2019年 08月 24日 ( 3 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月24日

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票が2月24日に実施されてから半年が経過した。それは、投票総数60万5385票のうち7割を超える43万4273票が「反対」との意思を示す沖縄の「民意」を際立たせたものだった。
 半年経った辺野古の今を見る。
「辺野古の全体の埋め立て予定面積は約160ヘクタールで、県は5月末時点までの全体の進捗(しんちょく)について約2・8%と試算している。沖縄防衛局が昨年12月に土砂投入を開始した区域(約6・3ヘクタール)の埋め立ての進捗状況は7月末時点で約7割で、今年3月に着手したその隣接区域(約33ヘクタール)は1割以下にとどまる。埋め立て区域東側には軟弱地盤が広がっており、工事着手のめどはたっていない。沖縄防衛局が地盤改良に伴う計画変更を申請し、県から承認を得る必要があり、長期化が見込まれている。」(琉球新報)。
「また、県は国土交通相が県の埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたことを受け、裁決取り消しを求める関与取り消し訴訟、抗告訴訟の2件の訴訟を起こした。県は沖縄防衛局から申請されているサンゴ移植のための特別採捕申請など、埋め立て承認を前提とする各種申請の判断を裁判後に先送りする方針を固めている。二つの訴訟のうち少なくとも一つの訴訟で司法の最終判断が出るまで各種申請は保留され、防衛局は移設のためのサンゴ移植などに着手できない。」(沖縄タイムス)。
今、必要なものは、この声に応えることかもしれない。
「『辺野古』県民投票の会元代表の元山仁士郎さん(27)は『沖縄の明確な民意を示し、それをきっかけに全国でさまざまな取り組みが生まれている。やって良かったと思う』と振り返る。一方、工事が止まっていないことは悔しく思う。政府は民意を尊重して埋め立てを止めるべきだとして、『県と政府で新基地建設を巡る裁判が続くと思うが、示された民意を裁判でもしっかり判断してほしい』と求めた。」(沖縄タイムス)。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-民意 県主張後押し 辺野古県民投票から半年-2019年8月24日 08:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票が2月24日に実施されてから今月24日で半年が経過した。投票総数60万5385票のうち7割を超える43万4273票が「反対」で、圧倒的多数の民意が示されたにもかかわらず、政府は結果を無視して埋め立て工事を続けている。17日に那覇市で開かれた『県民投票とその後~私たちは何をすべきか、何を求めるべきか』(「新しい提案」実行委員会主催)の登壇者による発言内容を紹介するとともに、県民投票の結果の行方などを検証した。」
②「昨年8月に埋め立て承認を撤回した県は、撤回を取り消した国の決定が違法だとして今月7日に抗告訴訟を提起した。県は軟弱地盤や活断層の問題などの主張を盛り込み、実質審議を求めているほか、県民投票で示された埋め立て反対の民意を尊重するよう訴えており、司法の場で県民投票がどう評価されるかも注目される。」
③「辺野古の全体の埋め立て予定面積は約160ヘクタールで、県は5月末時点までの全体の進捗(しんちょく)について約2・8%と試算している。沖縄防衛局が昨年12月に土砂投入を開始した区域(約6・3ヘクタール)の埋め立ての進捗状況は7月末時点で約7割で、今年3月に着手したその隣接区域(約33ヘクタール)は1割以下にとどまる。」
④「埋め立て区域東側には軟弱地盤が広がっており、工事着手のめどはたっていない。沖縄防衛局が地盤改良に伴う計画変更を申請し、県から承認を得る必要があり、長期化が見込まれている。」
⑤「玉城デニー知事は22日の定例記者会見で『普天間飛行場の一日も早い危険除去や県民投票の結果を踏まえた辺野古移設の断念など、沖縄の過重な基地負担軽減に向けた機運を高めるために全国キャラバンを行っている』と述べ、法廷闘争と並行して世論に辺野古移設阻止を訴えていく考えを示した。」


(2)沖縄タイムス-辺野古「反対」7割の県民投票から半年 工事を止めない政府 沖縄県は世論喚起へ-2019年8月24日 06:46


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍新基地建設に必要な沖縄県名護市辺野古の埋め立ての賛否を問い、投票総数の7割超が『反対』を示した今年2月の県民投票から24日で半年となった。玉城デニー知事は投票条例に基づき日米両政府に結果を通知したが、日本政府は工事を強行し続けている。玉城知事は全国で基地問題への理解を広げるキャラバンを展開し、世論の高まりを背に訪米し改めて米側に県民投票で示された民意を伝える考えだ。」
②「『辺野古』県民投票の会元代表の元山仁士郎さん(27)は『沖縄の明確な民意を示し、それをきっかけに全国でさまざまな取り組みが生まれている。やって良かったと思う』と振り返る。一方、工事が止まっていないことは悔しく思う。政府は民意を尊重して埋め立てを止めるべきだとして、『県と政府で新基地建設を巡る裁判が続くと思うが、示された民意を裁判でもしっかり判断してほしい』と求めた。」
③「玉城知事は『辺野古埋め立ての一点に絞り、圧倒的に民意を示すことができた』と改めて評価し、その後も国政選挙などで『辺野古』反対を訴えた候補が当選したことを挙げ、「民意は揺るぎない」とした。」
④「名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う今年2月の県民投票で投票総数の7割超が『反対』の意思を示して24日で半年となった。政府は初めて辺野古の賛否に絞った投票で示された民意を無視する形で新基地建設を続けている。玉城デニー知事は日米両政府への結果の伝達や世論喚起、訴訟など『あらゆる手段』で辺野古反対の民意の実現を模索する。」
⑤「玉城知事は3月に安倍晋三首相、ジョセフ・ヤング駐日米首席公使と面談し投票結果を通知したが、安倍首相は普天間飛行場の危険性除去を理由に辺野古の工事を継続する考えを示した。玉城知事は日米特別行動委員会(SACO)に『With Okinawa(沖縄と共に)』を加え普天間を含めた基地問題を検証するSACWO(サコワ)の設置を提言したが、日本政府は応じていない。」
⑥「また、県は国土交通相が県の埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたことを受け、裁決取り消しを求める関与取り消し訴訟、抗告訴訟の2件の訴訟を起こした。県は沖縄防衛局から申請されているサンゴ移植のための特別採捕申請など、埋め立て承認を前提とする各種申請の判断を裁判後に先送りする方針を固めている。二つの訴訟のうち少なくとも一つの訴訟で司法の最終判断が出るまで各種申請は保留され、防衛局は移設のためのサンゴ移植などに着手できない。」
⑦「玉城知事は県民投票後、基地問題のトークキャラバンを東京と名古屋市で開催し、今後は大阪、札幌、福岡、仙台などでの実施も予定。全国世論を喚起した上での訪米を検討する。ただ、米議会では10月頃に成立が見込まれる国防権限法案を巡り、在沖海兵隊の分散配置の検証が盛り込まれる可能性がある。知事は同法案の議論など米国内動向を見据えながら訪米時期を判断する考えだ。」


