2019年 12月 04日 ( 3 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年12月4日

 日本政府、安倍晋三政権は、今度はどのように答えるのか。
 「【ワシントン共同】トランプ米大統領は3日、在日米軍の駐留経費負担増を安倍晋三首相に要求したことを明らかにした。訪問先のロンドンでストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長との会談前、記者団に語った。トランプ氏は安倍氏を『友人』と呼んだ上で『シンゾウ、われわれを助けてくれないか。われわれはたくさん払っている。日本は豊かな国だ。われわれは日本の防衛に大金を払っている』と伝えたと語った。トランプ氏は米国が日本など同盟国の防衛に果たしている役割を強調した上で『彼らはこれまで(負担増を)求められたことはなかった』とも主張した。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年12月4日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-安倍首相に経費負担増を要求 トランプ氏、在日米軍駐留で-2019年12月3日 21:45


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【ワシントン共同】トランプ米大統領は3日、在日米軍の駐留経費負担増を安倍晋三首相に要求したことを明らかにした。訪問先のロンドンでストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長との会談前、記者団に語った。」
②「トランプ氏は安倍氏を『友人』と呼んだ上で『シンゾウ、われわれを助けてくれないか。われわれはたくさん払っている。日本は豊かな国だ。われわれは日本の防衛に大金を払っている』と伝えたと語った。」
③「トランプ氏は米国が日本など同盟国の防衛に果たしている役割を強調した上で『彼らはこれまで(負担増を)求められたことはなかった』とも主張した。」


(2)沖縄タイムス-生活保護と高収入家庭「3歳までで会話32万語の差」 湯浅誠氏、子の居場所づくりで沖縄モデル構築望む-2019年12月3日 18:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県内にある子どもの居場所や地域、学校の関係者らがつながり、活動内容や運営課題を共有していくことを目的に、県は『子どもの居場所ネットワーク事業』をスタートさせた。ネットワーク構築に向けた記念講演会が11月26日、那覇市の県総合福祉センターゆいホールであり、NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの湯浅誠理事長が登壇。沖縄は小学校当たりの子ども食堂の数が全国最多とし『県レベルの試行錯誤は全国のモデルになる』と期待を込めた。県と委託先の県社会福祉協議会の主催で約200人が来場した。」
②「内閣府の沖縄子どもの貧困緊急対策事業などの補助を受け、県内には2018年10月時点で、県と28市町村、民間が設置した居場所が計169カ所ある。ネットワークは事例の情報発信や連絡会の開催、企業からの寄付を効果的に受け入れる仕組みをつくるなどして、それぞれの居場所活動の充実を目指す。関係者に参加を呼び掛けた上で、本格始動する。」
③「湯浅さんは講演で、生活保護家庭では0~3歳に会話などを通して接する言葉の数が、高収入・高学歴家庭より32万語少ないとする海外の研究結果を紹介。『小学校に上がる段階で既にスタートラインが違う。残念ながら学校には格差是正機能はなく、これ以上差を広げないようにするしかない』と指摘した。」
④「その上で『頑張る力や生きていく上で必要な力は学校の外でも提供できる』とし、国語や算数といった教科学習にとどまらない多様な学習支援の重要性を強調。『通学路を見守る人ができればもう100メートル、子どもと一緒に歩いて話し掛けるだけで32万語の差が少し埋まる。地域の人たちにできることがたくさんある』と呼び掛けた。」
⑤「イベントではこのほか、浦添市こども政策課の仲本力主幹と、子ども食堂を運営する浦城っ子児童センターぽかぽかステーションの山田輝子代表が、居場所と学校が連携した取り組みを発表。不登校の若者たちを支えるNPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいの金城隆一代表理事は、子の家庭や養育背景に寄り添った支援の実践を促した。」


