2018年 10月 28日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年10月28日

辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票条例が沖縄県議会で可決された。今後、投票実施の実現に向けて、取り組まれることになる。
この条例については、「地方自治法の規定により、県知事は投開票などの事務を市町村に委託し、市町村は管理執行する義務を負う。しかし強制力はない」(琉球新報)、とされる。
しかし、強制力(法的拘束力)はないとしても、日本におけるこれまでの住民投票の結果は国策さへ動かしてきたことも確かである。
この条例の可決は、非常に重い結果である。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年10月28日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-〈解説〉「辺野古」県民投票条例可決 市町村の協力 焦点 投票率向上、成功の鍵-2018年10月27日 11:08


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票条例が県議会で可決されたことにより、沖縄県は今後、投票実施の実務に取り組む。地方自治法の規定により、県知事は投開票などの事務を市町村に委託し、市町村は管理執行する義務を負う。しかし強制力はなく、石垣市やうるま市など4市が事務委託について県への協力を保留している。市町村の協力がなければ実施は難しいため、県はこれまで以上に丁寧に市町村へ説明し、理解と協力を得る必要がある。県は県民投票を推進する課を設置し、市町村の支援を行う方針。今後は各市町村の対応が焦点となる。」
②「全市町村での実施とともに県民投票の成否の鍵を握るのが投票率だ。投票率が低ければもろ刃の剣になりかねない。1996年に実施した時には、県の広報活動に加え、高校生が自主的に模擬投票をしたり、大学生が討論会や学習会を催したりした。今後、討論会やワークショップなどで議論の場を設け、機運を高めていくことができるか、行政と市民の連携も問われる。」
③「住民投票条例に基づく住民投票は、新潟県巻町の原発建設計画の賛否を問う住民投票が96年に全国で初めて実施されて以来、各地で行われてきた。巻町では投票者の6割が反対し、計画は撤回された。2001年には徳島県で吉野川可動堰(ぜき)建設の賛否を問う住民投票が行われ、反対が約9割に達し、建設は中止された。法的拘束力はないものの、住民投票の結果は国策を見直させるほど重い。」
④「県民投票は、辺野古新基地建設への明確の民意を全国に発信するだけでなく、沖縄の将来を見据え、米軍基地問題にどう向き合うか、県民が真剣に考え、議論を深める好機となる。」                                     (中村万里子)


(2)沖縄タイムス-普天間飛行場:有害物質流出は内部告発で発覚 「基地怠慢」と環境対策を批判-2018年10月27日 19:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【ジョン・ミッチェル特約通信員】米軍普天間飛行場から有害物質が近郊自治体に流出し続けている-。長年、普天間飛行場の環境部門で働き、事情に詳しい関係者が本紙に対し、環境対策への同基地当局者の怠慢を告発した。今回明らかになった海兵隊の内部文書は、こうした告発者の主張を裏付けるものだ。」
②「内部告発者によると、近年激しい雨が降る間、同飛行場内の大きな格納庫に水が流れ込み、油圧油や燃料、残留性汚染物質のPFOS(ピーホス)が含まれる泡消火剤が雨水管に流入。告発者は、こうした有害物質が普天間飛行場地下の浸透しやすい地表を通じ数十年間たまり、地下の排水溝から基地の外に流出していると推定している。告発者は、米軍が沖縄におけるPFOSの調査に対して怠慢であることから、こうした問題を明らかにすることを決意した。」
③「2018年3月、米国防総省は、米軍が管理するPFOSの汚染が疑われているベルギーや韓国といった海外を含む401の基地の詳細を公表。しかし、普天間飛行場や嘉手納基地の周辺で、高い濃度のPFOSが検出されているにもかかわらず、両基地ともリストに含まれていなかった。国防総省は、こうした有害な泡消火剤を取り換えるように約束している。しかし、告発者によると、海兵隊のかたくなな対応のため、装備の更新は進んでいない。」
④「さらに、告発者によると数年前にも同飛行場で、PFOSやPFOA(ピーホア)を含む泡消火剤が数千リットル流出する事故が起きた。しかし、洗浄作業の費用を誰が負担するかについて軍内部で合意せず、作業は遅れた。告発者は『最終的に、有害物質の処理はおろそかにされた』と批判している。」


