広島高裁は四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた。(5)

 伊方原発への運転差し止めは、二度目である。
 では、私たちは、この判断を重く受け止めるという意味で、何を受け止めることができるのか。また、それは、どのような社会を目指すべきなのか、ということにも繋がらなければならない。
日本弁護士連合会は2020年1月20日、「伊方原発差止仮処分広島高裁2020年1月決定に対する会長声明」(以下、「声明」)を出した。
この「声明」から、考える。
まず、「声明」は、「広島高等裁判所(以下「広島高裁」という。)は、本年1月17日、四国電力株式会社に対し、伊方原子力発電所(以下「伊方原発」という。)3号機の原子炉について、周辺住民の人格権侵害に基づき、運転の差止めを命じる仮処分決定(以下「本決定」という。)を言い渡した。」、と伊方原発差止仮処分の意味を示す。
 また、「伊方原発は、2017年12月にも広島高裁より運転差止仮処分決定が出されていたが、2018年9月25日、同高裁により同決定が取り消され、同年10月27日に再稼働していた。現在は定期検査のため停止中で、本年4月27日に営業運転に入る計画だったが、運転再開に先駆けて、二度目の運転差止仮処分決定が広島高裁によりなされたものである。」、とも。
 さらに、「声明」は、今回の伊方原発差止仮処分の意義を次のように押さえる。
(1)福島第一原子力発電所事故後、原子力発電所(以下「原発」という。)の安全確保に問題があるとして差止めを認めた事例としては5例目となるが、本決定は、地震・活断層の影響評価及び火山噴火規模の可能性の双方に関する争点について、高等裁判所において初めてその危険性を認めたものであり、その意義は大きい。
(2)本決定では、「ある問題について専門家の間で見解が対立している場合には、支配的・通説的な見解であるという理由で保守的でない設定となる見解を安易に採用することがあってはならない」と判示した点が重要である。
(3)本決定は、この考え方を踏まえ、活断層の影響評価と、火山噴火規模の評価の2点で、事業者及び原子力規制委員会の評価に不十分な点があったと指摘する。
(4)まず、活断層については、伊方原発の近傍にある中央構造線断層帯について、事業者が想定するよりも近い位置に存在する可能性があるという専門家の見解があることを踏まえ、より慎重な評価が求められるのに、これを行っていないとした。        (5)次に、火山についても、巨大噴火の可能性を否定できないという複数の専門家の見解があることを踏まえ、少なくとも巨大噴火に至らない規模の噴火を考慮しなければならないところ、これを行っていないとした。このような考え方は、当連合会の第57回人権擁護大会宣言とも基本的認識を共通にするもので、評価できる。


 この上で、「声明」は、日本弁護士連合会として、「当連合会は、四国電力株式会社に対し、本決定を尊重することを求めるとともに、政府に対して、本決定を受けて従来のエネルギー政策を改め、できる限り速やかに原発を廃止し、再生可能エネルギーを飛躍的に普及させること、及びこれまで原発が立地してきた地域が原発に依存することなく自律的に発展できるよう、必要な支援を行うことを強く求めるものである。」。と明確な見解を示した。


 この間、問題となってきた「社会通念」という規範に、「本決定では、『ある問題について専門家の間で見解が対立している場合には、支配的・通説的な見解であるという理由で保守的でない設定となる見解を安易に採用することがあってはならない』と判示した点が重要である。」、と一定の足枷を引いている。




