2018年 10月 26日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年10月26日

 今回の沖縄県知事選の民意の意味を受け取る。 
「『久しぶりに投票に行ったんですよ』と運転手が問わず語りにつぶやいた。年齢は私と同じか少し上の40代半ばくらいか。『高校生の娘から知事選の話をしてきたんです。それで息子も含めて家族で話をして、今度の選挙は県民投票みたいなものだよって子どもたちに言ったんです。今ここで沖縄が政府に擦り寄る結果にしてはいけないよって』と続けた。有権者一人一人が真剣に向き合った行動が積み重なり、結果として玉城氏の過去最多得票となったことの重さを実感させられた。『今の政府のやり方では基地は造られてしまうかもしれない。でも、無駄な抵抗だとしても自立したところを見せないといけないじゃないですか』の言葉に、こちらの眠気も吹き飛んでいた。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年10月26日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-特別評論 玉城県政発足 自立への渇望、何度でも-2018年10月26日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「台風25号の風雨が強まっていた10月4日深夜、夜勤のデスク業務を終えて会社前でタクシーに飛び乗った。9月30日の県知事選で当選した玉城デニー氏が県庁に初めて登庁したこの日、当選証書の交付から就任記者会見と朝から慌ただしく続いた。一方で台風の接近で県庁は午後から緊急閉庁となり、新知事から職員への訓示は吹き飛んだ。玉城県政、嵐の船出―。陳腐だがそんな表現が頭に浮かんでいた。」
②「暴風の中を進むタクシーの車中で、そういえば先週の今ごろも台風が心配だったねと運転手と話になった。南から台風24号が北上して知事選に直撃する予報があり、投開票が実施できるのか新聞社も気が気でなかった。投票率への影響も懸念されたが期日前投票所には1票の行使を無駄にしまいとする有権者の長蛇の列ができ、関心の高さをかえって印象付ける形になった。」
③「『久しぶりに投票に行ったんですよ』と運転手が問わず語りにつぶやいた。年齢は私と同じか少し上の40代半ばくらいか。『高校生の娘から知事選の話をしてきたんです。それで息子も含めて家族で話をして、今度の選挙は県民投票みたいなものだよって子どもたちに言ったんです。今ここで沖縄が政府に擦り寄る結果にしてはいけないよって』と続けた。有権者一人一人が真剣に向き合った行動が積み重なり、結果として玉城氏の過去最多得票となったことの重さを実感させられた。『今の政府のやり方では基地は造られてしまうかもしれない。でも、無駄な抵抗だとしても自立したところを見せないといけないじゃないですか』の言葉に、こちらの眠気も吹き飛んでいた。」
④「新県政が発足して早々の12日に、就任あいさつで上京した玉城知事と安倍晋三首相、菅義偉官房長官との官邸での面談が実現した。玉城知事は辺野古新基地建設反対の民意が自身の当選によって改めて示されたことを伝え、翁長雄志前知事による埋め立て承認の撤回に法的措置を取るのではなく県政との対話の継続を求めた。」
⑤「だがこの5日後、沖縄防衛局は名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回した県の処分を不服とし、行政不服審査法に基づく審査を石井啓一国土交通相に対して請求。審査結果を待たずに撤回による工事停止の効力を直ちに止める執行停止も併せて申し立てた。知事選で示した沖縄の民意はあまりにも早く簡単に踏みつけられた。」
⑥「21日投開票の那覇市長選が繰り広げられているさなかでもあった。もはや沖縄の選挙には一切配慮しないという冷淡で強権的な態度を取っても、内閣支持率には響かず、地元の自民党県連から抗議の声が表立って上がらない(上げられない)ところに、今の政治状況の異様さを覚える。」
⑦「法廷闘争で知事を追い込み、基地建設の既成事実を積み重ねて県民の間に諦めを広げる。翁長前知事への当面の弔いムードが過ぎ去れば局面は変わるという認識が透けて見える。だが、知事選の結果は本当に一過性のものだろうか。『基地は造られるかもしれない。だけど……』という自立への渇望は、確かに翁長氏の死がきっかけになりはしたが、折に触れて何度でも噴き出す県民の潜在意識だ。辺野古移設に反対しない県政を誕生させるためなら選挙期間中は辺野古の工事を止めたままでやり過ごし、大量の国会議員や運動員を全国から投入しながら、望まない結果になればローカルな民意を無視してはばからない。県民は基地問題を通して見える本土と沖縄の時々の関係をよく見ていて、その記憶を内面に刻み込んでいる。豊見城市長選、那覇市長選と連勝した玉城県政にとって、あるべき地方自治の目標へとぶれずに進路を取っていけるか。民意をつなぎとめる試金石となる。」(与那嶺松一郎 政治部キャップ)


