2018年 07月 14日 ( 2 )

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年7月13・14日

「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が8月17日に予定する埋立土砂の投入より前に、県が埋め立て承認を撤回する調整に入ったことが12日、分かった。土砂投入の重要局面を前に、翁長雄志知事の最大の権限となる撤回に踏み切り工事を停止させる考えで、8月初旬の撤回表明を軸に検討が進んでいる。複数の関係者が明らかにした。」、と琉球新報。
 確かに、Xデイに向けた日本の政治のあり方をただす政治の「時」に。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年7月13日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-承認撤回は土砂投入前に 辺野古埋め立て 8月初旬を軸に調整-2018年7月13日 05:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


(1)「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が8月17日に予定する埋立土砂の投入より前に、県が埋め立て承認を撤回する調整に入ったことが12日、分かった。土砂投入の重要局面を前に、翁長雄志知事の最大の権限となる撤回に踏み切り工事を停止させる考えで、8月初旬の撤回表明を軸に検討が進んでいる。複数の関係者が明らかにした。」
(2)@知事が撤回を表明した後は沖縄防衛局の意見を聞き取る『聴聞』の期間が設けられ、その後に撤回の手続きが取られる。翁長知事が2015年に埋め立て承認を取り消した際には表明か聴聞を経て29日後に正式に取り消され、撤回の場合も表明から数週間の手続き期間が必要となる。」
(3)「辺野古に反対する市民や労働組合、政党などでつくる『オール沖縄会議』は土砂投入に抗議する県民大会を8月11日に那覇市内で開催を予定。市民団体からは県民大会までに撤回のアクションを起こすよう求める声が強まっている。」
(4)「県はこれまで承認撤回の理由として『環境保全の不備』『設計変更の必要性』『』承認の際の留意事項への違反』の3分野での国の対応の不備を指摘してきた。」
(5)「11日には県環境部が絶滅の恐れがある動植物のリスト『レッドデータおきなわ』を12年ぶりに改訂し、辺野古の建設予定地に生息する複数の海草藻類を追加。海草藻類を移植しないまま工事を進めることが撤回の理由となる可能性もある。一方で、県は撤回前に工事中止命令を検討した経緯もあり、撤回は翁長知事の高度な政治判断で行われるため表明の時期は流動的な側面もある。」                      (政経部・銘苅一哲)


(2)琉球新報-県、サンゴ採捕許可 防衛局申請 食害対策条件付き 反対市民が5時間抗議2018年7月14日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、県水産課は13日、埋め立て予定海域にある絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ9群体を別の場所に移植するため沖縄防衛局が申請していた特別採捕を許可した。防衛局は食害対策のかごを設置してから14日以内にサンゴを移植することになる。ただ、かごの設置には、さらに県の同意が必要としている。移植されれば工事が進み、知事の承認撤回の方針に『逆行する』との批判の声も上がっている。」
②「今回許可した希少サンゴは2月に特別採捕が許可された後、食害の跡が見つかって不許可になり、防衛局は3月20日と4月5日に再申請した。県が許可の判断を防衛局に伝えた13日、工事に反対する市民が県庁を訪れ、約5時間にわたって県水産課に抗議した。」
③「県は防衛局の食害対策を妥当と判断した。県水産課の粟屋龍一郎副参事は『ずっと審査して説明要求もした。内容を精査した結果、許可に至った』と述べた。」
④「防衛局は辺野古海域で約7万4千群体のサンゴを移植対象とし、準絶滅危惧種のヒメサンゴ1群体や小型サンゴ約3万8760群体や大型サンゴ22群体なども、移植のための特別採捕を申請している。」


