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日本天文学会は、「人類の安全や平和を脅かすことにつながる研究や活動は行わない。」、と宣言。

 日本天文学会は、2019年3月15日、「天文学と安全保障との関わりについて」、との声明を発表した。
なお、日本天文学会は、同日の代議員総会において声明を決定している。


 日本天文学会は、声明と声明の背景を、次のように記している。


1.声明
(1)日本天文学会は、宇宙・天文に関する真理の探究を目的として設立されたものであり、人類の安全や平和を脅かすことにつながる研究や活動は行わない。
(2)日本天文学会は、科学に携わる者としての社会的責任を自覚し、天文学の研究・教育・普及、さらには国際共同研究・交流などを通じて、人類の安全や平和に貢献する。
2.声明の背景
(1)日本天文学会は、会員個人の研究費応募について関与するものではないが、防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に関して日本学術会議が声明 (2017 年3月24日) を発したことをきっかけに、日本天文学会設立の趣旨にのっとり(補足1)、年会特別セッションの開催、学会誌上の特集記事、会員アンケート実施などにより、日本の天文学と安全保障、特に軍事研究との関わりについて積極的に議論を進めてきた (補足2)。アンケートの結果 (補足3) からわかるように、会員の間には賛成・反対を含め幅広い意見分布が見られた。
(2)天文学は宇宙・天体に関係するすべての現象について、政治、文化、思想、宗教等の違いを超えて、自由な発想に基づいて真理を追究する学問である。その成果は広く公開され、人類社会で共有されるべきものである。また、現代の天文学は、最も国際化した基礎科学分野の一つであり、科学的成果の創出のみならず、人的交流や相互理解を通して国際平和にも資するものである。
(3)その一方で、天文学は軍事研究と決して無関係ではなく、天文学と結びついている技術は戦争に利用される可能性を常にはらんでいる (補足4)。天文学は軍事研究と決して無関係ではなく、天文学と結びついている技術は戦争に利用される可能性を常にはらんでいる 上記の声明は、その歴史的反省も踏まえたうえで、現時点での会員の意見を集約したものである。日本天文学会は、これらの議論を今後も続けていく。

 確かに、日本天文学会の次の見解を確認した。


(1)防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に関して日本学術会議が声明 (2017 年3月24日) を発したことをきっかけに、日本天文学会設立の趣旨にのっとり、日本天文学会の見解を明確にする必要があること。
(2)天文学は軍事研究と決して無関係ではなく、天文学と結びついている技術は戦争に利用される可能性を常にはらんでいるとの認識を持つ必要があること。
(3)天文学は軍事研究と決して無関係ではなく、天文学と結びついている技術は戦争に利用される可能性を常にはらんでいること。


 この上で、日本天文学会の「人類の安全や平和を脅かすことにつながる研究や活動は行わない。」及び「人類の安全や平和に貢献する。」、との決意に、深く繋がる。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-18 08:48 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

整合性のない強弁は、未来を貶めることになる。

 「在沖米海兵隊の米領グアムへの移転が2024年秋にも始まる。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に必然性がないことを示すものだと言える。」、と社説は始まられる。
 どういうことなのか。
 琉球新報(以下、「新報」)は2019年5月6日、「海兵隊グアム移転 辺野古新基地は必要ない」、と論評した。
 「新報」の指摘は、次のものである。


(1)日米両政府は12年4月、在沖海兵隊約9千人を国外に移転しグアムなどに分散する在日米軍再編見直しに合意した。06年の合意ではグアムに在沖海兵隊の司令部を移す計画だったが、12年の見直しで司令部を沖縄に残し、在沖海兵隊の主力歩兵部隊である第4連隊をグアムに移すことに変更された経緯がある。
(2)米の軍事専門家は従来から中国のミサイル射程内にある沖縄の米軍基地の「脆(ぜい)弱(じゃく)性」に懸念を示していた。国防予算削減の動きもあり、米政府が中国を過度に刺激せずに周辺同盟国との連携を強化して遠巻きににらみを利かす戦略に変化した背景もある。
(3)沖縄の海兵隊がハワイやフィリピン、オーストラリアなども含めたアジア太平洋各地域への分散配置を進めているのはその表れだ。


 確かに、こうした在沖米海兵隊の米領グアムへの移転の意味するものは、「主力の実戦部隊がグアムに移転するのなら、海兵隊の航空基地である普天間飛行場の代わりの基地を沖縄に造る必然性に乏しいことも明らかだろう。」(「新報」)、ということになる。


