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日米軍事同盟とは、主権を侵害することがわかる。~琉球新報20180516~

 琉球新報(以下、新報)は、2018年5月16日の社説で、「基地水質調査不許可 米軍は隣人の義務果たせ」、と論評した。
 どうも、日米軍事同盟とは日本にとって、当たり前の決まり事さへ「まあ、いいよ忘れてあげる」、と許してしまうことのようだ。
 琉球新報は、このことを、「米軍は隣人の義務果たせ」と主張し、「汚染源を特定できなければ、対策のとりようもない。米軍の不誠実な対応に強く抗議する。」、と具体的に批判する。

 まず、琉球新報は、この問題の経過を次のように示す。


(1)「米軍基地周辺の河川を水源とする北谷浄水場から高濃度の有機フッ素化合物(PFOS)が検出された問題は、米軍嘉手納基地が汚染源と見られている。」
(2)「県は2016年1月以降、嘉手納基地への立ち入り調査を複数回要請しているが、米軍に拒まれ実現していない。米軍は沖縄防衛局の立ち入りを認めたものの、肝心の基地内での水質調査は認めなかった。米軍の証拠隠しを強く疑わざるを得ない。」
(3)「県企業局が14年2月から15年11月にかけて月1回、北谷浄水場の水源を調査したところ、基地排水が流れる大工廻川などで高濃度のPFOSが検出された。その調査結果が公表されたのは16年1月である。2年半近くたっているにもかかわらず、汚染源が特定できないのは異常というほかない。」
(4)「防衛局は17年2月、基地内河川の水質調査業務を一般競争入札にかけた。入札公告によると、調査は17年9月までで、大工廻川などの地形環境、河川流況、水質の現況を把握することが目的である。だが、基地内では川を見ることなどしか許されなかったという。防衛局が水質を調査できた地点は全て米軍施設・区域の外である。」


 だから、琉球新報は、次のように断ずる。


(1)「こんな不完全な調査で『結果を踏まえて今後の水質浄化対策の必要性や手法を考察する』ことなど、できるはずはない。税金で実施した調査が無駄になることを懸念する。」
(2)「米軍が防衛局に基地内立ち入りを認めたのは、協力姿勢を偽装するのが目的だったのではないか。」
(3)「企業局は『嘉手納基地が汚染源である可能性が高い』として、水質浄化などにかけた費用2億円余の補償を防衛局に求めている。防衛局は『因果関係が確認されていない』などとして応じていない。」
(3)「企業局は16年度にPFOS除去に有効な粒状活性炭を1億7千万円かけて取り換えた。企業局によると、少なくとも23年まで毎年交換する予定である。その費用が補償されない場合、県民の支払う水道料金が値上げされることも予想される。」
(4)「15年9月に発効し、菅義偉官房長官らが『歴史的な意義を有している』と高く評価した在日米軍基地の現地調査に関する『環境補足協定』は一切役立っていない。日本側の立ち入り調査を米側が拒否できない協定に早急に改めるべきだ。」


 そして、琉球新報の批判は、「環境補足協定に署名したカーター米国防長官(当時)が『私たちは良き隣人として、米軍基地の周辺地域の懸念に配慮しないといけない』と述べたことを、米軍は思い起こす必要がある。県民生活に多大な悪影響を及ぼしている以上、積極的に調査に協力することは米軍の最低限の義務である。」、と結ばれるのである。


 この話は、 例えば、こうなるのではないか。
 公害問題を起こした企業がある。住民の命を預かる自治体は、当然応急措置を行う。
 公害を引き起こした企業は、一応調べてくださいといっている。ところが、急に、国がその企業の法的代弁者として出てくるが、原因の追及をしなければならないのに、国の「まあ、いいよ」で、何故かやり過ごしてしまう。
困った自治体は、応急処置にかかった費用から支払をとせまるが、国は代弁者として「原因がわからないから支払えない」、と今度は強面で言い放つ。
まあ、こんな様子になるのか。
確かに、許されない構図だ。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-24 06:03 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄の日本復帰46年の意味をここで考えよう。

 沖縄は、その施政権が返還されてから、46年になった。
このことの意味をあらためて考える。
沖縄タイムスは2018年5月14日に「[復帰46年 自治]沖縄は今も憲法番外地」、琉球新報は2018年5月15日に「日本復帰46年 沖縄振興の根本的転換を」、と社説をそれぞれ掲げた。
まずは、この二社の社説で、この復帰の意味を捉える。
二社は、このように主張する。


Ⅰ.日本復帰で記されること

(沖縄タイムス)
(1)「沖縄の施政権が返還されてからあす15日で46年になる。」
(2)「復帰を2日後に控えた1972年5月13日、行政府ビル(現在の県庁)前で、琉球政府の閉庁式が行われた。屋良朝苗主席は、およそ千人の職員を前にあいさつし、自治への期待を熱く語った。那覇市の沖映本館ではこの日から、山里永吉原作の沖縄芝居『首里城明け渡し』が上演されている。住民は明治政府の琉球併合と復帰をだぶらせ、舞台にくぎ付けになったという。」
(3)「翌14日、復帰の前日、屋良主席とともにテレビ出演した山中貞則総務長官は、復帰批判が高まっていることを意識し、こう述べている。『米民政府がなくなったかわりに日本政府が同じことをしているといわれることだけは絶対しない』。その上で山中氏は『償いはします』と明言した。『償い』という言葉は沖縄振興開発特別措置法に盛り込まれた文言だ。」

(琉球新報)
(1)「1972年の5月15日、沖縄は日本に復帰した。その前年の71年11月、沖縄国会と言われた第67臨時国会に、琉球政府の屋良朝苗行政主席は復帰措置に関する建議書を提出した。建議書は『はじめに』の項で『基地のない平和の島としての復帰』を望んだ。」


Ⅱ.本来、日本復帰が目指していたはずのもの

(沖縄タイムス)
(1)「軍事上の必要性がすべてに優先される米軍統治下にあって、住民が強く希求してきたのは『自治と自立』の実現であり、『人権と尊厳』の確立だった。」
(2)「50年9月に実施された群島知事選挙。合同演説会の写真は、会場を埋め尽くしたおよそ2万人の人びとの、その数の迫力によって、見るものを圧倒する。写真から伝わってくるのは、軍政下の住民のたぎるような『自治への希求』だ。」
(3)「だが、復帰は他府県と同様の『自治』を実現するものではなかった。」


Ⅲ.日本復帰で強いられたものと変えなくてはならないもの

(沖縄タイムス)
(1)「沖縄の住民は、サンフランシスコ講和条約の締結の際、国会において、主権者としてその是非を意思表示することができなかった。政策決定によって最も影響を受けるにもかかわらず、住民に判断の機会が与えられることはなく、一方的に押しつけられたのである。」
(2)「復帰の際、未契約米軍用地を強制使用するために制定された公用地暫定使用法もそうだ。同法は沖縄だけに適用された法律で、本来、憲法に基づいて県民投票を実施すべきであったが、住民の要求は無視された。」
(3)「政治学者で西銘県政の副知事をつとめた比嘉幹郎さんは、復帰前年の71年に沖縄自治州構想を発表した。『復帰により沖縄の自治は縮小する』との懸念から、比嘉さんはこう指摘している。『沖縄の自治は住民の闘争によって獲得したものであり、沖縄に特別自治体を置くことは【日本変革】の突破口になるものと確信している』。
(4)「比嘉さんの自治論は、今も古びていない。名護市辺野古の新基地建設を進める政府は、建設反対の翁長雄志知事や稲嶺進前名護市長に対し、徹底した『ムチの政策』を続け、地域を分断し、沖縄の自治をずたずたにしてきた。軍事上の要請で自治は形骸化し、沖縄はさながら『政府直轄領』のような様相を強めている。」
(5)「『現実だから仕方がない』とあきらめてはならない。現実を突き破る自治構想と実践が求められている。」

