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新しい風として、日米地位協定の改訂を。

 朝日新聞(以下、「朝日」)は2019年2月13日、「在日米軍にさまざまな特権を認める日米地位協定について、抜本的な改定を求める動きが強まっている。」との認識の下に、「日米地位協定 国内法の適用を原則に」、と社説で論評した。
 「朝日」の指摘は、次のものである。


(1)過重な基地負担にあえぐ沖縄県の長年の訴えを受け、全国知事会が昨年夏に具体的な見直しを提言。公明党や国民民主党も改定案をまとめた。ところが政府はなお改定に否定的で、運用の改善が現実的との立場を崩していない。
(2)そんななか、在日米軍になぜ日本の法律が適用されないのか、政府が公式な説明を変更していたことが明らかになった。外務省ホームページの「日米地位協定Q&A」の記述が1月に修正されていたのだ。従来は「一般国際法上、特別の取り決めがない限り接受国の法令は適用されず、日本に駐留する米軍も同様」とあった。それが修正後は「一般に、個別の取り決めがない限り、軍隊の性質に鑑み、公務について、受け入れ国の法令の執行や裁判権等から免除される」と、「国際法」の言葉が削除された。
(3)国際法の原則でないのなら、主権国家の判断として、在日米軍に対し日本の国内法を原則適用できるのではないか――。そう思わせる重要な変更だ。
(4)ところが、河野外相は先週の参院予算委員会で「政府の考え方は変わらない」「よりわかりやすくした」と述べるだけだった。納得できない。


 「朝日」の指摘は続く。


(1)実は、政府の説明は一貫していない。1960年に地位協定が承認された国会で、当時の外務省条約局長は「当然日本の法令が原則として適用になる」と答弁した。それが70年代に入ると「国内法は原則不適用」と逆転し、根拠として一般国際法を持ち出すようになった。
(2)そもそも、この一般国際法が何を指すのか、政府は具体的に説明していない。日本弁護士連合会は2014年の意見書で、そのような「一般国際法の規則は存在しない」と政府の見解を真っ向から否定。日本の法令による規制が不十分なまま、米軍機の騒音や米兵による事件・事故など、基地被害が継続・拡大していると指摘した。
(3)ドイツ、イタリアで現地調査をした沖縄県の報告は、両国が「自国の法律や規則を米軍にも適用させることで自国の主権を確立させ、米軍の活動をコントロールしている」と指摘している。同じことが、なぜ日本では出来ないのか。


 この上で、「朝日」は、「政府は国内法の適用を原則とし、必要な改定を米側に求めるべきだ。主権に基づき、国民の生命と人権を守るのは、政府の当然の使命である。」、と断じる。


 あらためて、安倍晋三政権に問う。
「主権に基づき、国民の生命と人権を守るのは、政府の当然の使命」ではないのかと。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-23 07:27 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

軟弱地盤の深さは90メ-トル。「政府が隠し続けてきた『不都合な真実』」とは。

 日本政府は、オスプレイの最後まで明確にしなかったやり方をまたもや踏襲する。
琉球新報(以下「新報」)はそれを、「政府が隠し続けてきた『不都合な真実』」、と指摘する。
「新報」は2019年2月11日、「軟弱地盤深さ90メートル 不可能な工事は即中止を」、と論評した。
「新報」の結論は、次のものである。


(1)米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地は、完成など到底できない。それを裏付ける事実が次々に明らかになっている。
(2)一つは軟弱地盤の深さ、もう一つはその地盤改良工事に使う砂杭(ぐい)の多さである。いずれも政府が隠し続けてきた「不都合な真実」だ。国内に前例がなく、極めて不可能に近い埋め立て工事は民意に背くばかりか、血税の無駄遣いでしかない。新基地建設は即刻中止すべきだ。