(2)沖縄タイムス-「辺野古」県民投票条例案が可決 沖縄県議会、与党の賛成多数-2018年10月26日 11:16


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県議会(新里米吉議長)は26日の最終本会議で、『辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票条例案』について、与党提案の賛成、反対を問う2択の案を賛成多数で可決した。玉城デニー知事が期日を定め、条例公布から6カ月以内に実施する。」
②「与党は条例制定を求める9万2848筆の署名を集めた請求者の条例原案を基に、『賛成』と『反対』の2択で明確に問う案を提出。沖縄・自民、公明が反対、維新が退席、25人が賛成し、可決した。」
③「野党の沖縄・自民と中立の公明は回答の選択肢として賛否のほか、『やむを得ない』『どちらとも言えない』を加えた4択とする案を提出したが、賛成18人で否決された。」
④「与党案に賛成する県議は『4択では辺野古基地建設に対する民意をあいまいにする。請求者も4択に反対しており、署名した約10万人を超える県民への背信行為と言わざるを得ず、条例の趣旨を大きく逸脱する』と主張した。」
⑤「反対する県議は『【反対票が多い場合、普天間飛行場の固定化を容認したという誤ったメッセージを発信する】【賛成反対の2択では投票に行けない】という声がある。多様化する県民の思いを反映させるため選択肢を二つ増やし、提案する』と語った。」
⑥「中立の維新は『反対ではないが、最高裁が判断した中で、辺野古反対のための県民投票になるのではないかと考える』と退席の理由を説明した。」
⑦「条例では、県民投票に関する事務は知事が執行し、投票資格者の名簿調製、投開票の実施などを市町村の事務とすることとする、と定めている。賛否いずれか過半数の結果が投票資格者総数の4分の1以上に達した時には知事はその結果を告示し、尊重するとともに、日米両政府に結果を通知することになっている。」