 「新報」は、この根拠を次のように指摘する。


(1)米軍再編後に沖縄に残る海兵隊の緊急展開用実戦部隊は2千人程度とみられている。これでは大規模紛争への対応は困難だ。さらに実戦部隊は1年の半分以上、沖縄を留守にして東南アジアなどを訓練で巡回しているという。
(2)ミサイル戦争の時代、仮に朝鮮半島や東シナ海で紛争が起きても最初に対処に当たるのは空軍や海軍だという指摘もある。
(3)日本政府はこれまで沖縄の地理的優位性と在沖米海兵隊の抑止力などを強調し、辺野古への新基地建設が普天間飛行場返還の唯一の選択肢だと繰り返してきたが、虚構に基づく「優位性」や「抑止力」の説明はもう限界だ。


 「新報」は、こうした明確な状況を基に、「辺野古の新基地建設は現在、埋め立て予定海域にある軟弱地盤の問題で完成が見通せない状況だ。県の試算によると総工費は最大2兆6500億円に膨らみ、完成に13年かかる。これでは、政府も「世界一危険」だと認める普天間飛行場の返還がさらに遅れてしまう。昨秋の知事選や今年2月の県民投票など何度となく示された新基地反対の民意を持ち出すまでもなく、道理の通らない事業なのである。」、と断じる。


 さらに、「新報」は最後に、安倍晋三政権に突きつける。


(1)グアム移転について米軍は25米会計年度の前半(24年10月~25年3月)に移転を始め、約1年半で完了させる方針だという。日米はグアム移転を普天間飛行場の辺野古移設の進展とは切り離して進めることにも合意しているが、菅義偉官房長官は昨年10月、両者は「結果的にリンクしている」と発言している。
(2)沖縄基地負担軽減担当相も兼ねているはずの菅氏の認識は全く理解できないが、グアム移転を早期に完了させるという米側の方針について、少なくとも自身の発言との整合性を説明すべきだろう。


 確かに、整合性のない強弁は、未来を貶めることになる。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-15 05:59 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

この政治家の暴言は、深刻な問題。

 この政治家の暴言に接した時、日本という国の今を感じさせられた。
決してうやむやに済ませてはならない問題だ。
毎日新聞は2019年5月13日、次のように報じている。


(1)北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪問した日本維新の会の丸山穂高衆院議員(35)=大阪19区=が11日夜、滞在先の国後島古釜布(ふるかまっぷ)で元島民の男性に対し、北方領土問題について「戦争をしないとどうしようもなくないか」「(戦争をしないと)取り返せない」などと発言し、トラブルになった。
(2)同行記者団によると、丸山氏は11日午後8時ごろ、訪問団員との懇談中、元国後島民で訪問団長の大塚小弥太(こやた)さん(89)に「ロシアと戦争で(北方領土を)取り返すのは賛成か反対か」と語りかけた。大塚団長が「戦争なんて言葉を使いたくない」と言ったところ、丸山氏は「でも取り返せない」と反論。続いて「戦争をしないとどうしようもなくないですか」などと発言した。
(3)丸山氏はロシア人島民宅で飲酒した後で、訪問団員らの制止を聞かずに大声で騒いだり外出しようとしたりしたという。このため複数の団員が「日露友好の場にそぐわない」として丸山氏に抗議。丸山氏は12日、滞在先の古釜布で全団員の前で「ご迷惑をかけたことをおわび申し上げます」と謝罪した。
(4)一方、13日に北海道・根室港に戻った後の記者会見では「(マスコミに)発言を切り取られており心外。団員の中では領土問題についてタブーが無く話せると聞いており、団長にも考えを聞いた」などと述べた。
(5)発言を受け、日本維新の会の松井一郎大阪市長は同日、大阪市内で記者団に「(丸山氏を)厳重注意した」と語った。丸山氏は当選3回。衆院沖縄北方問題特別委員会の委員を務めている。                                 【同行記者団】




by asyagi-df-2014 | 2019-05-14 12:15 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

辺野古工事中止を求める声明からの歌を心に刻もう。

「あられなく 陸から海から辺野古攻む 島中の花 咲き出す怒り」


 この短歌は沖縄歌人の玉城寛子氏が「歌誌くれない-辺野古を詠う」に発表したものだという。
辺野古工事中止を求める声明はこの歌から始まる。
 次の要求とともに。


(1)去る2月24日に実施された沖縄の県民投票では投票総数の71.7% (434,273票) が辺野古の基地建設に反対の意思を明確に示した。反対票の民意は、在日米軍基地の70%以上を押しつけられ、美ら海を破壊される沖縄県民の怒りの表明である。沖縄県内外を問わず、日本列島に住む私たちが辺野古新基地建設を自らの問題として真摯に考えるときが来た。
(2)安倍政権による民意の黙殺、米軍基地を絶対化しての工事の強行が続いている。政府は辺野古工事を直ちに取りやめ、県民投票に示された民意を尊重するために沖縄県と真摯なる協議を開始すべきである。これが民主主義のあるべき姿である。


