2018年 06月 09日 ( 3 )

北海道大学は、過去2年間受け取ってきた「安全保障技術研究推進制度」の助成金の2018年度分を辞退。

 朝日新聞は2018年6月9日、表題について次のように報じた。


(1)「防衛装備庁が大学や企業に研究資金を提供する『安全保障技術研究推進制度』を巡り、過去2年間受け取ってきた北海道大学(札幌市)が、2018年度分を辞退していたことが分かった。学問の自由への介入を懸念する、日本学術会議の声明を踏まえて決定したという。防衛装備庁によると、助成を受けていた大学側からの辞退申し入れは初めて。」
(2)「北大によると、辞退をしたのは、工学研究院の村井祐一教授(流体力学)のチームによる研究への資金提供。船の水中抵抗を減らし高速化することなどがテーマで、16年度から3年間の予定で採択された。1年ごとの契約で、16年度に約1040万円、17年度に約1294万円が支給された。」
(3)「日本学術会議は昨年、学問の自由を理由に、この制度を問題視し、軍事研究を否定する内容の声明を出している。北大は声明を踏まえ、『新たな契約を行わない』との方針を決定し、防衛装備庁に伝えた。」
 (田之畑仁、芳垣文子)


 日本学術会議の声明がここで生きた。
 1950年の「戦争を目的とする科学の研究は絶対に これを行わない」との声明、 1967 年の「軍事目的のための科学研 究を行わない」との声明の二つをを継承することの実践である。





by asyagi-df-2014 | 2018-06-09 20:50 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年6月8日

 沖縄は、いよいよ決断の時を迎えるのか。
 「沖縄県の米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、政府は7月に予定していた土砂投入を8月中旬にずらして埋め立て工事を本格化させる方向で調整に入った。サンゴ移植に関する方針転換などに対応するため予定を遅らせる。」、と琉球新報。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年6月8日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-辺野古、土砂投入は8月中旬 サンゴ対応転換で遅れ-2018年6月8日 06:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「沖縄県の米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、政府は7月に予定していた土砂投入を8月中旬にずらして埋め立て工事を本格化させる方向で調整に入った。サンゴ移植に関する方針転換などに対応するため予定を遅らせる。」
②「沖縄防衛局は近く、県赤土等流出防止条例に基づいて土砂投入の着手日を県に通知する。翁長雄志知事は前知事の埋め立て承認を撤回すると明言しており、政府が土砂投入に向けた手続きを進める中、県の今後の対応が焦点となる。」
③「土砂投入が予定されているのは、埋め立て区域南側の『K4』『N3』『N5』と呼ばれる護岸で囲まれる場所で、既に『N3』『N5』は予定の長さに達しており、『K4』の建設が進んでいる。護岸で囲う作業を7月中に終える見込みだ。」
④「沖縄防衛局は4月、この周辺で見つかった準絶滅危惧種『ヒメサンゴ』1群体について、知事の許可が必要な移植をせずに工事を進められるよう計画を変更した。防衛局によると、その保全対策として海中に投入する1日当たりの石材量を減らし、汚濁防止枠を増やすなどの対応を取ったため、工程に遅れが生じたという。」
⑤「一方、防衛局は土砂投入前に必要となる県赤土等流出防止条例に基づく手続きについて、5月下旬から県との事前調整に入っている。条例では事業実施の45日前までの通知が必要で、防衛局は早ければ来週にも県に対し工事着手について通知する見込み。」