(3)琉球新報-沖縄・本部港土砂搬出 手続き不備指摘 専門家 新基地阻止へ学習会-2018年10月28日 11:33


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【本部】本部町島ぐるみ会議は26日、『塩川港からの土砂搬出を許さない!』と題した緊急学習会を同町東区公民館で開いた。琉球大学の徳田博人教授(行政法)と平和市民連絡会の北上田毅さんが、法律から見た辺野古新基地建設の問題点や、本部港塩川地区からの土砂搬出について解説した。市民ら約100人が参加した。」
②「北上田さんは新基地建設を巡り、本部港塩川地区の使用手続きなどに不備があったことを説明した。行政側の今後の取り組みについて『元自治体が必要があれば(業者を)調査できる体制が必要だ』とした。反対する市民らに対しては『(港などの使用許可の)申請を許可しないよう求めていくことが大事だ』と強調した。」
③「徳田教授は行政の裁量について『状況に応じて何がベストかを判断していくことだ』とした。その上で『国は民主主義を否定することはできない。首長が民意に応じて法律を解釈することが重要だ』と強調した。」


(4)沖縄タイムス-ホワイトビーチに米揚陸艦が接岸 普天間オスプレイ搭載-2018年10月28日 10:28


 沖縄タイムスは、「沖縄県うるま市勝連の米軍ホワイトビーチに25日、米海軍の強襲揚陸艦ワスプが接岸した。甲板には米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが搭載されているのが確認された。南シナ海の巡回を終えて寄港した。」、と報じた。


(5)沖縄タイムス-普天間飛行場の有害物質汚染 責任の明確化求める-2018年10月28日 08:26


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄環境ネットワーク結成20周年記念シンポジウムが27日、宜野湾市の沖縄国際大であり、ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんらが米軍基地と環境汚染などをテーマに報告した。普天間飛行場内の汚染が明らかになった残留性有害物質PFOS(ピーホス)、PFOA(ピーホア)の問題について、参加者から『待ったなしの問題』などの声が相次いだ。」
②「ミッチェルさんは情報公開制度で入手した米海兵隊の内部資料を基に、2016年に普天間飛行場内で1リットル当たりPFOSが2万7千ナノグラム、PFOAが1800ナノグラムと高濃度で検出されたことを27日付の沖縄タイムスで報じた。『普天間の危険性というと、空からの危険性を考えるが、危険性は土の下にもあるかもしれない』と語った。」
③「また、北谷浄水場や嘉手納基地周辺の河川からPFOSが高濃度で検出された問題を踏まえ、同基地からの汚染は最大の懸念の一つだとした。横田基地(東京都)の汚染にも言及した。」
④「こうした事例に対し、ミッチェルさんは『もし米軍の責任を明確に示していかないようならば、これから何十年も被害を受けることになる。健康が最優先されるべきだ』と語った。汚染の事実を誰もが知れるように、自身が所有する文書を保管できる寄贈先も探しているという。」
⑤「普天間飛行場周辺の地下水や湧き水のPFOS、PFOAによる汚染問題に取り組んでいる調査団体『インフォームド・パブリック・プロジェクト』の河村雅美代表も参加。『生活と生産の空間に湧き水が流れ込み、そして私たちが使っている水に毒物が長期間紛れていたということで、待ったなしの問題』と語った。」
⑥「同ネットワーク世話人の桜井国俊・沖縄大名誉教授は、北谷浄水場の問題で、県企業局が求めた立ち入り調査を米軍側が認めていないことから、日米地位協定の改定の必要性などを訴えた。」




by asyagi-df-2014 | 2018-10-28 17:27 | 沖縄から | Comments(0)

安倍晋三政権による「再度」の行政不服審査制度の乱用は法治国家として許されない。

 安倍晋三政権(沖縄防衛局)は、2018年10月17日、名護市辺野古の新基地建設に伴う沖縄県の埋め立て承認撤回を受け、石井啓一国土交通相に対して行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立てた。
 一方、沖縄県は、2018年10月24日、「県は24日、撤回の効力を一時的に止める執行停止は認めるべきではないとする意見書を24日、国土交通省に送付した。県は、国が行政不服審査制度を使って執行停止を求めることは『不適法』だとし、申し立てを却下するよう求めた。執行停止を認める緊急性がなく、撤回処分は適法なので効力を停止する必要性もない」(琉球新報)、と対抗した。