(3)沖縄タイムス-本紙入手の会議録で判明…石垣自治条例、廃止ありき-2019年12月4日 16:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【石垣】石垣市議会の自治基本条例調査特別委員会(友寄永三委員長)が同条例を『廃止すべきだ』と結論付けた件で、特別委が実質的な検証をしていないことが、本紙が3日入手した会議録で分かった。これまで5回の会合でわずか約5時間の議論で、『市民の定義』への疑義や『理念条例』であることの指摘に終始した。識者からは『廃止ありきではないか。廃止することで自治が実現する理屈を探すことは難しい。議論に中身がないのは当然だ』と指摘する。」(八重山支局・粟国祥輔)
②「市議会(定数22)の構成勢力は議長を除き、与党12人、野党9人。特別委はことし3月に与党市議10人で設置した。野党は拒否して委員になっていない。市議会事務局によると、市議会委員会条例の規約により、要点記録(概要)のみが公開対象となっている。」
③「本紙が入手した会議録では、7月8日の2回目で実質審議入りした。住民登録のない外国人が市政に参加するのはおかしいとして、『市民』の定義への疑義や『理念条例』のほか、自治条例がなくても地方自治法で自治体運営できることが俎上(そじょう)に上がった。」
④「9月17日の3回目の審議では一気に廃止への流れができた。委員長が『条例に問題があるかどうか議論していく』と発言すると、各委員はせきを切ったように意見を並べた。『住民投票を規定されたら地方自治が大変な状況になるんじゃないか』『最高規範の重みがない。早い段階で効力停止するべきだ』ともあった。」
⑤「10月1日の4回目では『もう賛成の議論は終わっている』『(自治基本条例は)全国で3割しか制定していない』などの意見が出され、廃止の結論がほぼ固まった。」
⑥「先月26日の最終第5回目は各委員が考えを表明する形で進行。条例が前市政時代に賛成多数で可決されたことから、『誕生の時から非常に大きな矛盾を抱えて争いの中で生まれた条例』との指摘や、自衛隊配備に関連し『国の責任においてやるものなので、反対の方向にいくと国家の崩壊につながりかねない』との発言もあった。」
⑦「会議録からは各委員が疑問点を挙げる一方で、その具体的な影響や廃止理由の検証がないままに物事が決まる実態が浮かび上がる。地方自治に詳しい沖縄国際大学の照屋寛之教授は『自治条例は自治体の指針。住民参画をうたい、せっかくつくったものを与党の都合でなくしてしまおうというのは問題だ。時代に逆行し、自治の後退につながる』と話した。」


(4)沖縄タイムス-重度知的障がい者は合格できないと“門前払い” 沖縄県教育庁見解と家族の落胆【深掘り】-2019年12月4日 14:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「重度の知的障がいがあり、3度目の高校受験に意欲を示す仲村伊織さん(16)に対し、県教育庁が突き放すような見解を示した。『高校の教育課程をこなせる能力がない』『選抜制度を変更できない』とのこれまでの主張に加え、『法的に高校では受け入れられない』とした。家族や支援者は『受験しても無理という、頑張る子どもを裏切るようなメッセージ』と落胆と怒りの声を上げる。」
②「仲村さんと両親は、地域や社会とつながる生き方を願い、小中学校は地元北中城村の普通校で学んだ。両親や先生たちも驚くような子ども同士の関わり合いや成長が見られ、中学を卒業すると仲村さんは『大きい学校行く』と高校進学への強い思いを口にするようになった。母美和さん(51)は『高校を目指すのは彼の思いを大切に考えてのこと』と説明する。」
③「2018年3月の最初の受験で不合格となった後、『県障がいのある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例(共生社会条例)』に基づき、入試制度の改善などについて知事にあっせんや助言を求める申請を提出した。これを受けて立ち上がった調整委員会は、県教育庁の対応に『合理的配慮として不十分な点があった』と指摘。同庁は今春の2度目の受験時には意思疎通支援などを進めた。だが今回、『現制度では特性に応じた教育課程を提供できない』との見解を示した。受験時の配慮はしても、重度知的障がい者は合格できないと“門前払い”にする形だ。」
④「千葉県で障がい者の高校進学をサポートする佐藤陽一さんは『これまで受験させておいてあまりに無責任。入学できる可能性があるならと本人も親も頑張っているのに、受験は意味がないことになる。裏切りの行為で道理に反する』と批判する。」
⑤「美和さんは『息子が高校に入るのはそんなに困ることなのだろうか。障がいがあるが故にどんなに望んでも思いを断たれてしまうのは差別じゃないか。怒りと残念な気持ちでいっぱい』と無念の思いを口にした。」


