2018年 10月 11日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年10月11日

 沖縄県東村高江の民間牧草地で米軍の大型輸送ヘリが炎上事故を起こしてから1年がたった。その牧場では、「現場の牧草地は土壌の入れ替え作業が終わり、今年2回目の出荷を控えていた。」(沖縄タイムス)、という。
しかし、現状は、「沖縄県東村高江の民間牧草地で米軍の大型輸送ヘリが炎上事故を起こしてから11日で1年。現場の牧草地は土壌の入れ替え作業が終わり、今年2回目の出荷を控えていた。『目に見える変化はない。米軍はいまも好き勝手に飛び続けている』と地権者の西銘さん一家は不満を口にする。」(沖縄タイムス)とのことである。また、「事故後は畑仕事や豚の世話をしながらも米軍機の音が聞こえたら作業の手を止め、どこを飛んでいるのか気にするようになった。」(沖縄タイムス)とも。
 これが、沖縄の米軍基地被害の実像。
 実は、こんなことが許されている。
「沖縄県東村高江の民間牧草地で米軍の大型輸送ヘリが炎上事故を起こしてから11日で1年。事故後、沖縄県警の捜査は日米地位協定や、民間地での米軍機事故に関する『ガイドライン』の壁に阻まれた。初動捜査は機体近くからの目視や写真撮影などの記録作業にとどまり、肝心の現場検証は機体撤去の後。県警は事故機の検証を米軍に嘱託し、結果を基に立件の判断をする方針だが、回答はまだない。航空危険行為等処罰法違反容疑などを視野に捜査を進めるものの、事件化を困難視する声も聞かれる。」(沖縄タイムス)


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年10月11日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-「諦めるしかないのか」 米軍ヘリ炎上事故1年、現場の牧草地はいま-2018年10月11日 05:48


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県東村高江の民間牧草地で米軍の大型輸送ヘリが炎上事故を起こしてから11日で1年。現場の牧草地は土壌の入れ替え作業が終わり、今年2回目の出荷を控えていた。『目に見える変化はない。米軍はいまも好き勝手に飛び続けている』と地権者の西銘さん一家は不満を口にする。」
②「ヘリが炎上していた時、現場から約100メートルの豚舎にいた西銘清さん(89)。事故後は畑仕事や豚の世話をしながらも米軍機の音が聞こえたら作業の手を止め、どこを飛んでいるのか気にするようになった。」
③「沖縄防衛局は、米軍機が集落を避けて通る目印となる航空標識灯を設置しているが、『米軍は自由に飛んでいる。集落の近くには(離着陸訓練の)ヘリパッドがあるから諦めるしかないのか』と嘆く。」
④「清さんの息子・西銘晃さん(65)は『事故後も宜野湾市で米軍機の部品が落下する事故があった。米軍は反省していない』ときっぱり。」
⑤「米軍が現場に放射性物質が残っていたのにもかかわらず『撤去した』と誤った説明をしていたことを知らされると、『米軍は私や消防隊員に何も危険物質のことを言わなかった。なんでこんな大事なことを黙っていたのか』と憤った。」
⑥「晃さんの妻・美恵子さん(64)も『訓練に失敗は付きもので、別の場所にヘリが落ちる可能性もある。事故が起きて、沖縄に基地があること、米軍機が飛び交うことがおかしいと思うようになった』と話した。」


(2)沖縄タイムス-デニー知事、安倍首相と会談も きょう上京 政府の対応に変化?-2018年10月11日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「玉城デニー沖縄県知事は11日、就任して初めて上京し、政府の関係閣僚や各政党の幹部と会談を予定している。11日は自民党本部で二階俊博幹事長ら党幹部との会談が決定しており、12日までの滞在中に安倍晋三首相や菅義偉官房長官などと会談を調整している。」
②「前任の翁長雄志前知事は2014年11月の知事選で当選した直後から安倍首相ら政府高官との会談を申し入れていたが、実現したのは就任4カ月後だった。名護市辺野古の新基地建設阻止を柱とする県政継承を訴え玉城知事が当選したことで、政府側の対応に変化が生じている。」
③「菅氏は10日の定例会見で『玉城知事から就任あいさつのため12日に官邸を訪れたいと申し入れがあった。日程が合えば会いたいと考えている』と述べ、首相との会談も調整中と明かした。」
④「岩屋毅防衛相も『沖縄のみなさま方とお話をさせていただきたい』と会談に前向きな姿勢を示しているが、11日まで海外出張のため流動的な面もある。」


