2017年 07月 25日 ( 2 )

沖縄-辺野古- 高江-から-2017年7月25日

沖縄は基地、函館は原発。
 こう並べられて、改めて気づかされる。  
「国策」に立ち向かう姿。
「事故が起きてからでは遅い。原発を止めるまで諦めない。沖縄県も、基地で住民が受ける被害を想定し、県民の権利を守るために闘い続けて」、との河合弘之弁護士からのエールが、重く響いてくる。


 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2017年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。

 2017年7月25日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)沖縄タイムス-沖縄は基地、函館は原発・・・一方的な国策負担に訴訟 住民の権利守る闘い続く-2017年7月25日 07:45


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「沖縄県は24日、国に辺野古新基地建設の工事差し止めを求めて提訴した。北海道でも函館市や市民が国や電源開発(Jパワー)を相手に、青森県大間町で建設中の大間原発の建設差し止めを求める二つの訴訟を東京と函館の両地裁に起こしている。代理人弁護士や原告の市民は、一方的な負担を強いられる函館と沖縄の現状を嘆く。国策にあらがう難しさを共有しつつ『自治体や県民の利益を守るため闘い続けて』」と、県を激励している。」
②「函館市と大間原発は、津軽海峡を挟んで最短で約23キロ。市と市民側は大間原発が、『2011年の東日本大震災での福島第1原発事故を防げなかった安全評価審査指針などで設置認可を受けた』と問題視。『大量のプルトニウムを内蔵する原発で、事故が起これば福島とは比較にならないほど甚大な被害をもたらす』と訴える。」
③「二つの訴訟で代理人を務める河合弘之弁護士は『函館も沖縄も、一方的に原発や基地の負担を押しつけられている』と憤る。地元自治体の同意なき負担は、憲法が定める地方自治権を侵害すると指摘。人が命や名誉を侵害された場合、権利を守るために提訴できるのと同じく、自治体も裁判に訴えることができると主張する。」
④「一方で『国策』に立ち向かう訴訟の難しさも話す。21日には、河合弁護士らが求めた四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めの仮処分申し立てが、松山地裁に却下された。『辺野古の訴訟は国の安全保障政策に加え、米国の利益とも対峙(たいじ)する。原発よりも勝つのは難しいだろう』と分析する。」

 それでも「事故が起きてからでは遅い。原発を止めるまで諦めない。沖縄県も、基地で住民が受ける被害を想定し、県民の権利を守るために闘い続けて」とエールを送った。


(2)沖縄タイムス-辺野古提訴:「訴訟乱立」政府に責任 県は基地過重負担の発信必要【解説】-2017年7月25日 08:15


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「名護市辺野古の新基地建設を巡る県と国の5度目の裁判が提起された。埋め立て海域に漁業権が残っているか、消滅したか、が論点となり、翁長雄志知事が『新基地建設の是非を問うものではない』と強調したように、根本的な判断が下されるわけではない。『訴訟の乱立』との批判もつきまとうが、協議や交渉で政治的に妥協できる状況ではないだけに、県内の選挙で示し続けた『辺野古反対』の民意を無視する形で工事を強行する国の責任は重く、その姿勢が混乱を招いている。」(政経部・福元大輔)
②「翁長知事が繰り返してきた埋め立て承認の撤回ではなく、なぜ差し止め訴訟なのか、という疑問は支持者の間でも渦巻いている。県は、たとえ国が無許可で岩礁を破砕しても、他に止める手段がないというには根拠が不十分で、撤回の要件にはなり得ず、今回の訴訟に踏み切ったという。」
③「弁護団の松永和宏弁護士は、法律を管轄する国と運用する県で解釈が違った場合、司法に判断を委ねることは国と地方の対等な関係を示すもので、『健全な状態』と主張する。
県は水産庁との解釈の違いを文書で2度照会したが、『納得のいく説明がなかった』ことを提訴の理由に挙げる。一方、『司法ではなく政治の場で解決すべきだ』という声は県議会などで相次いだ。」
④「翁長知事は24日の会見で協議しても辺野古ありきの結論が変わらなければ『政府に思いを伝えるのは困難』と限界を指摘する。」
⑤「訴訟以外で県と国のどちらの法解釈が正しいかを判断することは難しいと言える。ただ、県勝訴にはいくつもの高いハードルが存在し、国が勝てば『国が正しい』という見方がより広がる。県議会で金城勉氏(公明)が『裁判の結果が積み重なることで、逆に国民世論がしぼむという結果を招きかねない』と指摘したように、県に不利な状況が生まれる可能性もある。」
⑥「情報発信力で大きな差がある政府に対し、県は訴訟の行方に流されることなく、歴史的な基地負担の不平等性や在沖海兵隊の意義・役割に基づく辺野古新基地建設の不要論など、辺野古新基地建設に反対する正当性をこれまで以上に丁寧に訴える必要がある。」