(琉球新報)
(1)「復帰後も改善されない最も大きな障害は米軍基地の存在だ。在日米軍専用施設の集中度は復帰時の約75%から約70%に減るにとどまり、整理縮小は進んでいない。2016年の米軍属女性暴行殺人事件、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの名護市安部墜落、17年の普天間第二小学校への米軍ヘリ窓落下事故など事件事故が頻発し、県民の命が脅かされている。」
(2)「しかし基地の負担を軽減するどころか、安倍政権は普天間飛行場の名護市辺野古への新基地建設を強行している。沖縄県知事が明確に反対し、新基地建設の賛否が争点となった全県選挙ではほぼ反対の候補者が当選した。建議書が掲げた『地方自治の確立』は、新基地建設を強行する政府によって妨げられている。」
(3)「建議書は『県民本位の経済開発』も掲げた。本土に比べて大きく立ち遅れた沖縄の振興策として、約10兆円の『振興開発費』が投下された。確かに道路や港湾などインフラは大きく進んだ。しかし県民所得は全国平均の約7割、失業率は全国ワーストといった貧しさの部分は解消していない。子どもの貧困率は全国平均の2倍に上る。保育サービスが貧弱で、待機児童が多く、保育料は高い。離島の過疎化も深刻だ。過去の沖縄振興は社会資本整備に偏り、教育福祉施策を充実させる努力を怠ってきた。沖縄振興の仕組みを根本から見直す必要がある。」
(3)「12年に始まった沖縄振興一括交付金は、地域主権に基づいた沖縄の裁量による予算との当初の意義付けは失われ、基地政策の見返りで予算の多寡が決まる、国にとって都合のよいものとなってしまった。それが沖縄振興のゆがみを増幅している。」
(4)「復帰と同時に始まった沖縄振興開発特別措置法に基づく沖縄振興計画は第5次の折り返し点を過ぎた。私たちは第5次の終わりと、次の沖縄振興の仕組みを真剣に論議し、真の『県民本位の経済開発』を考えねばならない時期に来ている。」
(5)「建議書が挙げた新生沖縄像は、国家に押し付けられるのではなく、自らの未来を自らが決めるという姿だ。苛(か)烈(れつ)な沖縄戦と米国統治による圧政を経験した呻吟(しんぎん)の中から生み出された県民全体の願いと言えよう。自立と自律。これを実現することこそ、次世代に対する私たち世代の責任だ。」
(6)「沖縄自治構想会議は『「沖縄エンパワーメント』と題した構想を発表し、沖縄振興と自治の在り方の根本的転換を提唱している。沖縄の将来について考える日としたい。」


 まず最初に、押さえなければならないのは、沖縄の日本復帰とは、「軍事上の必要性がすべてに優先される米軍統治下にあって、住民が強く希求してきたのは『自治と自立』の実現であり、『人権と尊厳』の確立だった。」(沖縄タイムス)、ということであった。
この視点に立ってこそ、本当の意味で、沖縄から発信されるものの意味がが見えてくることになる。
 また、この視点を支えるものは、「『現実だから仕方がない』とあきらめてはならない。現実を突き破る自治構想と実践が求められている。」(沖縄タイムス)、との苦闘の沖縄の歴史から培われた強い意志である。
 このことを踏まえた上で、沖縄の日本復帰46年を考える時、この日本復帰がもたらしたものを超えて、新しい沖縄像を確立させることの重要性が浮かび上がる。
 それは、琉球新報が高らかに掲げる「新生沖縄像は、国家に押し付けられるのではなく、自らの未来を自らが決めるという姿だ。苛(か)烈(れつ)な沖縄戦と米国統治による圧政を経験した呻吟(しんぎん)の中から生み出された県民全体の願いと言えよう。自立と自律。これを実現することこそ、次世代に対する私たち世代の責任だ。」、との主張に集約される。





by asyagi-df-2014 | 2018-05-22 08:20 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

こんな歴史認識の欠如や「デマ発言」は、もうやめにしよう。

 沖縄タイムスの2018年5月13日の「普天間飛行場デマ:米海兵隊司令官の無理解に怒り 宜野湾郷友会長『諦めず発信する』」との記事は、「2日に米海兵隊トップのネラー司令官が『普天間飛行場の建設時の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった』などと発言した。2010年には元在沖米国総領事のケビン・メア氏、15年には作家の百田尚樹氏と、『デマ発言』が繰り返されて、史実や事実が覆い隠されていく。地元はどう受け止めているのか。沖縄県宜野湾市の字宜野湾郷友会の松本幸清会長(70)に発言に対する思いを聞いた。」、で始まる。
 この中で、松本幸清会長は、次のように答えている。


①「ネラー司令官の発言を知って『またか』と怒りがこみ上げた。海兵隊を沖縄に置きながら、最低限の勉強もしておらず、無責任すぎる。こんな歴史認識で、新兵の教育などをしていると思うと許せない。」
②「戦前の字宜野湾には約250戸、1100人が住んでいた。素晴らしい集落、国の天然記念物に指定された並松街道があった。米兵が飛行場建設のために電動のこぎりで松を切る様子や集落を壊した後の更地など、フィルムや写真にしっかりと残っている。住民の喪失感は果てしないものだったと思う。」
③「米軍の許可を得て、8月には飛行場内の湧き水・産泉(ウフガー)の清掃をする。ここで洗濯をしたり水浴びをしたりした話を聞く。確かな人々の営みがそこにあった。こういった、事実ではない発言が繰り返されてしまうのは、私たちの発信不足もあるだろうが、できることは限られている。日米両政府が沖縄の歴史に向き合っていないとも思う。米国と戦争をしたことすら知らない世代が育ってきている。教科書には沖縄戦の記述は少ない。しっかりと教えることは不都合なのだろう。」


 松本幸清会長は、このインタービューの最後を、「字宜野湾の私たちが事実を伝えていかなければならないのはもちろんだが、市民、県民それぞれがしっかりと事実を理解し、発信していく必要があるのではないか。少しでも多くの人に伝わるよう諦めず、コツコツとやっていくしない。」、と答えている。


 あらためて考えさせられる。
沖縄の歴史に対する多くの人たちの無理解と、このことにつけ込む政治手法である。
そこには、被害を受けながらも、それに立ち向かう意志の強さと相手をも気遣うやさしを持ち得た人たちがいる。しかし、もう一方には、「目下の同盟」の根本矛盾を把握しながら、自らの生き残りのためにあらゆるものを利用しようとする政治集団がいる。
 そして、こうした構造の外には、この政治集団の思惑を実現するための実行部隊と「知らん顔して」こうしたことを支える多くの日本国民がいる。
 現在の沖縄の「構造的沖縄差別」はこうした構造で維持されている。
 だとしたら、こうした構造は、もはや止めるべきではないか。


 さて、話を米海兵隊トップのネラー司令官の発言が引き起こしたことに戻そう。
 沖縄タイムスは、この問題について、「米海兵隊トップのネラー司令官が2日の米国防総省での記者会見で『普天間飛行場の建設時(1945年)の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった。現在はフェンスまで都市地域が迫っている』と発言した。『危険になったから名護市辺野古の新基地建設を進める』という意図を持つとみられるが、明らかな誤解、デマだ。沖縄の施政権を米国が日本へ返還してから46年目の5月15日を前に、普天間飛行場問題を振り返る。」、と特集(上・中・下)を組んだ。
この特集をまとめる。


Ⅰ.ネラーさん本当に知らなかったの? 元住民を傷付ける「普天間、人いなかった」発言


(1)「村役場があり8800人生活」
①「-海兵隊のトップが『普天間飛行場は人の住んでいない所に造った』と言ったんだよね。何が誤解なの?」
「人の住んでいない所に造ったわけではないよ。普天間飛行場がある場所には戦前、当時の宜野湾村役場や宜野湾国民学校があり、南北に宜野湾並松(ジノーンナンマチ)と呼ばれた街道が走っていたんだ」
②「-人は住んでいたの。」                           「宜野湾市史によると、沖縄戦前年の1944年、当時の村内に22の字があり、人口は1万3635人だったんだ。飛行場はそのうちの14字にまたがる宜野湾村の中心地に建設され、その14字には8880人が生活していたよ」
③「-どうして飛行場を造る必要があったのかな。」                「沖縄は航空機で本土を攻撃し、戻ってこれる距離にあり、米軍は出撃拠点として目を付けていたんだ。45年の沖縄戦で、沖縄本島に上陸した米軍は飛行場に適した宜野湾の土地を奪い、そこに2300メートルの滑走路2本と、爆弾を積むB29爆撃機の駐機場220カ所などを造る計画だったんだよ」
(2)「住民は収容所や疎開先にいた」                      ①「-いつできたの。」                             「米軍の記録では45年6月17日に飛行場建設の任務を部隊に割り当てたんだ。日本軍の司令官が自決し、組織的戦闘が終結したとされるのは6月23日だよね。つまり人々を追い払い、戦争真っただ中に、飛行場を造り始めたことが分かるね」
②「「-戦争中にできたの?」                          「8月23日までに約1800メートルの滑走路1本と、駐機場75カ所、誘導路などが使用可能だったんだ。戦争が終わった後も、さらに滑走路や周囲を拡張したよ」
③「「-住民はどうなったのかな。」                       「その間、疎開したり、収容所に入れられたりしていたんだ。45年10月以降に少しずつ帰村を許されたけど、戻ってみると、自宅や畑はフェンスに囲まれていたよ。だから、米軍に割り当てられた飛行場周辺の土地で、集落を作り直すことを余儀なくされたんだ」
(3)「ふるさと追われた人の気持ち」                      ①「-ネラーさんは知らなかったのかな。」                    「『人の住んでいない場所に飛行場ができた』という発言は、作家の百田尚樹さんなど、これまでもあったね。『何もないところに造ったのに周りに人が住んだ。危険だから名護市辺野古へ移設しようとしたら、反対する人がいる』と言いたいんだろうけど、実態とかけ離れているね。」                               「元住民たちは『ネット情報をうのみにした幼稚な発言だ』『ふるさとを追われた人の気持ちを知らず、ばかにしている』と非難しているよ」
②「-沖縄の他の米軍基地もそうなの。」                     「県の資料によると、沖縄戦の前に旧日本軍が所有していた土地は540ヘクタールだったんだ。米軍が上陸後、沖縄の施政権を停止し、軍事占領した土地はその30倍に上る1万7400ヘクタール。52年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効後、米軍統治下で住民の土地は強制接収され、72年に施政権が返還されるまでに沖縄の米軍基地の面積は約2万8600ヘクタールに膨らんだんだ。今は約1万8500ヘクタールに減ったけど、それでも全国の米軍専用施設面積の70・3%が沖縄に集中しているね」
③「-沖縄には軍用地主が多いよね。」                      「本土の米軍基地は国有地や旧日本軍跡地を利用したため、9割近くが国有地なんだ。それに対し、住民から強制的に土地を接収した沖縄では、国有地が3割ほどで、残りは民間や地方自治体の土地だよ。普天間飛行場の91%は民有地で、地主は約3400人。この数字を見ただけでも、人が住んでいなかった所に飛行場を造ったというのが間違っていることが分かるんじゃないかな」


