2019年 08月 05日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年8月5日

 女性の困難な戦後の姿を、「戦後、沖縄に引き揚げてからも、母が被爆について語ることはほとんどなかった。ただ8月になると、言葉少なに振り返るつらそうな表情が忘れられない。約7万4千人の死者を出した長崎の惨劇は、小中学生のころに本や絵で学んだ。強く印象に残ったのが、被爆者への差別や偏見のすさまじさ。原爆の話は、避けるようになった。米軍統治下の沖縄は本土より約10年遅れで旧原爆医療法が準用され、67年に被爆者健康手帳の交付が始まった。母や伯母ら親族はすぐに取得したが、女性は『絶対に受けたくない』と取得を拒んだ。」、と沖縄タイムスは伝える。
日本という国は、果たして人権を尊重してきた国だっただろうか。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年8月5日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-沖縄産のカカオ豆からチョコ作りに挑戦 コーヒー栽培にヒント 千葉から移住の男性 「絶対諦めない」-2019年8月5日 05:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「千葉県出身の川合径さん(41)が沖縄・大宜味村田嘉里でカカオ栽培に取り組んでいる。来年冬に初の収穫を迎え、2021年にも自身で育てたカカオ豆から作った“やんばる産チョコレート”を販売する予定。今年4月には国頭村浜でチョコレート専門店をオープン。『地域だからできるものづくり』をモットーにやんばるを盛り上げようと奮闘する。」(北部報道部・當銘悠)
②「川合さんは16年4月に大宜味村へ移住して『オキナワカカオ』というブランドを設立。二つのビニールハウスでカカオ豆の栽培を手掛けている。カカオ豆の収穫までに3~4年を要するため、現在は海外からカカオ豆を仕入れている。一般的にチョコレート製品を作る場合、製菓用の『クーベルチュール』を使用するが、同店は原材料の特徴を生かすためカカオ豆の加工からチョコレートになるまで一貫して行う『Bean to Bar』製法を採用する。大宜味産の沖縄シナモン(カラキ)やシークヮーサー、泡盛など地元食材と組み合わせ、滑らかな口当たりが特長だ。」
③「川合さんは11年から13年にかけて、妻と子どもが住んでいた沖縄に何度も足を運ぶ中、沖縄でコーヒーブランド設立を目指す人と出会い、国内での栽培が珍しいカカオ豆に目をつけた。『コーヒーと栽培条件が似ているカカオも栽培できるのでは。沖縄でカカオのブランドを作ったら面白いだろうな』。会社勤めを辞め、大宜味村に移った。」
④「大学の農学部出身だが、カカオ栽培もチョコレート作りも初めてのことばかり。焙煎(ばいせん)の温度や食材とチョコレートの配合がうまくいかず試行錯誤を繰り返し、現在の製品の形になるまでに10カ月ほど要した。苦労も多いが、『絶対諦めない』と決意は固い。生産から販売までを一貫して行うことで一つの産業として確立させたい考えだ。」
⑤「チョコレート専門店『OKINAWA CACAO FACTORY&STAND』は山原工藝店、ローソン浜店隣にあり、営業時間は午前11時~午後5時。チョコレート(550円~)のほか、ドリンクや黒糖ジェラートのチョコソース掛けなどがある。インターネットでも販売している。川合さんは「素材を正直に生かしたチョコレート。やんばるを味わいに来てください」と呼び掛けた。問い合わせは同店、電話050(5241)8152。」


(2)沖縄タイムス-「原爆が憎い 核廃絶を」宜野湾の76歳女性 差別恐れ被爆の事実隠し暮らす-原爆忌74年に思う 沖縄の被爆者たち(1)-2019年8月5日 14:30