(3)沖縄タイムス-辺野古提訴:5度目の法廷対決、踏み切った背景は? 懸念と焦燥、県を動かす【深堀】-2017年7月25日 08:30


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「県が24日、国を相手に名護市辺野古の新基地建設工事の差し止め訴訟を提起した。翁長雄志知事は会見で、新基地を巡り5度目となる法廷対決、突如表面化した普天間飛行場の返還条件問題など、新基地計画を取り巻く『不条理』への国民の理解を繰り返し求めた。25日で護岸建設から3カ月。提訴の背景には日々埋め立てが進む現状への県の懸念と焦燥感がある。」(政経部・大野亨恭、東京報道部・大城大輔)
②「『県民の思いを置き去りにしたまま新基地建設に突き進む国の姿勢が、改めて問われている』。知事は会見で、国の姿勢を痛烈に批判した。今回の裁判とは無関係の最高裁判決や和解を持ち出したり、漁業権に関する過去の見解を変えても、その理由を一切説明しない国への強い不信感をにじませた。一方、今回の訴訟は、辺野古新基地の是非を直接問うものではない。『工事を進めるためには本来、岩礁破砕許可が必要』と、一見すると県が工事を推進する立場とも受け取れる、分かりづらさがある。」
③「実際、県庁内には新基地建設を巡る5度目の裁判に『これまで結果が出ておらず、裁判という手法に県民の一部は疑念を持っている』と世論を気にする向きもある。」
④「知事は会見で、『最高裁で判決が出たから以後は自由にやってよいということではない』と強調した。当初、この部分はコメントの後半にあった。しかし、裁判に打って出た県の姿勢に理解を求めるため、あえて冒頭に持ってきたという。また、知事は北朝鮮の核・ミサイル開発の進展などを理由に在沖海兵隊のグアム移転計画見直しに言及したネラー海兵隊総司令官や、民間施設の使用条件が整わなければ新基地完成後も普天間飛行場が返還されないとの稲田朋美防衛相の発言に繰り返し触れ、『新基地完成までには10年、1兆円かかる』と強調。『この状況を分かりやすく県民、国民に理解してもらう努力をしたい』と述べ、いかに世論を味方につけるかに腐心している様子をのぞかせた。」
⑤「一方、政府関係者は提訴に冷ややかだ。『岩礁破砕許可は水産庁の見解があり不要で、宝塚パチンコ訴訟の最高裁判決を元に争訟には当たらない』と両面で国に大きく分があるとみる。防衛省にとり、わずかな不安の種は仮処分の申し立てが認められ、工事が止まることだ。だが、これも『訴訟で国が勝つ見通しが高ければ、仮処分も認められないだろう』との見方だ。仮に、実際に工事が止まれば、その間の人件費などの損害を翁長知事へ賠償請求する可能性も出てくる。」