 「新報」は、この結論の根拠を次のように示す。


(1)名護市の大浦湾の軟弱地盤は、これまで海面から約70メートルの深さの層まで達していることが防衛省の2014~16年の海底掘削調査で判明していた。しかし、その後の追加調査で、さらに20メートルも深い、海面から約90メートル(水深30メートル、地盤60メートル)の層にまで及んでいることが新たに分かった。
(2)地盤工学が専門の鎌尾彰司日本大学准教授によると、国内の地盤改良工事で実績があるのは深さ50メートル程度までだという。国内の作業船も深度70メートルまでしか対応できない。90メートルという深さの工事は難度が非常に高く、「地盤改良が可能かどうかも想像すらできない」との見解を示す。
(3)日本の土木工事史上、未知の領域となる前代未聞の地盤改良である。安倍晋三首相は国会で「一般的で施工実績が豊富な工法により安定性を確保して行える」と述べたが、根拠は乏しい。いずれ工事が行き詰まることは明白だ。
(4)もう一つ判明したのが砂杭の多さだ。防衛省は昨年末まで、砂杭の本数を護岸・岸壁部で2万本、護岸内の埋め立て部で2万本の計4万本と説明していた。しかし、最近の報告書で護岸部4万本、埋め立て部2万本であることが分かった。さらに、作業船が入れない浅瀬部分でも1万3千本以上の砂杭を打ち込む予定であることが明らかになった。総計は7万6千本超にも上る。環境破壊は避けられない。


 さらに、工期延長と膨れ上がる工費の問題に関して、「新報」は次のように指摘する。


(1)埋め立てに適さない海域に、大型構造物の建設を強行するのは、どだい無理なのである。果たして総工費がどこまで膨れ上がるのか、完了までに何年かかるのか。政府は一切公表しようとしない。
(2)県は独自に工費が約2兆5500億円、工期が13年以上延びると試算したが、これは新事実が判明する前の数字で、さらに増大するのは必至だ。
(3)この間の政府のだまし討ちは許せない。以前から指摘されていた軟弱地盤の存在も隠し続け、今年1月にやっと認めた。情報を隠蔽(いんぺい)して県民をだまし、土砂投入という既成事実を積み上げて、県民の諦め感を狙う魂胆であろう。不誠実を通り越し、県民を愚弄(ぐろう)しているとしか思えない。差別的で植民地のごとき政府の姿勢は、他県の公共工事でも同様にできるだろうか。


 結局、「新報」は、「 政府は埋め立ての難しさを率直に認めて、工費、工期を具体的に県民、国民に説明すべきだ。普天間飛行場の返還を遅らせてはいけない。」、と断じる。


 確かに、次のことが確認できる。


Ⅰ.90メ-トルの「軟弱地盤」の地盤改良は、日本の土木工事史上、未知の領域となる前代未聞のものである。
Ⅱ.防衛省の最近の報告書で護岸部4万本、埋め立て部2万本の砂杭が必要であることがわかった。この総計は7万6千本超にも上る砂杭による地盤改良による環境破壊は避けられない。
Ⅲ.背景にあるのは、日本政府の差別的で植民地主義の姿勢である。それは、「情報を隠蔽して県民をだまし、土砂投入という既成事実を積み上げて、県民の諦め感を狙う魂胆であろう。不誠実を通り越し、県民を愚弄(ぐろう)しているとしか思えない。」、というものである。沖縄からの異論は、「他県の公共工事でも同様にできるか。」という問いかけになる。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-22 07:13 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ4機が米軍嘉手納基地に飛来したことから。(2)

 それにしても、安倍晋三政権は、「沖縄の基地負担軽減」や「沖縄に寄り添う」、とよく言えたものだ。
 この事実は、日本という国の不誠実ぶりを露わすものでしかない。
 日本がいかに主権国家の体をなしていないこかを暴露するものである。
 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年2月6日、「[CV22沖縄で訓練]説明なき一方的運用だ」、と社説で論評した。
「タイムス」の指摘は次のもの。


(1)米空軍横田基地(東京)に配備されている垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ4機が事前通告なしに4日午後、嘉手納基地に飛来した。第18航空団は「定期的な現地訓練の実施を目的とし横田基地への配備後初めて嘉手納基地へ暫定配備される」と英文と日本文で発表した。
(2)米側が自発的に「暫定配備」のニュースリリースを出すのは極めて異例だ。第18航空団司令官も「嘉手納におけるCV22の訓練受け入れは重要である」と言っている。これに対し沖縄防衛局は第18航空団から「訓練のため一時的に飛来していると回答を得た」として、「暫定配備」の否定に躍起になっている。だが、第18航空団はその後も発表文を訂正していない。