Ⅱ.住民が危険な米軍基地に接近? 裁判所は国の主張退ける 普天間の歴史


(1)「本土から常駐ヘリが増え、危険に」                    ①「-米海兵隊のネラー司令官は、普天間飛行場ができた後に周辺に人が住んだみたいなことを言ったよね。」                              「普天間飛行場は宜野湾市のど真ん中に、ドーナツの穴のように位置する。市の面積に占める割合は25%、キャンプ瑞慶覧という別の基地も8%あるので、残りの約67%に9万5千人が暮らしている。沖縄戦でふるさとを追われた人たちやその子や家族が、仕方なく基地周辺に住んでいるという実情があるよ」
(2)「-住民が『危険に接近した』という意見がある。」             ①「国に対し、住民が米軍機の飛行を止めさせるよう訴えた裁判で、国は『住民は危険を知りながら自由な考えで、そこに住んでいるから国に騒音被害の責任はない』と主張したんだ」
②「「-裁判所はなんて。」                           「裁判所は『歴史的事情からすれば、地元に帰りたいという気持ちを理解できる』『地縁などの理由でやむを得ず周辺に住んでおり、非難されるべき事情は認められない』と判断し、国の主張を退けたんだ」
③「-普天間飛行場の隣には小学校があるでしょ。」                「普天間第二小学校だね。昨年12月に普天間所属の大型ヘリコプターが運動場に重さ7・7キロの窓を落とす事故があった。体育の授業中の子どもたちもいて、あわや大惨事だった」
④「「-米軍は学校上空を『最大限可能な限り飛行しない』と約束したよね。」    「事故後も沖縄防衛局が飛行を確認している。学校が運動場の使用再開後の2月13日から3月23日までに児童が登校した28日間で、飛行機やヘリが学校近くを飛んだため、児童の避難回数は計216回に上った」
⑤「-でも、学校は飛行場の後にできたんだよね。」                「そう。児童が増えた普天間小の過密化を解消するため1969年に第二小が設置され、70年から現在地に校舎が建ち始めた。他に適当な土地が見つからなかったという事情があるよ」
⑥「-その頃から危険なの。」                          「普天間には常駐機が少なく、『滑走路にペンペン草が生える』といわれる休眠状態だった」
⑦「-危険になったのはなぜ。」                         「常駐機が増えたんだ。関東地方の米軍基地を大幅に縮小する『関東計画』の影響が大きい。79年に本土などからヘリが移ってきた。本土の負担が減る一方で、第二小の教育環境や、周辺の住環境も悪化したという見方もできるよ
⑧「-宜野湾市は学校を移転しなかったのかな。」                 「80年に飛行場内で攻撃機が墜落し、移転しようという声が高まった。市は移転先として市内の別の米軍基地の一部返還を求めたけど二つの壁があった」          「一つは、米軍の付けた条件。第二小の敷地を普天間飛行場に組み込むよう求めてきた。県内では基地縮小の動きが強まっていたので、市は基地の広がる条件を飲めなかった。もう一つは、米軍が認めたとしても土地を買うのに当時で25億円が必要で、国から補助できないと言われていた」
⑨「-移転できなかったの。」                          「老朽化した校舎の建て替えが必要になり、92年9月、PTAの臨時総会で移転断念を決めたんだ」
(3)「-危険はそのままだね。」                        ①「米軍基地には日米のいずれの法律も適用されないため、米国なら土地の利用が禁止されている普天間飛行場の滑走路延長線上の地域に、保育所や学校などの公共施設18カ所、住宅約800戸があり、3600人が住んでいる」                 ②「2003年に普天間を上空から視察したラムズフェルド国防長官は『世界一危険な米軍施設』と感想を漏らした。04年8月には隣接する沖縄国際大学に大型ヘリが墜落した。『世界一危険』なら直ちに除去すべきなのに、日米で返還に合意してから22年、沖国大の事故から14年たっても、実現していない」


Ⅲ.イチから分かるニュース深掘り 普天間飛行場問題


①「-普天間飛行場が危険なら移設した方がいいよね。」              『そう簡単ではない。国は名護市辺野古へ移設しようと2014年8月から埋め立て事業を始めたけど、沖縄県内では知事選や国会議員選挙で移設反対の候補者が当選したり、世論調査で6~7割が反対したりと、反対の民意が根強い』
②「-なぜ反対するの。」                            『理由はそれぞれ。戦争につながる基地はいらない、ジュゴンやサンゴの住むきれいな海を守りたい、被害と負担を子や孫の世代に引き渡したくない-などだ。沖縄に米軍基地が集中することで米軍関連の事件・事故が相次いできたことから、長年積み重なった感情も影響していると思う』
③「-県民の負担を軽減するのが目的でしょ。」                  『国は、普天間と比べ、滑走路は2700メートルから1800メートルと短くなる。普天間の三つの機能のうち辺野古に移るのはオスプレイやヘリの部隊運用の一つだけなので機能は小さくなる。辺野古の基地周辺に民家がないので騒音被害も減る、と説明している』
④「-違う考え方もあるの。」                          『滑走路は短くなるが、普天間の1本に比べ、辺野古の基地には2本できる。ほかにも、全長300メートル近い船が接岸できる護岸、爆弾やミサイルを積み込むエリアなど普天間飛行場にはない機能がいくつも追加される。今よりも機能が強化され、使い勝手のよい新しい基地ができると、米軍の駐留が長引くと考えるのは普通だよね。負担軽減とは言えない、むしろ固定されるといった意見もある』
④「-ほかには。」                               『普天間の面積は480ヘクタール、東京ドームの約102個分。それでも県内の米軍基地面積の2・5%に過ぎない。移設に反対している翁長雄志知事をはじめ、多くの県民には、たったそれだけを返すのに、大きな基地負担を受けている沖縄に対し、さらに他の土地をよこせ、と要求するのは理不尽という思いの方が強い』
⑤「-日本と米国が普天間の返還に合意したのは1996年。22年たっても実現しないのはなぜ。」                                  『県内への移設が条件に付いたことから難しくなっているのは間違いない』
⑥「-県や名護市は辺野古への移設を認めたこともあるんでしょ。」         『99年に当時の知事と名護市長が受け入れに同意した。2人とも15年で使用を止めること、夜や朝の飛行を制限することなど、いくつもの条件を付けた。国は条件が満たされるよう取り組むと閣議決定した』『しかし、2006年に海を埋め立て、滑走路を造る今の計画で日米合意した時、県や名護市と十分な調整もなく、閣議決定は廃止された。国が条件を満たすという前提がなくなったので、当事者の間では【受け入れの同意もなくなった】と理解されている。にもかかわらず、国は【99年に県と名護市から同意を得ている】と繰り返している』
⑦「-13年に当時の知事が埋め立てを認めたでしょ。」              『仲井真弘多前知事は、06年知事選で【現行案には賛成できない】、10年知事選で【県外移設】を掲げ、当選した。辺野古への移設は認めていなかったんだ。13年に埋め立てを承認した後、14年知事選で【政府案推進】で出馬したけど、移設に反対する翁長雄志知事に大敗した。仲井真さんの承認は、県民が移設を認めたことにはならないんじゃないかな』
⑧「-でも辺野古での建設は進んでいるよね。」                  『翁長知事は、仲井真前知事の埋め立て承認を取り消すなど、抵抗しているけど、国は裁判所に訴え、勝訴したことを理由に工事を再開した。国は10年で工事を終わらせると言っているけど、遅れているのは事実。今後も反対する人がいる限り、簡単に工事が進むとは思えないね』                                 