 そうなのだ。
 あられもなく攻めこんでいるのは、自分たちなのだと気づく時なのだ。


・出席呼びかけ人 (発言順)
  梓澤和幸 (弁護士)
  杉浦ひとみ (弁護士)
  鈴木比佐雄 (詩人・評論家)
  清水雅彦 (日本体育大学教授 憲法学)
  武井由紀子 (弁護士)
  内田雅敏 (弁護士)
  柳 広司 (小説家)
・辺野古工事中止要求署名 呼びかけ人、賛同者一覧 291人 (2019年4月24日 17時現在)



by asyagi-df-2014 | 2019-05-09 06:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

4.28「屈辱の日」。今、改めて骨身に染みこませよう。

 琉球新報(以下、「新報」)は2016年4月28日に、「きょう『4・28』 沖縄『屈辱の日』を知ってますか?」、と報じている。
「新報」はこの記事で、「4.28」の意味について、「1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効してから28日で64年となった。敗戦後、連合国軍の占領下にあった日本は条約発効で独立を果たしたが、沖縄や奄美は日本から切り離された。沖縄が日本復帰するまで米施政権下にあった27年間、本土から沖縄へ基地が移転。日本国憲法が適用されず、人権が蹂躙された。過重な基地負担など現在の沖縄差別の源流ともなったこの日は『屈辱の日』と呼ばれる。」、と示す。
 また、「日本政府は52年7月、米国民政府との連絡を担う那覇日本政府南方連絡事務所(南連)を設置したが、沖縄の住民を『琉球住民』と定義し、沖縄在住で日本本土の国籍を持つ『日本人』とは区別していた。南連の沖縄政策は、『日本人』は保護の対象だが『琉球住民』は対象外としており、識者は『沖縄差別の源流ではないか』と指摘している。
2013年4月28日には、安倍晋三首相が主権回復の日式典を催し、沖縄からは強い反発の声が上がった。28日午後6時15分から、沖縄平和運動センターが県民集会とデモ行進を県庁前で開く。」、と続けている。
一方、2019年4月28日の「新報」は、「4・28『屈辱の日』 沖縄の切り捨て許されぬ」、と論評する。
この3年間に起こったことも含めて、「4.28」に何が横たわっているというのか。
 そこには、「今から67年前の1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効した。日本が独立する一方で、沖縄、奄美、小笠原は切り離された。この『屈辱の日』を決して忘れてはならない。」、との現実がある。
 どういうことなのか。
「新報」は、指摘する。


(1)沖縄は去る大戦で本土防衛の時間稼ぎに利用され、日本で唯一、おびただしい数の住民を巻き込んだ地上戦が繰り広げられた。戦いは凄惨(せいさん)を極め、日米合わせて20万人余が犠牲になった。このうち9万4千人が一般人で、現地召集などを含めると12万2千人余の県出身者が亡くなった。民間人の死者が際だって多いことが沖縄戦の特徴である。激戦のさなか、日本軍はしばしば住民を避難壕から追い出したり、食糧を奪ったりした。スパイの嫌疑をかけられて殺された人もいる。
(2)戦後は米統治下に置かれ、大切な土地が強制的に接収された。米国は、講和条約の下で、軍事基地を自由に使用することができた。
(3)72年に日本に復帰したものの、多くの県民の願いを踏みにじる形で米軍基地は存在し続けた。沖縄戦で「捨て石」にされたうえ、日本から切り離された沖縄は、今に至るまで本土の安寧、本土の利益を守るために利用されてきたと言っていい。


 沖縄では、「屈辱の日」がそのまま生かされてしまっている歴史の現実を今もなお背負わされている日々があるということ。
「新報」は、「1879年の琉球併合(琉球処分)から140年になる。沖縄はいまだに従属の対象としか見なされていない。」、と指摘を続ける。
つまり、「屈辱の日」の意味は継続されていると。


