2019年 08月 16日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月16日

「上大謝名公民館で最大116・7デシベルの騒音を発生させた。琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)の騒音測定では、F35が飛来した11日、普天間第二小学校の室内で最大86・4デシベルの騒音が発生。」、と琉球新報。
実は、この騒音を我慢しろと言ってるのが、日本の国の方針なのだ。
やはり、このままやり過ごすことはできないではないか。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月16日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-F35離着陸 116・7デシベル 普天間第二小室内で86・4デシベル-2019年8月16日 07:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】宜野湾市の米軍普天間飛行場に飛来している岩国基地(山口県)所属のステルス戦闘機F35Bが旧盆中日の14日も離着陸を繰り返した。県と市の騒音測定で午後1時18分、上大謝名公民館で最大116・7デシベルの騒音を発生させた。琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)の騒音測定では、F35が飛来した11日、普天間第二小学校の室内で最大86・4デシベルの騒音が発生。渡嘉敷准教授は『騒音を防音できていない』と指摘した。」
②「14日は、CH53EヘリやMV22オスプレイが航空機騒音規制措置(騒音防止協定)の時間外である午後10時すぎも飛行した。市の基地被害110番には、市民から『騒音でうるさく頭も痛く大変だ』『戦争でも始まるのかと思った』『ずっと飛んでだいぶ迷惑』などの苦情が相次いだ。ウークイの15日は飛んでいない。」
③「県と市の測定で、11日のF35飛来時、普天間第二小に近い普天間中学校で午後0時24分に100・8デシベルを記録。渡嘉敷准教授は、これまで第二小の室外で記録していたが、台風接近に伴い、計器を室内に移動させていた。室内は室外より14・4デシベル低い値だった。渡嘉敷准教授は『ジェット機に対して防音ができていないことを示している』と指摘した。」


(2)琉球新報-終戦の日の靖国神社前で沖縄戦遺骨収集ボランティアが思うこと DNA鑑定実施を沖縄県外で初めて呼び掛け-2019年8月15日 18:28


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】戦後74年が経過しても、戦争で亡くなった親族の遺骨が戻っていない遺族は多い。帰ってきた骨つぼにあったのは砂だったという人も少なくない。沖縄戦遺骨収集ボランティア『ガマフヤー』代表の具志堅隆松さん(65)らボランティア約10人が終戦記念日の15日、東京都の靖国神社や千鳥ケ淵戦没者墓苑周辺で、戦地で収集された遺骨と遺族のDNA鑑定を実施することで遺骨が見つかって戻ってくるかもしれないと呼び掛けた。県外で戦没者遺骨のDNA鑑定実施を知らせるチラシを配布したのは、今回が初めてとなる。」(滝本匠)
②「『戦争で亡くなった方のお骨ってどうなったと思われます? 70年たっても残っているの?と思われるでしょう。今を生きる私たちに見つけてもらうのを待っています』。具志堅さんに賛同した千葉県在住のボランティアは『戦没者遺骨を家族の元へ』と書かれたボードを胸に掲げ、行き交う人々にそう呼び掛けた。」
③「具志堅さんは、今回県外での告知行動を初めて実施したことについて『県外出身者の遺族たちにとって、沖縄戦で亡くなった人のDNA鑑定が始まっているということすら、ほとんど知られていない。もう遺族にとっても残された時間がない。県外に住む遺族にDNA鑑定に参加できるんだと多く知らせてほしい』と話した。」
④「これまで国が収集してきた遺骨が保存されているが、照合する家族からの申し出がないと、そもそも同定には至らない。遺族の高齢化が進む中、DNA鑑定の周知が足りないとの焦燥感が具志堅さんを駆り立てる。今回は沖縄戦に限定せず、ニューギニア島など南方で戦没した人の遺族も対象としており、南方で親族を亡くした遺族からの問い合わせに具志堅さんは丁寧に応じていた。16日は沖縄で集団申請に集まった84人の名簿を厚生労働省に提出する。」
⑤「沖縄戦で祖父小谷野仙吉さんを亡くした永井真紀さん(48)は既に沖縄で集団申請に署名した。ひ孫まで鑑定の対象になると聞いて、この日は長女の名前も登録、真紀さんの妹の柿沼奈保さん(46)も署名した。『どんな亡くなり方をしたのか知りたくて』。遺族の思いは募る。」
⑥「厚労省は2003年度から戦没者遺骨のDNA鑑定を実施している。沖縄県内で収集され、身元が特定されたのは県外出身者の軍人5人だけ。同省は、県が火葬せず保管する約700体と、県内の慰霊塔・碑内に残る遺骨も鑑定対象に広げる方針だ。」
⑦「終戦記念日に靖国神社周辺を訪れたのは初めてという具志堅さん。『沖縄だとどこでもお香がかおって、物静かで沈痛な雰囲気があるが、なんだか、祭りのような感じ』と沖縄の慰霊の日との違いを感じる。軍服に軍刀をささげた人や、日の丸をあしらった服を身につけた人、拡声器で警備の機動隊員をののしる団体、チラシを配布する宗教団体の女性にくってかかる男性―。」
⑧「靖国神社前の配布の隣で、『国の誇りを』などと声を上げる団体を横目に具志堅さんは『戦争や犠牲者に対する見方が沖縄と違う。なんだか、過去の戦争に至る経緯は間違っていなかったというような感じに覆われて、日の丸に埋没しそうな気持ちになる。国家の国民に対する戦争責任が問われず、国民に課した犠牲が追認されているような気分になる』と懸念の表情を浮かべた。そして『ちょっと息苦しいね』とつぶやいた。」
⑨「それでも、戦後の記憶が風化していくと言われる中で『これだけの人が来るんだ』と驚きも感じる。『その向き合おうとする意思は、哀悼の意を表すために来ているんだろうけれど、【英霊】というような言い方でたたえるのではなく、最大限尊重しながらも、それを平和の方向へ向けるようにできればいいが』と話し、大声でやりあう人たちを悲しげな表情でみやった。」