 また、「タイムス」は、米側による自発的な「暫定配備」とのニュースリリーについて、次のように指摘する。


(1)数え上げれば切りがないが、防衛局は事実関係を認めない傾向が顕著だ。
(2)辺野古新基地建設問題でMV22オスプレイの配備を明らかにしたのは、環境影響評価(環境アセスメント)の最終段階になってからである。
(3)防衛局が第18航空団から言質を取ったというなら発表文を訂正させるべきである。
CV22オスプレイ4機は5日午前、嘉手納基地を飛び立った。オスプレイは現在どこで訓練しているのか。「暫定配備」の期間や再び嘉手納に戻ってくるのかなど本紙の質問に対し、第18航空団は回答していない。発表文にある「定期的な現地訓練」とは、年間を通じて沖縄で継続して行うという意味なのか。どこの基地を使い、どのような訓練をするのか。訓練だからといってこれらの情報を明らかにしないのは納得できない。


 さらに、「タイムス」は、基地負担増大の事実についても次のように批判する。


(1)沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」は緊急幹事会を開き、対応を協議した。「なし崩し的な運用は絶対に認められない」として、目視調査など現状を把握しながら抗議する方向で一致した。
(2)北側滑走路が修復工事のため閉鎖され、1本の滑走路で運用している。しかし外来機の飛来はやまず過密状態だ。5日には在韓米軍烏(オ)山(サン)基地のU2偵察機が外すべき補助輪を付けたまま離陸し戻っている。基地外で落下していたらと思うとぞっとする。
(3)先月はF15戦闘機2機が1本の滑走路の両方向から緊急着陸する事態が起き、地元の反対を押し切ってパラシュート降下訓練も行われた。
(4)CV22が「暫定配備」されるとどうなるか。基地負担の軽減どころか、増大にしかならないのは明らかである。


 「タイムス」は最後に、CV22の「暫定配備」化を、「日本政府は米軍に物を言わず追従するだけでいいのか。」、と次のように批判する。


(1) CV22は空軍仕様の特殊作戦用で、地形追随装置や電子妨害機能、レーダー探知機能を備える。特殊部隊をひそかに敵地に送り込んだり、紛争地で人質救出したりするため、夜間飛行、低空飛行など過酷な条件下で運用される。
(2)CV22はMV22よりも事故率が高い。もっと危険な環境下で飛行しているのである。MV22に、弾薬も搭載するCV22が沖縄の空を飛び交うようになれば県民はさらに墜落の危険性に脅かされる。
(3)日本政府は米軍に物を言わず追従するだけでいいのか。


 ここでもまた、日本がいかに主権国家の体をなしていないこかを、自らが暴露するのである。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-19 06:20 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ4機が米軍嘉手納基地に飛来したことから。

 それにしても、安倍晋三政権は、「沖縄の基地負担軽減」や「沖縄に寄り添う」、とよく言えたものだ。
 この事実は、日本という国の不誠実ぶりを露わすものでしかない。
 琉球新報(以下、「新報」)は2019年2月6日、「CV22嘉手納飛来 許せない危険と負担増」。と社説で論評した。
「新報」の主張は次のもの。


「米軍横田基地に配備されている米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ4機が米軍嘉手納基地に飛来した。2機が北方への飛行をした後、4機ともタイでの訓練に向かったとみられる。嘉手納基地の周辺住民にとっては、飛来だけでも大きな負担増だ。断じて容認できない。」


 また、「新報」は、次のように指摘する。


(1)昨年10月、横田基地(東京都福生市など)に5機のCV22が正式配備された。正式配備の前から日本全国を飛び回っており、昨年6月に嘉手納基地に初めて飛来した。それ以来2度目だ。その際、警告表示があったとして奄美空港に緊急着陸した。1機はエンジン交換もして1カ月も駐機し、民間機の運航にも影響があった。
(2)固定翼と回転翼を併せ持つオスプレイは当初から機体構造上の不安定さが指摘されてきた。多発する事故がその危険性を証明している。横田基地配備によって、首都圏を中心に日本中が沖縄と同じ危険にさらされるようになった。
(3)CV22の10万飛行時間当たりのクラスA事故率は4・05で、米海兵隊普天間飛行場に配備されているMV22の3・24を上回る。専門家はCV22の方が低空飛行が多い分、事故率が高いと指摘している。
(4)横田基地のCV22は特殊作戦任務に当たる機体である。米政府が作成した配備に関する「環境レビュー」によると、沖縄で離着陸や空対地射撃、夜間飛行訓練などを実施するとしている。


