2018年 09月 04日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年9月4日

 「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設予定海域にあるサンゴ類について沖縄県は3日、沖縄防衛局が申請していた約3万8760群体など全ての特別採捕許可申請を不許可にしたと発表した。同日、防衛局に通知した。防衛局は新基地建設事業の環境保全措置としてサンゴを移植するため採捕申請していた。県は8月31日に公有水面埋め立て承認を撤回したことで『事業がない状況で、移植行為の必要性もなくなった』(県水産課)と不許可の判断に至った。」、と琉球新報。
『事業がない状況で、移植行為の必要性もなくなった』、とは正論。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年9月4日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-アメリカ、移設方針変えず 報道官、承認撤回受け表明-2018年9月4日 11:41


 琉球新報は、「【ワシントン=座波幸代本紙特派員】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を巡り、沖縄県が前知事の埋め立て承認を撤回したことに、米国務省のナウアート報道官は8月31日、本紙の取材に対し、『米国、日本の両政府は引き続き、辺野古移設の実現に力を注ぐ立場に変わりはない』と従来の見解を繰り返した。」、と報じた。
 また、「普天間飛行場の代替施設建設は『運用上、政治上、財政上、戦略上の懸念に対する唯一の解決策であり、前方展開する海兵隊の即応性を可能にし、普天間飛行場の継続使用を回避する。今後も日本政府の関係者との連絡を密に取っていく』との声明を出した。」、と報じた。


(2)琉球新報-サンゴ採捕 沖縄県が不許可 辺野古埋め立て撤回根拠に 防衛局申請の全4万群体-2018年9月4日 11:38


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設予定海域にあるサンゴ類について沖縄県は3日、沖縄防衛局が申請していた約3万8760群体など全ての特別採捕許可申請を不許可にしたと発表した。同日、防衛局に通知した。防衛局は新基地建設事業の環境保全措置としてサンゴを移植するため採捕申請していた。県は8月31日に公有水面埋め立て承認を撤回したことで『事業がない状況で、移植行為の必要性もなくなった』(県水産課)と不許可の判断に至った。」
②「県が不許可としたのは、防衛局が(1)4月24日付で申請した小型サンゴ類約830群体とショウガサンゴ1群体(2)同じく24日付の大型サンゴ22群体(3)6月19日付の小型サンゴ約3万8760群体―の3件の申請。」
③「防衛局は申請で、新基地建設の『環境保全措置を目的とした造礁サンゴ類の移植技術に関する試験研究』を採捕の目的にしていた。防衛局は処分に不服がある場合、農林水産相に対する審査請求や処分の取り消しを求める訴訟を提起することができる。」
④「特別採捕に関する判断の権限は、知事職務代理者の富川盛武副知事が8月16日以降、埋め立て承認の撤回権限とともに謝花喜一郎副知事に委任していた。」


(3)沖縄タイムス-基地解決、争点ぼかす 佐喜真氏の政策 自公維の3党共闘を強調-2018年9月4日 13:22


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【解説】佐喜真淳氏が知事選に向けて発表した政策は推薦を受ける自民、公明、維新で主張が異なる辺野古新基地建設については触れず、基地負担軽減の推進で『大同に就く』ものとなった。一日も早い普天間飛行場の返還と危険性除去を訴えつつ、具体的な解決策は示さず争点をぼかした。」                           (知事選取材班・上地一姫)
②「政策には公明党が力を入れる日米地位協定改定のための交渉や、維新が推進する保育料と医療費の無償化などを明記し3党の共闘体制をアピールした。辺野古新基地建設は『小異ではない』(政党関係者)とするも、県政奪還後に解決すべき課題として後回しした。」
③「佐喜真氏が訴える『沖縄らしい【和】を取り戻そう、対立から対話へ』には、政府と辺野古新基地建設を巡り対立した現県政への批判を含む。翁長雄志前知事が過重な基地負担を全国に発信したことは成果としつつ『バランスが欠けた。県民のための予算要求など含め本来オール沖縄ですべきだが、県政が変わって結果がでなかった』と翁長前知事を支え、相手候補を支援する政党へも矛先を向けた。」
④「佐喜真氏が訴える医療費や保育料、給食費の無償化など子育て支援などには予算が伴う。政策実現のための財源については、国の協力と理解を得てまかなう考えを示し、全国で山口県だけに交付されている『再編関連特別地域整備事業費』についても言及した。」
⑤「県内の過重な基地負担に見合う予算の要求を説明したものだが、同補助金は米空母艦載機部隊の岩国基地への移転計画で山口県への理解を得るために国が創設した制度だ。負担軽減を強調する佐喜真氏が、米軍再編に絡んだ新たな仕組みによる予算確保を挙げるならば、普天間飛行場を含む米軍再編について県民への説明は避けられない。」




