいつでも嘉手納基地で訓練ができると、都合良く解釈しているのだろう。日米合同委の合意は白紙に戻すしかない。
(5)嘉手納基地での降下訓練に先立って伊江島補助飛行場で実施された米海兵隊によるパラシュート訓練では、2人が提供区域外にある畑や県所有の伊江島空港に降下した。訓練は30日も行われ同空港に1人が降下する事態になった。伊江村では、訓練に伴い日常的に民間地への兵士の降下や物の落下、騒音に悩まされている。25日には米軍MC130J特殊作戦機から落下した部品が伊江島補助飛行場で見つかっていたことが明らかになった。嘉手納に兵士を降下させたのは同型機だ。


 「新報」は、最後に、「SACOで合意されたからといって、住民を危険にさらすことは断じて許されない。伊江村民の大幅な負担軽減を図ることが急務だ。沖縄は全国の米軍専用施設面積の7割が集中している。パラシュート降下訓練まで押し付けられたのでは県民は安心して生活できない。全ての訓練の中止を求める。」、と


 やはり、次のことを確認するしかない。
1.SACOで合意そのものが、沖縄を基地問題から解放するものではないこと。
2.そのSACO合意さへ「例外」規定で、骨抜きになっていること。
3.どうやら、米軍の「意思」には、日本政府の「密約」が絡んでいるのではないかという疑惑があること。



by asyagi-df-2014 | 2019-11-08 08:42 | 米軍再編 | Comments(0)

インド太平洋地域における地上発射型の中距離ミサイルの配備。(1)

 この問題が、沖縄の二紙が取りあげて以来、どれぐらい注目されてきたのだろうか。
日本の安全保障を考える上で、非常に大きな問題を孕んでいるのだが。
沖縄の二紙は、これからもこのことを追いかける事は間違いない。
 こちらも、この問題を注視していく。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年10月12日、「沖縄にミサイル 計画把握 米外交専門家 巡航、核搭載可能型に」、と。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年10月13日、「米、ミサイル配備候補に伊江島 豪など20カ所検討」、と。
 この二紙の記事ではっきりしたことは次のことである。


1.日米間では、配備計画について、すでに議論されていたこと。


「米ワシントンDCを拠点とするシンクタンク『フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス』ディレクターで米国の外交政策に詳しいジョン・フェッファー氏は11日までに、米国が中距離ミサイルを沖縄など日本に配備する計画を把握していると明らかにした。本紙の取材に答えた。フェッファー氏は、配備の可能性は『残念ながら非常に高い』と強調した。日本への配備計画は中距離ミサイルの製造などを禁じた中距離核戦力(INF)廃棄条約が8月2日に失効する前の『初夏から議論されていた』とも明かした。」(「新報」)

「マティス氏の後任のエスパー国防長官は8月初旬から豪、ニュージーランド、日本、モンゴル、韓国を歴訪し、同月7日に岩屋毅防衛相(当時)と会談した。同省高官は本紙に『日本政府との会談では計画の全体像や、将来的に日本に配備する可能性などを説明した。打診ではない』と述べ、今後、関係国との交渉を本格化させていく方針を説明した。」(「タイムス」)


2.各国は、この配備計画を拒否や拒否する可能性が大きいこと。


「日本配備の可能性が高い理由については、米国の同盟国であるオーストラリアが配備拒否を表明したほか、韓国やフィリピンも拒否する可能性が高いことを指摘。残る日本が拒否したとしても、トランプ米大統領が圧力を強めるとの見方を示した。」(「新報」)

「国務省高官によると、米側は当初、豪を中距離ミサイルの配備先として有力視していたが、豪側が拒否したため、現時点では日本も有力視されているという。」(「タイムス」)


3.中距離ミサイルには、核弾頭の搭載が可能であること。


「中距離ミサイルについて米国は核弾頭は付けないと説明するだろうが、核弾頭を搭載できるタイプだとも述べた。日本に配備される場合の配備場所は日米政府間の交渉で決まるだろうとの見通しを示した。」(「新報」)

「中距離ミサイルの核弾頭搭載については否定した。」(「タイムス」)


4.どこの地が候補となっているのか。


「日本が配備に反対した場合、より容易な配備場所としてグアムやパラオを挙げ、そこへの配備で決着する可能性も指摘した。ただ、中国やロシアから遠いため、米国防総省が望む場所ではないとも付け加えた。」(「新報」)

「米国防総省がこれまで、インド太平洋地域における地上発射型の中距離ミサイル(射程500~3000キロ)の配備先候補として検討した約20カ所のうち、伊江島補助飛行場が含まれていることが12日までに分かった。同省は早くて2021年1月の配備をめどに、年内に候補地を絞り込む見通しだが、現時点では同飛行場の可能性は低いとみられる。複数の米政府関係者が沖縄タイムスの取材に対し、昨年10月にトランプ大統領が米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約の離脱を宣言後、マティス国防長官(当時)の指揮下で中距離ミサイルの配備先候補として、グアムや豪、ハワイ、日本、フィリピン、韓国など約20カ所を検討したことを明らかにした。」(「タイムス」)