 確かに、今回の発言が曝け出した「構造的沖縄差別」の矛盾は、次のように明確にできる。


(1)危険への接近論について、日本国は、『危険を知りながら米軍普天間飛行場周辺に住んでいる』と主張している。しかし、裁判所は、『やむを得ない事情があり、非難できない』と国の主張を認めていない、ということ。
(2)これまで主張されてきた普天間第二小学校の移転問題について、、「隣接する普天間第二小学校も移転できない理由があった。」、と裁判所は判断しているということ。
(3)しかも、9万5千人の暮らす宜野湾市のど真ん中にある飛行場について、2003年当時の米国防長官は「世界一危険な米軍施設」と呼んだ状況が現実にあること。


 今、私たちに必要なことは。あらためて、次の言葉に向き合うことだ。この『日米両政府』という言葉を『日米両国民』に置き換えてみればわかることだ。


「米軍の許可を得て、8月には飛行場内の湧き水・産泉(ウフガー)の清掃をする。ここで洗濯をしたり水浴びをしたりした話を聞く。確かな人々の営みがそこにあった。こういった、事実ではない発言が繰り返されてしまうのは、私たちの発信不足もあるだろうが、できることは限られている。日米両政府が沖縄の歴史に向き合っていないとも思う。米国と戦争をしたことすら知らない世代が育ってきている。教科書には沖縄戦の記述は少ない。しっかりと教えることは不都合なのだろう。」




by asyagi-df-2014 | 2018-05-21 07:11 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「あきれた発言である。」、とは。

 「あきれた発言である。」。
 実は、東京新聞の2018年5月12日の社説。

 どうやら、「自民党の加藤寛治衆院議員が会合で『(結婚する女性に)三人以上の子どもを産み育ててほしい。これが世のため人のためになる』と語った。」、ということである。
東京新聞は、このことについて、「またか。その思いを強くする非常識な発言が与党議員から出た。子どもを産まない女性に対し配慮に欠ける。政府・与党関係者による女性への差別発言は後を絶たない。本音だからだろう。」、断じる。
東京新聞は、次のように批判の手を緩めない。


(1)「最後は発言を撤回したものの、その非常識さを自覚しているようには見えない。女性蔑視と言わざるを得ない。」
(2)「出産するかどうかは個人の自由である。親の介護で余裕がなかったり、夫婦で働かないと生活が成り立たなかったりと、不妊以外にも産みたくても産めない事情を抱えている人はいる。こうした事情に無自覚な発言が言われる側を傷つけることを自覚すべきだ。」
(3)「安倍政権は少子化対策の目標に『希望出生率一・八』を掲げる。若い世代の望む結婚や子どもの人数を実現するとこの出生率になるからだが、政府が数値目標を設定することは出産を国民に強いているととられかねない。それだけに政府・与党関係者の発言には慎重さが求められる。」
(4)「女性への政府・与党関係者の差別発言は枚挙にいとまがない。二〇〇三年に森喜朗元首相が『子どもを一人もつくらない女性の面倒を税金でみなさいというのはおかしい』と発言、〇七年に当時の柳沢伯夫厚生労働相が女性を『産む機械』と発言して批判された。」
(5)「今回の財務省前次官のセクハラ問題では、麻生太郎財務相が十一日の国会でもセクハラを認めていないととれる発言を繰り返した。この問題では与党議員からも心無い発言がされている。女性に対する差別的な意識は変わっていないのではないか。」


 東京新聞は、この加藤発言の問題が、本来たどりつかなけねばならない地平を示す。


(1)「加藤氏は『少子化は一番大事な問題』と発言の動機を説明した。ならば求められているのは、女性が働きやすい職場環境の整備や、男性も子育てするための長時間労働の見直し、育児しながら働いても生活ができる賃金の実現などを通して、産みたい人が安心して産める社会の実現のはずだ。」
(2)「加藤氏は『結婚しなければ、人様の子どもの税金で老人ホームに行くことになる』とも言った。年金、医療、介護などの社会保障は支え合いの制度だということを理解していない発言である。」


 驚くばかりである。
 「結婚しなければ、人様の子どもの税金で老人ホームに行くことになる」、と公に言ってしまう者が、国会議員になっているとは。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-20 05:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

禍根。国会議員に路上でいきなり暴言を浴びせた自衛官に対し、防衛省は訓戒処分で済ます。(2)

 あらためて、この国で何が起こっているのかを考えるために。
 「国会議員に路上でいきなり暴言を浴びせた自衛官に対し、防衛省は訓戒処分にしたと発表した。」、と毎日新聞が伝える問題である。。
 この問題に関して、琉球新報と佐賀新聞(共同通信・柿崎明二)は2018年5月12日、「暴言3佐訓戒処分 文民統制の不全を憂慮」「文民統制が問われている 幹部自衛官暴言問題」、とそれぞれ社説・論説を掲げた。
 この2紙の書き出しは、琉球新報は「政治が軍事に優越するというシビリアンコントロール(文民統制)が機能していないことがはっきりした。」、佐賀新聞は「文民統制に対する安倍政権の認識が問われている。」、と始まる。
 つまり、この問題は、安倍晋三政権下において、すでにシビリアンコントロールは有効な手段となっていないことを暴露するものであった。
 安倍晋三政権の進める日本国憲法改悪に何故反対しなければならないのか、まさしくその解答はこのことにある。


 ここでは、琉球新報と佐賀新聞の見解をまとめる。


Ⅰ.防衛省の処分

(琉球新報)
(1)「防衛省は、小西洋之参院議員に『国益を損なう』などと暴言を繰り返した統合幕僚監部の30代の3等空佐を、内部規定に基づく訓戒処分とした。訓戒は『軽微な違反』と規定される。」

(佐賀新聞)
(1)「小西洋之参院議員に『国益を損なう』などと暴言を吐いた統合幕僚監部の30代の3等空佐に対する処分が甘すぎるのだ。」
(2)「防衛省は8日、3佐の行為に関して品位を保つ義務を定めた自衛隊法58条に反するが、私的な立場の言動で『文民統制を否定するものではない』として懲戒処分にはせず、より軽い内部規定に基づく訓戒処分とした。」
(3)「防衛省は処分を決めた最終報告の中で国会議員について『国民の代表として国会による内閣に対する監督(自衛隊に対する文民統制を含む)の機能を担う立場にある』としている。そう位置づける国会議員への暴言は品位の問題だけなのか。3佐は調査に対して小西氏が安全保障関連法に反対していたことを動機として述べている。文民統制に対する挑戦と言わざるを得ない。」


Ⅱ.防衛省の処分への疑問

(琉球新報)
(1)「国民に選ばれた国会議員に対する暴言は、民主主義の根幹である文民統制を揺るがす。安倍政権が文民統制の重みを理解しているのか大いに疑問である。」
(2)「防衛省によると、3佐は国会議事堂周辺をジョギング中に遭遇した小西氏に、自衛官と明かした上で『あなたがやっていることは日本の国益を損なうようなことじゃないか』『国のために働け』『ばかなのか』『気持ち悪い』などの暴言を浴びせた。」
(3)「文民統制は軍が政治力を持った戦前の反省から生まれた。何が国益なのかは、実力組織を統制する側の文民が判断することであって、統制される側の自衛隊幹部が判断するものではない。3佐の発言は私的な立場のものであり『文民統制を否定するものではない』という防衛省の見解は詭弁(きべん)にすぎない。」
(4)「防衛省は、小西氏が主張した『おまえは国民の敵だ』との発言は3佐が否定したため認定しなかった。『国民の敵』という言葉は、青年将校が引き起こした五・一五事件の檄(げき)文に使われ、その後の軍の暴走を招いた。防衛省はもっと時間をかけて調査すべきだった。」

(佐賀新聞)
(1)「小野寺五典防衛相は10日の衆院安全保障委員会で、『処分は適正』と強調したが、こんな対応で実力組織を統制することができるのか。小野寺氏は問題発覚直後、『国民の一人でもあるので、当然思うことはある』とも述べていた。自らが任される文民統制への認識が甘すぎる。政権として再考を強く求めたい。」
(2)「防衛省は全く問題視していないが、3佐が暴言の動機として小西氏が安保関連法に反対したことを挙げているのは深刻だ。この考え方を敷衍(ふえん)すれば、この法に賛成した与党議員は支持するが、反対した野党議員は非難するということになる。」
(3)「極めて政治的な動機であり、自衛隊法61条に定める『政治的行為の制限』規定に反するのではないか。安保関連法やその前提である集団的自衛権を巡る憲法解釈の変更は安倍晋三首相主導で推し進められた。」
(4)「また安倍首相は、憲法9条への自衛隊明記を目指す理由として『自衛隊員の誇りのため』を挙げている。小西氏はこれにも強く反対している。3佐が国会議員を特定政策への賛否だけではなく、自分たちの味方と敵に分けて捉えている可能性さえある。」


