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辺野古だけでなく、高江でも12月21日に工事再開。

 琉球朝日放送は2018年12月12日、表題について次のように報じた。


(1)辺野古のに注目が集まる中、東村高江でも基地機能の強化に向けた新たな動きが出ています。オスプレイが使う着陸帯の関連工事を沖縄防衛局が21日にも始めることがわかりました。
(2)沖縄防衛局などによりますと、オスプレイの着陸帯に通じる道路にアスファルトを敷いたり、側溝を造ったりする工事を早ければ今月21日にも始める方向で、県に通知を出したということです。
(3)1996年のSACO最終報告では、北部訓練場の約半分の返還を合意。その条件として新たに6カ所の着陸帯が整備されました。2016年7月には、工事を強行する国が反対する住民たちを強制排除して工事を実施。2016年12月までに完成させ、米軍に引き渡しています。一方、高江から約47キロにある伊江島では、伊江島補助飛行場内の強襲揚陸艦の甲板に見立てた着陸帯が完成。12月5日からはF35の訓練が始まりました。
(4)平和市民連絡会の真喜志好一さんは「基地などの返還を決めっていったものは、沖縄県民のためではなく、米軍基地の整理縮小ではなくて、基地機能強化のために作業を進めていた。SACO合意というのが、沖縄県民の要求・求めを逆手にとって米軍が合理化・近代化するきっかけになったということ」だと話しました。
(5)高江、伊江島、そして辺野古で進められる海兵隊基地の機能強化。辺野古に新基地が造られれば、沖縄本島北部一帯が軍事要塞化されることになります。
(6)平和市民連絡会の真喜志好一さんは「島ぐるみでやっていく、そうするほかないと思いますね。たくさんの人が辺野古に集まる、座り込む、それを続けるほかない」と話していました。
(7)土砂が投入されれば、もう取り返しがつかないというあきらめムードを、県民に抱かせようとする国の思惑も見えてきます。しかしこのまま辺野古が強行されれば、将来にわたって、沖縄が大きなリスクを背負いこむことになりそうです。


 2018年12月14日の辺野古土砂投入、21日の高江の工事再開 。
 まずは、ここは、「平和市民連絡会の真喜志好一さんは『基地などの返還を決めっていったものは、沖縄県民のためではなく、米軍基地の整理縮小ではなくて、基地機能強化のために作業を進めていた。SACO合意というのが、沖縄県民の要求・求めを逆手にとって米軍が合理化・近代化するきっかけになったということ』だと話しました。」、と確認をする。
その上で、何ができるかと動き出そう。




by asyagi-df-2014 | 2018-12-13 11:54 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

日本の国のあり方が問われている。(2)

「沖縄の民意を顧みない安倍政権の強硬な姿勢はとどまるところを知らない。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を巡り、岩屋毅防衛相が沿岸部への土砂投入を14日に開始する方針を表明した。これに先立ち名護市安和の民間の桟橋で搬出用の船に土砂を積み込む作業が始まっている。」、と琉球新報は伝える。
 何が問題なのか。
 というより、実はすでにこの国の崩壊が進んでいる。
2018年12月4日、8社が社説・論説でこのことを次のように取りあげ、8社とも安倍晋三政権の強権手法を批判している。


(1)琉球新報社説-14日辺野古土砂投入 法治国家の破壊許されぬ
(2)沖縄タイムス社説-[辺野古14日土砂投入]「宝の海」を奪う愚行だ
(3)朝日新聞社説-辺野古に土砂 政権の暴挙認められぬ
(4)東京新聞社説-辺野古埋め立て 対立を深める暴挙だ
(5)北海道新聞社説-辺野古土砂投入 強行方針 撤回すべきだ
(6)茨城新聞論説- 辺野古土砂投入へ 民意踏みにじる強行だ
(7)京都新聞社説-辺野古に土砂  工事ありきは許されぬ
(8)佐賀新聞論説-辺野古土砂投入へ 民意踏みにじる強行だ


 つまり、今回の安倍晋三政権による「12月14日土砂投入の開始通告」は、「対立を深める暴挙」との手法をもち込み、「民意踏みにじる強行」を行うことで、日本という国の「法治国家の破壊」をもたらす。
 このような「『宝の海』を奪う」「愚行」は、「工事ありき」との安倍晋三政権の思惑を露呈させるものでしかない。


 ここで、いくつかの論調を取りあげて、この「愚行」が「法治国家の破壊」を何故もたらすのかについて明らかにする。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、まず、「玉城デニー知事が『話し合いによる解決』を求め、情理を尽くして対応してきたにもかかわらず、合意形成の努力を放棄し、強権を発動する。選挙で示された民意をこれほどないがしろにする政権が、かつてあっただろうか。合法的体裁をとった自治体への『パワハラ』というしかない。」、と断じる。


 このことについて、「タイムス」は、次のように指摘する。


(1)名護市辺野古の新基地建設を巡り、岩屋毅防衛相が来週14日にも海に土砂を投入すると発表した。
(2)土砂投入により埋め立てが本格化するが、防衛省の審査請求・効力停止申し立てを受け、県の承認撤回の効力を停止した国土交通相は公正な第三者とは言い難い。その処分だけとっても行政不服審査法の趣旨を逸脱しているのは明らかだ。司法の最終判断も待たずに政府が土砂投入を強行するのは、自治権の侵害である。
(3)さらに沖縄防衛局は3日、名護市安和の琉球セメントの桟橋から土砂を船に積み込む作業を始めた。台風被害で本部港の使用が認められなかったため、自治体の許可がいらない民間の桟橋を使うという「奇策」に出たのである。新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票までに既成事実化を急ごうとの思惑が透ける。
(4)県は桟橋の工事完了届がないままの作業など規則や条例違反を指摘している。「目的外使用」の問題も浮上する。そもそも民間桟橋を使うのは想定外であり、県と事前に調整し、了解を得るのが筋ではないか。


