2018年 10月 23日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年10月23日

 安倍晋三政権(防衛省)は、沖縄県の埋め立て承認撤回の取り消しと執行停止の根拠について、『国も私人と同じ立場で行政不服審査法に基づき審査請求できる』と『撤回で生じる不利益に普天間飛行場の固定化や米国との信頼関係が損なわれる』ことを挙げる。
本当に、「国も私人と同じ立場」という主張が許されていいのだろうか。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年10月23日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-防衛局「県は権限乱用」 承認撤回停止文書 国の「私人」性強調 専門家、国の立場「矛盾」-2018年10月23日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、沖縄防衛局が県の埋め立て承認撤回取り消しと執行停止を求めた件で、沖縄防衛局は国土交通相に提出した文書で故翁長雄志前知事の『撤回を必ず行う』との発言などを挙げ『結論ありきで行政権限の乱用だ』と主張していることが22日、分かった。その上で撤回処分は『違法で不当』だと結論付けた。2015年に県が承認を取り消した際と同様、『国も私人と同じ立場で行政不服審査法に基づき審査請求できる』と強調している。」
②「琉球新報が同日までに入手した審査請求書と執行停止申立書で判明した。県は撤回について『法に基づき判断した』と主張、正当な権限行使だと説明している。」
③「『私人と同じ立場』の理由として政府は仲井真弘多元知事から通常の事業者と同じ手続きで埋め立て承認を得たことなどを挙げている。ただ、撤回で生じる不利益に普天間飛行場の固定化や米国との信頼関係が損なわれることなどを挙げている。」
④「これについて白藤博行専修大教授(行政法)は「私人と同じだと言いながら国益の損失を主張している」と矛盾を指摘した。」
⑤「防衛局は、県による埋め立て承認撤回について(1)県は防衛局に十分な反論機会を与えずに撤回した(2)県が示す撤回理由が抽象的な恐れや可能性を示すにとどまる(3)撤回による甚大な不利益が生じる(4)行政権の乱用だ―などと主張している。その上で、埋め立て工事ができなければ、普天間飛行場の危険性除去が滞って見通しが立たなくなるとし『辺野古移設が唯一の解決策』との考えを強調した。」
⑥「執行停止申立書では、工事が停止している間も現場の維持管理などに1日当たり約2千万円の支出があることなどを記述し、工事を再開する緊急の必要性があるとした。」
⑦「執行停止の取り消しを求める審査請求書と添付書類は65ページ、効力の停止を求める執行停止申立書と添付書類は13ページある。」


(2)琉球新報-全学徒 犠牲数明記へ 県方針 摩文仁 碑そばに説明板-2018年10月23日 05:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「県は22日までに、糸満市摩文仁の『全学徒隊の碑』のそばに、師範学校や旧制中学校の全戦没者数を記した板を設置する方針を決めた。沖縄戦に動員された県内21校の元生徒らでつくる『元全学徒の会』は、全学徒の犠牲者数を明示するよう県に求めていた。新たに設置する補足板には、同会の調査に基づき計1983人が命を落としたことを記す。」
②「2017年3月14日、糸満市摩文仁の平和祈念公園内で『全学徒隊の碑』の除幕式があった。碑の建立は昭和高等女学校の同窓生の吉川初枝さん(90)と上原はつ子さん(89)が県に要請して実現した。ただ、碑には全21校の名が刻まれているものの、犠牲になった人数には触れられていなかった。」
③「元全学徒の会は『戦没者数を刻めば、私たちがいなくなっても沖縄戦の悲惨な実相を伝えてくれる』とし、ことし4月に県議会に陳情を提出。県は『正確な数字が判明していない』と慎重な姿勢を示していた。」
④「県や同会によると、犠牲者数を記した補足板を全学徒隊の碑の近くに設置する方針を決定。県が9月に同会に伝えたという。県幹部は『予算措置はまだだが、なるべく早く設置できるようにしたい』としており、年度内の完成を目指す。」