(3)沖縄タイムス-米軍ヘリ炎上1年、沖縄県警の捜査進まず 立件困難視する声も-2018年10月11日 05:27


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県東村高江の民間牧草地で米軍の大型輸送ヘリが炎上事故を起こしてから11日で1年。事故後、沖縄県警の捜査は日米地位協定や、民間地での米軍機事故に関する「ガイドライン」の壁に阻まれた。」
②「初動捜査は機体近くからの目視や写真撮影などの記録作業にとどまり、肝心の現場検証は機体撤去の後。県警は事故機の検証を米軍に嘱託し、結果を基に立件の判断をする方針だが、回答はまだない。航空危険行為等処罰法違反容疑などを視野に捜査を進めるものの、事件化を困難視する声も聞かれる。」
③「民間地で米軍機事故が発生した場合、公務中は米側に第1次裁判権があり、日本の捜査機関が機体を調べるには米軍の同意が必要。このため県警は事故後の昨年10月20日、事故機の検証を米軍に嘱託したが、1年たった今も検証結果は提供されていない。ある幹部は『米軍が軍事機密を理由に、事故原因の詳細を明かさない可能性もあるのでは』と話す。」
④「人身被害がなかったことで、県警内部には刑事事件として立件するのは困難との見方も。ある幹部は『例えば業務中のバスが過失で炎上しても、人身被害がなければ刑罰を問うのは厳しい』と指摘する。」


(4)沖縄タイムス-「闘う知事」との別れ惜しむ 翁長雄志さん沖縄県民葬に3000人-2018年10月10日 06:23


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県議や那覇市長、知事を歴任した故翁長雄志さん(享年67)の県民葬が9日、那覇市奥武山の県立武道館で行われた。県内外から約3千人が参列し、名護市辺野古の新基地建設反対を掲げ、全国に沖縄の基地負担軽減を求め、政府と向き合った『闘う知事』との別れを惜しんだ。実行委員長の玉城デニー知事は式辞で、沖縄の民意を強く訴え続けた姿は『多くの県民の共感を得た』とたたえた。」
②「玉城知事は翁長さんが毎朝口ずさんでいた琉歌を披露。『芯や天冠みてぃ、枝や國廣ぎ、根や地の底に、果てぃん無らむ』。幹は天に達し、枝は国中に広がり、根は地の底に張り巡らされるという沖縄の将来像を読んだと説明、『翁長雄志さん。あなたは、この木のように大きな大きな存在でした』と述べた。」
③「失業率や有効求人倍率の改善など経済面での成果をあげたや、子どもの貧困問題の解決に心血を注いだことも取り上げ、『若者たちに平和で豊かな誇りある沖縄を託せるよう、一丸となって努力し続ける』と遺志を継ぐ決意を示した。」
④「菅義偉官房長官は安倍晋三首相の追悼の辞を代読し、『沖縄に大きな負担を担っていただいていることは到底是認できない。政府として基地負担軽減に向け、一つずつ成果を出す』と語った。菅氏が読み終える前から、会場の四方八方から『うそつき』『いつまで沖縄に基地を押しつけるんだ』といった批判や抗議の声が相次いだ。」
⑤「祭壇には知事時代の翁長さんの笑顔の写真が掲げられ、青い海に穏やかな波が駆ける様子を青と白の花々で表現した。翁長さんの妻樹子さんや長男雄一郎さんは遺影と遺骨を手に入場し、一般献花が終わるまで見守り、来場者に感謝の意を伝えた。」
⑥「衆参両院議長や沖縄担当相も出席。城間幹子那覇市長、石嶺伝一郎県経済団体会議議長、友人代表の呉屋守將金秀グループ会長が追悼の辞を述べた。県民葬は屋良朝苗氏、西銘順治氏、大田昌秀氏に次ぎ4回目。」