(1)岩屋氏は土砂投入を表明した記者会見で「普天間飛行場の危険性を除去するため、一日も早く辺野古への移設を進めていきたい」と語った。しかし「普天間の危険性除去」という言葉は、新基地建設の方便になりつつある。
(2)県の試算によると、新基地は運用までに13年もかかり、工事費は最大で2兆5500億円に膨らむ。一日も早い危険性除去のために辺野古に移すという主張は成り立たなくなっているのだ。むしろ今必要なのは、普天間の一日も早い閉鎖に向けて計画見直しに着手することである。
(3)岩屋氏は「自然環境に最大限配慮し工事を進めたい」とも述べている。県が埋め立てを承認した際の「留意事項」には、ジュゴンやウミガメ等海生生物の保護対策が盛り込まれている。だが現在、3頭いたジュゴンのうち2頭の行方が分からなくなっている。留意事項に沿ってジュゴンなどの環境調査を実施するのが筋である。


 だから、「タイムス」は最後に、「辺野古の環境アセスメントは、専門家から『史上最悪のアセス』だといわれるほど問題が多かった。このまま工事を強行すれば、辺野古移設は『史上最悪の埋め立て』となる。辺野古・大浦湾一帯は、琉球列島に広がるサンゴ礁生態系の中でも、特に生物多様性が豊かな場所である。土砂が投入されれば、その「宝の海」が失われる。日本の国内法だけでなく米国の国家環境政策法など両国の関連法を適用し、最大限の規制をかけるべきだ。」、と主張する。


 確かに、今回の安倍晋三政権の「愚行」について、次のことが言える。


(1)司法の最終判断も待たずに政府が土砂投入を強行するのは、自治権の侵害である。
(2)新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票までに既成事実化を急ごうとの思惑が透ける。
(3)「目的外使用」の問題も浮上する。
(4)このまま工事を強行すれば、辺野古移設は「史上最悪の埋め立て」となる。その結果、「宝の海」が失われる。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-13 10:01 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

日本の国のあり方が問われている。(1)

「沖縄の民意を顧みない安倍政権の強硬な姿勢はとどまるところを知らない。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を巡り、岩屋毅防衛相が沿岸部への土砂投入を14日に開始する方針を表明した。これに先立ち名護市安和の民間の桟橋で搬出用の船に土砂を積み込む作業が始まっている。」、と琉球新報(以下、「新報」)は伝える。
 何が問題なのか。
 というより、実はすでにこの国の崩壊が進んでいる。
2018年12月4日、8社が社説・論説でこのことを次のように取りあげ、8社とも安倍晋三政権の強権手法を批判している。


(1)琉球新報社説-14日辺野古土砂投入 法治国家の破壊許されぬ
(2)沖縄タイムス社説-[辺野古14日土砂投入]「宝の海」を奪う愚行だ
(3)朝日新聞社説-辺野古に土砂 政権の暴挙認められぬ
(4)東京新聞社説-辺野古埋め立て 対立を深める暴挙だ
(5)北海道新聞社説-辺野古土砂投入 強行方針 撤回すべきだ
(6)茨城新聞論説- 辺野古土砂投入へ 民意踏みにじる強行だ
(7)京都新聞社説-辺野古に土砂  工事ありきは許されぬ
(8)佐賀新聞論説-辺野古土砂投入へ 民意踏みにじる強行だ


 つまり、今回の安倍晋三政権による「12月14日土砂投入の開始通告」は、「対立を深める暴挙」との手法をもち込み、「民意踏みにじる強行」を行うことで、日本という国の「法治国家の破壊」をもたらす。
 このような「『宝の海』を奪う」「愚行」は、「工事ありき」との安倍晋三政権の思惑を露呈させるものでしかない。


 ここで、いくつかの論調を取りあげて、この「愚行」が「法治国家の破壊」を何故もたらすのかについて明らかにする。
「新報」は、まず、問題点を次のように押さえる。


「9月30日の県知事選で新基地建設反対を掲げた玉城デニー氏が政権与党の全面支援を受けた候補者を大差で下してからまだ2カ月余りしかたっていない。玉城知事が求めた1カ月の集中協議を終えた途端、強権を発動する政府のやり方は横暴そのものだ。」


 この上で、「新報」は批判の根拠を次のように示す。

(1)2013年に仲井真弘多元知事から埋め立ての承認を受ける際に沖縄防衛局が提出した願書には、土砂の搬出場所を「本部地区」「国頭地区」と記載していた。当初は本部港(本部町)から土砂を搬出する計画だったが、台風で港の一部が破損した。急きょ使用することになった民間桟橋は名護市安和にある。本部町でも国頭村でもない。計画を変更するなら、事前に県の承認を得るべきだ。
(2)政府は工事を再開するため、私人を救済する仕組みである行政不服審査制度を利用した。そのこと自体、違法行為にほかならない。その上、提出書類に明記していない場所から土砂を搬出している。政府は特別だから法を曲げても約束をほごにしても許されると言うのか。法治国家としてあるまじき行為だ。
(3)岩屋防衛相は、「不退転の決意か」との記者の質問に「そうだ。沖縄の負担軽減や普天間返還のための唯一の方策が辺野古移設だ」と答えた。国民を守るべき立場にある防衛相が不退転の決意で沖縄県民に対峙(たいじ)する構図は尋常ではない。県民に強権を振りかざすためではなく、米国に移設計画の見直しを求めるために不退転の決意を示すべきだ。
(4)県の試算によると、埋め立て工事費は軟弱地盤への対策などを加え2兆5500億円に達するという。防衛省が資金計画書で示した2400億円の10倍超だ。米軍基地を建設するために、これほどの血税を投じることは経済合理性に反する。その上、生物多様性の宝庫である貴重な海が不可逆的に破壊されるのだから、常軌を逸している。