(3)沖縄タイムス-幼稚な国家像 浮き彫りに 芸術擁護は未来への責任 「表現の不自由展・その後」の中止問題-2019年8月15日 18:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「『あいちトリエンナーレ2019』における、展示された美術作品で『慰安婦』、『「昭和天皇』といった、センシティヴになりがちな表象をめぐって、インターネット上での『炎上』や、当該芸術祭実行委員会事務局への脅迫をほのめかす電話やFAXなどのクレーム、さらにそれに乗ずるように、いくつかの地方自治体の長は表現規制を促す発言を公的に行い、あるいは政府官房長官は文化庁を通じて芸術祭に投じられた助成金の撤回をほのめかした。」

土屋誠一氏(沖縄県立芸大准教授)
②「このような破廉恥極まりない動向が、渦を巻いている。私は当該芸術祭を未見であるが、ニュースを見るにして既に、心底憂鬱(ゆううつ)である。敗戦後日本において、まともな民主主義的社会を成立させることに失敗したこと、加えて、20世紀から敗戦にまで至る、周辺地域への拡張主義的侵略について、その反省をも失敗した、この二つの失敗が露呈した、ということが、今回の騒動の根本であるように思う。」
③「このことは、本土からの沖縄に対する、今日も基地問題が典型であるような不当な扱いを日々見聞きする、沖縄で日々の生活を営んでいる私たちには、うんざりするほど見慣れた構図ではある。しかし、見慣れているからといってその深刻さは低減するわけではなく、むしろ、より危機的状況へと高まっているように思われる。」
④「まず、端的に言って、『慰安婦』や『昭和天皇』の戦争責任については、その事実性を受けとめた上で、繊細に議論を継続しない限り、近隣諸国との友好的な外交など期待できないということを認めるべきだ。慰安婦制度など存在しなかった、太平洋戦争は『正しい』戦争であったがゆえに、天皇には責任がない、などといった繰り言を反復して、『美しい国』としての日本に、自らのアイデンティティーを仮託することは、いいかげんやめたほうがいい。このような、歴史的事実に対する過剰な『否認』は、単なるナショナルな心情に基づく『反動』以外のなにものでもなく、諸外国から見れば幼稚な国民による幼稚な国家にしか見えないのは明らかだ。海外からの視点に立ってみれば、幼稚な国などに信頼を寄せないのは当然であり、国益(などという言葉は個人的には好まないが)を自ら損なうのは自明であろう。」
⑤「この、改めて論じるまでもないはずのことを、再び言わなければならないことに、やはり憂鬱を禁じ得ない。以上のような否認が激化し、正当であるとすら認識されつつある状況において、例えば沖縄戦を主題にしたり、あるいは米軍基地への批判的な視点を主題にしたりする作品(の多様な実践の蓄積を、各芸術ジャンルにおいて、既に持っているわけだが)が展開される場合、戦後補償や日米安保に基づいて『国の都合』が悪いと判断されれば、国や地方自治体であれ民間であれ、『公開を差し控える』としても差し支えないことが常態化する可能性を、強く危惧する。」
⑥「そもそも、芸術表現に込められた政治的態度表明に対して、国や自治体のような公的機関であれ、民間組織であれ、表現の場を封殺する、あるいは、資金的な援助を打ち切ることをチラつかせるなどといった威嚇を行うことは、既に各所で指摘されているように、いわゆる『表現の自由』に抵触することはもちろんのこと、鑑賞する市民の自発的な判断能力に信を置かない傲慢(ごうまん)さのあらわれですらある。だが、実体があるかどうかもさだかでない『美しい日本』にアイデンティティーを仮託しなければならないほど、今日の日本人は自信を喪失し、憤懣(ふんまん)を溜(た)め込んでいるのもまた、事実であろう。そのような『空気』に、芸術は圧殺される。」
⑦「けれども、そもそも芸術とは、即自的な理解や是非とは、いささか異なる位相にあることを、改めて想起したほうがいい。古代、そこまでいかずとも数百年前の造形物や文芸などに、なぜ今日の私たちが関心を寄せるのか。そこには『歴史のお勉強』や『教養』という実利だけでは説明ができない、いわば『理解しきれないもの』が豊富にあるからだ。芸術には、創造者自身も予想もしなかった数百年後を生きる人間にまで届いてしまう力がある。逆に言えば私たちには、今日生産される芸術作品を、未来を生きる人間に届けなければならない責任があるのであり、ゆえに拙速に『~は駄目なので排除する』という判断はしてはならないということだ。私たちは芸術に対し、もっと謙虚であったほうがいい。」
