2018年 10月 07日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年10月7日

 小金井市の挑戦が頓挫した。
 でも、向こう側に見えるものはあった。
「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の中止を掲げ、国内全体での議論を訴える陳情を採択した東京都の小金井市議会は5日の本会議で、陳情に伴う意見書の提案を見送った。陳情に賛成していた共産党会派が賛意を翻し、意見書に賛成しない意向を示した。同議会は今後12月定例会までに調整を図るとしているが、意見書を可決するかどうかは不透明だ。陳情の提案者や関係者は、賛同者の翻意を批判した上で『論点が浮き彫りになった』『沖縄の自由を奪っている構造が明らかになったのはとても重要だ』と指摘している。」、と琉球新報。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年10月7日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-新県政発足 米識者に聞く 普天間、日米に重要な影響-2018年10月7日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画に反対し、翁長雄志前知事の後継として玉城デニー氏が知事選で圧勝した。玉城新知事と日米両政府の今後の対応を元米政府高官や識者はどう見ているか。デービッド・シアー前国防次官補、マイク・モチヅキ米ジョージワシントン大教授、軍事シンクタンク、ランド研究所アジア太平洋政策センターのスコット・ハロルド副所長に聞いた。」
②「国務省で32年間、東アジアを担当し、オバマ前政権ではアジア・太平洋の安全保障担当国防次官補を務めたシアー氏。『「沖縄の政治はこれまでも常に、日米関係に影響を与えてきた。とても大事だ』とし、知事選の重要性を指摘する。『どの知事ともお互いを知る期間が必要』とする一方、『長年、この問題に携わり、さまざまな代替案を検討したが、辺野古が唯一の解決策だと思っている』と主張。『代替施設のないまま、普天間から去れと言われたなら、米側には【日本政府の背信行為】だと映るだろう』とけん制した。海兵隊の訓練移転など、負担軽減策を上げ、『沖縄が望む全てではないが、県民の声を聞いてきた。白黒をつけられる問題ではなく、優先順位のバランスの問題だ』と強調。朝鮮半島有事が沖縄駐留の重要な理由としながらも、『北朝鮮問題が解決されても滑走路は必要だ。中国との有事が発生した場合には、できるだけ多くの滑走路が必要になる』とも述べた。」
③「新基地建設計画の見直しが必要と指摘してきたモチヅキ氏は今回の選挙結果を、『安倍政権は玉城知事、県政と共に、辺野古の新基地建設計画に代わる代替案に向けて、真剣な対話を始めるきっかけにするべきだ』と強調する。在沖米軍基地の問題を『日米同盟のアキレス腱(けん)』と指摘し続けてきた同氏は、安倍政権が新基地建設の強行を続ければ、『不公平な負担を強いられてきた県民の怒りを増大させる懸念がある。万が一、米軍機事故などが起こった場合にその怒りは爆発し、米軍にとって最も重要な嘉手納基地の存在も認めなくなるだろう』と指摘した。中国の抑止に必要なのは『日米同盟の安定かつ堅固な政治基盤と、沖縄を含め米軍駐留を支える地域住民の理解だ』と説明。日米両政府が在沖米軍基地の問題の対応を誤れば、中国が同盟関係を揺さぶるリスクがあるとし、『日米両政府は選挙期間中に上がった県民の懸念に向き合うべきだ』と主張した。」
④「玉城知事就任に、ハロルド氏は『翁長前知事の後任であり、米政府の現状維持は変わらない。喜んではいないが、新しい状況に直面しているわけではない』と分析。『辺野古移設が最も早く簡単な方法』とし、『米政府はこの問題は県民と日本本土の人々、日本政府の問題だと認識していると思う。県と米政府が直接交渉するものではない』と日米の政府間協議だと強調する一方、『在日米軍、在沖米軍の司令官は地域住民の協力に取り組む義務がある』と説明した。『日本政府は裁判で国の正当性を主張し、県の訴えを退けるだろう』とする一方、『万が一、宜野湾周辺で米軍機事故が起これば、米軍の沖縄駐留に対する県民の理解は得られず、日米同盟に危険をもたらす』と述べた。」


