2018年 03月 21日 ( 3 )

佐賀地裁は、「玄海原発が新基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に看過しがたい欠落はない」、と住民側の申し立てを却下する。

 西日本新聞は2018年3月19日、表題について次のように報じた。


(1)「九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の運転差し止めを周辺住民ら73人が求めた仮処分申し立てについて、佐賀地裁(立川毅裁判長)は20日、『新規制基準の合理性に疑いはなく、玄海原発が新基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に看過しがたい欠落はない』として住民側の申し立てを却下した。九電は23日にも3号機の再稼働に踏み切る見通し。住民側は決定を不服とし福岡高裁に即時抗告する方針。
(2)「原発の運転差し止めを巡っては、2011年の東京電力福島第1原発事故以降、全国で裁判が相次いだ。昨年12月には広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、約130キロ離れた阿蘇カルデラ(熊本県)の危険性を理由に、高裁レベルで初めて運転差し止めを決定。玄海原発も阿蘇カルデラからほぼ同じ距離にあるため、同地裁の判断が注目された。」
(3)「地裁決定では、九州全域に火砕流が及ぶような阿蘇カルデラの破局的噴火について『少なくとも地下10キロより浅くに破局的噴火を起こすような大規模なマグマだまりはないと確認されている」として危険性を否定。広島高裁決定と同様に新規制基準の安全対策指針『火山影響評価ガイド』を厳格に運用すれば、危険が認められるとの住民側の主張を退けた。
(4)争点となった避難計画についても『(国の)原子力防災会議で合理的と了承され、九電が今後も実効性の向上に努めるとしており、不適切とは言えない』と判断。『避難計画の作成範囲を30キロ圏内に限るのは実効性はない』という住民側の主張は認めなかった。」
(5)「福島事故後に原子力規制委員会が策定した新規制基準については『福島事故を受けて調査分析され、現在の科学技術水準を踏まえて策定された』として合理性を認めた。立川裁判長は昨年6月、玄海3、4号機の再稼働を巡り、別の住民団体による運転差し止めの仮処分申し立ても却下していた。」




by asyagi-df-2014 | 2018-03-21 20:36 | 書くことから-原発 | Comments(0)

沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2018年3月21日

 辺野古新基地建設に続々と新しい問題点が浮かび上がる。▼ 活断層の存在に加えて、軟弱地盤が明らかになる。 ▼ 「辺野古新基地建設現場の深い海底に、地質調査が成立しないほど軟らかい地盤が深さ約40メートル続いていることが、沖縄防衛局の報告書で分かった。「当初想定されていないような特徴的な地形・地質」「非常に緩い・軟らかい」との記述がある。地盤工学の専門家も「地盤改良は必須」と指摘。防衛局が工事を完成させるには知事から設計変更の承認を得ることが不可欠となりそうだ。」、と沖縄タイムスは伝える。




 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2018年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2018年3月21日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-「申し訳ない思いでいっぱいだった」 前沖縄防衛局長の井上衆院議員、地位協定の改定訴え 立場変わり一転-2018年3月21日 06:30


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【東京】地位協定改定にぜひ一緒になって取り組みたい-。20日の衆院安全保障委員会で、前沖縄防衛局長の井上一徳衆院議員(希望)が河野太郎外相にこう訴え掛ける一幕があった。井上氏は、2016年の元米海兵隊員の軍属による女性暴行殺人事件当時、沖縄防衛局長として対応に当たった。20日の質疑では、冒頭から事件に言及し『悲痛の涙であふれ、痛ましく、私自身が申し訳ない思いでいっぱいだった』と振り返った。」
②「防衛局長着任前、地位協定については改定ではなく運用改善で対応してきた政府の立場を理解していたといい、実際の事件・事故に接する中で『日米安保体制を安定的に運用していくためには、やっぱり地位協定の改定に取り組む必要があるのではないかと思うようになった』と明かした。」
③「井上氏は、昨年衆院選に出馬する直前まで役人として仕えた小野寺五典防衛相にも地位協定を巡る問題をただした。踏み込んだ答弁はなかったが、その後に質疑に立った県出身議員らの追及の励みにもなったようだった。」