(5)沖縄タイムス-「埋め立て総量の1.1%しか入っていない」 辺野古への土砂搬出から1年-2019年12月4日 08:40


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が琉球セメント所有の名護市安和の桟橋から埋め立て土砂を搬出して3日で1年が経過した。防衛局は2018年12月3日に土砂を搬出し、同14日に埋め立て区域に初めて土砂を投入。現在は本部港塩川地区と併せて2カ所から土砂を搬出しているが、新基地に反対する市民からは『埋め立てに必要な土の総量の1・1%だ』との声も上がる。」
②「防衛省によると10月末現在、埋め立て区域2カ所の進捗(しんちょく)率は『(2)-1』で7割、『(2)』で1割だった。平和市民連絡会のメンバーで土木技師の北上田毅氏は進捗率と埋め立てに必要な土砂の総量を比較し『埋め立て総土量は2062万立方メートルで、二つの区域に投入されたのは23万2千立方メートル。土砂は1・1%しか入っていない』と指摘する。」
③「防衛局は当初、本部港塩川地区から土砂搬出を計画したが、18年9月の台風で岸壁が損傷したため港を管理する本部町が使用を認めず、代替案として同年12月に名護市安和の桟橋から搬出。19年4月には本部港の岸壁の修復が完了したことを受け同港から搬出が始まった。」
④「市民からは桟橋設置に必要な公有財産使用許可について、『施設の目的』に土砂が含まれていないと指摘する声もある。ただ、県は『【その他】との事項があるため違反と言えない』との考えを示している。


(6)琉球新報-日米、呼び出し応じず 米軍事件事故 県議会が抗議有料-2019年12月4日 13:09


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「10月後半に相次いで発生した米軍機からの部品落下や米兵による刑法犯、嘉手納基地のパラシュート降下訓練について県議会米軍基地関係特別委員会の仲宗根悟委員長らメンバーは3日、沖縄防衛局と在沖米総領事館、外務省沖縄事務所を訪れて抗議した。代表者を議会棟に呼び出したが、3者は応じなかった。県議団は27日の本会議で全会一致により可決した、再発防止や日米地位協定の改定を求める決議・意見書を手渡した。」
②「米空軍第18航空団には18か19の両日いずれかに抗議する方向で調整しているが、呼び出しには応じない見通し。仲宗根氏は取材に『本来は議会棟に来てもらうように調整したかった。県民に迷惑を掛けた行為なので決議を重く受け止めるべきだと粘り強く訴えていきたい』と述べた。」
③「仲宗根氏によると、ロバート・ケプキー総領事は部品落下について『県民に不安を与えた』と謝罪し、飲酒した米兵による事件は『許されるものではない』と述べた。一方、嘉手納基地でのパラシュート訓練については『2国間の合意に基づいている』と強調した。」
④「沖縄防衛局で県議団は『日米地位協定で日本の国内法が適用されないことが米軍の姿勢に緩みが生じる原因ではないか』と追及した。田中利則防衛局長は運用改善で対応する立場を伝えた。事件・事故については再発防止を米側に求めていく考えを示した。」
⑤「外務省の川村裕沖縄担当大使は『米軍の態勢の維持も重要だが、安定的な駐留のためには地元の理解を得られるように安全管理を徹底しなければならない』と語った。」


