2018年 09月 16日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年9月16日

注目を浴びた名護市議選が、『明確な勝者がいない選挙だった』(沖縄タイムス)という結果に終わったことは、焦点隠しの戦術に拍車をかける。
 確かに、選挙は、結果がすべてなのかもしれない。
 しかし、「つけ」は選挙民が負う。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年9月16日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-名護は「明確な勝者なし」 米軍準機関紙、市議選を総括-2018年9月16日 06:03


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【平安名純代・米国特約記者】米軍準機関紙『星条旗』は11日、県内25市町村議会議員選挙の結果について、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非をめぐり注目が集まった名護市議選について『明確な勝者がいない選挙だった』と総括した。」
②「同紙は、与党が26議席の半数を獲得し、渡具知武豊市長が勝利を表明したものの、与党の公明2人は辺野古移設に反対していると指摘し、同問題については勝者がはっきりしない選挙だったと解説した。」
③「一方で、『渡具知市長は、移設問題に関する態度を明らかにしてこなかったが、米軍に友好的と広く受け止められている』と指摘し、知事選候補者の佐喜真淳氏の手法も共通性があると分析した。」 
④「また、米映画監督オリバー・ストーン氏や言語学者ノーム・チョムスキー氏、米政府元高官のダニエル・エルズバーグ氏ら世界の130人以上の学者や芸術家、運動家が安倍首相やトランプ米大統領らに対し、米軍普天間飛行場の移設中止を求めた声明を発表し、沖縄の支援を表明したと報じた。」


(2)琉球新報-「記録と記憶」の歌姫 特別評論「安室奈美恵さん引退」 仲井間 郁江(琉球新報社経営戦略局)-2018年9月16日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「安室奈美恵さん、おかえりなさい。ちょうど1年前、宜野湾市での25周年のライブで、あなたは『また遊びにきてね』と言い残して舞台を去った。そして1年後、あの時の言葉通り、また沖縄に戻ってきた。引退という決断には寂しさが募る。しかし同時に、最後のステージの場として故郷・沖縄を選んでくれたことをうれしく思う。」
②「安室奈美恵は『記録』と『記憶』の歌姫だ。女性ソロ歌手として史上最年少での紅白歌合戦出場やレコード大賞を受賞した。国内史上初となる10代、20代、30代、40代の4年代全てでミリオンセラーを樹立するなど、数々の記録を打ち立てた。『記憶』ではファッションをまねする『アムラー』現象を生み出し、人気絶頂の20歳で結婚し、出産、休業など、それまでの『常識』にとらわれない新たな価値観を示し、人々の記憶に残った。2000年の九州・沖縄サミットで歌う姿も記憶に残る。そして何よりも、沖縄の多くの若者にとっては『劣等感』を取り払ってくれた存在だ。」
③「沖縄という小さな島から大きな夢を抱き飛び立った10代の少女が、大都会・東京でヒット曲を連発し、スターの階段を上りつめた。その姿に多くの県民はときめき、自信をもらった。安室奈美恵という存在をきっかけに『私、沖縄出身です』と堂々と言えるようになった沖縄の若者は少なくない。私もそのひとりだ。」
④「健康的な小麦色の肌を輝かせて踊る彼女の姿に『じーぐるー(地黒・元々日焼けしたように肌の色が濃い)』も悪くないとコンプレックスを自信に変えた女性も多いはずだ。『安室奈美恵』以前と以後で、間違いなく沖縄人(ウチナーンチュ)の自意識は大きく変化した。それまで不利だと思ってきたことが『独自性』や『可能性』へと捉え直されていった。」
⑤「ただ『沖縄出身』であることが彼女を成功に導いたわけではない。そのことを多くの県民は知っている。安室奈美恵は自身が沖縄出身であることを過度に強調することはなかった。歌とダンスによるごまかしのないステージ、たゆまぬ努力を重ね続けた。本質で勝負し、結果を出し続ける『プロフェッショナル』としての責任を果たしたことが彼女の最大の魅力だ。だからこそ誇らしく思えるのだ。」
⑥「8月中旬から琉球新報社では安室さんの足跡を紹介する展示会を開催している。来場者の中には、つえを突き、ゆっくりとした足取りで一点一点をじっと見つめる高齢者も少なくない。そのまなざしは、まるで孫を見つめるような温かみを帯びている。『ちゅらかーぎー(美人)だねー』と小さくつぶやく声を何度も耳にした。多くの県民にとって、安室さんはテレビの中のスターであると同時に、家族のような存在だったのかもしれない。」
⑦「1年前のあの日、台風の余波が残る宜野湾市のライブ会場で開演直前、一瞬だけ虹が見えた。ステージで潮風に髪をなびかせながら気持ちよさそうに歌う安室さんの姿を見て、沖縄の空と海が本当に似合う人だと思った。」
⑧「安室さんは『平成の歌姫』と呼ばれる。そして平成の終わりと時を同じくして舞台を降りる。しかし彼女の残した歌は時代を超え、多くの人々に力を与え続けるだろう。沖縄の海と空、そして風の中で、あなたの歌声はこれからも響き続けていく。」