 最後に、「新報」は、今回の「愚行」の意味を、次のように断じる。


(1)今やなりふり構わなくなった政府は、沖縄の基地負担軽減という本来の目的を見失い、新基地建設自体が目的化した感がある。
(2)来年2月24日には埋め立ての賛否を問う県民投票が行われる。新基地建設の是非はその結果に従い判断すべきだ。計画外の民間桟橋を使ってまで事を急ぐのは県民投票の前に、既成事実を積み重ねる狙いがあるのだろう。
(3)危険性除去に名を借りた基地の拡充強化は許されない。政府は沖縄の民意、法外な建設費、自然環境の破壊といった要素を冷静に受け止め、速やかに工事を中止すべきだ。


 確かに、安倍晋三政権による「工事ありき」の既定路線の強行が、「既成事実を積み重ねる狙いがある」(「新報」)とするのなら、あまりにも愚策であり、まさしく、法治国家を破壊するものでしかない。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-12 07:13 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「The Buck Stops Here」の言葉の意味をはじめて知りました。

 「平安名純代の想い風」(2018年12月2日)は、「彼女の見解は、非常に説得力がある」
、と始まります。
どういうことなのか。
「平安名純代の想い風」は、このように記します。


(1)オバマ前政権の元高官に、玉城デニー知事が米ニューヨーク大学で11月11日に開いた講演のビデオを送ったところ、コーディネーターを務めた島袋まりあ同大准教授の総括について、そんな論評が返ってきた。
(2)玉城知事は講演の中で、「沖縄がアメリカに米軍基地に関する苦情を訴えると、アメリカは日本政府に回し、日本政府は地位協定などを理由に切り捨てる」と強調。島袋氏はこれを「日米両国が設定した土俵で問題がたらい回しされ、沖縄の声がかき消されていく」と指摘した上で、「アメリカの政治の世界では、責任転嫁することを『Pass the Buck』という。沖縄はいわば『たらい(Buck)』だ。『The Buck Stops Here(たらいはここで引き受ける=私が責任を取る)』と主張する政治家はアメリカにも日本にもいない」と説明した。
(3)「The Buck Stops Here」はトルーマン大統領をはじめ、これまで多くの歴代大統領が使ってきた米国ではなじみの深いフレーズだ。オバマ大統領は記者会見で「The Buck Stops with me(最終責任は私にある)」と訴えていたし、最近では責任転嫁するトランプ大統領を批判する決まり文句として、米メディアが「Pass the Buck」を多用する。


 また、「平安名純代の想い風」は、たらい回しの現状に終止符を打つために何が必要なのかについて、指摘します。


(1)前述した元高官は「南北首脳会談が実現したのは『The Buck Stops Here』と『たらい』を引き受けた文在寅・韓国大統領の存在が大きかった」と指摘。同会談と米朝首脳会談の成功後、軍事力重視の米政府内に「対話」による外交を再評価する新たな変化が生まれているとも話してくれた。
(2)確かに沖縄は今、名護市辺野古の新基地建設を巡り、後戻りできない事態へと追い込まれている。そうした状況下で、果たして具体策を伴わない「対話」で事態を動かせるのかと疑問視する人は少なくない。
(3)しかし、私たちが直面している事態は、日米両政府が沖縄と「真摯(しんし)な対話」をせず、常に沖縄を「例外」とする状況を変えてこなかったから起きているのだ。玉城知事は講演で「政府の扉と法律の門が閉じつつあるという厳しい現実に直面している。沖縄は一体いつまで政府の扉の前で待たなければならないのか」と訴えた。
(4)たらい回しの現状に終止符を打つには「The Buck Stops Here」と責任を引き受ける政治家が必要だ。そのためには、政府に扉を開かせる国民の主体的な行動が必要なのだ。


 だから、「朝鮮半島の和平へ向け、在米韓国人らは団結し、米政府の背中を押し続けた。対話の力を信じたからこそ、道を切り開けたのだ。沖縄の目の前で閉じられつつある政府の扉を開けるのは誰なのか。問われているのは沖縄だけではない。」、と「平安名純代の想い風」は結ばれます。


 確かに、沖縄をめぐる状況は、「日米両国が設定した土俵で問題がたらい回しされ、沖縄の声がかき消されていく」と指摘した上で、「アメリカの政治の世界では、責任転嫁することを『Pass the Buck』という。沖縄はいわば『たらい(Buck)』だ。『The Buck Stops Here(たらいはここで引き受ける=私が責任を取る)』と主張する政治家はアメリカにも日本にもいない」、との説明が言い当てている。
 だから、大事なのは、「The Buck Stops Here」(たらいはここで引き受ける=私が責任を取る)でること。
 したがって、たらい回しの現状に終止符を打つには、「『The Buck Stops Here』と責任を引き受ける政治家が必要だ。そのためには、政府に扉を開かせる国民の主体的な行動が必要なのだ。」(沖縄タイムス)、ということに尽きる。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-10 07:20 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄県が総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」に審査を申し出た意味とは。