(7)琉球新報-在日米軍が輸送揚陸艦を公開 長崎県、佐世保基地-2019年12月4日 17:21


 琉球新報は、「在日米軍は4日、長崎県の佐世保基地に追加配備したドック型輸送揚陸艦『ニューオーリンズ』を報道関係者に公開した。ホーバークラフト型揚陸艇など上陸用船艇の格納庫を備え、乗組員約350人のほかに最大約800人の海兵隊員が乗船可能。同基地に近く配備される最新の強襲揚陸艦『アメリカ』の役割を補完する。ニューオーリンズは1日に追加配備された。スコット・ミラー艦長は『佐世保の揚陸即応部隊の能力を大幅に高めるだろう』と語った。アメリカは『ワスプ』と交代し、年内に配備予定。米海兵隊岩国基地所属のF35Bステルス戦闘機などを艦載し沖縄駐留海兵隊の海上出撃拠点になる。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2019-12-04 21:17 | 沖縄から | Comments(0)

中村哲さん逝く。

 講演を聴けたのは、二回程度でしかない。
後は、本との出会いなのだが。
ちょっと、この知らせはきつい。

 このことについて、朝日新聞は次のように伝えた。


(1)アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードで4日朝、同国で人道支援に取り組んできたNGO『ペシャワール会』(事務局・福岡市)の現地代表で、医師の中村哲さん(73)の乗った車が何者かに銃撃された。州政府によると、中村さんや運転手ら計6人が死亡した。
(2)長く医療支援や灌漑(かんがい)工事を続けてきた中村さんは10月、同国から名誉市民権を授与されたばかりだった。2008年に日本人スタッフ(当時31)が殺害される事件があったため、警備員を付けて活動していた。
(3)同国では政情不安定化を狙って武装勢力が国際NGOや外国機関を攻撃する事件が後を絶たない。4日正午時点で犯行声明は出ていない。
(4)州政府幹部によると、中村さんは地元病院で応急処置を受けたが、腹などに複数の銃撃を受けて死亡したという。
(5)同会によると、同日午後1時前に現地スタッフから中村さんが負傷したという連絡が入った。現地時間の同日朝、アフガン東部で進めている灌漑(かんがい)工事の現場に車で向かう途中、銃撃を受けたという。



by asyagi-df-2014 | 2019-12-04 17:53 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

ヘイトスピーチによる名誉毀損被告事件(被告人西村斉)に対する罰金50万円に処する有罪判決の意味。

 2019年11月29日、京都地方裁判所第3刑事部は、ヘイトスピーチによる名誉毀損被告事件(被告人西村斉)について、罰金50万円に処する有罪判決を言い渡しました。
 このことに関して、学校法人京都朝鮮学園(告訴人・弁護団)は2019年11月29日、声明(以下、「声明」)を出しました。
この声明では、この判決を、「公益目的を認定したこと(及び量刑)は極めて不当であり、ヘイト被害を受けた学校関係者への動揺を与えている。本件のヘイトクライムとしての本質に対する判断を回避していることは、昨今の日本社会での反差別・反ヘイトスピーチの立法化の流れに逆行する判決内容と言わざるを得ない。」、と断じています。  また、「2009年の事件以来、学校当事者の努力で獲得されてきた裁判の成果を無に帰せしめかねず、多文化共生社会の実現に大きな障害となりかねない司法判断である。控訴審における是正が喫緊の課題となる。」、と批判しています。
 さらに、「判決の根底には、ヘイト被害の特徴への無理解があり、そのために被害者である児童ら、学父母らに生ぜしめた恐怖感・不安感への想像を欠落させてしまったことが疑われる。本件を含め名誉毀損は被害者参加制度の対象犯罪ではなく、法廷においてヘイト被害の実態を直接訴える機会もなかった。こうした被害者不在の構造からの影響が、判決結果に如実に現れてしまったように見受けられる。」、とも。
「声明」は、批判の根拠を次のように示しています。