 菅義偉官房長官は7日の会見で、土砂の投入時期について「一日も早く移設を実現するため、自然環境や住民生活に配慮しながら着実に進める」と述べた。


(2)琉球新報-ハブに注意! 民家敷地で1.75メートル-2018年6月8日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【豊見城】豊見城市長堂の住宅の敷地内で5月17日に、体長約1・75メートルのハブが捕獲された。市民からの通報を受け、駆け付けた市生活環境課の友利彰伸(あきのぶ)さん(25)が捕獲した。普段からハブの捕獲に奔走している友利さんだが『こんなに大きいとはびっくりした』と驚いた様子。『暑くなりハブが増えている。住宅にも侵入するので注意し、見つけたときは市または警察に通報してほしい』と呼び掛けている。」
②「発見場所の周囲には畑があり、ハブが好むという草むらもあったことから、友利さんは『畑から住宅に入ってきたのだろう』と推測する。」
③「市によると、市が捕獲したハブの数は2016年度が104匹、17年度は95匹。今年は4月に14匹が捕獲され、昨年4月の11匹を上回っている。17年には、人がハブにかまれる被害も1件発生している。市生活環境課の大城堅(つよし)課長は『商業施設や住宅街が多くなり、観光客も増加している都市部でもハブは見つかっている。市としても広く注意喚起をしていきたい』と話した。」
④「5~6月は県が『ハブ咬症注意報』を発令し、県民や観光客に注意を呼び掛けている。」


(3)琉球新報-「建設後も陸上飛行」 新基地 四軍調整官、離任で言及-2018年6月9日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は8日、報道機関との意見交換会を浦添市内で開き、名護市辺野古での新基地建設完成後の運用について『全く陸上を飛ばないと考えるべきではない』と述べた。朝鮮戦争の終結による在沖米軍基地への影響については『朝鮮半島で脅威がなくなったとしても引き続き訓練をして必要があれば対応する』として駐留意義の低下を否定した。」
②「四軍調整官を兼務する米海兵隊第3海兵遠征軍司令官を15年9月から務めてきたニコルソン氏は8月の離任が決まっており、在任中最後の意見交換会となった。3年の沖縄勤務について『いくつかの米軍人による誤った行動があり、メディアから責任を大きく問われることがあった。罪を犯した場合には必要なことだと思っている』と振り返りつつ、『米軍人が英雄的な行動をとって県民に貢献した場合にはどのような形でも取り上げてほしい』と注文した。」
③「質疑応答では普天間代替施設の飛行経路について『基本的に洋上から基地に入り、基地から洋上に出る。住宅地や学校、その他上空を飛行する時間は削減される』と強調した一方で、『北部訓練場など他施設に飛行するということもある』として基地間移動で集落を含めた陸地上空を飛行することに言及した。」
④「また、同席したジョエル・エレンライク在沖米総領事は、米朝首脳会談の影響について『沖縄の基地にどう影響を及ぼすかに言及するのは時期尚早だ』と述べるにとどめた。」
⑤「四軍調整官の交代式は8月に予定される。後任はエリック・スミス少将。」


(4)琉球新報-児童・生徒の平和メッセージ、全戦没者追悼式で朗読 相良さん(詩部門)最優秀 図画部門は志慶眞さん-2018年6月9日 06:30


 琉球新報は、「県平和祈念資料館は8日、第28回『児童・生徒の平和メッセージ』の入賞者を発表した。詩部門の中学生の部最優秀賞に港川中学校3年の相良倫子さん(14)の作品『生きる』が選ばれた。相良さんは23日に糸満市で開かれる沖縄全戦没者追悼式で『平和の詩』として朗読する。相良さんの作品について審査委員からは『悲惨な戦争によって奪われた【生きる】ことへの思いは、過去から現在、そして未来・世界へと、時間や国境を超えて発信された平和へのメッセージであり、その重厚さが審査員をうならせた』との評価があった。」
 また、「図画部門高校生の部最優秀賞には具志川高校3年の志慶眞まいさんの作品『平和への賛歌、つなぐ緑のリボン』が選ばれ、平和メッセージ展のポスターに採用された。作文部門の高校生の部で最優秀賞となった首里高校3年の與座萌加(ほのか)さんの作品『う一つの家族』、図画部門の小学校高学年の部で最優秀賞となった山内小学校6年の久場小暖(こはる)さんの作品『平和への願い』は、沖縄全戦没者追悼式の冊子に掲載されることが決まった。」、と報じた。