 政府内にはこういった声もくすぶる。「可能性は高くないだろうが、実際に工事が止まれば、損害賠償請求を考えることになるだろう」


(4)沖縄タイムス-ガッテンナラン」「法治ではなく放置国家」翁長知事、国の辺野古強行を批判 覚悟の提訴-2017年7月25日 07:30


 沖縄タイムスは、標題について次のように報じた。


①「『県民の思いを置き去りにしたまま突き進む国の姿勢が改めて問われる』。名護市辺野古の新基地建設で、県が工事の差し止めを求めて那覇地裁に訴訟を起こした24日夕、県庁内で臨時記者会見を開いた翁長雄志知事は、工事を強行する国の姿勢を『荒い、荒々しい』と何度も批判しながら、『ガッテンナラン(納得いかない)』と新たな一手の意義を語った。『政府の大変荒い、あるいは【県民に寄り添う】【誠心誠意】という言葉とは裏腹なやり方で物事が進んでいる』」
②「新基地建設を巡る国と県の訴訟は、今回で5件目。翁長知事は約35分間の会見中、用意されたコップ一杯の水を一口飲んだだけで、再び法廷で争うことになった経緯を淡々と説明した。唯一、額にしわを寄せて険しい表情を見せたのは、官邸で同日あった菅義偉官房長官の会見内容に対する見解を質問された時だった。国は、新基地建設を巡る代執行訴訟の和解と、県が敗訴した違法確認訴訟の最高裁判決を踏まえ、『問題は決着済みで、県は従うべきだ』と、新たに訴訟提起した県を批判している。菅長官は『法治国家』を繰り返し、県が和解の趣旨に反しているかとの問いに『当然そう思う』と答えた。」
③「これに対し、翁長知事は『政府の恣意(しい)的にねじ曲げるやり方は、常々述べている【法治国家】の在り方から程遠く、放っておく【放置国家】だ』と語気を強め、政府の「理不尽さ」「拙速さ」を批判した。」
④「一方、辺野古の現場で護岸工事が進む中、埋め立て承認『撤回』の知事判断についても、記者からの質問が相次いだ。『将来を思い、現状を思い判断する。撤回は十二分に出てくる』。知事は改めて『不退転の決意で取り組む』と国との対立姿勢を鮮明にし、前を見据えた。」


(5)琉球新報-辺野古差し止めを提訴 県「国の工事は違法」 漁業権存否が争点に 「新基地は理不尽」と知事-2017年7月25日 08:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「沖縄県名護市辺野古の新基地建設で県は、国が岩礁破砕許可を得ずに工事を進めるのは違法だとして24日午後、国を相手にした岩礁破砕の差し止め訴訟を那覇地裁に提起した。差し止め訴訟と併せて判決が出るまで工事を止めるよう求める仮処分も申し立てた。新基地建設を巡り、国と県は5度目の法廷闘争に入る。」 
②「翁長雄志知事は午後5時から県庁で記者会見し『国は辺野古案件のために漁業権運用の見解を恣意(しい)的に変えた。法治国家の在り方からは程遠い』と国の姿勢を批判した。その上で『(今回の裁判は)新基地建設の是非そのものを問うものではないが、県民の思いを置き去りにしたまま基地建設に突き進む国の姿勢が問われている』と述べ、裁判を通して国の強権的な姿勢を浮かび上がらせることができると、訴訟の意義を強調した。」
③「記者の質問に答える形で、『漁業権の問題などを県民や国民に知らせながら、辺野古新基地を造ることの理不尽さと、政府の進め方の拙速さを訴えていく』と語った。今回の訴訟で県は、工事海域には漁業権が存在し、工事を実施するには県による岩礁破砕許可が必要だと主張する。一方国はこれまで、名護漁業協同組合の決議により漁業権はすでに消滅しており、県から岩礁破砕許可を得る必要はないと主張している。」
④「県は訴状で、漁業法第11条や22条を根拠に、名護漁協が総会で決議した漁業権の『一部放棄』は、漁場の『縮小』を意味し、『漁場の縮小が【変更】に該当するということは明治漁業法以来、当然のこととされ、現行法下の水産行政も一貫してこの立場をとってきた』と主張。漁業権を変更するには知事免許が必要だとした。さらに、県が国に岩礁破砕許可申請を請求することができる理由として県は『水産資源を保護培養する公益保護の主体者』であるとし、岩礁破砕許可申請という『義務』の履行請求権を有すると主張している。」


(6)琉球新報-「これ以上海を壊すな」 市民100人超が海上抗議-2017年7月25日 11:43


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「米軍普天間飛行場の移設に伴う、名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局の護岸工事着手から3カ月となった25日午前、移設に反対する市民は米軍キャンプ・シュワブ沿岸でカヌー71艇、抗議船6隻による『海上座り込み大行動』を実施した。県内外から100人を超える市民が集結し『海を壊すな』『違法工事やめろ』と声を上げた。」
②「市民は辺野古の浜から、埋め立て区域南西側に位置する『K1護岸』建設予定地を目指して力一杯オールをこいだ。『NO BASE(基地は要らない)』と書かれた横断幕を中心に、シュワブ沿岸部に集結したカヌーチーム88人は、次々と抗議船のマイクを握り『工事は岩礁破砕許可が切れていて違法だ』『これ以上、この海を壊すのは許さない』などと訴えた。県外に加え、アメリカやフランス、スペイン、韓国、台湾、アフガニスタンなど世界中から寄せられた連帯のメッセージも読み上げられた。」
③「一方、シュワブのゲート前でも市民50人が早朝から座り込んだ。県警の機動隊が強制排除し、工事車両59台が基地内に入った。市民は『私たちは正当な抗議行動をしている』『機動隊は直ちに市民を開放しろ』などと抗議した。」