by asyagi-df-2014 | 2018-09-04 18:28 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄県が、「承認の撤回」を行ったこと。(3)

 沖縄県は、名護市辺野古の新基地建設を巡り、2018年8月31日、埋め立て承認を撤回する通知書を沖縄防衛局に提出した。
このことがどのような意味を持つものなのか。
 これまで、「沖縄県が、『承認の撤回』を行ったこと。(1)」で、次のような把握をした。


Ⅰ.沖縄県は、「違法な状態を放置できないという法律上の行政原理の観点から承認の撤回が相当」、と判断したこと。
Ⅱ.この判断に基づき、「防衛局から聴聞を実施し、調書の内容と報告書、主宰者の意見を参酌して、不利益処分を検討したところ、庁内の決裁手続きをへて、聴聞通知書を提出」、との行政手続きを行ったこと。
Ⅲ.この判断の根拠は次のものであること。
(1)日本政府は、「本件埋立承認については、留意事項に基づく事前協議を行わずに工事を開始したという違反行為があり行政指導を重ねても是正しない」、ということ。
(2)軟弱地盤、活断層、高さ制限及び返還条件などの問題が承認後に判明したこと。
(3)承認後に策定したサンゴやジュゴンなどの環境保全対策に問題があり環境保全上の支障が生じることは明らかと認められたこと。
Ⅳ.前知事による埋め立て承認は、次の瑕疵を犯していること。
(1)公有水面埋立法4条1項1号で規定する『「国土利用上適正且つ合理的なること』の承認要件を充足しないことが明らかであること。
(2)留意事項1に違反していること。
(3)公有水面埋立法4条1項2号で規定する『環境保全及び災害防止に付き十分配慮せられたるものなること』の承認要件を充足しな いことが明らかであること。


 あらためて、沖縄タイムスと琉球新報の社説でこのことを押さえる。
二紙の社説を、Ⅰ.「承認の撤回」をどのように捉えるか、Ⅱ.「撤回」に至った理由、Ⅲ.それぞれの主張、についてまとめてみる。


Ⅰ.「承認の撤回」をどのように捉えるか


(琉球新報)
(1)政府が工事中断に伴う損害賠償の可能性をちらつかせる中で、謝花喜一郎、富川盛武両副知事ら県首脳が故・翁長雄志知事の遺志を実行に移したことを評価したい。
(2)米国内だったら造れない飛行場の建設をどうして沖縄で許すのか。日本の航空法にも抵触するが、米軍基地には適用されない。


(沖縄タイムス)
(1)翁長氏が撤回表明してから1カ月余り。翁長氏の公約を貫く重い判断である。
(2)謝花氏は「翁長知事の思いを受け止め、違法状態を放置できず、行政手続きの観点から判断した」と述べた。撤回は、承認後の事情の変化を理由に許認可などの行政処分を取り消す措置である。県が取り得る最大で最終的な手段である。政治性を排し、あくまで法律上、行政上の観点から撤回したことを強調したのだ。
(3)撤回によって工事は法的根拠を失い、即時中断した。ただ、国は対抗措置として撤回の取り消しを求める訴訟や撤回の効力の一時停止を求める申し立てなどを取る方針だ。再び法廷闘争に入るとみられる。