(3)琉球新報-辺野古軟弱地盤改良で有識者会議 政府、9月初旬に初会合 工事の正当性主張が狙い-2019年8月24日 09:34


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府は埋め立て予定海域の大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事について、土木工学の専門家らでつくる有識者会議を設置する方針を固めた。9月上旬に東京都内で初会合を開く。地盤改良を進めるためには防衛省が県の玉城デニー知事に計画変更を申請して承認を得る必要があり、有識者の“お墨付き”を得て工事の正当性を高めたい狙いがあるとみられる。」
②「今年3月に防衛省が国会に提出した地盤改良に関する報告書によると、改良が必要な海域は大浦湾側を中心に73ヘクタールあり、地盤を固めるために海底に砂ぐい約7万7千本を打ち込む工法を用いる。地盤改良は海上から実施する工事に3年8カ月、陸上で実施する工事に1年1カ月をそれぞれ見込む。」
③「現在、沖縄防衛局の委託業者が設計変更に関する作業を進めており、今後焦点となる県への変更申請は、年明け以降にずれ込む可能性もある。」


(4)琉球新報-容疑者死亡のまま米兵を殺害容疑で書類送検 沖縄女性殺害 動機不明のまま捜査終結-2019年8月24日 09:55


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「北谷町桑江のアパートで4月、在沖米海兵隊所属の米海軍3等兵曹ガブリエル・オリベーロ容疑者=当時(32)=が住人の会社員女性=当時(44)=を殺害し、その後に自殺した事件で県警刑事部捜査1課は23日、容疑者死亡のまま殺人容疑で那覇地検に書類送検し、受理されたと発表した。容疑者死亡のため詳しい犯行の動機は分からないままだが、県警は『一連の捜査を終えた』とし、事実上の捜査終結を宣言した。」
②「県警によると、女性の首や顔にはナイフによる数え切れないほど複数の刺し傷があり、同じ部屋で死亡していたオリベーロ容疑者と共に死因は失血死だった。県警は現場の状況や同居する女性の子どもの証言から『第三者の介在の余地がない』として同容疑者の犯行によるものと断定した。」
③「事件を巡っては2018年10月、交際関係にあったオリベーロ容疑者が女性宅でトラブルを起こし、女性は県警に相談を寄せた。19年1月には女性から『性的暴行を受けた』との通報を受けた米軍憲兵隊が県警に連絡、県警は女性を保護対象者に指定して定期的に近況を確認していた。一方、海兵隊は同容疑者が女性との接触や連絡をすることを禁ずる軍事保護命令『MPO(ミリタリー・プロテクティブ・オーダー)』を発令していた。」
④「そのような状況下、オリベーロ容疑者は来沖した母親との面会を理由に軍から外泊許可を得て、女性宅に押し掛け凶行に及んだ。」
⑤「国際家事相談の支援を行う『ウーマンズプライド』のスミス美咲代表(42)は、基地内で発令される軍事命令などの不明瞭さを指摘し『ルールをもう少し日本側に開示すべきではないか』と語った。一方で、基地内の事情に詳しい専門家の少なさも課題に上げた。『県内外問わず、多くの相談を受けている。基地から派生する問題があるからこそ、研究すべきだ』と訴えた。」


