2019年 06月 30日 ( 1 )

その場しのぎの方法では、「構造的沖縄差別」を解決できない。

 琉球新報(以下、「新報」)は2019年6月22日、「地域安全パトロール 米兵事件抑止に役立つか」、と社説で論評した。
許されない事件の後、この地域安全パトロールは、安倍晋三政権によって対策として喧伝されたものである。
 やはり、実態は無残なものである。
 このことについて、「新報」は、「米軍人・軍属絡みの事件を防止する効果があるのだろうか。極めて疑わしい。」、と次のように指摘する。


(1)2016年に元海兵隊員の米軍属の男が女性を殺害した事件を受け、再発防止のために政府がスタートさせた「沖縄・地域安全パトロール隊」事業で、米軍関係者に関する通報は全体の0・7%にとどまっている。
(2)パトロール隊が始動したのは16年6月15日。当初は内閣府沖縄総合事務局と沖縄防衛局の職員が青色灯を付けた車両20台で午後7時~10時の3時間、沖縄本島内の繁華街などで巡回に当たった。一時は気象台、税関などの職員までが要員とされた。現在は1台2人の100台態勢だ。夜の早い時間帯は総合事務局と防衛局が雇用する派遣社員、非常勤職員、深夜以降は総合事務局が委託した警備会社が巡回している。
(3)総合事務局によると、16年6月から18年末までの間にパトロール隊が県警に通報したのは計855件。このうち米軍関連はわずか6件だ。内訳は路上寝3件、交通関係2件、けんか・口論1件である。通報の4分の3が泥酔者対応で、ほかは少年補導、不審者などだ。もちろん、通報件数だけが全てとは言わない。1%未満でも、それらが凶悪犯罪につながる恐れもあったと仮定すれば、一定の成果はあったのかもしれない。今後、事件の未然防止に力を発揮する可能性もある。とはいえ18年度までの事業費は約15億円となる見込みだ。内閣府の資料では1日当たり約200万円とされる。費用対効果に疑問符が付く。
(4)総合事務局は「米兵だけを対象にしているわけではない」と説明するが、米軍人・軍属が関わる犯罪の抑止が所期の目的だったはずだ。いつの間にか、事業の位置付けが変質してしまったように映る。
(5)巡回業務を担う警備会社の元契約社員らは、本紙の取材に対し、通報の実績を作るため路上寝を探す人がいた実態を明かし「事件の遺族に申し訳ない」と語った。事実なら予算が有効・適正に執行されているとは言い難い。事業を所管する総合事務局の責任が問われよう。警備会社に任せきりにして管理・監督を怠っていたのか。犯罪抑止よりも事業それ自体が目的化している可能性はないか。第三者の検証が必要だ。
(6)そもそも米軍基地がなければ米軍関係の犯罪は起きず、地域安全パトロール隊も不要になる。在沖米軍人・軍属を大幅に削減することこそが最も効果的な予防策だ。それが直ちに実現しない以上は、実効性が伴う形で兵士らの行動を制限するしかない。未明の時間帯に外出したり基地外で飲酒したりすることを禁止する制度はあっても、守られない実態がある。政府は、この点を改めるよう米国に強く要求すべきだ。


 「新報」は、「安全パトロールはその場しのぎの苦肉の策であり、抜本的な解決には程遠い。」、と断じる。


 残念ではあるが、どうやら、「巡回業務を担う警備会社の元契約社員らは、本紙の取材に対し、通報の実績を作るため路上寝を探す人がいた実態を明かし『事件の遺族に申し訳ない』と語った。事実なら予算が有効・適正に執行されているとは言い難い。事業を所管する総合事務局の責任が問われよう。警備会社に任せきりにして管理・監督を怠っていたのか。犯罪抑止よりも事業それ自体が目的化している可能性はないか。第三者の検証が必要だ。」、との「新報」の指摘がすべてを物語る。
 どうしたって、「そもそも米軍基地がなければ米軍関係の犯罪は起きず、地域安全パトロール隊も不要になる。」(「新報」)を上回る解決策はない。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-30 06:01 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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