(5)琉球新報-辺野古移設めぐる県民投票、事務委託で6市回答保留 うるま、浦添、宜野湾など-2018年10月11日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、埋め立ての賛否を問う県民投票条例案と関連予算案を審議している県議会で10日、米軍基地関係特別委員会と総務企画委員会が開かれた。質疑の中で、県は投開票など市町村が担う事務委託について41市町村のうち35市町村が同意し、6市が回答を保留していることを明らかにした。両委員会は条例案と補正予算案を16日に採決する。」
②「軍特委で池田竹州公室長は投開票の事務に関する市町村との協議状況を明かし、不同意だった自治体はないと説明。県議会の議論を見守りたいなどの理由でうるま、浦添、宜野湾、豊見城、糸満、石垣の6市が回答を保留している。6市への対応について問われ、辺野古新基地建設問題対策課の多良間一弘課長は『事務を委託した場合、市町村は義務を負うが強制力はない。丁寧に説明し、県民投票を実施できるよう協議したい』と答えた。」
③「県民投票の実施時期については、6市との協議のほか、各市町村が補正予算に議会の同意を得る必要があるとし『来月すぐ実施できる、ということにはならない』と説明。『』知事と調整しながら時期を決めたい』と述べるにとどめた。県民投票条例案に関する軍特委の質疑は10日で終了した。これまでの質疑を踏まえて県政与党が提出する修正案を16日に採決することで合意した。野党も修正案を出すかどうか検討する。」
④「軍特委の採決後、総務企画委でも補正予算案を採決する。」


(6)琉球新報-「辺野古とリンク」 菅氏、海兵隊グアム移転で-2018年10月11日 10:08


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】菅義偉官房長官は10日の会見で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画と在沖米海兵隊のグアム移転について『結果的にリンクしている』と述べ、辺野古移設が遅れれば海兵隊の国外移転にも影響が生じるとの認識を改めて示した。辺野古移設とグアム移転を切り離して進めるとしている2012年の日米合意を『見直す考えは全くない』とも強調した。」
②「菅氏は、普天間飛行場問題で移設先を『最低でも県外』と公約した民主党政権下で、米議会がグアム移転関連経費を凍結したことに言及。その後、安倍政権になり辺野古移設を進めた結果、予算凍結が解除されたことを挙げ、双方が事実上リンクして見なされるようになったと説明した。12年の日米合意が有名無実化していることになるが、これを見直す考えも否定した。」
③「政府は辺野古移設を進める上でも日米合意を根拠にしている。その一方で、沖縄の基地負担軽減につながる海兵隊の国外移転に関しては合意にこだわらない姿勢を見せていることに対し、疑問の声が上がりそうだ。」
④「また菅氏は、9日に出席した翁長雄志前知事の県民葬に出席した際にやじが飛んだことについて問われ『(沖縄の日本)復帰後最大と言われる北部訓練場4千ヘクタールは沖縄の全基地の2割、これも返還できたことは事実だ』と強調した。一方、宮腰光寛沖縄担当相はやじが飛んだことについて『沖縄県民の皆さんの心、感情を受け止めつつ、しっかりと丁寧に説明をした上で、沖縄振興に全力で取り組んでいく』と語った。」