5.配備計画の狙いは。


「配備計画の狙いについては、中国の近代化した戦闘能力に対抗するためだと指摘した。また、トランプ大統領は『不必要な軍隊をミサイルに置き換え、海外に駐留する米兵を本国に帰還させてコストを削減する一方、同盟国の負担をより多くすることで国民向けにアピールできる』と、トランプ氏にとっての利点を説明した。」(「新報」)

「国防総省は、8月に米ロ間のINF廃棄条約が失効したのを踏まえ、同月18日にカリフォルニア州で移動式発射装置を使用した地上発射型巡航ミサイルの発射実験を実施。11月には射程距離がさらに長い中距離弾道ミサイルの実験を予定している。」(「タイムス」)
「ロシアを担当する国務省高官は本紙に『高性能な中距離弾道ミサイルは、現時点ではまだ開発段階で、配備はまだ先の見通し』と述べた。」(「タイムス」)



by asyagi-df-2014 | 2019-10-20 07:24 | 米軍再編 | Comments(0)

「もう、怒り心頭です」、と三上智恵さん。-命奪った弾薬庫、なぜ再び 

 三上 智恵さんがFB(2019年10月8日)で、宮古島の弾薬庫の造成に着手したことについて書いています。


東京新聞、ありがとう
この記事内容はもっと早くに
私たち県内にいる記者や沖縄戦の専門家が
書くべきものでした

弾薬庫着工2日目
宮古島の保良には
戦前も旧日本軍の弾薬庫があり
手違いで爆発させた事故で
兵隊と住民が亡くなっている
私もその詳細が知りたかったが
今朝の朝刊にきちんと掲載されました

三角の宮古島
その南東の端っこにある保良
そこに弾薬庫を作るのは
宮古島の人口密集地から一番遠いからです

かつて弾薬を置かせてしまい
こんな抱えなくていい悲劇を抱え込んだ保良

なぜまた同じことになるの?
誰が悪いの?
もう、怒り心頭です


 三上さんが紹介した東京新聞の記事-命奪った弾薬庫、なぜ再び 宮古島駐屯地で着工 200メートル圏には住宅-は、次のもの。
 おっと、望月衣塑子記者のものでした。


(1)宮古島(沖縄県宮古島市)に新設された陸上自衛隊駐屯地で七日、防衛省は弾薬庫を含む関連施設の造成工事に着手した。住民には「弾薬庫は作らない」と説明していた経緯もあり、戦時中に島内の弾薬庫で起きた爆発事故を知る住民らは「なぜ再び弾薬庫を作るのか」と憤りを隠さない。(望月衣塑子)
(2)三日に市内で開かれた住民説明会の参加者は賛成派ら約十人だけだった。会場の入り口に貼り出された説明会の名称に「弾薬庫」や「火薬庫」の文字はなく、反発した住民約百人が場外で抗議したためだ。
(3)会場に入らなかった平良長勇(ちょうゆう)さん(79)は「あの時と同じことを政府はまた住民に強いるのか」と憤る。
(4)沖縄県史や住民の証言によると、太平洋戦争中の一九四四年二月、島南東部の保良地区の木山壕(きやまごう)を利用した旧日本軍の弾薬庫付近で、爆発事故が発生。兵隊四~五人で押していた手押し車から木箱が落ち、中の手りゅう弾が一斉に爆発した。その場にいた兵隊のうち少なくとも二人が死亡した。
(5)当時五歳の平良さんは、耳をつんざくような爆発音を今でも覚えている。逃げ込んだ瓦ぶきの家にも爆風で瓦と石ころが飛んできた。父親と現場に向かうと、炭のようになった兵隊が目に飛び込んできた。自宅の家の雨戸にシーツを張り巡らせ担架代わりにして遺体を住民らが運んだ。夕方、近くの公民館で急きょ、兵長がお経を読み、通夜が行われた。
(6)平良さんは「生々しい記憶は今でも忘れられない」と声を落とした。事故では、作業を手伝っていた平良まつえさん=当時(8つ)=と、彼女がおんぶして世話をしていた上里(うえざと)弘子ちゃん=同(1つ)=が巻き添えになり亡くなっている。弘子ちゃんの兄上里好輝(こうき)さん(84)は、母親と農作業に向かう途中に大きな爆発音を耳にした。住民から「弘子ちゃんも巻き添えになった」と告げられた母は血相を変え現場に行き、ぐったりした妹を抱いて戻ってきた。頭に弾の破片が刺さり、わずかに呼吸する妹の横で母親が「死ぬなよ」と叫んだが、やがて息絶えると母は狂ったように泣き叫び続けた。上里さんは「戦争や弾薬庫がなければ、妹は死なずにすんだ。政府は再び弾薬庫の建設を進めようとしている。許せない」と語る。
(7)小学四年だった垣花豊順(かきのはなほうじゅん)さん(86)は「首相は戦争の悲惨さを何も知らないから何でもできる。新しい弾薬庫のわずか二百メートルに住宅もある。こんな場所に弾薬庫を置くこと自体間違っている」と語った。
(8)<陸自宮古島駐屯地の弾薬庫計画>:沖縄県・宮古島で陸上自衛隊ミサイル部隊の配備計画を進める防衛省は7日、島南東部の保良鉱山地区で弾薬庫を含む関連施設の工事に着手した。駐屯地は3月に新設。弾薬庫をめぐっては、地元には「弾薬庫ではなく、小銃などの保管庫」と説明したまま、迫撃砲弾や中距離多目的誘導弾などを島内に保管していたことが3月に発覚。当時の岩屋毅防衛相が国会で謝罪し、弾薬は島外に撤去されたが、新たな弾薬庫に再び保管される予定。




