2019年 11月 04日 ( 1 )

「身の丈」発言。(2)

 大学入学共通テストの英語で導入される民間検定試験に関連して、文部科学大臣の「身の丈」発言(以下、「発言」)がなされた。
 この「発言」は、教育基本法の「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」が対置すればいいだけの、文部科学大臣の資質不足を露呈させるものでしかない。
また、この問題は、今回の英語民間試験の活用が「制度自体が『身の丈入試』であることを拭えない点だ。」(「朝日」2019年10月29日)、ということにある。
今回は、新潟日報(以下、「新潟」)2019年10月29日の「『身の丈』発言 文科相として適材なのか」、との社説から考える。
「新潟の」の「教育基本法は『教育の機会均等』を明記し、すべての国民が等しく能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならないと定めている。にもかかわらず、文部科学相が教育格差を容認するような発言をした。教育行政トップとして資質を疑う。」、との批判は次のもの。


(1)萩生田光一文科相が、大学入学共通テストの英語で導入される民間検定試験について、家計状況や居住地で不公平が生じるとの指摘に「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」と24日のテレビ番組で述べた。萩生田氏は、裕福な家庭の子なら本番に近い形式の試験を事前に何度も受けられるかもしれないと述べた上で、「身の丈」に合わせた受験を呼び掛けた。家庭の経済状況や住む場所によって、受験に不公平があっても当たり前と言っているように受け取れる。
(2)「『あいつ予備校に通ってずるい』というのと同じだと思う」との見方も示したが、試験の公平性確保という観点からは的外れだろう。
(3)萩生田氏の発言は、新テストの導入に不安を募らせている受験生や保護者、学校現場の感覚とはあまりに乖離(かいり)している。
(4)ネット上では「貧乏人は高望みするなということか」「財力で生じる教育格差の是正が文科省の仕事のはずだ」などと批判が相次いでいる。野党も「文科相としてあるまじき発言だ」と強く非難している。

 
 また、「萩生田氏は28日、『国民、特に受験生に不安を与えかねない説明だった』と謝罪したが、それで済む話ではない。」、と続ける。


(1)発言についての「どのような環境下でも、自分の力を最大限発揮できるようにしてほしいという思いだった」との釈明も、無理がある。2020年度に始まる新テストの英語の民間検定試験については、受験会場が都市部に集中したり、検定料が最大2万5千円程度かかったりするなど、地域格差や家計の負担の重さが指摘されてきた。
(2)全国高等学校長協会は、格差解消の見通しが立っていないことを理由に、試験の延期を求めている。
(3)9月の内閣改造で文科相に就任した萩生田氏は、新テストを予定通り実施するとした一方、課題を改善していく考えを示していた。だが、抜本的な対策に踏み込む構えは見えない。
(4)萩生田氏は、安倍晋三首相の側近で、過去にも発言を巡って批判を受けてきた。自民党幹事長代行時代の7月には、改憲を急ぐ政権の意向に沿うよう、衆院議長の交代に言及し、野党から反発を招いた。
(5)菅義偉官房長官は28日の記者会見で、萩生田氏について資質は問題はないとの認識を示し、「適材適所」だとした。理解に苦しむ。


 最後に、「新潟」は 、「秘書が有権者に香典を渡した問題で、菅原一秀氏が経済産業相を更迭されたばかりだというのに、危機感が感じられない。『1強』政権の緩みやおごりの表れではないか。」、と結ぶ。


 ことの結果が、「政権の緩みやおごりの表れ」とされること事態が日本の憂う現状を告発している。




by asyagi-df-2014 | 2019-11-04 06:34 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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