2019年 12月 01日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年12月1日

一地方自治体に、ここまで負担を負わせる日米安保条約や日米地位協定とは、何なのか。その実態は、「町の担当者は『独自で取り組むことで少しでも軽減につながれば』と期待した。」(琉球新報)。
「【金武】金武町(仲間一町長)は11月から町独自で、騒音防止協定に反する米軍機の住宅地上空飛行や夜間飛行への対策を始めた。役場や学校などの屋上に『NO FLY ZONE(飛行禁止区域)』と描き、米軍機の操縦士に視覚で訴える。自治体独自で予算を組んで同様の対策を講じるのは県内で初めて。仲間町長は『住民生活を守るために町ができることをまずやろうと考えた。現状を変えるには自分たちが動かないといけない』と語った。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年12月1日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-米軍機に「住宅地上空、夜間飛ぶな」 金武町が独自対策、町内施設屋上に表示-2019年12月1日 07:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【金武】金武町(仲間一町長)は11月から町独自で、騒音防止協定に反する米軍機の住宅地上空飛行や夜間飛行への対策を始めた。役場や学校などの屋上に『NO FLY ZONE(飛行禁止区域)』と描き、米軍機の操縦士に視覚で訴える。自治体独自で予算を組んで同様の対策を講じるのは県内で初めて。仲間町長は『住民生活を守るために町ができることをまずやろうと考えた。現状を変えるには自分たちが動かないといけない』と語った。」
②「沖縄防衛局は町内6カ所に騒音測定器を設置している。うち米軍キャンプ・ハンセン内のヘリ発着場に隣接する中川区事務所では、2014~16年度に午後10時以降に記録した騒音は年間約150回だったが、17年度に1107回と激増。18年度は1215回と、14~16年度に比べ約8倍に増えた。今年は4~9月の半年間で656回に上り、米軍機による夜間の騒音が恒常化している。」
③「『NO FLY ZONE』の表示は来年2月までに役場の他、町中央公民館や中川小、金武中など5カ所の屋上に描く予定。文字は夜間も識別できる。表示の大きさは各施設規模に合わせて計画した。役場では一文字約1.5メートル四方。全体で縦約4メートル、横20メートル。」
④「日米が合意した騒音防止協定では、学校や病院など人口密集地域を避けての飛行や午後10時以降の飛行制限が定められているが形骸化している。町の担当者は『独自で取り組むことで少しでも軽減につながれば』と期待した。」               (佐野真慈)


(2)沖縄タイムス-米国内政治に沖縄「利用」 大統領、費用負担拡大を日本に要求 【深堀り】-2019年12月1日 14:25


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】米連邦議会が壁の建設予算を認めないため、大統領が「国家非常事態宣言」で国防総省などの予算を転用し、その穴埋めを同盟国に要求する-。トランプ大統領が強引に推し進めるメキシコ国境沿いの壁建設費の流れをたどると、米国内の政治に沖縄の米軍基地問題が利用されている現状が浮かび上がる。」
②「国防総省は9月、トランプ大統領の主要公約であるメキシコ国境沿いの壁建設費用として、同省や財務省の予算から約36億ドルを転用すると発表。同省のホフマン報道官は、米議会に転用分の予算の復元を求めるとともに、同盟国と費用負担を協議する考えを示していた。」
③「こうしたトランプ政権の方針は、共和党が多数を占める上院の軍事委員会には事前に織り込み済み。同委が6月にまとめた国防権限法案(2020会計年度)には、壁建設費用の一部として約36億ドルを認める文言が盛り込まれていた。」
④「しかし、そうした文言は、トランプ政権の方針に異を唱える民主党が多数派の下院案には含まれず、逆に国防予算の壁建設転用を禁じる条項が盛り込まれていた。上下両院は、9月に開始した両案を一本化するための協議を現在も継続しているが、合意は見通せず、同法案の年内成立を危ぶむ声も漏れ聞こえ始めている。」
⑤「上下両院の重鎮議員らは、壁建設費への予算転用方針を巡り激しく対立する。一方で、インホフ上院軍事委員長とスミス下院軍事委員長は本紙の取材に対し、『日本の貢献に深く感謝している』と言葉をそろえ、トランプ政権が費用の穴埋めを日本や韓国などの同盟国に転嫁する姿勢には異を唱えない。」
⑥「ボルトン氏は就任前の17年1月、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、在沖米軍の一部の台湾移転を提言。東アジアの軍事態勢強化や、在沖基地問題を巡る日米関係の緊張緩和にもつながると述べるなど、基地負担の軽減が必要な沖縄の現状を把握していた。」
⑦「トランプ大統領は9月、イランなどの外交政策を巡り、ボルトン氏を解任し、後任に元国務省のオブライエン氏を任命したが、米政府筋によると、同盟国などに壁建設の費用分担を迫る方針は引き継がれているという。米国内の政治問題の解決のために、日本が壁建設費用を負担した場合、日米のグアム協定は事実上、形骸化し、米側のなし崩し的な要求に拍車がかかる恐れがある。」