(1)そのことを象徴するのが、名護市辺野古の海を埋め立てて進められている新基地の建設だ。2月24日の県民投票で「反対」票が有効投票の72・15%に達したが、政府は民意を黙殺した。反対の意思は、昨年9月の県知事選、今月の衆院3区補選を含め三たび明確に示されている。それらを平然と無視し続けるメンタリティーの根底にあるのは、「切り捨て」にほかならない。問答無用でとにかく「国の方針に従え」という姿勢だ。
(2)安倍政権は、普天間飛行場の危険性除去と返還のためには「辺野古移設が唯一の解決策」と判で押したように繰り返す。できない理由をあげつらう前に、どうすれば県内移設を伴わない普天間飛行場の返還が実現できるかを追求すべきである。
(3)国土の0・6%しかない沖縄に、全国の米軍専用施設(面積)の7割が集中している現状は誰の目から見ても異常だ。沖縄に対する構造的差別としか言いようがない。
(4)基地から派生する凶悪事件、米軍機の墜落といった重大事故が繰り返され、軍用機がまき散らす騒音は我慢の限度を超える。有事の際に攻撃目標になるのが基地だ。この上、新たな米軍基地を造るなど到底、受け入れ難い。そう考えるのは当然ではないか。
(5)これまで繰り返し指摘してきた通り、県民が切望するのは平和な沖縄だ。政府はいいかげん、「切り捨て」の発想から脱却してほしい。


 確かに、「政府はいいかげん、『切り捨て』の発想から脱却してほしい。」(琉球新報)との主張は、この政府を支えている一人一人にも、向けられたものだ。
沖縄が負わされている刃物の傷を、自らの骨身に染みこませる必要がある。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-07 07:16 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

屋良朝博さんの衆院補選当選が示すもの。(2)

 屋良朝博氏さんが、衆院沖縄3区の補欠選挙で初当選した。
琉球新報(以下、「新報」)は、2019年7月22日の深夜、「玉城デニー氏の知事選出馬に伴う衆院沖縄3区補欠選挙は21日、投開票が行われ、『オール沖縄』陣営が推すフリージャーナリストで無所属新人の屋良朝博氏(56)が7万7156票を獲得し、初当選した。元沖縄北方担当相で新人の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦=は5万9428票を得たが及ばず、屋良氏は島尻氏に1万7728票差をつけた。3区の有権者が辺野古新基地建設に反対する屋良氏を選んだことで、県民は昨年9月の知事選、今年2月の県民投票に続き、辺野古埋め立てを強行する安倍政権に対し再び『ノー』を突き付けた。」、と報じた。
この選挙結果の意味を、朝日新聞(以下、「朝日」)の社説「沖縄3区補選 『辺野古が唯一』脱せよ」で考える。
 「朝日」は、「政府がむき出しの力で抑えつけようとしても、決して屈しないし、あきらめない。県民のそんな思いが改めて示された。」、と最初に断じる。
「朝日」のこの補選結果についての見解は、「当然の結果ではないか。」から「いったい政権は、この問題にどんな展望を持っているのか。」となり、「民意と政権の乖離(かいり)が目立つのは辺野古だけではない。」、と指摘することになる。
「朝日」の安倍晋三政権への批判は、次のものである。


(1)注目の衆院沖縄3区補選は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対をかかげる屋良朝博(やらともひろ)氏が、安倍政権が推した元沖縄北方相・島尻安伊子氏を破って当選した。昨秋の知事選で、政権側の候補は移設の是非を語らない「辺野古隠し」に徹し、批判を浴びた。島尻氏は今回、普天間の危険性を取り除くためだとして容認姿勢を明確にしたうえで、経済振興策などを訴えた。だが有権者には届かなかった。
(2)2月の県民投票では、辺野古の海の埋め立てに反対する票が7割以上を占めた。しかし政権は一顧だにせず、3月下旬には新たな海域への土砂投入を始めた。3区の有権者を対象に朝日新聞などが実施した世論調査では、68%が政権の姿勢を「評価しない」と回答。参院選を前にした重要な補選だというのに、首相は応援のために現地に入ることすらできなかった。
(3)埋め立て予定海域に軟弱地盤が広がっていることが明らかになった。工事は可能なのか。完成はいつで、事業費はどこまで膨らむのか。政権は具体的な説明をほとんどしていない。はっきりしているのは、当面できる作業を急ぎ、既成事実を積み上げるのに躍起な姿だけだ。
(4)沖縄3区には名護市や沖縄市などのほか、米軍北部訓練場を抱える地域も含まれる。16年末に同訓練場の半分にあたる約4千ヘクタールの土地が返還された。政権はその成果をアピールするが、返還の条件として建設されたヘリコプター着陸帯近くの住民は、激しい騒音や事故の不安に悩まされている。普天間と辺野古の関係と同じで、たらい回しでは真の負担軽減にはならないことを、県民は間近な例を通して熟知している。
(5)玉城デニー知事は就任以来、政府に対し、工事を一時やめて話し合うよう繰り返し求めてきた。だが、かたくなな姿勢は変わらず、今月10日に普天間飛行場の地元宜野湾市長も交えて2年9カ月ぶりに開かれた「負担軽減推進会議」でも、大きな進展は見られなかった。