 このことに関して、「辺野古新基地建設を巡り、名古屋大学の紙野健二名誉教授らは26日、県の埋め立て承認撤回に対し、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づき、国交相に審査請求と撤回の執行停止の申し立てたことを『国民の権利救済制度である行政不服審査法を乱用するもの』と批判し、却下を求める声明を発表した。行政法研究者110人が賛同しているという。」(琉球新報)、との「行政法研究者有志一同」からの新たな動きがあった。また、この「声明」について、「声明は『研究者として憂慮の念に堪えない』として出された。同様の声明を出した2015年よりも賛同者が増えており、専修大学の白藤博行教授は『行政不服審査法の乱用とみえることを、またしても国がやることに対する緊張感が高まった』と説明した。」、と琉球新報は伝える。


 「辺野古埋立承認問題における日本政府による再度の行政不服審査制度の乱用を憂う。」と表明されたこの「声明」で、安倍晋三政権による行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止申し立ての意味を考える。


Ⅰ.経過
(1)沖縄県は、18年8月31日、仲井真弘多元知事が行った辺野古沿岸部への米軍新基地建設のための公有水面埋立承認を撤回した(以下「撤回処分」という)。これに対し、10月17日、防衛省沖縄防衛局は、行政不服審査法に基づき、国土交通大臣に対し、撤回処分についての審査請求と執行停止申し立てを行った。これを受けて、近日中に、国交相は撤回処分の執行停止決定を行うものと予想されている。
(2)国(沖縄防衛局と国交相)は、15年10月にも、同様の審査請求·執行停止申し立てと決定を行い、その際、私たちは、これに強く抗議する声明を発表した。そして、福岡高裁那覇支部での審理で裁判長より疑念の指摘もあった、この審査請求と執行停止申し立ては、16年3月の同裁判所での和解に基づいて取り下げられたところである。


Ⅱ.日本政府による審査請求と執行停止申し立てが、『国民の権利救済制度である行政不服審査法を乱用するもの』であることの根拠
(1)今回の審査請求と執行停止申し立ては、米軍新基地建設を目的とした埋立承認が撤回されたことを不服として、沖縄防衛局が行ったものである点、きわめて特異な行政上の不服申し立てである。なぜなら、行政不服審査法は、「国民の権利利益の救済」を目的としているところ(行審1条1項)、「国民」すなわち一般私人とは異なる立場に立つことになる「固有の資格」において、行政主体あるいは行政機関が行政処分の相手方となる処分については明示的に適用除外としている(行審7条2項)にもかかわらず、沖縄防衛局が審査請求と執行停止申し立てを行っているからである。
(2)そもそも公有水面埋立法における国に対する公有水面の埋立承認制度は、一般私人に対する埋立免許制度とは異なり、国の法令順守を信頼あるいは期待して、国に特別な法的地位を認めるものであり、換言すれば、国の「固有の資格」を前提とする制度である。国が、公有水面埋立法によって与えられた特別な法的地位(「固有の資格」)にありながら、一般私人と同様の立場で審査請求や執行停止申し立てを行うことは許されるはずもなく、違法行為に他ならないものである。
(3)また、撤回処分の適法·違法および当·不当の審査を国という行政主体内部において優先的にかつ早期に完結させようという意図から、日本政府が沖縄防衛局に同じく国の行政機関である国交相に対して審査請求と執行停止申し立てを行わせたことは、法定受託事務にかかる審査請求について審査庁にとくに期待される第三者性·中立性·公平性を損なわしめるものである。
(4)実際、故翁長雄志知事が行った埋立承認取消処分に対して、審査庁としての国交相は、執行停止決定は迅速に行い埋め立て工事を再開させたものの、審査請求における適法性審査には慎重な審議を要するとして、前述の和解で取り下げられるまで長期にわたって違法性判断を回避した。それにもかかわらず、地方自治法上の関与者としての国交相は、ただちに埋立承認取消処分を違法であると断じて、代執行訴訟を提起するといった行動をとったのである。このような矛盾する対応は、審査庁としての国交相には第三者性・中立性・公平性が期待し得ないことの証左である。


Ⅲ.「声明」の主張
(1)日本政府がとる、このような手法は、国民のための権利救済制度である行政不服審査制度を乱用するものであり、法治国家にもとるものといわざるを得ない。
(2)法治国家の理念を実現するために日々教育·研究にいそしんでいる私たち行政法研究者にとって、このような事態が生じていることは憂慮の念に堪えないものである。国交相においては、今回の沖縄防衛局による執行停止の申し立てを直ちに却下するとともに、併せて審査請求も却下することを求める。



 確かに、安倍晋三政権による「再度」の行政不服審査制度の乱用は、法治国家として許されない。




by asyagi-df-2014 | 2018-10-28 07:15 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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