(3)琉球新報-柳川強監督「沖縄の今描くため歴史描く」 劇場版「返還交渉人」への思い-2018年7月13日 11:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄返還の日米交渉に携わった千葉一夫外交官を描いたNHKのスペシャルドラマ『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』の劇場版が7日から、那覇市の桜坂劇場で公開されている。柳川剛監督に沖縄公開初日の7日、作品や沖縄への思いを聞いた。」(聞き手 伊佐尚記)
②「―舞台あいさつで観客の声を聞いてどう感じたか。:『主人公の外交官・千葉一夫は沖縄のために頑張ったといっても本土の人だ。しかも(政府という)体制の中で頑張った人なので、どう受け入れられるかと思っていた。観客の話を聞いて、『沖縄に閉塞感がある中で勇気をもらった』と言う人もいたし、温かい反応がありがたかった。』『たまたま埼玉から沖縄に来ていて、映画を見てから旅行の残り2、3日で見る所を変えたという若い女性2人組がいた。辺野古の基地問題とか、米軍基地がなぜ沖縄にあるのかを知る初めの一歩になればいい。自分で調べて考えることにつながればいい。』」
③「―今の沖縄をどう見るか。今、上映する意義とは。:『歴史的なドラマだけど、今も沖縄返還の時代も全然変わってないと感じる。今を描いているという意識がある。千葉は戦時中、米軍の通信を傍受して艦砲射撃の音を聞いたが、沖縄のために何もできなかったという無念、怒りが根底にあり、一生沖縄のために尽くした。映画を作りながら、そういう小さな怒りを持ち続けることの重要性を思っていた。作り手も持ち続けなければいけないし、見ている方も『諦めたら負けだよな』と思ったなら伝わったような気がする。」
④「―過去の作品でもよく戦争をテーマに選んでいる。:『今を描くために戦争の時代を描いている。無慈悲な国家に個人の自由が圧殺されるということは今もそうだと思うが、当時の方が如実に構図として出る。』」
⑤「―音にもこだわっている。『取材で初めて嘉手納基地を訪れた時、戦闘機が低空飛行をして爆音と存在感で【殺される】と思うほど恐怖だった。あの音を忠実に表現しなければ、沖縄を描いたことにならないと思った。Bの音は当時の資料映像(から使った)。この映画は沖縄の音を巡る映画だと感じたので音の表現は大切にした。音楽を手掛けた大友良英さんにも作曲する前に沖縄に来て(爆音を体験して)もらった。また、Bの映像は当時の資料映像をきれいにし、今撮った映像はざらつかせることで、つなげた時の違和感をなくした。』」
⑥「―最後の千葉が歩いて行く場面は希望を表すのか、それとも道は遠いという表現か。:「どっちにも取れるようにしたい。見た人の現状認識とつながってくる。本当は夕日に向かって行くようにしたかった。希望にしたかったが、天気が良くなかった。作り手が押しつけることではないので、逆にそういう表現になって良かった。』」
⑦「―印象に残る場面は。:『石橋蓮司さん演じる屋良朝苗主席が、千葉にうちなーぐちで『本土の人間は私たちを小さな人間だと見ている』と言う場面だ。千葉と屋良が分かり合っても、どこかで溝がある。私自身も全て分かっているわけではないし、そういう瞬間をつくるべきだと思った。』」
⑧「―平良進さん演じる沖縄の男性が無言で海に祈る場面も印象的だ。:『あれは絶対、沖縄を象徴する平良さんに演じてほしかった。外交官だった千葉の父は第2次世界大戦の時に自殺した。外交官として無念があったからだと思う。この映画はそういう父を追い掛ける千葉の話でもある。平良さんの役は沖縄戦で死んだ人のために祈っているんだけど、その後ろ姿は千葉にとっては自分の父親だ。』」
⑨「―今後、興味ある題材は。:『 琉球処分だ。この映画を作る中でいろいろ知ったので、その原点を見つめたい。』」