⑧「以上のことは、芸術の生産者や愛好家だけにかかわる問題ではない。なぜなら、芸術の営みもまた社会を構成する一要素である以上、愛好者の専有物ではないのであり、ゆえにそれらは可能な限り広く人々に開かれていたほうが合理的であるからだ。そのことで芸術が論争を引き起こしたり、貨幣やビジネス上の教養のような計量可能な価値として使用されたりすることもあろうが、芸術を擁護するということは、今日を生きる私たちが、未来に対する責任を負っていることを自覚することにあるのであり、このことを欠いては私たちの子の代、孫の代から『その時代の人間は幼稚であった』との誹(そし)りを受けても致し方ないことは、改めて認識しておくべきことだろう。」
⑨「つちや・せいいち 1975年神奈川県生まれ。県立芸大准教授・美術批評家。専門は近・現代美術史、写真論、視覚文化論。共著書に『批評 前/後』、『現代アート10講』など。」
⑩「国際芸術祭『あいちトリエンナーレ2019』の企画展『表現の不自由展・その後』が中止になった。7月には札幌市で安倍晋三首相の街頭演説にやじを飛ばした市民が警察官に排除される出来事も。表現の自由が脅かされる現状を沖縄から考える。2人の識者に寄稿してもらった。」


(4)琉球新報-陸自ヘリからファイル落下  那覇上空を飛行中  150グラムのA4ファイル-2019年8月16日 11:19


 琉球新報は、「15日午後4時48分ごろ、那覇市の漫湖付近上空を飛行していた陸上自衛隊のUH60ヘリから、重さ150グラムのプラスチック製A4ファイルが落下した。陸自によると、けが人などの被害は確認されていないという。陸自によると、落下させた場所は那覇空港北東約4・3キロの漫湖付近上空。UH60ヘリは陸自木更津駐屯地(千葉県)を本拠地とする第1ヘリコプター団所属で、通常の飛行訓練で那覇基地に戻る途中だった。ファイルは飛行の要領などの資料をまとめたもので、副操縦士が取り出した際に落としたという。」、と報じた。


(5)琉球新報-米軍、津堅沖できょう降下訓練 今年すでに6回実施-2019年8月16日 10:49


 琉球新報は、「【うるま】米連邦航空局は15日、米軍が16日午後7~10時に沖縄県うるま市の津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施するとの航空情報(ノータム)を発表した。同水域での訓練は今年既に6度実施されている。沖縄防衛局から15日に連絡を受けた県は同日、訓練中止を米軍に働き掛けるよう防衛局に申し入れた。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-米国防権限法にフッ素化合物規制案 基地の汚染浄化を義務づけ 沖縄の基地周辺からも検出-2019年8月16日 17:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】米国防予算の大枠を定める2020米会計年度(19年10月~20年9月)国防権限法案の上下両院案に、人体に有害な高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)の使用規制や汚染浄化を義務付ける条項が盛り込まれている。PFASにはPFOSやPFOAも含まれる。9月の休会明けの両院協議会で一本化される見通しだが、トランプ米大統領は下院案に拒否権を行使する構えも見せている。」
②「上院案は、米環境保護局(EPA)に飲料水の安全基準値の設定や、PFASの汚染浄化に関する具体的手順を定めるよう要求した。」
③「下院案は、浄化責任をより厳格に問うために、米環境保護局に1年以内にPFASを汚染の関係者に対策や修復費用の負担を求めるスーパーファンド法の適用対象物質に指定するよう要求。PFASが含まれている泡消化剤の軍事使用の25年までの段階的廃止、国防総省に米軍基地・施設周辺で農業目的で使用される飲料水・農業用水の汚染浄化などを定めている。」
④「下院案が通れば、国防総省は汚染浄化費として少なくとも約20億ドル(約2100億円)の支出が義務付けられるとの試算もあることから、米議会では一本化は難航するとの見方も多い。」
⑤「沖縄県内でも嘉手納基地や普天間飛行場の周辺から、PFOSなどが検出され、米軍の責任や飲料水の基準値策定を巡る議論が高まっていて、米国議会の動向が注目される。」