(7)琉球新報-米軍ヘリ炎上から1年 高江で騒音被害増-2018年10月11日 10:25


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東】2017年10月に米軍のCH53E大型輸送ヘリコプターが不時着・炎上した東村高江の車地域で、米軍機による60デシベル以上の騒音回数が増加していることが10日、分かった。11日で事故から1年となるが、住民らは『米軍機は事故後も上空を飛んでうるさい』『米軍は住民生活なんて気に留めていない』と不満を募らせている。」
②「事故後、村や区は生活に影響が出ないよう米軍に配慮を求めているが、現在までに目立った改善はみられない。沖縄防衛局の騒音データ(60デシベル以上)によると、事故後8カ月間の回数の月平均は503回で、16年度の月平均の423回よりも増加している。」
③「沖縄防衛局は、13年度から高江区車地域の騒音測定を始めたが、騒音発生回数は事故以前から増加傾向にあった。騒音発生回数は13年度に653回、14年度882回、15年度2631回、16年度5079回、17年度は5182回と右肩上がりに増加している。同区は集落上空の低空飛行中止など、住民生活に影響のない訓練をするよう、再三米軍に配慮を求めていたが、不時着・炎上事故はそのような状況の中で発生した。」
④「事故現場となった牧草地の所有者、西銘晃さん(65)は『米軍機の騒音は、区民にとって大きな苦痛だ』と語気を強める。騒音が増加していることに、『夜間飛行もよく実施されており、余計にうるさく感じる。集落上空は飛ばないでほしい』と強調した。」


(8)沖縄タイムス-議長なりたくない? 投票39回も決まらず 異常事態が続く沖縄・与那国町議会-2018年10月11日 13:35


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「議長選出が難航している沖縄県与那国町議会は10日も決まらず、議案審議できない異常事態が続いている。開会から連日続く議長選はすでに39回に上った。勢力が拮抗(きっこう)する与野党双方に過半数を維持したい思惑があるが、機能不全の議会に識者は『議会そのものの存在意義を失わせる。もう解散するしかないのでは』と指摘する。」
②「会期日程は当初の『申し合わせ』では11日までとしたが、議長不在のため正式な日程も決まらないまま今後も開会し続けるという。」
③「10日の県町村議会議長会の総会は欠席となり、11日の県離島振興市町村議会議長会も出席できない状況。八重山広域市町村圏事務組合議会議員の選任もできず、影響が広がっている。」
④「町は防災行政無線のデジタル化の経費や、定数4人増に伴う議員報酬などを盛り込んだ約6億8千万円の補正予算案を上程する予定だったが、審議できないため、12日にも専決処分を行う方向で調整している。」
⑤「議長選は9月定例会が開会した9月28日から連日実施。いずれも与党側は野党1人に、野党側は与党1人に投票するため同数で並び、地方自治法に基づく『くじ引き』で選んでも当選者が辞退を繰り返している。」
⑥「琉球大学の島袋純教授(政治学)は『慣例で拘束力は無いが議会運営上、与党から議長を出すのが原則』とした上で、『与野党問わずどこかで折れて決着をつけなければ、議会自体が存在しなくてもいいことになる。このままでは議会の自殺行為だ』と述べた。」




by asyagi-df-2014 | 2018-10-11 17:32 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄県の民意を確認する。(1)

 沖縄タイムスは、2018年10月1日、玉城デニー氏の初当選を次のように報じた。


「第13回県知事選は30日投開票され、無所属新人で「オール沖縄」勢力が推す前衆院議員の玉城デニー氏(58)が過去最多となる39万6632票を獲得し、初当選を果たした。玉城氏は、8月に急逝した翁長雄志前知事の後継候補として名護市辺野古の新基地建設阻止や自立型経済の発展などを訴え、政府、与党が全面支援した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=を8万174票の大差で破った。県民が改めて辺野古新基地建設に反対の意思を明確に示した形だ。玉城氏は4日に知事に就任する。」


 今回の選挙戦の結果が伝えるものは、一つの沖縄の大きな民意である。
 この民意は、「沖縄でよかった」と言いつのる日本国民への異論でもある。


実は、不覚にも、この選挙結果を信じる切ることができなかった。
宮城康博さんは、そのFBでの次のようにつぶやいた。


「さて眠ります。永遠の眠りでもいいんですけど、たぶん明日目覚めて生き続けます。生きていたいなぁと思っています。ウチナンチュが追い込まれている理不尽を蹴散らすために、戦い続けたいと思ってる。できることを地道にやるのもそうだけど、できないことだってできるようにしてやる。ありがとう。おつかれさまでした。みんな心労しただろう、怖かったよね、あの攻勢。ほんとよく踏ん張った。」


