2019年 05月 19日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年5月19日

改めて、「スカイブル-・ポリシ-」のことを考えさせられています。
沖縄対外問題研究会は、20周年記念シンポジウム『辺野古を止める構想力』を開催した。その基調講演での元関西学院大教授の豊下楢彦氏の発言を、琉球新報は伝える。
「豊下氏は、1952年4月のサンフランシスコ講和条約3条により『80万人もの沖縄の人々が無憲法・無国籍の異常な状態に置かれた』と主張。60年に国連が植民地独立宣言を採択し『3条が死文化しても政府は米側に抗議せず【東アジアに雲一つなく空が青くなるまで米国は沖縄を支配する】とのブルースカイ・ポリシーが今日も続いている』と指摘した。」。
 また、「豊下氏は『脅威があるから軍拡だというが、軍拡こそが脅威だ。その世論をいかに形成するかが重要だ』と強調した。その上で軍縮に関する行動計画をまとめた国連の『軍縮アジェンダ』を取り上げ『沖縄が軍縮の要となるべきだ』と訴えた。」、とも。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年5月19日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-島社会での差別検証 ハンセン病学会、八重山で初開催-2019年5月19日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【八重山】全国のハンセン病回復者や支援者らでつくる『ハンセン病市民学会』の第15回総会・交流集会が18日、石垣市で開幕した。初開催となる八重山集会には約300人が参加した。「島を出た八重山人たち」をテーマにしたシンポジウムが行われ、八重山におけるハンセン病問題について考えた。市民学会は20日までで、19日からは宮古島市で開催される。」
②「県内開催は2年連続3回目。統一テーマは『みるく世向かてぃ~差別に屈しない~』で、ハンセン病問題の解決を目指して議論を深める。八重山集会では『闇ぬ世から太陽ぬ世へ』との独自テーマを設定し、『ハンセン病への理解が低い』(大田静男八重山集会開催地実行委員長)とされる八重山で、どのように理解を深めていくかについて探った。」
③「八重山出身回復者3人や大田氏によるパネルディスカッションのほか、ハンセン病家族訴訟についての弁護団報告などがあった。総会で市民学会の遠藤隆久共同代表は『島社会の中でのハンセン病差別の苦しさを真正面から取り上げたのは今回が初めてだ。なぜ厳しい差別の社会になったのかを十分検証することで、声を上げられない回復者の現状改善につなげたい』と話した。」
④「19日は宮古島市のマティダ市民劇場で交流集会が開かれ、療養所の入所者自治や回復者の医療・生活支援の体制づくりについて意見を交わす。」


(2)琉球新報-「基地周辺で何かあった場合に支障が出る可能性が…」ドローン改正法で県内自治体に懸念も-2019年5月19日 10:34


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄県内で災害時などに備えてドローン事業者と協定を締結したり、市町村としてドローンを保有したりしている自治体は11市町村ある。これらの自治体は、災害時の円滑かつ迅速な救助活動や被害状況の情報収集などを目的に、ドローンを保有し、事業者との協定締結をしている。ドローン規制法の改正案が参院本会議で可決し成立したことを受け『基地で何かあった場合、上空からの確認に支障がでる可能性がある』『詳細を把握していない』『特に影響はない』など、さまざまな声が上がっている。」
②「国頭村は『山火事などの情報収集で影響が出ると思うが、沖縄防衛局をはじめ関係機関と連携し対応する必要がある。法律が制定された以上は法令順守の立場を取るしかない』との見解を示した。」
③「観光用の空撮などでドローンを活用している東村は『規制法は報道で承知している程度だ。対策もまだ検討してないが、今後検討する必要がある』と語った。ドローンを保有する名護市消防本部は『基本は水難・山岳救助、火災、土砂災害の情報収集に使っている。法改正はどれくらい支障が出るか精査している』と説明する。」
④「嘉手納基地を抱える沖縄市は『基地周辺で何かあった場合、上空からの確認に支障が出る可能性がある。協定先と情報交換をしながら確認したい』と話した。」
⑤「土砂崩れなどの際にドローンの使用を想定している北中城村は『ドローンが飛ばせない場所は、従来のように人がそこに行くだけだ』と述べた。」
⑥「自衛隊那覇基地を抱える那覇市消防局は、ドローンを保有しているが『まだ(どういう影響があるか)よく分からないので確認していく』と話す。一方、豊見城市は『協定は市の災害状況の情報収集が目的で、米軍基地や自衛隊上空などの情報収集は協定内に入っていない』とし、現時点では特に影響はないという見解を示した。」


