2018年 10月 19日 ( 1 )

沖縄から、安倍晋三政権への異論。-沖縄の民意を無視するな-

 やはり、沖縄から、安倍晋三政権への異論が突きつけられる。
沖縄は、再び、安倍晋三政権の圧政に曝されることになった。
何が起こっているのか。
沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は2018年10月17日、「防衛省沖縄防衛局は17日、名護市辺野古の新基地建設に伴う沖縄県の埋め立て承認撤回を受け、石井啓一国土交通相に対して行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立てた。国交相が執行停止を認める可能性は高く、現在止まっている辺野古の工事が月内にも再開される見通しが出てきた。」、と伝えている。
それも、9月30日の沖縄県民の選択によって、「辺野古新基地建設『否』」という沖縄県総意の発露であったはずであるにかかわらずである。


まずは、琉球新報(以下、「新報」)と「タイムス」の社説から、このことを捉える。
「新報」は、行政不服審査法に関して、次のように押さえる。


(1)9月30日の知事選では、辺野古移設を推進する安倍政権が全面支援した候補者を、新基地建設反対を訴えた玉城デニー知事が大差で下した。2014年の知事選に続き、県内移設に反対する県民の意志が明確に示された中で、埋め立てを強行することは民主主義を踏みにじる暴挙としか言いようがない。
(2)そもそも、行政不服審査法は、行政庁の違法・不当な処分などに関し国民の権利利益の救済を図ることなどを目的としている。本来、行政庁である政府は、同法による救済の対象にはなり得ない。にもかかわらず、県が埋め立て承認を取り消した15年には、沖縄防衛局長が自らを「私人」と主張して承認取り消しの執行停止を申し立てた。国交相はこれを認めている。一般国民のために作られた制度を、政府が「私人」と強弁して乱用するのは詐欺にも等しい行為だ。
(3)政府は、法治国家としてはあり得ない横暴な手段をまたしても取ろうとしている。国交相は、このような欺瞞(ぎまん)に満ちた出来レースにまたしても加担するのか。
(4)石井啓一国交相は公明党に所属している。同党沖縄県本部は普天間飛行場の県内移設に反対する立場だ。県本部からも、理不尽な申し立てを認めないよう働き掛けるべきだろう。


 「新報」は、今回のことが何故間違っていいるのかを次のように指摘する。


(1)国交相に申し立てをしたことについて岩屋毅(たけし)防衛相は「普天間飛行場の危険性除去と返還を一日も早く実現できるよう努力する」と強調した。知事選の結果について「真摯(しんし)に受け止める」と述べながらも、抑止力の維持と沖縄の負担軽減の必要性を挙げ、移設を進める方針を示した。
(2)「抑止力」は政府の常套句(じょうとうく)だが、その根拠については合理的な説明が示されていない。海兵隊はヘリや水陸両用車の歩兵部隊を海岸から内陸部に上陸させる強襲揚陸作戦や、陸上鎮圧の特殊作戦などが主な任務だ。
(3)軍事面から見れば、沖縄に海兵隊を展開する理由は乏しいと多くの専門家が指摘している。沖縄には極東最大の米空軍嘉手納基地など多くの基地が存在する。普天間飛行場がなくなったからといって、何の支障もないのである。
(4)「国民の皆さまは、新基地反対の圧倒的な民意が示されたにもかかわらず、民意に対する現政権の向き合い方があまりにも強権的であるという現実をあるがままに見てほしい」と玉城知事は訴えた。


 結局、「新報」は、この問題の本質は、「沖縄との対話の道を一方的に閉ざし、問答無用で新基地建設に突き進む。地方の民意を蹂躙する安倍政権の態度は全国民にとって脅威となり得る。沖縄だけの問題ではない。」と見据え、日本人全体に訴える。