(7)琉球新報-着陸帯撤去と夜間飛行中止を 宜野座村議会が抗議決議-2017年7月25日 12:14


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「宜野座村城原区に隣接する米軍キャンプ・ハンセンのヘリコプター着陸帯・通称『ファルコン』で、普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが夜間離着陸訓練やつり下げ訓練などを行っている問題で、宜野座村議会(小渡久和議長)は25日午前、臨時会を開き、訓練の即時中止やファルコンの撤去を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決した。抗議決議の宛先は駐日米大使、在沖米四軍調整官ら。意見書の宛先は首相、沖縄防衛局長ら。」
②「抗議決議と意見書では、ファルコンで昼夜を問わない離着陸訓練やつり下げ訓練が行われていることに『いつ起こるか分からない墜落事故やつり下げ訓練の恐怖と不安に悩まされ、精神状態も限界に達している』と指摘した。その上で①ファルコンの撤去②民間地上空の米軍機の飛行訓練、つり下げ訓練の即時中止③米軍機による低空夜間飛行訓練の即時中止―を求めた。村議会は27日に抗議決議を在沖米四軍調整官に、意見書を沖縄防衛局に手渡す。」


(8)琉球新報-オスプレイ被害の改善を 宜野座村城原区が村に要請-2017年7月25日 11:14


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「宜野座村城原区の民間地に隣接する米軍キャンプ・ハンセン内のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)・通称『「ファルコン』で普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが離着陸訓練などを繰り返している問題で、城原区の崎浜秀正区長らは25日午前、村役場を訪れ、騒音被害の改善を當眞淳村長に要請した。」
②「要請文では、ファルコンでの訓練で粉じんが発生していることや午後10時以降も訓練が実施されていることを説明し『度重なる低空飛行と騒音、粉じんで健康被害が起きている地域住民から苦情が絶えない』と指摘した。①午前0時まで飛行訓練が実施されている②騒音、粉じんによる異常事態が起きている③区民で何度も抗議をしているが変化がない―ことを挙げ、解決策を見いだすよう村に求めている。」
③「崎浜区長は『区はこれまで沖縄防衛局に何度も抗議してきたが、現状が変わらない。村にも協力をお願いしたい』と述べた。當眞村長は『村内の民間地付近のヘリパッドの使用や民間地の低空飛行の禁止を求めて防衛局に何度も抗議してきた。訓練に伴う被害は城原区だけでなく、他の区でも発生している』と述べ、要請に理解を示した。」
④「當眞村長は25日午後に沖縄防衛局を訪れ、オスプレイによる騒音被害などについて抗議する。」


(9)琉球新報-宮古陸自駐屯地8月着工 防衛省、敷地造成へ-2017年6月6日 06:30


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「宮古島市への陸上自衛隊配備計画を巡り、防衛省が8月にも駐屯地建設に着手することが5日、分かった。防衛省関係者が明らかにした。既に駐屯地建設予定地の『千代田カントリークラブ』で測量や設計業務を実施しており、敷地造成など本格的な工事を8月に始めるため、今月中の用地取得に向けた手続きを進めている。自衛隊配備に反対する市民は工事による地下水への悪影響などを懸念しており、計画進展に反発が広がる可能性がある。」
②「防衛省はこれまで駐屯地建設に向けて、測量や隊庁舎、保管庫などの設計業務、現況調査などを実施している。8月にも敷地造成に着手するため既に業者側と契約し、今月中の用地買収を見込んでいる。防衛省は宮古島への陸自配備のため、2016年度予算に用地取得や敷地造成費など約108億円を盛り込んだ。しかし、候補地の一つだった旧大福牧場は下地敏彦市長が地下水への影響を理由に反対したため、同省は配備を断念した。そのため計画が遅れ、予算の過半は17年度に繰り越された。」
③「防衛省内では18年度の予算を獲得するために8月末の概算要求までに、16年度に予定していた業務を実施したいとの声もある。」