(5)琉球新報-F22、嘉手納基地へ4機飛来 暫定配備の14機そろう-2018年6月8日 17:16


 琉球新報は、「【中部】米アラスカ州エレメンドルフ空軍基地所属のF22ステルス戦闘機4機が8日午後4時半ごろ、米軍嘉手納基地に飛来した。沖縄防衛局はF22の14機を約1カ月間、嘉手納基地に暫定配備すると発表していた。5月30日に飛来した10機と合わせて、この日で14機全ての暫定配備が完了したことになる。同基地へは、4日に米空軍のCV22オスプレイも初めて飛来しており、『嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会』(三連協、会長・桑江朝千夫沖縄市長)は、外来機の飛来や配備について日米関係機関への抗議を決定している。」、と報じた。


(6)沖縄タイムス-渋滞は誰のせい? 座り込み、工事車両… 新基地工事進む辺野古・シュワブゲート前-2018年6月9日 11:09


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事が進むにつれて米軍キャンプ・シュワブゲート前の渋滞が激しくなり、路線バスも迂回(うかい)する事態になっている。抗議行動への非難が聞かれるが、現場で観察すると工事車両の増加がより大きな要因になっているようにみえる。」                                  (北部報道部・阿部岳)
②「沖縄防衛局による資材の搬入は大体午前9時、正午、午後3時の1日3回。市民数十人から百数十人が座り込み、県警機動隊が強制排除する。埋め立て用の砕石を積んだダンプや生コン車など、国道329号の那覇向け車線に長蛇の列ができる。」
③「沖縄バスは5月21日からの平日、77番名護東線の那覇向け路線でこの時間帯に現場を通る3便の迂回運行を始めた。『第二辺野古』など周辺の4バス停を通らないルートになる。担当者は『30分ほどの遅れが出て、後ろの便にも影響している。乗客の利便性と安全性確保を考えた』と説明する。渋滞に巻き込まれたバスの車内で高齢者が『病院に間に合わない』と運転手に訴えたことや、中南部のバス停で待つ乗客からの苦情電話があったという。」
③「『皆さんの座り込みで渋滞が発生しています』。ゲート前で強制排除する際、警察官や防衛局職員が市民に繰り返し告げる。パトカーもマイクを使って一般車両に同じ内容を伝えている。県警交通企画課は『違法な座り込みで車両が入れず、国道に滞留することが渋滞の主な原因だ』との見解を示す。」
④「辺野古区の住民にも『反対運動をするにしても住民に迷惑を掛けないでほしい』(70代男性)という意見がある。市役所にも苦情が寄せられており、渡具知武豊市長が山田聡名護署長に電話で改善を要請した。」
⑤「抗議行動の側はどう考えているのか。リーダーの一人、県統一連の瀬長和男事務局長は『渋滞は一度に100台もの工事車両が殺到している影響の方が大きい。違法工事で原因をつくっておきながら、やむにやまれぬ私たちの運動を攻撃している』と反発する。」
⑥「確かに工事車両は増えている。工事が始まった2014年当初は1日10台程度だったが、今年2月の名護市長選翌日に300台を突破。現在は最多で394台に達している。砕石を大量に使う護岸建設の加速も関係しているとみられる。」
⑦「工事車両増加と渋滞との関係について見解を尋ねると、防衛局は直接答えなかった。『通勤時間帯を避けて車両を出入りさせるなど、周辺住民の生活環境への影響を少なくするよう努力している』とだけ述べた。」
⑧「渋滞の実態を現場で調べた。5月26日の土曜日。午後3時前、工事車両88台がゲート前にやって来た。座り込みのためすぐに基地内に入れず、目測で1キロ以上の渋滞ができる。市民は約70人で、機動隊が強制排除するまでに約10分。その後、全長7メートル以上あるダンプや生コン車がゆっくりゲートに入っていくため、渋滞が解消したのはさらに約20分後だった。」
⑨「工事車両より多い92台の一般車両が巻き込まれた。いら立たしそうに急加速して現場を離れる人、路線バスの車内から抗議の市民に手を振る乗客もいた。座り込み人数や搬入台数にもよるが、強制排除の時間に比べ、車列が入っていくのに2倍程度の時間かかるのが通例になっている。」