(5)琉球新報-「戦争終わったよ」投降を呼び掛けた命の恩人は日本兵に殺された 沖縄・久米島での住民虐殺-2019年6月22日 10:05


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】沖縄戦で本島における日本軍の組織的戦闘の終了後、久米島に配備されていた日本軍にスパイ容疑で虐殺された仲村渠明勇さんに命を救われた少年がいた。現在、東京都練馬区で暮らす渡嘉敷一郎さん(80)だ。渡嘉敷さんは久米島に上陸した米軍に捕らわれるのを恐れて池に飛び込んで命を絶とうとしたところ、仲村渠さんの呼び掛けで思いとどまった。同じ久米島出身の妻政子さん(80)が住民虐殺の歴史を語り継ぐ活動を続けており、一郎さんも参加して語り始めた。本紙に体験を語るのは初めてで『一番怖かったのは日本兵だった』と振り返る。」
②「沖縄本島で捕らわれた仲村渠さんは1945年6月26日、米軍と共に久米島に上陸し、住民に投降を呼び掛けていた。日本のポツダム宣言受諾後の8月18日、島にいた日本軍の通称『山の部隊』(鹿山正海軍通信隊長)の兵士に妻子と共に殺された。」
③「渡嘉敷さんは旧具志川村(現久米島町)仲泊の出身で、戦争中は50~60人で避難生活を送っていた。『ヒージャーミー(米国人)に殺される』との話が住民の間に広まっていった。米軍上陸後、母親の親戚と一緒に逃げていた渡嘉敷さんは、池に飛び込もうとしていた矢先、『もう戦争は終わったよ。もう死ぬことはないぞ』という仲村渠さんの呼び掛けを聞いた。『あれは西銘(集落)の明勇だ』と誰かが叫び、われに返った渡嘉敷さんは投身を思いとどまった。」
④「当時、島では日本軍の隊長からは『山に上がって来ない者は殺す』との命令が下されていた。上陸してきた米軍からは、日本兵が軍服を捨てて住民にまぎれこんでいることから『家に戻りなさい。戻らなければ殺す』と投降の呼び掛けが出ていたという。どちらを選択しても死を迫られるという苦しい状況に住民は置かれていた。」
⑤「渡嘉敷さんは『明勇さんは案内人として米軍に連れてこられていた。村人が隠れているところを回って、投降を説得するのが役割だった。明勇さんに命を助けられた。島の人にとっては恩人。それを、逃げるところを後ろから日本刀で切って殺されたと聞いた』と悔しそうな表情を浮かべた。」
⑥「久米島では日本軍による住民虐殺がほかにも起きている。渡嘉敷さんの妻政子さん(80)=同村仲地出身=は『島の人も関わったとされタブー(禁忌)となってきたが、何らかの形にして事実として伝えていかないといけない』と東京で島の沖縄戦について語り続けている。」
⑦「日本兵による住民虐殺は当時から住民の間でうわさになった。政子さんは『大人たちが屋号で【どこどこの誰々が殺されたよ】【部落の方で異様なことが起こっているよ】と話していたのを聞いていた』と話す。」
⑧「戦後も虐殺があったと聞いた場所に来ると、カヤを結んだ魔よけを手に通ったものだった。『子ども心にも、その時のことが思い出され、たまらない気持ちになった』。大人になって久米島の戦争の本を読んで、『ああ、あの話はそうだったのか』と記録と記憶がつながっていった。小学校1年で教えてくれた教諭が、島に配置されていた中野学校出身で『上原敏雄』を名乗る残置工作員だった。ある時、学校に米軍の憲兵が来て、2人で教諭を羽交い締めにして軍用車両で連行していった。その後の消息は知らないという。」
⑨「住民虐殺というテーマを語り継ぐのは重いため、得意の三線も交えて伝えている。島の悲劇にあえて向き合う夫婦。『今も残された者も重荷を背負いながら生きている』との思いを背に語り継いでいる。今年の慰霊の日は午後2時から、東京都練馬区立男女共同参画センター『えーる』で、久米島の沖縄戦について政子さんと一郎さんが語る会が催される。」
(滝本匠)
⑩「久米島における沖縄戦での住民虐殺:久米島に駐留した日本軍の通称『山の部隊』(鹿山正海軍通信隊長)が、6月26日の米軍上陸後にスパイ嫌疑で住民20人を殺害した。米兵に拉致された住民を『スパイ』と見なし、目隠しのまま銃剣で刺し、家に火をつけて焼き払うなどした。朝鮮人家族も犠牲になった。島には残置工作員が具志川村に上原敏雄、仲里村に深町尚親を名乗る2人(いずれも偽名)が小学校に配置されており、住民虐殺への関与が疑われている。」


(6)沖縄タイムス-政府有識者会議、新基地「お墨付き」狙う 工事に反対の沖縄県をけん制か【深掘り】-2019年8月24日 14:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「政府が名護市辺野古の新基地建設を巡る軟弱地盤の改良工事に向け、有識者会議を設置する方針を固めた。識者からの「お墨付き」を得ることで、工事に反対する県の主張をけん制する構えを見せる。」(東京報道部・又吉俊充)
②「工事を進める上で、政府が政策実現に誘導する環境をつくり出そうとする動きはこれが初めてではない。2018年11月の国会審議では、防衛省内に『普天間飛行場代替施設建設事業推進チーム』が設置されて以降、国交省から延べ18人の出向者がいたことが明らかに。海洋土木工事などに関する知見を有する職員を迎え、大臣官房審議官などの幹部ポストにも出向者を充ててきた。防衛省が国交省に工事に伴う申し立てを行う際、こうした人事が公正さを損なうとして国政野党から『制度の乱用だ』との批判も出ていた。」
③「また、仲井真弘多元知事が名護市辺野古の埋め立てを承認する『事実上の条件』として設置を求めた環境監視等委員会を巡っては、副委員長を務めた故東清二琉球大名誉教授が『基地を造る前提で、委員の意見が反映されず、専門家のお墨付きをもらうための意味がないもの』と委員会を問題視し、辞任した。」
④「防衛省は現在も工事を巡る手続きにおいて、環境監視等委員会の『指導』が工事の正当性を担保する主要な根拠の一つとするが、同会を巡ってはこれまでも資料の改ざんや会議の不透明性が指摘されてきた。」
⑤「なぜ、今、有識者会議の設置なのか。そもそも、政府はこれまで『一般的で施行実績が豊富な工法により、地盤改良工事で工事の安定性を確保する』(安倍晋三首相)などと説明するなど、辺野古新基地建設工事は可能だ、という姿勢を示してきた。工事を巡る県との訴訟が控える中での有識者会議設置は『結論ありきの政治利用』との批判を浴びかねない。」