 「新報」は、こうした「危険増と負担増」について、強く抗議する。


(1)事故率のより高いCV22が今後、嘉手納基地を拠点に沖縄で訓練をする可能性がある。「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」が反発を強めるのは当然だ。
(2)そもそも、離着陸時に回転翼機となるオスプレイは嘉手納基地で安全に運用できるのだろうか。
(3)1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で普天間飛行場の代替案として「ヘリポートの嘉手納飛行場への集約」も挙げられていた。それが廃案になった理由の一つが、戦闘機など固定翼機と回転翼機が同居することの危険性だった。民主党政権時代に普天間基地の嘉手納統合案が浮上した際も、断念する理由になった。
 戦闘機が頻繁に飛び交う嘉手納飛行場では、一時的な4、5機の飛来であっても回転翼機である以上、危険性は高まるはずだ。
(4)しかも、嘉手納基地は現在、滑走路1本だけで運用されている。北側の滑走路が補修工事のため閉鎖されているためだ。1月にはその1本の滑走路で、F15戦闘機が向かい合う形で緊急着陸する事態があったばかりだ。U2偵察機が補助輪を付けたまま飛び立ち、間もなく引き返すという事故もあった。
(5)嘉手納基地の危険性はこれまでになく高まっており、住民の苦痛は限界を超えている。「負担軽減はどこに行ったのか」という憤りに日本政府は応える義務がある。


 確かに、安倍晋三政権は、「沖縄の基地負担軽減」や「沖縄に寄り添う」について、真摯に向き合わなければならない。
 それにしても、沖縄にはの休まる時がない。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-18 07:15 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

モラルハザ-ドが極まる。

 この国のあり方は、やはり歪んできているのではないか。
こんなことが平気で行われるのが、今のル-ルであるということなのか。
信濃毎日新聞(以下、「信濃」)は2019年2月5日、「審議委員に寄付 中立性が揺らぎかねない」、と論評した。
どのようなことが起きているのか、「信濃」の指摘は、次のものである。


(1)総務省の審議会の委員8人が、大手携帯電話会社側から研究寄付金を受け取っていたことが分かった。
(2)携帯の料金値下げを議論した審議会だ。いずれも大学教員で、審議の結果が直接影響を及ぼす側から金銭支援を受けていたことになる。
(3)明確な違法性はないが、中立性が揺らぎかねない。委員の立場が企業や業界に偏っているとすれば、公正な審議は期待できない。総務省は把握しておらず、今後調査を行う予定もないという。


 「信濃」は、「容認できない。ただちに全委員を調査するとともに、業界との金銭関係を把握したり制限したりするルールを設けるべきだ。」、と結論づけるとともに、次のように追求する。


(1)寄付金の総額は、就任前に受けた分を含め、2010年から18年までに計4330万円に上る。下部組織を含む審議会の委員は28人。このうち国立大学の研究者10人について共同通信が大学に情報公開請求して判明した。
(2)私立大学や民間企業に所属する委員もいるが、情報公開の対象になっていない。8人以外にも業界側から金銭支援を受けている委員がいる可能性がある。
(3)受け取っていた委員は審議への影響を否定している。結果的に問題なかったとしても、公正に議論されているという信頼が必要だ。研究者のモラルが問われる。


 さらに、「信濃」は、問題を掘り下げる。


(1)これ以外に、経済産業省の審議会でも、委員3人が計3900万円の寄付金を受け取っていたことが判明している。都市ガスの規制緩和を議論する審議会で、日本ガス協会が寄付していた。
(2)国は大学向けの補助金を削減しており、多くの研究者が資金不足に悩む。業界からの寄付について透明性を高める必要がある。
(3)委員と業界の金銭関係を制限している国の組織もある。
(4)原子力規制委員会は、委員就任時に原子力事業者からの寄付を公表し、在任中は受けられないと定めている。新薬について話し合う厚生労働省の審議会は、直近3年以内に受け取った寄付金額によっては審議や議決に参加できないとの決まりを設けている。
(5)内閣府によると、法律や国の制度に関して専門家らが議論する審議会は17年8月時点で各省庁に計129ある。そこに、部会や分科会などの下部組織が連なる。著名な学者は複数の審議会の委員を兼ね、役所側には、発言力のある専門家に頼る構図がある。


 だから、「信濃」は、「政策立案過程の客観性を保てるのだろうか。この機会に、全ての審議会について委員と業界の関係を検証すべきだ。」、と主張する。


 確かに、本来は、研究者のモラルが問われているのだが、一顧だにしないのが現在の研究者の姿だとしたら、その研究者がもたらす成果は、人を幸福には導かない。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-17 10:29 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