 今回の選挙の意味を、この宮城さんの言葉が物語る。
 沖縄の民意を各紙の社説等で確認する。
まずは、沖縄タイムスと琉球新報の社説から。


Ⅰ.事実


(沖縄タイムス)
(1)新しい沖縄県知事に前衆院議員の玉城デニー氏(58)が選ばれた。前回知事選の翁長雄志氏の得票を上回り、復帰後の知事選では過去最多得票での勝利である。出馬表明の遅れや組織体制の不備、相手の強大な組織力をはねのけての圧勝だ。その政治的意味は極めて大きい。


(琉球新報)
(1)翁長雄志知事の死去に伴う沖縄県知事選挙は、名護市辺野古への新基地建設反対を訴えた前衆院議員・玉城デニー氏が、安倍政権の支援を受けた前宜野湾市長・佐喜真淳氏を大差で下し、初当選した。米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古への新基地建設について、玉城氏は「辺野古に新たな基地は造らせない」と主張、知事の持つあらゆる権限を行使して阻止する姿勢を示した。佐喜真氏は辺野古移設を推進する安倍政権の全面的な支援を受けながらも、その是非について言及を避け続けた。
(2)玉城氏が当選したことで、新基地建設に反対する沖縄県民の強固な意志が改めて鮮明になった。政府は、前回、今回と2度の知事選で明確に示された民意を率直に受け止め、辺野古で進めている建設工事を直ちに中止すべきだ。
(3)沖縄には、普天間飛行場の4倍以上の面積を有する嘉手納基地をはじめ在日米軍専用施設面積の7割が集中している。県内移設を伴わない普天間飛行場の返還は決して法外な要求ではない。


Ⅱ.選挙結果が見せたもの


(沖縄タイムス)
(1)大方の予想を覆して玉城氏が勝利を収めた要因は何か。一つは、安倍政権と国政与党が前宜野湾市長の佐喜真淳氏をなりふり構わず支援したことへの反発である。菅義偉官房長官は9月に入って3度も沖縄入りし、人気者の小泉進次郎衆院議員も告示後3度沖縄に駆け付けた。水面下では二階俊博幹事長らが企業や団体へのテコ入れを徹底。党が前面に出たことで候補者の影は薄くなり、『政権丸抱え』の印象を与えた。」
(2)佐喜真氏が若者票を意識して権限のない『携帯電話利用料の4割減』を公約に掲げたのもとっぴだったが、これに菅氏が『実現したい』と応じたのに違和感を持った県民も多かった。有権者は『古い政治』の臭いをかぎつけたのではないか。」
(3)玉城氏は、翁長県政の継承と辺野古新基地反対の姿勢を明確に打ち出しつつ、名護市長選敗北の経験から経済政策や子育て支援策にも力を入れ、幅広い層の支持を得た。米軍統治下の沖縄で、米兵を父に持ち母子家庭で育った玉城氏は、沖縄の戦後史を体現するような政治家である。自らの人生を重ねるように語った多様性の尊重や子どもの貧困対策は、女性を中心に有権者の心をつかんだ。
(4)グローバル化が進む中、草の根運動によって二つのルーツを持つ知事が誕生したことは、「新しい政治の始まり」を予感させるものがある。
(5)今回の知事選では、前回自主投票だった公明党が佐喜真氏推薦に回り、翁長知事を誕生させた「オール沖縄」陣営から抜ける企業もあった。政党の基礎票を単純に積み上げていけば、玉城氏が勝てる要素は乏しかった。組織票で圧倒的に不利だったにもかかわらず勝利したことは、安倍政権の基地政策に対する有権者の「ノー」の意思表示であり、新基地反対の民意が依然として強固なことを示すものだ。