# by asyagi-df-2014 | 2020-01-28 09:25 | 書くことから-原発 | Comments(0)

四国電力伊方原発で一時的に原発内の全交流電源が喪失。

 愛媛新聞は2020年1月26日、表題について次のように報じた。


(1)愛媛県は25日、四国電力伊方原発(伊方町)で一時的に原発内の全交流電源が喪失したと発表した。四電は原因が究明されるまで、3号機で実施中の定期検査を全て停止するとした。1~3号機の設備に電源を供給する送電関連設備の交換作業をしていた際に遮断器が作動し2、3秒間、全交流電源が喪失。3号機では非常用ディーゼル発電機が自動起動した。四電によると、1~3号機の全交流電源喪失は初。伊方原発では1月に入り3号機の燃料集合体から誤って制御棒を引き抜くなどのトラブルが相次いでおり、県が即時公表しているA区分の異常は今回で3件目となった。
(2)県や四電によると、25日は3号機の定検作業の一環で、外部からの電源供給を担う送電関連設備の交換を行っていたところ、午後3時44分、遮断器が作動し外部交流電源が喪失。1、2号機は2、3秒後に別の外部電源からの受電に切り替わったが、3号機は約10秒後に非常用ディーゼル発電機が自動起動し、約30分間、電力を供給した。
(3)3号機の燃料プールには、使用済みプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料16体を含む使用済み燃料を冷却のため保管している。未使用のMOX燃料5体も入れている。四電によると、プールの温度は午後3時時点で33・0度だったが、電源喪失により同5時に34・1度まで1・1度上昇した。継続的な温度上昇は認められなかったと説明している。
(4)県庁での会見で四電原子力本部の渡部浩本部付部長は「一瞬とはいえ外部からの電力供給が途絶えたことは重大と認識している。相次ぐ伊方原発でのトラブルで皆さまに大変な心配を掛けていることを心よりおわびする」と陳謝。四電は「機器の故障か作業による影響か予断を持たずに原因を調べる。定検日程への具体的影響は現状では未定」とした。
(5)県の大橋良照・原子力安全対策推進監は「県としては看過できない事態。(20日に起きた燃料集合体『落下』信号発信を受けた)厳重注意よりも厳しい対応になる」と述べた。
(6)四電は近く、3号機の運転を差し止めた広島高裁の仮処分決定に異議申し立てを行う予定。高松市であった会見では、伊方原発でトラブルが続発する中、安全性を主張する申し立てには説得力がないとの記者の指摘に対し、四電担当者は申し立てを行うかどうかの言及を避け「申立書を作成している段階だ」と述べた。


 また、愛媛新聞は2020年1月27日、、広島高裁の仮処分決定に異議申し立てに関しても、「四国電力の長井啓介社長は27日午前、愛媛県庁で中村時広知事との面会後、報道陣に、伊方原発3号機(伊方町)の運転を差し止めた広島高裁の仮処分決定に対する異議申し立てを当面見送る方針を明らかにした。全交流電源の一時喪失など相次ぐトラブルの原因究明を優先するためとしている。」、と報じた。




# by asyagi-df-2014 | 2020-01-27 20:55 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2020年1月27日

米軍ヘリの『墜落』がまたもや起きた。
琉球新報は、二人の識者の指摘を伝える。
「老朽化、訓練激化が要因 前泊博盛氏(沖縄国際大教授)」:『事故がどういう状況で起こったのかが事故後すぐに明らかにされないのはおかしい。原因が分かるまで飛行停止処分は当然として、燃料切れだったのか、エンジンの不具合なのか、操縦や整備のミスなのかを明確にする必要がある。米軍機が沖縄のみならず日本中を飛び回って訓練が激化し、事故の件数も増えてきている。特にヘリの老朽化は全般的に指摘されており、事故への警戒が必要だ。全国に訓練の幅が広がることで総飛行距離も長くなる。燃料管理が甘くなれば、事故につながる。』」
「共同訓練参加の可能性 頼和太郎氏(リムピース編集長):『今後、海に沈んだとみられる機体を引き揚げるかどうかが注目される。最新鋭戦闘機F35が墜落した際など軍事機密が多い機体や、乗組員の遺体が残されている場合は引き揚げる事例がある。だが今回の場合は多くの機密情報があるわけでもなく乗組員も助かっているため、日本側が黙っていれば機体をそのまま沈めておく可能性が高い。だが、事故を繰り返さないためには乗組員からの聞き取りだけでなく、機体を徹底的に調べることが必要だ。機体の引き揚げが、真剣に事故を調査する気があるかどうかの要点となる。』」