 次に、「タイムス」の社説からこのことを見てみる。
「タイムス」は、まず沖縄県民の尊厳に関して次のように指摘する。


(1)玉城デニー知事が安倍晋三首相に会い「話し合いの場を設けてほしい」と要望してからわずか5日だ。対話による解決すら拒否する政府に嫌悪感を禁じ得ない。
(2)玉城氏が「知事選で示された民意を踏みにじるもので、到底認められない」と反発するのは当然である。県民の声など一切聞く必要がないという態度であり、過去のどの政権もとったことのない強権的な姿勢だ。
(3)安倍氏は玉城氏との会談で「県民の気持ちに寄り添いながら」と基地負担軽減を約束した。今月9日の翁長雄志前知事の県民葬で菅義偉官房長官は沖縄の基地負担の現状は「到底是認できない」と弔辞を読み上げた。
(4)その舌の根も乾かぬうちに、法の趣旨を歪(ゆが)め、対話の呼び掛けを無視し、対抗措置に踏み切るというのは、県民の尊厳を踏みにじるものだ。


 また、「タイムス」は行政不服審査法に基づく申し立てに関して、次のように批判する。


(1)沖縄防衛局は、県が辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回したことへの対抗措置として、行政不服審査法に基づいて国土交通相に審査を請求、あわせて撤回の効力停止を申し立てた。
(2)防衛省の申し立てを、同じ政府の機関である国交省が審査するというのだから、結論は見えている。
(3)政府は県が埋め立て承認を取り消した際も同様の対抗措置で取り消しの効力を停止したが、そもそも行政不服審査法は、強大な公権力から「国民の権利救済」を目的とした法律である。制度の乱用だと識者から批判があったことを忘れたわけではあるまい。


 さらに、安倍晋三政権の強権ぶりを次のように告発する。

(1)普天間返還合意に尽力した当時の橋本龍太郎首相は「地元の頭越しには進めない」と、大田昌秀知事とひざ詰めで17回も会談した。
(2)小渕恵三首相は沖縄サミットの誘致に力を尽くし、県民の本土政府に対する不信感を和らげようと努力した。
(3)やり方は稚拙で実現に至らなかったが、鳩山由紀夫首相は歴代政権で初めて「最低でも県外」と声を上げ、県民の気持ちを代弁した。
(4)安倍氏には歴史に根差した沖縄県民の苦悩に丁寧に向き合うという姿勢がまったく感じられない。菅氏もそうだ。今年の慰霊の日の追悼式や県民葬といった厳粛な場で、安倍氏や菅氏に怒声が飛んだことの意味をもっと真剣に考えてほしい。見たくない現実も直視することが対話の前提である。合意形成の努力を怠るのは政治の堕落というしかない。


 結局、「タイムス」もまた、「今こそ本土側も県の提起を受け止め、議論を喚起してほしい。
、と次のように訴えるのである。


(1)共同通信社が知事選後に実施した全国電話世論調査で、政府の辺野古移設方針を「支持しない」と答えた人が54・9%に上り、「支持する」の34・8%を大きく上回った。
(2)玉城知事誕生を受け、米紙ニューヨーク・タイムズは日米両政府に辺野古移設の見直しを求める社説を掲載した。
(3)知事選後の全国紙や地方紙の社説も対話による解決を求める声が多かった。
(4)戦後、これだけ基地を押し付けておきながら、なぜこれから先も沖縄だけに負担を強いるのか。今こそ本土側も県の提起を受け止め、議論を喚起してほしい。


 確かに、今回の「行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立て」は、安倍晋三政権の「暴挙」であり、沖縄の民意をを全く無視するものである。
この「行政不服審査法に基づく審査請求と、処分が出るまで撤回の効果を止める執行停止を申し立て」については、次のことが言える。


(1)行政不服審査法に関しては、やはり今回も、「そもそも論」を、言い立てるしかない。つまり、行政不服審査法は、行政庁の違法・不当な処分などに関し国民の権利利益の救済を図ることなどを目的としている。本来、行政庁である政府は、同法による救済の対象にはなり得ない、のである。
(2)沖縄からの民意を否定することは、自己決定権を否定することであり、こうした安倍晋三政権の手法は、民主主義を否定する暴挙に過ぎない。
(3)したがって、この「暴挙」に対しては、「地方の民意を蹂躙する安倍政権の態度は全国民にとって脅威となり得る。沖縄だけの問題ではない。」(琉球新報)との視点から、日本全国で、沖縄県からの提起を真摯に受け止めるとともに、安全保障のあり方についての議論を早急に始めなければならない。



by asyagi-df-2014 | 2018-10-19 06:47 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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