by asyagi-df-2014 | 2019-10-18 07:32 | 米軍再編 | Comments(0)

「対米自立へと転換すべきだ。」、と琉球新報。

 私たちが使う「沖縄から日本が見える」という言葉は、本土の日本人の「安心」の担保でしかなかった、というのも事実である。
しかし、沖縄からの「沖縄の米軍基地問題の解決は、平和条約締結などロシアとの関係を改善へと切り開く鍵も握っている。」、と提言は真実を掴んでいる。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年10月8日、「米軍基地と日ロ関係 対米自立に転換すべきだ」、と社説で論評した。
「新報」の指摘は次のもの。


(1)ロシアのプーチン大統領の経済分野ブレーン、セルゲイ・グラジエフ氏は本紙の取材に対し、日ロ関係の改善には日本の対米従属からの脱却が不可欠だとして、その重要なポイントに沖縄の米軍基地を挙げた。プーチン氏も同様の認識だ。昨年12月、辺野古新基地建設を念頭に「地元知事が反対し、住民も撤去を求めているにもかかわらず整備が進んでいる」と述べた。
(2)北方領土を含め日本各地で米軍基地の建設が可能な状況を懸念しての発言だ。「日本の主権がどの程度の水準にあるのか分からない」とも述べ、日米同盟下で日本が主権を主体的に行使できているのか疑問を呈した。
(3)その後、事態は悪化した。米国が中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明して以降、ロシアは日ロの平和条約交渉で「日米同盟は脅威で、日ロ関係改善の障害だ」と態度を硬化させた。交渉は一層難航し、北方領土の帰属を巡る具体的な協議は事実上、頓挫している。
(4)8月2日にINF廃棄条約が破棄されて以降、日ロ関係はさらに悪化し、日本にも影響を及ぼしている。エスパー米国防長官が中距離ミサイルのアジア配備を表明したことで、ロシア側は日本に配備される可能性が高いとみている。
(5)ロシア大統領府関係者の情報で、中距離ミサイルを沖縄をはじめ日本に配備する計画が米側にあることが分かっている。ロシア側は沖縄に1基でも配備されれば、平和条約の締結や北方領土を巡る交渉を白紙に戻す構えだ。
(6)ロシアのモルグロフ外務次官は、日本に配備されれば、ロシアの安全保障の脅威となり「日ロ平和条約締結の新たな障害になる」と述べている。これらロシア政府の首脳や高官らに共通した日本への要求は、公式の確約だ。それは、米国による基地建設やミサイル配備を日本が統制する―との約束を意味する。日本側は日米安保条約などを理由に約束を拒んでおり、日ロ関係は厳しい状況に陥っている。
(7)プーチン氏が国の経済を担うキーマンとして公に評価するグラジエフ氏の今回の発言は、政治問題にとどまらず、今後の日ロの経済交流にも、沖縄の米軍基地が深い影を落とすことを示している。


 「新報」の主張は明確である。


「米軍基地が過度に集中する沖縄の人々は、新基地建設や日米地位協定などの問題を巡り、日本政府の対米従属姿勢に何度も直面してきた。姿勢を改めなかったつけが北方領土問題にも及んでいる。解決への本気度は米国にどれだけ物が言えるかで測られる。南の米軍基地問題が北の領土問題に影響を及ぼす事態は、日本の対米従属からの脱却が全国的な重要課題であることを国民に突き付けている。対米自立へと転換すべきだ。」


 この社説で、「新報」の「米、沖縄に新型中距離弾道ミサイル配備計画 ロシア側に伝達、2年内にも 基地負担大幅増恐れ」(2019年10月3日)の記事が、「対米自立へと転換すべきだ。」(「新報」)との核心を持つことが理解できた。
改めて確認する。「ロシア大統領府関係者の情報で、中距離ミサイルを沖縄をはじめ日本に配備する計画が米側にあることが分かっている。ロシア側は沖縄に1基でも配備されれば、平和条約の締結や北方領土を巡る交渉を白紙に戻す構えだ。」(「新報」)、ということを。




by asyagi-df-2014 | 2019-10-13 09:09 | 米軍再編 | Comments(0)