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 何よりも、自らが沖縄から受け取るものを明確にするために。
 2020年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2020年1月27日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-米軍ヘリ墜落 翌日訓練 識者談話-2020年1月27日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「老朽化、訓練激化が要因 前泊博盛氏(沖縄国際大教授)」:「事故がどういう状況で起こったのかが事故後すぐに明らかにされないのはおかしい。原因が分かるまで飛行停止処分は当然として、燃料切れだったのか、エンジンの不具合なのか、操縦や整備のミスなのかを明確にする必要がある。米軍機が沖縄のみならず日本中を飛び回って訓練が激化し、事故の件数も増えてきている。特にヘリの老朽化は全般的に指摘されており、事故への警戒が必要だ。全国に訓練の幅が広がることで総飛行距離も長くなる。燃料管理が甘くなれば、事故につながる。」
②「また、日米共同訓練など米軍と自衛隊の一体化が進む中、従来と異なり実戦さながらのハードな訓練をしている。機体が老朽化する一方で、整備態勢が追いつかず事故につながっている。米軍のみならず、自衛隊にも共通する課題だ。」
③「今回の事故を受け、原因など詳細を明らかにすることなく、米軍と自衛隊が共同訓練を続行したことは事故に対する危機意識がないことを示している。軍事国家に向かってきている。平時でしっかり情報が開示されなければ、有事には全く情報を知ることができず国の動向をコントロールできなくなる。日米地位協定の最大の欠点は、航空法が米軍の行動に適用されず、重大事故を起こしてもペナルティー(罰則)がないことだ。民間機では当然に事故調査委員会が入り、機材の使用禁止や総点検の指令が出される。年間2桁の不時着を起こし続けても、おとがめなしというのがおかしい。例えば事故を起こした場合は一定期間の飛行停止を課す規定があれば、簡単に事故を起こせなくなる。」
④「共同訓練参加の可能性 頼和太郎氏(リムピース編集長):「墜落現場は米海軍がよく訓練に使っている海域だ。事故を起こしたMH60Sヘリコプターが載っていた指揮艦ブルーリッジは揚陸作戦を指揮する船なので、今回の共同訓練に関与している可能性が高い。実戦の際は敵の対艦ミサイルが届かない沖合の離れた場所に停泊して指揮を執る。訓練でも沖縄本島に近い海域の米艦船や陸地まで司令官や作戦参謀を乗せて飛んでいた可能性がある。」
⑤「5人全員が助かったという状況からすると、事故の際のダメージは大きくなかったと考えられる。だが、機体が沈んでいるとすれば『墜落』と表現するべきだろう。機体が沈んでしまっているのを『着水』と言うかは疑問だ。いずれにせよ、陸地に戻る余裕がないほど緊急性が高かったということだ。もし陸地の上を飛んでいる時に同様のことが起きれば地面に落ちる重大な事態だ。」
⑥「事故機は沖縄での訓練に関与している可能性が高く、同型機も日ごろ県内で飛行している。今回の事故は県民にとって大きな問題だ。また、事故機が横須賀海軍施設(神奈川県)でブルーリッジに載せられ沖縄近海へ向かう前、厚木基地(同)から住宅地上空を飛行しているはずだ。神奈川県でも重く捉えられるべき事故だ。」
⑦「今後、海に沈んだとみられる機体を引き揚げるかどうかが注目される。最新鋭戦闘機F35が墜落した際など軍事機密が多い機体や、乗組員の遺体が残されている場合は引き揚げる事例がある。だが今回の場合は多くの機密情報があるわけでもなく乗組員も助かっているため、日本側が黙っていれば機体をそのまま沈めておく可能性が高い。だが、事故を繰り返さないためには乗組員からの聞き取りだけでなく、機体を徹底的に調べることが必要だ。機体の引き揚げが、真剣に事故を調査する気があるかどうかの要点となる。」