(7)沖縄タイムス-遺骨返還訴訟中 日本人類学会が琉球人の遺骨、京大の保管継続を要望 原告は反発-2019年8月16日 16:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「京都大学が保管している琉球人の遺骨の返還訴訟をを巡り、日本人類学会(篠田謙一会長)は15日までに、古人骨は国民共有の文化財として保存・継承され、研究に供与されるべきだなどとする資料管理の3原則をまとめ、原則に沿った対応を求める要望書を京都大側に提出した。」
②「原告の1人で琉球民族遺骨返還研究会代表の松島泰勝・龍谷大教授は『係争中の民事訴訟に日本人類学会という学術団体が被告側の立場で介入している』と反発している。」
③「3原則では、国内の遺跡や古墓などから収集・保管されている古人骨は、その地域の先人の姿、生活の様子を明らかにする学術的価値を持つと指摘。保管機関は資料の由来地を代表する地方公共団体との協議で適切な管理方法を検討し、資料が移管される場合は、研究資料としての保存・継承と研究機会の継続的な提供を合意内容に含めるべきだと提起している。」
④「政府による特別な施策の対象となっているアイヌの人たちの骨や民法で定義されている祭祀(さいし)継承者が存在する骨は含まないとしている。松島教授は『(遺骨が持ち去られた百按司墓は)第一尚氏の祖先を祭っているだけでなく、広く琉球の人にとっての巡礼の地で信仰・祭祀の対象となっている聖地。信仰・信教の自由に関わる重大な問題』と話した。」



by asyagi-df-2014 | 2019-08-16 18:24 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄からの二つの訴訟。

沖縄からの新たな動きについて、沖縄県の二紙を追っているつもりでも、確かに複雑になってしまっていて、わかりづらいところがある。
今回も、「7月に提起した関与取り消し訴訟」(7件目)と「8月に提起した新たな訴訟の抗告訴訟」(8件目)、と説明される。
 ただ、そうこうしていると、沖縄の二紙からは、詳細な解説や社説が必ず出される。
 したがって、今回の沖縄からの訴訟について、沖縄の二紙で考える。
まずは、「抗告訴訟」について、琉球新報(以下、「新報」)は2019年8月9日、「辺野古で新たな訴訟 撤回の正当性巡る審理を」、と論評した。
 「新報」の指摘は、次のものである。


(1)名護市辺野古の公有水面埋め立て承認の撤回を取り消した国土交通相の決定は違法だとして、県は国の裁決の取り消しを求める抗告訴訟を那覇地裁に提起した。故翁長雄志前知事による承認撤回の適法性が、初めて司法の場で正面から問われる裁判だ。
(2)仲井真弘多元知事が「県外移設」の公約を翻して国の埋め立て申請を承認したのは2013年。申請時の国の説明とは異なる事態が現在までにいくつも生じている。最たるものが大浦湾側に広がる軟弱地盤だ。
(3)海底の地盤が軟らかく、現行の工法では埋め立て後に地盤沈下や液状化が起き、建造物が傾く恐れがある。防衛省はボーリング調査で把握していながら、今年1月まで軟弱地盤の存在を隠してきた。
(4)政府は地盤を強化する改良工事で対応する方針だが、国内には最大で深さ70メートルを施工できる作業船があるだけで、最深部で海面から90メートルに達する大浦湾の軟弱地盤は改良工事の実績がない。工期の長期化や費用の増大がどうなるのかいまだに見通せない。
(5)仲井真県政時の埋め立て承認に際して県は「工事の実施設計について事前に県と協議を行う」と留意事項に記載していた。沖縄防衛局は事前協議が完了しないうちに、汚濁防止膜の海上設置や護岸工事を進めてきた。
(6)県は軟弱地盤や活断層など承認後に発覚した問題と、留意事項違反を根拠に、埋め立て承認の撤回を決めた。