(3)沖縄タイムス-沖縄県知事選:争点隠しや内ゲバをやめ、歴史の大局に立った政策論を-2018年9月14日 07:03


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県知事選挙は2018年9月13日告示され、30日の投開票に向け決戦が始まった。メディアを含め一般的には、普天間飛行場の名護市辺野古移設問題が『最大の争点』だとみているが、自民、公明、維新、希望が推す佐喜真淳氏(前宜野湾市長)は辺野古埋め立ての賛否を明確にしないため、争点化できず空回りが続く。
②「他方、翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、『オール沖縄」勢力が推す玉城デニー氏(前衆院議員)は前県政の政策踏襲を意識しすぎるあまり新味に欠ける。候補者に求められる政策論が乏しい気がする。」
③「両者とも公約に掲げた政策の中で、『基地』の優先度は低い。佐喜真氏は10項目のうちの9番目、玉城氏が15項目の14番目と申し合わせたようにいずれも最後から2番目の扱いだ。振興策や子育て、教育、福祉といった生活に密着した政策が有権者に受けがいいと両陣営とも考えているのだろう。メディアが報じるほど基地問題、辺野古は争点化されていない。
④「佐喜真氏は公明党との政策協定で海兵隊を大幅削減する米軍再編の前倒しを公約に盛り込んだ。玉城氏は辺野古埋め立て阻止、普天間の運用停止、オスプレイ配備に反対を主張する。こうした主張がどれほどの有権者に響くのだろうか。まずもって海兵隊があまり知られていない。海兵隊が沖縄で最大兵力の米軍部隊であり、普天間飛行場を含め在沖米軍基地の約7割を占有している。佐喜真、玉城両氏とも海兵隊が使用するオスプレイ配備に反対するが、その意味を知っているのか首をかしげたくなる。海兵隊を自動車に例えるとオスプレイはタイヤのような存在で、タイヤなしに自動車は動かない。機能不全であれば駐留の意味がなく海兵隊は出ていかざるを得ない。海兵隊がいなくなれば普天間は不要となり、辺野古への移転計画も自然消滅する。つまりオスプレイに反対する両氏とも海兵隊の撤退を要求していることになる。その具体的な意味合いについては後半の『論点整理』で詳述するが、不思議なのは両者とも撤退論にはまったく言及していない点だ。」
⑤「そもそも政府も海兵隊がなぜ沖縄に駐留するのかをちゃんと説明していないため、なかなか議論が深まらない。自民党総裁選候補の石破茂氏が『沖縄県民へのメッセージ』として自身のホームページで基地問題について触れ、本土の反基地闘争が原因で沖縄に海兵隊が移転した歴史を語った。『沖縄への基地集中は、1950年代に反基地闘争が燃え盛ることを恐れた日本とアメリカが当時まだアメリカの施政権下にあった多くの海兵隊部隊を移したからだと聞いている。海兵隊は岐阜や山梨に司令部があり、本土のあちこちに散らばっていたのを沖縄に集約する形で今日の姿が出来上がった』(http://www.ishiba.com/sousaisen/47_okinawa/)。





by asyagi-df-2014 | 2018-09-16 17:19 | 沖縄から | Comments(0)

選挙結果を考える。~沖縄タイムス・琉球新報20180910~

 一地方自治体であるのに、非常に重要な選挙が行われた。
 その選挙結果をどのように把握するのかが問われる。
 まずは、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)と琉球新報(以下、「新報」)の社説でこのことを考える。


Ⅰ.評価


(「タイムス」)
(1)名護市議会議員選挙は、渡具知武豊市長を支える与党候補と辺野古移設に反対する野党候補が、定数26を分かち合い、与野党同数の結果となった。2月の市長選で一敗地にまみれた移設反対派は、ぎりぎりのところで踏ん張ったことになる。
(2)自民、公明の与党系候補は辺野古に触れることを意識的に避け、米軍再編交付金を活用した給食費や保育料の無償化、経済振興や子育て支援など、生活と直接かかわる身近な課題を前面に掲げた。2月の名護市長選と同じように与党側は、辺野古の「争点はずし」によって選挙戦の土俵を自分たちが有利になるように設定したといえる。市民の中に「辺野古疲れ」があるのは否定できない。ただ、公明党は、安倍政権が支援する渡具知氏に対しては支持する立場だが、辺野古移設に対しては反対の姿勢を堅持している。渡具知市長も賛否を示していない。辺野古反対の声の根強さを示した選挙だと言うべきだろう。
(3)名護市議選は、県が辺野古の埋め立て承認を撤回し、工事が止まっている中で行われた選挙だった。翁長雄志前知事の急逝や、県の埋め立て撤回が選挙結果にどう影響したかははっきりしない。投票率から言えるのは、「辺野古疲れ」だけでなく、「選挙疲れ」や「選択疲れ」が見られることだ。