(2)琉球新報-維持費どっちが負担? 宜野湾・学校上空飛行監視カメラ 市教委と防衛局「協議中」-2018年3月20日 12:02


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【宜野湾】沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校への米軍ヘリ窓落下後、事故対策として沖縄防衛局が設置した監視カメラや学校位置表示灯などについて維持費用の負担者が決まっていないことが19日、分かった。同日の宜野湾市議会で島袋清松教育部長が『「維持費に関しては防衛局と調整しながら負担についてはどのような方法が望ましいのか協議中』と述べた。玉城健一郎市議への質問に答えた。」
②「市教育委員会は、普天間第二小やPTAが要望した対策6項目のうち、避難用工作物の設置を除く5項目が3月末までに完了する見通しも示した。避難用工作物は設置位置や数、形状を調整中。市内の他小中学校への監視カメラ設置などを防衛局に要請することについて甲斐達二指導部長は『要望があった場合には慎重に検討していく』と述べるにとどめた。鈴木宏治基地政策部長は昨年12月末に落下事故を受けて市内9団体として関係機関に対し上空の飛行禁止を求めた『市内全ての学校施設』に保育園は含まれていないと答弁した。甲斐部長は、普天間第二小が事故後に航空機墜落を想定した避難マニュアルを落下事故にも対応できるよう見直したことを説明した。知念秀明市議に答えた。市教委は校長会で同様の航空機事故を想定したマニュアルを持つほかの学校にも見直しを指示した。」


(3)琉球新報-沖縄戦から73年、置き去りにした少年どこに… 比嘉盛光さん「今も後悔。存命なら謝りたい」-2018年3月21日 07:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【浦添】1945年の沖縄戦当時、現在の浦添市西原から本島南部に避難し、米軍に保護されて南城市知念の収容所で過ごしていた比嘉盛光さん(82)=浦添市=が、祖母のカマさんが連れてきた見ず知らずの少年を置き去りにしたことを、このほど発刊された西原字誌に証言した。当時10歳だった比嘉さんは本紙の取材に対し『当時は食べるものもなく不安で、自分のことで精いっぱいで少年のことを置いてきてしまったが、心にずっと引っ掛かっていた。生きていたら心から謝りたい』と語った。」
②「比嘉さんは当時、浦添国民学校西原分校の小学4年生だった。45年春ごろから米軍の爆撃がひどくなり、4月に家族や親類と共に南部に避難することになった。米軍の攻撃が特に激しかった糸満市の大度海岸から摩文仁に避難しようとした際に祖母とはぐれてしまった。比嘉さんらは摩文仁に向かう途中で米軍に捕まり、南城市知念字具志堅にあった収容所に送られた。しばらくして、祖母が10歳くらいの見知らぬ少年の手を引いて収容所に現れた。」
③「祖母との再会に比嘉さんらは喜んだが、祖母は足をけがしていた上、戦場の恐怖や避難による疲労、栄養失調などが重なったためか、意味不明な言動を繰り返したという。比嘉さんが衝撃を受けたのが、祖母に忘れられたことだった。『【おばあ、盛光だよ】と話し掛けても【違う。盛光はこの子だよ】と言って少年のことを自分の孫だと思い込んでいた。祖母に追いやられた気がして、とても悲しかった』と振り返る。」
④「比嘉さんは知人と一緒に、祖母が連れてきた少年を『遊ぼう』と収容所から1キロほど離れた場所まで連れ出し、かくれんぼをした。少年が数を数えている間、こっそり具志堅に戻った。だが、少年が1人で戻ってきたため、さらに2回少年を連れ出した。3回目は、3~4キロ離れた場所まで連れ出した。少年は帰ってこなかった。」
⑤「祖母は数日後、マラリアにかかって亡くなった。比嘉さんもマラリアにかかったが、親族がネズミやカエルなどを捕まえて食べさせ、一命を取り留めた。比嘉さんは『食べ物も限られていて、自分も生き延びられるか分からない状態だった。祖母に忘れられたショックもあった』と当時の心境を語る。『「今思うと非人道的なことをした。悔やんでも悔やみきれない。心を込めて謝りたい』と述べ、少年が生き延びて再会できることを願った。」
⑥「比嘉さんは『戦争の恐怖は人の心を失わせる。戦争は二度とあってはならない』と話した。」                                    (松堂秀樹)


(4)沖縄タイムス-辺野古沖に軟弱地盤、深さ約40メートル 防衛局報告書に「想定外」記述-2018年3月21日 05:05


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「辺野古新基地建設現場の深い海底に、地質調査が成立しないほど軟らかい地盤が深さ約40メートル続いていることが、沖縄防衛局の報告書で分かった。「当初想定されていないような特徴的な地形・地質」「非常に緩い・軟らかい」との記述がある。地盤工学の専門家も「地盤改良は必須」と指摘。防衛局が工事を完成させるには知事から設計変更の承認を得ることが不可欠となりそうだ。」(北部報道部・阿部岳)