改めて、6万本の杭打ちとは。

 改めて、6万本の杭打ちについて考える。
 このことについて、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年2月4日、「[大浦湾に杭6万本]環境アセスをやり直せ」、と社説で論評した。


 「タイムス」は、この杭打ちについて、「辺野古・大浦湾の自然環境や生物に取り返しのつかない工事となることは間違いない。即刻中止を求める。」、と結論づける。
 その理由について、次のように指摘する。


(1)名護市辺野古の新基地建設工事を巡り、政府が軟弱地盤の改良工事に約6万本の砂の杭(くい)を打ち込む工法を検討していることがわかった。杭打ちは大浦湾の埋め立て予定海域の広範囲にわたる。工期が長期化し、費用も膨れあがるだけでなく、環境に致命的ダメージを与える懸念が拭えない。
(2)水深30メートルの海底に深さ40メートルにわたって地盤の強度が「ゼロ」のマヨネーズ状の軟弱地盤が広がる。地盤改良には70メートルの砂の杭を打たなければならず、難工事となることが予想される。
(3)防衛省沖縄防衛局は護岸部分と埋め立て部分に分けて工法を検討しているという。護岸部分は軟弱地盤に締め固めた砂杭(すなぐい)を大量に打ち込んで密度を高め、地盤を強化する「サンドコンパクションパイル」、埋め立て部分は地盤の液状化を防ぐため砂杭で水分を抜く「サンドドレーン」と呼ばれる工法である。
(4)大量の砂をどう調達するか。県外からの砂には外来種混入の恐れがある。水質の濁りも避けられないだろう。サンドコンパクションパイル工法では砂だけでなく、金属の精製過程でできる「スラグ」を混ぜることを想定していることも問題だ。鉄分がにじみ出れば水質が変化する。専門家は「サンゴは動けず水質の変化を直接受け、死滅する可能性がある」と警告する。


 また、この間の安倍晋三政権の対応のあり方にも次のように指摘する。


(1)防衛局は2014年から16年にかけて実施したボーリング調査で軟弱地盤の存在を確認している。市民らの情報公開で18年に明らかになった。しかし政府が軟弱地盤の存在を認めたのはついこの間である。
(2)先月30日の衆院代表質問で、安倍晋三首相は大浦湾が軟弱地盤で、地盤改良が必要である、などと答弁した。31日には県に設計変更を申請することを明らかにした。玉城デニー知事は新基地建設反対が選挙公約であり、変更申請は認めない構えだ。
(3)防衛局は当初、大浦湾側から埋め立て作業を始める計画だったが、辺野古側から着手している。見通しの立たない軟弱地盤の問題を先送りし、埋め立ての既成事実を積み重ねるために辺野古側の浅い海域から手掛けたのだろう。不誠実極まりない対応だ。

 

 結局、「タイムス」は、6万本の杭打ちの問題に対して、次の問題点を突きつける。


 
(1)政府は工期や費用について明らかにすることができない。県は工事に13年、費用は2兆5500億円と試算している。軟弱地盤の改良工事が難航すれば工期、費用とももっと膨らむに違いない。
(2)工事に際して政府が示しているのは12年に県に提出した環境影響評価(環境アセス)の評価書を手直しした補正評価書である。ジュゴンの絶滅リスクを低く見積もるなど補正後も問題が多かった。


 この上で、「タイムス」は「軟弱地盤は補正段階で想定していなかった重大な事実だ。大規模な杭打ちが行われるのである。政府は環境アセスをやり直すべきである。」、と断じる。


 当然のことである。
 安倍晋三政権は、環境アセスをやり直さねけねばならない。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-16 19:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

実は、「沖縄に寄り添う」の意味が問われている。

 高知新聞(以下、「高知」)は2019年2月4日、「【辺野古移設】設計変更なら説明が要る」、と論評した。
「高知」は、「県民の総意を反映できる投票が実現することを歓迎したい。」、と次のように主張する。