 「朝日」は、最後に、「補選で当選した屋良氏は、記者や研究者として基地問題に取り組み、米海兵隊の運用見直しや普天間の機能分散を提案してきた。政府はそうした見解にも誠実に耳を傾け、今度こそ『辺野古が唯一』の思考停止状態から脱しなければならない。」、と安倍晋三政権に突きつける。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-02 07:12 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「辺野古は解決策にならない。別のアプローチを考えるほうが現実的だ」。まずは、議論を。

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)2019年4月23日の社説は、「[衆院補選後に]状況変える新たな手を」、とこちら側に投げかける。
 自分を含めて、私の周りに居る多くの者は、どうだろうか、こうした捉え方に、恐らく大きな違和感を感じることだろう。
 例えばそれは、屋良朝博さんのエネルギ-を直に感じ取ったことがあるにもかかわらずである。
何故なら、「どうしようもない『政治家』不信が横たわっているから。」、と言っているかもしれない。
でも、沖縄からの発信は、「本土の人間よ。不信感などと言ってみんなで遊んでいる暇はないよ。」、ということかもしれない。
 
ということで、今回も「タイムス」は、「辺野古は解決策にならない。別のアプローチを考えるほうが現実的だ」なのだから違うことをやらなけねば、ということに関して、次のように指摘する。


(1)衆院沖縄3区の補欠選挙で初当選したフリージャーナリストの屋良朝博さん(56)は一夜明けた22日、辺野古を巡る硬直化した議論を解きほぐしたい、と国会活動に強い意欲を示した。
(2)選挙戦では、玉城デニー知事の後継者として、県民投票の結果を踏まえ、新基地建設反対を前面に掲げた。
(3)「辺野古は解決策にならない。別のアプローチを考えるほうが現実的だ」
(4)反対を主張するだけにとどまらず、選択肢を示すことで、具体的に政治を動かしていく。その発想が屋良さんの持ち味だ。
(5)この考えは、対話による解決を求める玉城デニー知事とも共通する。玉城知事は言う。「県と政府の対立という言葉があるが、私たちが申し入れているのは対話であって、対立を持ち込んでいるわけではない」。見逃しがちだが、ことの本質を突いた重要な指摘だ。
(6)キャンプ・シュワブのゲート前で、反対派の市民に当選報告をした屋良さんは「当たり前の政治、当たり前の民主主義を」と訴えた。


 「タイムス」は、この屋良朝博の「当たり前の政治、当たり前の民主主義を」との主張を、噛み砕いて見せる。


「『当たり前の政治』とは『対話による解決』ということだろう。工事を強行する政府と、話し合いによる解決を求める県。数の力で押し切ろうとする政府と、埋め立てによらない解決を求める県。この違いを説得力のある言葉で発信し、県の主張を内外にもっとアピールする必要がある。何よりもスピード感をもって当たることが重要だ。」


 もちろん、「タイムス」はその主張が向かう厚くて高い壁を築こうとする策動についての指摘も忘れてはいない。


(1)安倍晋三首相は、移設反対派が勝利したことを受け、「一日も早い普天間飛行場の全面返還を目指したい」と述べた。
(2)菅義偉官房長官も「辺野古が唯一だという考え方には変わりがない」と、移設方針に変更はないと明言した。
(3)お決まりの「ワンフレーズ・ポリティクス」である。キャッチフレーズのような言い回しは、現実から遊離し、思考停止を表す言葉になりつつある。
(4)軟弱地盤の改良で工事の長期化が避けられなくなった。工期さえはっきりしないのに、枕ことばのように「一日も早い」全面返還と言う。本心からそれを望むのなら米側と交渉し、早急に代替案を検討すべきである。
(5)県民投票や相次ぐ選挙で辺野古埋め立て「反対」の民意が示されてもなお、政府は「辺野古が唯一」だと言い募る。民主的な意思表示を無視した強権政治というしかない。


 「タイムス」は、衆院補選後の沖縄に向けて、諦めない真っ当な姿を示す。


(1)県は6月、外部有識者による「万国津梁会議」を設置し、基地負担軽減について専門家の意見を聴取する。玉城知事の言う「話し合いによる解決」の具体的な一歩だ。
(2)政府が司法決着にこだわるのは、県との主張の隔たりが大きく話し合いによる解決が困難だと考えているからである。
(3)政府をどのように話し合いのテーブルにつかせるのか。議論を通して沖縄側は何を目指すのか。リスクがあるのは確かだが、状況を変えていく取り組みなしに事態を前に進めることはできない。