地盤改良で設計変更申請不可避
②「防衛局が2014年から2年間実施したボーリング調査では、大浦湾側で軟弱地盤が多数見つかった。特に水深が一番深い「C1」護岸建設現場のB28、B26の2地点は深刻だ。」
③「地盤の強度を確かめるボーリング調査の結果は、試料採取用の筒を地中に沈めるのに何回打撃を与えたかを『N値』で示す。13年の埋め立て承認申請時にはN値を11と想定していた。ところが2地点は谷間に軟らかい砂や粘土が約40メートル堆積しており、N値がゼロ(地盤が軟らかすぎて自重だけで沈む)という地点が続出した。B28で23地点、B26で8地点に上った。」
④「防衛局の設計によると、C1護岸などは海底に基礎捨て石を敷き、その上にケーソン(コンクリート製の箱)を置く。最大の物は長さ52メートル、幅22メートル、高さ24メートル、重さ7200トンになる。」
⑤「日本大の鎌尾彰司准教授(地盤工学)はボーリング調査結果について『羽田空港の埋め立て工事でも地盤がマヨネーズ並みの軟らかさだと言われたが、それに匹敵する。地盤改良が必須になる』と指摘した。」
⑥「報告書は沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏と赤嶺政賢衆院議員(共産)が入手。C1護岸周辺について『活断層の疑い』も記している。北上田氏は『地盤改良には多額の費用がかかり、環境に致命的な影響が出る。立地そのものを見直すべきだ』と求めた。」
⑦「一方、防衛局は『地盤の強度や性状はN値だけでなく室内試験などを総合的に判断する。現時点で県に変更申請する考えはない』と説明した。翁長雄志知事は申請を認めない姿勢で、防衛局はタイミングを見極めるとみられる。」


(5)琉球新報-「米軍機騒音軽減を」 野国北谷町長、外来機増え防衛局に要請-2018年3月21日 11:17


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「【北谷】沖縄県北谷町の野国昌春町長は20日、沖縄防衛局に中嶋浩一郎局長を訪ね、米軍嘉手納基地から発生する航空機騒音の軽減を求める要請文を手渡した。同基地へのF35A戦闘機の暫定配備などで増す騒音被害の軽減と外来機撤退、日米合同委員会の確認事項順守を求めた。野国町長は『深夜早朝の(騒音)被害が広がっている。早期に対処してもらいたい』と訴えた。」
②「中嶋局長は、局が19日時点で、嘉手納基地へのFA18戦闘攻撃機計23機の飛来を確認したことに触れ『多方面にしかるべき申し入れをしている。ご心配をお掛けする』と陳謝した。」
③「町は、2月にF35Aが町砂辺の住宅地上空を低空飛行で旋回したり、3月に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが町庁舎上空を飛行したりする状況を確認。野国町長は、騒音防止協定やオスプレイ配備にあたり日米が交わした覚書を順守し、人口密集地上空の飛行を避けるよう求めた。」
④「町の2017年8~10月と比べた17年11月~18年1月の3カ月の騒音発生回数は、上勢で4484回(9・8%増)、宮城で5589回(18・1%増)、砂辺で6415回(16・5%増)、桑江で1752回(28%増)、北玉で1978回(12・3%増)と増加した。19日現在、町には過去最高の111件の航空機騒音に関する苦情が寄せられている。」
⑤「町は20日、航空機騒音の軽減を求める要請文を外務省沖縄事務所と沖縄米国総領事館に、抗議・要請文を米軍嘉手納基地の第18航空団に郵送した。」