 琉球新報は2018年11月30日、「県、係争委へ審査申し出 辺野古埋め立て 撤回停止に不服」、と次のように報じた。


(1)米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、玉城デニー知事は29日、県の埋め立て承認撤回の効力を一時停止させた国土交通相の決定を不服として、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」(係争委)へ審査を申し出る文書を送付した。審査申出書で県は執行停止決定を取り消すよう国交相への勧告を係争委に求めた。係争委は90日以内に判断を示す。県庁で会見した玉城知事は、12月中旬に辺野古に土砂投入する政府の方針に対し「対話でいい結果に導いていけると思っていたが、非常に残念だ」と反発した。
(2)会見に同席した謝花喜一郎副知事は、県土の乱開発防止を目的とした「県土保全条例」を改正して国工事も対象に含めることなどを検討していくことを、28日の集中協議で杉田和博官房副長官に伝えたことを明かした。新基地建設工事への対抗策について謝花氏は「他の都道府県の環境に関する条例なども研究し、既存の知事権限以外についても検討していく必要がある」と強調した。
(3)県は係争委への審査申出書で(1)沖縄防衛局は行政不服審査制度で執行停止を申し立てることはできない(2)国交相は内閣の一員であり、防衛局の申し立てに対して判断できる立場でない―を挙げ、国交相の執行停止決定は審査庁としての立場を著しく乱用した違法なものだと主張している。執行停止決定の取り消しで撤回の効力を復活させ、海上工事を再び止める考え。
(4)会見で玉城知事は「国との対話を継続することで解決を図る考えだが、そのためには違法な執行停止決定は取り消される必要がある」と訴えた。係争委に対し「中立・公正な審査をお願いしたい」と語り、機会があれば自ら委員会で意見を述べたい考えを示した。申出書は79ページで、ドッジファイル1冊分の証拠書類が添付される。30日に国地方係争処理事務局に到達する見通しだ。係争委が県の主張を認めなかった場合、防衛局は工事を続け、県は地方自治法に基づいて高裁に提訴するとみられる。
(5)一方、菅義偉官房長官は29日午後の会見で「(28日の)総理と知事の面会の結果を踏まえ、県において判断したのだろう。今後、委員会での審議が行われるものであり、コメントは差し控える」と述べた。その上で「移設に向けた工事をしっかり進めていきたい」と語り、審査中も工事を続ける考えを改めて示した。


 この沖縄県が行った「審査申出書で県は執行停止決定を取り消すよう国交相への勧告を係争委に求めた」行為について、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)の社説で考える。
「タイムス」は、このことに関して、次のように押さえる。


(1)辺野古新基地建設を巡り、県の埋め立て承認の撤回を国土交通相が執行停止したのは違法だとして、県は総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」に審査を申し出る書類を送付した。
(2)係争委は国と地方の争いを調停する機関で、有識者の委員5人で構成。90日以内に調停案を勧告するか、審査結果を通知する。
(3)工事主体の防衛省沖縄防衛局が行政不服審査法(行審法)を使って執行停止を申し立て、国交相が認める決定をした。このため新基地建設関連工事は再開している。


 次に、「タイムス」はこのことの問題点を次のよう指摘する。


(1)記者会見した玉城デニー知事は、審査申し出の理由を大きく二つ挙げた。行政不服審査制度は行政の違法・不当な処分から一般国民(私人)の権利救済をすることが目的である。国の機関である防衛局にはそもそも申し立てる資格がなく違法であること。公有水面埋立法では民間事業者は県から埋め立ての「免許」、国の機関の場合は「承認」を受けなければならないと明確に区別されている。民間と国とでは取り扱いが違い、防衛局が県から受けたのは「承認」である。にもかかわらず、「私人」と言い張る防衛局は、なりすましたというほかないのである。
(2)玉城知事が挙げたもう一つの理由は、国交相は内閣の一員として辺野古新基地を推進する立場にあり、今回の執行停止決定は、審査庁としての地位を著しく濫用(らんよう)し違法であること。同じ国の機関である防衛局の申し立てを同じ国の国交相が審査することは身内による判断ということだ。新基地建設推進の安倍内閣の中で異なる判断が出るはずがないではないか。結果は最初から自明であり、著しく不公正な決定である。国による制度の濫用というほかなく「法治国家」にもとるものだ。
(3)この手法が許されるなら国の機関が地方自治体の処分を覆すことはなんでもできることになるであろう。新基地問題で安倍政権は対等であるべき国と地方の関係をゆがめてきた。国交相の決定も、地方自治を破壊する暴挙であると断じざるを得ない。


 この上で、「タイムス」は、安倍晋三政権に『異』を唱えることになる。


(1)権力を抑制的に行使するために三権分立の仕組みがある。安倍政権では行政権力が肥大化し、解釈を一方的に変更するなどチェック・アンド・バランスが効いていない。
(2)県は軟弱地盤の存在などで工事費用が当初の10倍の2兆5500億円に膨らみ、工期も運用開始まで13年も要すると指摘。新基地建設の目的だった米軍普天間飛行場の危険性除去の破綻は明らかだ。
(3)係争委は2015年に同じ構図で県の申し出を却下している。ただ国交相の判断を「疑問も生じるところ」と言及している。形式にとどまらず、沖縄の歴史も踏まえ、実質的な審理を尽くしてほしい。


 確かに、「タイムス」の「考えてみてほしい。『私人』が軍事基地を建設するために公有水面を埋め立て、米軍に提供することがあり得るだろうか。防衛局はそう主張しているのである。あきれるしかない。」、との指摘に尽きる。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-04 08:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