(1)沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について賛否を問う県民投票に、全41市町村が参加することになった。
(2)県議会では昨年10月に投票条例が成立したが、5市長が12月以降、市議会の議決を踏まえる形で不参加を表明していた。5市の有権者は約36万人と県全体の約3割に上る。
(3)県議会は賛成、反対のみだった選択肢に「どちらでもない」を加えて3択とする改正条例案を賛成多数で可決。これを受けて5市長が県民投票の実施を表明した。
(4)全県民が参加できない投票では民意に疑義が指摘されかねなかった。民主主義、地方の自己決定権とは何かが問われてきた辺野古問題で、県民の総意を反映できる投票が実現することを歓迎したい。


(1)条例は、最も多い得票だった選択肢が投票資格者の4分の1に達した場合、知事は結果を尊重しなければならないと定めている。辺野古移設に反対する玉城デニー知事は、県民投票で反対多数を得てより明確な沖縄の民意を示し、着々と移設工事を進める政府に断念を迫る戦略がある。むろん、5市長が反対理由としていた「結果によっては普天間への固定化につながる」という考え方もあろう。選択肢の増加で県にとってはハードルが上がるが、まずは24日の県民の意思表示を注視したい。
(2)一方で、昨年12月から土砂投入を強行してきた政府が見せている新たな動きが気にかかる。政府は、埋め立て予定海域に存在する軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更に今春にも着手する方針を固めている。安倍首相も通常国会で「地盤改良工事で、安定性を確保して埋め立て工事を行うことが可能だと聞いた」と答弁した。
(3)軟弱地盤の存在は、昨年11月の政府との集中協議でも県側が指摘していた。地盤の改良工事となれば、工期や費用に影響が出ることは避けられない。
(4)防衛省はこれまで、辺野古の新施設の総事業費を3500億円以上としてきた。しかし、県独自の試算では、軟弱地盤の改良工事が加われば最大2兆5500億円に膨らみ、工期も防衛省が示した5年から13年に延びるとしている。辺野古移設の全体像は大きく変わる。
(5)玉城知事は、首相答弁を受け「軟弱地盤の存在を認めたのだから、即刻工事を中止して県と話し合うべきだ」と主張している。何より、工費や工期がどう変わるかは県民投票に臨む有権者にとっても重要な判断材料になろう。


 最後に、「高知」は、「仮に県の試算は違うというのであれば、政府は県民投票の前に工事の実像について、県と対話し、県民に説明すべきではないか。菅官房長官は昨秋、県民投票の工事への影響を『全くない』と言い切っている。県民に情報を与えず、意思をくみ取らず、既成事実化だけを急ぐ手法が『沖縄に寄り添う』とはとても言えまい。」、と断じる。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-16 07:11 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

軟弱地盤に杭6万本の工事とは。琉球新報は、「荒唐無稽な工事をやめよ」。

 軟弱地盤に杭6万本の工事とは。
 何ともイメ-ジがわかないのであるが、琉球新報の「荒唐無稽な工事をやめよ」が、ドスンと胸に落ちる。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年2月3日、「軟弱地盤に杭6万本 荒唐無稽な工事をやめよ」、と社説で論評した。
「新報」は、新基地建設で都合の悪い情報をひた隠しにしてきた安倍新政権への批判は、次のものである。


(1)米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、政府は大浦湾の約57ヘクタールの海域に、砂の杭約6万本を水深70メートルまで打ち込む工事を検討していることが明らかになった。現場海域が軟弱地盤のため、大規模な地盤改良が必要なためだ。専門家がこれまで「マヨネーズ並み」の地盤と指摘してきたことが裏付けられた。
(2)安倍晋三首相は1月30日の衆院代表質問で、大浦湾の埋め立て予定海域に軟弱地盤が存在し、改良工事が必要になるとの考えを政府として初めて表明した。そもそも軟弱地盤であることは防衛省が2014年から実施した海底ボーリング調査で判明していた。16年3月までにまとめた報告書には地盤の強度を示す「N値」が最も軟弱な「ゼロ」の地点が複数確認されていたからだ。
(3)それにもかかわらず、政府は軟弱地盤による地盤改良の必要性を最近まで認めてこなかった。新基地建設で都合の悪い情報をひた隠しにしてきたとしか思えない。


 また、「軟弱地盤」についても、次のように押さえる。


(1)N値とはボーリング調査の杭を海底30センチまで到達させるためにハンマーで打ち込む回数を指す。重さ63・5キロのハンマーを76センチの高さから杭に向けて落下させる。杭を30センチまで打ち込むまで、何回落下させる必要があるかで地盤の強度が分かる仕組みだ。
(2)N値がゼロというのはハンマーを一度も落とさないのに、杭の重みだけで30センチまで沈み込む地盤のことだ。つまり軟弱の極みにあるということだ。「マヨネーズ並み」という表現が決して大げさではないことが分かる。