(7)沖縄タイムス-「米軍用地に投資」書籍無断出版の防衛局職員、停職20日処分 9日付で依願退職へ-2018年6月9日 09:53


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄防衛局は8日、軍用地への投資を勧める書籍を防衛省に無断で出版した40代男性職員を、停職20日の懲戒処分にしたと発表した。防衛局によると、同職員は9日付で依願退職するという。」
②「同職員は防衛技官で、4月に書籍を出版。防衛省職員は省や自衛隊に関する書籍を出版する場合、上司に届け出る必要があるが、それを怠ったとして処分の対象となった。」
③「書籍の中で軍用地を『ローリスクミドルリターンの投資』としていることについて、防衛局は『軍用地は安保条約の目的達成のため原則、所有者の理解を得ながら契約を結び使用している。職員自ら投資を推奨するのは極めて不適切』との見解を示した。『返還が最大のリスク』との記述も『沖縄の負担軽減に全力を挙げており、著しく認識を逸脱している』とした。」
④「防衛局によると同職員は出版のほか、500万円以上の不動産収入がある場合に必要な兼業の手続きも怠っていたという。」


(8)沖縄タイムス-F22、宜野湾で低空飛行か 上大謝名で121デシベル-2018年6月9日 09:22


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】米軍普天間飛行場の上空周辺で8日午前8時すぎ、嘉手納基地に暫定配備されているF22ステルス戦闘機4機の通過が確認された。沖縄県と宜野湾市が実施する騒音測定の速報値で、『飛行機のエンジン近く』に相当する最大121・1デシベルを記録。低空での飛行だったとみられ、市には『恐怖を感じた』」などの苦情が寄せられた。」
②「市が確認した沖縄防衛局の情報によると、F22は午前8時に1機、同1分に1機、同6分に2機がそれぞれ飛行場の滑走路に沿うように南から北向けに通過したという。上大謝名公民館では8時1分に120・1デシベル、同6分に121・1デシベルを測定。そのほか市野嵩、新城で100デシベルを超える騒音を記録した。」
③「市には嘉数在住の女性から『8時から3回も爆音があった。本当に怖い』、別の女性からも『今まで聞いたこともない音で近距離を飛び、恐怖を感じた』などの訴えが3件あった。」
④「普天間では、岩国基地(山口県)所属のKC130空中給油機の飛来も確認されている。市基地渉外課は『戦闘機をはじめ、外来機は市民の生活に大きな影響を与えるので、容認できない』と話した。」
⑤「またここ数日、深夜騒音も増加傾向にあり、上大謝名では7日午後10時49分に97・9デシベルの激しい騒音を記録。市は週明けにも、F22の騒音と合わせて関係機関に抗議・要請する予定だ。」


(9)琉球新報-海兵隊トップに抗議 宜野湾議会「発言は民意愚弄」 普天間巡るウソ-2018年6月9日 10:09


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】米海兵隊トップのロバート・ネラー総司令官の米軍普天間飛行場に関する歴史誤認の発言を受け、沖縄県の宜野湾市議会(大城政利議長)は6月定例会初日の8日、発言の撤回と謝罪を求める抗議決議を全会一致で可決した。」
②「普天間飛行場の成り立ちについて『建設当初の写真を見ると、数キロ以内に住む人はいなかった』などと発言していたネラー氏に対し、『発言が市民の民意を全く無視し愚弄(ぐろう)するものにほかならず、許しがたい』と批判した。」
③「抗議文は11日に米海兵隊総司令官、米国防長官、駐日米大使、在沖米総領事、第三海兵遠征軍司令官宛てに郵送する。」
④「決議文では、普天間飛行場の成り立ちについて、全22字のうち14字にまたがる宜野湾村(当時)の中心地に建設されたことを紹介し、『多くの住民が生活していたのは歴史や証言からも明らかだ』と指摘した。その上で元在沖米総領事のアルフレッド・マグルビー氏や作家の百田尚樹氏による発言にも触れ『いずれも事実に反しており到底看過できない』と反発した。」