(6)沖縄タイムス-米軍機騒音、沖縄市で102.7デシベル 苦情17件も-2018年3月21日 12:00


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「沖縄市に寄せられた米軍機騒音の苦情が19日に17件あったことが20日、分かった。市基地政策課によると苦情件数は本年度2番目に多く、市内11地域の広範囲から寄せられた。米軍嘉手納基地を離着陸する外来機が決められたルートを飛ばなかったことなどが原因とみられる。」
②「苦情は特に午後3~5時の間に集中し、14件あった。市は22日に在沖米軍第18航空団と沖縄防衛局に抗議要請する。」
③「同課によると『補聴器をつけている子どもが震えて怖がっている』『米軍機が低空飛行で飛んでうるさい』などの声が寄せられた。午後4時44分にはコザ小学校の騒音測定器が102・7デシベルの最大値を観測。同課は『市内で100デシベル超えは珍しく、騒音が市内各地であった』と説明した。」
④「嘉手納基地周辺では20日も激しい騒音が測定された。嘉手納町の暫定結果によると午後3時半までに町屋良で90デシベル以上が46回あり、午後0時半ごろに101・1デシベルを観測した。」
⑤「19日午前から20日午後にかけ、沖縄県宜野湾市に米軍機の騒音に関する苦情が12件寄せられた。『朝から爆音がひどい』『もう午後11時だけど飛んでる』などの訴えが並んだ。米軍普天間飛行場周辺で県と市が実施する騒音測定で、19日は測定全8地点で午後10時以降の騒音が測定された。野嵩1区公民館では午後10時39分に89・7デシベルを記録した。」


(7)沖縄タイムス-嘉手納F15が異常接近 空中でエアブレーキ 識者「あり得ない」-2018年3月21日 09:52


 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「20日午後2時25分ごろ、沖縄県の米軍嘉手納基地周辺の上空で、同基地所属のF15戦闘機2機が異常接近した様子が確認された。後方から近づいた1機が、空中で機体背部の板状の制動装置『エアブレーキ』を作動させて速度を落とし、高度を下げたことで、別の1機から離れた。航空自衛隊の元空将補で、国際地政学研究所の林吉永理事は『着陸時の減速で使うエアブレーキを空中で使うのはあり得ない。他の方法では間に合わないくらい危機が迫っていたとみられる』と分析した。」
②「県内の専門学校に通う男性(20)が嘉手納町『道の駅』から撮影した。男性によると、2機編隊のF15が西側から嘉手納基地の滑走路上空を通過し、嘉手納弾薬庫へ向かう途中で異常接近した。後方の機体が前方の機体に近づいた際、後方機が板状のエアブレーキを上げ、速度を落としたという。」
③「男性は『前方の機体を写真で撮影していたら、別の機体がファインダーに入り込み、接近していることが分かった。空中でのエアブレーキは初めて見た』と驚いた。2機はその後旋回し、東側から滑走路に進入して着陸した。沖縄近海での戦闘訓練を実施していたとみられる。」
④「戦闘機のエアブレーキは通常、滑走路での着陸時や戦闘訓練でエンジン出力を落とさずに減速する際などに使われる。林理事は『追突するようなスピードで接近し、エンジン出力を絞る方法では間に合わず、操縦で機体を左右に動かせば安定を維持できないため、エアブレーキを使うしかなかったのではないか』と指摘した。その上で『「とっさに2機を切り離し、追突を防止したパイロットの技量は高かっただろうが、なぜそうなったかが分からなければ周辺住民が不安になるのは当然だ』と話した。」
⑤「嘉手納基地では同日、F15やFA18戦闘攻撃機、F35A戦闘機が複数機の編隊で何度も離着陸するのが確認された。」


(8)沖縄タイムス-きょう21日、南城市で不発弾処理 玉城愛地は交通規制-2018年3月21日 10:01


 沖縄タイムスは、「沖縄県南城市玉城愛地の下水道配管工事現場で発見された米国製5インチ艦砲弾1発の不発弾処理作業が21日午前9時35分から行われる。周辺の市道などが午前9時10分~10時半ごろまで通行が規制される。処理現場から半径88メートルが立ち入り禁止で、避難対象は1世帯2人。避難所と現地対策本部は船越公民館に置かれる。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2018-03-21 17:32 | 沖縄から | Comments(0)

[辺野古・高江裁判]-問われなけねばならないのは日本という国。(1)

 「辺野古・高江裁判」について、琉球新報は2018年3月15日、「名護市辺野古の新基地建設や東村高江の米軍北部訓練場ヘリコプター発着場建設に対する抗議活動を巡り、威力業務妨害や公務執行妨害・傷害などの罪に問われた沖縄平和運動センターの山城博治議長(65)ら3人の判決公判で、那覇地裁の柴田寿宏裁判長は14日、「米軍反対運動の中で行われたが、犯罪行為で正当化できない」として山城議長に懲役2年(求刑同2年6月)、執行猶予3年を言い渡した。山城議長らは「抗議活動の背景を見ず、行為のみに着眼して論じている。形式的な不当判決だ」と批判し、判決を不服として即日控訴した。」、と報じている。
 この裁判については、「山城議長らは辺野古新基地建設などに抵抗し、抗議活動を続けてきた。国が約500人の機動隊員を投入し、運動は激しさを増した。その過程で山城議長が逮捕、約5カ月長期勾留され、国際社会から批判が上がった。弁護側は公判で国際的な批判や注目を集めていることを訴えていた。」(琉球新報)、との国内外から大きな注目を集めていた。
 この裁判の概要について、琉球新報は同日、次のように伝えている。