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「『あんな戦争さえなければ…』。宜野湾市の女性(76)は、声を震わせながら真新しい被爆者健康手帳を見つめる。74年前、長崎に原爆が投下された時は2歳。記憶はほぼないが、本やメディアで惨状を知り、差別や偏見を恐れて被爆の事実を隠すように生きてきた。夫(75)にも苦しみを明かせず、手帳をようやく取得したのは今年2月。『被爆者の痛みは癒えない。原爆が憎い』。胸の内を初めて語り、核廃絶を訴える。」
②「1942年、長崎市大浦町で生まれた。父は徴兵されビルマで戦死。母は宮古島出身で、後に沖縄から疎開した自分の妹ら親族を呼び寄せ共に暮らしていた。45年8月9日の原爆投下時は、爆心地から約6キロの市上戸町の自宅にいた。身内にけが人はなく、翌日から母と伯母は被害の激しい宝町や寿町に出掛け、遺体の処理や救護に携わったと聞いた。『私をおぶって死体の上を歩いたとか、焼け跡から食糧を集めたとか。あまり話さず、本当に大変だったと言うぐらいだった』」
③「戦後、沖縄に引き揚げてからも、母が被爆について語ることはほとんどなかった。ただ8月になると、言葉少なに振り返るつらそうな表情が忘れられない。約7万4千人の死者を出した長崎の惨劇は、小中学生のころに本や絵で学んだ。強く印象に残ったのが、被爆者への差別や偏見のすさまじさ。原爆の話は、避けるようになった。」
④「米軍統治下の沖縄は本土より約10年遅れで旧原爆医療法が準用され、67年に被爆者健康手帳の交付が始まった。母や伯母ら親族はすぐに取得したが、女性は『絶対に受けたくない』と取得を拒んだ。」
⑤「実際に偏見や差別にさらされた体験はない。ただ、幼少期に刻まれた恐怖心は拭うことができなかった。保育士として働き、研修で何度か長崎へ行く機会はあったが、原爆資料館には『涙が出て立ち寄れなかった』。心境に変化が現れたのは最近だ。被爆した過去に目を背けようとしても、長年つきまとう原因不明の目まいや吐き気。年を重ねる中で『現実を受け止めて、戦争や原爆の悲劇を繰り返さないように祈りたい』と考え始めた。」
⑥「母は2001年8月9日に他界。伯母のうち1人は子どもを出産直後に死去し、残る1人は最近、脳梗塞で倒れた。いずれも被爆の影響かははっきりしないが、人生に影を落としたのは間違いない。『とにかく望むのは核廃絶。戦争さえなければ、こんなに苦しまないでよかったはず』」(社会部・新垣玲央)
⑦「広島と長崎で被爆し、被爆者健康手帳を所持する県内在住者は3月末現在で132人。記憶の継承が課題となる中、沖縄の被爆者はどう生き、原爆忌74年に何を思うのか取材した。」


(3)琉球新報-直接請求は有効?消滅? 石垣陸自配備 住民投票 市と「求める会」 条例解釈巡り平行線-2019年8月5日 11:15


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡り、市内有権者の約4割が署名した直接請求の有効性について議論が起きている。直接請求は市議会に否決されたものの、4分の1以上の署名で市長に住民投票実施を義務付ける市住民自治基本条例も存在し、その条例の解釈が分かれているためだ。7月29日には条例の解釈について市住民投票を求める会が市役所で中山義隆市長と面談したが、議論は平行線をたどった。」
②「自治基本条例28条では有権者の4分の1以上の署名で住民投票の請求があった場合、『市長は所定の手続きを経て、住民投票を実施しなければならない』と規定している。住民投票を求める会は昨年、有権者の4分の1を大きく上回る1万4263筆の署名を集め、住民投票を直接請求した。」
③「ただ『所定の手続き』の具体的内容が定められていない不備があることから、有権者の50分の1以上の署名と議会の議決が必要とする地方自治法74条に基づいて請求し、市議会が今年2月に条例案を否決した経緯がある。一方、条例の逐条解説では条例28条の請求を『地方自治法74条に基づくものの一つ』と位置付け『市民からの請求を拒むことはできない』としている。」
④「求める会は逐条解説を根拠に、地方自治法の請求でも条例上での効果は生じており、議会が否決しても4分の1以上の署名がある請求の実施は拒めないとして、市長には住民投票の実施義務があるとの見解を示す。一方で市側は効力は消滅したとの立場だ。29日の面談で中山市長は、地方自治法で請求され、同法に基づく手続きで議会が否決したとして『地方自治法で(直接請求の)処理は終わっている』と説明。『申請されたことと違うことを行政がして良いのか。法律に準拠して動かなければならないのが行政だ』と強調した。」
⑤「市の担当者は条例に不備があることから『逐条解説通りの条例になっていない』とする。住民投票を求める会の金城龍太郎代表は『手順は大事だろうが、市民が求めていることを反映するのが行政ではないか』と市の姿勢に疑問を呈した。」




by asyagi-df-2014 | 2019-08-05 17:55 | 沖縄から | Comments(0)