by asyagi-df-2014 | 2018-06-09 17:38 | 沖縄から | Comments(0)

 表題に関して、沖縄の二紙は、それぞれの社説で、「[世界遺産取り下げ]宿題に向き合う時間に」(沖縄タイムス)と「世界遺産取り下げ 自然と基地は相いれない」(琉球新報)と論評した。
どういうことなのか。
まずは、二紙の要旨をまとめる。


Ⅰ.やんばる地域などの世界自然遺産推薦が取り下げられたことの意味

(沖縄タイムス)
(1)「やんばる地域などの世界自然遺産推薦が取り下げられた。環境省は来年2月までに推薦書の再提出を目指す考えだが、登録を確かなものにするには、出された『重い宿題』に正面から向き合わなければならない。」
(2)「政府が『奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島』の世界遺産推薦取り下げを決定したのは、ユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)から『登録延期』の勧告を受けたためだ。」
(3)「いったん取り下げて、再挑戦する方が早道と判断したのだろう。」


(琉球新報)
(1)「今後、推薦書を再提出する際、遺産価値に挙げていた生態系と生物多様性のうち、生物多様性に絞ることも決めた。理由はユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)の勧告で、生態系の連続性を確保できていないと判断されたためだ。」
(2)「『資産の分断が生物学的な持続可能性に重大な懸念がある』と指摘された場所は、未返還の米軍北部訓練場を指しているはずだ。推薦地を分断する形で存在しているからだ。
 北部訓練場は2016年12月に過半の4010ヘクタールが返還された。しかし現在も3500ヘクタールが残されている。登録延期を勧告したIUCNは、返還された北部訓練場跡地を推薦地に含めるよう求めた。」
(3)「理由として推薦地の『価値と完全性を大きく追加するもの』と意義付けた。その推薦地を『世界的な絶滅危惧種の保護のために高いかけがえのなさを示す地域』と評価した。生態系を維持する上で、極めて重要な地域なのだ。それは訓練場として残された地域も同様だ。」


Ⅱ.沖縄で冷静に受けとめられた理由

(沖縄タイムス)
(1)「国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、世界でここにしかいないヤンバルクイナやノグチゲラなどが生息するやんばるの森は沖縄が誇る『宝』。にもかかわらず取り下げの決定を県民が冷静に受け止めているのは、勧告にうなずくところが多かったからである。」
(2)「IUCNが示した懸念の一つが、2016年に一部返還された米軍北部訓練場の跡地が推薦地域に含まれていないことだ。」
(3)「政府は早期に『やんばる国立公園』に編入し、推薦地に追加し、最短で20年の登録を目指すという。ただ跡地の土壌からは世界遺産のイメージを壊しかねない毒性の高い農薬が検出され、米軍が廃棄したとみられる訓練弾などが見つかっている。詳細な調査と汚染源の除去が優先されるのはいうまでもない。」
(4)「ゾーニングを巡っては、『飛び地』が複数あるなど狭い推薦地が点在する問題も指摘されている。世界遺産を包むように設けられる『緩衝地帯』も、やんばるの東側にはほとんどない。」
(5)「推薦地がいびつな形となっている要因が、返還されていない北部訓練場にあるのは明らかだ。」
(6)「危惧されるのは北部訓練場でのオスプレイ訓練に伴う排ガスや下降気流、低周波音が動植物に与える影響である。隣り合う基地に何の規制もかけずに生態系を守ることができるのか。」
(7)「やんばるを一つの大きな森としてまとまりをもった世界遺産地域とするためには、ゾーニングの見直しが求められる。」
(8)「本来なら北部訓練場の全面返還が望ましい。しかしそれが現実的でないというのなら、演習が遺産にマイナスの影響を与えないよう共同管理を米軍に要請すべきだ。」