(3)琉球新報-「沖縄を軍縮の要に」豊下元関西学院大教授ら5氏が登壇 対外問題研シンポ -2019年5月19日 10:38


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄対外問題研究会は18日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で20周年記念シンポジウム『辺野古を止める構想力』を開催した。元関西学院大教授の豊下楢彦氏が基調講演し、沖縄の基地問題や米中対立にみる世界的な軍事力強化に対し、沖縄から軍縮を訴える必要性を訴えた。」
②「豊下氏は、1952年4月のサンフランシスコ講和条約3条により『80万人もの沖縄の人々が無憲法・無国籍の異常な状態に置かれた』と主張。60年に国連が植民地独立宣言を採択し『3条が死文化しても政府は米側に抗議せず【東アジアに雲一つなく空が青くなるまで米国は沖縄を支配する】とのブルースカイ・ポリシーが今日も続いている』と指摘した。」
③「北方領土を巡る日ロ交渉の場で『安倍晋三首相はプーチン大統領に対し、返還後も2島に米軍基地を置かないと発言した。地位協定においても日本側に拒否権があると表明した』とした上で『当面の普天間の危険性除去に対し、米側に航空法の適用を要求することができるはずだ』と述べた。」
④「米中対立などにより各国の軍事力強化が続き、2018年度には世界の軍事費が約203兆円となった。豊下氏は『脅威があるから軍拡だというが、軍拡こそが脅威だ。その世論をいかに形成するかが重要だ』と強調した。その上で軍縮に関する行動計画をまとめた国連の『軍縮アジェンダ』を取り上げ『沖縄が軍縮の要となるべきだ』と訴えた。」
⑤「その後、有識者らが辺野古新基地建設の問題点や解決法に関して討論した。同研究会代表で琉球大学教授の我部政明氏が進行役を務めた。」


(4)琉球新報-「本島で反対運動が起きないのが不思議」自衛隊先島配備で独立学会が討議 住民の自己決定権尊重を-2019年5月19日 10:29


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「琉球民族独立総合研究学会(独立学会、ACSILs)の第12回公開シンポジウムが18日、宜野湾市の沖縄国際大で開かれた。『日米による琉球弧の再軍備化に抗して』をテーマに宮古、八重山への自衛隊配備の問題を討議した。石垣市議会で自衛隊配備の賛否を問う住民投票条例案が否決されたことを巡り『住民の自己決定権を尊重すべきだ』などの意見があった。」
②「『てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会』(宮古島市)の楚南有香子共同代表は、自衛隊が沖縄本島にもミサイルを配備することを挙げ『本島で反対運動が起きないのが不思議だ。逃げ場がないのは同じで間違いなく標的になる。危機感を共有し、戦場にしてはならないと声を上げてほしい』と訴えた。」
③「石垣市住民投票を求める会の金城龍太郎代表は、有権者の約4割をの署名が集まった運動を『政治が持つ権力とお金に太刀打ちできるのは愛とユーモアだ。人間には間違いもあり、完全ではない。さまざまな色を取り入れた運動を目指した』と振り返った。」
④「高良沙哉沖縄大教授は自衛隊について『治安出動も任務だ。日本にとって沖縄が植民地なら、植民地を鎮圧するための治安出動も考えられる』と指摘した。『沖縄に自衛力行使が向く危険もある』と懸念した。」
⑤「司法書士の安里長従さんは国連のグテレス事務総長が昨年発表した『軍縮アジェンダ』を挙げ『事務総長を沖縄に呼び、日・米・中・ロの4カ国で島嶼(とうしょ)防衛の空白を埋めずに平和の緩衝地帯をつくり、世界の軍縮につなげると発信する。そんなアイデアを沖縄から出すといい』と提案した。」