(琉球新報)
(1)今選挙で政府・与党は菅義偉官房長官、自民党の二階俊博幹事長、竹下亘総務会長、公明党の山口那津男代表らが次々と沖縄入りし、総力を挙げて佐喜真氏を応援した。
(2)政権の動きに呼応するかのように、ネット上では玉城氏に対する誹謗(ひぼう)中傷やデマが拡散された。模範となるべき国会議員までが真偽不明の情報を発信した。沖縄県知事選で玉城氏ほど、いわれのない多くの罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられた候補者がかつていただろうか。有権者の中には、デマを本当のことだと思い込んだ人もいたかもしれない。
(3)戦後、米軍統治下にあった沖縄で直接選挙によって住民の代表を選ぶ主席公選が初めて認められたのは1968年のことだ。自治権の拡大を求める沖縄住民が勝ち取った権利だった。その際、自民党は川島正次郎(副総裁)、福田赳夫、中曽根康弘の各氏ら有力者を次々と送り込み、保守側の候補者を強力に支援した。結果は、革新の屋良朝苗氏が当選している。あれから50年。政府与党は知事選に介入し敗れた。振興策で思い通りになると考えていたとすれば、県民を軽んじた話ではないのか。


Ⅲ.主張

(沖縄タイムス)
(1)選挙期間中、佐喜真氏が連呼したのは「対立から対話へ」のキャッチフレーズだった。しかし翁長氏との対話を拒否したのは安倍政権である。就任後、面会を申し入れても安倍晋三首相に会えない日が続き、会談が実現したのは4カ月も後のこと。新基地建設問題を巡る係争処理手続きで総務省の第三者機関が協議を促す結論を出した際も、政府は話し合いによる解決を拒んだ。現在、県の埋め立て承認撤回によって工事は止まっている。政府は法的な対抗措置を取るのではなく、これを受け入れ、新たな協議の場を設けるべきだ。これ以上、政府の都合で県民同士の分断と対立を深めてはならない。従来のような強硬策では何も解決しない。」
(2)今度の選挙は、1968年の主席公選から50年の節目の選挙である。新知事は在任中に復帰50年を迎える。本土との格差是正を目的に、国の責務として始まった沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興策は、ここ数年、新基地の「踏み絵」のように使われ始めている。翁長県政になって以降、目玉の一括交付金が減額されるなど沖振法が「米軍再編特措法化」しているのだ。究極の「アメとムチ」政策である米軍再編交付金だけでなく、沖縄関係予算まで基地維持の貢献度に応じてということになれば、沖縄の地方自治は成り立たない。玉城氏には、佐喜真氏支援に回った経済団体とも早急に対話を進め、民間主導の自立型経済の構築に向け、一致協力して取り組んでもらいたい。
(3)子どもの貧困対策や子育て支援、雇用の質の改善、県民所得の向上など生活に密着した課題も山積みだ。「新時代沖縄」につながる政策を着実に進めてほしい。


(琉球新報)
(1)政権与党対県政与党という対立構図の中で、県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた。「政府の言いなりではなく、沖縄のことは沖縄で決める」という強い意志の表れだ。
(2)県は前知事による辺野古の埋め立て承認を8月31日に撤回した。政府は法的対抗措置を取る構えを見せている。
(3)この期に及んで、なおも新基地を押しつけるというのなら、民主主義国家を名乗る資格はない。政府は沖縄の揺るぎない民意を尊重し、新基地建設を即刻断念すべきだ。


 確かに、沖縄からの「民意」を確認できた。


Ⅰ.安倍政権の全面的な介入は、「振興策で思い通りになると考えていたとすれば、県民を軽んじた話」、と沖縄県民が反発したこと。
Ⅱ.特に、辺野古新基地建設に関して「その是非について言及を避け続けた」手法に対しては、今回の県知事選挙では、沖縄県民が反発したこと。
Ⅲ.今回の選挙結果は、安倍政権の基地政策に対する有権者の「ノー」の意思表示であり、新基地反対の民意が依然として強固であることを示したこと。
Ⅳ.また、「沖縄には、普天間飛行場の4倍以上の面積を有する嘉手納基地をはじめ在日米軍専用施設面積の7割が集中している。県内移設を伴わない普天間飛行場の返還は決して法外な要求ではない。」、ということを、本土の日本人に突きつけたこと。
Ⅴ.今回の沖縄からの「民意」は、安倍晋三政権に、辺野古新基地建設をちに中止しなければならないことを要求していること。



by asyagi-df-2014 | 2018-10-11 07:26 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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