中谷元・防衛相が、2025年9月19日、「抗議活動は自由だが良識を持って」、と定例記者会見の冒頭で発言した。(3)
2025年 09月 24日
中谷元・防衛相は、2025年9月19日、「抗議活動は自由だが良識を持って」、と定例記者会見の冒頭で発言した。
この冒頭発現は、「最近、沖縄における自衛隊の活動に対する過度な抗議活動、また妨害行為が続いてることに対し、私から一言申し上げます」(沖縄タイムス)、と始められた。
何とまあ、この国の箍(たが)は外れぱなしになってしまっている。
このことに関して、沖縄タイムスは2025年9月21日、「中谷防衛相発言 基地負担への理解疑う」、と社説論評した。
この社説で、この問題を捉える。
沖縄タイムスは、最初に、今回の事実経過を確認する。
1.中谷元・防衛相は定例記者会見の冒頭、自衛隊の活動に対して県内で「過度な抗議、妨害行為が続いている」と、市民団体の活動を問題視した。
2.中谷氏が取り上げたのは、宮古島市で行われた日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」の一部が抗議行動によって「内容の変更を余儀なくされた」こと。
3.宮古島市での陸自の徒歩防災訓練に対し、市民団体から拡声器を使った抗議を受けたこと。
4.陸自第15旅団のエイサー隊が「沖縄全島エイサーまつり」に出演するに当たり、市民団体が取りやめを要請したことだ。
5.中谷氏は「現場の隊員一人一人がそれぞれの持ち場で日々、懸命に取り組んでいる」ことを挙げ、「良識を持ってやっていただきたい」と注文を付けた。
その上で、沖縄タイムスは、この発言に向けて、次の反論を突きつける。
1.記者会見という公式の場で市民団体の抗議行動に疑問をぶつける前に、大臣は自問すべきであった。
2.政府の沖縄基地政策が果たして他県との比較で公平・公正であったか、沖縄だけに過度の負担を押し付けてきたのではないか、と。
沖縄タイムスはまず、沖縄の今を示す。
1.復帰を挟む1970年前後に在日米軍基地の沖縄への集中が進んだ。沖縄は、本土で維持できなくなった基地の「収容場所」(川名晋史・大東文化大教授)になったのだ。
2.そして今、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化が猛烈なスピードで進んでいる。
そして、「抗議行動は、そうした動きへの危機感の表れであり、市民の行動だけをあげつらうのはフェアでない。」、と示すのである。
次に、沖縄タイムスは、「沖縄戦80年」、「戦後80年」の意味を沖縄の地平から問い直す。
1.米兵による相次ぐ性暴力事件は、米軍基地の集中がもたらしたものだ。
2.離島のミサイル基地化は、戦争に巻き込まれる恐れや相手国から攻撃される懸念を生んでいる。
3.他県のどこかが、このように沖縄の基地の現状を丸ごと背負ったことを想像してほしい。果たして何が起きただろうか。
4.本土から派遣された機動隊員が抗議行動を行っている市民に対し「土人」と発言したことがある。
5.沖縄防衛局の非常勤職員が「きちがい」と差別の言葉を投げ付けたこともあった。
6.市民の抗議行動がどれほど、理不尽な「沖縄ヘイト」にさらされ続けてきたことか。枚挙にいとまがない。
つまり、「今回の市民団体の抗議行動は、憲法で保障された『表現の自由』の範囲内の非暴力抵抗というべきだ。」、と沖縄タイムスは示すのである。
沖縄タイムスは、最後に、こう語りかける。
1.翁長雄志元知事は、辺野古の新基地建設を巡って県内が割れるのを深く憂慮していた。
2.保革を超えた政治勢力を結集して事態の打開を試みたが、志半ばで病に倒れ、急逝した。
3.翁長さんが生前、相手の理不尽な要求を膝を屈して受け入れるのならば、私は一人の人間として、この世界に生きる意味が薄らぐと語っていた。
4.政府・自衛隊には、丁寧な情報開示や、地元自治体・市民団体との対話によって、懸念に応える姿勢が求められる。
5.市民を敵視してはいけない。
(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1674809 参照)
沖縄タイムスは。「沖縄戦80年」、「戦後80年」の意味を沖縄の地平から、このように投げかける。
「市民を敵視してはいけない。」、と。
このような投げかけが必要なほど、日本の状況は、劣化している。
by asyagi-df-2014
| 2025-09-24 12:30
| 書くことから-いろいろ
|
Comments(0)