 この上で、「新報」の荒唐無稽な工事との主張の根拠を次のように示す。


(1)そんな軟らかい海底に、ケーソンと呼ばれる巨大な酒升状のコンクリートの箱を数珠つなぎに並べて護岸を設置しようとしていた。荒唐無稽な工事であり、どだい無理な話だった。
(2)だからこそ、当初の埋め立て申請にはなかった砂杭を6万本打ち込む工事をしなければならなくなった。無理に無理を重ねているのだ。
(3)砂杭とは軟弱地盤に鋼管を差し込み、管の上部から砂を投入して締め固め、杭状の砂を地盤に打ち込むものだ。6万本となると膨大な砂が必要になるだろう。工期も費用も大幅にかさむことになる。このため県は工期が13年以上に延び、費用も約2兆5500億円に膨らむと試算している。血税を湯水のように使うほど価値のある工事なのか。
(4)政府は地盤改良工事をするため、県に対して埋め立て承認の計画変更を申請するようだ。しかし県は計画変更を承認しない可能性が高い。なぜなら県は承認を撤回した理由の一つに、軟弱地盤を挙げていたからだ。

 「新報」は、最後に、「大浦湾の海域は県が『自然環境の保全に関する指針』の中で、最も保全する必要があるとする『ランク1』に指定している。貴重なサンゴが生息する美しい海をこれ以上破壊することなど許されない。」、と結論づける。


 確かに、沖縄県による「承認の撤回」では、「軟弱地盤」の問題が指摘されいる。
 なのに、このことを全く顧み見ようとしなかったのが安倍晋三政権である。
 今さら、「杭6万本の工事」と言われても、何を信じろというのだろうか。それも、工期期間も必要な経費をまたもや示さずにやろうというのだから、ハッキリ言って、「荒唐無稽」であることは間違いない。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-15 07:13 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

新しい風の一つ-東京新聞社説から-

 東京新聞(以下、「東京」)は、2019年2月2日の社説で、「迷走していた沖縄県民投票はようやく、予定通り今月二十四日に全県で実施の運びとなった。安倍政権が推し進める辺野古新基地建設は是か非か-。沖縄の自己決定権の行方を全国民が注視したい。」、と評した。
 「東京」の24日までの沖縄県の動きについて、次のように指摘する。


(1)県民投票は新基地建設に伴う辺野古埋め立てを賛成、反対で問う形式で計画されたが、県議会は一月二十九日、「どちらでもない」を加える条例改正を行った。
(2)議会内の調整に反し野党自民党から造反者が出て、全会一致とならなかったのは残念だ。ただ、当初の二択では普天間飛行場返還も絡めた多様な意見が反映されないなどとして、投票不参加を表明していた宜野湾市、沖縄市など五市が方針転換。三割もの有権者が投票できない事態が回避されたことは歓迎したい。
(3)五市の市長は政権に近い関係にあるとされる。自民党国会議員が県内市町村の議員に投開票関連予算案の否決を促す資料を配っていたことも判明した。投票不参加は政権の意向に沿った判断だと批判が起きたのもうなずける。
(4)一方、投票実施を推進した玉城デニー知事、県政与党にも一部市町村の反発は予想できたのに対話不足で突き進んだ落ち度がある。
(5)条例改正は客観的必要性より政治的妥協の結果だ。市長が市民の投票権を奪えるかなど、法的検証も棚上げとなるがやむを得まい。


 この上で、「東京」は、沖縄県民と日本国民に向けて、次のように主張する。


(1)条例制定を請求した市民グループ代表の若者が五市の投票参加を訴えハンガーストライキを決行。約六千五百筆の署名を集めたのも県議会を動かす契機になった。こうした思いは無駄にできない。
(2)この上で県民には、投開票まで新基地の必要性についていま一度考え、議論を深め、高い投票率で民意を示すよう望みたい。県には十分な判断材料の提供を望む。
(3)政権は昨年末来、土砂投入、新護岸の建設着手と辺野古で既成事実の積み重ねを図る。県の埋め立て承認撤回を巡っては再び法廷闘争が見込まれる。
(4)国策遂行に地方の意向は無関係か、住民に自己決定権はないのかがまさに問われている。三択で結果がぼやける側面はあろうが、ここで県民の意思を明らかにする意義はやはり大きい。
(5)知事選や国政選挙で新基地反対の民意は示されているのに、なぜまた県民投票なのか。沖縄への基地押しつけを容認してきたことが原因だと、この際全国民もきちんと理解すべきだ。投票の結果次第では、負担分散の在り方を真剣に考えてゆく必要がある。



by asyagi-df-2014 | 2019-02-14 11:42 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

