2019年 07月 28日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年7月28日

 またもや、この国の首相のにやけた得意顔が浮かぶ。
しかし、結論はすでに出ている。
「米軍が基地外で事件・事故現場への日本側立ち入りを規制する根拠は何か。日米地位協定17条10項は、米軍が基地内では排他的管理権を持つが、基地外では日本当局との取り決めに従い、日本側に連絡しながら捜査することを義務付ける。実態はそうなっていない。その理由は1960年、安倍晋三首相の祖父である岸信介首相が実現した安保改定にさかのぼる。占領以来の既得権益を守りたい米国と、形だけでも主権を担保したい日本は、日米地位協定と同時に合意議事録を結んだ。その結果、17条10項に関して、日本当局は『所在地のいかんを問わず合衆国軍隊の財産について、捜索、差し押さえまたは検証を行う権利を行使しない』ことが決められる。」、と沖縄タイムスは押さえる。
結局、「指針の最大の問題点は、民間地であるにもかかわらず、主権国家であるはずの日本側に事故現場への立ち入りで制限が残っていることだ。日本政府は『迅速かつ早期な立ち入り』を無条件で勝ち取り、主権を回復する必要があるのではないか。」(沖縄タイムス)ということに尽きる。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年7月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-識者評論 日本の立ち入り なお米軍の裁量次第 米軍機事故新ガイドライン 山本章子琉球大講師-2019年7月26日 18:25


①「基地外で起きた米軍関係の事件・事故現場に日本側が自らの判断で立ち入れないという問題は、ガイドラインの改定によって何一つ解決されていない。」
②「日本政府が成果として強調する内周規制線内への早期立ち入りの実現は、米側の努力義務にすぎず、米軍の許可がなければ日本当局が立ち入れない状況は変わらない。立ち入れる人間を事前に決めておくことで立ち入りが迅速になるというが、手続きの改定と立ち入りの実現は別の問題だ。」
③「むしろ、事件・事故発生後の米軍の現場立ち入りが、従来は日本政府から『事前の承認を受ける暇がないとき』に限られていたのに、改定後は常に日本側の『事前の承認なくして』立ち入れるようになったという点で、改悪ともいえる。」
④「米軍が基地外で事件・事故現場への日本側立ち入りを規制する根拠は何か。日米地位協定17条10項は、米軍が基地内では排他的管理権を持つが、基地外では日本当局との取り決めに従い、日本側に連絡しながら捜査することを義務付ける。実態はそうなっていない。その理由は1960年、安倍晋三首相の祖父である岸信介首相が実現した安保改定にさかのぼる。占領以来の既得権益を守りたい米国と、形だけでも主権を担保したい日本は、日米地位協定と同時に合意議事録を結んだ。その結果、17条10項に関して、日本当局は『所在地のいかんを問わず合衆国軍隊の財産について、捜索、差し押さえまたは検証を行う権利を行使しない』ことが決められる。」
⑤「日米地位協定は国会で審議されたが、合意議事録は国会に提出されなかった。岸内閣は、国民の目から隠れて日米地位協定の規定を形骸化したのだ。合意議事録がある限り、問題は解決しない。」(安全保障論)


(2)沖縄タイムス-「迅速化」に程遠く 米軍機事故新ガイドライン 米、現場の捜査権温存 民間地の規制残る-2019年7月26日 18:15


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「日米両政府が改定した、民間地での米軍機事故対応のガイドライン(指針)は、事故現場への立ち入りに米側の同意が必要だという旧指針からの根本的な課題を解決していない。米側の同意を『期待する』(政府関係者)しかないのが現状で、実際の運用で日本側の主権が骨抜きにされる懸念は拭えない。」(東京報道部・又吉俊充)
②「新指針は、米軍機事故の調査に関する管轄権に『影響を与えない』との文言を新設している。米側が日本側の立ち入りを巡る表現で一定の譲歩をしたが、事実上独占してきた捜査権は、手付かずで温存した格好だ。」
③「日本側は引き続き、米側の許可がなければ必要な捜査をできない。米軍が事故機の残骸を撤去する場合は、防衛局を通して土地の所有者と調整する、との項目も前進に見える。しかし『財産の状態に重大かつ悪い影響を与える可能性』があり、なおかつ『他の対応が必要な場合を除き』との条件が付く。」
④「想起されるのは、2017年に東村高江で起きた、米軍ヘリの不時着・炎上事故。事故機の下にあった土壌を、米軍が地主の許可なく運び出した。ヘリに搭載していた放射性物質による土壌汚染の物証が失われた可能性がある。新指針はかえって、高江のようなケースにお墨付きを与える根拠になりかねない。」
⑤「指針の最大の問題点は、民間地であるにもかかわらず、主権国家であるはずの日本側に事故現場への立ち入りで制限が残っていることだ。日本政府は『迅速かつ早期な立ち入り』を無条件で勝ち取り、主権を回復する必要があるのではないか。」