(2)琉球新報-墜落ヘリ、陸上自衛隊「無関係」 共同訓練は予定通り実施-2020年1月26日 10:36


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「陸上自衛隊の水陸機動団は25日から、金武町の米軍ブルービーチ訓練場や沖縄近海で米軍との共同訓練を開始した。陸自によると、沖縄本島沖で同日事故を起こした米軍MH60ヘリコプターは共同訓練には関係しておらず、26日以降の訓練も予定通り実施される見通しだという。」
②「離島防衛を担う水陸機動団が沖縄での訓練に参加するのは初めてで、日米共同作戦の能力向上などの狙いがある。その初日に沖縄沖で事故が発生したことについて、政府関係者は『いつ起こってもいけないが、このタイミングはよくない』と語った。訓練は2月13日までの日程で米軍2500人、陸自60人が参加している。陸自の水陸機動団が米海軍のドック型揚陸艦ジャーマンタウンに乗り込み、CH47ヘリコプターや偵察用ボートを使った上陸訓練などを行う内容。昨年12月に日本に配備された強襲揚陸艦アメリカが訓練調整などの本部機能を担い、水陸機動団の隊員も数人が乗艦している。防衛省陸上幕僚監部広報室は25日、今回の事故の訓練への影響について『米側から延期や中止の連絡はない。対応次第で影響が出てくる可能性はゼロではないが、予定通りに実施されると認識している』と説明した。」


(3)琉球新報-着水?墜落? 飛行艇機能はないのに防衛省は「着水」と説明 米軍は「went down」-2020年1月26日 10:09


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「25日に沖縄本島沖で発生した米軍MH60ヘリの事故について、防衛省は情報収集中としながらも『墜落』ではなく『着水』と説明している。MH60に飛行艇の機能はないため、『着水』という表現には不自然さが伴う。沖合での発生のため事故当時の状況など詳細は不明だが、米海軍の発表は『went down』と表記しており、この語には『落ちる』『墜落』の意味も含まれる。」
②「2016年12月に名護市安部沿岸部で米海兵隊のMV22オスプレイが大破した事故では、防衛省は『不時着水』と説明した。『墜落』と『着水』では受け取る印象は大きく異なり、事故を矮小化させたい狙いも透けたが、琉球新報は真っ二つに折れた機体の破損状況などから『墜落』と報じてきている。」
③「15年8月、うるま市沖で米陸軍のMH60ヘリが艦船への着艦に失敗し墜落した事故では、発生時に米軍は『訓練中にハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)した』とした。本紙などは『墜落』と表記しているが、17年にまとめられた事故報告書では甲板上での『不時着艦』と表現された。」


(4)沖縄タイムス-米軍ヘリ「不時着水」に沖縄県反発 政府内にも批判 整備不十分の恐れ【深掘り】-2020年1月26日 14:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米海軍所属のMH60多用途ヘリコプターが沖縄本島沖約180キロの海上で『不時着水』した事故を受け、県は25日、海でも陸でも米軍機事故はあってはならないと反発した。政府内では事故への批判がある一方、事故原因などがまだ不明として、同型機の飛行停止を米側に求めることに消極的な意見もある。専門家は、県内で25日から始まった自衛隊と米軍の共同訓練へ参加した機体の可能性を指摘。過密日程で機体の整備が不十分となり、事故につながった懸念が上がる。」
②「謝花喜一郎副知事は沖縄タイムスの取材に対し『米軍は不時着水としているが、現時点で情報が少ない。仮に不時着水だとしても、海上には民間の船や漁船が航行しており危険だ』と指摘した。」
③「陸上で墜落していた場合は、県民に大きな被害が出た可能性もあると強調。『陸でも海でも、米軍機の事故があれば県民は不安を感じる。米軍は機体の整備など、しっかりと管理体制を整えているのか』と不快感を示した。」
④「県基地対策課が沖縄防衛局を通じて収集した情報や事故の原因などを踏まえた上で、抗議などの対応を検討する考えを示した。玉城デニー知事は同課に対し、被害の有無などを含め、早急に詳細を確認した上で、情報を共有するよう指示した。今後の対応なども協議するとしている。」
⑤「事故の一報を受け、政府関係者は『海でも陸でも落ちれば県民は不安に感じることは間違いない。あってはならないことだ』と批判した。防衛省は米軍から事故原因について情報を求め、26日以降、米側への申し入れを検討する。」
⑥「県内での米軍機事故を巡っては2016年、嘉手納沖上空で起きた空中給油訓練中の事故を公表していなかったことを受け、米軍側の規律や連絡体制の問題が浮き彫りになった。これを踏まえ、『今回は関係自治体にもすぐに連絡したと聞いている。県民感情への配慮は当然』(同関係者)と一定の評価もした。」
⑦「別の政府関係者は『今回は人命救助の要請もあり、米側とスムーズな連絡ができた』と冷静に受け止めた。事故を受けて当該機機種の飛行停止を求めるかどうかは『事故の内容次第だ』と消極的な姿勢を示した。」