何と、安倍晋三政権はこの12月中旬の埋め立てでの土砂投入を検討という(2)。


 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2018年11月29日、このことについて次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府が12月中旬の埋め立て土砂投入を検討していることが28日、分かった。土砂を搬出予定の本部港塩川地区は台風被害から使用が許可されず、引き続き使用を申請すると同時に名護市内の別の民間施設からの搬出も模索する。一方、県は県土の乱開発防止を目的とした『県土保全条例』を改正し、規制対象に国の工事も含めることで、新基地建設をけん制する案を検討している。」
②「玉城デニー知事は28日に首相官邸で安倍晋三首相と会談。新基地建設断念を求める県に対し、政府は現行計画を進める考えを改めて表明した。会談は9日からの県と国の集中協議の最終回に位置付けられたが、議論が平行線のまま物別れに終わり、政府は土砂投入へ踏み切る。」
③「玉城知事は28日夜、政府の土砂投入方針について『具体的な話は聞いていないが、やればやるほど県民の反発を買うのは間違いない』と語った。」


 沖縄県の民意を『具体的な話は聞いていないが、やればやるほど県民の反発を買うのは間違いない』と県知事が言わざるを得ない破壊行為を、安倍晋三政権は強行しようとする。
もはや、この政権のやり放題に驚いてはいけない。
 このことについて、「タイムス」は、「[辺野古協議 不調]土砂投入への対応急げ」、と社説で著した。
 「タイムス」は、この間行われた安倍晋三政権と沖縄県との間の協議について、次のように批判する。


(1)「政府は知事選で示された民意を真摯(しんし)に受け止め、工事を中止してほしい」。「計画通り移設作業を進めていきたい。そのことについて理解を求めたい」。
(2)28日、首相官邸で開かれた玉城デニー知事と安倍晋三首相の会談は、双方の溝を埋めることができず、平行線のまま終わった。会談に先立って謝花喜一郎副知事と杉田和博官房副長官の4回目の集中協議が行われた。首相と知事の会談は、集中協議を締めくくるセレモニーとしてお膳立てされたのだろう。政府の側に、溝を埋める意思があったかどうか、疑わしい。
(3)実際、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では連日、新基地建設に反対する市民を強制排除し、工事車両が基地内に入っている。
(4)政府は12月中旬、土砂投入に着手する方針だという。当初予定していた本部港ではなく、別の港を利用して埋め立て用土砂を搬出する計画のようだ。集中協議を実施する以上、少なくともその期間中は一切の工事を中止し、信頼関係を築いた上で話し合いを進めるべきであった。
(5)だが、政府はそうはしなかった。話し合いのポーズを維持しつつ工事を急ぐ-首相と知事の会談は、首相が最後通告の場に利用したようなものである。


 この「首相による最後通告」を受けた沖縄県に対して、「タイムス」は、「『対話による解決』を求める玉城知事はこれから先、どこに活路を見いだしていくのだろうか。」、と書き込む。
また、沖縄県による政府への指摘を示す。


(1)集中協議が非公開で進められたため、県の対応が見えにくいが、実は、この日の会談と4回にわたる集中協議を通して県は、極めて重要な指摘を行っている。
(2)第一に、埋め立て工事や軟弱地盤の改良工事、埋め立て完了後の作業など、新基地の運用までに13年かかると想定されること。
(3)第二に、経費は当初計画よりも大幅に膨らんでおり、県の試算だと完成までの費用は最大で2兆5500億円かかる見込みであること。
(4)第三に、海底断層の地盤改良工事に伴って絶滅危惧種など数多くの海域生物への影響が懸念されること、などだ。


 この沖縄県の指摘の意味を、「『普天間閉鎖=危険性除去』まであと10年以上もかかるということは、辺野古移設が当初の目的を実現できなくなったことを意味する。一日も早い普天間閉鎖のため、『もう一つの選択肢』を真剣に検討すべき時だ。」、と示す。
この上で、沖縄の向かうべき地平を次のように提起する。


(1)辺野古埋め立てによる新基地建設は、普天間飛行場の危険性除去を遅らせるだけでなく、環境面でも失うものがあまりにも多すぎる。
(2)膨大な予算を投じて米海兵隊を「焼け太り」させる半面、県民の分断と対立を深め、米軍基地の安定的な維持にもマイナスの影響を与える可能性が高い。
(3)県は、辺野古を巡るこうした現実を早急に全国に発信し、見直し協議が必要なことをあらゆる方法、手段を使ってアピールすべきである。
(4)県民投票の成否が状況を左右することになるだろう。


 確かに、安倍晋三政権は、「もう一つの選択肢」を早急に求めなくてはならない。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-03 10:27 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

何と、安倍晋三政権はこの12月中旬の埋め立てでの土砂投入を検討という(1)。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2018年11月29日、このことについて次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府が12月中旬の埋め立て土砂投入を検討していることが28日、分かった。土砂を搬出予定の本部港塩川地区は台風被害から使用が許可されず、引き続き使用を申請すると同時に名護市内の別の民間施設からの搬出も模索する。一方、県は県土の乱開発防止を目的とした『県土保全条例』を改正し、規制対象に国の工事も含めることで、新基地建設をけん制する案を検討している。」
②「玉城デニー知事は28日に首相官邸で安倍晋三首相と会談。新基地建設断念を求める県に対し、政府は現行計画を進める考えを改めて表明した。会談は9日からの県と国の集中協議の最終回に位置付けられたが、議論が平行線のまま物別れに終わり、政府は土砂投入へ踏み切る。」
③「玉城知事は28日夜、政府の土砂投入方針について『具体的な話は聞いていないが、やればやるほど県民の反発を買うのは間違いない』と語った。」


 沖縄県の民意を『具体的な話は聞いていないが、やればやるほど県民の反発を買うのは間違いない』と県知事が言わざるを得ない破壊行為を、安倍晋三政権は強行しようとする。
もはや、この政権のやり放題に驚いてはいけない。
確かに、壊されるのを甘んじて見ている状況ではない。
この状況について、琉球新報(以下、「新報」)は2018年11月29日、「12月中旬土砂投入 どこまで民意踏みにじる」、と社説で論評した。
「新報」は、この間の「対話」に関して、安倍晋三政権の対応について次のように批判する。