(4)沖縄タイムス-辺野古、着実に進める 菅氏講演「政府は真剣」-2018年7月13日 15:14


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「菅義偉官房長官は11日、東京都千代田区の帝国ホテルであった読売国際経済懇話会で講演し、辺野古新基地建設について『さまざまな難しい問題はあるが、着実に進めることによって政府は真剣だという思いを沖縄の皆さんに分かってもらうことがものすごく大事。全力で尽くしていきたい』とし、着実に進める考えを示した。」
②「菅官房長官は在沖海兵隊のグアムなどへの移転を説明し『(辺野古への移設を)一日も早く実現することによって負担軽減が可能になる』と語った。」
③「1996年の日米特別行動委員会(SACO)は約20年間ほとんど進んでいなかったが、『復帰後最大』の米軍北部訓練場の約4千ヘクタールを返還したとアピール。さらに浦添市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の約3ヘクタールの返還に伴い、58号を拡幅したことが渋滞緩和につながったとし『目に見える形で実現しないと、沖縄の人は信頼してくれない』と述べた。」


(5)沖縄タイムス-新基地「K4」護岸付近でにらみ合い 抗議船、オイルフェンス設置阻止を狙う-2018年7月13日 14:35


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸で13日午前、台風対策で撤去された護岸付近のオイルフェンスの設置を阻止しようと、市民らが抗議船3隻、カヌー9艇で抗議した。オイルフェンスがないままでは汚濁防止膜を張ることができず、護岸工事が進められないため、『K4』護岸付近でにらみ合いが続いた。」、と報じた。
 また、「一方、ゲート前では、新基地建設に反対する市民約30人が座り込み抗議した。午前中と正午すぎに生コン車や砕石を載せた工事車両が基地内に入った。市民らは機動隊約30人に排除されながらも『違法工事をやめろ』『子どもたちの未来に基地はいらない。諦めないぞ』と声を上げた。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-大浦湾の生物4種追加 レッドデータおきなわ・改訂版 有識者、藻場の破壊に警鐘-2018年7月13日 14:09


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「県環境部が絶滅の恐れのある野生生物をまとめた『レッドデータおきなわ(菌類・植物編)』の改訂版で、海草類の『マツバウミジグサ』など、新基地建設の作業が進む名護市辺野古の大浦湾に生息する生物が、少なくとも4種類、掲載されたことが12日までに分かった。沖縄防衛局は新基地建設の環境保全措置で、ジュゴンの餌場となる海草藻場について移植の必要性に触れているが、現在まで実施されていない。」
②「新たに掲載されたのは『マツバウミジグサ』『ウミジグサ(ニラウミジグサ)』『シオニラ(ボウバアマモ)』『カヤモノリ』などの海草類や海藻類。」
③「絶滅の危機が増大している『絶滅危惧2類』に分類されたマツバウミジグサは、海底の砂泥地に生息する多年草の海草で、環境省の準絶滅危惧にも指定されている。改訂版レッドデータでは同種について『自生地の開発』が減少の原因と説明。『県内で浅海の埋め立てが進み、分布情報が十分に得られないまま自生地が消滅している』と解説した。その他、海草のウミジグサとシオニラは『県内の存続基盤が脆弱(ぜいじゃく)』とされる『準絶滅危惧種』、海藻のカヤモノリは、絶滅の恐れがあるがランク判定の情報が少ない『情報不足』に分類された。」
④「日本自然保護協会の安部真理子主任は『藻場の生物の希少性が正式に認められたことは喜ばしい』と評価しつつ『(藻場の)破壊は日々進んでおり、掲載された生物がすでにいない恐れもある。絶滅の危機にある生物がいる以上、一刻も早く工事を止めることが重要だ』と指摘した。改訂版『レッドデータおきなわ』では、2006年の第2版から、掲載種が946種から1053種と107種増えた。研究の進展で、絶滅の恐れがあると分かった生物の追加や、自生地の開発、陸水域の環境の変化などが原因としている。新たに絶滅した生物はいなかった。」                          (社会部・松田麗香)