(10)琉球新報-沖縄が5度目の法廷闘争に踏み切った理由 辺野古差し止め提訴-2017年7月25日 10:02


 琉球新報は、標題について次のように報じた。


①「辺野古新基地の護岸着工から3カ月。沖縄県が新基地建設阻止に向け再び『裁判』というカードを切った。今回の訴訟は、無許可の岩礁破砕行為は違法で、国が岩礁破砕をする場合は県に許可を申請するよう求めるもの。国は知事による岩礁破砕許可は『不要』との立場を変えておらず、強気の姿勢を崩していない。法廷でも双方の主張がぶつかり合う激しい論戦が予想される。」
②「県は今後岩礁破砕が行われることが差し迫っていると判断し、工事の進行を止めるため提訴に踏み切った。しかし、今回の裁判で仮に県の主張が認められ、県が勝訴したとしても「工事停止の決定打」にはならないとの見方が県側で大勢だ。仮に今回の訴訟で県が勝訴し、国が岩礁破砕許可を県に申請した場合、県は『申請されれば認めざるを得ない』(県幹部)との見方が大半だ。今回の差し止め訴訟による工事の停止効果は限定的にとどまるとの見方でほぼ一致する。にも関わらず提訴に踏み切ったのは『目の前で日々工事が進む中、何もしないわけにはいかない』(県幹部)と県民世論を意識した判断だ。」

ルールを守れ
③「『工事を止めるための裁判というよりは、国による違法状態を放置するわけにはいかないから起こす裁判だ。本丸ではない。ある県幹部は訴訟の意味をこう述べ【本丸は撤回だ】と、撤回に向けた助走的な位置付けだと明かす。県側には、そもそも今回の訴訟の原因は国が作ったとの意識が強い。国が、3月末の岩礁破砕許可の期限切れ間際に急に漁業権の変更手続きの解釈を変えてきたことが県にとっては『想定外』だった。」
④「県は岩礁破砕許可は前回も認めた経緯があるため、今回も『審査に時間をかけることはできても、認めないという結論にはならない。最終的には認めざるを得ない』との見解が大勢だ。県幹部の一人は『3月末の時点で国は素直に申請を出していれば良かったのに』と、言外に国による無理やりな解釈変更によって生じた“余計な裁判”との見方を示した。」
⑤「『本訴訟は新基地建設の是非そのものを問うものではない。国は守るべきルールは当然守るべきで、裁判所には、ただその当然のことを当然のごとく判示していただきたい』。県は160ページ超の訴状の最後でこう記した。今回の裁判における県の狙いはここに集約され『国の違法行為を国民の下にさらす』」という意味合いが強い。」
⑥「岩礁破砕許可を巡る県の提訴と仮処分の申し立てに対し、政府は『工事を進めていくことは変わりない』(菅義偉官房長官)と強気の姿勢を崩していない。これまで通り、名護漁協による漁業権の『放棄』によって、漁業権は『消滅』したとして岩礁破砕許可は不要との立場だからだ。政府は水産庁にもこの認識に齟齬(そご)がないか事前に確認。1988年の仙台高裁判決で『漁業権の一部を放棄することは新たな権利の設定を受けるわけではなく、変更免許を受けなければ法的な効果が生じないものとは解されない』との判例を根拠に政府解釈を組み立てている。さらには知事が差し止め訴訟後には最終手段の『撤回』に踏み切ることも想定し、執行停止や損害賠償請求などの対抗手段もちらつかせている。8月にも行われる内閣改造で稲田朋美防衛相の交代がささやかれながらも『沖縄の基地政策は変わらない。辺野古も止まらない』(防衛省幹部)と強硬姿勢は引き継がれるとの見方を示した。」


(11)沖縄タイムス-米海軍P3C、嘉手納基地に緊急着陸 両翼に実弾を装着-2017年7月25日 14:18


 沖縄タイムスは、「米軍嘉手納基地で25日午後0時18分、米海軍のP3C対潜哨戒機が左右に計四つあるプロペラのうち左側一つが停止した状態で緊急着陸した。両翼には実弾が装着されていた。目撃者によると、同機は午前10時49分に同基地を離陸していた。」、と報じた。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-25 18:05 | 沖縄から | Comments(0)

沖縄県は、2017年7月24日、辺野古工事差し止め訴訟に入る。(1)