(「新報」)
(1)辺野古新基地建設問題と地域振興のはざまで揺れ動く市民の思いが選挙結果に表れたと言っていい。


Ⅱ.事実


(「タイムス」)
(1)名護市議選には、公明党の2人を含む与党系17人と野党系14人、野党的立場1人の32人が立候補した。公示前の議会構成は与党13人に対し、野党14人。定数が一つ減ったことから26議席を争う選挙となった
(2)市選挙管理委員会の発表によると、投票率は前回2014年を5・36ポイント下回る65・04%で、記録のある1970年以降過去最低だった。名護市民は選挙のたびに全国のメディアから注目され、辺野古移設に賛成か反対かを問われてきた。加えて2月の市長選では、外部から支援者が大量に投入された。こうした現実に対する拒否反応が投票率に影響を与えた可能性もある。投票率は下がったものの、有権者数に占める期日前投票の割合は、逆に前回の28・0%から32・1%に上がった。


(「新報」)
(1)米軍普天間飛行場の移設先とされる名護市の市議会議員選挙(定数26)は、開票の結果、渡具知武豊市長を支える与党が半数を占め、野党を1議席上回った。現在の議会勢力は与党13人、野党14人の少数与党だ。今回の選挙から定数が1議席減り、与党13人、野党12人、中立1人となった。定数1減の中で与党は現状を維持し野党は1人減らした。全国的にも注目されたが、肝心の投票率は前回を5・36ポイント下回る65・04%にとどまり、記録のある1970年以降で最も低かった。
(2)2月に初当選した渡具知市長に対し、有権者から一定の評価が下された。だが、野党と中立を含めると与党と同数であり、渡具知市長が自身の政策を思い切って実行できる態勢とはいえない。
(3)琉球新報が実施した立候補予定者アンケートで移設反対と答えたのは17人で、このうち、与党の公明を含む15人が当選した。賛成と答えた人は7人中5人が当選している。賛成5人、反対15人、その他6人という内訳になる。


Ⅲ.主張


(「タイムス」)
(1)市長選もそうだったが、企業や業界団体、創価学会による取り組みが期日前投票を押し上げたと思われる。この日は名護市のほか、沖縄、宜野湾、南城、石垣の各市でも議会議員選挙が行われた。選挙結果は9月30日の県知事選に影響を与えることになるだろう。今年に入って「オール沖縄」勢力は名護、石垣、沖縄の3市長選で連敗した。政府対「オール沖縄」勢力という構図は知事選ではいっそうはっきりするはずだ。それ自体、異様なことである。


(「新報」)
(1)辺野古移設を巡っては、反対する議員が賛成を大きく上回り、過半数を占めている。市長はそのことを念頭に置いて市政を運営すべきだ。
(2)政府サイドは、与党が野党を上回った結果をもって移設容認の民意が示されたと喧伝したいかもしれない。それは、こじつけというものだ。与党系の候補者で新基地賛成を表明して選挙戦に臨んだのは一部にすぎなかった。大半が「推移を見守る」などと態度を保留している。市長を支持する公明の2人は反対する立場だ。示された民意の大勢は容認ではなく移設反対だった。政府は市民の意向を尊重し、新基地建設を断念すべきだ。
(2)名護市長選で渡具知市長は、新基地建設を推進する安倍政権の支援を受けた。だが選挙戦では賛否を明らかにせず、問題を解決するために国と対話する姿勢を示した。就任後は、受給の再開が決まった米軍再編交付金を財源として、給食費や保育の無償化を進めている。移設を事実上容認する立場だ。
(3)再編交付金は米軍再編推進法に基づき再編事業の進捗(しんちょく)の度合いや負担の重さなどに応じて地方自治体に支給される交付金だ。移設反対を堅持した稲嶺進前市長の在任時には打ち切られた。国策を円滑に遂行するため自治体を「基地依存症」に陥らせる仕組みと言っていい。本来、このようなよこしまな狙いがある財源に頼らない体質の確立こそ、自治体には求められる。
(4)今回選ばれた人たちは、自身に託された思いを真摯(しんし)に受け止めながら、議員の職責を深く自覚し、市民のために全力で取り組んでほしい。


 「タイムス」と「新報」から受け取ることができるのは、次の指摘である。


Ⅰ.「投票率から言えるのは、『辺野古疲れ』だけでなく、『選挙疲れ』や『選択疲れ』が見られることだ。」(沖縄タイムス)
Ⅱ.「示された民意の大勢は容認ではなく移設反対だった。政府は市民の意向を尊重し、新基地建設を断念すべきだ。」(琉球新報)
Ⅲ.「再編交付金は米軍再編推進法に基づき再編事業の進捗(しんちょく)の度合いや負担の重さなどに応じて地方自治体に支給される交付金だ。移設反対を堅持した稲嶺進前市長の在任時には打ち切られた。国策を円滑に遂行するため自治体を『基地依存症』に陥らせる仕組みと言っていい。本来、このようなよこしまな狙いがある財源に頼らない体質の確立こそ、自治体には求められる。」




by asyagi-df-2014 | 2018-09-16 06:16 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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