(1)「山城議長と共謀し、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの工事用ゲート前にブロックを積み資材搬入を妨害したとして、威力業務妨害に問われた稲葉博さん(67)に懲役8月(求刑同1年)、執行猶予2年の判決。北部訓練場へのヘリコプター発着場建設の抗議活動を巡って起訴された添田充啓さん(45)は懲役1年6月(求刑同2年)、執行猶予5年、一部無罪だった。稲葉さんも控訴した。」
(2)「山城議長らは辺野古新基地建設などに抵抗し、抗議活動を続けてきた。国が約500人の機動隊員を投入し、運動は激しさを増した。その過程で山城議長が逮捕、約5カ月長期勾留され、国際社会から批判が上がった。弁護側は公判で国際的な批判や注目を集めていることを訴えていた。」
(3)「判決理由で柴田裁判長はブロック積み上げ行為について『表現活動の面を有する』と正当性を認めたものの『単なる表現活動にとどまらず、憲法で保障される表現の自由の範囲を逸脱している』と判示した。」
(4)「ブロック積み上げや工事車両の前方に立ちふさがるなどの一連の行為は威力で妨害していると山城議長の罪を認定した。その上で『(行為は)正当化できない』」と非難し、『反対運動のリーダー的存在として主導的役割を果たし共犯者らの犯行をあおった』と指摘した。」
(5)「添田さんが刑事特別法違反罪に問われた事案では、立ち入りを禁じる明示がなくても立ち入れば処罰の対象なり得るとした過去にない判断を示した。」
(6)「判決によると、山城議長は2016年1月に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ工事用ゲート前でブロック1486個を積み上げ、資材搬入の業務を妨害したなどとされる。」


 この「辺野古・高江裁判」について、琉球新報と沖縄タイムスの3月15日付けの社説で、考える。
 那覇地裁の判決について、両社は、次のように反論する。
最初に、琉球新報は、まず、次の二点を明確にする。


Ⅰ.「有罪判決は、新基地反対の民意を力で封じている政府の姿勢に裁判所がお墨付きを与えるものであり、納得できない。表現の自由、集会の自由など憲法が保障する権利を認めず、国連の人権基準にも抵触するような判決は受け入れられない。」
Ⅱ.「本来、問われるべきは山城議長らではない。政府の方である。国土面積の0・6%の沖縄に米軍専用施設の70・38%を集中させ、新基地建設を強行している。山城議長らを逮捕・長期勾留し、抗議行動の力をそごうとしたのは明らかだ。」


 判決内容については、次のように批判する。


(1)「起訴状によると、山城議長は2016年1月に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ工事用ゲート前でブロックを積み上げ、資材搬入の業務を妨害し、同8月には米軍北部訓練場付近で沖縄防衛局職員の肩を激しく揺さぶって約2週間のけがを負わせた。同10月には同訓練場の進入防止用の有刺鉄線1本をペンチで切断したとしている。」
(2)「弁護側はブロック積み上げ行為について、威力業務妨害を適用することは『表現の自由を侵害し違憲だ』などと主張し、器物損壊を除く各事案で無罪を訴えていた。」
(3)「判決は山城議長らの行為について『表現の自由を逸脱』する『犯罪行為であって、正当化することはできない』と指摘している。山城議長が公務員に暴行を加えて傷害を負わせたのは『悪質』で、反対運動のリーダー的存在として『主導的役割を果たした』と認定した。山城議長の『言動が共犯者らの犯行をあおったという面があり、この点について強い非難を免れない』と指摘している。」


 この上で、今回の判決について、次のように厳しく断じる。


Ⅰ.  「今回の判決は、人権を巡る国際法の理念に背を向ける内容だ。16年に日本を調査した国連人権理事会の特別報告者は、山城議長の逮捕と長期勾留について「抗議行動に不釣り合いな制限が加えられている」「裁判なしに5カ月間拘束したのは不適切で、表現の自由に対する萎縮効果を懸念する」と報告している。ヘリ発着場建設や新基地建設の抗議行動に対する警備は、市民の抗議活動を政府が制限する際の国連ガイドラインを逸脱している。」
Ⅱ.「ところが那覇地裁は、弁護側が提出した国際人権法専門家の証人申請を却下し、長期勾留を批判した国連特別報告者の資料などの証拠申請も却下した。判決は国連が指摘した国連ガイドラインに沿った内容ではない。日本は国連人権理事会の理事国である。国際基準と向き合わない裁判所の姿勢は異様ですらある。


