2019年 11月 18日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年11月18日

 「【東京】在日米軍駐留経費を巡って米側からの負担要求が強まっていた1978年5月、外務省幹部が日米地位協定改定による対応は困難だとして、別に特別取り決めを結び、日本側が支払いに応じるよう提起した文書の存在が明らかになった。地位協定改定の必要性に言及するも『政治的に不可能』と退けている。78年から始まった、いわゆる『思いやり予算』は、87年度から特別協定に基づき日本側が負担しており、文書はその検討を約10年前から進めていたことを示している。文書は外務省が民間の研究団体『軍事問題研究会』(東京)の請求に対し開示した。『在日米軍経費問題の抜本的解決(特別取極)について(試論)』(78年5月10日付)と題し、アメリカ局安全保障課長名で作成され『極秘』扱いとされた。当時の課長は丹波実氏。」、と琉球新報。
また、「文書を開示請求した『軍事問題研究会』の桜井宏之代表は『【試論】とはいえ、今日に至る特別協定のたたき台になったことは間違いない。条文改正でなく特別協定によって、米側に有利な内容で地位協定24条の実質的改定に外務省が成功したということに気付かされた』と話した。」(琉球新報)、とも。
 日米地位協定の日本側の対応に深く気づかされる。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年11月18日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-思いやり予算 特別協定 1978年に検討 外務省が文書開示-2019年11月18日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】在日米軍駐留経費を巡って米側からの負担要求が強まっていた1978年5月、外務省幹部が日米地位協定改定による対応は困難だとして、別に特別取り決めを結び、日本側が支払いに応じるよう提起した文書の存在が明らかになった。地位協定改定の必要性に言及するも『政治的に不可能』と退けている。78年から始まった、いわゆる『思いやり予算』は、87年度から特別協定に基づき日本側が負担しており、文書はその検討を約10年前から進めていたことを示している。」
②「文書は外務省が民間の研究団体『軍事問題研究会』(東京)の請求に対し開示した。『在日米軍経費問題の抜本的解決(特別取極)について(試論)』(78年5月10日付)と題し、アメリカ局安全保障課長名で作成され『極秘』扱いとされた。当時の課長は丹波実氏。」
③「日米地位協定24条は日本側が基地提供に要する軍用地代などの経費を支払い、それ以外の維持経費を米側が負担すると規定する。文書でも労務費や光熱費など『恒常的経費』は米側が支払うべきとするが、当時既に日本側は地位協定に根拠のない労務費の一部負担を決めており、さらに米側から強まる負担要求への対応を迫られていた。」
④「文書では地位協定による対応の限界を踏まえ、日本政府が『言わば綱渡り的な地位協定の解釈を行ってきた』と指摘し、解決策として『理論的には地位協定第24条を正面から修正する』ことを掲げる。だが条文改正は国会情勢などを理由に『政治的に不可能』と退けられた。仮に24条を改正すれば、他の条項修正を求める国民世論が高まり、反発が日米安保条約そのものに波及することへの懸念も示している。その上で、問題解決を図り経費負担に応じるために地位協定とは別に『特別取極』を日米で締結することを提言し、『検討を開始すべき』と記している。」
⑤「この文書の翌月の78年6月、金丸信防衛庁長官は経費負担について『思いやりというものがあってしかるべきだ』と発言し、地位協定に根拠のない日本側の肩代わり分が『思いやり予算』と呼ばれるようになった。87年度からは特別協定に基づき、日本側が労務費などを負担している。」
⑥「文書を開示請求した『軍事問題研究会』の桜井宏之代表は『【試論】とはいえ、今日に至る特別協定のたたき台になったことは間違いない。条文改正でなく特別協定によって、米側に有利な内容で地位協定24条の実質的改定に外務省が成功したということに気付かされた』と話した。」(當山幸都、明真南斗)