(3)沖縄タイムス-那覇市長選「オール沖縄」候補の勝利に、菅氏「辺野古が唯一に変わりない」-2018年10月23日 05:00


 沖縄タイムスは、「【東京】菅義偉官房長官は22日の会見で、知事選と豊見城市長選に次いで那覇市長選でも「オール沖縄」勢力が推す候補が当選したことについて『辺野古移設が唯一の解決策という考えに変わりない。地元にできるだけ丁寧に(説明し)粘り強く進めながら実現したい』と答えた。」、と報じた。
 また、「菅官房長官は「普天間飛行場の危険な状況をそのままに放置することはできず、固定化も避けなければならない。抑止力もある」と説明。県の埋め立て承認撤回に対し沖縄防衛局が、国土交通相に撤回取り消しの審査請求と執行停止の申し立て書を那覇市長選期間中に提出したことに関しては「(影響は)考えていない。地元のさまざまな問題が争点となっての結果だ」と述べた。」、と報じた。


(4)琉球新報-沖縄県の埋め立て承認撤回への国の対抗措置 内容判明 「公と私」使い分け 損害回避の緊急性強調-2018年10月23日 14:39


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、沖縄県が公有水面埋立法(公水法)に基づき埋め立て承認を撤回したことへの対抗措置として、沖縄防衛局が行政不服審査法(行審法)に基づいて国交相に提出した審査請求書と執行停止申立書の全容が判明した。防衛局は“私人”と同様の立場を強調し、行審法の適用除外にならないと主張。一方、文書の中で『事業が頓挫すれば日米同盟に悪影響を及ぼす』『我が国の安全保障と沖縄の負担軽減に向けた取り組みを著しく阻害する』などと訴え、国の立場を主張する“矛盾”も目立つ。文書を検証した。」
②「石井啓一国土交通相に提出された埋め立て承認撤回に対する執行停止申立書で、沖縄防衛局は、行政不服審査法25条4項の『重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるとき』に該当すると主張し、執行停止を求めている。該当する根拠として防衛局は、工事中断により警備費や維持管理費などで1日当たり2000万円の不要な支出を迫られる上、普天間飛行場の返還が遅れることで周辺住民への危険性除去など生活環境の改善という『金銭に換算し難い損失を伴う』ことなどを列挙した。また『米国からの信頼を危うくし、わが国の安全保障体制にも影響する』とも強調している。」
③「一方、3年前に翁長雄志前知事が承認を取り消した際、政府が執行停止を申し立てたのはその翌日で、今回の対応と大きな違いがある。玉城デニー知事は『県が8月31日に行った承認取り消しから既に1カ月半以上が経過しており、緊急の必要があるとは到底認められない』と反論する。」
④「安全保障政策などについて検証するシンクタンク『新外交イニシアティブ(ND)』の猿田佐世代表は『経済的という視点なら、数千億円以上かかるとされる辺野古基地建設を見送った方が良い』と指摘。『辺野古いかんにかかわらず5年以内の普天間返還への努力が約束されており、辺野古に建設できなれば普天間が返還されないという政府の言い分はどう喝と同じだ。辺野古を強行して県民の怒りが日米安保そのものや嘉手納基地に向かう方が、よほど日米関係を不安定化させる』と防衛局が挙げる根拠を疑問視する。」