(5)沖縄タイムス-「何度繰り返すのか」「事故のたびにワジワジー」米軍ヘリ事故 漁に影響懸念-2020年1月27日 16:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【うるま】米海軍のMH60ヘリコプターが沖縄本島東沖約180キロの海上に『不時着水』した事故から一夜明けた26日、本島東側の海で漁業を営む関係者からは『何度事故を繰り返すのか』と懸念の声が上がった。」
②「うるま市の与那城漁協の玉榮將幸組合長は『不時着水にしろ墜落にしろ、いずれにしても機体は海に沈んだという。オイル漏れなどによる漁業への被害が心配だ』と話す。現場まで距離があるので何とも言えないと前置きした上で『潮の流れによっては、これから最盛期を迎えるモズク漁に悪影響があるかもしれない』と懸念する。事故を繰り返す米軍に対しては『またかという感じ。トラブルを起こした機体はできればもう飛んでほしくない。まずは原因究明をしっかりしてほしい』と語った。」
③「『事故のたびにワジワジーする』と言うのは勝連漁協の上原勇行組合長。『海上や陸上で米軍機が事故を起こすと、その都度、議会や首長が要請しているが、相変わらず同じことが起きている。何度繰り返すのか』と無力感をにじませる。『米軍の訓練で漁業水域が制限されるなど漁師は普段から影響を受けている。せめて事故が起きないようにしてほしい』と切望した。」


(6)沖縄タイムス--基地立ち入り 返還合意地、測量できず 生活道路 めど立たぬ調査-2020年1月27日 11:51-骨抜きの主権国家 日米地位協定60年(3)


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「瀬長和夫さん(80)は、県が計画する県道24号バイパス整備のため、10年前に北谷町謝苅の自宅を立ち退いた。町内で暮らしながら、完成を待ち望む。」
②「県は『2025年度またはその後』とされる米軍キャンプ桑江の返還後、速やかに着工する方針だ。測量など調査のため基地内へ立ち入り申請しているが、米軍の許可が出ない状況が続く。瀬長さんは『せめて調査だけでも認めてもらえれば、県も計画が立てられるのに』と肩を落とす。」
③「既存の県道24号は、蛇のようにくねくねとした片側1車線の細い道路。『運転が怖い』と感じる人も多く、知り合いの高齢者は、この道路を避けて遠回りする。バイパスは、北谷町の桑江交差点から県道85号沖縄環状線まで約3140メートル、片側2車線の計画。県は北谷町側のみを事業化し、30年度の完成を目指している。」
④「県の再三の立ち入り要求を米軍が拒む根拠となっているのが、日米地位協定3条で米軍に認める排他的管理権だ。外務省が1973年に作成した部外秘の解説書『日米地位協定の考え方』は、『米側が排他的使用権を有している』と記載。その権能を『米側がその意思に反して行われる米側以外の者の施設・区域への立ち入りおよびその使用を禁止しうる』とする。」
⑤「地位協定を補足するため、米軍施設・区域の返還日の約7カ月前から、調査が目的の立ち入りを認める環境補足協定が、15年に日米で結ばれている。ただ、対象は『環境面または文化面での調査』。米軍は今回のバイパス工事に関する調査を『適用外』としており、協定が立ち入りに結び付いていない。」
⑥「適用となる事例でも『返還日の約7カ月前』からの立ち入りでは、調査に必要な日数を確保できず、それ以前に立ち入りが許可された場合でも時間がかかる。北谷町教育委員会が、キャンプ瑞慶覧内の『北谷城』への文化財調査のため16年11月に申請した調査が実現したのは18年3月だった。」
⑦「県は、県や市町村が立ち入りを求める場合は速やかに応じることや、環境補足協定に関しては、少なくとも返還の3年以上前からの立ち入りを求めている。ただ、政府に改定の動きはない。瀬長さんは『日本政府が腰を上げてくれれば』と改善を求める。『米軍と日本政府は、住民の生活を重視してほしい』。安心して通れる道路が一日も早くできることを願う。」                                  (政経部・屋宜菜々子)