Ⅲ.安倍晋三政権の危うさの指摘

(琉球新報)
(1)「統制する側にも問題がある。小野寺五典防衛相は、3佐の暴言が発覚した際『若い隊員で国民の一人でもあるので、当然思うことはあるだろう』と述べた。統制する側に、その自覚がないことを示す発言であり危うい。」
(2)「安倍政権下で自衛隊が組織と権限を拡充していることを憂慮する。」
(3)「2018年度の防衛費は、前年度比1・3%増の5兆1911億円。6年連続増で過去最高となった。中国の軍拡や海洋進出、北朝鮮のミサイル発射などを理由に、他の経費が軒並みマイナスとなる中で突出している。導入を決めた3種類のミサイルの射程は約500~900キロ。沖縄にも配備されているF15戦闘機に搭載される。那覇からでも中国の上海に達する。さらに北朝鮮の制空権内に接近することなくミサイル発射台などを狙える。日本海上空から北朝鮮の弾道ミサイル発射台をたたく敵基地攻撃が可能な射程を持つ。専守防衛に反する。」
(4)「15年に成立した改正防衛省設置法によって、防衛官僚(文官)が自衛官(武官)より優位だった「文官統制」制度を全廃し、武官の政治的な発言権が強化された。自衛隊はイラク派遣部隊の日報も隠蔽(いんぺい)した。戦前のように軍が暴走する事態を繰り返してはならない。」

(佐賀新聞)
(1)「文民統制に当たって国会は党派を問わず一致団結しなければならない。幹部自衛官のこんな見方に厳しい姿勢をとらなければ、統制を完遂することはできないだろう。」
(2)「事案の内容は全く異なるが、処分の甘さでは女性記者へのセクハラ発言を報道され、辞任した福田淳一前財務次官のケースも同様だ。自社の女性記者に対するセクハラがあったとのテレビ朝日の発表、抗議を受けて財務省は4月4日夜の会食におけるセクハラを同月末に認定し、6カ月の減給20%の懲戒処分に相当すると結論付けた。しかし、女性記者は1年以上前から複数回、被害にあったとしている。本来であれば過去の事案も調査しなければならないが、財務省は調査を打ち切るという。」
(3)「財務省では学校法人『森友学園』への国有地売却問題に関する決裁文書改ざんも起きている。財務省は理財局の一部による行為としているが、そうであるならば麻生太郎財務相の官僚に対する統制がきいていないことになる。」
(4)「信じられないような官僚による不祥事が多発している。文民統制だけでなく、政権の統治そのものが崩壊しつつあるのではないか。」


 確かに、この問題は、「安倍政権下で自衛隊が組織と権限を拡充している」中で、安倍晋三政権そのものが、シビリアンコントロールという文民統制能力をすでに失っているという重大な問題を暴露するものである。
そしてそれは、安倍晋三政権が、シビリアンコントロールという文民統制能力に止まらずに、「政権の統治そのものが崩壊」(佐賀新聞)してしまっているということを示すものなのである。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-18 05:07 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

禍根。国会議員に路上でいきなり暴言を浴びせた自衛官に対し、防衛省は訓戒処分で済ます。

 この国で何が起こっているのか。
 「国会議員に路上でいきなり暴言を浴びせた自衛官に対し、防衛省は訓戒処分にしたと発表した。」、と毎日新聞(以下、毎日とする。)は伝える。
このことについて、毎日は2018年5月9日、「暴言自衛官を訓戒処分 背景の解明は十分なのか」、と社説で論評した。
毎日は批判の根拠を、「面識のない他人に因縁をつけるのは一般社会でも非常識な行為だ。ましてや当事者は統合幕僚監部の3等空佐と国民の代表である。なぜこのようなことが起きたのか、背景をきちんと解明しなければならない。」、とする。
 毎日は続ける。
(1)「防衛省によると、3佐は『国のために働け』『気持ち悪い』などと発言したことを認めている。小西洋之参院議員(無所属)は『国家の敵』と言われたと主張し、3佐は否定しているが、現職の幹部自衛官が野党議員を罵倒したことに変わりない。」
(2)「小西氏は安倍晋三首相の進める憲法9条改正に反対し、集団的自衛権の限定行使を可能とした安全保障関連法を違憲と批判してきた。それを非難する政治的意図が3佐にあったであろうことは否定できない。」
(3)「自衛隊法61条には『政治的行為の制限』規定があるが、防衛省は『私的な場における偶発的な発言』とみなし、『品位を保つ義務』を定めた同法58条違反を処分の理由とした。自衛官が個人として政治的な主張をしてはならないわけではないが、組織的な背景は本当にないのか。」

(4)「思い起こされるのが10年前、過去の植民地支配と侵略を正当化する論文を発表して更迭された田母神俊雄元航空幕僚長だ。政府の公式見解を真っ向から否定する人物が航空自衛隊のトップに上り詰め、更迭後、国会に呼ばれて『我々にも言論の自由は許されている』と開き直った。」
(5)「3佐が空自内で元空幕長の影響を受けていた形跡は確認されていないというが、やはり気になる。」


 毎日は、「小野寺五典防衛相が『彼も国民の一人なので、当然思うことはある』と擁護する発言をしたのも問題だ。懲戒よりも軽い処分にとどまったことも異論を呼ぶだろう。」、ともう一つの問題点を指摘する。
 それは、最近の日本という国の現状への警告にも通ずるものである。
毎日は、この問題の本質の一つとして、次のように、指摘する。


「安倍首相は若い自衛官たちのためだとして9条改憲を訴えている。そのことで、政権を批判する勢力への過剰な敵対意識が防衛省・自衛隊の中に生まれていないだろうか。ネット上には安倍政権を批判する人を『反日』『売国奴』などと罵倒する投稿も目立つ。国民全体に奉仕すべき自衛官がその風潮に感化されていたのだとすれば由々しき事態だ。組織の再点検を求めたい。」


 毎日の「安倍首相は若い自衛官たちのためだとして9条改憲を訴えている。そのことで、政権を批判する勢力への過剰な敵対意識が防衛省・自衛隊の中に生まれていないだろうか。」との指摘は、沖縄の高江・辺野古での警察官の強権的やり方とその罪を問われない手法への危惧感とも重なる。
 だからこそ、今回の訓戒処分は、禍根を残すのである。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-17 05:30 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

強面の嘘は利用されやすいことを狙っているのか。~琉球新報20180508~

 琉球新報(以下、新報)は、2018年5月8日の社説で、「米海兵隊司令官発言 普天間巡るうそ撤回を」、と論評した。
 それは、「またもや耳を疑う発言が飛び出した。影響力のある米海兵隊トップが発した言葉だけに、看過できない。」、と始められるものである。
 どういうことなのか。
「米海兵隊のロバート・ネラー総司令官は2日、国防総省での会見で、米軍普天間飛行場について『非常に古い施設で第2次世界大戦にさかのぼる。建設当初の写真を見ると、数キロ以内に住む人はいなかった。今は飛行場周辺の市街地がフェンスのすぐ近くに広がる』と述べた。」、というのである。


 当然、琉球新報は、次のように批判する。

(1)「大きな誤解を招く問題発言である。」
(2)「普天間飛行場はアジア太平洋戦争の戦中・戦後にかけ、住民が収容所に入れられ隔離されている時期に、集落があった土地を米軍が奪って造った基地である。戦前、飛行場が建設された場所には集落が存在し、宜野湾村役場や国民学校があった。戦後、収容所から故郷に帰った住民は、飛行場周辺に住まわざるを得なかった。ネラー氏はこの事実を完全に無視している。」
(3)「あたかも住民が自ら飛行場に近づいたかのような、うその事実を作り上げ、基地被害の責任を住民に転嫁する意図さえうかがえる。許し難い内容だ。それこそフェイクニュースと言わざるを得ない。米関係者らによって、これまでも普天間飛行場建設後に住民が周辺に住み着いたという発言が繰り返されてきた。」


 これまでのこうしたフェイクニュースについて、「2010年、在沖米四軍調整官事務所長のケビン・ビショップ大佐(当時)は『周辺には最初(住宅など)何もなかったが、みんなが住むようになった』と主張した。同年にケビン・メア米国務省日本部長(当時)も『もともと田んぼの真ん中にあったが、今は街の中にある』などと述べた。作家の百田尚樹氏も15年、自民党若手国会議員の勉強会で『普天間基地は田んぼの中にあり、周りには何もなかった』などと言い放った。」、と紹介する。