陸上自衛隊は、宮古島市で弾薬庫の工事に着手した。

 どういうことなのか。
 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年10月8日の社説は、「陸上自衛隊は、宮古島市城辺保良の採石場『保良鉱山』で弾薬庫の工事に着手した。」、と始められる。
 また、その様子を、「宮古島に今年3月、警備隊約380人が配備された。弾薬庫建設はそれに伴うものだ。早朝に資材を積んだトラック1台が鉱山の敷地内に入ったのが確認された。作業員らが造成工事に向けた準備を進め、反対する住民らは発電機などを積んだトラック2台を一時阻止したが、警察に排除された。」、と伝える。

このことの何が問題なのか。
「新報」は、「弾薬庫に隣接する保良と七又集落は総会で建設に反対する決議をしている。住民理解を得ないまま不意打ちのような着工であり、とうてい認められない。防衛省は直前の住民説明会を『「弾薬庫』と明示せず開こうとしたため約100人が出席を拒否する中で約10人が参加しただけだった。とても説明会とは呼べない。」、と批判する。
 まず、「タイムス」は、「最大の問題は弾薬庫の建設場所が集落に近すぎることだ。」、とこ批判の根拠を次のように行う。


(1)保良集落の最も近い民家まではわずか約200メートルしか離れていない。爆発があれば住民の生命や財産に関わる。
(2)中距離多目的誘導弾や迫撃砲などの弾薬が保管されるとみられる。防衛省は貯蔵する爆薬量を明らかにせず火薬類取締法による保安距離が守られるかどうか検証できない。陸自の教範には「誘導弾が火災に包まれた場合には1キロ以上の距離、または遮蔽(しゃへい)物のかげなどに避難する」と記述。さらに弾頭が火災に包まれてから約2分間で爆発すると言っている。
(3)保良、七又の両集落には約310世帯、約510人が暮らす。高齢者が多い。短時間で、どこに逃げればいいというのか。住民から批判の声が上がるのは当然だ。


 また、「タイムス」は、こうした住民の不安感に加えて、住民の不信感そのものについて伝える。

 
(1)住民が不信と不安を募らせるのは今回のだまし討ちのような着工が初めてではないからだ。説明責任を果たさず、建設を強行するやり方で住民理解が得られるはずがない。
(2)今年4月、住民へ何の説明もないまま分屯地に中距離多目的誘導弾や迫撃砲などを保管していたことが発覚した。
(3)防衛省は弾薬類を保管している施設を「弾薬庫」とせず「保管庫」と呼称。保管するのは「警備に必要な小銃弾・発炎筒など」と住民説明会で繰り返した。弾薬庫は造らないとも明言していた。うそをついていたのである。
(4)住民らは「説明と違う」と猛反発。当時の岩屋毅防衛相が国会で陳謝し、弾薬は島外にいったん撤去された。その弾薬などを保良鉱山の弾薬庫に集約する考えなのだ。


 「タイムス」は、何が問題なのかを明確に指摘する。


(1)宮古島は飲料水のすべてを地下水に頼る。部隊配備と訓練、弾薬庫建設に伴い地下水を汚染する懸念が拭えない。
(2)防衛省は警備部隊に加え、本年度末ごろに地対空・地対艦ミサイル部隊を配備する。完成すればこれらのミサイルも保管することになる。
(3)中国を念頭に置いた軍事拠点化である。中国が大量に保有する弾道ミサイルは北海道から与那国島まで日本列島全域を射程内に収めている。
(4)有事になれば軍事施設が標的になる。沖縄本島では辺野古新基地の建設が進む。日米軍事一体化の中で偶発的な衝突が起き、沖縄が巻き込まれる恐れが消えない。


 さて、何が問題なのかを考えると、次のことになる。


1.「最大の問題は弾薬庫の建設場所が集落に近すぎることだ。」(「タイムス」)ということ。
2.「宮古島は飲料水のすべてを地下水に頼る。部隊配備と訓練、弾薬庫建設に伴い地下水を汚染する懸念が拭えない。」ということ。
3.「中国を念頭に置いた軍事拠点化である。」(「タイムス」)として沖縄が位置づけられていること。
4.そうしたなかでは、「日米軍事一体化の中で偶発的な衝突が起き、沖縄が巻き込まれる恐れが消えない。」ということ。
5.結局、沖縄は『標的の島』になるということ。



by asyagi-df-2014 | 2019-10-11 07:22 | 米軍再編 | Comments(0)