(3)沖縄タイムス-米政府 基地建設費用の負担増を要求 「グアム移転遅れ 沖縄に影響」-2019年12月1日 13:27


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】米政府が国防総省の予算から、メキシコ国境沿いの壁建設費に転用した米領グアムの米軍基地施設建設費約2億5734万ドル(約280億円)を日本政府に肩代わりするよう求めていたことが30日までに分かった。複数の米政府筋が本紙の取材に明らかにした。在沖米海兵隊のグアム移転の開始時期がずれ込み、沖縄の基地負担の軽減にも影響するなどと説明していた。」
②「米国家安全保障問題担当のボルトン大統領補佐官(当時)が7月に東京都内で岩屋毅防衛相(当時)らと面談した際、グアム施設建設費に加え、米空軍嘉手納基地を含む在日米軍基地5カ所の関連費用約4億568万ドル(約444億円)の穴埋めの費用分担も検討するよう要請していた。」
③「会議に出席した米政府筋によると、日本側は、日本の負担額を最大28億ドルと定めた2009年のグアム移転協定を理由に拒否したが、ボルトン氏は『移転がさらに遅れると、再び沖縄の反対も強まるのではないか』と再考を促した。」
③「トランプ大統領は今年2月、公約に掲げた壁建設の費用を米議会が認めなかったため、議会の承認を得ずに既存の予算の転用を可能にする『国家非常事態宣言』に署名。これを受け、国防総省は9月、米国内外の127事業の予算計36億ドル(約3900億円)の転用を発表した。そのうち、ドイツや日本、イギリスや韓国など米国外の基地建設費用は約18億ドル(約1970億円)となっている。」
④「米外交誌フォーリン・ポリシーは15日、ボルトン氏が7月に在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を現行から4倍の80億ドル(約8760億円)に増額するよう要求していたと報じたが、菅義偉官房長官は18日の記者会見で、『そのような事実はない』と否定している。」


(4)沖縄タイムス-米兵2人を飲酒運転などで逮捕 いずれも容疑を否認-2019年12月1日 10:53


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県警那覇署は30日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで米海兵隊キャンプ・ハンセン所属の兵長(21)を現行犯逮捕した。これとは別に道交法違反(飲酒検知拒否)の疑いで米海兵隊キャンプ・フォスター所属の兵長(21)も現行犯逮捕した。」
②「署によると、ハンセンの兵長は30日午前5時20分ごろ、那覇市久茂地の市道で酒気を帯びた状態で普通乗用車を運転した疑い。呼気から基準値約3倍のアルコールが検知された。『運転はしていない』と容疑を否認している。」
③「フォスターの兵長は30日午前6時35分ごろ、久茂地の市道で普通乗用車を運転中、警察官が飲酒検知を求めたのを拒んだ疑い。『友達を家まで送るために運転した。悪いことはしていない』と容疑を否認している。」




by asyagi-df-2014 | 2019-12-01 17:47 | 沖縄から | Comments(0)

フランシスコ教皇からのメッセージを。(2)

 2019年11月24日、長崎市の爆心地公園及び広島市の平和記念公園で行われたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(法王)のスピーチは、どのように響いたのか、いや、響くのか。
 特に、沖縄の地でどのように響いたのか。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)と琉球新報(以下、「新報」)の社説でこのことを考える。
 「タイムス」は「[ローマ教皇訪日]『行動』求める言葉重く」、「新報」は「ローマ教皇非核訴え 核軍縮への転換が急務だ」、とそれぞれ社説で2019年11月26日に論評した。
「タイムス」は、最初に、「被爆地から世界に向けて発信したメッセージは、各国指導者に核兵器廃絶を強い調子で迫るものだった。同時に私たち一人一人に対しては、原爆を巡る記憶の継承と平和を守る行動を促した。」、とメッセージの意味を規定した。
「タイムス」は、次のように続ける。


(1)ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(法王)が24日、長崎と広島を訪問した。教皇の訪日は故ヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶりとなる。長崎市の爆心地公園、広島市の平和記念公園での演説で強調したのは、核兵器を含む大量破壊兵器の保有や核抑止の否定である。
(2)「核兵器のない世界は可能であり必要不可欠」「真の平和は非武装の平和以外にあり得ない」。保有だけで非難されるべきだとの姿勢を明確に打ち出すとともに、核抑止論に持続可能性はないとの考えを示したのだ。だが国際社会は核大国の軍拡と、核の拡散・不安定化が同時に進行する厳しい中にある。今年8月には米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効、来春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は合意文書の採択が危ぶまれている。
(3)「相互不信によって、兵器使用を制限する国際的な枠組みが崩壊する危険がある」との言葉は、直接的な危機表明である。演説では平和実現のため「核兵器禁止条約を含む国際法の原則にのっとり迅速に行動」することも訴えている。名指しこそしなかったが同条約に参加しない日本を意識した発言である。被爆国としての役割をどう果たそうとしているのか、問い掛けているのだ。
(4)今回の訪日で印象に残ったのは、長崎市の演説で教皇の傍らに置かれた「焼き場に立つ少年」の写真パネルだ。亡くなった幼子を背負い、口を固く結び、直立不動で火葬の順番を待つ少年の写真は、原爆投下後の長崎で撮られたとされる。戦争の悲惨さが凝縮された1枚で、教皇はこの写真を印刷したカードに「戦争がもたらすもの」という言葉を添え、世界に広めてきた。82歳の教皇は被爆者らと同年代である。犠牲者に祈りをささげた後、「記憶し、共に歩み、守ること。この三つには平和となる真の道を切り開く力がある」とも語った。