 次に、沖縄タイムスの主張を見てみる。
 沖縄タイムスは、まず最初に、この裁判の位置づけについて、「国内外の人権団体や平和運動団体からも注目された判決だった。多くの支援者が危機感をもって那覇地裁前に集まったのは、辺野古や高江を巡る政府の対応があまりにも強権的だからである。」、と指摘する。
 この裁判所の判決について、「だが、裁判所は、米軍基地を巡る沖縄の歴史や現実にはまったく触れなかった。なぜ、このような抗議行動が起きたのかという背景にも関心を示さなかった。」、と批判する沖縄タイムスの主張は、次のものである。


Ⅰ.「キャンプ・シュワブのゲート前に大量のブロックなどを積み上げ、工事用車両の搬入を阻止しようとしたことなどの事実を取り上げ、『表現の自由の範囲を逸脱している』と断じたのである。」
Ⅱ.「この判決は大きな副作用を生むおそれがある。傷害罪の成立を認めることによって憲法で保障された市民の正当な抗議行動と反対意見の表明を萎縮させかねないのである。」
Ⅲ.「『意見および表現の自由』に関する国連特別報告者のデービッド・ケイ氏が、訪日後にまとめた報告書の中で危惧したのはこの点である。」


 また、この判決内容の問題点について、沖縄タイムスは、次のように指摘する。


(1)「判決は『共謀』の認定についても、厳密さを欠いているところがある。『共謀』と認定される行為の範囲が広がれば、表現の自由に対する重大な脅威になるだろう。」
(2)「裁判所にはもともと限界があり、過剰な期待をもつのは禁物だが、『人権のとりで』としての司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば、三権分立は成り立たない。」
(3)「辺野古・高江裁判は、日本の民主主義を、根っこから問う裁判といっても過言ではない。」


 あわせて、沖縄タイムスは、この「辺野古・高江裁判」が根本的に抱えている問題について、次のように指摘する。
 それは、那覇地裁が一顧だにしなかった問題である。
 言わば、このことから、今回の判決がいかに不当であるかが分かる。
 まさしく、「判決後の記者会見で山城議長は『沖縄の実態を見ようとしない不当な判決だ』と声を荒げた。」(沖縄タイムス)が示すものである。


(1)「米軍基地を巡る裁判で、決まって、住民側から提起される問いがある。『本来、問われるべきは何なのか』『裁かれるべきは誰なのか』という問いかけだ。」
(2)「辺野古の新基地建設や高江のヘリパッド建設で浮かび上がったのは、目まいがするような政府側と住民側の「不均衡」である。警備陣の暴力的な警備によって住民側には負傷者が相次いだ。違法行為や違法な疑いのある行為も目立った。」
(3)「名護市長選や知事選、衆院選などで新基地建設に反対する候補者が当選し、明確に民意が示されたにもかかわらず、一顧だにせず、強引に工事を進めた。その結果、高江や辺野古の現場では、取り締まる側と市民の間に著しく『衡平(こうへい)』を欠いた状態が生じてしまったのである。」


 両社の社説を通して確認できることは、次のことである。
 第一に、「ヘリ発着場建設や新基地建設の抗議行動に対する警備は、市民の抗議活動を政府が制限する際の国連ガイドラインを逸脱している。」(琉球新報)、ということが出発であること。
 第二に、那覇地裁の訴訟の進め方が、弁護側が提出した国際人権法専門家の証人申請を却下し、長期勾留を批判した国連特別報告者の資料などの証拠申請も却下するなど、国連が指摘した国連ガイドラインに沿ったものではないこと。
 第三に、「表現の自由の範囲を逸脱している」との判決は、「この判決は大きな副作用を生むおそれがある。傷害罪の成立を認めることによって憲法で保障された市民の正当な抗議行動と反対意見の表明を萎縮させかねないのである。」(沖縄タイムス)、というものであること。
 第四に、「辺野古・高江裁判は、日本の民主主義を、根っこから問う裁判といっても過言ではない。」(沖縄タイムス)、ということ。
 
ただ、思う。
 私たちは、これまで、「日本の民主主義を、根っこから問う裁判」に負け続けてきた。
 だからこそ、踏みとどまるひつようがある。




by asyagi-df-2014 | 2018-03-21 07:56 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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