核弾頭が搭載可能な中距離ミサイルの日本への配備。

 表題について、琉球新報(以下、「新報」)は2019年10月3日、次のように報じた。


①「中距離核戦力(INF)廃棄条約が8月2日に破棄されたことで、条約が製造を禁じていた中距離弾道ミサイルの新型基を、米国が今後2年以内に沖縄はじめ北海道を含む日本本土に大量配備する計画があることが2日までに分かった。琉球新報の取材に対し、ロシア大統領府関係者が水面下の情報交換で米政府関係者から伝えられたことを明らかにした。その情報によると、米国は2020年末から21年にかけての配備を目指し日本側と協議する。配備されれば基地機能が一層強化され、核戦争に巻き込まれる恐れが高まり、沖縄の基地負担が飛躍的に増す。」
②「米国の軍事戦略に詳しい専門家は『米軍基地が集中している沖縄は配備場所になり得る』と指摘。米メディアも沖縄配備の可能性に触れている。」
③「INF条約破棄後の軍事情勢に詳しい軍事評論家の前田哲男氏は、PAC3が既に配備されている嘉手納基地と、イージス・アショア配備予定の秋田市・新屋演習場、山口県萩市・阿武町のむつみ演習場に追加配備ないし用途変更される可能性を指摘した。神奈川県の横須賀や長崎県の佐世保、うるま市のホワイトビーチに、新型ミサイルを登載した原子力潜水艦が頻繁に寄港することを公にする公算も大きいとした。」
④「条約撤廃後、米中ロによる新型ミサイル開発競争が進む『新冷戦』といわれる情勢下で、沖縄は日本復帰前に大量の核兵器が置かれ、東西冷戦の最前線だった時代と似た危険な状態に陥る可能性が高まっている。ただ地元や世論の反発などにより、日本政府が配備に合意するかどうかは不透明な要素も残る。」
⑤「ロシア大統領府関係者によると、8月26日にワシントンで、INF条約失効を受けてアジアにおける米国の新戦略をテーマにした会議が開かれ、新型ミサイルの配備地として日本、オーストラリア、フィリピン、ベトナムの4カ国が挙がった。韓国も米国の同盟国だが、非核化に向けた米朝交渉が進められているため当面は除外された。」
⑥「日本配備は沖縄と、北海道を含む本土が対象で、中でも沖縄配備について米国は当然視しているという。同関係者は、近く新しく策定されるアジア太平洋地域での米軍プレゼンス拡大計画で、沖縄の米軍基地の重要性が再確認される可能性が大きいとも指摘した。尖閣諸島や南沙諸島を巡り米中が艦船を攻撃するなどの限定紛争が2、3年内に起きると想定し、米国は在沖米軍基地の機能を重視しているという。」
⑦「ロシアとしては、南方の沖縄であっても日本に新型ミサイルが配備されればロシアの極東も射程に入るため、北方領土交渉や日ロ平和条約締結は白紙になるとの見通しを示した。米国はロシア側に新型ミサイルのアジア配備はあくまで中国をけん制するための措置であり、ロシアは懸念する必要はないと説明しているという。しかし、ロシア側は新たな脅威と捉え、新防衛システムを導入する方針で、配備されれば、『そこにロシアのミサイルが向けられる』と明言した。」
⑧「米国が開発中の新型ミサイルは、車載・移動式と潜水艦搭載用新型トマホークがあり、いずれも核弾頭装備が可能。威力は10~50キロトンの範囲で選べ、最低でも広島に投下された原爆(12キロトン)級の威力がある。配備の是非を巡っては非核三原則との整合性も問われそうだ。」
⑨「配備計画の有無に関する琉球新報の質問に対し、米国務省は米国防総省に聞くよう返答し、国防総省は2日までに回答はない。」
(新垣毅)


 この米国による「中距離弾道ミサイルの新型基の沖縄はじめ北海道を含む日本本土への大量配備計画」は、実に深刻な問題である。
 当然、『目下の同盟』である日本政府は、米運再編の路線に添った沖縄の要塞化や日本全国の要塞化に、臨んでいくことになる。
このことについて、「新報」は2019年10月4日、「米国の新型中距離弾 沖縄配備許してはならぬ」、と緊張感の中で論評した。
「新報」の指摘は次のもの。