(1)米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、安倍政権の民意切り捨ての姿勢が改めて鮮明になった。辺野古移設を断念するよう求めた玉城デニー知事に対し、安倍晋三首相は「計画通り今の移設作業を進めたい」と述べ、沖縄側の要求を重ねてはねつけたのである。
(2)知事との会談を経て、政府は12月中旬に辺野古沿岸部への土砂投入を開始する方針を固めている。対話はポーズにすぎなかった。
(3)新基地建設に反対する県民の意思は、今年、4年前の2度の知事選によって明確に示された。にもかかわらず、工事を強行する安倍政権の態度は、沖縄県民を侮蔑しているとしか思えない。


 「新報」は、安倍晋三政権が力説する「辺野古移設が唯一の解決策」について、改めて、次のように指摘する。


(1)普天間飛行場のある場所は戦前、集落が点在する農村地帯だった。1945年に米軍が接収して滑走路を建設している。戦争が終わって収容所や避難先から住民が戻ったときには立ち入りができなくなっていた。
(2)沖縄戦を戦った海兵隊のほとんどの部隊は終戦後、沖縄を去った。その後、基地反対運動の高まりを受け50年代に第3海兵師団が岐阜、山梨両県から移駐する。普天間飛行場の第36海兵航空群は山口県岩国基地から移転してきた。
(3)沖縄の基地面積が増大したのは本土から海兵隊が移ってきたことが要因になっている。これらは地政学的な理由からではなく、政治的な事情から移駐した。
(4)多くの専門家が指摘するように、軍事面から見れば殴り込み部隊である海兵隊を沖縄に展開する理由は乏しく、「辺野古移設が唯一の解決策」ということはあり得ない。
(5)首相との会談で玉城知事は軟弱地盤の存在によって工事が完遂できない可能性を指摘し、重ねて中止を要求した。移設に最短でも13年かかるとの見通しを明らかにする一方で、完成までにかかる費用については、地盤改良や埋め立て土砂の調達などを含め「最大2兆5500億」との試算を示した。知事の主張は合理性があり説得力を持っている。血税の無駄遣いを防ぐ上でも工事の続行は許されない。


 「新報」は最後に、この辺野古新基地建設の帰趨が、日本という国の存続に関わるという意味で、次のように主張する。


(1)政府は新基地建設工事を再開するため、本来、政府機関が対象になり得ない行政不服審査制度を乱用するなど、なりふり構わない態度で沖縄を抑え付けにかかっている。土砂投入もその一環だ。既成事実を積み重ねることで、県民があきらめ、屈服するのを待っているのだろう。
(2)玉城知事が述べた通り、県民の多くが不平等、不公正と感じており、不満が鬱積(うっせき)している。一体、どこまで民意を踏みにじるつもりなのか。
(3)法をねじ曲げることもいとわない政府の力は日本の一県にすぎない沖縄県をあらゆる面で上回っている。沖縄が手にしているのは民意に後押しされた「正義」というカードだけだ。政府の理不尽さを国民世論に訴え続けるしかない。


 確かに、一方では、「政府の理不尽さを国民世論に訴え続けるしかない。」、ということののかもしれない。だとしたら、新しい風を吹かせよう。




by asyagi-df-2014 | 2018-12-02 07:14 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

新しい風として、沖縄県県民投票を。

 「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う」沖縄県の県民投票が、2019年2月24日に実施されることになった。
琉球新報(以下、「新報」)は、「県民投票2月24日に 意思を示す貴重な機会だ」と社説で論評した。
「新報」は、「新基地建設に対する県民意思を示す貴重な機会だ。全市町村で実施できるよう環境を整えたい。」、と説く。
また、今回の県民投票をめぐる現状を次のように把握する。


(1)県民投票が行われるのは1996年以来22年ぶりだ。前回は在沖米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直しの是非が問われた。今回は辺野古の埋め立てという具体的な事象への賛否を問う。賛成欄、反対欄のどちらかに「○」を記入するシンプルな方式だ。
(2)県議会で県民投票条例案を審議した際、自民、公明両党は「やむを得ない」「どちらとも言えない」を選択肢に加えた修正案を提出したが、賛成少数で否決された。
(3)「やむを得ない」は賛成に含まれるし、「どちらとも言えない」と考えるなら投票しないはずだ。基地は造るか造らないかのどちらかであり、殊更に選択肢を増やすのは合理性に乏しい。
(4)大切なのは、より多くの有権者が投票所に足を運んで1票を投じることだ。そのためには県内41市町村の全てが投開票事務に協力する態勢をつくる必要がある。だが、石垣、糸満、うるま、宜野湾の4市は態度を保留している。石垣市議会は県民投票に反対する意見書を10月に賛成多数で可決した。宜野湾市議会でも反対の意見書を可決する動きがある。


 こうした状況の中で、「新報」は、次のように主張する。


(1)住民投票は直接民主制の一方式で、代表民主制の欠陥を補う制度だ。投票の結果に法的拘束力はないものの、特定の事象に対する民意の在りかを明らかにするのに、これ以上有効な手段はない。
(2)市町村議会が県民投票に反対する意見書を可決するのは自由だ。それぞれの考えがあっていい。だからといって、投票に必要な予算案まで否決するのなら、行き過ぎであり、権限の乱用と言わざるを得ない。投票をする権利まで奪うのは「口封じ」にほかならず、民主主義の否定につながるからだ。
(3)党利党略の思惑から県民投票を政争の具にしてはならない。問われるべきなのは新基地であって県民投票ではないのである。
(4)投票の結果、埋め立て賛成が多数を占めれば新基地建設を推進する安倍政権にとって望ましい状況が生まれる。逆に反対が多数を占めれば県の主張に説得力が加わる。
(5)賛成、反対のどちらが多数を占めるにしても、投票結果は重い意味を持つ。
(6)96年に実施された新潟県巻町の原発建設計画の賛否を問う全国初の住民投票では6割が反対し計画が撤回された。2000年の徳島市の住民投票では、吉野川可動堰建設への反対が9割を超し、建設が中止されている。