⑤「<軟弱地盤と活断層>存在を認めず:県は軟弱地盤について地盤の液状化や沈下による建物の倒壊などの危険性を指摘してきた。だが防衛局は今回も調査が継続中であることを理由にして存在を認めていない。一方で防衛局は今回初めて地盤強度に問題があった場合は『改良工事を行う』と述べ『一般的な工法により、安定性を確保した埋立工事を行うことが可能』と説明した。地盤工学を専門とする日本大学の鎌尾彰司准教授は『防衛局が提示した工法の工事は可能だが、軟弱地盤の深さと広がりを考慮すると山が一つ無くなるくらいの砂が必要になるなど膨大な時間や経費がかかる。県に具体的な工事の工程を説明しなければいけない』と指摘した。」
⑥「防衛局は活断層の存在も認めていない。その理由として、参考にした文献や県の防災計画で『考慮されるべき活断層として扱われていない』ことを挙げた。だが、情報公開請求で明らかになった防衛局による土質調査報告書には琉球石灰岩を切る断層の存在が明記されている。防災地質学が専門の加藤祐三琉球大名誉教授は『防衛局自身が行った調査で活断層の存在が分かっているにもかかわらず、今回その存在を認めていないのはおかしい』と指摘した。」
⑦「<行審法使用の根拠>私人の立場で請求:県による埋め立て承認撤回について、沖縄防衛局は一般私人と同様に権利利益が奪われたとして、行政不服審査法に基づいて国土交通相に撤回取り消しを求めることができると審査請求の理由を説明している。国民の権利救済を目的とする行審法は『固有の資格』の立場として国の機関への処分に対する審査請求は適用しないと規定しているが、防衛局は『国民』と同じ立場で行審法の適用を受ける以上、その他の立場には該当しないという主張だ。」
⑧「請求理由で防衛局は行審法は申し立てに行政機関が請求人になることを排除せず定めているとして、審査請求する正当性を述べている。しかし『固有の資格』に関する条項は明らかに行政機関に対する適用除外の規定だ。今回が『排除せず』に該当するのであれば、『固有の資格』に当たらないという積極的な打ち消しが求められるが、法律や行政法の専門家らは『約2ページにわたって【固有の資格】に関する解釈を示しているが、なぜ今回の請求が【固有の資格】に該当しないことになるのか、説明になっていない』と問題点を挙げる。審査請求や執行停止申し立ての可否を判断する国交相が『固有の資格』の規定をどのように解釈するのか注目される。」
⑨「<県と国の協議>「段階的に協議」:仲井真弘多元知事が埋め立てを承認した際、県は『工事の実施設計について事前に県と協議を行うこと』を留意事項に記載し、安全性の確認のために護岸全体の実施設計を示すことを求めてきた。だが防衛局は全体設計を提出せず、事前協議が完了しないうちに昨年2月に汚濁防止膜設置の海上工事、同年4月には護岸工事に着手している。今回の審査請求書で防衛局は『全体の設計を示さなくても護岸全体の安全性が損なわれる事態はあり得ない』と主張し、実施設計を段階的に提出する姿勢を崩していない。」
⑩「県は環境への影響について一部の護岸だけではなく、全体への影響を検討する必要があると主張し、護岸全体の実施設計の提出と事前協議を求めてきた。事前に決めたサンゴ類やジュゴンなどの環境保全策も実行されていないと指摘してきた。だが防衛局は今回『環境保全対策等は実施する個別の護岸工事の進捗(しんちょく)に伴って必要になるもの』としている。」