 屋良朝博は、次の新しいステ-ジへ動く。


「琉球新報は22日、衆院沖縄3区補選で初当選を果たした屋良朝博氏(56)=無所属・新=を那覇市泉崎の琉球新報本社に招き、松元剛編集局長が今後の取り組みについてインタビューした。屋良氏は米軍普天間飛行場の危険性除去についてマイク・モチヅキ米ジョージ・ワシントン大准教授の意見などを念頭に『米海兵隊が必要なヘリなどは5、6機だ。シュワブやハンセンにヘリパッドを設置すれば普天間は数年以内に閉鎖可能となる』との見解を示した。」(琉球新報2019年4月23日)。

「屋良氏は地理的優位性を掲げて沖縄に基地負担を集中させているのは日本政府とし『米国が海兵隊を沖縄に置かないと機能しないといっているのか確認しないといけない』と訪米の意義を説明。これまでの取材や研究を通して、米国からそういう発言を聞いたことがないことを強調した。屋良氏は国政での自らの役割に関し『脅威論や抑止論、沖縄に基地がないと日米同盟が成立しないなど固定概念がある。(国民の)意識を変えていく』と意欲。全国に広げるため野党で認識を共有し『次の国政選挙で(辺野古新基地建設の賛否を)争点化できれば(提起する)人が増える。全国に広げれば認識が変わる』と語った。」(「タイムス」2019年4月23日)。


 確かに、「リスクがあるのは確かだが、状況を変えていく取り組みなしに事態を前に進めることはできない。」(「タイムス」)ということは間違いない。
 今、改めて感じることは、日本人全体に問われているのは「当たり前の政治、当たり前の民主主義を」(「タイムス」)ということなのだ。




by asyagi-df-2014 | 2019-05-01 07:33 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

屋良朝博さんの衆院補選当選が示すもの。

 屋良朝博氏さんが、衆院沖縄3区の補欠選挙で初当選した。
琉球新報(以下、「新報」)は、2019年7月22日の深夜、「玉城デニー氏の知事選出馬に伴う衆院沖縄3区補欠選挙は21日、投開票が行われ、『オール沖縄』陣営が推すフリージャーナリストで無所属新人の屋良朝博氏(56)が7万7156票を獲得し、初当選した。元沖縄北方担当相で新人の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦=は5万9428票を得たが及ばず、屋良氏は島尻氏に1万7728票差をつけた。3区の有権者が辺野古新基地建設に反対する屋良氏を選んだことで、県民は昨年9月の知事選、今年2月の県民投票に続き、辺野古埋め立てを強行する安倍政権に対し再び『ノー』を突き付けた。」、と報じた。
この選挙結果の意味を、「新報」は当日、「昨年9月の県知事選、今年2月の県民投票に続いて、名護市辺野古の新基地建設に反対する民意が示された。」して、「衆院補選屋良氏当選 新基地断念しか道はない」、と社説で論評した。
「新報」は、選挙のみを次のように示す。


(1)今回の選挙は、玉城デニー氏の知事選出馬で生じた欠員を埋めるもので、屋良氏は玉城氏の後継候補だった。最大の争点である米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設に対し、屋良氏は反対、島尻氏は容認する姿勢を表明し選挙戦に臨んだ。
(2)名護市を含む沖縄3区で屋良氏が当選したことは、新基地に反対する有権者の切実な思いの表れと言えよう。


 この上で、次のように指摘する。


(1)政府は選挙結果を尊重し、新基地建設を速やかに断念すべきだ。ここまで再三再四、民意が示されている以上、県内移設を伴わない普天間飛行場の返還に大きくかじを切る以外に道はない。
(2)昨年の県知事選で自民、公明などが推した候補者は、辺野古移設を推進する安倍政権の全面的な支援を受けながらも、その是非について最後まで言及しなかった。今回、島尻氏が新基地建設への旗幟を鮮明にしたのは、政治家として当然の態度である。政権側の候補が賛否を明らかにしなかった最近の事例を考慮すると、ようやく正常な形で選挙戦が行われたことになる。
(3)屋良氏は「普天間飛行場は米軍の運用を変えるだけで辺野古の海を壊さなくても返還可能だ」などと選挙戦で訴えてきた。辺野古の埋め立て中止と普天間飛行場の即時運用停止のほか、日米地位協定が定める施設管理権の日本への移管、基地の立ち入り権などを定めた基地使用協定の締結などを掲げている。基地問題以外では、離島県沖縄の不利性を補う輸送コストの低減、北部を走る路面電車(LRT)構想の提起、北部の医療体制の充実、児童保育の拡充などを公約した。
(4)有権者に約束したこれらの政策課題の実現に向けて全力を挙げることは、屋良氏に課された使命だ。
(5)県選出・在住国会議員は衆院7人、参院3人の10人となり、屋良氏を含む5人が「オール沖縄」系である。玉城知事を支持しない国会議員は自民、維新の5人。このうち4人は比例代表選出であり、沖縄の有権者から直接信任を得ているわけではない。
(6)国会議員の構成を見ても辺野古新基地建設に反対する民意が大勢を占めていることは明らかだ。駄目押しとなる屋良氏の当選だった。政府は今度こそ沖縄の民意に沿った判断をすべきだ。