(3)沖縄タイムス-沖縄県外へ基地移設 本土の学生7割「共感」 沖国大准教授ら調査 基地集中に「心苦しい」-2019年7月28日 12:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍基地を本土に移すことを主張する沖縄発の県外移設論について、本土の大学生の7%が『共感できる』、62%が『部分的に共感できる』と答え、合わせて約7割が共感を示したことが2018年の若者意識調査で分かった。『共感できない』は30%だった。調査した研究者は『県外の学生が当事者の自覚をどこまで持てるかが焦点になり得る』と分析する。県内外の1534人が回答した。」(編集委員・阿部岳)
②「沖縄の学生は『共感できる』13%、『部分的に共感できる』60%、『共感できない』21%だった。」
③「調査は沖縄国際大の桃原一彦准教授(社会学)と大妻女子大の池田緑准教授(同)による『基地問題を中心とした若年層の意識調査』。」
④「本土の学生に『部分的』を含めて『共感できる』を選んだ理由(複数回答)を聞くと、多い順に『沖縄への基地集中を心苦しく感じる』41%、『日本の防衛は日本全体で担う』38%、『日本人として公平に基地負担を担う』37%の回答があった。」
⑤「『共感できない』理由は『沖縄に基地があることは日本の防衛上必要』36%、『自分の近所に基地が引っ越してくる可能性が嫌』28%、『沖縄県内・県外を問わず、基地は全廃』25%と続いた。」
⑥「沖縄からの県外移設要求に応え、本土で基地を引き取る運動があることに触れ『移設(引き取り)することを妥当だと思いますか』と聞いたところ、『全く思わない』『あまり思わない』が54%、『とても思う』『わりと思う』が44%。」
⑦「設問が『自分の近所』への移転になると否定する傾向は強くなり、『容認できない』『あまり容認できない』が71%、『容認できる』『わりと容認できる』」が27%だった。」
⑦「沖縄以外の地域を『本土』『内地』などと呼び分けることについて複数回答で聞くと、『奇異に感じる』55%が一番多かった。一方、沖縄の学生は『自然である』48%が最多だった。」
⑧「調査は15年と18年の2回、調査票を配布して実施した。15年は県内の大学生と専門学校生514人、県外の大学生597人が回答。18年は県内の大学生と専門学校生423人、県外の大学生1111人が答えた。科学研究費助成金を利用した。」


(4)琉球新報-沖縄・本部町健堅の沖縄戦の遺骨、日韓で共同収集へ 「故郷に帰す会」発足-2019年7月28日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「本部町健堅に沖縄戦で動員された朝鮮人を含む14人が埋葬された件で、遺骨を収容し遺族に返すことを目的とした『本部町健堅の遺骨を故郷に帰す会』が27日、発足した。14人が亡くなって75年の節目となる来年2月にも、日本と韓国の市民らが共同で遺骨収集を進めることを検討しており、遺骨収集を通して両国の平和や友好の懸け橋としたい考えだ。両国の学生らも遺骨収集に加わってもらう考えで、早ければ今年秋ごろにも試掘調査を進める。」
②「本部町健堅の遺骨を巡っては、1945年5月28日号の米誌『ライフ』に瀬底島を背景に14本の墓標が立つ写真が掲載された。墓標の14人の名前のうち、12人は45年1月22日に本部町沿岸で攻撃を受けて撃沈した『彦山丸』の乗組員だったことが明らかとなった。」
③「琉球新報は2017年6月、埋葬地の周辺住民などへの取材から遺骨が埋まったままになっている可能性があると報道。報道を受け、沖縄戦遺骨収集ボランティア『ガマフヤー』や韓国の市民団体などが現場を視察し、遺骨収集に取り組む考えで一致していた。その後の調査で、墓標に記された名前のうち、日本人、朝鮮人の複数の遺族と連絡が取れているという。」
④「発足記念講演会は27日、宜野湾市内で開かれた。会の共同代表に『ガマフヤー』の具志堅隆松さん、住職の岡田弘隆さん、NPO法人沖縄恨之碑の会の沖本富貴子さんが就いた。」
⑤「具志堅さんは『(朝鮮人も)戦争で殺されたことに変わりはない。その人たちを区別することなく救済の手を差し伸べることは当たり前のことだ。若い人たちにも戦争で殺されたことを直視してもらいたい』と語り、日韓の若者が手を取り合って遺骨収集に加わってもらうことに期待した。」
⑥「戦時中に北海道の朱鞠内地域で亡くなった朝鮮人の遺骨を遺族に返す活動の中心となった殿平善彦さんは『朝鮮半島の遺族にとって戦争と植民地支配は未解決のまま今日まできていることは間違いない』と指摘。『戦没者遺骨を家族の元へ』連絡会の上田慶司さんは政府との交渉経過を語った。」



by asyagi-df-2014 | 2019-07-28 17:45 | 沖縄から | Comments(0)