# by asyagi-df-2014 | 2020-01-27 17:47 | 沖縄から | Comments(0)

広島高裁は四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた。(4)

 伊方原発への運転差し止めは、二度目である。
 では、私たちは、この判断を重く受け止めるという意味で、何を受け止めることができるのか。また、それは、どのような社会を目指すべきなのか、ということにも繋がらなければならない。
 今回は、Yuichi KaidoさんのFB(2020年1月18日)が、「阪神淡路大震災の日にこの決定を示した広島高裁の見識に深い敬意を表します。今朝の毎日新聞の報道です。ポイントがわかりやすくまとめられ、火山学の石原和弘先生の適切なコメントがついていますので紹介します。」、と次のように掲載しました。


(1)阪神淡路大震災の日にこの決定を示した広島高裁の見識に深い敬意を表します。
(2)今朝の毎日新聞の報道です。ポイントがわかりやすくまとめられ、火山学の石原和弘先生の適切なコメントがついていますので紹介します。


(3)「今回の運転差し止めでは新たに敷地近くの活断層の調査の不十分さが根拠となった。この活断層は、国の機関や国土地理院、大学など各機関が「音波探査」で調査したものの、政府の地震調査委員会が『探査がなされていない。今後の詳細な調査が求められる』と評価していた。四電は同様の『海上音波探査』で調査したため、高裁は十分な調査と言えないと疑問視。この探査結果を基にした四電の申請を規制委が『問題ない』と判断したことも批判した。」
(4)「阿蘇カルデラの噴火についても新たな判断が示された。『破局的噴火に至らない程度の最大規模の噴火を考慮すべきなのに、四電は降下火砕物の量を過小評価している』とし、過小評価を前提とした原子炉設置変更許可申請や原子力規制委の判断も不合理だと断じた。」
(5)「破局的噴火については『火砕流が原発に到達する可能性を否定できないからといって、それだけで立地不適とするのは社会通念に反する』とした上で、破局的噴火に準じる噴火について検討し、噴出量は四電の想定の約3~5倍に上るとして『過小評価』と断定した。」
(6)「石原和弘・京都大名誉教授(火山物理学)は『火山噴火の知見に基づいた妥当な決定。ガイドの妥当性に踏み込んだことは評価できる』と話す。噴火の時期や程度を予測できることを前提にしている点について、日本火山学会としても見直すべきだと指摘しているという。『現在の知見では噴火の前兆が早く分かったとしても数カ月前。【相当前】と言えるか疑問だし、そこから準備して備えられるのか』と説明する。」

(7)改めて、今回の決定は、『火砕流が原発に到達する可能性を否定できないからといって、それだけで立地不適とするのは社会通念に反する』という部分には、納得できないのですが、この部分は同じ広島高裁で同様の判断が示されており、これを尊重したのだと思います。
(8)その結果、この決定は、異議審でも覆すことがむつかしい、手堅い論理となったと評価できると思います。


 この「 この決定は、異議審でも覆すことがむつかしい、手堅い論理となったと評価できると思います。」、との評価にこの先の道を思う。




# by asyagi-df-2014 | 2020-01-27 07:32 | 書くことから-原発 | Comments(0)

安倍晋三首相の施政方針演説で、2014年以降初めて、「辺野古」「普天間」の文言が使われなかったこと。

 2020年1月20日に行われた安倍晋三首相の施政方針演説で、2014年以降初めて、「辺野古」「普天間」の文言が使われなかった。
 このことに関して、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、「今通常国会の施政方針演説で『普天間』や『辺野古』のワードを使わなかった。それは、方針で言うまでもなく、政府として辺野古移設は『当たり前』ということなのだろう。『自治体の意見は関係ない』という政府の強硬姿勢の延長線上にある演説だと感じた。日米安保改定60年の式典で、安倍首相は『日米安保条約は不滅の柱だ』と述べた。辺野古新基地建設は、日米両政府で決まったことで、日米安全保障体制の問題として、あくまでも押し通す、やり通すという無言の表明でもある。」、と識者の見解を伝えた。
 それは、あたかも、『目下の同盟』の力を見せるとでも言うもの。