(1)核弾頭が搭載可能な中距離ミサイルを、米国が沖縄をはじめとする日本に配備しようと計画していることが明らかになった。米中ロによる新たな冷戦構造の中で、沖縄が恒久的なミサイル基地に位置付けられかねない危険な計画だ。何としても阻止しなければならない。
(2)東西冷戦時代の米国とソ連の軍拡競争は、世界中を核戦争の恐怖に陥れた。1962年のいわゆるキューバ危機では、ソ連がキューバでミサイル基地建設に動き、米国がその撤去を求めて艦船と航空機で海上を封鎖した。全面核戦争の一歩手前まで緊迫した。米施政権下にあった当時の沖縄も無縁ではなかった。ソ連極東地域などを標的とする在沖米軍基地には、核搭載の巡航ミサイルが配備されていた。米軍内で沖縄のミサイル部隊に核攻撃命令が誤って出され、現場の指揮官の判断で回避されたこともある。
(3)欧州では、77年にソ連が弾道ミサイルSS―20を東欧に配備し、米・NATO側は対抗措置として地上発射型トマホーク巡航ミサイルとパーシングⅡ弾道ミサイルを英、西独、伊などに持ち込んだ。
(4)軍拡競争を恐れた市民による反核運動が欧州全土に広がり、87年の「中距離核戦力(INF)廃棄条約」調印へ米ソを動かした。両国は地上配備の中・短距離核ミサイルの全廃に合意し、東西冷戦は終結に向かっていった。
(5)しかし、トランプ米大統領はINF廃棄条約の破棄を表明し、8月に条約が失効した。30年以上も禁止されていた中距離ミサイルの発射実験に踏み切り、対抗してロシアのプーチン大統領もミサイル開発の再開を表明した。
(6)米国には、条約に縛られずミサイル増強を続ける中国への危機感がある。だが、ひとたび大国間の軍拡競争が始まれば制御不能というのが冷戦の教訓だった。核戦力廃棄の枠組みに中国を引き込むことこそが米国の責務だ。


 ここで、「新報」は、米軍再編の枠組みの中で、沖縄だけでなく全国各地が軍事要塞化される危険を指摘する。


(1)日本に配備される場合の候補地として、PAC3が配備される米軍嘉手納基地や、イージス・アショア配備候補地の秋田市と山口県萩市も可能性があるとの見方がある。
(2)ミサイル防衛の名の下に進められてきた装備は、容易に攻撃用に転用できる。既に米国のミサイル戦略の最前線として日本、沖縄が着々と組み込まれてしまっている。
(3)東アジアには朝鮮半島の南北分断や中台問題など、冷戦時代に生じた紛争の火種が今も残る。さらに米中対立が強まる中での中距離ミサイルの配備は、新たな「火薬庫」を持ち込むようなものだ。
(4)ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す。基地機能の強化という以上の、壊滅的な被害をもたらしかねない。


 結局、新法は、「県は情報収集を急ぎ、日米両政府に対してミサイル配備を断固拒否する姿勢を早期に打ち出すべきだ。」、と断じる。


 確かに、この問題は、「米中ロによる新たな冷戦構造の中で、沖縄が恒久的なミサイル基地に位置付けられかねない危険な計画」、と捉えるべきことだ。
 したがって、「米中対立が強まる中での中距離ミサイルの配備は、新たな『火薬庫』を持ち込むようなものだ。ミサイルの配備地は米国が敵と想定する国から標的とされる脅威が増す。基地機能の強化という以上の、壊滅的な被害をもたらしかねない。」、ということを肝に銘じなけねばならない。




by asyagi-df-2014 | 2019-10-10 09:57 | 米軍再編 | Comments(0)

日米地位協定を考える糧として。

 「日米地位協定によって捜査権が侵害される。主権国家といえるのだろうか。」(沖縄タイムス)。
実は、この言葉が言い尽くしているのではないか。
 日米地位協定を考えるとは、日本の主権について考えるということだ。
 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年9月25日、「[オスプレイ墜落 書類送検]米軍に国内法適用せよ」、と社説で論評した。
「タイムス」の指摘は次のもの。
まずは、事実に関して。


(1)米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが2016年12月に名護市安部沿岸部に墜落し大破した事故で、中城海上保安部は24日、航空危険行為処罰法違反容疑で、事故機の機長を被疑者不詳のまま那覇地検に書類送検した。
(2)機長は空中給油訓練中に、業務上の注意を怠り、給油機の装置とオスプレイのプロペラを接触させ、破損。沿岸部に墜落させ、機体を大破させた。
(3)海保は事故直後から、人物特定などの捜査協力を米軍当局に要請していた。米側は要請を無視し、回答はこれまでなかった。
(4)当時、米軍の規制に阻まれ、現場の海域に近づくこともできず、立ち入りできたのは、米軍が「物証」の機体や残骸の回収後。事情聴取もできないまま、捜査は難航。時効成立は12月に迫っていた。
(5)同型機は事故と同じ日に米軍普天間飛行場では胴体着陸していた。だが、事故原因が究明されないまま、わずか6日で飛行を再開。3週間余り後に事故を発生させた空中給油訓練を再開している。


 そして重要なことは、「県民を愚弄(ぐろう)するかのような訓練強行を日本政府は追認した。」(「タイムス」)、ということであった。
 また、「被疑者は米兵であるのは間違いない。米軍の報告書によると、『困難な気象条件下で、空中給油訓練を行ったパイロットの操縦ミス』と原因も分かっている。にもかかわらず、被疑者の人物特定などの米側の捜査協力を得られず、うやむやのまま、捜査が終結することに納得できるはずがない。」、と「タイムス」は断じる。