(2)沖縄タイムス-沖縄は「太平洋のゴミ捨て場」 ヒ素・PCB・毒ガス・細菌 8人死亡する事故も 米軍、戦後通じ環境汚染-2019年11月18日 09:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【ジョン・ミッチェル特約通信員】近年、約45万人(北谷浄水場の給水を受ける7市町村)もの住民の飲料水の水源が、有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の一種であるPFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)によって汚染されている。米軍嘉手納基地や普天間飛行場の泡消火剤に有害化学物質が含まれていることが分かっている。沖縄の過去70年余りの歴史において、米軍による最大規模の汚染だ。沖縄タイムスは、米情報公開制度や県の資料などを基にいくつかの悪質な例を取り上げ、年表にまとめた。」
②「戦後を通じて、飲料水の水源は、米軍による化学物質の投棄や基地からの流出によって、汚染され続けていた。1947年、伊平屋島の住人8人が、米軍が井戸近くに投棄した化学物質が原因とみられるヒ素中毒によって死亡した。50~60年代にかけて、嘉手納基地で流出した航空機燃料が地下に染み込み、住宅地域の井戸などに漏れ出た。それらの井戸の水は汚染がひどいため、67年には火を近付けると燃『燃える井戸』と呼ばれた。」
③「日本復帰後もまた、大量の燃料やディーゼル油、汚水が基地から流出し、川や海に悪影響を与え続けている。」
④「第2次世界大戦後、米国は沖縄を『太平洋のゴミ捨て場』と呼んだ。廃棄物は海中への投棄、島中に埋められ、その一部は、その後何年もたって発見される。81年、海兵隊員が、普天間飛行場内で偶然、枯れ葉剤の入っていた疑いのあるドラム缶100本以上を掘り出した。それは、以前、同基地に勤務していた兵士が埋めたものだった。2002年には北谷町の基地返還地から、タール状の物質が入ったドラム缶187本が掘り出された。13年からは、沖縄市のサッカー場地下からダイオキシンやPCB、他の有害物質を含んだ100本以上のドラム缶が見つかった。恩納通信所跡地やキャンプ桑江の返還地、読谷、西普天間住宅地区の跡地でも深刻な汚染が見つかっている。」

⑤「米統治下の沖縄には、地球上で最も大規模に大量破壊兵器が貯蔵され、時々、事故が起きていた。1955年、初の原子砲(280ミリ口径)を使った(核砲弾を搭載しない)普通弾の発射実験で、宜野座村の松田小学校のガラスが割れ、児童4人が負傷。59年、核ミサイル『ナイキ』が米軍那覇基地(現那覇空港)で誤射された。69年には知花弾薬庫でサリンが漏出し、24人の米軍関係者が健康被害に。60年代初頭に、米軍はイモチ病という耕作地を丸ごと枯死させる菌を含む生物兵器の少なくとも11の実験を首里、石川(現うるま市)、名護で実施。一方で米国政府は最近、沖縄で枯れ葉剤にさらされた退役軍人少なくとも11人に補償費を支払った。さらに最近では、90年代半ばに、海兵隊機が、鳥島で劣化ウラン弾を発射。188キロは回収されなかった。米軍は誤射と主張した。」
⑥「米軍の怠慢が、いくつかの大事故の根幹にある。例えば2013年、キャンプ・フォスターから1万9千リットルの汚水が流出した事故は、同基地に住む海兵隊員が台所に流した調理油で配管を詰まらせたのが原因だった。15年には、酔った海兵隊員が嘉手納基地の格納庫に侵入し、スプリンクラーを作動させ、搭載されていた1510リットルの泡消火剤をまき散らかした。」
⑦「日米地位協定では、米軍に汚染の浄化義務を負わせていないばかりか、日本政府や自治体に、汚染をチェックするための立ち入ることを認めていない。沖縄の基地返還後、民間が使用できるようにするための汚染除去と原状回復に現在まで少なくとも129億円の納税者の費用が投じられた。」
⑧「横須賀海軍基地(神奈川県)や横田基地(東京)といった本土の基地も汚染の原因となる。しかし、沖縄は、大量破壊兵器の存在や朝鮮戦争やベトナム戦争時の集中的な使用、そして今日、PFOSによる汚染が証明しているように、基地の集中が、汚染の集中化を招いている。」


