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 問われているのは、主権国家のあり方。(2)

 問われているのは、主権国家のあり方。

 では、どういうことが引き起こされているのか。
 このことを、沖縄タイムスは、2025年11月28日付の記事で、次のように報じた。

 「『君に私を拘束する権利はあるのか』-。米兵が沖縄市でパトロール中に米国の民間人男性を拘束したとされる問題で、23日に交流サイト(SNS)に投稿された動画は、男性と米兵との緊迫したやりとりを伝えた。市民や識者からは『恐怖を覚える』『どうして拘束できると解釈したのか』などの批判が上がった。動画は沖縄市のゲート通りを映し出す。4人の米兵のうち1人が男性を背後から持ち上げ、投げ捨てた。身を起こそうとした男性を2人がかりで地面に押し付け、制圧した。動画の中で、元海兵隊大尉だと名乗った男性は解放される際、冷静さを保ちながら『私は君たちの管理下にない』と抗議。すると米兵は『あなたは管轄内にいる』と主張した。」(沖縄タイムス)
 「動画には、米兵が『日本人も拘束できる』と言明する様子も写っている。」(沖縄タイムス)

 確かに、問われているのは、主権国家としての判断である。

 このことについて、琉球新報は2025年12月12日、「米憲兵巡回二重基準 主権ゆがめる運用やめよ」、と社説で論評した。
 この社説で、この問題を押さえる。

 最初に、琉球新報による把握。
1.米軍憲兵隊が基地の外で実施している巡回で、日本と韓国での二重基準が発覚した。2.政府は米軍に対し、国内での不当な警察権行使につながる巡回を即刻やめさせるべきだ。米国は相手国によって主権を軽んじるような不誠実な対応を改めねばならない。
3.県内では米兵らの犯罪抑止だとして米憲兵隊が単独で巡回を実施してきた。外国軍隊の警察権の拡大に懸念が指摘される中、11月に憲兵が米民間人を誤認拘束する事案が発生した。茂木敏充外相はいまだ「米側で調査中」として政府見解を明らかにしていない。
4.日米地位協定の合意議事録は基地の「近傍」であれば米軍人以外も拘束できると認めている。この規定がある限り県民が拘束される恐れがある。米軍は事件・事故だけでなく、憲兵隊の巡回でも県民の人権を傷つける懸念がある。
5.基地の外で犯罪行為があれば日本の警察が身柄拘束や逮捕をすべきだ。米側にそれを許せば捜査に支障が出かねない。米側が巡回を重ねてもリバティー制度違反はなくならず、拘束される事例が続いている。一方で飲酒米兵による事件は相次いでいる。米軍は犯罪を抑止できていない。
 また、韓国おける対応について指摘する。
1.韓米両国が在韓米軍の単独巡回を実施しないことを取り決めていることが分かった。沖縄県議会の答弁などによると、2012年に韓国で米憲兵隊が単独巡回中に韓国の民間人を不法拘束し、反発が強まったことを受けた合意だ。
2.韓米両政府は13年に地位協定合同委員会を開き(1)米軍による単独巡回をしない(2)米軍人以外のいかなる人に対しても法執行しない―ことを合意、巡回規定を見直した。民間人には法執行できないことを明文化している。
3.韓国政府は事案後、外交通商部の北米局長が駐韓米軍副司令官を呼び出して抗議。副司令官は記者会見して謝罪した。沖縄県によると韓国警察は憲兵に対して不法逮捕罪を適用し、起訴意見を付けて検察に事件送致したという。
その上で、「拘束されたのが自国民だったという点で沖縄県内の事例と違いはあるが、日本政府と韓国政府の対応のあまりの差に驚くほかない。韓国のように日本政府は米軍にしっかりと主権を主張すべきだ。」、と突きつける。
 さらに、琉球新報は、日米地位協定の問題点を指摘する。
1.巡回は米兵らにリバティー制度を順守させるための措置だが、民間人は対象ではない。2.さらに基地の外での巡回は事件になった場合、日米どちらが身柄を扱うか、日米地位協定上の課題がある。
3.基地の外で犯罪行為があれば日本の警察が身柄拘束や逮捕をすべきだ。米側にそれを許せば捜査に支障が出かねない。米側が巡回を重ねてもリバティー制度違反はなくならず、拘束される事例が続いている。一方で飲酒米兵による事件は相次いでいる。米軍は犯罪を抑止できていない。
4.日米地位協定は、米国と他国との協定に比べて不平等だ。ドイツやイタリアは米軍基地への立ち入り権を有し、国内法も原則適用している。日米両政府は主権のあり方をゆがめる巡回よりも、米軍に過大な特権を与える日米地位協定の改定を急ぐべきだ。
 最後に、琉球新報は、次のことで締める。
 「基地問題の根源は沖縄への過重負担である。日米両政府は県民の命を脅かす基地負担の解消に責任を持って取り組まねばならない。」、と
(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-4862471.html 参照)

 確かに、「基地問題の根源は沖縄への過重負担である」(琉球新報)であり、人の命の問題である。


by asyagi-df-2014 | 2025-12-29 19:36 | 安全保障 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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