 だから、米海兵隊のロバート・ネラー総司令官の暴言を、次のように厳しく批判する。


(1)「ネラー氏の発言は、これらの誤解を補強するものだ。影響力を持つ米関係者や著名人の発言は、誤りでも事実であるかのようにインターネット上などで拡散し、誤解を生む。それだけに放置できない。発言の撤回を求める。」
(2)「そもそも普天間飛行場の成り立ちは戦前にさかのぼる。米軍は沖縄戦前の1943年の段階で、普天間飛行場が造られた場所での滑走路建設を検討していた。米機密文書によると、建設場所は人口密集地であることを把握していた。」
(3)「普天間飛行場は、国際法であるハーグ陸戦条約に違反する基地である。条約は戦争の必要上やむを得ない場合は敵の財産の破壊や押収を認めているが、民間地の奪取は戦争中でも禁じている。これに照らせば、民間地だった普天間飛行場は本来、戦後すぐに住民に返されるべきものだ。」


 琉球新報は、「住民は土地を奪われた上に、米軍機の墜落や落下物などで生命が脅かされ、騒音被害も著しい。人権じゅうりんが続き、住民を不安に陥れている普天間飛行場は即時に返還されるべきだ。」、と結論づける。


 問題は、日本政府が、「あたかも住民が自ら飛行場に近づいたかのような、うその事実を作り上げ、基地被害の責任を住民に転嫁する意図さえうかがえる。許し難い内容だ。」でしかないこの発言を撤回させることできるかどうかにかかっている。
 確かに、「人権じゅうりんが続き、住民を不安に陥れている普天間飛行場は即時に返還」されなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-15 06:27 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄タイムスの『沖縄・基地白書』を読む。(23)

 沖縄タイムスは、「国内の米軍専用施設面積の70・4%が集中する沖縄では、名護市辺野古の新基地建設以外にも騒音や墜落の危険性などの問題を抱えている。国防や外交の視点ではなく、住民の暮らしの目線から沖縄の米軍基地問題を検証する。」、と『沖縄・基地白書』の連載を始めた。

 今回は、第22回-「沖縄・基地白書(22)「訓練を県外移転しても、それ以上に外来機が…」 負担集約か、高まる不安」(2018年5月8日)から。
 今回の話は、第1部 被害 嘉手納町(5)。

 「嘉手納基地より南の基地の整理縮小が進む中、『嘉手納周辺では反比例し、負担が集約される』という不安が増幅している。」
 このように、沖縄タイムスは、始める。
 どういうことなのか。


(1)「嘉手納町議会は3月27日、嘉手納所属のF15戦闘機が重さ1・4キロのアンテナを落下させた事故と、米軍機の騒音激化に抗議する決議と意見書をいずれも全会一致で可決した。部品落下や騒音激化は、生活を脅かす。にもかかわらず、米軍には抗議決議ものれんに腕押しの状態で、町議らの怒りは噴出している。」
(2)「2月27日に起きた部品落下事故で、町への通報は8日後だった。志喜屋孝也町議(59)は『隠蔽(いんぺい)に近い』と厳しい表現で米側の責任を追及する。」
(3)「米軍は『海上に落ちた可能性が高い』と回答。事故当日にアンテナ紛失に気付きながら、整備部隊から司令部への報告が遅れ、結果的に地元への通報が8日後になっただけで、日米で取り決めた通報体制は機能したと説明しているという。」
(4)「沖縄の施政権返還後、約46年間で、県内での米軍航空機からの部品落下事故は70件目だ。志喜屋さんは『「落下場所が海か、陸かは関係ない。日常的に住宅地上空を飛ぶ航空機から部品が落ちたことが問題だ』と米軍との認識の違いに不快感を示した。」


 続いて、最近特に問題になっている外来機のことを取りあげる。


(1)「外来機の飛来に関する考え方も地元と米軍では大きく異なる。」
(2)「米軍は昨年11月から米ユタ州ヒル空軍基地所属の最新鋭ステルス戦闘機F35A12機と約300人の要員を嘉手納基地に暫定配備している。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への抑止力強化が目的という。」
(3)「嘉手納町役場への騒音関係の苦情件数をF35Aの暫定配備前後で比べると、昨年4〜10月の7カ月間の176件から、昨年11月〜今年2月の4カ月で705件と4倍以上に増えた。」
(4)「外来機の飛来で騒音発生回数が増え、住民の肌感覚の負担も増えるのは明らかだが、米軍は『本国から派遣される航空機を受け入れており、地元で対処するのは難しい』と飛来自粛に消極的な姿勢を示す。」


 沖縄タイムスは、外来機の問題について、「町議会基地対策特別委員会の當山均委員長(54)は『訓練を県外移転しても、それ以上に外来機がやって来る。悪臭や騒音が減らなければ負担軽減策も絵に描いた餅だ』と訴える。」、と指摘する。
 また、「一方、米空軍は町議会の直接の抗議、要請を昨秋から受け付けていない。徳里直樹議長(52)は『町民の我慢は限界を超えているのに、米軍は耳の痛い話から顔を背ける。このままでは認識の違いを埋めることさえできない』と批判した。」、との米軍の対応のあり方もあわせて批判する。                       (「沖縄・基地白書」取材班・福元大輔)


[メモ]訓練移転しても外来機の被害増
 2006年5月の在日米軍再編ロードマップで、嘉手納、三沢(青森)、岩国(山口)の米軍機訓練の一部を自衛隊施設や国外米軍施設に移転し、各飛行場周辺の騒音などを軽減することになった。費用の4分の3を日本、4分の1を米国が支出。
 15年までの10年間で国内へ43回、グアムなどの国外へ27回の訓練移転が実現し、日本は計160億6400万円を支払った。


 沖縄タイムスは、この回の最後に、「嘉手納からF15戦闘機の訓練を定期的に県外移転するが、外来機の飛来で騒音や悪臭は減らず、住民は負担軽減を実感できない。」、と断じる。


 それにしても、『訓練を県外移転しても、それ以上に外来機がやって来る。悪臭や騒音が減らなければ負担軽減策も絵に描いた餅だ』、との「声」を、私たちは、どのように受けとめることができるだろうか。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-14 05:39 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年5月13日

 「2009年に開かれた日米両政府の局長級会合の場で、在日米軍基地の環境保全に関する新たな取り決めについて米側が『柔軟な姿勢を示せる』と前向きな提起をしたにもかかわらず、日本側の官僚が米政府に慎重姿勢を取るよう促していたことが12日までに分かった。内部告発サイト『ウィキリークス』が公開した米機密公電による」(琉球新報)。
 こうした記事からは、日本という国が「目下の同盟」のために誤謬を重ねる愚かさが見える。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年5月13日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-防衛官僚、基地環境浄化に横やり  米の前向き姿勢阻む 09年協議で-2018年5月13日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2009年に開かれた日米両政府の局長級会合の場で、在日米軍基地の環境保全に関する新たな取り決めについて米側が『柔軟な姿勢を示せる』と前向きな提起をしたにもかかわらず、日本側の官僚が米政府に慎重姿勢を取るよう促していたことが12日までに分かった。内部告発サイト『ウィキリークス』が公開した米機密公電によると、当時防衛省防衛政策局長だった高見沢将林氏(現日本政府軍縮大使)がキャンベル米国務次官補(当時)に『米政府が柔軟な態度を示せば、地元がより基地への立ち入りを求め、環境汚染を浄化するコストを背負いかねない』などと述べていた。琉球新報は高見沢氏に発言の有無や意図を質問したが、回答は得られなかった。」
②「米軍基地で環境事故が起きるたびに沖縄県内の市町村や県は立ち入り調査などを求めてきたが、米側が日米地位協定に基づく排他的管理権を盾に拒む事態が相次いできた。これに加え、日本政府も基地を抱える地元の意向に反するような対応を米側に促していた。」
③「ウィキリークスが公開している公電は09年10月15日付の在日米大使館発。米軍普天間飛行場の移設問題を巡り、10月12、13日に開かれた日米両政府の公式・非公式会合の内容を記録している。」
④「会合は当時の民主党政権が普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を検証するとしていたことを受けて開かれたと書かれている。米公電によると、長島昭久防衛副大臣(当時)がキャンベル氏らに対し、普天間飛行場を辺野古に移設する場合は(1)嘉手納基地の騒音軽減(2)普天間の危険性除去(3)日米地位協定に関係した環境保全策の強化―を併せて進めるべきだと提言した。環境保全の取り決めはドイツや韓国が米国と締結している協定が『先進事例』になるとしていた。」
⑤「キャンベル氏らは日本が現行移設計画を進めることを前提に、これらに『柔軟な姿勢を示せる』と応じたと記録されている。しかしその後、長島氏らを除いた昼食会合の場で高見沢氏が米側に対し、早期に『柔軟性』を示すことは控えるよう求め、その理由の一つとして環境問題に触れ、基地立ち入りに関する『地元の要求』を高めかねないとの懸念を伝えたと記録されている。」
⑥「この発言が事実かどうかについて防衛省は琉球新報の取材に対し『日本政府としてはウィキリークスのように不正に入手、公表された文書にはコメントも確認も一切しない』と回答した。」                                 (島袋良太)