(7)沖縄タイムス-日韓関係悪化で沖縄観光に影響 必要な対策とは? 下地芳郎OCVB会長に聞いた【深掘り】-2019年8月24日 15:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「日韓関係の悪化で、沖縄を訪れる韓国客の旅行キャンセルや、航空路線の運休・減便が相次いでいる。政治や経済情勢に左右されやすい観光を基幹産業に位置付ける沖縄に、必要な対策は何か。25日に訪韓する沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長に聞いた。」
(聞き手=政経部・仲本大地)
②「-日韓関係の悪化が沖縄観光にも影を落としている。打開策は。:『2001年の同時多発テロや、18年の麻疹(はしか)の流行とは異なり、今回は2国間の摩擦のため、誘客キャンペーンなど直接的な対策が打ちにくい。ただ、航空路線が最大で半数近く運休・減便するなどの影響が先鋭化している』『現状としては、来沖する韓国客を丁寧に迎え入れ、送り出すことが重要だ。OCVB職員らによる空港での出迎えも地道だが必要な努力だ。また、韓国の航空各社に、来沖を感謝するメッセージカードの配布ができないか打診している。25日からの訪韓では、韓国の航空会社7社と旅行業協会を訪れ、現地の情報を収集して対策を練りたい』」
③「-東アジア情勢は日韓関係に限らず各地で不安定だ。:『沖縄を訪れる外国客の大多数が東アジアの国や地域だ。ただ、政治や経済情勢に左右されやすく、観光客減につながるリスクが高い。那覇空港第2滑走路の運用に伴う受け入れ拡充を見据え、東南アジアやオセアニアなど、新たな地域からの誘客に力を入れ、リスクの分散化につなげる必要がある』」
④「-新たな市場を得るために必要な受け入れ側の課題は。:『沖縄観光は、那覇や本島西側に観光拠点が集中している。離島や北部地域、東海岸方面へ観光客の分散化が課題だ。南部や中部、北部、離島といったくくりではなく、よりエリアを細分化した観光拠点の形成が必要だ』『例えば北部を12市町村でまとめるのではなく、クルーズ拠点ができる本部エリア、世界自然遺産登録の機運が高まっている国頭・大宜味・東村エリアなど、各地域の特徴を集め、それぞれに合った観光戦略をつくる。エリアを細分化することで、県が導入を目指す観光目的税の使途も具体化するはずだ』」
⑤「-今の沖縄観光やOCVBに求められていることは。:『観光客数に重きを置いた視点から【観光客】【県民】【産業(経済効果)】の三つの視点を重視すべきだ。観光に対する満足度が、観光客も、受け入れる県民も低下していないか。観光客増に対して県民所得や経済効果が比例しているかなど、観光統計の精度を高め、実態を見える化する必要がある。実態を基に、各エリアで観光地の質を高めるマネジメントが、OCVBに求められている』」




by asyagi-df-2014 | 2019-08-24 20:35 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月23日

こんな記事が取り沙汰されるとはどういうことなのか。
「【ワシントン共同】トランプ米大統領は20日、9月初めに予定していたデンマークのフレデリクセン首相との首脳会談を延期するとツイッターで発表した。米メディアによると、訪問自体を中止。世界最大の島グリーンランドの売却を拒否されたのが理由で、突然の訪問中止に買収への意欲が『本気だったのか』と驚きの声が広がっている。」、と沖縄タイムス。
背景として、「グリーンランドには米空軍の基地があるほか、中国も関心を示している。中国やロシアが天然資源の豊富な北極圏進出を進める中、グリーンランドの地政学的な重要性も高まっている。」(沖縄タイムス)があるとしても、米国大統領の手法は、余りにも、愚かである。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月23日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-「いつまでも忘れないこと」 吉永小百合さん 対馬丸記念館へメッセージ 戦争で撃沈、犠牲の児童らに想い-2019年8月22日 19:56


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「対馬丸記念館(沖縄県那覇市)の開館15周年に当たる今年、記念館のプロモーションビデオでナレーションを吹き込んだ女優の吉永小百合さんが記念会にメッセージを寄せた。プロモーションビデオは対馬丸の沈没の経緯や記念館の概要などを伝える内容で、対馬丸記念会が吉永さんにナレーションを依頼。開館前からPR活動で使用されていた。」
②「吉永さんはメッセージの中で対馬丸で犠牲になった子どもたちについて触れ、『私達はしっかりと胸に刻んで、いまを生きる。いつまでも忘れないことが大切です。二度と戦争をしないという強い思いのなかで 吉永小百合』と色紙にしたためた。」
③「慰霊祭では、色紙と原寸大に印刷されたメッセージが参加者に配布され、受け取った人たちはじっくりと見入っていた。」
④「吉永さんは、過去に映画『あゝひめゆりの塔』(日活、1968年)で女学生を演じた。各地で原爆詩の朗読も長年続けている。」


(2)沖縄タイムス-トランプ米大統領「グリーンランド買いたい」→デンマーク「売らない」→訪問を延期-2019年8月22日 17:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【ワシントン共同】トランプ米大統領は20日、9月初めに予定していたデンマークのフレデリクセン首相との首脳会談を延期するとツイッターで発表した。米メディアによると、訪問自体を中止。世界最大の島グリーンランドの売却を拒否されたのが理由で、突然の訪問中止に買収への意欲が『本気だったのか』と驚きの声が広がっている。」
②「デンマーク女王マルグレーテ2世の招待を受けて訪問の予定だったが、トランプ氏は『デンマークは素晴らしい人々が住む特別な国だが、首相はグリーンランド売買を話し合うことに関心がない』などと説明した。」
③「デンマーク領グリーンランドは北極海と北大西洋の間に位置し、米国はこれまでも買収を提案したことがある。米メディアが最近、トランプ氏が買収に関心を示していると報道。トランプ氏も18日、記者団に『大きな不動産取引だ』と認める一方「(今回のデンマーク訪問で)最重要課題ではない」と述べていた。」
④「グリーンランドには米空軍の基地があるほか、中国も関心を示している。中国やロシアが天然資源の豊富な北極圏進出を進める中、グリーンランドの地政学的な重要性も高まっている。」
⑤「トランプ氏のグリーンランド買収への関心を巡っては、デンマーク側では『売り物ではない』『冗談に違いない』と困惑や反発が広がっていた。」