 「新報」は、沖縄の県民投票について、「県民投票は米軍基地が集中する沖縄県の在りようについて県民一人一人が真剣に考える機会にもなる。改めてその意義を再確認したい。」、と意味づける。


 今思うことは、今回の沖縄県知事選挙で示された「沖縄の民意」が国政に個性に正当に反映されないのであるから、沖縄の民意を改めて示す必要があるということではないか。
 まさしく、「投票の結果、埋め立て賛成が多数を占めれば新基地建設を推進する安倍政権にとって望ましい状況が生まれる。逆に反対が多数を占めれば県の主張に説得力が加わる。賛成、反対のどちらが多数を占めるにしても、投票結果は重い意味を持つ。」(琉球新報)、ということに尽きる。



by asyagi-df-2014 | 2018-12-01 09:10 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

確かに、深刻な問題です。(2)

「京都府南丹市は市内で予定していた精神科医・香山リカさんの講演会を中止した。妨害をほのめかす予告電話などがあったためだ。憲法で保障された集会、結社、言論、出版その他一切の表現の自由に対する重大な挑戦だ。見過ごすことはできない。」(琉球新報)、に関することである。
2018年11月24日付けのヤフ-ニュ-スは、このことに関して、篠田博之月刊『創』編集長(以下、「篠田」)の「再び起きた香山リカさん講演会中止事件は言論をめぐる状況の危うさを示している」、と伝えた。
「篠田」の指摘は、次のものである。


(1)11月24日に京都府で開催予定だった香山リカさんの講演会が突如中止になった。主催者側は急きょ代役をたて、講演会自体は無事に終了したらしい。でもこの事件、日本の言論をめぐる極めて深刻な問題を浮き彫りにしていると思う。香山さんの講演会中止事件は昨年6月にもあった。そしてその経緯が今回とよく似ているのだ。
(2)問題は、何本かの電話があっただけで講演会そのものを中止してしまう、言論をめぐる危うい状況だ。昨年もそうだったが、今回も、主催者側がそのことをどこまで自覚しているかが問題だ。確かに右翼らしい人物から街宣抗議をほのめかされて脅されては、そういうことに慣れてない人は動揺するだろうし、入場者の安全確保のために中止がやむをえない場合もあるとは思う。でもそういう事態が何度も繰り返されていけば、言論の自由など存在しない状況に事実上至ってしまう。そのことの深刻な意味を、関係者もそうだし、もう少し社会全体が考えてみるべきではないかと思う。
(3)昨年の中止事件も今回も、特徴的なのは、香山さんの講演テーマが、こども食堂とか子育て応援とか、思想的なことと全く無関係なことだ。恐らくだからこそ、主催者側も思わぬ騒動に驚き慌てたのだろう。つまりこれらの講演会をつぶした側は、その講演テーマに抗議したのでなく、香山さんを攻撃しているのだ。
(4)昨年の中止事件については、その前に起きた百田尚樹さんの講演会中止事件とあわせてヤフーニュースに書いた。百田尚樹、香山リカと相次ぐ講演会中止は、言論をめぐる危ない状況を示している
(5)今回の事件は、この時に書いたことがまさに現実となりつつあることを示している。右派が「反日」なるよくわからないレッテルを貼った人に対して、今回のような方法で講演会をつぶしてやろうという動きは今後拡大する可能性がある。本当はこんなふうに言論がつぶされていくという事態は、右の人にとっても由々しきことで、右であれ左であれ「言論の自由」が危うくなっていく状況を示しているのだが、今回のようにやったことがうまく行ってしまうと、真似する人は当然出て来るだろう。
(6)この事態を考えるうえで参考になるのは、2012年から13年にかけて起きた「黒子のバスケ」脅迫事件だ。この事件については2013年から私自身がヤフーニュースで詳しく報じたし、犯人の渡邊君の手記も『生ける屍の結末 「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相』と題して創出版から刊行した。その彼は、ヒット漫画『黒子のバスケ』の作者を恨んでいるという想定のもとに、関連イベントに次々と脅迫状を送り、大半のイベントを中止に追い込んだ。彼が言っていたのは、作者や出版社に脅迫状を送っても表現の自由をたてに抵抗するから簡単につぶせないのだが、イベントの主催者に脅迫状を送るとほとんどイベントが中止になったという。イベントの主催者は、言論・表現の自由といったことより会場の安全を第一に考えるから、あっさりと中止してしまうというわけだ。

  