選挙結果に向き合ってみる。

政治の在りように辟易することが、向こう側の思うつぼであることは理解していても、具体的に動くことを止めてしまっているのが実態である。
個の問題から、やはり外に向けて動き始めることが大切なのかもしれない。
 琉球新報(以下、「新報」)は2019年7月23日、「改憲3分の2割れ 世論は9条改定に反対だ」、と社説で論評した。
具体的な動きがない中では、一つの資料を参考にしながら考えてみることにする。
「新報」は、一つの選挙結果を示す。


「21日に投開票された参院選で改選124議席のうち、自民、公明の与党は目標とした改選過半数の63議席を上回り71議席を獲得した。ただ自民が議席を減らしたことで与党全体では6議席減となった。憲法改正に前向きな『改憲勢力』は、非改選議席を合わせ国会発議に必要な3分の2(164議席)を割り込んだ。」


 事実として、選挙結果は、「非改選議席を合わせ国会発議に必要な3分の2(164議席)を割り込んだ。」、ということになる。


 「新報」のこのことに関する指摘は、次のものである。


(1)今月中旬に共同通信が実施した世論調査では、安倍政権下での憲法改正に反対は51・4%で賛成は約34%だった。出口調査でも憲法改正に反対が47・5%で賛成の40・8%を上回った。改憲に対する国民の危機感の表れとみられる。他の主要争点についても、有権者は必ずしも安倍政権の主要政策を承認したとはいえない。先の世論調査では、10月に消費税率を10%へ引き上げる政府方針に反対は54・3%で賛成は40・8%。安倍政権の経済政策アベノミクスについては「見直してほしい」が62・0%で「継続してほしい」の29・1%を上回った。
(2)にもかかわらず自公が過半数を占めた背景には、野党の訴えが十分に浸透せず、1人区や比例代表で伸び悩んだことがある。32の1人区のうち野党統一候補は沖縄をはじめ東北4県や新潟、長野、大分などで自民候補を下したが、全体では10勝22敗だった。
(3)安倍政権は2012年以来、大型国政選挙で6連勝となった。「政治の安定」という聞こえがいい言葉を隠れみのに、国民から反対の強い政策を強引に進めはしないか、強く危惧する。その最たるものが改憲だ。


 「新報」は、安倍晋三政権による[改憲]について、次の批判を加える。


(1)自民党は参院選で四つの改憲案を掲げた。筆頭は自衛隊を憲法に書き込む9条改定だ。その最大の狙いは、日本が他国防衛を可能にする道を開くことではないか。実際、安倍政権はその地ならしをしてきた。特定秘密保護法、「共謀罪」法、憲法解釈による集団的自衛権の行使容認や安保法制などである。
(2)2番目には内閣が緊急時に政令を制定できる緊急事態対応を挙げた。政令は法律と同等の効力があり、事前に国会のチェックを受けず内閣の一存で定められる規定だけに、人権抑圧につながる乱用が懸念される。
(3)安倍首相は改選過半数を理由に改憲議論を秋の臨時国会で野党に提起する方針だ。しかし改憲は国民的議論になっていない。世論調査などでは一貫して9条改定に反対の意見が賛成を大きく上回っている。改憲が国民的議論に至っていない証左である。その上、改憲勢力各党の改憲への考え方はばらばらで、自公の間でも大きく異なる。


 「新報」は、最後に、「今回の参院選の結果を受けて国民から承認を得たとして安倍政権が改憲を強引に進めるなら、主権者である国民を軽視した行為と言える。中でも9条は変える必要はない。それが多くの国民の意見であることを自覚すべきだ。国民全体で政権の暴走を監視する必要がある。」、と断じる。


 安倍晋三政権は、すでに、「今回の参院選の結果を受けて国民から承認を得た」との動きを明確にする。
確かに、言いつくろいを強引に「姿」に変えてきた「手法」を改憲に、得意げに使わせるわけにはいかない。



by asyagi-df-2014 | 2019-07-28 12:24 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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