1  公益目的の認定の不当性

(1) 公益目的とは
①一般に「公共の利害に関する事実」の摘示である場合には、名誉毀損があっても「その目的が専ら公益を図ること」(公益目的)と認められ、真実性ないし真実相当性の証明があれば処罰されない(刑法230条の2)。                     ②本判決では最終的には真実性・真実相当性の証明がないとして有罪判決を導いたものの、公益目的を肯定してしまった点で、極めて問題のある判断内容である。本件のような明らかなヘイトスピーチに対し、あたかも公益目的があるかのような認定を行うものであるため、今後の同種犯罪を誘発し、刑事司法によるヘイト犯罪の抑止力を弱めてしまう作用が懸念される。
(2) 判決の認定と、その不当性
①この公益目的の認定において、判決文では、被告人は「主として、日本人拉致事件に関する事実関係を一般に明らかにする目的で判示の行為に及んだ」などとされ、その理由として、被告人自身が朝鮮が行った悪事を知ってほしい自分の活動が最終的に日本の国益になると信じている旨、供述していることなどを挙げた。               ②しかし、本件行為の具体的態様や前後の経過に照らし、自身の主要な目的が、拉致問題の啓発であったなどと弁明すること自体が欺瞞であり、判決は、こうした本質を見誤っている。
③本件の具体的な発言内容や行為態様に照らして評価した場合[2] に、公益目的が認定しうるのか、甚だ疑問である。被告人において、真実、判決が認定したような真摯な目的があるならば、あえて、被告人が標榜する公益(拉致事件の解決)を実現していく効果が希薄で、なおかつ、児童や学校関係者らの不安・恐怖感を殊更に煽るような表現態様を選択する必要はない。本件の具体的な行為態様の特徴であった、
•あえて、以前に自身が刑事事件を起こした京都朝鮮学校の跡地に行き、
④「当該学校があった跡地を指さして、根拠が皆無であったにも関わらず、殊更に、当該学校と拉致問題を関係づけて危険視する発言を繰り返していたこと、等に鑑み、専ら朝鮮学校に対する差別を扇動し社会的評価をおとしめる目的であったことが十分に推認される。
⑤被告人は、もともと、長年にわたって朝鮮学校の解体を目的と掲げた街宣デモ行為を繰り返し行ってきた人物でもある。実態としては、こうした差別目的のもとで行われた行為である。拉致問題を口実として利用し、表現行為であるかのような「表面上の装い」(後述の京都地裁H25.10.7判決参照)を偽装して本件犯行に及んだものとの認定は証拠上優に認められると評価すべきであった。
⑥今回の判決理由も、被告人の発言のうち「まだこの朝鮮学校関係者がこの近辺に潜伏していることは確実」「朝鮮学校関係者かなと思ったら110番してください」など、一般聴衆の不安感を殊更に煽る内容に照らして「朝鮮学校関係者というだけで犯罪者と印象づける目的」があったとの認定まではしている。そうであれば、端的に差別扇動の目的こそが主目的で、公益性などはないと認定すべき事案であった。


(2) 過度の一般化に潜む差別性
①判決は、被告人の公益目的を認定するにあたり、「被告人において、少なくとも、大阪朝鮮学校の元校長が日本人拉致によって国際手配されたことや、朝鮮総聯が朝鮮学校全般に一定の影響力を及ぼしていたことについては、そのように考える相当の理由があった」ことに重きを置いた。
②しかし、全国に何十とある朝鮮学校は、それぞれ個別の独立した学校として、それぞれの地域に根差した教育実践を行っている。そのようななかで、仮に被告人が上記考えを抱いていたとしても、今回のように京都初級学校のみを殊更に標的にする発言内容として、同校の校長が犯罪に関わったとする事実無根の名誉毀損を行うことに合理性を見いだすことはできない[3]。
③さらに、社会的耳目を集めた2009年事件の主犯格として服役までした人物が、その刑の執行終了直後に、犯行現場となった当該学校跡地に立ち寄り、あえてヘイト犯罪の再犯を公然と敢行するという態様での犯罪行為となれば、これは法秩序に対する挑戦に外ならない。当然、それによって惹起される社会不安は極めて大きい。なかでも京都の学校を中心とした在日朝鮮人コミュニティに大きな不安を与えうることについては、外ならぬ被告人自身が、従前の裁判審理等の経験、服役中や保護観察中の矯正教育をとおして熟知しているはずである。そのうえで本件学校を街宣場所としてあえて選択したことを加味して考えるならば、なおのこと公益目的であるなどとの被告人の弁明の不当性が際立つ。
④結局のところ、被告人の弁明で述べられる公益目的よりも、差別扇動目的のほうがより強く推認される状況にあるなか、刑法230条の2の定める「目的の公益性」を認める余地はない。