 沖縄県は、2017年7月24日、辺野古工事差し止め訴訟を、那覇地方裁判所に提訴した。
この模様を、沖縄タイムスは次のように伝えた。


 「沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、無許可で岩礁を破砕するのは県漁業調整規則に違反しているとして、県は24日午後、国を相手に岩礁破砕を伴う工事の差し止めを求める訴訟を那覇地裁に起こした。県側は判決が出るまで、工事を一時的に禁止する仮処分も地裁に申し立てた。新基地に関する県と国の対立は、昨年12月の違法確認訴訟上告審で県敗訴が確定して以来、5度目の訴訟に持ち込まれた。」


 また、沖縄タイムスは2017年6月9日、この訴訟と仮処分について、「工事差し止め仮処分、知事権限の保全が争点【「辺野古」訴訟ポイント】」、と次のように解説している。


(1)辺野古差し止め訴訟で県は国が翁長雄志知事の許可を経ないまま岩礁破砕を進めるのは県漁業調整規則が定めた知事の権利を侵害しているとして、那覇地裁に判決まで破砕行為をしないよう仮処分を申し立てる方針だ。審査では地裁が知事の権限を保全されるべき権利(被保全権利)と認めるかなどが争点となる。
(2)2015年4月、福井地裁は「安全技術には多方面にわたる脆弱(ぜいじゃく)性がある」などとして、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を認めない決定を出した。樋口英明裁判長は「運転によって生命や身体などの人格的な利益(人格権)が侵害される危険がある」と指摘。被保全権利が存在するとして、周辺住民の訴えを認めた。
(3)一方、2016年12月、東村高江周辺の米軍北部訓練場で、ヘリパッド工事に反対する高江区の住民が国に工事の一時差し止めを求めた仮処分申し立てで、那覇地裁は住民側の訴えを却下した。森鍵一裁判長は「工事完成後に米軍機が運航を始めても、住民が健康被害を受ける恐れがあるとは言い難い」と判断。被保全権利の侵害を認めなかった。
(4)提訴される辺野古差し止め訴訟で県側代理人弁護士は、知事には漁業調整規則に基づき国へ許可を申請するよう求める権利があると主張。知事の請求権は被保全権利に当たると指摘している。


 さらに、沖縄タイムスは2017年7月24日、次のように差止訴訟をめぐる県と国の相違点について、次のように分析している。


Ⅰ:漁業権の解釈

(1)国は、岩礁破砕許可が不要とする理由として、米軍キャンプ・シュワブ埋め立て海域の漁業権の消滅を挙げる。今年1月までに、名護漁協は国からの補償金を得て漁業権を放棄した。水産庁は漁業権に関する過去の見解を変え、今回の場合の漁業権「放棄」には「知事の許可は不要」と沖縄防衛局の判断にお墨付きを与えている。
(2)県は名護漁協は漁業権の一部を放棄しただけで、今回は『漁場の変更』に当たると指摘。変更には、知事が認める『免許』の手続きを経なければならないため、現状では漁業権は残り、岩礁破砕許可も必要だと訴える。また、水産庁が3月14日に示した新たな見解はあくまでも『情報提供』だとし、漁業権の変更には知事免許が必要とした2012年の『技術的助言』や過去の政府答弁を重視すべきだと主張。漁業権は地方公共団体が責任を負って処理する自治事務である点も踏まえ『解釈権は県にある』と訴えている。」


Ⅱ.過去訴訟の効力

(1)国は、昨年3月の辺野古新基地を巡る訴訟の和解と、昨年12月の県敗訴の最高裁判決を踏まえ、『問題は決着済みで、県は従うべきだ』と差し止め訴訟を提起する県を批判する。」、「だが県は、和解で『従う』としたのは是正指示取り消し訴訟で、実際に県と国が争ったのは違法確認訴訟だったため、そもそも和解条項は『枠外』との認識。最高裁判決も違法確認訴訟という別裁判の判決であり、無関係だと訴える。
(2)県は、最高裁の『承認取り消しは違法』との判決に従い、翁長雄志知事は取り消し処分を取り消したと指摘。今回は、防衛局が県漁業調整規則に反して岩礁破砕許可を得ないまま工事を進めていることが問題点だとし『法令に反することを放置できないのは行政として当然だ』と訴える。」