国民一人一人が人種差別撤廃条約などの趣旨に理解を深め、差別を断固許さない社会を。

 琉球新報は毅然として、「弁護士に対する懲戒請求制度を、差別の手段として悪用、乱用する行為は許されない。」、と世に問う。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年7月31日、「弁護士への懲戒請求 差別許さぬ社会築きたい」、社説で訴えた。
弁護士に対する懲戒請求制度を、差別の手段として悪用した事件についてである。
 「新報」は、事実関係を次のように指摘する。


(1)全国各地の弁護士が2017年、インターネット上の特定のブログの呼び掛けに賛同した人々から、計約13万件に上る懲戒請求を受けた。発端は日本弁護士連合会や各地の弁護士会が16年に発表した朝鮮学校への補助金停止に反対する声明にあったという。等しく教育を受ける権利の保障を訴えた声明が懲戒対象になるとは、あぜんとするほかない。」
(2)異様なのは声明に関わった弁護士以外にも懲戒請求が出されたことだ。名前だけで出自を推測して請求したケースがある。自己の意思で変えられない出自を理由に攻撃対象とする卑劣な差別意識の表れである。
(3)弁護士は人権擁護と社会正義の実現を使命とし、弁護士会には自治権がある。資格審査、組織運営、弁護士の懲戒権と幅広い権限を有する。いかなる権力にも屈しないために自由で独立した職権の行使が保障されるのは自治権あるがゆえだ。
(4)懲戒請求は相談者や依頼人、関係者に限らず、誰でも請求できる。『品位を失うべき非行』が対象だ。強制加入団体である弁護士会で、最も重い除名処分となれば弁護士活動はできなくなる。」
(5)懲戒請求を呼び掛けたブログには書式が用意され、これに応じた読者が、見ず知らずの弁護士名が記載された書面に記名、押印するケースが多かった。制度が安易に悪用され、大量の懲戒請求に至ったようだ。」
(6)沖縄弁護士会も昨年7月、961件の懲戒請求が出されたことを明らかにしている。「事実に基づかない不当な請求。懲戒請求制度の乱用」と抗議する会長声明を発表した。


 また、「新報」の指摘は続く。


(1)全国では、根拠もなく懲戒請求を送りつけた人に対する訴訟が起きている。
(2)札幌弁護士会の弁護士3人の元にも全国の960人から同一文面で懲戒請求が届いた。「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、推進する行為は確信犯的犯罪行為」などと記されていた。3人は8月中にも北海道内の請求者52人を相手に損害賠償を求める訴訟を起こす。
(3)出自を理由として懲戒請求された弁護士の訴訟では東京高裁が5月に「人種差別」性を認定し賠償を命じた。幸福追求権や平等原則などあらゆる憲法秩序を破壊するにも等しい請求である。当然の判決と言えよう。


 「新報」は、最後に、「東京地裁の6月の判決では人種差別撤廃条約を初適用し差別を認定した。同条約は国連総会で1965年に採択され、日本も95年に加入した。弁護士だけの問題ではない。社会を差別などによって分断するような動きはネット上をはじめ、常に潜んでいる。国民一人一人が人種差別撤廃条約などの趣旨に理解を深め、差別を断固許さない社会を築きたい。」、と世に訴えるのである。


 確かに、世界を覆うのは、基本的人権の尊重を脅かす事例ばかりである。
 しかし、だからこそ、闘うことの意味は確実にある。



by asyagi-df-2014 | 2019-08-05 07:00 | 人権・自由権 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る