Ⅱ.「撤回」に至った理由


(琉球新報)
(1)米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、県は仲井真弘多前知事による埋め立て承認を撤回した。これによって承認の法的根拠が失われ、工事はストップする。
(2)仲井真前知事が埋め立てを承認した際、県は「工事の実施設計について事前に県と協議を行うこと」と留意事項に記載した。だが、沖縄防衛局は事前協議が完了しないうちに、昨年2月に汚濁防止膜設置の海上工事、同年4月には護岸工事に着手している。
(3)埋め立て承認後に沖縄防衛局が実施した調査で建設予定地に「マヨネーズ並み」の軟弱地盤が存在することが確認されていた。ところが政府はこの事実を県に伝えていない。今年3月に市民の情報公開請求によって初めて明らかになっている。なぜ口をつぐんでいたのか。公表すれば地盤改良工事の必要性が白日の下にさらされる。新たな改良工事の実施は設計概要の変更に当たるため、公有水面埋立法に基づき知事の承認を得なければならない。工事の進捗(しんちょく)に影響が出ることを避ける意図で、隠していたとしか考えられない。防衛局は工法変更申請の必要性について「総合的に判断する」と言葉を濁している。
(4)新基地予定地近くにある国立沖縄工業高等専門学校の校舎、米軍の弾薬倉庫、通信事業者や沖縄電力の鉄塔、一部の民家など多くの建造物が、米国防総省が航行の安全のために制定した飛行場周辺の高さ制限を超えている。


(沖縄タイムス)
(1)撤回理由として県は、大浦湾側の海底の軟弱地盤や地震を引き起こす活断層の存在を挙げた。工事を進めるには、軟弱地盤は地盤改良が必要だが、膨大な予算が伴う。新基地に弾薬搭載エリアなどが備えられることを考えると、活断層が動けば、地震と津波によって新基地が打撃を受けるだけではすまないだろう。
(2)さらに国は承認の条件となった「留意事項」にある県との環境保全策などの事前協議をせず工事を開始し、行政指導を繰り返しても是正しなかった。不誠実極まりない。サンゴやジュゴンなどの環境保全対策にも問題がある。実際、ジュゴン3頭のうち「個体C」と呼ばれる若い1頭の情報は長く途切れている。
(3)新基地建設に向けた国の瑕疵(かし)は明白である。


Ⅲ.それぞれの主張


(琉球新報)
(1)県民の間に強い反対がある中で新基地建設を強行するのは政府に対する不信感を増幅させるだけだ。沖縄に矛先を向けるのではなく、米国政府と真正面から向き合って、県内移設を伴わない普天間飛行場の返還を提起すべきだ。
(2)承認撤回を受け、政府は法的対抗措置を取ることを明らかにした。国、県の対立がまたしても法廷に持ち込まれる。強い者にへつらい、弱い者に強権を振りかざす。今の日本政府は時代劇でお目にかかる「悪代官」のように映る。
(3)政府首脳はこれまでの対応を省みて恥ずべき点がなかったのか、胸に手を当ててよく考えてほしい。対抗措置をやめ、新基地建設を断念することこそ取るべき選択だ。


(沖縄タイムス)
(1)県と国の対立がここまで深まったのはなぜか。ずさんな生活・自然環境の保全策。選挙で示された沖縄の民意無視。「辺野古が唯一の解決策」と言いながら、果たされぬ説明責任…。県外から機動隊を導入するなど強行姿勢一辺倒の安倍政権のやり方が招いた結果である。
(2)安倍政権は県が撤回せざるを得なかったことを謙虚に受け止めるべきだ。小野寺五典防衛相は「法的措置を取る」と明言しているが、裁判に訴えるのではなく、県の撤回を尊重し、工事を断念すべきである。
(3)問われているのは日本の地方自治、民主主義が機能しているかどうかである。
(4)県の埋め立て承認の撤回が30日投開票の知事選に影響を与えるのは間違いない。


 琉球新報と沖縄タイムスの見解を確かに受け取る。
 それは、まさしく「沖縄に矛先を向けるのではなく、米国政府と真正面から向き合って、県内移設を伴わない普天間飛行場の返還を提起すべきだ。」(琉球新報)、という政治方向に舵を向けるということだ。
 なぜなら、「日本の地方自治、民主主義が機能しているかどうかである。」(沖縄タイムス)、ということが辺野古新基地建設で問われているからである。
安倍晋三政権は、今こそ、この沖縄県の「承認の撤回」を尊重し、辺野古新基地建設の工事を断念しなければならない。



by asyagi-df-2014 | 2018-09-04 06:06 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

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