⑪「<工事と環境保全>手続き論へ押し込む:県は防衛局の工事の進め方がサンゴ類など環境保全が適切ではなく、環境保全や災害防止に十分配慮するとした公水法の要件を充足しないと主張する。環境省の『海洋生物レッドリスト』に記載されたサンゴの環境保全措置も不十分であり、同記載種の14群体が確認されたが13群体の死亡、消失が確認されたとして『工事の影響ではないとは言えない』と指摘する。ジュゴンの餌となる海草藻類の保全措置なども不十分であり、ジュゴン監視・警戒システムの問題点、不適切性もあるとする。今回防衛局はサンゴ類の移植について環境監視等委員会で十分に指導、助言を受け『ハビタットマップ』を作成し、移植先を選定するなど十分に科学的、専門的検討の上に行われたなどと主張している。ジュゴン保護キャンペーンセンター吉川秀樹氏は『防衛局は手続き論に押し込めようとしている。県は事実に基づいた指摘をしているが、防衛局は【環境保全図書を踏まえた措置や対策が取られればいい】などと机上の議論になっている』と指摘した。環境監視等委員会の機能を前提にしている問題点も指摘した。」
⑫「サンゴに詳しい大久保奈弥東京経済大准教授は『環境監視等委員会のサンゴに関する助言は非科学的で不正確だ。防衛局が移植する必要がないとした護岸付近の大型ハマサンゴも、調査を委託したエコー社の過去のデータから見れば移植対象種となる。防衛省側は稚拙な論拠で埋め立てを正当化している』と批判した。」
⑬「<高さ制限・返還条件>「米軍飛行、問題なし」:高さ制限について県は、国立沖縄高専や弾薬倉庫、沖縄電力の鉄塔などが制限に抵触すると指摘した。そうした場所を選ぶことは埋め立て承認審査基準の『適切な場所』に適合せず、公水法の要件も充足していないと主張する。これに対し国は『米軍が飛行の支障になるとの問題意識を示したのは沖縄電力の送電線や通信鉄塔のみで、それら以外は飛行経路に鑑みても安全上、問題はないとされている』と主張する。米軍普天間飛行場の返還条件について県は、『返還条件が整わなければ返還されない』という稲田朋美元防衛相の答弁などを挙げ『極力短期間の移設案が望ましい』とする埋め立ての必要理由が成立せず、法要件を充足していないと主張した。これに対し国は『日米間の協議で返還条件の達成を困難にする特段の問題は生じておらず、同飛行場の返還がかなわない事態は想定できず、県の指摘は撤回の理由たり得ない』と主張する。」
⑭「新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世代表は『仲井真弘多元知事の埋め立て承認の前提となった普天間飛行場の5年以内の運用停止の努力を政府が果たしていない以上、埋め立て承認の正当性も疑わしい』と指摘した。普天間飛行場の辺野古移設とグアム移転を切り離して進めるとした2012年の日米合意に触れ『グアム移転は早く進めるべきだ』とも述べた。」
①「<行審法改正>国適用除外、明文化:国民の権利利益を守ることを目的とする行政不服審査法は2014年の改正で、国の機関に対する処分のうち『固有の資格』で処分の相手方となったものは適用除外にすることが明文化され、同条項は16年4月に施行された。『固有の資格』は国民が受ける可能性がない処分のことで、国民が審査請求することはない。そのため対象外となる。今回の沖縄防衛局による辺野古埋め立て事業は国による新基地建設計画に伴い進められている。知事が埋め立てを認めることも、承認を取り消すことも国民が受ける可能性のない処分だ。そのため防衛局が15年に行審法を利用して知事の埋め立て承認取り消しに執行停止を申し立て、国交相が認めたことには専門家から大きな批判を受けた。16年の改正法施行を受け、国交相がどのように判断するか焦点となる。」