これだけに留まらず、「タイムス」は2020年1月21日、「[施政方針と新基地] もはや破綻は明らかだ」、と社説で論評した。
「タイムス」の最初の指摘は次のもの。
(1)安倍首相は「2020年代前半の海兵隊のグアム移転に向け、施設整備などの取り組みを進める。抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に、一つ一つ結果を出していく」と述べた。12年12月の第2次安倍政権発足後、通常国会の施政方針演説は8度目になるが、普天間飛行場の危険性、辺野古移設のいずれにも、触れないのは初めてである。
(2)昨年1月の施政方針演説は「辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現していく」としていた。
(3)なぜ、「普天間」「辺野古」が消えたのだろうか。


 「タイムス」は、このことの意味を解き明かす。
(1)政府は昨年12月25日、新基地の完成までの工期を当初の8年から約12年へ大幅に延ばす計画見直し案を発表した。大浦湾側に広がる「マヨネーズ並み」といわれる軟弱地盤が水面下90メートル地点にもあり、改良工事は世界的にも例がない難工事になることが予想されている。
(2)政府は本年度内にも設計変更を県に申請する方針だが、玉城デニー知事は認めない構えだ。政府の工期は玉城知事の承認が起点であり、政府の計画通りにはいかない。仮に進んだとしても普天間返還は日米合意の「22年度またはその後」から30年代半ば以降にずれ込む公算だ。
(3)新基地建設で普天間の危険性除去という政府の論理が破綻しているのは明らかだ。普天間返還の後れに言及しないのは不誠実極まりなく、強行工事との整合性も取れない。


 また、「これまで取り上げたことがなかった海兵隊の米領グアムへの移転」を取り入れたことにも、次のように示す。
(1)施政方針演説では、これまで取り上げたことがなかった海兵隊の米領グアムへの移転を強調している。海兵隊の移転は民主党政権時代の12年に日米両政府が修正合意した米軍再編計画で沖縄に駐留する海兵隊約9千人をグアムやハワイなどへ移転させることが盛り込まれた。グアム移転を普天間移設とは切り離し、20年代前半に始めることを確認している。
(2)主力の第4海兵連隊を含む実戦部隊が移転し、沖縄に残るのは2千人規模の第31海兵遠征部隊(MEU)だけになる。同部隊を運ぶ強襲揚陸艦は長崎県佐世保に配備され、アジア太平洋地域で各国と共同訓練などを実施。1年の大半は沖縄にいないのが実態だ。海兵隊が沖縄に駐留する必要はないのである。
(3)海兵隊の主力部隊がグアムなどに移転するのに、海兵隊の新基地を造るのは常軌を逸しているというほかない。


 「タイムス」は最後に、辺野古新基地建設について、次のことを安倍晋三政権に突きつける。
(1)総工費も当初の3500億円以上から2・7倍の約9300億円に膨らむ。工期と総工費がそれだけにとどまる保証は何もない。国民の税金である。こんな野放図な公共工事は直ちにやめるべきだ。
(2)安倍首相は14年に約束した普天間の5年以内に運用停止することを守らず、その後も普天間の危険性除去に向けた対策をとっていない。不作為としかいいようがない。
(3)政府が辺野古にこだわればこだわるほど、普天間の危険性が固定化される。国会で徹底した議論を求めたい。




# by asyagi-df-2014 | 2020-01-26 06:59 | 米軍再編 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2020年1月24日

「【平安名純代・米国特約記者】米環境団体による調査で、米国内の43都市の飲料水から、人体に有害な影響が指摘されている有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が検出されていたことが23日までに分かった。このうち人体に影響を与え得る汚染は41カ所だった。検査は、非営利環境団体エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)が昨年5月から12月に、米首都ワシントンとマイアミやフィラデルフィア、ニューオーリンズなど44都市の水道水からサンプルを採取・分析した。その結果、PFASが検出されなかったのは、ミシシッピ州メリディアン市のみだった。PFASが検出された43カ所中、人体に影響のないレベルの数値は2カ所だった。今回の検査では、PFOAやPFOSなど、平均で六、七つの異なるPFAS化学物質が検出された。」、と沖縄タイムス。
米国は、自らの問題には、極めて敏感である。このことがどのような影響を持ってくるのか。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 何よりも、自らが沖縄から受け取るものを明確にするために。
 2020年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2020年1月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-横田基地騒音、国に賠償命令 1億1千万円、飛行禁止認めず-2020年1月23日 18:49


