2019年 10月 08日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年10月8日

 日本という国の司法には、やはり『縛り』があるのではなかろうか。
「沖縄県名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中に、不当な米軍の身柄拘束や海上保安庁による緊急逮捕があったとして、芥川賞作家の目取真俊さん(59)が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が7日、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で言い渡された。大久保裁判長は、目取真さん側が刑事特別法による緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした控訴を棄却した。」、と琉球新報。
何が問題なのかは、明らかではないか。
「齋藤祐介弁護士は『逮捕状なしで逮捕できる現行犯的な逮捕なら違憲ではないとなれば、米軍と捜査機関で乱用できることとなる。重大な人権侵害だと主張したが、その点について判決では応答がなかった』と話した。」(琉球新報)であるし、「目取真さんは『裁判所が市民を守る立場にないなら、誰が市民を守るのか』と批判し、上告する考えを示した。」(琉球新報)であるのだから。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年10月8日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-芥川賞作家の目取真俊氏拘束 二審も違法 福岡高裁判決 違憲主張認めず-2019年10月8日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中に、不当な米軍の身柄拘束や海上保安庁による緊急逮捕があったとして、芥川賞作家の目取真俊さん(59)が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が7日、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で言い渡された。大久保裁判長は、目取真さん側が刑事特別法による緊急逮捕は違憲ではないと判断した一審判決を不服とした控訴を棄却した。」
②「控訴審判決は、中城海上保安部が米軍から身柄を引き受けるのが遅れたことと、海保が緊急逮捕したことを違法と判断して国側に計8万円の支払いを命じた一審判決を支持した。」
③「目取真さんは『裁判所が市民を守る立場にないなら、誰が市民を守るのか』と批判し、上告する考えを示した。」
④「控訴審判決は、刑特法に基づいた令状のない米軍の緊急逮捕による身体拘束や、基地内で拘束されている間に米軍が弁護士と接見させなかったりした行為を違憲だとする目取真さん側の主張を退けた。弁護団の新垣勉弁護士は『米軍という国家権力による日米地位協定に基づいた身体拘束を、一般私人と同一のレベルで論じる点で誤りがある。その点で問題の本質をつかみ損ねた判決だ』と指摘した。」
⑤「齋藤祐介弁護士は『逮捕状なしで逮捕できる現行犯的な逮捕なら違憲ではないとなれば、米軍と捜査機関で乱用できることとなる。重大な人権侵害だと主張したが、その点について判決では応答がなかった』と話した。」


(2)琉球新報-「工事は違法だ」 埋め立て関連作業に市民抗議 辺野古新基地建設-2019年10月8日 11:59


 琉球新報は、「米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局は8日午前、同市安和の琉球セメント桟橋と本部町の本部港塩川地区で埋め立て関連の作業を続けた。桟橋前では約20人の市民らが『赤土を美しい海に入れるな』『工事は違法だ』などと声を上げて抗議した。運搬船の出港を遅らせようと、海上ではカヌー18艇とゴムボート2隻が抗議を続けている。本部港塩川地区では、約10人の市民が監視する中で、埋め立て用土砂を積載したダンプ車が次々と台船に土砂を運び入れた。」、と報じた。


(3)琉球新報-土砂採取で41カ所追加調査 辺野古埋め立て 政府、14年度に県内外で実施-2019年10月8日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を進める政府は、埋め立て用土砂(岩ずり)の採取場所を決めるための2013年度調査で埋め立て承認申請書に明記した採取場に加え、14年度調査では県内外で新たに採取場41カ所を追加して調べていたことが7日までに分かった。沖縄防衛局は『既往の採取場で閉鎖されている地点もあったため、生産性や運搬性を考慮し新たに調査地点を追加した』と説明した。」
②「当初予定していた採取場とは別の採取場からの土砂搬出も模索しているとみられる。埋め立て承認申請時に予定していなかった採取地区から土砂を搬出するには、知事から改めて承認を得なければならない。実際に採取場を追加するかどうかは流動的だが、申請済みの土砂採取場所だけで必要量を確保できなかった場合に備えているとみられる。」
③「沖縄平和市民連絡会の一員で土木技師の北上田毅氏が情報公開請求で入手した資料で判明した。その資料によると、防衛局は仲井真弘多知事(当時)から埋め立て承認を得た13年度、採取場21カ所を調べて土砂の蓄積合計2830万立方メートルを確認した。埋め立て承認申請書に記載した採取地区と一致している。」
④「一部の採取場が閉鎖したことなどから、14年度調査では従来の採取場だけでは約2千万立方メートルしか確認できず、13年度と比べて800万立方メートル減だった。政府は新たに41カ所を対象に加え、その結果3680万立方メートルの土砂量を確認した。」
⑤「県内では、本部町、名護市、国頭村の採取場から土砂を搬出予定だったが、14年度は新たに糸満市の採取場2カ所を調査した。鹿児島県では沖縄に近い奄美大島を含め調査範囲を大幅に拡大させた。宮崎県や佐賀県でも初めて調査した。」
⑥「辺野古新基地建設には2062万立方メートルの土砂が必要で、うち1644ヘクタールを岩ずりでまかなう予定だ。文書を入手した北上田氏は『県外からの土砂は県土砂条例の規制対象となる。もし外来生物が見つかったら土砂は辺野古に搬出できなくなるので、少しでも採取場所を増やそうとする可能性がある』と指摘した。」
 (明真南斗、吉田早希)