(3)沖縄タイムス-「うるさくて眠れない」 米軍機が4日連続の深夜訓練 沖縄を守るためと司令官-2019年8月23日 15:24


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で22日も、午後11時半すぎに米軍機の飛行が確認された。同じ時間帯の飛行は19日から4日連続。宜野湾市が設置している『基地被害110番』では、『うるさくて眠れない』といった市民からの苦情が19日から21日まで18件に上った。」
②「騒音防止協定では、夜間早朝(午後10時から翌午前6時まで)の米軍機の飛行は制限されている。22日は午後11時53分、オスプレイ3機が着陸した。」
③「宜野湾市の松川正則市長は20日、普天間飛行場のデイビッド・スティール司令官との定期的な面談で、前回同様に夜間騒音の改善を要請したばかり。司令官は『沖縄の文化は大切にしたいが、日米安保に基づいて沖縄を守るための訓練』と述べたといい、普天間所属機であっても各部隊の訓練の管理権は司令官自身にはないと話したという。」
④「普天間飛行場では、外来機による日中の騒音も激化している。旧盆の初日と中日には最新鋭ステルス戦闘機F35やFA18戦闘機が離着陸した。」


(4)沖縄タイムス-底見えるトラックの土砂、少量でも満載と同じ支払い額? それとも適切? 辺野古新基地-2019年8月23日 07:39


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡り、名護市安和の桟橋と本部港塩川地区に業者が土砂をトラックで運び入れる際、荷台の底が見えるほど積載量が少量なケースが散見されている。」
②「新基地に反対する市民によると、昨年12月から今年にかけて複数回、運搬する土砂が少量のトラックが確認された。沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は『土量のチェックがずさんで、少ししか積んでいなくても満載と同様に費用が支払われているのでは』と指摘する。」
③「沖縄防衛局は沖縄タイムスに『土量は積み込んだ後に船上で確認している。業者は過積載に注意し、1台当たりの土量を適切に管理している』と説明した。」
④「一方、北上田氏は『土量を、トラック1台ずつ確認しないのは不自然だ。業者が土を少しずつ運べば燃料や人件費が増え、損をするはず。整合性も取れない』と疑義を呈している。」




by asyagi-df-2014 | 2019-08-24 15:04 | 沖縄から | Comments(0)

「日本は植民地主義を乗り越えるチャンス」、と。

 Yahooニュ-スは2019年8月14日-「『日本は植民地主義を乗り越えるチャンス』…'日韓通'の韓国市民運動家が見る日韓の葛藤」、と報じた。
 これを、掲載する。


日本の韓国「ホワイト国」除外決定により一層深まった日韓の葛藤。その発端となった昨年10月の韓国大法院判決の経緯と意味をよく知る「日韓通」の市民運動家に、現状と解決策、日韓市民連帯などについて聞いた。

●「市民の連帯があれば解決できる」

「私が日韓関係に摩擦をもたらしていると言う人もいる」と複雑な表情で明かした金英丸(キム・ヨンファン)さんは1972年生まれ。ソウル市内にあるNGO『民族問題研究所』で対外協力室長を務める。

1997年から北海道の強制徴用者の遺骨発掘運動で日本との関わりを持ち、2002年から06年まで高知県の平和資料館・草の家の事務局長を務めた。日本語が堪能な上に温和な人柄で、日韓市民の交流の橋渡しを長い間続けてきた。日韓の市民社会で広く知られた人物だ。
徴用工裁判には14年から本格的に関わり始めた。今は市民団体の連帯組織である「強制動員問題解決と対日過去清算のための市民社会共同行動(以下、共同行動)」で政策委員長を務めている。

金英丸(左端)さんは、8月15日の「光復節」を控え最近とみに忙しい日々を送っている。14日には外信記者クラブでの強制徴用被害者や支援者の記者会見をセッティングした。

12日、民族問題研究所で筆者とのインタビューに応じた金室長は、2018年10月の大法院判決について「日本の市民運動が無ければここまでできなかった」と、日韓の市民の成果であると何度も強調した。

さらに「判決は『65年体制』による日韓の政治的な結託、言い換えれば朝鮮半島の分断体制、冷戦体制を維持する日米間の軍事同盟が崩れてきた決定的な結果」と位置付け、理解を求めた。

その上で今を「当事者が生きている間に日本政府がこの問題を解決できる最後のチャンス」と見なし、「被告企業と原告側が判決にしたがい、賠償についての協議を始めることが重要」と訴えた。

そして「市民たちの連帯があれば、この問題を解決することができる。今本当に必要なのはその部分」としつつ、「日本では8月15日前後になると、原爆被害者や戦争被害についての番組で物語が多く語られる。その痛みを分け合う気持ちを持ってほしい。同じ場所で苦労した韓国の人がいる」と、政府の問題ではなく人間の、そしてヒューマニズムの問題であることを強く主張した。

以下は詳細なインタビュー。

(1) 2018年10月の韓国大法院判決をどう受け止めたか。

基本は1997年から日本で裁判をやって、日本の最高裁で負けて2003年から韓国に舞台を移して続けてきた。90年代以降の、日本の市民社会と韓国の市民社会が戦ってきた結果だ。1991年の金学順さんのカミングアウト(※1)から始まった戦後補償の運動、つまり民主化した韓国で、それまで話すことができなかった韓国の被害者がみずから声をあげたのが始まりだった。

裁判の過程で(1965年の)請求権協定が壁になったから、当時の日韓会談で何があったのか話をしましょうと情報公開を求める流れになった。そして裁判の結果、韓国政府の資料が公開され、そこから「慰安婦」、サハリン残留韓国人、原爆被害者の補償問題が明らかになり、韓国の憲法裁判所から「韓国政府が日本政府に対しはたらきかけるべきだ」という違憲判決(2011年)を引き出した。

その間、日韓の政府がやったことは一つもない。すべてが被害者、あるいは日韓の市民社会が闘って勝ち取ってきたもので、そうした結果が、2018年の10月31日の韓国の大法院の判決といえる。

