2019年 07月 24日 ( 1 )

高良鉄美さんの初当選の意味を考える。

 参院選沖縄選挙区で高良鉄美さんが初当選した。
 このことの意味を、現地に立てなかったことから沖縄の二紙で考える。
 琉球新報(以下、「新報」)と沖縄タイムスは2019年7月22日、「参院選高良氏当選 新基地反対は揺るぎない」及び「[高良鉄美氏が初当選]新基地反対の民意再び」、と社説を掲載した。
はじめに、「新報」は、この選挙結果の意味を「新基地建設に反対する強固な民意が改めて示された。」、と規定する。
「新報」は選挙結果が示すものについて、「昨年9月の県知事選で玉城デニー氏、今年4月の衆院3区補欠選挙で屋良朝博氏、そして参院選で高良氏と、新基地建設反対を掲げた候補者が立て続けに当選した。2月の県民投票では投票者の7割超が埋め立てに反対している。今回の参院選は駄目押しとも言える結果だ。これ以上、民意を無視した埋め立てを続けることは許されない。」、と示す。
 また、次のように解説する。


(1)参院選沖縄選挙区(改選数1)は「オール沖縄」勢力が支援した無所属新人の琉球大名誉教授・高良鉄美氏(65)が、自民新人のシンバホールディングス前会長・安里繁信氏(49)=公明、維新推薦=に大差をつけて初当選した。
(2)最大の争点は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設の是非である。高良氏は反対を前面に打ち出し「辺野古を埋め立てなくても普天間基地は閉鎖・撤去できる」と訴え、新基地建設は東アジアの緊張緩和に逆行すると主張した。
(3)これに対し安里氏は「反対の民意と、埋め立て承認の法的瑕疵(かし)がないという二つの事実がある」として、賛否を明確にしなかった。とはいえ、安里氏を公認した自民党は、普天間飛行場の辺野古移設を着実に進めると公約しており、2人の立場の違いは鮮明だった。
(4)国土の0・6%にすぎない沖縄に全国の米軍専用施設面積の7割が集中する現状は異常そのものだ。米軍基地から派生する事件、事故は後を絶たず、軍用機の騒音は我慢の限度を超えている。取り組むべきなのは基地を減らしていくことであって、最大2兆6500億円(県の試算)もの国費を投じて新たな基地を造ることではない。

 結局、「新報」は、安倍晋三政権が喧伝する「普天間の問題」そのものについて、「沖縄に上陸した米軍が、広大な土地をいやも応もなく奪って飛行場を建設した。元々は集落が点在する農村地帯だったのである。普天間問題の原点はここにある。これを返還させるのに、どうして新たな基地を造らなければならないのか。政府は、占領された側の視点ではなく、占領者の視点で沖縄を捉えている。沖縄の目線に立てば、その理不尽さは明らかだ。」、と政権に突きつける。
 また、「自民党が擁立した安里氏が、党の公約である辺野古推進を打ち出さなかったことも、米軍基地を巡る複雑な県民感情を象徴している。「沖縄の選挙区選出国会議員は衆院4、参院2の6人。このうち5人は玉城知事を支持する『オール沖縄』系だ。高良氏の当選は、玉城知事の信任をも意味する。知事は、厚みを増した反対の民意をバックに、粘り強く政府との交渉に臨むべきだ。」、とも主張する。


 一方、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、最初に、この選挙結果について、「安里氏は昨年9月の知事選にも名乗りを上げていたこともあって、運動ははるかに先行した。これに対し高良氏は、現職の糸数慶子氏との交代劇を巡って市民らから選考のやり直しを求める声が出るなど混乱した。出馬会見は当初の予定から約1カ月延期されるなど選挙態勢の構築が遅れた。にもかかわらず、公示後は各報道機関の情勢調査で序盤、中盤、終盤とも高良氏が安里氏を常にリードした。なぜだろうか。」、と投げかける。
 このことに関して、「タイムス」は、次のように分析する。


(1)高良氏は辺野古新基地建設反対を前面に押し出し、沖縄の民意に反して工事を強行する安倍政権を批判した。
(2)安里氏は県民投票で「民意が示された」とする一方で「土砂を元に戻せるのか」などと賛否を示さなかった。争点ぼかしである。公認を受けた自民党の県連が新基地建設容認に転換したのに、立場を明確にしない安里氏に保守層からも離反する声が出たという。
(3)2月の県民投票では埋め立てに「反対」が投票者数の7割を超えた。高良氏の当選は、新基地反対の沖縄の民意が強固で揺るがず、決して諦めない県民の決意を示すものだ。


 また、「タイムス」は、「今回の参院選は第2次政権発足から6年半におよぶ「安倍政治」を総括する選挙である。2014年11月に翁長雄志前知事が新基地反対を掲げ、初当選した以降とほぼ重なる。」、との押さえをする。
その上で、今回の選挙結果を次のように指摘する。


(1)全国では自民、公明両党が早々と改選過半数の議席を獲得し、安倍晋三首相は引き続き「1強体制」の政権基盤を手に入れた。
(2)ところが沖縄では全く逆である。沖縄ではこの間、知事選2回、衆院選2回、衆院3区補選、参院選2回が実施されている。自民党が獲得した選挙区の議席はわずか衆院4区だけである。
(3)新基地に反対する「オール沖縄」勢力が12勝1敗と圧勝。安倍政権が民意を無視して強行する新基地建設に「ノー」の意思を繰り返し繰り返し示しているのである。


 だから、「民主主義の根幹である選挙結果の意味は重い。」としたうえで、今回の選挙結果の意味を次のように押さえる。


(1)安倍首相は「沖縄に寄り添う」と言い、新基地は「負担軽減につながる」と、独りよがりの説明をするが、新基地ができてしまえば半永久的に残る。強襲揚陸艦が接岸できる岸壁や弾薬搭載エリアが整備される。米軍普天間飛行場にはない機能である。生物多様性に富み世界に誇る辺野古・大浦湾を破壊する上に、どこが負担軽減になるというのか。新基地は負担増にしかならないのである。
(2)安倍首相は今選挙だけでなく、一連の結果を真摯に受け止めなければならない。沖縄の民意を酌み、新基地建設の見直しをすべきである。


 確かに、沖縄の「民意」は今回も示された。
安倍晋三政権は、辺野古新基地建設の見直しにすぐに着手しなければならない。




by asyagi-df-2014 | 2019-07-24 06:37 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る