(4)琉球新報-プーチン大統領側近に独占インタビュー 沖縄の基地は「日ロ関係に障害」 対米従属の弊害を指摘  セルゲイ・グラジエフ氏-2019年10月7日 07:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「プーチン・ロシア大統領の経済分野ブレーン、セルゲイ・グラジエフ氏は6日までに琉球新報の単独取材に応じ、日ロ関係の課題や展望、沖縄の可能性などについて述べた。グラジエフ氏は北方領土問題が日ロ関係にとって『大きな障害になっている』とした上で『現在の日本は自主独立した強力な国家であり、自国の国益に沿った独自の外交を追求できる』と指摘。それは「沖縄における米軍基地を含めた米国による占領の負の遺産から抜け出すことだ」として、日ロ関係改善には対米従属からの脱却が不可欠で、その重要な要素に沖縄の米軍基地を挙げた。」
②「グラジエフ氏が日本のメディアの単独インタビューに答えるのは初めて。9月下旬に大統領顧問として答えた。今月2日、ロシアやベラルーシなど5カ国でつくるユーラシア経済同盟の大臣に就任した。今後の日ロ経済協力関係などの鍵を握る要人が沖縄の米軍基地を関係の障害と捉えていることは、今後の日ロ交渉に影響を与えそうだ。」
③「これまでプーチン氏は北方領土問題や日ロ平和条約交渉に絡み、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題に言及した経緯がある。プーチン氏は『地元住民や知事が反対しているのに建設が進んでいる』と指摘し、日本の他の地域でも米軍施設が建設され、ロシアの安全保障に影響する恐れがあるとの懸念を示した。グラジエフ氏の見解はプーチン氏と同様の認識に基づいたものとみられる。」
④「グラジエフ氏は北方領土問題がもたらす政治的緊張が、日ロの協力関係推進にとって『大きな障害となっている』と強調。領土問題に対する日本側の主張を日本外交政策に植え付けたのは『米国のGHQ(連合国軍総司令部)』であり『今でも日本政府がこの路線から脱却しないよう米国は熱心に監視している』と指摘した。その上で『日本はワシントンが作り出したこの反ロシア路線から脱却する必要がある』とし、沖縄の米軍基地に触れ、先の認識を示した。」
⑤「沖縄の可能性については、気候条件や自然環境に恵まれ、先端医療、良質なサービスを提供する観光拠点だとの認識を示し『効果的な広報を展開すれば、ロシアの観光客にとって人気スポットになることを疑わない』と強調した。」
 (新垣毅)


(5)沖縄タイムス-「県民投票の結果を尊重しろ」辺野古の新基地建設用の埋め立て土砂搬入に抗議 民間企業の桟橋前-2019年10月8日 13:28


 沖縄タイムスは、「沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する計画に反対する市民らは8日、名護市安和の琉球セメント桟橋で、埋め立て土砂の搬入に抗議の声を上げている。桟橋近くの砂浜から、カヌー18艇、ゴムボート1隻に乗り、桟橋に係留する大型船に土砂を積み込む作業に抗議。桟橋に入るゲート前では、市民約20人が今年2月の県民投票で投票総数の7割以上が埋め立て工事に反対の意思を示したことから、『県民投票の結果を尊重しろ』などと訴え、土砂を積んだダンプトラックの進行を遅らせようと、歩道をゆっくり往復するなどの運動を展開した。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-2本の滑走路の運用再開 米軍嘉手納基地 補修工事終える-2019年10月8日 05:10