※1:金学順(キム・ハクスン、1924~1997)。韓国の女性運動家。1991年に韓国で初めて自身の日本軍「慰安婦」としての経験を証言し、日本政府を相手に訴訟を起こした。これにより、同様の被害にあった人々が韓国以外の国からも名乗り出、問題が表面化した。証言をした8月14日は2018年に韓国政府により「慰安婦被害者を悼む」国家記念日に指定された。

(2) 大法院の判決について、日本政府は今なお「65年協定でこの問題は完全かつ最終的に解決済み」という立場を崩していない。

知っての通り今、日本政府が強硬な態度に出ている。こうした状態で韓国政府が代わりにお金を出す場合、「日本政府の脅かしに屈服した」と受け止められる。このため日本側が強く出るほど、韓国政府の動ける範囲を狭めているという部分がある。

さらに日本側が一方的に請求権協定の3条に基づいて対話を求めているが、今回の判決は請求権協定の外にあるため、韓国側ではそれに当たらないという解釈だ。だが、何らかの形で政府としても話し合いをする必要がある。

強制動員について日本政府の責任もある。政府の許可がないと、日本の企業も人を使えないのは歴然としている。日本政府がやるのは資料を提供すること。歴史問題の解決に求められるのは「正義」に対する気持ち。被害者が何を求めているのか考えることなどだ。

(3) 河野外相は解決策を提案する駐日韓国大使に「極めて無礼」と声を荒げるなど、日本側は非常にドライな印象だ。

これまで日本で行ってきたほとんどの裁判で負けている。その際、韓国政府は日本の大使に対して文句を言ったり抗議するなどは一切していない。司法主権というものがある。これは尊重されるべきもので民主主義の基本だ。先にも述べたように、被害者たちが裁判をずっと戦ってきた結果、ここまで来ている。

一方、企業側も20年以上裁判所で戦ってきている。和解したこともある。それなのに、判決が出たら連絡もすべて無視し、交渉にも応じない。被害者が訪問しても門前払いにする。私人の関係でもこうはしないだろうと思う。

被害者が過去に自分の会社で働いた人であるという強制動員の事実は、日本の裁判所も認めている。個人の請求権は生きていると。国の立場で駆け引きをするものではなく、被害者の人権に向き合ってはどうか。明らかな人権問題であると理解する必要がある。今がある意味で最後のチャンスだ。

ソウル市龍山区に位置する民族問題研究所と付属の植民地歴史博物館。1991年に設立された同団体は、1万3000余人の会員を持つ大型NGOだ。

(4) 「最後のチャンス」とはどういう意味か。

当事者が生きている間に日本政府がこの問題を解決できる最後のチャンスということだ。慰安婦問題もそう。歴史問題すべてがそうではないが。この問題にフタをして生きるのかという分かれ道だ。フタをする場合は、真の意味での関係改善ができないという本質的な問題にぶつかる。

例えば今、日韓の自治体が多く交流しているが、その中で歴史問題を避けてきた。日の丸と太極旗(韓国の国旗)を掲げて、お互いに未来志向という交流をしてきたが、心の奥の歴史問題を語れなかった。そういう交流は基盤が弱く、すぐに切れてしまう。

私の周囲でも歴史問題を扱う交流は今も途切れず続いている。日中韓の歴史教科書を作るキャンプ、高知の高校生の平和ゼミナールも釜山との間で10年続いている。北海道で強制徴用者の遺骨を発掘する東アジア共同ワークショップもそう。

こうした脈絡で、日本社会にとって歴史問題にしっかり向き合うチャンスであるにもかかわらず、まるで「金をやりたくない金持ちによる、蔑んだ感じ」の対応は、日本社会にとって損なことである。

(5) 韓国の反応も強い。

韓国社会の反応は「反日デモ」でなく、「反安倍デモ」であることがはっきりしている。政治家たちに利用されるナショナリズムには絶対にのっかりたくない。それくらい成熟している。

韓国の人がなぜこれほど怒っているのかを考えてみると、やっぱり昔とは違うというものがある。特に昔は日本が経済的に上だったが、今の韓国の若者にはそんな意識がまったく無い。その代わり過去の歴史による日本に対する偏見もない。日本が好きで旅行に行く人がたくさんいる。

そんな彼らがなぜ怒っているのか。それは日本に無視されていると思うからだ。若者世代は正義感や公正公平に敏感だ。世代間の待遇の差、非正規雇用の問題などは彼らにとって正義に反する問題だ。今回の一連の騒動をきっかけに若者が歴史問題に向き合うことになったという点がある。

歴史認識に根ざした日韓の真の連帯は、20年以上も途切れず続いてきた。8月15日前後には日本から韓国にたくさんの人が来る。安倍政権に一緒に反対するというのは、東アジアの平和を考える上で重要だ。

(6) 文政権の対応はどう評価するか。「(昨年10月末から)8か月間、何をしてきたのか」という声も韓国内にはある。

政府は公式に被害者の声を聞いていない。政府側と接触はあったがそれは非公式なものに過ぎない。「共同行動」でも6月20日に声明を出し、政府を批判した。政府に言いたいことはたくさんある。もう少し見守って、それでも変わらないようならば会見を行うつもりだ。

韓国政府にも責任がある。朴槿恵時代に外交部が徴用工裁判の判決に介入している。1965年に被害者を救済することができなかった点もそうだ。だから本当に被害者を中心において、「外交的惨事」だった2015年の慰安婦合意から学ばないといけない。被害者が求めるものはなんなのか。

政府は被害者に対しずっと何もしてこなかった。その被害者がここまでやっているのだから、政府が正義をもって被害者のことを考えるべきだ。判決がすでに出ているにもかかわらず、日本側と中途半端に妥協してしまう場合、本格的にこんがらがることになる。