2 従前行為との連続性
①従前の2009年事件においても、被告人は正当な表現活動であると弁明していた。しかし、京都地裁H25.10.7判決、大阪高裁H26.7.8判決は、それぞれ慎重な審理を経た事実認定として、
「(隣接する京都市公園の利用を)口実にして本件学校に攻撃的言動を加え、その刺激的な映像を公開すれば、自分たちの活動が広く世に知れ渡ることになり、多くの人々の共感を得られる」「『朝鮮人を糾弾する格好のネタを見つけた』と考え」、「在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える目的」で行われたものであって、各街宣において在特会が喧伝してきた「違法な占用状態を……解消する意図」などについては、単なる「表面的な装いにすぎない」
と断じてきた。本件は「拉致問題」を口実にして、正当な表現行為を「装う」という点で共通している。ヘイト動機に基づく悪質性、この点について全く無反省であることにおいても明らかな共通性が見られる。にもかかわらず、判決理由では、この点を看過して、「学校の業務を直接的に妨害した前記の前科とは犯行態様が大きく異なる」、などと認定して、懲役刑を回避した。罰金刑とした結論は、事案の本質を見誤る不当な量刑評価であることは明らかである。

[1]判決では、被告人が、2017年4月23日、勧進橋公園において、かつて同公園に隣接して所在した学校法人京都朝鮮学園が運営していた京都朝鮮第一初級学校のことを指して、拡声器を用い「ここに何年か前まであった京都の朝鮮学校ってありますよね、この朝鮮学校は日本人を拉致しております。」「まだこの朝鮮学校関係者がこの近辺に潜伏していることは確実」「朝鮮学校関係者かなと思ったら110番してください」などの発言を行い、動画配信サイトにその様子を投稿して不特定多数の者が閲覧できる状態にさせたとの事実を認定した。京都朝鮮学園に対する名誉毀損罪が成立すると判示した。
[2]この点、公益目的の判定にあたっては、「摘示する際の表現方法や事実調査の程度などは、同条にいわゆる公益目的の有無の認定等に関して考慮されるべきことがら」(月刊ペン事件最高裁判決(昭和56年4月16日))とされている。
[3]たとえ、とある組織の元代表が公共の利害にかかわる犯罪をおかしたという報道があったとしても、当該組織はもちろんのこと、それと独立した別の法人格である関連組織とその関係者も同じ犯罪を犯したことにならないことは言うまでもない。そのような発言をしてでの公益目的は希薄と評価されるであろう。同様に本件でも、大阪の元校長という人物の犯罪報道一つをとって、京都の朝鮮学校に対する名誉毀損が公益目的などとして正当化しうるべきものではない。//// 特定の属性にある多様な人々の個別性を捨象して、過度な一般化を図ることは、単に論理的誤謬であることに留まらない。これが、マイノリティに対する悪感情と合わさると、差別と偏見を助長することになる。そしてこうした「助長」を意図的に作出し、差別扇動の効果をもたらすことは、被告人の真の目的である。/// 判決は、被告人の過度な一般化(差別的思考)を追認してしまった点で、極めて不当である。


 確かに、今回の京都地裁による「公的目的の認定」が、「2009年の事件以来、学校当事者の努力で獲得されてきた裁判の成果を無に帰せしめかねず、多文化共生社会の実現に大きな障害となりかねない司法判断である。」、ことを確認しました。



by asyagi-df-2014 | 2019-12-04 07:08 | 書くことから-ヘイトクライム | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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