(3)沖縄タイムス-「校庭に空から部品が落ちる」 沖縄の基地問題 県議会の与党訪米団、国連や米政府に発信-2019年11月18日 09:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「県議会与党訪米団(渡久地修団長)がニューヨーク、ワシントンの米主要2都市で5日間にわたる日程を終えた。国連や米政府、連邦議会に、県議会が3月に採択した名護市辺野古の新基地建設工事の即時中止と米軍普天間飛行場の閉鎖を求める決議を直接手渡すという目的を達成。シンプルな要請内容が相手の理解を引き出す効果も生んだ。今後は継続的な交渉が展開できるかどうかが課題となる。」
②「訪米団は12日、ニューヨーク国連本部で国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長と面談、グテレス事務総長宛ての書簡を託した。」
③「13日にワシントン入りした一行は、14日にかけて上下両院の計16人の議員や補佐官らと面談。15日には、国務・国防両省の日本副部長らと面談し、埋め立て予定地の軟弱地盤などの新たな問題を説明したほか、シンクタンクや有識者らとも意見交換した。」
④「現在、米議会で審議中の国防権限法案には触れず、要請の柱を2点に絞り、シンプルにすることで、新基地反対の沖縄の民意は揺らいでいないとのメッセージを発信することに成功した。」
⑤「一行は、相談役として同行した日米関係に詳しい藤田幸久元参院議員(立憲民主党)の力添えで、米議会で大きな影響力を持つ米上院外交委員会のリッシュ委員長(共和)補佐官、ペロシ下院議長補佐官らと面談。訪米団の要請に熱心に耳を傾け、質問を繰り返す丁重な対応は、可能性の広がりを感じさせた。」
⑥「訪米団は渡久地団長をはじめ、瀬長美佐雄、仲宗根悟、西銘純恵、宮城一郎、山内末子各氏の計6人。要請は順番で担当し、軸足を県議会決議に置きながら、複雑な沖縄の基地問題を分かりやすく伝えるよう心がけた。宮城一郎県議は、アジア太平洋系米国人労働者連合(APALA)幹部との会合で、沖縄の基地問題は生活に密接したものなのだと強調し、『沖縄にとっての脅威は中国ではなく米軍機。学校の校庭に空から部品が落ちてくる』と訴え、共感を広げた。」
⑦「一方で、米メディアの関心は、トランプ大統領の弾劾に向けた米議会の動きに集まっていた。15日の記者会見では、日本メディアが目立ち、地元メディアの姿はなく、メディア戦略では課題が残った。」
⑧「今回の面談でまいた種から相手の行動を引き出すには、継続的なやりとりが必要だ。県ワシントン事務所も含めた対米交渉の再検証が求められる。」


(4)沖縄タイムス-「海も汚染されていないか」 嘉手納基地の泡消火剤流出 住民ら不安・憤り-2019年11月18日 13:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【嘉手納】米軍が1992年には、嘉手納基地(沖縄県)で海に泡消火剤を流出していたことが明らかになり、町民からは『垂れ流しだったのではないか』と不安の声が漏れた。公表しない米軍の姿勢を批判する声も上がった。」
②「嘉手納町屋良の池原勲さん(76)は、これまで嘉手納基地周辺の河川や湧き水から有機フッ素化合物PFASが高濃度で検出されている問題に触れ『海も汚染されていないか怖いと思っていた。まさか流出させていたとは』と憤る。泡消火剤にはPFASが含まれていた可能性があり『対策が取られていたのかも分からない。近海の魚介類が汚染されていた可能性があったのではないか不安だ』と話した。」
③「町嘉手納の福地義広さん(58)は『言語道断で絶対に許されない』と怒りをあらわにする。本紙報道で流出が明らかになったことに『米軍は隠蔽(いんぺい)体質で、住民は報道でしか分からない。米軍機の爆音や悪臭問題だけでなく環境汚染問題も深刻だ』と話し、基地の撤去を訴えた。」
④「北谷浄水場の水源からPFOSなどが検出されたことを受け発足した『水の安全を求めるママたちの会』。呼び掛け人で那覇市の山田まどかさん(39)は『ストックホルム条約などで規制が始まる前とはいえ、化学物質を無責任に垂れ流していたのは許しがたい。県民は何世代にもわたって汚染された水や土壌に触れていたことになり、子どもや母体への影響を考えると不安だ』と話した。」
⑤「環境調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト』の河村雅美代表は『米軍内では早い時期からPFASの有害性が指摘されていたものの、企業との癒着や代替品への切り替えコストなどからそれを隠蔽し、責任を回避してきた経緯がある』と説明する。今回明らかになった報告書について『長期間PFASを含む泡消火剤が適切に処理されなかったことを示す一例。その結果、PFASが地下水や土壌に蓄積し、現在私たちの生活圏に滲出(しんしゅつ)して解決困難な問題となっている』と指摘した。92年に施設や訓練手順に問題があったことが分かった以上、県など行政は米軍がそれらをどう処理、改善したのか確認する責任があるとした。」