 「タイムス」は、「これまでも同じようなことが繰り返されてきた。」、と。

(1)04年8月に沖縄国際大で起きた普天間飛行場所属の大型ヘリコプターが墜落した事故でも、米側から米兵の氏名の通知を拒否された。その結果、県警は同法違反容疑で整備兵4人を被疑者不詳のまま書類送検。那覇地検は不起訴処分にした。
(2)沖国大ヘリ墜落事故では米軍が一方的に規制線を張って現場を封鎖し、県警の現場検証や消防の火災原因調査を拒んだ。地位協定とその合意議事録で、基地外でも米軍の財産の捜索や検証は同意なしにはできないとされているためだ。
(3)17年10月の東村高江の民有地に大型輸送ヘリが不時着炎上した事故も、県警の現場立ち入りは認められず、米軍が機体や土壌を回収した。


 最後に、「タイムス」は、次のこと指摘する。


(1)第2次世界大戦の敗戦国であるドイツとイタリアの地位協定では、米軍の訓練に国内法が適用されている。
(2)日米政府は国内の米軍機事故に関するガイドラインを改定し、警察や消防の規制区域内立ち入りで「迅速かつ早期の立ち入り」を可能とすると追記した。迅速な現場立ち入りといっても「相互の同意に基づく」という言葉は残り、米側の同意がなければできないことは変わりない。
(3)全国知事会も米軍に航空法などの国内法を適用することを要請している。小手先の運用改善では事態は変わらない。抜本改定が急務だ。


 確かに、主権国家として、日米地位協定の抜本改定が必要だ。



by asyagi-df-2014 | 2019-10-05 09:08 | 米軍再編 | Comments(0)

在沖米海兵隊による、民間港の軍事利用は許されない。

 どういうことなのか。
「在沖米海兵隊が17日と21日に本部町の本部港を使用すると県側に通告した。」、と琉球新報(以下、「新報」)は伝える。
沖縄の民間港の軍事利用について、「新報」は2019年9月16日、「米軍の民間港使用 自粛要請に応じるべきだ」、と論評した。
「新報」の批判は、次のものである。


(1)在沖米海兵隊が17日と21日に本部町の本部港を使用すると県側に通告した。米軍伊江島補助飛行場での訓練に必要だとして海兵隊の船舶を出入港させる計画だという。民間港である本部港の軍事利用は認められない。
(2)港湾管理者の県によると海兵隊は10日、本部港管理事務所に港使用の通告書を提出した。これに対し県は11日と13日の2度にわたり口頭で使用を自粛するよう求めたが、海兵隊は応じない姿勢を示したという。甚だ遺憾だ。
(3)離島県の沖縄にとって民間空港・港湾は住民の移動や物資の流通を支えるライフラインだ。産業・経済活動の大切な拠点でもある。特に本部港は本島北部の観光地が集積する周辺環境や自然景観の美しさも相まって高く評価されており、海外クルーズ船の寄港地としても整備が進む。
(4)県が今回、米軍の使用通告に対して「住民が不安がる恐れがあるほか、一般の船舶が使用するので民間港湾の使用は控えてほしい」と求めたのは至極当然のことだ。県によると米軍が本部港を使用したことはない。今回は、うるま市沖でのパラシュート降下訓練の救助用で活用している全長約10メートルのゴムボートを使用する計画で、伊江島での降下訓練に参加させる目的があるとみられている。
(5)伊江島補助飛行場には昨年、強襲揚陸艦の飛行甲板を模した着陸帯「LHDデッキ」が完成している。伊江島での米軍訓練激化の動きと併せて対岸である本部港の使用通告に注視する必要もあろう。
(6)過去に米軍船舶が使用した県内の民間港は4港だ。海軍の掃海艦が2007年6月に祖納港(与那国町)、09年4月に石垣港(石垣市)、10年9月に平良港(宮古島市)に入港した。16年には1月、10月に伊江港(伊江村)に米陸軍の揚陸艇が入港している。
(7)海軍掃海艦が07~10年に先島の各島に寄港した際に米軍は「親善・友好訪問」や「乗組員の休養」を理由に掲げていた。いずれも県や地元自治体が反対する中で寄港を強行した。「親善・友好」とは懸け離れた傲慢(ごうまん)な行動だったが、実際には水深や形状などをつぶさに調べるなど有事を想定した事実上の軍事利用であったことが明らかになっている。


 「新報」は、次のこと夫要求する。


(1)米軍が民間の空港・港湾を使用するのは日米地位協定に基づいている。日米防衛協力指針では有事の際のその運用拡大も打ち出されている。過重な基地を背負う沖縄にこれ以上軍事拠点を増やすことは到底許されない。米軍の特権的地位を保障した地位協定の改定も改めて問われる。
(2)米軍の民間空港・港湾の使用は緊急時などに限定すべきであり、県の要請を受け入れて本部港の使用は断念してもらいたい。県は日本政府にも自粛について申し入れている。沖縄の基地負担軽減が政権の「最重要課題」と繰り返すのであれば、少しは結果を見せるべきではないか。