(7)沖縄タイムス-辺野古問題、再び法廷へ 8月にも承認撤回 留意事項への違反理由か-2018年7月13日 13:08


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【解説】名護市辺野古の新基地建設を止める最大の手段となる翁長雄志知事の埋め立て承認撤回の時期が、8月17日予定の土砂投入前に絞られてきた。環境保全や前知事の埋め立て承認の条件とされた留意事項への違反などを理由に撤回される見通しだ。一方で、国は撤回の効力を停止する手続きなど対抗措置を執ることが予想され、辺野古問題は再び法廷闘争へと発展することになる。」                       (政経部・銘苅一哲)
②「沖縄防衛局は今年6月13日、県赤土等流出防止条例に基づき、環境対策と併せて埋め立て土砂の投入時期を8月17日とすることを県に通知した。だが、県はその後も当初防衛局が予定していた埋め立て順が大浦湾側ではなく、辺野古側が先に着手されるのは設計変更に当たると主張し、知事の承認を得る必要性を強調するなど、手続きの不備を指摘し続けている。」
③「撤回を巡っては、県民投票の結果を受けて民意を理由に埋め立て承認を撤回する『公益撤回』も検討された。ただ、市民を中心とする県民投票の署名活動が開始されたのは今年5月で、投票の実施は最速でも今年の秋以降となるため、8月の土砂の投入前の公益撤回は困難となった。」
④「そのため、県は国の手続きの不備を理由とする『要件撤回』の準備を進めている格好だ。」
⑤「沖縄防衛局は2015年3月、コンクリート構造物を海底に沈めたことに県が出した作業停止指示に対し、行政不服審査法で県の指示を無効化した。撤回後も効力を無効化する対策が予想される。政府関係者が撤回後に控える訴訟に向け『取り消しを巡る裁判では最高裁で国が勝った。今回も県に勝ち目はない』と断言する中で、県がいかに法廷で国の不備を指摘できるかが迫られている。」


(8)琉球新報-護岸周辺にオイルフェンス設置 辺野古新基地建設-2018年7月14日 13:54


 琉球新報は、「【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で14日午前、8月にも沖縄防衛局が土砂を投入する区域の『K4』と『N3』の両護岸周辺にオイルフェンスが設置されているのが確認された。K4護岸がN3護岸と接続するまで、残り数十メートルに近づいている。台風8号対策で取り払われていたオイルフェンスを再設置する作業や、トラックが通れるようにするために護岸上に鉄板を設置する作業が進められた。海上では市民がカヌー16艇、抗議船4隻を出して、工事に反対した。ゲート前では工事車両による資材搬入はなかった。」、と報じた。


(9)沖縄タイムス-沿岸でオイルフェンス設置進む 新基地建設、海上で抗議-2018年7月14日 13:31


 沖縄タイムスは、「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、米軍キャンプ・シュワブ沿岸では14日午前、作業船によるオイルフェンスの設置や、『K4』護岸東側の開口部付近で鉄板の設置作業が進められた。基地建設に反対する市民は抗議船3隻、カヌー16艇で海上から抗議した。オイルフェンスの設置を阻止しようとしてカヌーで作業船に近づき、海上保安官に拘束された市民もいた。一方、キャンプ・シュワブゲート前からの資機材の搬入は確認されなかった。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2018-07-14 16:50 | 沖縄から | Comments(0)

より深刻な帰結はさらにその先にやって来る。

 沖縄タイムスは2018年7月5日、「翁長知事、命がけの訴え 73年目の慰霊の日【金平茂紀の新・ワジワジー通信(36)】」を掲載した。
「8月17日までには、埋め立て土砂が海中に投入される。より深刻な帰結はさらにその先にやって来ると僕は考えている。」、とする金平茂紀の怒り。
 一つ目の怒りは、「頭を冷やして考えてみようではないか。アメリカ人の民間人が沖縄で起こした凶悪刑事事件の賠償の支払いを、なぜ日本政府が肩代わりしなければならないのか。」ということ。
 どういうことなのか。
 金平茂紀は指摘する。