(3)沖縄タイムス-辺野古承認撤回・執行停止申し立て 対立する沖縄県と国の主張まとめ-2018年10月26日 14:26

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が国土交通相に提出した県の埋め立て承認の撤回の執行停止の申し立て文書と、県が国交相に執行停止を認めないよう求める意見書が出そろった。防衛局の執行停止の申し立てが国民の利益救済を趣旨とする行政不服審査法に適合するか、緊急性が認められるか、撤回は適法か。対立する県と国の主張をまとめた。」
Ⅰ.<申し立ての適格性>国『私人と同じ資格ある』/県『行審法適用は不適法』   ①「沖縄防衛局は私人が公有水面を埋め立てる際に『免許』を受ける場合と同じ基準で『承認』を受けたことなどを理由に、国民の救済を趣旨とする行政不服審査法に基づく執行停止を申し立てた。一方、県は免許と承認は本質的に別のため、国が私人として執行停止を申し立てることはできないと反論した。」
②「県は私人に埋め立て免許を与えても、工事が完了した後に県から竣工(しゅんこう)認可を得る必要があるが、国は承認を得た後に県に竣工を通知するだけで水面の公用を廃止し工事ができるため、私人と同じ立場ではないと強調した。」
③「行審法は申し立てを請求する機関が『固有の資格』がある場合は法の適用を除外するが、防衛局は私人と同様の基準で承認を得たため、固有の資格で承認を得たのではないと主張する。」
④「県は辺野古の埋め立ては日本政府が日米安全保障条約、日米地位協定によって米軍への施設、区域の提供の義務を果たすことを目的としていると指摘。『国は外交、防衛の条約上の義務の履行のため承認手続きを得て基地建設事業を遂行しようとしており、一般私人ではなく、まさに国家としての立場でなされる行為だ』として、防衛局には固有の資格があり、行審法による申し立ては不適法だと主張した。」
Ⅱ.<損害と緊急性の有無>県「緊急性は認められず」/国「危険性の除去遅れる」
①「県は沖縄防衛局が執行停止が必要な理由とする『緊急性』は認められないと反論。県による埋め立て承認撤回から約1カ月半が経過してからの申し立てを『政府与党の(知事)選挙対策の政治判断』とし、中立の国土交通相が執行停止を容認するのは『政治への加担で戒めるべき』と訴えた。」
②「防衛局は撤回による『重大な損害』として(1)法的安定性が失われる(2)膨大な財産的・経済的な損失を生じさせる(3)普天間飛行場の危険性や不安の除去が遅れる(4)米国の信頼を危うくさせ安全保障体制に影響する-を挙げている。」
③「一方で、県は法的安定性は『主張はもっともらしいが【苦労して多数の関係者を巻き込んだのだから続けさせるべきだ】というものでしかない』として抽象的な主張だと反論した。」
④「普天間の危険性除去の遅れには『復帰46年を経ても国が危険性や騒音被害に対し住宅防音工事など以外に対策を講じず、放置し続けた』とし、国の不作為によるものだと切り返した。」
⑤「防衛局は工事停止中も1日約2千万円の維持費や警備費がかかるとしたが、県は『根拠は5ページの報告書で原資料もなく正当性が明らかでない』とした。」
⑥「安全保障への影響については外交安全保障上の利益は『一般公益』で、行政不服審査法が救済する私人の公益ではないため、行審法による執行停止の要件である重大な損害に該当しないとした。」
Ⅲ.<承認撤回の適法性>県「違反の不是正が理由」/国「撤回制限、法理に反す」
①「埋め立て承認撤回は、私人の行政処分の効力に対する信頼を保護する『撤回制限法理』に反するという沖縄防衛局の主張に対し、県は『防衛局が(公有水面埋立法に)違反し、全く違反行為を是正しないことから撤回する事由はある』と反論した。」
②「軟弱地盤などは承認後に見つかった問題だが、物理的には承認時から存在していたと考えられることから、撤回と『原始的不充足』による将来的な取り消しは同質と説明。違法状態を認識した場合は『法が処分してはならないとしている処分であるから、法律による行政の原理に基づいて撤回が可能』と主張、『違法な処分自体の利益は保護される余地がない』などと批判した。」
③「仮に撤回制限法理の適用があるとしても『処分の効力を消滅させることの公益上の必要性が高く、認められない』と訴える。海兵隊の移駐先が沖縄でなければならないという地理的必然性は存在せず『辺野古が唯一の解決策』には根拠がないとし、『特別に高度な公益性を認めることはできない』と述べた。」
④「また、聴聞手続きで十分な防御機会を与えられなかったとする防衛局の意見には、何度も行政指導した事項で『反論の準備に時間を要するものとは考えられない』と反論。『必ず撤回する』という翁長雄志前知事の発言は事業を阻止することを目的として行政権限を行使している、との指摘には『要件を充足する限りで(辺野古新基地)反対につながる行政権限を発動し阻止する、という発言に過ぎない』とした。」
Ⅳ.<軟弱地盤などの問題>県「災害防止 配慮足りず」/国「調査結果を見て判断」
①「沖縄防衛局は地盤を調べるボーリング調査は実施中で、調査結果が出た段階でしか判断できないとしている。一方、県は軟弱地盤の存在が明らかになり、地盤の液状化の危険性は否定できないとし『設計の概要に従って工事が進められれば、護岸の安全性は認められない』と主張する。」
②「防衛局が資料に記載がないとする活断層について、県は専門家からその存在が指摘されており『そのような場所を埋め立て対象とすることは【災害防止に十分配慮していること】の要件を満たしていない』と異議を唱えている。
③「米国防総省の『高さ制限』には辺野古周辺の多数の建造物が抵触する。防衛局は、統一施設基準には適用除外があり、米軍が安全性を確認すれば制限超過しても問題ないとするが、県は『適用除外でも、常に航空機事故による住民への被害が発生する危険性をはらんでいる』と断じた。」
④「過去には稲田朋美元防衛相が代替施設の完成後も普天間飛行場が返還されない可能性に言及。防衛局は『辺野古移設完了後も同飛行場が返還されないという状況は想定できない』とするが、県は『実現できることの具体的な論拠は不明』とした。
⑤「また事前協議が調わないまま工事を進めることは埋め立て承認時の条件である留意事項に違反しており、防衛局が『他事業と比較しても相当に手厚い』と説明するサンゴ類やジュゴンの環境保全措置についても『適切でない』などと疑問を呈した。」