Ⅲ.法律上の争訟-裁判審理対象か

(1)国は、行政機関が法や規則に従うよう『義務の履行』を求める訴訟は裁判の審理対象ではないとする2002年の最高裁判決を念頭に、今回の訴訟は審理の対象外だと主張する。
(2)県は、今回の訴訟は財産権の主体として財産上の権利利益の保護救済を求める訴訟には当たらず『法律上の争訟に該当しないことにはならない』と反論。県側弁護士も、判例は『自治体と国民の訴訟に限定したものだ』と指摘し、国民より高いレベルの法令順守義務を課されている国には、最高裁判決の射程は及ばないとしている。


 こうした今回の辺野古差し止め訴訟について、沖縄タイムスは2017年7月16日の社説で、名護市辺野古の新基地建設を巡って、「県と政府が再び、法廷で争うことになった。
県と国の辺野古訴訟はこれで5件目となる。あまりにも異常な事態だ。」、と表した。
あわせて、沖縄タイムスは、「地元の合意や理解、協力の得られない強権的な米軍基地建設は必ず、住民の尊厳をかけた抵抗運動を生み、米軍基地の存在を不安定化する。」、と規定する中で、この訴訟提訴の意味を次のように記す。


(1)現状に慣れてしまうと人は異常を異常と思わなくなる。仕方がないとあきらめる。政府が護岸工事を急いでいるのは来年の名護市長選、県知事選に向け、そのような空気をつくり出すためである。
(2)政府の国地方係争処理委員会は昨年6月、「双方が納得できる結果を導き出す努力をすること」を求めたが、政府は話し合い解決を拒否した。
(3)県の提訴は、安倍1強体制の下で、法解釈の変更と機動隊による強制排除によって、日米合意を押しつけようとする政府に対する、地方自治体のやむにやまれぬ異議申し立てである。


 沖縄タイムスは、沖縄県にとってのこの訴訟の位置づけを次のよう解説する。


(1)大型埋め立て工事は、環境影響評価の段階から本体工事を経て完成に至るまで、「住民参加」と「情報公開」が求められる。言葉を換えて言えば、民主的であること、科学的であること、住民意思が適切に反映されることが、同時に要請されるのである。だが、新基地建設を巡る環境アセスは、地元の合意や理解、協力が得られないまま進められたため、悪しき前例をつくってしまった。
(2)オスプレイ配備を知っていながら明らかにせず、評価書段階で後出しした。方法書には軍用機の機種も運用計画も示されていなかった。
(3)沖縄防衛局は県の協議申し入れに従わず、米軍は県が求める臨時制限区域内の調査に応じなかった。
(4)岩礁破砕許可を巡っては、水産庁がかつて県に示した見解とは百八十度異なる見解が示された。官邸との協議で従来の解釈を都合良く変更したのだ。
(5)橋本龍太郎元首相は当初、普天間返還の条件として「既に存在している米軍基地の中にヘリポートを建設する」と説明し、「地元の頭越しに進めない」と語っていた。これが原点だ。
(6)稲田朋美防衛相は、辺野古が完成しても緊急時の民間空港の利用について米側との調整がつかなければ普天間は返還されない、と国会で答弁した。


 また、沖縄タイムスは、「日米両政府はコロコロ計画を変更する。県民はそのたびに蚊帳の外に置かれ、振り回される。この計画、どこから見てもほんとに異常である。」、と日本政府を痛烈に批判する。
 加えて、沖縄タイムスは、2017年7月18日、「[Q&A]辺野古工事差し止め訴訟って何? 国と沖縄県の裁判、今回は知事の許可が必要かどうかを争うことに」、と読者向けに掲載した。
 全文を掲載する。番号は、筆者。


(1)-沖縄県が差し止め訴訟を始めるって聞いたけど、どういうこと?

 「沖縄防衛局が名護市辺野古の海を埋めて、新しい基地を造る計画があるよね。埋め立てる作業では、サンゴ礁など海の底を傷つけるから、魚の住めない環境になる可能性が高い。漁業に影響が出るので、好き勝手に海の底を傷つけないよう、知事の『岩礁破砕等許可』を得なければならないんだ」

 「防衛局はもともと2014年8月から今年3月までの許可を得ていたけど、期限が切れた後も、新たな許可を得ずに、そのまま工事を続けている。県は許可を得なさいと言ったけど、防衛局は従わなかった。県は『許可を得る必要がありますよね』と裁判所に確認するため、訴訟を起こすんだ。県議会は14日、訴訟で県側の弁護士に支払う費用などを認めた。県は18日以降に裁判所に提訴するよ」

(2)-防衛局はなぜ許可を得ないの?