(2)琉球新報-共産市議が賛成撤回で「普天間」意見書見送り 東京・小金井市議会-2018年10月6日 10:29


 琉球新報は、表題について次のように報じた。



①「【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の中止を掲げ、国内全体での議論を訴える陳情を採択した東京都の小金井市議会は5日の本会議で、陳情に伴う意見書の提案を見送った。陳情に賛成していた共産党会派が賛意を翻し、意見書に賛成しない意向を示した。同議会は今後12月定例会までに調整を図るとしているが、意見書を可決するかどうかは不透明だ。陳情の提案者や関係者は、賛同者の翻意を批判した上で『論点が浮き彫りになった』『沖縄の自由を奪っている構造が明らかになったのはとても重要だ』と指摘している。」
②「本会議に先立つ議会運営委員会で、共産党小金井市議団の水上洋志市議が『陳情は沖縄以外の全国全ての自治体を等しく候補地とすることが明記されており、わが党の基本的立場と異なっている。陳情に賛成した共産党市議団の態度は間違っていた』と賛意を翻し、陳情者から提案された意見書にも賛成できないとの立場を明らかにした。その上で陳情者や賛成した市議らに陳謝した。」
③「9月25日の市議会(24人)で陳情を採択した際には、共産党会派4人と旧民進党系会派3人を含め賛成13人、自民党会派と無所属合わせて反対は6人だった。公明党会派の4人は退席した。5日の議運では、共産党会派が態度を変える意向を示した。共産は退席する方向という。公明も態度を変える意向で、反対した場合、意見書は否決される。」
④「ただ9月25日に陳情を採択した議会の意思はそのまま残る。議運で渡辺大三委員長は『陳情が採択されたというのが直近の議会意思になっている。それに即して何らかの対応をしていくことについて、今定例会での対応が間に合わないので12月議会などに向けて諸般の調整をしてみようというのが流れだ』と説明した。」
⑤「議会事務局によると、通常は陳情の採択から意見書採決まで同日中に行うのが一般的だが、9月25日の普天間飛行場の辺野古移設に関する陳情では、他の委員会日程のスケジュールもあり意見書の採決は後日に先送りしていた。」
⑥「〈解説〉:米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の中止を掲げ、国内全体で議論する必要性を訴えた陳情に伴う意見書提案を小金井市議会は見送った。いったんは陳情に賛成した共産党会派が賛意を翻す異例の事態となったからだ。陳情を採択した議会としての責任も問われる。沖縄の基地負担を自分の事として考える全国的な動きの先駆けとして注目されていただけに、賛成撤回はその流れに逆行していると言わざるを得ない。内閣府の世論調査によると国民の77・5%が日米安保は役立っていると答え、81・9%は日米安保と自衛隊で日本の安全を守ると回答している。保革の区別なく沖縄の歴代知事は『安保容認なら国民全体で応分の負担を』と本土に訴え続けてきた。民主党政権時代、普天間飛行場は『最低でも県外』という公約が辺野古移設に回帰し、沖縄への負担押し付けが一層可視化され、構造的差別がより強く指摘されるようになった。その一方で、沖縄の訴えに呼応する形で、本土の側から国民全体で議論しようとする動きが出始めた。翁長雄志前知事の提案に応え、全国知事会は日米地位協定改定を要求した。小金井市議会の陳情採択はその流れの一つに位置付けられる。陳情は『普天間基地の代替施設の移設場所は当事者意識を持った国民的な議論で決定すべきだ』とした上で『国内に(代替施設が)必要だという世論が多数を占めるなら、公正で民主的な手続きで決定することを求める』と訴えている。本土での移設先を決めることより国民的議論の喚起に重点が置かれている。まずはその認識が不可欠だ。意見書の提案は先送りされたものの、陳情採択の意義は消えていない。意見書採決に向けた市議会12月定例会までの調整に注目が集まる。」 
 (滝本匠)


(3)琉球新報-「共産は主義主張優先」 陳情提出書、批判と落胆 小金井市議会「普天間」意見書見送り-2018年10月6日 10:35


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「東京都小金井市議会で5日、米軍普天間飛行場の県外・国外移転を国民全体で議論し、公正で民主的な手続きを経て決定することを求める意見書の提案が見送られたことについて、意見書の議決を願っていた陳情提出者らからは、批判や落胆の声が上がった。」
②「公正で民主的な基地問題の解決に取り組む那覇市の司法書士安里長従氏(46)は取材に対し『暴力に等しい』と話し、提案見送りの原因をつくった同市共産党市議団を批判した。市議団は意見書提案に向けた陳情の採択では賛成したものの突然翻意。安里さんは『共産党も、沖縄にいらない基地は本土でもいらないという自らの主義主張を優先させた。沖縄の置かれている状況が可視化された』と指摘した。さらに『そもそも意見書は本土移設を容認しているわけではなく、普天間飛行場の代替施設が必要かも含めて民主的な手続きを経て国民で議論しようと求めるものだ』として『共産党は議論を拒んだのと同じだ』と非難した。安里氏は『リベラルな議員が多い小金井市議会でさえ共産党がこのような態度を取ると、他の地方議会にも影響する』と語り、陳情採択や意見書議決の広がりに水を差されることを懸念した。」
③「安里氏に相談して陳情を提出した小金井市在住で県出身の米須清真氏(30)は『市議会の各会派を回って説明し、理解を得られたと思っていただけにすごく残念だ』と肩を落とした。」
④「意見書の趣旨は、普天間飛行場問題を国民で議論した上で基地が必要との結論に至った場合は全国平等に候補地を協議しようというものだと指摘。米須氏は『国内移設ありきという共産党の誤解を取り払い、市議や市民に理解を広げていきたい』と話した。」