(5)沖縄タイムス-泡消火剤が海に流出 有害物質で汚染の可能性 1992年嘉手納基地で継続的か-2019年11月18日 09:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【ジョン・ミッチェル特約通信員】米軍嘉手納基地で1992年まで、泡消火剤が嘉手納マリーナなど基地外の海に継続的に流出していたことが分かった。人体への影響が疑われる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を含んでいた可能性がある。本紙が米情報公開法に基づいて報告書を入手した。」
②「2010年代に泡消火剤が基地外に流出していたことは本紙報道で明らかになっているが、1992年時点の流出は確認された中で最も古い。報告書は92年8月付で、基地内の消防訓練施設を5月に調査した結果をまとめた。『施設からあふれた泡消火剤は明らかに海に排出されている』と記述した。『2フィート(約60センチ)の泡の層』が排水溝から流れ出したとの表現もある。施設の設計と訓練手順に問題があると指摘した。」
③「施設は86年に完成しており、以来流出が繰り返されてきたとみられる。いつまで続いていたかは不明。」
④「流出は米空軍の環境基準に違反する。米軍は日本の基準に違反するかどうかも検討したが、報告書は基準の英訳が『古くて不明確』なため分からなかったとしている。」
⑤「PFASは残留性が強く、代表的なものに毒性が判明しているPFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)がある。」
⑥「本紙の取材で、消防訓練施設の近くにある洪水調整用ため池の水から2017年、PFOS最大500ppt(1pptは1兆分の1)、PFOA最大75pptを検出したことが判明している。米環境保護庁(EPA)の生涯健康勧告値は70ppt(PFOSとPFOAの合計)。嘉手納基地外の水源などでも高濃度のPFAS汚染が確認されているが、米軍は因果関係を認めていない。」




by asyagi-df-2014 | 2019-11-18 17:59 | 沖縄から | Comments(0)

諦めるわけにはいかないから、きちんと主張する。(1)

 この国の状況を見た時、ふと立ち止まってしまう時がある。
 しかし、諦めるわけにはいかない。
 やはり、「否」をきちんと突きつけなければ。

大嘗祭について、沖縄タイムスは2019年11月15日に、琉球新報は2019年11月16日に、それぞれが、「[大嘗祭]政教分離の疑義消えぬ」、「大嘗祭への国費支出 政教分離に違反しないか」、ときちんと論評した。
 この二紙の主張に、きちんと向き合う。
まず、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、次のように指摘する。


(1)皇位継承に伴う一代に一度しか催されない重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」が14日夜から15日未明にかけ、皇居・東御苑を舞台に皇室行事として営まれた。首相ら三権の長や閣僚、全国の知事、各界の代表ら675人が招かれた。
(2)天皇は毎年11月、その年に収穫された新穀を神々に供え、自らも食し国と国民の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「新嘗祭(にいなめさい)」を執り行っている。即位後初めて行われる新嘗祭が特に大嘗祭と呼ばれる。7世紀後半に始まり、戦乱などの影響で約220年間中断した時期もある。もともと簡素な祭祀だったとされるが、天皇を神格化する国家づくりを進めた明治に巨大化した経緯がある。
(3)祭祀の舞台として建設された大小30余りの建物など、建設関係費に約24億4千万円の国費が支出される見通し。


 「タイムス」は、このことに関して、「問題は」と大嘗祭が公費で賄われることについて批判する。


(1)問題は、大嘗祭が天皇家の私的な祭祀で、神道形式の宗教色が強いことだ。それに国費を支出することは疑問である。大嘗祭は「秘事」とされ「神と一体化する儀式」との説もある。核心部分を含めほとんどが非公開だ。
(2)憲法20条の政教分離に違反するとの批判は根強い。政教分離原則は、明治以降、国家と神道が結び付いた国家神道への強い反省がある。
(3)平成の代替わりでは、国庫支出が憲法の政教分離原則に違反するとして市民らが国を相手にした訴訟を各地で起こした。大阪高裁は1995年3月、「神道儀式としての性格は明白」として、「政教分離規定に違反するのではないかとの疑義は一概に否定できない」との判断を示した。
(4)今回もすでに訴訟が提起されている。憲法違反との疑義が消えないのである。
(5)昨年11月、皇嗣秋篠宮さまは誕生日を前にした記者会見で「大嘗祭は皇室の行事として行われるもので、宗教色が強い。国費で賄うことが適当かどうか」と疑問を呈し、「身の丈にあった形で行うのが本来の姿」などと語った。
(6)公費ではなく、内廷会計という天皇家の私的費用で営む。政教分離と簡素化を念頭に置いた発言である。政府方針に皇室側からの問題提起だったが、議論が深まることはなかった。政府は昨年3月の式典準備委員会で、平成の代替わりを「前例踏襲」することを早々と決めたからである。議論の時間があったにもかかわらず、会合は3回しか開かれず、「結論ありき」で議論らしい議論はなかった。