 「埋め立てる海域には、名護漁協が魚や貝を捕る権利、いわゆる『漁業権』を持っていたけど、今年1月までに放棄した。そのために防衛局は補償金を払った。防衛局は『漁業権のない海域で、知事の許可は必要ない』と主張している。水産庁も同じ考え方なの」

(3)-じゃあ、県が間違っているの?

 「県は、名護漁協は持っている漁業権のうち一部を放棄しただけなので、『漁場の変更』に当たると主張している。変更は知事が認めないと成立しないと法律に書いているので、今の状態では埋め立て海域の漁業権は残っている。漁業権のある海域なので知事の許可が必要と主張している」

 「水産庁の考え方も、これまでと変わっている。県は水産庁に2回、今と過去の考え方のどちらが正しいか、と質問したけど、納得のいく答えが返ってこなかったので、裁判所に判断してもらうことになった」

(4)-県が勝てば、工事は止まるの?

 「県が勝訴するまでにはいくつものポイントがある。過去の裁判で、県のような行政機関が『法や規則に書いていることには従ってくださいね』と確認することは、裁判所での争いにふさわしくないという判決が出ているんだ。今回がそれに当てはまれば、本格的な議論が始まる前に、門前払いされる可能性がある」

 「本格的な議論が始まっても、防衛局や水産庁の主張より、県の主張の方が正しいと証明し、裁判所に認めてもらわなければならない。最終的に県が勝てば、防衛局は岩礁破砕等許可を得るために新たに申請しなければならない。県の許可が出るまでは工事が止まることになりそう」

(5)-仮処分も申し立てるというけど。

 「県の主張が正しくても裁判で判決が出るまでは工事が進むので、判決が出るまでの間の工事を止めてほしいとお願いすることだよ。裁判所が認めれば、工事は止まる。でも、やはりハードルは高いね」

(6)-県と国が争う裁判なんてあまり聞いたことがないよ。

 「翁長雄志知事は辺野古の新基地建設に反対しているよね。15年から16年までの裁判は、辺野古の海を埋め立ててもいいよという『埋め立て承認』を翁長知事が15年10月に取り消したことが正しいか、どうかを争っていた。今回は、防衛局が知事の許可を得る必要があるか、どうかを争うことになる」

 「那覇市の那覇空港第2滑走路建設では、沖縄総合事務局が知事の許可を得て埋め立て工事を進めているのに、辺野古でもめているのは対照的だよね。新基地建設には多くの県民が反対していて、知事も『あらゆる手段で阻止する』と決めているから、なかなかうまくいかないんだ。名護漁協に漁業権を放棄させたのも、防衛局が知事の許可を得ずに済む、つまり『知事の権限を取り上げよう』と考えたと言われている。あちらこちらで争いの火種がくすぶっているよ」


 最後に、「名護市辺野古の新基地建設を巡る違憲確認訴訟で2016年12月20日、県敗訴の最高裁判決が出た。これを受けて2017年12月26日、翁長雄志知事は埋め立て承認取消処分を取り消した。」(沖縄タイムス)ことの押さえが必要である。
 安倍晋三政権は、この訴訟においても、この最高裁判決を最大限に利用してくる。
 このことについては、沖縄タイムスも、裁判審理対象に関して、沖縄県側の考え方を、「県は、今回の訴訟は財産権の主体として財産上の権利利益の保護救済を求める訴訟には当たらず『法律上の争訟に該当しないことにはならない』と反論。県側弁護士も、判例は『自治体と国民の訴訟に限定したものだ』と指摘し、国民より高いレベルの法令順守義務を課されている国には、最高裁判決の射程は及ばないとしている。」(再掲)、と押さえている。
このことについては、あらためて、新垣勉弁護士の「承認撤回」考察時の指摘を再掲することで、最高裁判決の意味をあらためて抑え直す。


 最高裁判決は、前知事が行った埋立承認には「裁量権の逸脱」はなく許される一つの  政策判断であったと判断した。しかし、この司法判断は前知事が「適切な判断」を行  ったことを意味するものではない。単にそれが「違法・不当」ではなかったと判断し  たにとどまる。「違法・不当」でないということとそれが「適切な判断」であったか  どうかとは異なる。




by asyagi-df-2014 | 2017-07-25 06:33 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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