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍は7日、沖縄県の米軍嘉手納基地の2本の滑走路のうち補修工事に伴い閉鎖していた南側滑走路の運用を再開した。米軍は9月9日から舗装工事を始め、当初は米連邦航空局の航空情報(ノータム)に10月13日までと記載していたが7日までにノータムから情報が削除された。」
②「目撃者によると、同基地所属のF15戦闘機が南側滑走路を主に使い離着陸する様子が確認された。」
③「沖縄防衛局は同日、米側に再開の事実を確認して嘉手納町など周辺自治体や県に通知した。」
④「北側滑走路1本での運用時には、F15がトラブルに伴い緊急着陸した際に滑走路が一時閉鎖され、別のF15が普天間飛行場に着陸するというダイバート(目的地変更)とみられる動きもあった。」



by asyagi-df-2014 | 2019-10-08 17:52 | 沖縄から | Comments(0)

関電よ。「3.11」とはあなた達にとって何だったのか。(3)

「安全神話」を振りかざし、人びとを脅しつけてきた輩の姿は、残念なことにこんなもんだったということ。それも、ことは、東日本大震災が起きた2011年以降の7年間というのだから、本当に耐えられない。

 関電は、どういうことを行ってきたのか。
朝日新聞(以下、「朝日」)は2019年9月27日、「関電20人に金品3.2億円 岩根社長『一時的に保管』」「『関電、モラルの感覚失っている』 金品授受に厳しい声」、と伝えた。
どう考えても、許される問題ではない。
 こういう時に、各新聞社が、このことについてどれぐらい言及できるのかが問われているとも言える。
 今回取りあげた新聞社は8社である。その社説の見出しは次のもの。


・東京新聞社説-関電不正 原発マネーの闇を暴け
・信濃毎日新聞社説-関電幹部へ資金 原発巡る闇 徹底解明を
・新潟日報社説-関電金品授受 またも原発マネーの闇か
・神戸新聞社説-関電役員に金品/原発マネーの闇を許すな
・高知新聞社説-【原発マネー】闇の解明へ徹底調査を
・読売新聞社説-関電の金品授受 原発事業への不信を招くな
・朝日新聞社説-関電金品受領 経営陣は責任を免れぬ
・日本経済新聞社社説-関西電力に原発事業担う資格はあるか


 どう考えても、普通は、「原始マネーの闇」の追求か「徹底的解明」の追求が結論にならざるを得ないと思えるのだが、読売新聞(以下、「読売」)と日本経済新聞(以下、「日経」)は、現状路線肯定の上に主張を展開している。
 それは、「日経」で言えば「原発を担う資格があるのかどうか疑問である。」との表現であり、「読売」で言えば「原発は安定的に発電できる基幹電源」「原発事業に対する不信を招きかねない愚行」との表現である。
最初に、この二社の主張を取りあげる。それぞれの主張を区分してみた。


1.今回の事件をどのように把握しているのか。

(日経)
(1)原子力発電所の立地・運営や、原発に関する行政への信頼を大きく損なう事実が発覚した。関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長ら20人が、高浜原発がある福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた。儀礼的なもの以外はすでに返却したというが、総額は計3億2千万円相当にのぼる。
(2)電力会社と地元の癒着という、前世紀の悪弊を思わすような行いに驚きと失望を禁じ得ない。
(3)しかも金品のやり取りがあったのは、東日本大震災で福島第1原発が事故を起こした2011年から18年にかけてだという。事業者や国が被害対応や信頼回復に努めていたまさにその時期に、である。関電経営者らの行いは原発事故の被害者や立地住民の不信を増幅させ、信頼回復に汗をかく関係者の取り組みに泥を塗るものといっていい。
(4)金品を渡した側の元助役は地元の有力者であり、記者会見で岩根社長は「関係悪化を恐れて返せなかった」などと説明した。受け取った役員らの社内処分はすでに行ったというが、詳細は明らかにせず、自身の辞任も否定した。


(「読売」)
(1)原発事業に対する不信を招きかねない愚行である。経営陣は猛省しなければならない。
(2)関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長を含む幹部ら20人が、高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の元助役から、3億2000万円相当の金品を受け取っていた。元助役は町の有力者で、高浜原発の工事を請け負っていた町内の建設会社から、手数料名目で約3億円を提供されていたという。岩根社長は、金品授受が工事発注の見返りではない、と釈明しつつ、「元助役との関係が悪化した場合、原子力の事業運営に悪影響が出るのではないかと思い、なかなか返せなかった」と語った。不透明な癒着を疑われても仕方がないのではないか。
(3)菅原経済産業相が、記者会見で「立地地域の信頼に関わる。極めて重要な事案で厳正に処する」と語ったのはもっともである。
(4)原発は安定的に発電できる基幹電源である。社会に対して重要な事業を担っている以上、電力会社の経営陣が、襟を正さなければならないのは当然のことだ。原発の運転には地元自治体や住民の理解が欠かせない。だからこそ経営陣には、透明性の高い、節度あるつき合いが求められる。