(5)沖縄タイムス-外来機飛来2.5倍に激増 米軍普天間飛行場 4月防衛局調査-2019年5月19日 12:47


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場で4月、同飛行場に所属しない外来機の離着陸回数が167回に上り、前年同月の約2・5倍に増えたことが18日までに分かった。2017年4月の10回と比べると16・7倍。沖縄防衛局が17年度から実施している24時間の目視調査で確認した。」
②「外来機の離着陸が前年同月よりも増えたのは、ことし1月から嘉手納基地の2本ある滑走路のうち北側の1本が補修工事で閉鎖されていることなどが影響しているとみられる。宜野湾市は、外来機の飛来が常態化し、騒音が住民生活に大きな悪影響を及ぼしているとして飛来禁止を求めている。低周波による健康への悪影響や事故率の高さが指摘されているオスプレイの離着陸は356回で、前年同月の約2・4倍。4月の全機種の離着陸回数に占める割合は約22%だった。」
③「19年4月の外来機の離着陸回数を機種別に見ると、最多は固定翼機の作戦支援輸送機UC12Wで47回。ほかは、固定翼機のセスナ機が25回、作戦支援輸送機UC35Dが22回などと続いた。」
④「ジェットエンジンによる激しい騒音が問題となっている戦闘機の離着陸は20回あり、全てF35だった。18年4月の戦闘機の離着陸はF15の1回のみで、17年4月は0回だった。」
⑤「全機種の離着陸回数は1646回あり、前年同月比16回増。そのうち、日米の騒音防止協定で飛行が制限されている夜間早朝(午後10時から翌午前6時)の離着陸は59回を占め、前年同月比20回減だった。」


(6)沖縄タイムス-沖縄の基地負担の現状 歩いて自問 記者の平和行進ルポ-2019年5月19日 09:24


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄の日本復帰から47年の『5・15平和行進』(主催・同実行委員会、沖縄平和運動センター)18日に2日目となり、沖縄県内外から1200人(主催者発表)が参加した。進学や就職で十数年沖縄を離れていた記者も18日、初めて『5・15平和行進』に参加した。」
②「読谷村の米軍トリイステーション付近で、沿道に1人で立つ70代の女性は『体力的に行進は無理だけど気持ちは同じ』と、最後尾まで見守っていた。」
③「嘉手納ロータリー広場に着いて、『昔はもっと住民の出迎えがあった』と教えてくれたのは、元教員の古堅宗孝さん(77)=読谷村。若い世代が、横断幕を持ち声を上げる行動に不慣れなのは分かる。『けれど行進を見て、基地について考えてほしい』。私が参加に気後れしていたことを話すと、古堅さんは『それが基地への諦めか、無関心かを考えることが大事よ』と、シロツメクサの花が満開の広場で笑った。」
④「学生時代、車の窓越しに行進を見ていた。平和行進は季節のように訪れ、通り過ぎていくもののように感じていたのかもしれない。変わらぬ基地負担に耐えかね、1978年に始まった平和行進。そこからつながる今の沖縄を、私は真剣に知ろうとしてきただろうか。曇天から一転、終着点到着時には肌が痛いほどになった陽光の下で、自問した。」 (社会部・國吉美香)


(7)琉球新報-「子どもをダシに基地反対するな」 緑ヶ丘保育園父母会のFB投稿に中傷コメント相次ぐ 父母ら「怖い」と削除-2019年5月16日 13:13


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園父母会が園上空を飛ぶ米軍機の動画とコメントをフェイスブック(FB)に投稿した際、誹謗(ひぼう)中傷のコメントが相次いで『炎上』しかけ、父母会が投稿を削除していたことが15日、分かった。」
②「投稿は、父母会の与那城千恵美さん(46)が5月3日に発信した。神谷武宏園長が4月12日に撮影した米軍普天間飛行場から米軍機が飛んでいる動画を添付。コメントは『何度も国に訴えているのに子どもたちの環境はひどくなっている』と訴える内容だ。投稿に対し『引っ越せば』『子どもをダシに基地反対するな』などの反応があった。園側への攻撃的なコメント増加に父母会から『怖い』との声があり、投稿は6日までに削除された。」
③「与那城さんは『応援してくれる人もいた。今後もめげずに発信していきたい』と話した。今後は投稿の公開範囲を設定することを検討するという。」




by asyagi-df-2014 | 2019-05-19 17:30 | 沖縄から | Comments(0)

幼保大学無償化を考える。

 幼児教育・保育の無償化で子育て世代を支援したり、低所得世帯の学生の授業料を無償化したりする法律が、2019年5月10日、参院本会議で可決、成立した。
 朝日新聞は2019年5月11日、この法の意義と抱える問題点について、次のように報じている。