 確かに、沖縄県にとって民間空港・港湾の位置づけは非常に高い。誰でも次のことは気づくことではないか。


(1)離島県の沖縄にとって民間空港・港湾は住民の移動や物資の流通を支えるライフラインだ。
(2)産業・経済活動の大切な拠点でもある。
(3)特に本部港は本島北部の観光地が集積する周辺環境や自然景観の美しさも相まって高く評価されており、海外クルーズ船の寄港地としても整備が進む。


 あまりにも、軍事的植民地主義と「目下の同盟」の有り様はむごい。




by asyagi-df-2014 | 2019-09-26 06:05 | 米軍再編 | Comments(0)

結局は、人の命を削り続けられることに。(3)

 第1次嘉手納基地爆音差し止め訴訟から37年が過ぎた。
 しかし、今回の第3次控訴審判決もまた、「判決は、またも米軍機の運用を『第三者行為論』で退けた」(琉球新報)、というものでしかない。
 確かに、「池宮城紀夫弁護団長(79)『本当に情けない判決だ。国が国民の生存権や人権を守らない。糾弾せざるを得ない』と怒りをあらわにした。」(琉球新報)、ということに尽きる。
 沖縄は、37年以上前から命を削られ続け、これからもそのことを強制され続けるとしたら、何のために、国は、司法はあるのか。
このことは、やはり、『辺野古が唯一の選択』が、結局は人の命を削り続けることを証明する。


 信濃毎日新聞(以下、「信濃毎日」)は2019年9月13日、「夜は静かに眠りたい―。沖縄の人々の当然の願いは、今回も届かなかった。」、と社説で論評した。
「信濃毎日」の爆音被害をめぐる人権無視の判決についての指摘は次のものである。


(1)米軍嘉手納基地の騒音被害を巡る第3次爆音訴訟の控訴審判決で福岡高裁那覇支部は、原告の飛行差し止め請求を退けた。「基地管理は米軍に委ねられており、日本政府が規制できる立場にない」と理由を述べた。
(2) 政府には国民の人権を守る権限がない、と言っているのに等しい。「立場にない」なら、米国と対等な関係を築くよう政府や国会に強く迫るべきだろう。
(3)旧日本軍の飛行場を拡張した嘉手納基地は嘉手納町、北谷町、沖縄市にまたがり、極東最大級の米空軍施設とされる。昼夜を問わず訓練が繰り返され、周辺の住民は「音につぶされる」ような苦痛を強いられている。
(4)住民による第1次提訴は1982年。第2次、今回の第3次でも裁判所は、国に慰謝料の支払いを命じている。飛行差し止めは一度も認めていない。
(5)各地の基地で続く住民訴訟も同様だ。横田、厚木両基地の米軍機について「国は運航を規制できる立場にない」とした、93年の最高裁判例が維持されてきた。


 何が、問題なのか。


(1)航空特例法により、米軍は飛行や運航に関し、航空法の多くの規定の適用を除外される。国土交通相への飛行計画の通報義務はなく承認を得る必要もない。特例法は1952年に制定された。いまなお、政府が最低限の対応さえ取れないのなら、撤廃するほかあるまい。
(2)日米両政府は96年に騒音防止協定を結んだ。航空法に基づく低空飛行訓練の実施、人口密集地の飛行への「妥当な考慮」も確認してきたものの、守るかどうかは米軍任せになっている。
(3)那覇支部は判決で、騒音防止協定が守られているとは言い難く、「日本政府が履行を求める実効的な措置を取った事実を認める証拠はない」と指摘した。
(4)騒音だけではない。度重なる米軍機の事故や、軍人・軍属による犯罪に、とりわけ沖縄県民は苦しめられてきた。
(5)安倍晋三政権は7月、基地外で起きた米軍機事故の対応ガイドライン(指針)を改定したことを誇示した。が、日本側の現場への立ち入りに同意する裁量は米側に残されたままだ。


 だから、「信濃毎日」は、明確に、「60年に発効した日米地位協定、その運用の根拠となっている合意議事録の存廃も含め、不平等な現状を抜本的に見直さない限り、問題は解決しない。」、と断じる。


 やはり、「信濃毎日」の「 福岡高裁那覇支部は、原告の飛行差し止め請求を退けた。「基地管理は米軍に委ねられており、日本政府が規制できる立場にない」と理由を述べた。政府には国民の人権を守る権限がない、と言っているのに等しい。『立場にない』なら、米国と対等な関係を築くよう政府や国会に強く迫るべきだろう。」、との見解を肝に銘じたい。




by asyagi-df-2014 | 2019-09-25 07:15 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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