 「新報」は、最後に、この選挙結果の意味を、「選挙結果は玉城知事に対する信任とも言える。自信を持って政府との交渉に当たってほしい。」、とまとめる。



by asyagi-df-2014 | 2019-04-30 06:46 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「8050問題」を考える。(2)

 「8050問題」について十分には認識できていなかった。
改めて、この問題を考える。
 今回は、西日本新聞の社説で考える。
 西日本新聞(以下、「西日本」)は2019年4月19日、「高齢ひきこもり 親子の共倒れを防ぐには」、と社説で論評した。
 まず、「西日本」は、次のように「事実」を把握する。


(1)ひきこもり支援の現場では近年、当事者の高齢化がささやかれてきた。とはいえ、この数字には驚くほかない。ひきこもり状態にある40~64歳の中高年の人は、全国で61万3千人に上るという。内閣府が昨年、5千人を対象に初めて実施した調査に基づく推計値だ。
(2)国はこれまで、ひきこもりを若年層(15~39歳)の問題と位置付け、調査と支援に取り組んできた。2015年度調査に基づくこの層の推計値は54万1千人だったので、幅広い年齢層にわたって100万人規模の当事者がいることになる。国は対策を抜本的に見直す必要がある。
(3)今回調査では、ひきこもり状態の人の約8割が男性だった。期間は「5年以上」が約5割を占め、30年以上の人もいた。
(4)きっかけで目立つのは「退職」「職場になじめなかった」「就職活動がうまくいかなった」など仕事に関するつまずきだ。調査対象世代のうち40代が社会に出た時期は、バブル経済崩壊後の就職氷河期と重なる。非正規雇用が増え始めた頃でもある。ひきこもりの増加や高齢化には、こうした社会的要因が影を落としている側面もあろう。
(5)ほかに、小中高校での不登校や受験の失敗、病気や妊娠がきっかけになった人もいる。ひきこもりの端緒は、人それぞれであることがよく分かる。


 こうした把握の上で、「西日本」は、次のように押さえる。


(1)当然ながら、個々の当事者の実情に即した、多様な初期対応や支援が求められる。
(2)中高年の場合、期間が長引くほどに、就労は難しくなる。段階的に仕事になじむためにトレーニング期間を設けるなど、きめ細かな支援が欠かせない。
(3)支援は家族や本人の相談から始まることが多いが、孤立して問題を抱え込むケースも少なくないという。長期化した場合、当事者も家族も深い疲労感と無力感に陥り、身動きが取れなくなっている可能性もある。
(4)窓口で相談を待つだけではなく、行政と支援団体などが連携し、積極的に地域の当事者を見つけ出して、訪問支援などにつなぐ努力を重ねてほしい。
(5)今回の中高年対象の調査は規模が小さく、実態の一端を示したにすぎないと考えるべきだ。大分県のように、地域住民と接する機会が多い民生委員などの協力を得ながら、より丁寧な実態調査に乗り出している自治体もある。国も本腰を入れて実態調査を進め、要因や背景の分析を踏まえた総合的対策を打ち出すべきだろう。


 最後に、「西日本」は、「80代の親が50代の子どもを支える事態に至れば、生活は困窮し、親子共倒れの危機も高まる。いわゆる『8050問題』への対応は、もはや待ったなしの状況と考えるべきだ。」、とまとめる。


 「待ったなしの状況」への危機感があまりにも希薄すぎないだろうか。




by asyagi-df-2014 | 2019-04-29 06:54 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

「8050問題」を考える。

 YAHOOニュ-ス2019年3月16日の池上正樹(以下、池上)による「ひきこもり親子はなぜ高齢化したのか?8050問題の背景を多角的に調査」、を偶然目にした。
不覚にも、「8050問題」について認識できていなかった。
改めて、この問題を考える。
 池上は、このことを次のように把握する。