(5)沖縄タイムス-石垣市真栄里で不発弾処理 24日午後8時半から 避難対象82世帯-2018年10月23日 15:23


 沖縄タイムスは、「沖縄県石垣市真栄里の旧空港跡地付近で見つかった米国製50キロ爆弾1発の不発弾処理作業が24日午後8時半から、同所である。避難半径は166メートルで、避難対象は82世帯161人と3事業所。午後7時から避難誘導を始める。交通規制は同8時15分からで同9時15分ごろに解除予定。避難所と現地対策本部は老人福祉センターに設置する。」、と報じた。



by asyagi-df-2014 | 2018-10-23 18:32 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄の民意を「金平茂紀の新・ワジワジー通信(38)」で確認する。

 実は、最終回となった「金平茂紀の新・ワジワジー通信(38)」は、玉城デニー氏の県知事選勝利を次のように伝えた。

(1)まさに歴史的瞬間だった。9月30日の夜9時半すぎ。那覇市古島の教育福祉会館の2階ホールは、NHKが玉城デ二ー氏の当選確実を報じるや、歓喜の拍手とカチャーシーと「デニー・コール」で沸き立った。一方の候補の選対開票会場、ハーバービュー・ホテルの大宴会場に陣取った佐喜真淳陣営は敗北に沈んだ。何から何までが対照的だった。調べてみると、玉城陣営の会場レンタル費用は実質8時間で6万円、佐喜真陣営の会場費はそれとは一桁違う金額だった。選挙中、県民所得が全国最低だの、最低賃金がどうのと訴えていたのは佐喜真陣営だったのだが…。会場に詰め掛けていた人々も両陣営では大きな違いがあった。佐喜真陣営は与党幹部や地方議員、その関係者らがほとんど。一方の玉城陣営には多種多様な人々が集っていた。組織・団体VS草の根。
(2)実は、あの夜、朝日新聞、QAB(琉球朝日放送)が、午後8時の投票締め切りとほぼ同時に「玉城デニー氏当選確実」と速報した。これには僕も驚いた。僕らが身内で「ゼロ打ち」「冒頭(当確)」と呼んでいるこの速報は、よほどの確度のある裏付けがなければ打てない。それが今回はあった。だがその後90分にわたって沈黙が続いた。東京の政治部報道では政権べったりの色彩が強いNHKが、午後9時33分に玉城氏当確を打った。その瞬間、最前列の玉城氏めがけて後方からお揃(そろ)いのデニT(玉城デニー氏の顔をあしらったTシャツ)を着た若者たちが駆け寄ってきてカチャーシーの乱舞が始まった。デニー氏も体全体で喜びを表現するように踊っていた。ああ、ここには音楽もダンスもあるなあ。長い間、硬直した「反対運動」に欠けていた文化のチカラがあった。運動は楽しくかつ魅力がなければ人々は集わない。そう言えば、佐喜真陣営が流していた選挙応援ソングは候補者と何だかマッチしていないなあ、と僕は思った。音楽は玉城氏自身が若い頃から虜(とりこ)になっていた得意分野だ。何しろコザのロック少年だったのだから。
(3)大昔に大ヒットしたロックの名曲にドアーズの「Light My Fire」というのがある。邦題がなかなかよくて「ハートに火をつけて」だ。デニー氏に「この歌好きでしょ?」と聞いたら「大好きです」との答えが返ってきた。僕は、この「ハート」という語を玉城デニー氏がよく口にする「ちむぐくる(肝心)」(本当に心に大切に思っていること)という語に置き換えて、玉城氏に謹呈したい。今回の玉城氏の勝利は、沖縄の人々のちむぐくるに火をつけたことが勝因だと僕は思っているのだ。
(4)識者たちが訳知りに勝因敗因分析を開陳するだろう。故・翁長雄志前知事が辺野古新基地建設阻止の公約を命を削って守り抜いた、政治家としての究極的な清廉さを、沖縄の人々が忘れなかったこと。公明党の支持母体、創価学会・沖縄の人々が、辺野古新基地建設反対を明言しない佐喜真氏に強い不信感を抱き、3割以上の学会員がデニー候補に票を投じたとみられること。投票日間近に台風24号が沖縄を直撃し、期日前投票を促し、結果的に浮動票の掘り起こしに大いに作用したこと。小泉進次郎衆院議員や菅官房長官、小池百合子東京都知事、片山さつき参院議員といった中央の著名政治家らが相次いで佐喜真氏応援に駆けつけて、応援すればするほど、かえって反発を招いたこと。とりわけ、沖縄だけ携帯電話料金4割引きなどという県民を愚弄(ぐろう)するような言辞をもてあそんだこと…。