(4)沖縄タイムス-共産が謝罪文 普天間「本土移設も選択肢」同意しがたく… 小金井市議会-2018年10月7日 09:19


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の代替施設が必要であれば本土での受け入れも選択肢とする小金井市議会での意見書案に、一転して同意できないとした共産党市議団は6日、陳情者に謝罪する声明文を発表した。」
②「「『本土移設』を選択肢とする部分については、同意しがたいことを説明するべきだった。それをせずに、陳情に全面的な賛同を表明したことは正しくなかった』と釈明した。『沖縄にさらに新基地を押し付け、犠牲を強いることは絶対反対だ。普天間飛行場は無条件で閉鎖・撤去するべきだ』と主張。『普天間の代替施設について【全国の自治体を等しく候補地とすること】という項目は【オール沖縄】の共通の旗印とはいえない』とした。」
③「9月25日の本会議で陳情を採択し、意見書の文案を調整していた。」




by asyagi-df-2014 | 2018-10-07 18:19 | 沖縄から | Comments(0)

水俣病は、終わっていないということ。(2)-朝日新聞20180930-

 水俣病は、1968年9月26日に政府が水俣病を公害と認定してから50年の節目を迎えた。
「水俣病は終わっていない」ということの確認のために、朝日新聞(以下、「「朝日」」)の社説を見る。
 「朝日」は2018年9月3026日、「公害認定50年 『水俣病』は終わらない」、と社説で論評した。
まず、「朝日」は、「水俣病は終わっていない」ことがもたらしている今日の状況を、「熊本と新潟で発生した水俣病を、政府が『公害病』と認定してから50年になる。これだけの長い時間が経ったにもかかわらず、いまも訴訟が続き、患者に対する心ない中傷と差別、そして補償の有無や金額をめぐる対立・葛藤が、地域に暗い影を落とす。」、と描き出す。
 次に、この影の正体を、次のように指摘する。


(1)認定は68年9月26日。熊本で患者の発生が最初に報告(公式確認)されてから、実に12年が過ぎていた。原因企業のチッソはこの年の5月まで、大量のメチル水銀を不知火海に排出し続けた。対応の遅れは膨大な患者を生み、昭和電工による新潟水俣病の被害ももたらした。
(2)認定時に政府がとりまとめた見解にあらためて目を通すと、事実に基づかない、きわめて不誠実な内容に驚く。
(3)水俣湾内の魚介類を食べることを禁止し、チッソ工場の排水処理施設を整備したことによって、患者は60年以降出ていないとして「終息」を宣言。補償問題も民事上の和解が成立しているとして、幕引きを図った。
(4)だが摂食禁止は有名無実で、施設も水銀を完全に除く機能はなく、汚染は止まらなかった。和解も、圧倒的に強い立場のチッソが、新たな要求はしないと患者に約束させたうえで低額の見舞金を支払う内容で、73年に熊本地裁が「公序良俗に反する」と述べ、無効とした。その後も新たな患者の存在が次々と明らかになり、現在、新潟を含む全国の裁判所で1500人以上が被害を争い、水俣病と認定するよう申請している人は2千人にのぼる。


 この上で、「朝日」は、「『終息』にほど遠い状況を作りだした大きな原因は、行政のかたくなな態度にある。」、と断じる。
 また、次のことを日本政府に突きつける。


(1)患者の認定制度は対象を絞り込む装置として機能し続け、最高裁が幅広く救済する判決を言い渡しても、政府は基準を見直さない。このため司法に助けを求める動きが繰り返される。
(2)被害の実態も本当のところはわかっていない。民間医師団が自分たちの検診活動の結果と政策とのギャップに驚き、住民たちの広範な健康調査の必要性を訴えても、政府が一切応じないからだ。高齢になって症状の悪化を訴える被害者は少なくないが、その日常を支える体制も十分とはとても言えない。
(3)人の生命や健康よりも産業の振興が優先され、政官産学のもたれ合いの中で真相が覆い隠される。それが水俣病の歴史だ。そしてそのゆがんだ構造は、克服されないまま日本社会の中に厳然としてある。


 「朝日」は最後に、やはり、「公害病認定から半世紀。『水俣病』は終わっていない。」、と。


 確かに、「水俣病は終わっていない」ことの原因は、日本政府の不誠実さにある。




by asyagi-df-2014 | 2018-10-07 07:02 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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