2018年 02月 04日 ( 2 )

沖縄県議会の抗議決議(2018年2月1日)を読む。

 沖縄県議会は、2018年2月1日、米軍ヘリコプターの不時着が相次いでいることや、普天間第二小学校への米軍ヘリ窓落下事故以降も米軍ヘリが同小の上空を飛行した問題等を受け、臨時議会を開き、抗議決議と意見書を全会一致で可決した。なお、宛先は、「駐日米国大使」「在日米軍司令官」「在日米軍沖縄地域調整官」「第3海兵遠征軍司令官」「在沖米国総領事」、となっている。


この抗議決議を読む。

 抗議決議書は、その理由を次のように述べる。


(1)「去る1月23日午後8時5分ごろ、米軍普天間飛行場所属のAH1Z攻撃ヘリコプターが渡名喜村のヘリポートに不時着した。現場は渡名喜村役場や渡名喜小中学校から約300メートルの地点に位置し、民家が建ち並ぶ集落にも近接していることから、一歩間違えば島民を巻き込む重大な事故につながりかねない。ことしに入ってからはUH1YヘリコプターやAH1Z攻撃ヘリコプターがうるま市、読谷村に不時着する事故が発生しており、わずか半月ほどの間に不時着事故が3件立て続けに起こる極めて異常な事態に、住民からは怒りと不安の声が上がっている。」
(2)「去る1月18日にはUH1Yヘリコプター1機とAH1Zヘリコプター2機による普天間第二小学校上空の飛行が沖縄防衛局の監視カメラと監視員の目視によって確認され、昨年末に起こったCH53Eの窓落下事故に際し学校長が求めた『学校上空の飛行禁止』の声はいとも簡単に無視された。沖縄は米軍の植民地にあらず、沖縄県の要請や県議会の決議を真摯に受けとめ遵守するべきである。既に沖縄県民の間には日に日に在沖米海兵隊の撤退を求める声が広がっている。」


 こうした状況を、沖縄県議会は、「事故原因の十分な説明もないまま一方的に飛行訓練を繰り返す県民軽視の米軍の姿勢は断じて容認できるものではなく、政府においては、米側に対し県民の安全確保に向けた強い決意のもとで毅然とした対応をとるべきであり、米軍及び日米両政府においては、米軍の安全管理体制を抜本的に見直すとともに再発防止に向けた実効性のある措置を講じるべきである。」、と断じている。
 この上で、沖縄県議会は、「本県議会は、県民の生命・財産を守る立場から、たび重なる不時着事故等に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実現されるよう強く要求する。」、として次の内容を突きつけている。


Ⅰ.保育園・学校・病院・住宅などの民間地上空での普天間飛行場所属の米軍機の飛行・  訓練を直ちに中止すること。
Ⅱ.政府が約束した2019年2月末日を待たず、直ちに普天間飛行場の運用を停止し、普天  間第二小学校の運動場が使用できるようにすること。
Ⅲ.日米地位協定を抜本的に改定すること。特に、「日米地位協定の実施に伴う航空法の  特例に関する法律」を廃止し、日本の航空法を遵守すること。
Ⅳ.在沖米海兵隊を沖縄から早期に国外・県外に移転すること。


 特に、この中で、Ⅱ項は、「政府が県に約束した普天間飛行場の2019年2月まで(5年以内)の運用停止の『期限を待たず』に『直ちに』運用を停止することや、保育園や学校、病院、住宅などの上空での米軍による訓練飛行を中止するよう求めている。県議会が普天間飛行場の即時運用停止を求めたのは初めて。」(琉球新報2018年2月2日)、となっている。



 さて、このように沖縄県議会の要求は、明確である。
 日本政府は、この沖縄のからの強い意思にきちんと答えなけねばならない。





by asyagi-df-2014 | 2018-02-04 18:27 | 沖縄から | Comments(0)

社説、論説から。~大分合同新聞20180130~

 大分合同新聞は2018年1月30日、「米軍の実弾砲撃訓練 沖縄の負担は軽減されたのか」、とその論説で論評した。
大分合同新聞は、何を言いたいのか。
それは、「沖縄県で米軍機の事故やトラブルが頻発する中、今年も日出生台演習場で在沖縄米軍による実弾砲撃訓練が始まる。訓練に先立って先発隊が29日、到着した。本隊は30、31の両日に演習場入りし、2月5~14日の10日間にわたり訓練する。参加人員は海兵隊約200人。155ミリりゅう弾砲6門や車両約50台を使用する予定。同演習場での訓練は4年連続で13回目となる。」、に関わってである。
 それは、日出生台での在沖米海兵隊の実弾砲撃訓練が沖縄の負担軽減に、本当に繋がっているのか、という疑問である。