(1)幼児教育・保育の無償化で子育て世代を支援したり、低所得世帯の学生の授業料を無償化したりする法律ができた。
(2)少子化が進む中、幼保無償化は子育て世代の経済負担の軽減策として意味がある。経済的な事情で進学を諦めていた学生の進路が大学無償化で開けるのも意義深い。
(3)そうした支援の大切さを理解しつつ懸念がある。二つの法律には「突貫工事」「急ごしらえ」といった制度設計上の不備が指摘されてきた。安倍政権が目玉とする教育無償化の関連法成立を急ぐあまり、国会審議をおろそかにしなかったか。専門家の指摘に十分耳を傾けただろうか。子どもや若者の将来に直結する法律だ。見切り発車は許されない。
(4)幼保無償化の関連法は、3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は低所得世帯を対象に、認可保育所や幼稚園、認定こども園の利用料を無償化する。国の基準を満たさない認可外保育所などへも5年間は一定額の範囲内で費用を補助する。ところが、認可外サービスの質確保面では基準が示されていないものがある。保育士などの資格がないベビーシッターに国は安全確保の講習を義務付けたものの、監査手法は決めていない。「研修内容がふさわしいかどうか誰が判断するのか」といった専門家の声がある。子どもの命にかかわるだけに当然の指摘だ。
(5)国の調査で認可外は認可保育所に比べ死亡事故が多い。そこに補助することへの懸念が国会で出た。安倍首相は「認可外施設の質の確保、向上を図る」と述べ、具体策は示さなかった。これでは保護者らの不安は解消されないだろう。
(6)保育所の人手不足は続いている。無償化も大事だが、保育士の処遇改善などで、資格を持ちながら働いていない「潜在保育士」の掘り起こしにもさらに力を入れてほしい。
(7)大学無償化の関連法は国や自治体が授業料などを減免するほか、返済不要の給付型奨学金も支給する。対象は住民税非課税世帯を基本とし、家庭の年収に応じて支給額が変化する。ただし、高校卒業から2年過ぎた学生は対象外で停学や留年となった学生への支援も打ち切られる。日本の高等教育は先進国の中でも受益者負担の側面が強く、奨学金も有利子の貸与型が主流だった。無償化や給付型の支給は確かに朗報だ。だが、国会審議では「支援対象が極めて限定的」「中間所得層には恩恵がない」といった指摘があり、学生団体からも対象範囲の拡大を望む声が出ている。欧米では授業料が無料の国や、給付型が主流の国が多い。無償化や支援の範囲を広げる検討は必要だ。
(8)幼保と高等教育機関の無償化は10月からの消費税増税分を活用する。財政再建などを目的にした増税分の使途を、前回の衆院解散時に安倍首相が突然変更した経緯がある。
(9)子どもたちの将来のために最大限有効に活用されているか。検証は欠かせない。


日本国憲法第26条の義務教育の無償の原則からすると、こうした取り組みは本来否定すべきものではないかとも思える。
 ただ、憲法26条を根拠に長い間『義務教育無償化』の実現を自民党に働きかけてきた当事者の一人としては、にわかには信じられないい側面がある。それも、成長戦略を基本とする安倍晋三政権の方針の範疇として聞かされると一層である。
 この法の評価について、2019年5月12日、信濃毎日新聞は「幼保無償化 適切な税の使い方なのか」、高知新聞が「【幼保大学無償化】見切り発車は許されない」、とそれぞれの社説で論評した。
この2社の指摘を基に、まずは考えてみる。


1.経過等
(信濃毎日新聞)
(1)認可保育所や幼稚園、認定こども園の利用料を無償化する。3〜5歳児は原則全世帯、0〜2歳児は低所得世帯が対象だ。認可外保育所なども一定額の範囲で費用を補助する。消費税率引き上げに伴う税収増を財源に充てる。
(2)2017年の衆院解散、総選挙で安倍晋三首相が唐突に打ち出した政策である。消費税増税に合わせ、10月に始まる。実務を担う自治体の準備期間を確保するとして早期成立を目指していた。夏の参院選で政権の実績としてアピールしたいのだろう。
(3)3〜5歳児は原則全世帯、0〜2歳児は低所得世帯が対象だ。認可外保育所なども一定額の範囲で費用を補助する。消費税率引き上げに伴う税収増を財源に充てる。
(4)2017年の衆院解散、総選挙で安倍晋三首相が唐突に打ち出した政策である。消費税増税に合わせ、10月に始まる。実務を担う自治体の準備期間を確保するとして早期成立を目指していた。夏の参院選で政権の実績としてアピールしたいのだろう。
(5)国の調査で認可外は認可保育所に比べ死亡事故が多い。そこに補助することへの懸念が国会で出た。安倍首相は「認可外施設の質の確保、向上を図る」と述べ、具体策は示さなかった。これでは保護者らの不安は解消されないだろう。


(高知新聞)