(2)琉球新報-「沖縄に申し訳立ちません」 「通販生活」が特集 基地の引き取り問う-2018年5月13日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】沖縄の米軍基地問題などを随時特集している『通販生活』(カタログハウス)は最新号の2018夏号で、改めて基地の本土への引き取りなどを問う沖縄特集を掲載している。作家の落合恵子さんと稲嶺進前名護市長との対談や、『沖縄県民に申し訳が立ちません』との見出しを掲げた、東京の基地引き取り運動の代表らのインタビューと合わせて15ページにわたる。」
②「稲嶺さんは落合さんとの対談の中で『本土の引き取り運動以外、沖縄の問題はよそ事というのが本音ではないか』と指摘した。それを受けて落合さんは「辺野古新基地建設ストップ、日米地位協定改訂、本土への基地引き取り、三つの宿題に本土の私たちがどう応えるかが問われている』と応じた。」
③「インタビュー記事では、東京外国語大の伊勢﨑賢治教授と東京新聞の半田滋論説兼編集委員が登場。さらに、沖縄の基地を引き取る会・東京の飯島信さんは『本土への引き取りは加害者としての責任で、本土にも基地はいらないとの考えが沖縄集中の現状追認になりかねない』と指摘した。」
④「特集を担当した通販生活読み物編集長の平野裕二さんは『特集を読んで引き取り運動を初めて知った、無関心ではいけないという読者もいて、このままでは駄目だと思う人が増えている。ただその一方で、無関心層が多いのも事実』と読者の反応を説明した。」


(3)琉球新報-平和希求 短歌に込めて 糸満で宮森630会 メッセージ公募向け講話-2018年5月11日 12:02


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【糸満・うるま】6月から平和メッセージを募集するNPO法人石川・宮森630会の久高政治会長は4月28日、沖縄県糸満市立中央図書館で開かれた短歌サークル『紅短歌会』の例会で1959年の石川・宮森小米軍ジェット機墜落事故について講話した。久高会長は、事故後の校舎や病院で治療を受ける子どもたちの写真を交えて、事故の惨状を紹介。遺族の悲しみや後遺症に苦しむ被害者の現状などについて語り、『当時の状況を知り、平和への思いを短歌に込めてほしい』と平和メッセージへの応募を呼び掛けた。紅短歌会の会員10人余が参加し、熱心に耳を傾けた。」
②「59年6月30日に起こった石川・宮森小米軍ジェット機墜落事故は、2019年に60年を迎える。石川・宮森630会では、60周年事業として平和メッセージ作品を募集する。」
③「紅短歌会は会員約30人で、毎月第4土曜に例会を開いている。玉城洋子代表=糸満市=は、旧石川市出身で、石川中3年の時に事故が起こった。当時5年生だった久高会長は、事故から50年の節目に活動に参加。『自分の体験以外は分からなかったが、活動に参加して初めて事故がひどかったと知った』と強調。事故当時の話を聞きに行っても『思い出したくない』と拒絶するやけどを負った女性や、子どもを失い『6月になると眠れなくなる。亡くなった息子のところに早く行きたい』という癒えることのない遺族の悲しみなどを語り、平和の大切さを訴えた。」
④「平和メッセージ作品は6月1日から7月31日(当日消印有効)まで募集する。平和な世界を築くためのメッセージを詩、短歌、俳句、琉歌で表現する。問い合わせはNPO法人石川・宮森630会(電話)090(8293)8615。」


(4)沖縄タイムス-住民が危険な米軍基地に接近? 裁判所は国の主張退ける 普天間の歴史-2018年5月13日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「イチから分かるニュース深掘り 普天間飛行場問題(中):「米海兵隊トップのネラー司令官が2日の米国防総省での記者会見で『普天間飛行場の建設時(1945年)の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった。現在はフェンスまで都市地域が迫っている』と発言した。『危険になったから名護市辺野古の新基地建設を進める』という意図を持つとみられるが、明らかな誤解、デマだ。沖縄の施政権を米国が日本へ返還してから46年目の5月15日を前に、普天間飛行場問題を振り返る。」(政経部・福元大輔)
②「本土から常駐ヘリが増え、危険に:-米海兵隊のネラー司令官は、普天間飛行場ができた後に周辺に人が住んだみたいなことを言ったよね。:『普天間飛行場は宜野湾市のど真ん中に、ドーナツの穴のように位置する。市の面積に占める割合は25%、キャンプ瑞慶覧という別の基地も8%あるので、残りの約67%に9万5千人が暮らしている。沖縄戦でふるさとを追われた人たちやその子や家族が、仕方なく基地周辺に住んでいるという実情があるよ』
③「-住民が『危険に接近した』という意見がある。:『国に対し、住民が米軍機の飛行を止めさせるよう訴えた裁判で、国は【住民は危険を知りながら自由な考えで、そこに住んでいるから国に騒音被害の責任はない】と主張したんだ』」
④「-裁判所はなんて。:『裁判所は【歴史的事情からすれば、地元に帰りたいという気持ちを理解できる】【地縁などの理由でやむを得ず周辺に住んでおり、非難されるべき事情は認められない】と判断し、国の主張を退けたんだ』」
⑤「-普天間飛行場の隣には小学校があるでしょ。:『普天間第二小学校だね。昨年12月に普天間所属の大型ヘリコプターが運動場に重さ7・7キロの窓を落とす事故があった。体育の授業中の子どもたちもいて、あわや大惨事だった』」
⑥「-米軍は学校上空を『最大限可能な限り飛行しない』と約束したよね。:『事故後も沖縄防衛局が飛行を確認している。学校が運動場の使用再開後の2月13日から3月23日までに児童が登校した28日間で、飛行機やヘリが学校近くを飛んだため、児童の避難回数は計216回に上った』」
⑦「-でも、学校は飛行場の後にできたんだよね。:『「そう。児童が増えた普天間小の過密化を解消するため1969年に第二小が設置され、70年から現在地に校舎が建ち始めた。他に適当な土地が見つからなかったという事情があるよ』」
⑧「-その頃から危険なの。:『普天間には常駐機が少なく、【滑走路にペンペン草が生える】といわれる休眠状態だった』」
⑨「-危険になったのはなぜ。:『常駐機が増えたんだ。関東地方の米軍基地を大幅に縮小する【関東計画】の影響が大きい。79年に本土などからヘリが移ってきた。本土の負担が減る一方で、第二小の教育環境や、周辺の住環境も悪化したという見方もできるよ』
⑩「-宜野湾市は学校を移転しなかったのかな。:『80年に飛行場内で攻撃機が墜落し、移転しようという声が高まった。市は移転先として市内の別の米軍基地の一部返還を求めたけど二つの壁があった』『一つは、米軍の付けた条件。第二小の敷地を普天間飛行場に組み込むよう求めてきた。県内では基地縮小の動きが強まっていたので、市は基地の広がる条件を飲めなかった。もう一つは、米軍が認めたとしても土地を買うのに当時で25億円が必要で、国から補助できないと言われていた』
⑪「-移転できなかったの。:『老朽化した校舎の建て替えが必要になり、92年9月、PTAの臨時総会で移転断念を決めたんだ』」
⑫「-危険はそのままだね。:『米軍基地には日米のいずれの法律も適用されないため、米国なら土地の利用が禁止されている普天間飛行場の滑走路延長線上の地域に、保育所や学校などの公共施設18カ所、住宅約800戸があり、3600人が住んでいる』『2003年に普天間を上空から視察したラムズフェルド国防長官は【世界一危険な米軍施設】と感想を漏らした。04年8月には隣接する沖縄国際大学に大型ヘリが墜落した。【世界一危険】なら直ちに除去すべきなのに、日米で返還に合意してから22年、沖国大の事故から14年たっても、実現していない』」
⑬「『危険への接近』論:「国は『危険を知りながら米軍普天間飛行場周辺に住んでいる』と主張。」:「裁判所は『やむを得ない事情があり、非難できない』と国の主張を認めていない。」。「隣接する普天間第二小学校も移転できない理由があった。」「9万5千人の暮らす宜野湾市のど真ん中にある飛行場を2003年当時の米国防長官は「『世界一危険な米軍施設』と呼んだ。」。