(1)「先月29日、中国、韓国の歴訪を終えた帰途、東京に立ち寄ったマティス米国防長官は、小野寺防衛大臣との会談を行った。マティス長官の今回の歴訪の目的は、主に北朝鮮情勢についての意見調整だったが、その後の記者会見で、小野寺大臣は、2年前、うるま市で起きた元米軍属による女性暴行殺人死体遺棄事件について、被害者の遺族への賠償金を日米両政府が共同で支払うことで合意したことを明らかにした。刑事責任については、去年の12月に元米軍属の被告に対して無期懲役の判決が出ているが、民事責任についても今年1月、那覇地裁がこの元軍属に対して遺族への損害賠償を命じていた。ところが元軍属に『支払い能力がない』ことから、米側が賠償金を支払うかどうかが注目されていた。」
(2)「これまで米側は元軍属の男性が米軍の直接雇用ではないことから支払いに応じてこなかった。日本側の説明では、今回の米側の支払い受諾は『日米地位協定に基づくものではなく、米政府の自発的、人道的な観点からの支払いだ』という。その上で、小野寺大臣は『米側の支払いで足りない部分は日本政府が見舞金として対応する』と述べたのだ。具体的な金額は明らかにしていない。ここが最もデリケートなところで、もし『米側25%、日本側75%』の分担となれば、それは米側が人道的な観点から支払いに応じたことになるのか。なぜ分担の割合を明らかにしないのか。歴史の審判がおそろしいのか。いずれは明らかになるというのに。」
(3)「沖縄国際大学の前泊博盛教授にこの件で取材をしたが、1995年の米兵による暴行事件の際も同様のことが起きていたのだという。あれは米兵3人の蛮行だったが、同じく『支払い能力がない』として米側が日米地位協定に基づき賠償を代行することになった。その際、何と米側が日本側に対して支払額を『値切ってきた』という。そして日本が補填(ほてん)した。この事実は米側公文書に記載されている。(アメリカの立派なところは公文書を廃棄したり改ざんしたりせずに、きちんと保管していることだ)。日本政府は、うるま市の事件の賠償をなぜ米側に『全額』支払わせないのか。うるま市の殺された女性には何ひとつ非はないのに。それでも独立国か。」


 もう一つは、この先の大きな深刻な帰結への怒り。
まずは、翁長知事について。


(1)「そんな怒りが沸いた日の6日前の6月23日。この日、沖縄は梅雨明けが宣言され、焼け付くような日差しだった。早朝から平和の礎には多くの遺族が花をたむけに訪れていた。沖縄戦没者追悼式の進行をリハーサルの段階から刻々と見ていた僕は、とても複雑な思いに苛(さいな)まれた。この式典の進行の先には、より大きな深刻な帰結が待ち構えているように思えてならなかったのだ。式典の主催者・沖縄県の翁長雄志知事はもちろん参列していたのだが、今年の場合、知事の参列には特別な意味があった。それは、翁長知事が公務に復帰したとはいえ、すい臓がんで治療中の身であり、この炎天下の過酷な環境に果たして耐えられるのか、という懸念が囁かれていた。それはある意味でとても残酷なようだが、今年11月18日に投開票日が設定された沖縄県知事選挙への翁長氏の再出馬の可能性を県民が直接判断する場でもあったのかもしれない。」
(2)翁長知事は目深に帽子をかぶった姿で会場入りした。参列者から拍手が起きた。知事は、がん治療で頭髪がなくなった頭部をカバーするためこのところ県議会の中でも帽子を着用している。知事がその帽子を公の席で脱いだのは、式典の最も大事な部分『平和宣言』を読み上げた時だった。その赤裸々な姿を公の場でさらしながら、知事は先のシンガポールでの歴史的な米朝首脳会談について触れ〈東アジアをめぐる安全保障環境は、大きく変化しており…民意を顧みず工事が進められている辺野古新基地建設については、沖縄の基地負担軽減に逆行しているばかりではなく、アジアの緊張緩和の流れにも逆行している〉と声を振り絞って訴えていた。参列者からは拍手が沸いた。」
(3)「壮絶な命がけの宣言でもあった。この姿を県民たちはどう受け取っただろうか。知事の主張に対する共感と、知事の病状への同情の念と。人々は心の深いところで想像していたはずだ。今年11月の知事選挙に翁長氏は本当に出られるのだろうか。激しい選挙運動を戦うことができるのだろうか。『辺野古に新基地を造らせないという私の決意は…微塵(みじん)も揺らぐことはありません』という思いを翁長氏以外のいったい誰に託すことができるのだろうかと。安倍首相は知事と目を合わせようとはしなかった。」


