2018年 10月 04日 ( 1 )

今回の広島高裁伊方原発の再稼働容認は許されない。(1)

 広島高裁は、2018年9月25日、2017年12月に判断した四国電力伊方原発3号機の「運転差し止め仮処分決定」を取り消した。
 この高裁の判断について、毎日新聞(以下、「毎日」)-伊方原発の再稼働容認 リスクを直視していない-の社説で、捉える。

 「毎日」は、「高裁はきのう、昨年12月に出した四国電力伊方原発3号機(愛媛県)に対する運転差し止めの仮処分決定を取り消した。四電の異議を認めたもので、四電は再稼働に向け準備を始めた。」とはじめ、「同じ広島高裁が、1年もたたないうちに正反対の結論を出した。」、と言い切る。
 また、「毎日」は、今回の高裁の判断の問題点について、次のように指摘する。


(1)伊方から約130キロの距離にあり、9万年前に超巨大噴火を起こした阿蘇山(熊本県)のリスク評価が焦点だった。火砕流が山口県にまで達し、世界最大級の陥没地形(カルデラ)を形成したことから、破局的噴火とも呼ばれる。
(2)12月の決定は、原子力規制委員会の審査の手引書「火山影響評価ガイド」を厳格に適用し、「過去の破局的噴火で火砕流が到達した可能性が十分小さいとはいえない」として差し止めを命じていた。これに対し異議審では、巨大噴火の予知が困難なことを前提に「自然災害の危険をどの程度まで容認するかという社会通念を基準に判断せざるを得ない」と指摘した。
(3)国が破局的噴火のような災害に具体的対策を取っておらず、国民の大多数も格別に問題視していないとも言及して、破局的噴火が起きるリスクを火山ガイドの適用範囲から除外。立地に問題ないと判断した。だが、司法には国民一般が問題視していないリスクに警鐘を鳴らす役割もあるはずだ。破局的噴火のような巨大なリスクをどう評価するかについては、今回の広島高裁同様、判断が分かれているのが実情だ。さらなる議論が必要だろう。


 「毎日」は、「伊方原発は、大地震の恐れや地形条件などの点で、問題が多い場所に立地していると指摘されてきた。施設の近くには国内最大級の断層『中央構造線断層帯』が走り、想定を超える揺れが襲う危険性がある。また、細長い佐田岬半島の付け根付近に原発があり、半島に住む約4700人の避難経路が寸断されることが危ぶまれている。」という問題に、「決定はそうしたリスクを直視していないのではないか。」、と疑問を呈する。 この上で、「四電は伊方原発を主力に据え、再稼働できないと赤字が膨らむと主張する。しかし原発頼みの姿勢に固執すれば、万一の際の電力の安定供給にも不安を残しかねない。慎重に検討すべきだ。」、と断じる。


 ここでもまた、「巨大噴火の予知が困難なことを前提に「自然災害の危険をどの程度まで容認するかという社会通念を基準に判断せざるを得ない」と指摘した。」(「毎日」)との「社会通念」が立ちはだかる。
 この「社会通念」には、日本人が「3.11」とどのように立ち向かえるのかという真摯な理念ではなく、安易で迎合的に権力にすがりつく姿勢しかない。



by asyagi-df-2014 | 2018-10-04 05:56 | 書くことから-原発 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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