※編注:当時、韓国政府は日韓の企業がお金を出し合う「1プラス1」の財団案を発表し、日本政府に提案したが、日本政府は即座にこれを拒絶した。「共同行動」は声明文で、「政府は各界の人士の意見および議論を聴取したとするが、被害者の意見をまったく反映していない」、「2015年の慰安婦合意の失敗をふたたび繰り返す政府に大きな失望を隠せない」、「今からでも強制動員被害者の声に耳を傾け、被害者中心主義に基づくべきだ」とした。(連合ニュースより)

(7) 文在寅政権に望むことは。

今こそ日本政府との対話に全面的に出るべき。また、この問題を解決する平和の同伴者として、市民たちの交流を活発にできるようにしてほしい。対決に進んではいけない。

対話を通して被害者たちの声を生かしていく。朴正煕(パク・チョンヒ、1965年)、朴槿恵(2015年)親子のように下手に政治的決着として妥協しないで、苦難の道でも乗り越えていくべきだ。

また、韓国では歴史問題に関して「慰安婦」、強制連行、在日コリアンの未解決の課題などがたくさんある。これに対し、その都度、臨機応変に対応するのではなく、総括的に解決できる大きな研究調査支援アーカイブを備えた責任ある機関を作るべきだと考える。後の世代のためにも、総合的に歴史問題をあつかう必要がある。国家の品格に関わる問題だ。
(8) 日本側は具体的に今後、どんな解決策を考えることができるか。

11日に東京であった、今回の訴訟に関わる日韓の弁護士が開いた会見でも話をしたが、被告企業と原告側が判決にしたがい、賠償についての協議を始めることが重要だ。この協議によっては、差し押さえている韓国内の被告企業の資産の売却(現金化)を停止することも考えている。日韓両政府はこの協議を支持するべきだ。

(9) 日本の世論では、2015年の慰安婦合意により、まるで日韓のすべての歴史認識問題が「最終的かつ不可逆的な解決」をしたかのような反応だ。2015年の「子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」という安倍談話もある。

慰安婦合意で安倍首相が朴槿恵大統領に電話で謝罪したというのは、謝罪にならない。謝罪というのは受け入れる方の気持ちが大切だ。例えば争いになって手を出してしまったが、当事者でもない人に謝罪しておいて「解決した」という感覚は有り得ないと思う。

安倍首相は被害者に謝罪しないといけない。なぜそれができないのか。そのひと言がなぜ難しいのか。被害者に対しての配慮や人権の感覚が無いと言う他にない。

「慰安婦」の被害者に10億円を出したというが、お金で決着させようとする感覚自体がおかしい。歴史認識問題であるにもかかわらず「不可逆的、完全な解決」という言葉が当然のように使われるというのは、この問題を自分のこととして考えていない証拠だ。

民族問題研究所が2009年に発刊した『親日人名辞典』。日本軍将校出身の朴正煕元大統領などが含まれ、「大日本帝国時代の親日派とは何なのか」という論争を呼んだ。

(10) それでも日本政府や世論の態度を変えるのは難しいと思う。

私も難しいと思う。少し違った視点から見てみたい。日本の場合、国交を結んでいるロシアと中国と韓国、すべての国と国境問題がある。こうした問題はすべて歴史問題から来ている。先の戦争のことを今も解決していないという歴史的な証拠だ。

なぜ沖縄の人々が政府に抵抗しているのか。(基地問題は)戦争の遺産ということだ。毎年、沖縄を訪れる安倍首相がやじを受けるのも、沖縄の基地問題にきちんと対処していないからだ。重く受け止める必要がある。

(11) 韓国は「反安倍」と言い、日本の市民への信頼を寄せるが、日本の世論は想像以上に悪い。

この問題は「65年体制」が何かという問題だ。日本社会の根本にある戦後体制というのが、戦前の、例えば朝鮮人に対する蔑視意識や植民地主義から脱却しているのか自問してみるべきだ。安倍首相はこれが思想的にできていない。

2002年から06年まで日本にいた当時、小泉首相と金正日委員長の日朝平壌宣言から第二次核危機が報じられる様子を見てきた。北朝鮮に対するバッシングは戦前の朝鮮人蔑視、植民地主義のあらわれだと思っていた。それがずっと続いている。北朝鮮の拉致問題、核問題を安倍政権が利用してきている。

それが今は韓国にまで拡大した。以前は、日韓は良い関係に見えたのだが、今はあからさまにヘイトスピーチがなされ、朝鮮学校無償化は止まり、平和の少女像も置けない。愛知(トリエンナーレ)の事件は特に危ないと思う。政治家が過激な発言をし、右翼がそれに乗っかって脅迫をする。

日韓の葛藤を煽る悪意に満ちた報道が流れている。韓国の保守メディアとのつながりも感じる。韓国のデモも「反日デモ」や「親北朝鮮勢力がやっている」と簡単に片付けてしまってはいけない。日本メディアの罪は大きい。

最近では日本の保守派と近い韓国の保守団体も「反安倍デモ」に乗り出している。

(12) 「謝罪」とはどういうものか。

ある自民党議員が「日本政府は世界で『平和の少女像』拡散を防いでいる」と述べたが、そこに使うお金で、それこそ日本の国会内に少女像を作ることも考えられる。

ドイツ・ベルリンの中心にホロコーストの碑などの過去を振り返るモニュメントがたくさんある。あそこまでやっても、ネオナチみたいなのが出てくる。それを踏まえて、ドイツでは『まだ足りない』としている。

日本社会自身のために必要なことだ。日本人の立場では「一生懸命やっているのにいつも足りないと言われる」という気持ちは嫌かもしれない。だが本当の謝罪というのは謝罪してからがスタートだ。

豪州でアボリジニの「盗まれた世代(編注:1910年代から1970年代までアボリジニへの同化政策として子供を親元から強制的にひきはがし、白人家庭の養子にした。被害者は数万人にのぼる。08年政府が謝罪した)」について、首相が国会の前に被害者アボリジニの代表を呼んで、「謝罪は第一歩」と語った。