Ⅲ.沖縄タイムス及び琉球新報の主張

(沖縄タイムス)
(1)「島という閉鎖的な環境で形成されてきた琉球諸島の生態系は思いのほかもろく弱い。」
(2)「地域経済の振興はもちろん大切だが、自然に悪影響を与えては元も子もない。登録後、観光客が一気に増えるオーバーユース(過剰利用)対策や外来種対策は、今から戦略的に取り組まなければならない課題である。」
(3)「かけがえのない自然遺産を次代へどう引き継いでいくか。登録に向けた運動の中で、県民一人一人がその価値と貴重性を深く理解していく必要がある。」


(琉球新報)


(1)「政府は訓練場跡地を国立公園に編入後、推薦地に追加し、遺産価値を生態系に絞った上で19年2月までに推薦書を再提出し、20年夏の登録を目指す。この地域を世界自然遺産として登録されることは極めて意義深い。そうであるからこそ、推薦書の遺産価値を生物多様性に絞るのではなく、当初通りに生態系も含めるべきではないか。」
(2)「そのためには北部訓練場の全面返還が欠かせない。さらに生態系の価値を認めさせるためには、推薦地を陸地だけでは不十分との指摘もある。日本自然保護協会は声明で『森川海の生態系の連続性を示すことができる流域・沿岸域・海域まで含めて推薦地へ組み込むことが重要である』と指摘した。」
(3)「本島北部の海域を推薦地に含めるならば、貴重なサンゴが群生する名護市の大浦湾を埋め立てることなどできないだろう。米軍普天間飛行場の返還に伴う名護市辺野古の新基地建設について、IUCNは陸地だけの推薦地としては『登録に与える影響に懸念があったが、一定の距離がある』としている。」
(4)「その一方で『厳格な外来種の防除対策』を求めている。環境負荷を危惧する意見が出ていたことも勧告に記された。自然遺産と米軍基地は相いれないのだ。」
(5)「世界自然遺産条約は、人類共有の価値ある自然または文化を未来に引き継ぐことを目的にしている。人類の宝ともいえるやんばるの自然を未来に残すためには、戦争を引き起こす米軍基地を残すことは許されない。」



 確かに、次のことが言える。


Ⅰ.国際自然保護連合(IUCN)は、今回日本政府が推薦した推薦地について、『世界的な絶滅危惧種の保護のために高いかけがえのなさを示す地域』と評価していること。
Ⅱ.やんばる地域などの世界自然推薦に関しては、ユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)の勧告で、「生態系の連続性を確保できていない」、との判断が示されたこと。
Ⅲ.具体的な指摘事項である「資産の分断が生物学的な持続可能性に重大な懸念がある」とは、未返還の米軍北部訓練場が存在していることを示していること。
Ⅲ.「北部訓練場は2016年12月に過半の4010ヘクタールが返還された。しかし現在も3500ヘクタールが残されている。」というのが実態であること。また、具体的に、北部訓練場でのオスプレイ訓練に伴う排ガスや下降気流、低周波音が動植物に与える影響が存在すること。
Ⅳ.どう考えても、自然遺産と米軍基地は相いれないということ。


 結局、このことから導き出されるのは、「世界自然遺産条約は、人類共有の価値ある自然または文化を未来に引き継ぐことを目的にしている。人類の宝ともいえるやんばるの自然を未来に残すためには、戦争を引き起こす米軍基地を残すことは許されない。」(琉球新報)、ということであることは間違いない。




by asyagi-df-2014 | 2018-06-09 07:40 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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