2.今後どのようにあるべきと考えているのか。
(日経)
(1)関電のガバナンス(企業統治)、コンプライアンス、説明責任のすべてが問われる事態である。原発は公正性や透明性がもっとも求められる事業の一つだ。関電が今回の問題を、この程度の対応でやり過ごせると思っているのだとすれば、原発を担う資格があるのかどうか疑問である。徹底した社内調査と情報の公開が必要だ。
(2)元助役は在職中から関電と深い付き合いがあり、退職後も影響力を持っていたとされる。元助役からの金品の提供は、原発関連工事を担う地元建設会社からの資金がもとになったとみられている。原発関連の工事が立地地域にもたらす恩恵は大きい。交付金や補助金など、国から様々な支援も受ける。立地自治体にとって、こうした支援や税収が有力な財源になっているのも事実だ。
(3)今回の問題の根底に、関電と立地地域との間の、長年にわたるなれ合いの構図はなかったか。さらに高浜以外の原発や、他の電力会社で同じような問題は起きていないか。行政や税務当局は厳しくチェックすべきであろう。
(4)国は安全を確認できた原発については再稼働を進める方針だ。安全性に加え、事業者に対する信頼がなければ成り立たない。


(「読売」)
(1)金品の授受は、少なくとも2011年から昨年まで続いた。中元や歳暮、就任祝いといった名目で、現金やスーツの仕立券を手渡しされた。安易に受け取っていたのは、あまりにも認識が甘すぎる。
(2)関電は、金沢国税局から指摘を受けて社内調査を行い、会長や社長らの報酬返上などの処分を行った。これまでに「儀礼の範囲内のもの以外は返却した」というが、それで済む話ではあるまい。
(3)関電の社内規定には、金品を受け取った場合、会社に報告する義務はなかった。コンプライアンス体制がきちんと整備されていなかったことが、規範意識の低下につながった側面もあるだろう。再発を防止するためには、経営陣をはじめとする全社的な意識改革が急務である。
(4)1970年に大手電力会社として初めて原発を稼働させた関電は福井県内に美浜、高浜、大飯の3原発を保有する。東日本大震災後の新規制基準に適合した高浜3、4号機は再稼働済みで、1、2号機では再稼働に向けた安全対策工事が続く。
(5)今後の再稼働を円滑に進めていくためにも、関電は今回の事態を重く受けとめ、信頼の回復に努める必要がある。


 この二社が現状路線肯定の主張であるとはいえ、「徹底した社内調査と情報の公開が必要」「今回の問題の根底に、関電と立地地域との間の、長年にわたるなれ合いの構図はなかったか。さらに高浜以外の原発や、他の電力会社で同じような問題は起きていないか。行政や税務当局は厳しくチェックすべきであろう」(「日経」)と「今後の再稼働を円滑に進めていくためにも、関電は今回の事態を重く受けとめ、信頼の回復に努める必要」(「読売」)との間には、大きな格差がある。
 この二社の格差は、ジャーナリズムの規範の受け止め方の違いとして生じてきているのではなかろうか。


 一方、今回の事件をより重く受け止めた新聞社側の主張をみてみる。ここでは、東京新聞(以下、「東京」)と信濃毎日新聞(以下、「信毎」)を取りあげる。
「東京」は「原発マネーの闇」、「信毎」は「原発めぐる闇」、とそれぞれの社説で、「暴け」「徹底解明」と社説で主張した。
まず、「東京」は、この「言語道断」事件の何が問題なのかを明らかにする。


(1)原発の立地対策にと、電力会社が地元に流した資金が、当の電力会社のトップのもとへ還流されていたという。本はといえば電気料金か。にわかには、信じ難い事件である。原発マネーの闇は深い。
(2)菅原一秀経済産業相のコメントを待つまでもなく「事実なら言語道断」の事件である。
(3)関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長らが、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)から二〇一八年までの七年間に総額約三億二千万円を受け取っていたことが金沢国税局の税務調査などで明らかになった。関電から高浜町内の建設会社に支払われた原発関連の工事費の一部が、「顔役」と呼ばれる元町助役の仲介で、還流されていたという。元助役には工事受注に絡む多額の手数料が渡っていたとみられている。電力会社から地域に流れた「原発マネー」が、巡り巡って電力会社の経営トップのもとへ-。ならば前代未聞の不祥事だ。
(4)原発を引き受けてくれた自治体には、電源三法交付金など巨額の原発マネーが流れ込み、「ハコモノ」づくりに注ぎ込まれ、多くの利権を生んできた。歳入の大部分を原発マネーに依存してきた自治体では、財政のゆがみのもとにもなってきた。
(5)今回、関電トップに還流されたとみられる資金も、本はといえば、恐らく電気料金だ。
(6)福島の事故以前、発電量の五割以上を原発に依存してきた関電は「原発停止で発電コストがかさむ」と言い、値上げをちらつかせながら「早期再稼働が必要だ」と訴えてきた。