 大分合同新聞は、沖縄の負担軽減の実態の一部を次のように指摘する。


(1)「沖縄県渡名喜(となき)村では今月23日、村営ヘリポートに米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)所属のAH1攻撃ヘリコプターが不時着した。現場から近くの小中学校まで約250メートルしかない。今年に入って不時着は3回目。昨年から事故が相次いでおり、「近い将来に取り返しのつかないことが起こるのでは」と多くの住民が危機感を募らせているという。」
(2)「防衛省の調査では、在日米軍機の事故・トラブルは2016年が11件だったが、17年は25件と2倍以上に増加している。北朝鮮情勢が緊迫化する中、米軍の訓練が激化していること、近年の軍事予算の削減や機体の老朽化が背景にあるのではと指摘されている。」
(3)「しかし、疲労や負担が重なったからといって整備や点検をおろそかにすることは、断じて許されない。米軍機の事故が起きるたびに、政府は飛行自粛を要請するものの、米軍は間もなく安全が確認できたとして事故機の飛行を再開。それを政府が追認するパターンが続いている。」


 こうした沖縄の状況を受けて、大分合同新聞の矛先は、当然、地元の問題への疑問に繋がる。


(1)「大分県や由布、九重、玖珠の地元3市町でつくる4者協と、九州防衛局(福岡市)が結ぶ覚書が昨年10月、確認書に格上げされた。防衛局の担当者は『より一層、重くなったと受け止めている』と話しているが、米軍側と認識は共有できているのだろうか。」
(2)「米軍による地元説明会も9回目(12年)を最後に開かれていない。地元の不安解消には情報公開が不可欠だ。昨年の訓練では覚書を破って午後8時以降も砲撃を続けた。」
(3)「沖縄に対しての態度と同様、米軍の地元軽視の姿勢は強まっていると考えざるを得ない。」
(4)「また陸上自衛隊が佐賀空港(佐賀市)に配備を計画している新型輸送機オスプレイの訓練地の一つに、日出生台演習場が浮上したことも懸念材料だ。九州防衛局は『具体的な計画があるわけではない』と返答しているが、陸自航空部隊は九州内の4演習場で訓練をしており、『日出生台も念頭に置いている』という。」
(5)「同機は国内外で事故が相次ぎ、昨年8月には米軍所属機がエンジン不調で大分空港に緊急着陸。民間機専用の地方空港に軍用機が11日間も駐機し続ける異常事態となった。機体の危険性の問題もあるが、自衛隊と米軍では地元への配慮は全く違う。万一、米軍が日出生台で使うことにでもなれば、住民の精神的苦痛は計り知れない。」


 だから、大分合同新聞は、『目下の同盟』に邁進するだけの安倍晋三政権に対して、次のように主張する。


 「沖縄の痛みを軽減するための本土分散移転だったが、実際に沖縄の負担はどの程度軽減されたのだろう。単に米軍の訓練場所を増やし、南北に延びる国内の多様な気候や地形を提供してしまっただけではないか。危険と不安が国内各地に拡散されただけで、この問題を終わらせてはならない。政府は断固たる姿勢で米軍と向き合い検証する必要がある。」


 こうした大分合同新聞の指摘に沿って、きちんと事実を押さえる必要がある。
 これからの日出生台が抱える問題の解決に向けて。
 例えば、沖縄県の北部訓練場変換問題が示した次のものである。

 政府主催の北部訓練場返還式典で、菅義偉官房長官は「本土復帰後、最大規模の返還だ。県内の米軍施設の約2割が減少し、沖縄の基地負担軽減に大きく資する」とその意義を強調したという。
 しかし、沖縄の問題は、本土復帰の時点に留まるものではない。この北部訓練場は、普天間飛行場などと同じように、戦後米軍によって強制的に奪われた土地であり、本来、全面返還がなされなければならないものである。このことからしても、決して、「歴史的成果」という代物ではない。
 まして、今回の北部訓練場は、返還される約4千ヘクタールは米軍が「使用不可能」とする土地であり、無条件に返還されて当然の土地でなのである。
 むしろ、この地域の人々やその自然環境は、「墜落」の恐怖や騒音被害に覆われているし、高江の貴重な動植物は「危機的状況」にすでに追い込まれている。
 結局、安倍晋三政権が喧伝する「SACO合意の成果」は、古い基地を返す代わりに、日本側が最新鋭の基地を提供して在沖米軍基地を強化するこであり、「負担軽減」どころか、「負担の拡大」、「負担の恒常化」でしかない。
 今回の日本政府が行った北部訓練場の一部返還は、日本国憲法が定める地方自治の本旨に反するものであり、自治権に基づく自己決定権を侵すものである。
 つまり、北部訓練場の返還とは、安倍晋三政権の得意とする「まやかし」政策でしかなかった。




by asyagi-df-2014 | 2018-02-04 07:00 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る