 この抗告訴訟について、「政治的権力の干渉を排除した司法の場で、公正な判断が示されるべきだ。」「裁判官は独立し、いかなる国家機関からも指揮命令を受けることはない。民主主義や地方自治を支える司法の存在意義を示してもらいたい。」、と「新報」は次のように断じる。


(1)工事を止められた防衛省は同じ内閣の国土交通相に救済を申し立て、国交相は防衛省の言い分通りに撤回の効力を取り消す裁決を下した。昨年12月に海域への土砂投入を始め、移設計画の既成事実の積み上げを急いでいる。
(2)「身内」の手続きで撤回を無効にした国の法律論は違法ではないのか。撤回を主張する県の正当性を裁判所はどう見るのか。政治的権力の干渉を排除した司法の場で、公正な判断が示されるべきだ。
(3)これまでの裁判での国側の主張を踏まえると、県の訴訟資格を争う入り口論に終始することが懸念される。裁判所まで県の訴えを「門前払い」にして実質的な審理を避けるのなら、時の政権への迎合にしか映らない。
(4)埋め立て承認の撤回方針を表明した翁長氏が直後の昨年8月8日に急逝した後も、権限を委任された謝花喜一郎副知事らが撤回手続きを完遂させた。今年2月の県民投票では投票者の7割超が埋め立てに反対した。撤回の判断を、多数の県民が支持していることが証明された。
(5)日本政府が米国との約束を絶対視して沖縄の民意を顧みることがない中で、県民が司法に望むのは、承認撤回の中身に立ち入った審理だ。
(6)裁判官は独立し、いかなる国家機関からも指揮命令を受けることはない。民主主義や地方自治を支える司法の存在意義を示してもらいたい。


 確かに、この抗告訴訟の一番の懸念は、「これまでの裁判での国側の主張を踏まえると、県の訴訟資格を争う入り口論に終始することが懸念される。裁判所まで県の訴えを『門前払い』にして実質的な審理を避けるのなら、時の政権への迎合にしか映らない。」、ということにある。


 さて、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2019年8月8日、「国土交通相の裁決取り消し求める二つの裁判 抗告訴訟と関与取り消し訴訟の違いは 訴える資格の有無が焦点」、と報じている。
沖縄からの二つの裁判について、「タイムス」は、「名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が国との8件目となる新たな訴訟を提起した。今回の抗告訴訟、7月に提起した関与取り消し訴訟は、いずれも県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決の取り消しを求めているが、論点やメリットは異なる。」、と説明する。
 また、この辺野古を巡る二つの訴訟の比較を示す。


(抗告訴訟)
(1)抗告訴訟では県に訴える資格(出訴資格)があるか、主観的な利益があるかなどの入り口論を、裁判所が認めるかが第1の焦点となる。資格が認められれば、県による撤回の適法性を巡る具体的な審理に入ることになる。昨年8月の撤回以降、適法か違法かの司法判断は示されていない。
(2)国交相の撤回取り消し裁決を不服として県が審査を求めた国地方係争処理委員会の判断は、県の申し出は審査の対象外とする入り口論にとどまっている。県は抗告訴訟で具体的な審理に入った場合のメリットとして、埋め立て承認後に発覚した軟弱地盤の問題などを指摘し、撤回の適法性を主張できる点を挙げている。

(関与取消訴訟)
(1)7月に提起した国地方係争処理委員会の判断を不服とする関与取り消し訴訟は、別の意味合いを持つ。県は国交相の裁決は「違法な国の裁決』であり、訴訟で取り消せると主張している。地方自治法によると本来、今回のような国交相の裁決は訴訟の対象にならない。そのため「違法であれば訴訟の対象になる」という入り口論で県の主張が認められれば、すぐさま県の勝訴になる。
(2)訴訟の期間は、抗告訴訟が地裁に提訴するため高裁、最高裁へと発展した場合に確定判決まで時間がかかる。関与取り消し訴訟は高裁からスタートするため、抗告訴訟に比べて司法判断が早く示される可能性が高い。


 また、この7月の「関与取消訴訟」について、「タイムス」は2019年7月18日、「沖縄県が国を提訴 『辺野古』を巡り7度目 埋め立て承認撤回の取り消しに不服 玉城知事『政府の自作自演』」の記事の中で、「県は辺野古を巡る別の『抗告訴訟』も検討。行政事件訴訟法によって権力に対する不服を主張し、国交相の裁決の取り消しを求める考えで、7月中にも那覇地裁に訴えを提起する。」、と伝えていた。



by asyagi-df-2014 | 2019-08-16 07:25 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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