(1)ひきこもり状態の子と親が高齢化していく中、家族はなぜ相談の声を上げられないのか?を考えるためのシンポジウム「社会的孤立が生んだ8050問題」が10日、富山県で開かれた。
(2)主催したのは、ひきこもり家族の当事者団体であるNPO「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」。8050問題とは、80代の親が収入のない社会的孤立状態の50代の子と同居して生活を支えている世帯のことで、ハチ・マル・ゴー・マルと読む。8050問題に近づく7040世帯も含めて指すことが多い。
(3)厚生労働省の委託事業として、同会は多角的に調査を行った。まず、本来、ひきこもり支援とは関係のない、高齢者の介護などを援助している「地域包括支援センター」を調査したところ、回答のあった263か所の約84%にあたる220か所のセンターで8050事例を把握していることが、愛知教育大学大学院の川北稔准教授によって確認された。


 さらに、池上は、掘り下げる。


(1)その把握できた8050事例の本人の中には、かつて「正社員として就職していた経験がある」ものの、今は「就労が難しい」「仕事が長続きしない」、あるいは「親の介護に従事している」といった事例が数多く存在していることは、今後、注目していく必要がある。
(2)立正大学心理学部の徳丸享准教授が保健所に行った調査でも、回答のあった38機関のうち、8050事例が発見されて要請してきた先は地域包括支援センターが58%と最も多く、孤立した本人を短期間で支援につなげるための連携先としても有効なルートであることがわかった。
(3)一方で、保健所の調査からは、支援が途絶した理由について「来談者の意欲低下」を挙げた機関が34%と最も多かった。しかし、なぜ意欲が低下したのか。単に利用者側だけの問題にとどまらず、支援する側の体制、実情からも考えていかなければいけない。実際に、長期高齢化したひきこもり親子の世帯が、相談したのに支援が中断して放置され、命を奪われる悲劇も起きている。支援する側と支援される側の意識やニーズのギャップについて、これから検証していかなければならないだろう。
(4)各地でひきこもり支援を担当している「ひきこもり地域支援センター」と「生活困窮者自立支援窓口」を対象にした宮崎大学教育学部の境泉洋准教授の調査では、回答のあった602機関のうち、家庭訪問で孤立した本人を発見したことのある機関が31%も存在した。しかし、こうして発見しても、本人や親の意向で支援につなげられなかった事例が33%に上っていたことも、新たな知見だ。
(5)深刻なのは、ひきこもり支援の担当とされているにもかかわらず、その48%の機関が「ひきこもり相談対応や訪問スキルを持った職員・スタッフがいない」と回答したことだ。さらに「ひきこもり世帯数も未知数で、家族会の必要性があるかわからない」機関は56%に上るなど、半数を超える地域で、せっかく相談につながっても支援につながらない、現場の人材不足や不十分な情報共有による脆弱な支援体制ぶりが浮き彫りになったといえる。


 また、池上は、相談を受ける側の問題を次のように指摘する。


(1)シンポジウムでは、家族会を研究している新潟青陵大学大学院看護学研究科の斎藤まさ子教授が、SOSを発信できなくなった70代の母親の事例を紹介した。母親は、相談先で「育て方が悪い」「あなたが悪い」などと怒られ、相談することが怖くなり、息子とひっそりと生きてきたという。このように「意欲の低下」の背景には、家族が最初からあきらめていたわけでなく、相談の行き場を失っていたという実態も、今回の知見で明らかになった。
(2)KHJ家族会富山支部のNPO「はぁとぴあ21」の高和洋子理事長も、「相談に行くと、『どうしてこうなったのか』『どうしてここまで放置していたのか』と責められるので行きたくなくなった」などの親の声を報告。相談窓口に、ひきこもる気持ちや特性を理解できる担当者がおらず、相談員のコミュニケーション自体に相談を遠ざけている要因がある現実を指摘した。


(1)ただ、こうしたそれぞれのアプローチによって顕在化する8050世帯の事例は、ごく一部に過ぎない。我々はまだ見えなかった課題の入り口に立っただけであり、水面下には多くの孤立した家族が今も息をひそめて生きている。
(2)40歳以上のひきこもり実態調査は、まもなく内閣府から公表される予定だが、高齢化が進むひきこもり親子の実態は、これまで国のエビデンスもなく、まさに社会が想定していなかった事態が起きているといえる。国が地域共生社会を目指していく中で、潜在化した8050問題に向き合うためには、それぞれが自分ごととして、なぜ相談につながれないのかという視点から、みんなで一緒に考えていく必要がある。


 確かに、自らの「それぞれが自分ごととして、なぜ相談につながれないのかという視点」の共有化が必要である。



by asyagi-df-2014 | 2019-04-28 06:05 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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