新しい風の一つ。沖縄県民投票の成功をともに。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年2月2日、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、不参加意向を示していた宜野湾、沖縄、石垣の3市長が1日、参加を表明し、全市町村で24日の投票実施が決まった。玉城デニー知事は『41市町村と密接に連携を図りながら県民投票が適正、円滑に実施できるよう取り組む。県民の皆さまには貴重な1票を投じてほしい』とのコメントを発表した。」、と沖縄県民投票の全県実施について、伝えた。
 また、このことについて、「タイムス」は同日、「[県民投票 全県で実施]早急に機運盛り上げよ」、と社説で論評した。
「タイムス」の「土壇場の歩み寄りを歓迎したい。」とするこのことに関連する指摘は次のものである。


(1)米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る県民投票が今月24日、県内のすべての市町村で実施されることが決まった。不参加を表明していた沖縄、宜野湾、石垣、うるま、宮古島の5市の市長が相次いで実施の意向を表明した。これでようやく全41市町村の足並みがそろったことになる。土壇場の歩み寄りを歓迎したい。
(2)全県実施を巡って、告示前にこれほどもめるとは、県も県議会与党も想定していなかったに違いない。
(3)昨年10月に成立した投票条例は「賛成」「反対」の二者択一だった。野党は4択にこだわり、与党は2択を主張して譲らなかった。条例成立後、2択では選択の幅が狭すぎるなどとして、5市が相次いで不参加を表明した。
(4)「投票権を奪ってはならない」-全県実施を求める切実な声が日に日に高まっていく中で、県議会の与野党が土壇場で歩み寄った。「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加え3択とする条例改正にこぎつけたのである。


 さらに、「タイムス」は、この間の動きに関して、「14日の告示まで2週間足らず。時間はない。だが、この回り道は決してむだではなかった。市民自治、住民主権をいかに実現するか。そのための生みの苦しみだと前向きにとらえたい。」、と評価するとともに、次のことを要求する。


(1)戦後、沖縄の人びとは米軍政下にあって、そのような経験を通して権利を獲得していった。その経験は尊い。
(2)県民投票とは、政治について考え政治を学ぶ機会でもある、とあらためて思う。
(3)全県実施の見通しがついたからといって、手を抜くことはできない。次に控える関門は、投票率のアップである。県民投票に法的な拘束力はないが、政治的には無視できないインパクトがある。投票率が高ければ高いほどインパクトは増す。
(4)県議会与野党による討論会の機会をぜひつくってもらいたい。活発な論戦を通して論点を明確にすれば、1票の重みを実感することができるはずだ。
(5)県内では4月に衆院沖縄3区の補欠選挙、夏に参院選が実施される。両選挙とも辺野古反対と容認の候補による事実上の一騎打ちになる公算が大きい。県民投票の前に、候補予定者による討論会を実現してもらいたい。
(6)辺野古では連日、埋め立てのための土砂投入が続き、新たな護岸の造成工事も始まった。この動きをどうみるかを明らかにしてほしい。


 さて、「タイムス」は、最後に、日本本土に向けて、投げかける。


(1)本土に住む大多数の人びとにとって、沖縄の県民投票は自分とは無関係な「対岸の火事」なのだろうか。
(2)復帰後、幾度となく浮上した海兵隊の撤退や削減、本土移転に反対し、沖縄駐留を水面下で主張し続けてきたのは日本政府である。その結果、基地の整理縮小は進まず、今もなお米軍専用施設のおよそ7割が沖縄に集中している。 このいびつな状態をいつまで続けるつもりなのか。
(3)県民投票に合わせて本土側でも、この問題を考えるさまざまな取り組みが広がることを期待したい。


 今回の県民投票の幾重は、改めて、民主主義というものを考えさせた。
 改めて想っている。
 このことは、日本という国にとって、新しい風を吹かすことの貴重な積み重ねになると。




by asyagi-df-2014 | 2019-02-12 21:44 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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