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍横田基地(東京都)の周辺住民約140人が、騒音被害の賠償や米軍機と自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めを国に求めた第9次横田基地公害訴訟の控訴審判決で、東京高裁は23日、一審に続いて過去分の騒音被害を対象に、約1億1200万円の賠償を命じた。同種訴訟で最高裁が示した判断枠組みを踏襲し、将来分の被害への賠償や飛行差し止めの請求はいずれも退けた。」
②「控訴審で住民側は、18年10月に米軍輸送機CV22オスプレイが正式配備され、騒音被害が悪化していると主張。国側は、軍用機の運航には公共性があり、周辺住宅の防音工事で騒音の影響は軽減されたと反論していた。」


(2)沖縄タイムス-米国43都市で飲料水汚染 環境団体調査 有害な有機フッ素化合物PFASが検出-2020年1月24日 18:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】米環境団体による調査で、米国内の43都市の飲料水から、人体に有害な影響が指摘されている有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が検出されていたことが23日までに分かった。このうち人体に影響を与え得る汚染は41カ所だった。」
②「検査は、非営利環境団体エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)が昨年5月から12月に、米首都ワシントンとマイアミやフィラデルフィア、ニューオーリンズなど44都市の水道水からサンプルを採取・分析した。」
③「その結果、PFASが検出されなかったのは、ミシシッピ州メリディアン市のみだった。PFASが検出された43カ所中、人体に影響のないレベルの数値は2カ所だった。今回の検査では、PFOAやPFOSなど、平均で六、七つの異なるPFAS化学物質が検出された。」
④「EWGは、今回の調査で汚染が確認された43カ所のうち、34カ所は米環境保護局(EPA)や州の環境機関によって汚染の有無が公表されていないと指摘し、警鐘を鳴らしている。」
⑤「ロイター通信は『EPAは2001年からPFASの有害性を把握していたにもかかわらず、法的拘束力のある制限がいまだに設定できていない』と対応の遅れを批判している。」


(3)沖縄タイムス-全国で地位協定改定決議へ 地方議会から機運の醸成狙う-2020年1月24日 13:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「全国の約800人の地方議員でつくる『自治体議員立憲ネットワーク』は23日、日米地位協定の改定を求める決議を47都道府県議会で可決することを目指す声明を発表した。政府が運用改善で対応する方針を示す中、住民に近い地方議会から働き掛けを強める狙いがある。那覇市内で開いた研修後、共同代表らが記者会見し、地位協定の問題は全国どこでも起こり得るという当事者意識を持ち、発効から60年の節目に改定、見直しの機運を盛り上げたいと決意を見せた。」
②「全国知事会は2018年7月、日米地位協定の抜本的な見直しを含む『米軍基地負担に関する提言』を採択。その後、宮崎、和歌山、北海道、長野、佐賀、岩手、奈良の7道県議会で地位協定の改定を求める意見書を可決している。」
③「立憲ネットでは残り40都府県でも同様の可決を目指すとともに、市町村議会にも広げたい考えだ。地位協定の運用に関する日米の合意議事録や合意についても見直しや撤廃を求める。」
④「声明では、地位協定は日本全体の問題であると同時に、その矛盾や問題は基地の集中する沖縄で深刻な形で現れていると指摘。他国と米国との協定と比較しても不平等で、改定に取り組まない日本政府を『米国への屈従と無策ぶりは嘆かわしいばかり』と批判した。」
⑤「地位協定が強いる人権抑圧、主権放棄の問題を「沖縄問題」として遠ざけ、関心の外に置いてきたことは政治の重い責任と認識し、党派を超えて、地位協定の抜本的見直し、改定に向けた意見書の採択につながる取り組みの推進を掲げた。」
⑥「共同代表の玉田輝義大分県議は『この問題を易しく伝えることが大切。オスプレイの飛来や自衛隊との共同演習などそれぞれの地域の課題と絡めて、発信したい』と話した。」



# by asyagi-df-2014 | 2020-01-25 17:24 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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