 「タイムス」の大嘗祭に関してのまとめは、次のものである。


「明文化された大嘗祭は戦後、法令から消えた。しかし政府は平成の代替わりで次のような見解をまとめた。宗教上の儀式であることは否定できず国事行為として行うのは困難としながら、皇位の世襲制をとるわが国の憲法の下では公的性格があるとして、国費の支出を決定した。曖昧なのである。訴訟が提起されるのはそのためである。議論の棚上げは政府の怠慢と言わざるを得ない。大嘗祭を憲法の理念に基づくものにするにはどういう在り方が望ましいのか。時代にふさわしい儀式の在り方について、不断の議論が重要である。」


 次に、琉球新報(以下、「新報」)の「儀式は紛れもない『神事』であり、国費の充当は憲法が定める『政教分離』に抵触する疑いがある。」、との指摘は次のもの。


(1)皇位継承の重要祭祀「大嘗祭」の中心儀式「大嘗宮の儀」が営まれた。皇室の公的活動費である「宮廷費」から、総額24億4千万円が支出される見通しだ。
(2)儀式は紛れもない「神事」であり、国費の充当は憲法が定める「政教分離」に抵触する疑いがある。だが政府は昨年、十分な議論もなしに前例を踏襲することを決定した。憲法を軽視する姿勢と言わざるを得ない。
(3)大嘗祭は、新天皇がその年にとれたコメなどを神前に供え、自身も食べ、国と国民の安寧を祈り、五穀豊穣に感謝する儀式だ。大阪高裁は1995年、「即位の礼」「大嘗祭」への国費支出を巡り違憲の確認などを市民らが求めた訴訟の控訴審判決で「政教分離規定に違反するのではないかとの疑いは一概には否定できない」と指摘した。国費による執行は「国家神道に対する助長、促進になる行為」と述べている。内容を評価した原告は上告せず、判決が確定した。
(4)皇嗣秋篠宮さまが昨年11月の記者会見で「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と苦言を呈したのも無理はない。
(5)大嘗祭は7世紀後半ごろに始まったとされる。約220年間の中断を経て、天皇の神格化を進めた明治期に大規模化した。権威を高めることで、国民に対する支配力を強める狙いがあった。戦前は、天皇崇拝と結び付いた神社神道が国家から事実上、公認されていた。児童生徒らの参拝なども強要された。憲法の政教分離原則が定められた背景には、そのような過去の反省がある。
(6)大嘗祭が行われた皇居・東御苑の「大嘗宮」は悠紀殿、主基殿など30余りの建物で構成される。今回の儀式のためだけに特設された。一般公開を経て取り壊される。大部分の木材はなるべく再利用する方向で調整しているというが、国家予算の有効活用という観点からも疑問が残る。それ以前に、政教分離違反との批判は根強い。
(7)政府は「重要な伝統的皇位継承儀式」として、今回も公的な皇室行事と位置付けた。これに対し、皇室の私的行事として行うべきだという主張もあった。明治憲法で主権者とされていた天皇は戦後、新憲法の下で「象徴」に変わった。それでもなお戦前の形式にこだわるのはなぜか。


 「新報」は、最後に、次のようにまとめる。


「憲法との整合性を含め、国民の目に見える形で議論を深めるべきだった。重要な論点があいまいにされたまま既成事実化が進むことに危うさを感じる。大掛かりな儀式で殊更に権威を高める手法には警戒しなければならない。国民を統制する手段として天皇が利用される懸念があるからだ。かつて天皇の名の下に戦争に突入し、おびただしい数の人命が失われた歴史を思い起こす必要がある。」


 確かに、この両社は、「大嘗祭の公費の支出は、日本国憲法の「政教原理」原則に違反する」、との見解についてはきちんと表明することができている。



by asyagi-df-2014 | 2019-11-18 07:05 | 天皇制 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る