 この上で、「タイムス」は、「沖縄戦もそうだが、若い世代が学ぶ努力を放棄すれば風化は加速する。体験が風化すれば平和は遠ざかっていく。私たちもこの言葉をしっかりと受け止めたい。」、とまとめる。
また、次のように今回のメッセージを受け止める。

「25日、フランシスコ教皇と官邸で会談した安倍晋三首相は、その後のスピーチで『核保有国と非核保有国の橋渡しに努め、対話を促す』と語ったが、核軍縮に向けた具体的な取り組みには一切触れなかった。逆に浮かび上がったのは、米国の核抑止力と軍事力に頼りすぎるあまり、東アジアの平和と安定に向け独自の構想を示しきれない日本の姿である。唯一の戦争被爆国として、この対立と混迷の時代に何が発信できるか、考え直す時だ。」


 一方、「新報」は、「世界の切実な声としてかみしめたい。」、と受け止める。
 この上で、次のように続ける。


(1)38年ぶりに来日したローマ教皇の言葉だ。約13億人の信者がいるローマ・カトリック教会の頂点であるフランシスコは長崎と広島の両被爆地を訪れ「核兵器のない世界を実現することは可能であり必要不可欠なことだ」と訴えた。天皇や安倍晋三首相とも会談し、自身の考えを伝えた。
(2)教皇は2013年の就任以来、繰り返し核廃絶の必要性を訴えてきた。世界各地で戦争が続く現状に憂いを示し、長崎と広島の被爆の歴史から「人類は何も学んでいない」と発信した。17年にバチカンで被爆者と面会した際には核兵器保有を歴代教皇として初めて明確に批判した。
(3)教皇が発してきた核廃絶へのメッセージは、一宗派の指導者の発言にとどまらない。世界に通ずる普遍的意味を持つ。例えば、東西冷戦を終結に導いた元ソ連大統領ゴルバチョフ氏の思いとも共通する。ゴルバチョフ氏は9月に本紙の取材に対し、冷戦を終わらせたのは「核戦争に勝者はなく、核戦争は容認しない」という理念だったと振り返った。
(4)米中ロを中心に核軍拡へと向かっている新冷戦と呼ばれる今だからこそ、教皇の言葉は一層重い。8月には中距離核戦力(INF)廃棄条約が破棄されたことで、米国が日本などアジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備する可能性が高まっている。米軍が駐留し、中ロに隣接する日本は新冷戦の最前線だ。
(5)核兵器禁止条約への参加を促すなど教皇来日は、そんな日本から核軍縮への機運を高める狙いがあるとみられる。17年に国連で採択された同条約は、発効に必要な50カ国・地域の批准に達していない。米国の核の傘を当てにしている日本も批准に後ろ向きだ。
(6)日本が国連に提出し委員会で採択された核兵器廃絶決議案は、核軍縮を巡る国際情勢の悪化を反映し、日本の非核政策の後退が鮮明になった。毎年提出してきた決議案の中で、昨年まで記載されていた核使用の非人道的な結末に対する「深い懸念」という文言は削除された。米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の履行促進など具体的な核削減策にも触れなかった。
(7)「深い懸念」は核兵器禁止条約の基本理念だ。唯一となった米ロ核軍縮条約である新STARTは21年2月に期限を迎える。破棄への懸念が強まっている。核軍拡に向かう世界を核軍縮に転換させる流れをつくることが急務だ。そのためには、唯一の被爆国である日本から核軍縮の要求を強める必要がある。後ろ向きではいけない。教皇の訴えに応えるべきだ。

 「新報」は、最後に、「教皇訪日は当初、来沖の期待もあった。実現しなかったが、沖縄からも教皇の訴えに共鳴する声を上げたい。極東最大の米軍基地が存在し、いつでも核兵器が持ち込まれる危険と隣り合わせの県民にとって、よそ事ではない。」、とこのメッセージを噛みしめる。


 どうだろうか。
 両社の主張に見られるのは、沖縄が当事者であることの自覚である。
 だからこそ、メッセージを深く捉えることになる。




by asyagi-df-2014 | 2019-12-01 05:50 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る