(5)沖縄タイムス-普天間飛行場デマ:米海兵隊司令官の無理解に怒り 宜野湾郷友会長「諦めず発信する」-2018年5月13日 06:52


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2日に米海兵隊トップのネラー司令官が『普天間飛行場の建設時の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった』などと発言した。2010年には元在沖米国総領事のケビン・メア氏、15年には作家の百田尚樹氏と、『デマ発言』が繰り返されて、史実や事実が覆い隠されていく。地元はどう受け止めているのか。沖縄県宜野湾市の字宜野湾郷友会の松本幸清会長(70)に発言に対する思いを聞いた。」             (聞き手=中部報道部・勝浦大輔)
②「ネラー司令官の発言を知って『またか』と怒りがこみ上げた。海兵隊を沖縄に置きながら、最低限の勉強もしておらず、無責任すぎる。こんな歴史認識で、新兵の教育などをしていると思うと許せない。」
③「戦前の字宜野湾には約250戸、1100人が住んでいた。素晴らしい集落、国の天然記念物に指定された並松街道があった。米兵が飛行場建設のために電動のこぎりで松を切る様子や集落を壊した後の更地など、フィルムや写真にしっかりと残っている。住民の喪失感は果てしないものだったと思う。」
④「米軍の許可を得て、8月には飛行場内の湧き水・産泉(ウフガー)の清掃をする。ここで洗濯をしたり水浴びをしたりした話を聞く。確かな人々の営みがそこにあった。こういった、事実ではない発言が繰り返されてしまうのは、私たちの発信不足もあるだろうが、できることは限られている。日米両政府が沖縄の歴史に向き合っていないとも思う。米国と戦争をしたことすら知らない世代が育ってきている。教科書には沖縄戦の記述は少ない。しっかりと教えることは不都合なのだろう。」
⑤「字宜野湾の私たちが事実を伝えていかなければならないのはもちろんだが、市民、県民それぞれがしっかりと事実を理解し、発信していく必要があるのではないか。少しでも多くの人に伝わるよう諦めず、コツコツとやっていくしない。」


(6)沖縄タイムス-普天間所属機の事故、2014年以降は「4件」 政府が答弁書-2018年5月13日 12:14


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】政府は米軍普天間飛行場所属機による2014年以降の事故件数は今年4月末現在で『4件』とする答弁書を閣議決定した。部品落下や緊急着陸などは含まれておらず、住民の実感とはかけ離れた答弁書となった。糸数慶子参院議員(沖縄の風)の質問への回答。」
②「事故の内訳は(1)16年12月オスプレイの名護市安部海岸への墜落(2)17年8月のオスプレイの豪州沖での墜落(3)同10月のCH53E大型ヘリの東村高江での炎上(4)同12月にCH53E大型ヘリが普天間第二小に窓を落下-となっている。」
③「防衛省は事故件数について、沖縄タイムスの取材に『実際に被害が及んだものや社会的な影響が大きかったものを数えている』とした。14年3月に本島沖合でAH1攻撃ヘリが揚陸艦に着艦に失敗した事故や、17年12月に緑ヶ丘保育園(宜野湾市)に米軍ヘリからとみられる部品が落下した事故は件数に入っていない。」
④「一方、県の作成した資料では17年の事故件数だけで7件。緊急着陸や不時着、機体の不具合なども含み、県議会や関連市町村が抗議決議している。」
⑤「緑ヶ丘保育園の知念有希子父母会長は『私たちもそうだが、(今年緊急着陸のあった)読谷や伊計島なども精神的被害や苦痛は続いている。勝手に事故を線引きして、地元住民の意向を無視している。勝手に人命の危機を絞ってほしくない』と訴えた。」
⑥「答弁書ではオスプレイの訓練移転などを進めているとして『普天間飛行場の危険性の除去に努めている』とする一方、来年2月を期限とする普天間の5年以内の運用停止については『実現することは難しい状況になっている』とした。」


(7)沖縄タイムス-陸自、沖縄本島に新たな部隊配備検討 2015年資料 部隊・時期は未開示-2018年5月12日 23:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「防衛省・自衛隊が2015年時点で、沖縄本島に新たな部隊配備を検討していたことが11日、陸上幕僚監部防衛部が作成した資料で分かった。共産党の穀田恵二国対委員長が資料請求で入手した。」
②「資料は同年9月28日付で『陸幕施策等説明』という表題。『南西地域における平素からの部隊配置の推進』との見出しのページで、沖縄本島への配備を検討していることがうかがえるが、時期や部隊の名称は黒塗りになっている。」
③「すでに沿岸監視部隊が配備されている与那国島や、現在、警備部隊を配備するために工事が進んでいる宮古島などは黒塗りにされていないが、石垣島は黒塗りになっている。」
④「穀田氏は11日の外務委員会で、将来的な沖縄配備が取り沙汰されている水陸機動団の配備計画が書かれているのではないかと追及。山本朋広副大臣は『普通科部隊等々を配備するというような計画はない』と否定した。」


(8)琉球新報-K4護岸の造成進む ゲート前100人超が抗議 搬入確認なし-2018年5月12日 12:51


 琉球新報は、「【辺野古問題取材班】新基地建設工事が進む名護市辺野古の海上では12日、砕石が海に投入され、K4護岸の造成工事が進む様子が確認された。米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、雨が降る中で100人を超える市民らが集まり、新基地建設に抗議した。同日午前11時半までに工事資材の搬入は確認されなかった。抗議船に乗った市民は「工事を止めろ」と訴えた。カヌーチームも海上で抗議した。」、と報じた。



by asyagi-df-2014 | 2018-05-13 18:19 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

北部訓練場の全面返還を実現させることでしか、解決策はないのではないか。~琉球新報20180506~

 琉球新報(以下、新報)は、2018年5月6日の社説で、「世界遺産登録延期 北部訓練場の全面返還を」、と論評した。
 どういうことなのか。
 琉球新報は、「世界自然遺産登録と環境破壊が前提の米軍基地の共存はあり得ない。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)は4日、政府が世界自然遺産に推薦した『奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島』について、登録延期を勧告した。6月末からのユネスコ世界遺産委員会での登録は極めて厳しい状況だ。」、と批判する。
 琉球新報は、その根拠を次のように指摘する。


(1)「登録延期の理由は二つある。判断基準の『生態系』で『資産の分断等において、生態学的な持続可能性に重大な懸念がある』ことを理由に、推薦地としての完全性の要件に合致しないと判断された。分断されている地域があると指摘している。」
(2)「もう一つは『生物多様性』の基準で『(米軍)北部訓練場の返還地も推薦地の価値と完全性を大きく追加するもの』と評価し、返還地が推薦地域に入っていないことを挙げた。つまり返還地が生物多様性の観点から極めて重要であると判断し、推薦地域に含めるよう促したのだ。」


 また、次のことを指摘する


(1)「IUCNの勧告は『登録』『情報照会』『登録延期』『不記載』の4区分だ。今回の登録延期は、より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要となる。推薦書を再提出し、その後に約1年半をかけて再度諮問機関の審査を受ける必要がある。」
(2)「登録延期の理由になった『資産の分断』とは何を指すのか。会見で北部訓練場かを問われた環境省は『IUCNに聞いてみないと分からない』と断定を避けた。」
(3)「北部訓練場は2016年12月に過半の4010㌶が返還された。しかし現在も3500㌶が残されている。訓練場がやんばるの森林地域を分断しているのは厳然たる事実だ。さらに16年には6カ所のヘリパッド(ヘリコプター発着場)が新たに建設された。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどが頻繁に離着陸を繰り返し、生態系に悪影響を及ぼしているのは間違いない。IUCNの『資産の分断』が北部訓練場を指す可能性は否定できない。」
(4)「世界自然遺産の推薦地には遺産保護のために周囲に設ける緩衝地帯(バッファゾーン)が不可欠だ。推薦地に隣接する北部訓練場の位置付けも懸念材料となっている。」
(5)「会見で環境省の担当者は勧告の中で北部訓練場が『緩衝地帯に含まれていないと書かれている』と説明し、一方で『バッファゾーンとしての機能を果たしているというニュアンスのことも書かれていたと思う』と説明している。」


 結局、琉球新報は、「いずれにしても緩衝地帯の要件を満たすためには、残された北部訓練場の全面返還を実現させ、国立公園化することこそ現実的だ。そうすれば資源の分断も解消できる。勧告は『世界的な絶滅危惧種の保護のために高いかけがえのなさを示す地域を含んでいる』と指摘している。世界自然遺産と軍事基地は相いれない。全面返還すべきだ。」、と結論づける。


 確かに、どう考えても、残された北部訓練場の全面返還を実現させるしか解決方法はないのではないか。




by asyagi-df-2014 | 2018-05-13 08:38 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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