 さて、大きな深刻な帰結について。


(1)「慰霊の日を伝える当日のテレビニュースは、翁長知事の『平和宣言』と、その直後の安倍首相の式辞を、ストップウオッチで計ったようにご丁寧に『等量に』短く編集して紹介していた。これでは翁長知事の宣言のあの壮絶さがちっとも伝わらない。その後の中学3年生の詩【生きる】の朗読は、その言葉の強度とともに、終始まっすぐに顔をあげて言葉を届けようとする姿が多くの人々の感動を呼んだ。その少女に対してネット上では匿名で『中三の女の子、どうみても活動家ですやん』とか書き込む卑怯な現実が僕らの回りにはある。」
(2)「政権与党の自・公は、『翁長知事以外の候補者なら必ず勝てる』と踏んで、知事候補者の人選にあたっている。僕の取材では、宜野湾市の佐喜真淳市長を擁立する方針が急速に固まった(本紙3日付1面トップ記事も参照)。6月26日に開かれた『就任6周年激励パーティー』は、さながら知事選へのステップアップ激励の集いだった。仲井真弘多前知事は『宜野湾市で囲い込まないで、沖縄全体のために寛大な気持ちで佐喜真さんを応援していただきたい』と持ち上げた。これを受け佐喜真市長は『悩みながら政治家は決断する。そういうものだと思っている。これ以上は申し上げません』と含みを持った発言をしていた。外務省の新旧沖縄大使交代のレセプション会場で僕は佐喜真氏本人に知事選出馬の感触を訊いたが『(出馬へ意欲は)報道ですから。僕は宜野湾市長です』と逃げられた。佐喜真氏が、仮に立って知事選に勝利すれば、普天間基地移設元の市長が知事に選ばれたのだから、辺野古移設が県民の『民意』だとされ、その瞬間に辺野古新基地建設問題は『消滅した』」と彼らは強弁するだろう。だから佐喜真市長擁立は根源的な転換点という意味をもつ。」
(3)「以上のような日々を通じて、辺野古の新基地建設現場での工事は粛々と力づくで推し進められていた。慰霊の日に知事が何を訴えようが、14歳の少女がまっすぐに言葉を発しようが、そんなことには聞く耳を持たずに、工事を進める。反対行動は力で排除する。8月17日までには、埋め立て土砂が海中に投入される。より深刻な帰結はさらにその先にやって来ると僕は考えている。」


 そうなのだ。
 この怒りは、主権国家のあり方が問われているのにという怒りなのだ。
 いつまでも、問題は『人道的』という言葉で繕うべきものではない。  
 日本政府の仕事は、「斡旋業」でしかないのだから、できることは「人道的」という範疇の金銭処理だけだ、と見抜かれているのに。
「より深刻な帰結」。
 この国の壊され方は尋常ではないが、沖縄はこの国を壊すための最前線に、また立たされる。



by asyagi-df-2014 | 2018-07-14 09:17 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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