 最後に、「東京」は問題点を明確にするなかで、「地元住民のみならず、電力消費者に対しても重大な背信行為である。」、と断じる。


(1)3・11後、再稼働した原発は計九基。このうち四基が関電の原発だ。今年四月、原子力規制委員会が、期限までにテロ対策を完了できない原発の停止を求める方針を打ち出した。その時も「電気料金を値上げする事態もある」と、幹部が不満を漏らしていた。
(2)経営者個人に還流される資金があれば、電気料金の維持や値下げに回すべきなのだ。
(3)八木会長は三年前まで、原発推進の旗振り役である電気事業連合会の会長だった。原発そのものに対する不信も一層深まった。事態はもはや、社内調査の域にはない。国税、そして検察当局は速やかに摘発のメスを入れ、原発マネーによる底知れぬ汚染の闇を暴くべきである。


 「今回、関電トップに還流されたとみられる資金も、本はといえば、恐らく電気料金だ。」(「東京」)の指摘は、あまりにも重い。

 もう一つの「信毎」は、この事件について、「関西電力の会長や社長ら20人に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から、総額約3億2千万円の資金が渡っていたことが分かった。金沢国税局の税務調査の結果である。今年3月に死去した元助役は生前の調査に、資金提供を『お世話になっているから』と説明した。元助役には、原発関連工事を請け負う地元の建設会社から約3億円が流れていた。工事受注に絡む手数料という名目だ。電気料金を原資とする工事代金の一部が、関電幹部に還流していた疑いが強い。不自然極まりない資金の流れである。」、と明確にする。
 この上で、次のように指摘する。


(1)関電の岩根茂樹社長は記者会見で、返却を試みても拒絶されたため「一時的に個人の管理下で保管していた」と説明している。資金授受が判明しているのは2017年までの7年間だ。無理に押しつけられて返還できなかったのなら、会社に報告した上で会社が資金を管理し、元助役に返還するのが当然だ。個人的に資金を受領したと考えざるを得ない。
(2)原発は地域や経済に多大な影響を与える。東京電力福島第1原発事故で不信感も根強い。事業は公正に実施しなければならない。
(3)一部の役員らは元助役への税務調査が始まった昨年に返還を始めているものの、責任は免れない。言語道断である。


 さらに、「信毎」は、「解明するべきことは多い。」、と次のように指摘する。


(1)まず資金の流れだ。誰にいつ、いくらの資金が、どういう名目で渡されたのか。資金はどう管理されていたのか。関電は解明して、公表するべきだ。税務調査は時効の関係で過去7年しか調べない。それ以前に資金授受はなかったのか調査する必要もある。
(2)会見では、資金の具体的な流れも、社内処分の内容も詳細に説明しなかった。関電は責任を果たしていない。経済産業省が調査を主導するべきではないか。
(3)次に資金提供と工事発注の関連だ。発注に影響を与えていれば会社法の「会社取締役の収賄罪」に問われる可能性もある。岩根社長は「問題はない」としているものの説得力は乏しい。根拠を明確に示すのが筋だ。
(4)産業が乏しい地方にとって、多額の交付金や固定資産税などが見込める原発誘致は、経済振興に有効だった。ただし、原発に頼るほど地域経済は原発抜きで維持できなくなる側面を否定できない。関電との関係を強める中で今回の不透明な資金の流れが生まれたとしたら、地域と原発の関係も問い直さなくてはならない。


 確かに、この事件の本質は、「資金授受が判明しているのは2017年までの7年間だ。無理に押しつけられて返還できなかったのなら、会社に報告した上で会社が資金を管理し、元助役に返還するのが当然だ。個人的に資金を受領したと考えざるを得ない。」(「新報」)、ということにある。
 これは、まさしく「会社取締役の収賄罪」を含めた犯罪行為である。




by asyagi-df-2014 | 2019-10-08 07:08 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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