 この上で、「篠田」は、日本の言論・表現の自由の状況を、あわせて次のように指摘する。


(1)実は同様の講演会やイベントの中止事件は、報道されていないものも含めてこれまで相当起きている。かつての在特会などネトウヨは、「反日」とレッテルを貼ったものは次々と攻撃してきたし、一時、慰安婦問題などの集会が次々と中止になった。
(2)さらに言えば、この10年ほど、社会の側がそういう事例に対して脆弱になり、少し抗議の電話がかかってくるとすぐに中止にしてしまう傾向が加速している。かつて大学は言論の砦と言われた時代もあったが、大学も最近は、政治的な問題の集会で抗議が入ると、使用許可取り消しといった措置に出ることが多くなった。
(3)近年は、安倍「一強」政権に忖度して、憲法をめぐる集会が次々と会場使用許可取り消しになったりしている。特に行政の場合は、忖度の度合いがますますひどくなっており、安倍政権を批判するような護憲の色合いがある集会は会場が使えなくなってきている。(4)それと同じ流れのわかりやすい例が、さいたま市で「九条俳句」が公民館だよりという会報から掲載中止され、裁判になった事件だ。この記事にあるように、今年1月、私がコーディネイタ―になって日本ペンクラブ主催の「『忖度』が奪う表現の自由」というシンポジウムが開催されたが、パネリストは香山リカさん、上野千鶴子さん、そして「九条俳句」の弁護人だった。そこでは、言論や表現の自由が「忖度」社会でいかに危うくなっているか議論がなされたのだが、今回の香山さんの講演会中止事件はまさにその流れにあるものと言ってよい。」
(5)言論表現の自由の侵害というのは、目に見えるようなあからさまな暴力によってではなく、電話5本で講演会が中止になるといった事例が増えていくことでじわじわと拡大していくものだ。
(6)今回の中止事件についても、行政を含めた主催者側はこれがそういう深刻な事態に関わっていることを果たしてきちんと認識し、それでもやむにやまれずに中止にしたものだったかどうかが問題だ。
(7)憲法に書かれているように、我々が「不断の努力」を続けないと、言論表現の自由など、もろくも崩れていくことは決して杞憂ではない。


 確かに、この事件は、何本かの電話があっただけで講演会そのものを中止してしまうという日本の言論をめぐる状況が、極めて深刻であることを浮き彫りにする。
「篠田」の「言論表現の自由の侵害というのは、目に見えるようなあからさまな暴力によってではなく、電話5本で講演会が中止になるといった事例が増えていくことでじわじわと拡大していくものだ。」、との指摘が日本の現状をつぶさに物語る。
そうなのだ。やはり、必要なのは、一人一人による「不断の努力」なのだ。




by asyagi-df-2014 | 2018-11-30 07:18 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

確かに、深刻な問題です。

 琉球新報(以下、「新報」)は2018年11月25日の社説で、「香山氏講演中止 表現の自由侵害許せない」、と論評した。
「新報」は、「京都府南丹市は市内で予定していた精神科医・香山リカさんの講演会を中止した。妨害をほのめかす予告電話などがあったためだ。憲法で保障された集会、結社、言論、出版その他一切の表現の自由に対する重大な挑戦だ。見過ごすことはできない。」、と断じるのである。
どういうことが起きたのか。
「新報」は、次のように捉える。


(1)香山さんは市などが主催する子育てイベントで「子どもの心を豊かにはぐくむために―精神科医からのアドバイス」と題して講演する予定だった。ところが市役所に「日の丸の服を着て行っていいのか」などとする匿名の電話が5件寄せられた。さらに役所を訪れた男性が「大音量を発する車が来たり、会場でけが人が出たりしたら大変やろ」と職員に告げている。明らかな脅迫ではないか。
(2)こうした匿名の電話などを受け、市は「母親や子どもたちが安全に過ごせることを考慮した」という理由で、講演を中止した。これでは行政が理不尽な圧力に屈服したといわれても仕方ない。
(3)脅迫罪は相手を恐れおののかせることにより成立する犯罪だ。未遂罪は存在しない。香山さんの講演を実施すれば、大音量を発する車が来たり、けが人が出るぞと告げる行為は脅迫罪に該当しないだろうか。


 だから、「新報」はこの問題を次のように批判する。


(1)行政は講演を中止するのではなく、こうした脅迫めいた圧力に厳然と対処すべきだった。警察に同法適用の可否の判断を求め、講演が予定通り実施できるよう、安全確保を要請すべきだった。
(2)香山さんの講演中止は、これが初めてではない。2017年6月、東京都の江東区社会福祉協議会が共催する講演会で、香山さんが登壇する予定だった。貧困と孤独に悩む子どもを支援する場となっている「こども食堂」の必要性や普及を訴えるはずだった。
(3)ところが「講演会に乱入する恐れがあります」「つぶすぞ」などの脅迫メールや電話が約20件届き、協議会は警視庁深川署に相談した。来場する子どもと参加者の「安全確保」を理由に中止している。
(3)なぜ香山さんの講演が妨害されるのか。香山さんは右派系グループの関係者に対し、問題点を指摘している。それ以来、香山さんに対するインターネット上での批判が出始め、講演会への嫌がらせを促す書き込みが相次いでいる。


 「新報」は、「香山さんは琉球新報が毎週日曜日に掲載している女性識者のコラム「日曜の風」の執筆者だ。沖縄の基地問題について『本土の人間として自分にできることは何か。“ひとごと”としてではなく、“わたしごと”として沖縄に向き合うとはどういうことか。私もまた自分に問いかけている』と書いた。沖縄の基地集中の根源を据え、向き合おうとしている。」とこの問題を自らのものとして捉え、「香山さんへの攻撃は、沖縄に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)と通底する。放置してはならない。毅然(きぜん)とした態度で向き合う必要がある。」、と訴える。


 確かに、京都府南丹市の対応は、深刻な問題です。
これまで、[沖縄でよかった]を越えるためには、『本土の人間として自分にできることは何か。“ひとごと”としてではなく、“わたしごと”として沖縄に向き合うとはどういうことか。私もまた自分に問いかけている』(琉球新報)、と捉えてきた。
だから、「香山さんへの攻撃は、沖縄に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)と通底する。放置してはならない。毅然(きぜん)とした態度で向き合う必要がある。」、との琉球新報の訴えを真摯に受け取る時が来ている。



by asyagi-df-2014 | 2018-11-29 09:06 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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