(5)だが、もう少し広い視野から今回の選挙結果の意味をとらえ返してみようではないか。決定的に重要なのは、候補者の人品骨柄だった。中央政界とのパイプを誇示する「へつらい型」の生き方と、沖縄のことは沖縄で決めるという「あらがい型」の生き方。後者は、いばらの道を歩むことになるかもしれないが、フェアな、誠実な生き方ではないのか。沖縄の有権者の多数派はそのような生き方を選んだのだ。
(6)玉城デニー氏は父親が米軍基地の兵士だった。その父親はデニー氏が母親のおなかの中にいる時に単身帰国した。だからデニー氏は父親の顔をみたことがない。母子家庭で育ち、地域住民の愛情の中で育てられた。冷徹な事実がある。玉城デニー氏は米軍基地が沖縄になかったならば、この世に生を受けていなかった。その彼が、沖縄の地にこれ以上の新たな米軍基地はいらないと主張することの「重み」を、本土に蝟集(いしゅう)する、歴史を知らぬ政治家たちはよくよく考えた方がよい。「ボーっと生きてんじゃねえよ!」とチコちゃんに喝をいれてもらいたいくらいだ。多人種、多文化、チャンプルー性、政治手法の多様性と柔軟性を、身をもって生きてきた玉城デニー氏を、沖縄県民は知事に選んだ。有権者の判断力と勇気に敬意を表する。なぜならば、僕らはその沖縄をいたぶり、いじめ、脅し続ける政権を、知らんぷりをする国民とともに、選挙を通じて勝たせ続けている本土の人間だからだ。
(7)さて、ご報告。2008年8月以来、東京から、そしてアメリカから本紙に原稿を送り、掲載されてきた「ワジワジー通信」の連載(「ニューヨーク徒然草」「ワジワジ通信」「新・ワジワジー通信」)は、今回をもって終了することになりました。長年の皆さまのご愛読とご支援に心から感謝いたします。沖縄の取材現場で「ワジワジー、読んでますよ」と声をかけられた経験が幾度となくあり、随分と僕自身励まされました。それが取材を続ける糧となりました。本当にありがとうございました。半世紀近く前に加藤周一という希代の知識人が書いていた言葉が今は心に染みます。「私の民主主義の定義は、実践的な目的のためには…甚だ簡単である。強気を挫き、弱きを援く」(朝日新聞1972年1月21日夕刊)。「ワジワジー通信」は、考えてみれば、そのような思いと共感するところから書き継いできたように思います。ですから、今回の玉城デニー氏の知事選勝利は、「ワジワジー精神」の勝利だと、僕はひそかに思っているのです。「ワジワジー通信」をお読みいただいた読者の皆さんとは、また別のところでお目にかかるかもしれません。なぜならば、僕はジャーナリストなので、口をつぐんでいる気はさらさらありませんので。皆さん、新時代の沖縄を力強く作っていってください。またお目にかかりましょう。さようなら。(テレビ報道記者・キャスター)=おわり



 沖縄意思の確認を行ってきた。
 ここで、金平茂紀は、「だが、もう少し広い視野から今回の選挙結果の意味をとらえ返してみようではないか。決定的に重要なのは、候補者の人品骨柄だった。中央政界とのパイプを誇示する『へつらい型』の生き方と、沖縄のことは沖縄で決めるという『あらがい型』の生き方。後者は、いばらの道を歩むことになるかもしれないが、フェアな、誠実な生き方ではないのか。沖縄の有権者の多数派はそのような生き方を選んだのだ。」、と分析する。
この大差は、確かに、当てはまるのかもしれない。
そして、「多人種、多文化、チャンプルー性、政治手法の多様性と柔軟性を、身をもって生きてきた玉城デニー氏を、沖縄県民は知事に選んだ。有権者の判断力と勇気に敬意を表する。なぜならば、僕らはその沖縄をいたぶり、いじめ、脅し続ける政権を、知らんぷりをする国民とともに、選挙を通じて勝たせ続けている本土の人間だからだ。」、との指摘に繋がる。



by asyagi-df-2014 | 2018-10-23 07:34 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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