謝罪をしてその後どうするのかというのが、謝罪の中身を問うものなので、本気かどうか測るものだ。それなのに「不可逆的」などと言うのは日本社会にとっても良くないと思う。逆の立場で考えてほしい。いくら「村山談話を踏襲する」と何百回言っても、安倍首相の行動を見て信じるのか、と。

(13) 韓国では16年末から17年にかけて、朴槿恵政権を倒した「キャンドルデモ(キャンドル革命)」があった。日韓の市民意識の温度差もあるようだ。

その影響はあるだろう。特に、韓国で「司法ろう断」があった。「65年体制」つまり朴正煕(パク・チョンヒ)から始まる日韓の政治権力の「野合の体制」の姿があからさまになった。韓国の司法に政府や外交部が直接介入していた。これこそが「キャンドル革命」の結果、明らかになったものだ。当時の大法院長(最高裁判所長官)の梁承泰(ヤン・スンテ)もこの疑惑で逮捕されている。

だから、去年の大法院判決は「65年体制」による日韓の政治的な結託、言い換えれば朝鮮半島の分断体制、冷戦体制を維持する日米間の軍事同盟が崩れてきた決定的な結果といえる。だから安倍首相があれほどまでに反発するのではないか。

ある日本の知識人は「有り得ない判決」という安倍首相の反応を「怖いからではないか」と説明した。この判決の破壊力はそれほど大きい。危機感があると思う。今さら韓国の方に、韓国が裁判所になんとかしろというのは民主主義、三権分立の問題から難しい。

韓国は市民の力によって三権分立を無視してきた李明博・朴槿恵の勢力をひっくり返した。日本で話題になった「モリカケ」の構造は、「キャンドルデモ」のきっかけとなった崔順実=朴槿恵ゲートとまったく同じと感じる。日本の民主主義が問われているのではないか。

(14) 金さんは長く、市民の目線で国家の問題に相対してきた。日韓の市民は一連の日韓葛藤の中で、どう受け止めればよいのか。

日韓で合わせて1000万人が交流する時代だ。今、観光キャンセルで自治体が打撃を受けているが、日本社会が批判する先は韓国ではなく安倍政権ではないか。被告企業が判決を履行していれば、日本政府が絶対に正しいという立場がなければ、事態はここまでひどくなっていない。

それくらい、日韓の溝が深くなっている。だがこれは、取り戻すことができる。日韓ともにナショナリズムを国内政治に利用すると、いつか問題になる。それほど市民の認識はバカではないということを見せようと、日本の社会に訴えたい。あと今、韓国に来ても危ないというのは一切ない(笑)。

(15) 日韓市民の連帯の未来は。

平和を願う新しい市民の連帯というのがこれから芽生えると思う。日本の若者、市民におおいに期待している。安倍政権が続いて日本は幸せなのか、日本人自身が考えるべき。

また、平和憲法は日本人だけのものではない。朝鮮半島やアジアの人々がどれほど犠牲を払ってできたものかを考えてほしい。結局、植民地主義を乗り越えるというのは、日本の市民一人ひとりが歴史問題と向き合うときに可能になる。それを今、日本社会でも韓国社会でも考えるチャンスが来た。

また、南北がなぜ分断されたのか、そこに日本の責任がないのかも考えてほしい。「関係ない」という歴史修正主義が浸透しているのに危機感を感じる。

(16) 民族問題研究所は、植民地歴史博物館も運営している。日本からはどの程度、観覧客が訪れるのか。

けっこう来ている。全観覧客の10%が日本人だ。毎月100人近くは来ていると思う。述べ1000人を超えている。日本の市民の応援の電話も少なからず来る。「日本に植民地歴史博物館を建てるべき」という話も多い。なお、植民地歴史博物館を建てる際に、日本から1000万円以上の寄付があった。

(17) 最後に、日本の市民にひと言。

繰り返しになるが、東アジアの人権の問題に政治的決着でフタをしてきた歴史が、被害者たちの戦いによってようやくここまで来た。国際人権問題の観点から言っても、国家権力が勝手に個人の権力を消滅させることはできない。

1965年は国に自由にものが言えなかった時代だから、それが可能だったかもしれないが、世界の民主主義の発展の流れとして受け止めたい。だからこそ一方的な力関係でおどかしては絶対に解決できない問題だと思う。

この問題は、日本の市民運動が無ければここまでできなかった。市民たちの連帯があれば、この問題を解決することができる。今本当に必要なのはそこだ。

日本で8月15日前後になると、原爆被害者や戦争被害についての番組で物語が多く語られる。その痛みを交換する気持ちを持ってほしい。同じ場所で苦労した韓国朝鮮の人がいると。

そういう人たちが自分のお爺ちゃん、お婆ちゃんだったら、どう思うのか。

政府間の話し合いではなく、被害者の声に耳を傾けてほしい。映像でも映画でもいいから、直接、被害者に会ってほしい。韓国の水曜デモに行ったり、歴史博物館に行ったり、今だからこそ日本と韓国が親密に交流を深めてほしい。その機会をぜひ作ってほしい。(了)


徐台教-ソウル在住ジャーナリスト。「コリアン・ポリティクス」編集長

群馬県生まれの元在日コリアン3世。韓国・高麗大学東洋史学科卒。1999年から延べ15年以上ソウルに住みながら、人権NGO代表や日本メディアの記者として朝鮮半島問題に関わる。2015年、韓国に「永住帰国」すると同時に独立。2016年10月から半年以上「ろうそくデモ」と朴槿恵大統領弾劾に伴う大統領選挙を密着取材。その過程をまとめた「韓国大統領選2017」が多くのアクセスを集める。2017年5月からは韓国政治、南北関係を扱う日本語オンラインニュース「The Korean Politics(コリアン・ポリティクス)」を創刊し、現在は編集長。ソウル外国人特派員協会(SFCC)正会員。




by asyagi-df-2014 | 2019-08-24 09:45 | 侵略戦争・戦後処理 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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