(4)沖縄タイムス-防衛相「辺野古唯一は変わらず」 県民投票条例案の可決受け-2018年10月26日 12:22


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【東京】岩屋毅防衛相は26日午前の閣議後会見で、県民投票を実施する条例案が沖縄県議会で可決されたことについて『県民投票の結果をどう受け止めるかという以前に、何度も申し上げている基本的な考え方に変わりはない』と答え、米軍普天間飛行場の移設を進める考えを示した。条例案は普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設について是非を問う。」
②「条例案の可決で、6カ月以内に県民投票が実施される。岩屋氏は、辺野古埋め立ての賛否どちらの結果が出るかは『仮定の話』だと繰り返しつつ『私どもの考え方、辺野古へ移設が唯一の現実的な解決策であることに変わりはない』『抑止力を維持し、沖縄の負担を軽減したいという一貫した考え方で進んできたので変わりはない』などと述べた。」


by asyagi-df-2014 | 2018-10-26 18:24 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の民意を確認する。-沖縄タイムスの[遺志 意思の1票](5)から。-

 沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は、[遺志 意思の1票]との特集を組んだ。
 その意図は、「急逝した翁長雄志前知事の『遺志』を継ぐと訴えた玉城デニーさんが当選した沖縄県知事選。40万近くの得票は、沖縄の今や未来を見つめ、玉城さんに1票を託した県民の『意思』の積み重ねだ。有権者が見た知事選を追う。」、と説明する。
沖縄の民意を確認するために、この特集を考える。


 2018年10月15日の[遺志 意思の1票](5)は、「デニーカラー」 多様な沖縄 浸透へ一歩、とされた。
 「タイムス」は、「私も、デニーさんも、ハーフでもダブルでもないということを言いたい」の意味を、次のように報告する。


(1)「私も、デニーさんも、ハーフでもダブルでもないということを言いたい」。
(2)9月23日夕、知事選に立候補した玉城デニーさん(58)を応援しようと那覇市のさいおんスクエアで開かれた集会で、親富祖愛さん(35)=本部町=はマイクを握りしめた。親富祖さんの父親は米軍人、母親はウチナーンチュ。「デニーさんが出馬すること自体、時代が変わってきている」と感じる。
(3)だが、選挙期間中に聞いた応援演説で、ある議員が「玉城さんはハーフだからいじめられてとても苦労している」と口にしたことに悲しくなった。「議員でさえ今でも『ハーフ』という言葉を使ってしまうのか。私たちを分かったつもりだったのかもしれないけれど、もう少し背景とかを理解してほしかった」。海外では複数のルーツを持っている人は多くいる。お互いの違いを気にしない、カテゴライズされない社会であってほしいと願う。
(4)「デニーさんを希望として、一人一人が輝ける沖縄をつくっていく一人になりたい」と話す親富祖さん。「玉城さんはあくまで窓口。政治を変えていくのは私たち自身だ」と感じている。
(5)「トゥーヌイービヤ、イヌタケヤネーラン」。10本の指は同じ長さでも、同じ太さでもないという意味だ。玉城さんは演説で「多様性」を表現する際に、育ての母親から伝えられたこの言葉を使った。
(6)宜野湾市出身で台湾の大学に留学中の諸喜田真子さん(21)は、そのメッセージを聞いて「沖縄も多様性の豊かな場所の一つだと気付かされた」と話す。留学中はさまざまな人種の人たちと付き合う機会があり「海外にどこかキラキラしたものを感じている自分がいた」という。今回の選挙は「沖縄の分岐点」だと感じ、自分の目で確かめたいと一時帰国した。以前は、玉城さんを前知事の翁長雄志さんの遺志を継いでくれる候補者という視点で見ていたが、SNSで発信される動画などを見ていくうちに、多様性の尊重を訴える「デニーカラー」に引かれていった。沖縄には地域ごとに多くの文化があり、本土の人も海外の人もいる。その中で私たちは共存している−。
(7)「これからだね。頑張らないとね」。玉城さんの当選を受け、友人や家族とそう話し合ううちに、喜びと覚悟が交錯した。                      (社会部・比嘉桃乃)


 確かに、受け取る言葉があるとしたら、「玉城さんはあくまで窓口。政治を変えていくのは私たち自身だ」。
今回の沖縄県知事選挙が見せたもの。
まさに、「これからだね。」




by asyagi-df-2014 | 2018-10-26 07:06 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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