2.意義
(信濃毎日新聞)
(1)認可保育所や幼稚園、認定こども園の利用料を無償化する。
(2)委員会審議で首相は「若い世代にとって教育や子育ての費用が重く、子どもを産み育てることの制約になっている」と述べ、無償化の意義を強調した。
(3)子育て世代の経済的負担を軽減し、少子化対策につなげようという狙いだ。
(高知新聞)
(1)少子化が進む中、幼保無償化は子育て世代の経済負担の軽減策として意味がある。(2)経済的な事情で進学を諦めていた学生の進路が大学無償化で開けるのも意義深い。
(3)そうした支援の大切さを理解しつつ懸念がある。二つの法律には「突貫工事」「急ごしらえ」といった制度設計上の不備が指摘されてきた。安倍政権が目玉とする教育無償化の関連法成立を急ぐあまり、国会審議をおろそかにしなかったか。専門家の指摘に十分耳を傾けただろうか。子どもや若者の将来に直結する法律だ。見切り発車は許されない。


3.問題点
(信濃毎日新聞)
(1)税収の適切な使い方なのか、疑問が残ったままだ。
(2)今国会の重要法案に位置付けていた。急ごしらえの制度は安全面などを巡り、なお議論すべき点が多い。政府は引き続き不安や疑問に答える必要がある。
(3)3〜5歳児について一律に無償化する必要があるのか。所得に応じて高い保育料を払っている世帯ほど恩恵を受ける格好だ。増税の実現に向け、増収分の使途変更を主導した財務省内でも「高所得者まで無償化するのは政策的に意味がない」との批判があった。
(4)無償化で保育の需要が掘り起こされ、待機児童が増えることも考えられる。受け皿が整わない状況では不公平を広げかねない。
(5)審議で焦点となった一つは保育の質の確保だ。施行から5年間は保育士の人数などで国の指導監督基準を満たさない施設も対象とする。基準は安全確保などの視点から定めた最低ラインである。野党は「質の悪い施設まで対象となるのではないか」と批判していた。
(高知新聞)
(1)そうした支援の大切さを理解しつつ懸念がある。二つの法律には「突貫工事」「急ごしらえ」といった制度設計上の不備が指摘されてきた。安倍政権が目玉とする教育無償化の関連法成立を急ぐあまり、国会審議をおろそかにしなかったか。専門家の指摘に十分耳を傾けただろうか。子どもや若者の将来に直結する法律だ。見切り発車は許されない。
(2)幼保無償化の関連法は、3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は低所得世帯を対象に、認可保育所や幼稚園、認定こども園の利用料を無償化する。国の基準を満たさない認可外保育所などへも5年間は一定額の範囲内で費用を補助する。ところが、認可外サービスの質確保面では基準が示されていないものがある。保育士などの資格がないベビーシッターに国は安全確保の講習を義務付けたものの、監査手法は決めていない。「研修内容がふさわしいかどうか誰が判断するのか」といった専門家の声がある。子どもの命にかかわるだけに当然の指摘だ。
(3)保育所の人手不足は続いている。無償化も大事だが、保育士の処遇改善などで、資格を持ちながら働いていない「潜在保育士」の掘り起こしにもさらに力を入れてほしい。大学無償化の関連法は国や自治体が授業料などを減免するほか、返済不要の給付型奨学金も支給する。対象は住民税非課税世帯を基本とし、家庭の年収に応じて支給額が変化する。ただし、高校卒業から2年過ぎた学生は対象外で停学や留年となった学生への支援も打ち切られる。


4.主張
(信濃毎日新聞)
 政府は「無償化を契機に保育の質の向上を図る」とする。首相も答弁で「保育の受け皿と質の確保を両輪として進めたい」と述べている。どう実現していくのか、具体的に示す責任がある。
(高知新聞)
(1)幼保と高等教育機関の無償化は10月からの消費税増税分を活用する。財政再建などを目的にした増税分の使途を、前回の衆院解散時に安倍首相が突然変更した経緯がある。
子どもたちの将来のために最大限有効に活用されているか。検証は欠かせない。
(2)日本の高等教育は先進国の中でも受益者負担の側面が強く、奨学金も有利子の貸与型が主流だった。無償化や給付型の支給は確かに朗報だ。だが、国会審議では「支援対象が極めて限定的」「中間所得層には恩恵がない」といった指摘があり、学生団体からも対象範囲の拡大を望む声が出ている。欧米では授業料が無料の国や、給付型が主流の国が多い。無償化や支援の範囲を広げる検討は必要だ。


 この二社の社説から確認できたことは、次のことである。


(1)安倍晋三政権の幼児保育に関して「保育の受け皿と質の確保を両輪として進めたい」との主張が、どのように実現されているのかについて、政権側に、具体的に示させる必要があること。
(2)無償化は、保育士の処遇改善などが達成されてはじめて、実を結ぶものであることを、政権の具体的な施策の中に反映させること。



by asyagi-df-2014 | 2019-05-19 05:31 | 持続可能な社会 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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