2019年 12月 15日 ( 1 )

平成の大合併の検証が必要だ。

 改めて、平成の大合併の検証が必要だ、と感じている。
合併の嵐に大きく巻き込まれた大分の地で、吸収合併される側に居た身として、このことを強く感じる。
西日本新聞(以下、「西日本」)は、「合併自治体、特例切れ財政危機 大分・杵築は再生団体回避へ緊急策」(2019年12月7日)、「『平成の大合併』特例切れ財政苦慮…自治体の危機感」(2019年12月9日)、と続けて記事を掲載した。
この「西日本」の記事から、平成の大合併の意味を考える。
まず、「西日本」は次のように報告する。


(1)「平成の大合併」で誕生した九州の自治体は合併特例の期限切れを見越し、基金の積み立てや経費削減などに取り組む。ただ人口減や少子高齢化などで多くの自治体で税収アップは期待できず、予算編成は地方交付税に頼る構造は変わらない。将来の安定した財政運営へ自治体の危機感は大きい。
(2)「合併算定替えの終了で財政運営が厳しくなることは分かっていた。基金をしっかり積み上げてきた」。熊本県あさぎり町の財政担当者はそう話す。
(3)2003年に旧免田町など5町村が合併。福岡県宗像市とともに大合併の九州第1号。優遇措置は14年度から段階的に削減され、19年度に終了。削減前、56億円の交付税は44億円に減った。町は09年ごろから基金を積み立て、合併時14億円ほどだった財政調整基金は50億円台に。ただ交付税が減ったこともあり、基金を取り崩しながら予算編成せざるを得ないという。
(4)05年に1市5町が合併した長崎県諫早市。合併時約1100人いた職員を874人に削減し、旧町部の市立幼稚園の廃止や学校給食の民間委託、公共施設を自治会に無償で払い下げるなどして経費削減を進める。市財政課は「予算編成が厳しくなるのは間違いない。ただ、現時点で大規模なサービス見直しは検討していない」と話す。
(5)総務省は14年度から、合併自治体に当初想定していなかった財政支出がかさんでいるとして、旧市町村部の支所や消防署・出張所、保健センターなどの経費を交付税に反映している。
(6)九州大大学院の田中孝男教授(行政法)は「合併自治体は財政運営を含む新市建設計画をつくっている。その通りか、財政見通しが甘かったのかなど徹底した検証をすべきだ。自分たちの町を維持していくには何が必要で何を削減するかなど、住民も交えた議論が必要だろう」と指摘した。 
(郷達也、泉修平)
(7)「合併算定替え:合併後10年間は合併前の市町村ごとに算定した交付税の総額が配分される優遇策。合併の11年後から段階的に減額され、16年後には一つの自治体として算定された額となる。国が合併を促すための優遇策はほかに公共施設整備や旧地域間の格差是正を図る事業費の95%に充当でき、国が返済額の70%を負担する合併特例債がある。」


 特に、「西日本」は、財政危機に陥った大分県杵築市の実態を次のように報告する。


(1)大分県杵築市は6日、市の財政が著しく悪化しており、現状の歳出が続くと2023年度には国の財政再生団体に転落する恐れがあることを明らかにした。合併に伴う地方交付税の優遇措置(合併算定替え)の縮減による歳入の減少と歳出の増加が主な原因。20年度から人件費削減や組織のスリム化など緊急の財政対策に取り組み、年間10億円程度の歳出抑制を目指す。
(2)杵築市は05年に旧杵築市、山香町、大田村が合併し誕生。15年度をもって優遇措置は段階的に削減され、18年度の地方交付税は15年度比で3億7664万円減った。中学校や図書館の改築などの大型事業を短期間に集中したことも財政悪化に追い打ちをかけた。一般財源に占める義務的経費の割合を示す経常収支比率は18年度決算で100・9%と初めて100%を突破。適正水準とされる80%前後を大きく上回った。
(3)19年度当初予算は、市の貯金に当たる財政調整基金(18年度末残高31億7698万円)から13億7千万円を取り崩して対応したが、歳入の劇的な増加は見込めず、19年度当初予算と同程度の歳出が続くと年間約14億円の単年度赤字が蓄積し、基金は2年後に枯渇するという。
(4)市は22年度末に基金残高の10億円確保を目指す。20年1月から市長の給与を30%、副市長と教育長は20%カットし、職員給与の減額も市職員連合労働組合と交渉中。20年度からは現在の32課を25課に統廃合し、課長ポストを減らすことで役職手当を圧縮する。233人いる臨時・嘱託職員は34人減らす。市主催のイベントや啓発事業は原則、廃止・休止を前提に見直す方針で、今月中に緊急財政対策を策定するという。
(5)財政再生団体になると、予算編成や起債は国の管理下で行われる。公共料金引き上げや、自治体独自の事業や補助金の廃止などが迫られ、行政サービスが低下、住民生活に多大な影響が出る。現在は北海道夕張市のみ。
(稲田二郎)


 かって、財政再生団体に陥った大分県竹田市で勤務した経験がある身として、今回の平成の大合併の検証の必要性を強くする。



by asyagi-df-2014 | 2019-12-15 07:05 | 持続可能な社会 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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