政府は、高額寮費制度見直しを凍結した。(2)
2025年 03月 18日
日本政府(石破茂首相)は2025年3月7日、医療費の患者負担に月ごとの限度を設ける「高額療養費制度」の見直しをめぐって、制度見直しをいったん全面的に凍結することを決めた。このことにより、2025年8月からの負担限度額の引き上げは見送られた。
このことに関して、琉球新報は2025年3月9日、「高額療養費上げ凍結 早期の決断必要だった」、と社説で論評した。
この社説で、この問題を考える。
琉球新報は、この問題の政府の凍結までの経過を振り返る。
1.高額療養費制度の自己負担上限額引き上げについて、石破茂首相は7日、8月から行うとしていた実施を見送ることを表明した。
2.今回の制度改革案は、がんなど長期の治療が必要な患者の負担増が大きく、治療を諦めたり受診控えが生じたりすることが懸念される内容だ。患者団体など当事者の意見を聞かないままに政府方針を決定する手続きの拙速さもあった。実施を見送った石破首相の判断は当然と言える。
3.むしろ、立憲民主党が全面凍結を求めていたにもかかわらず、石破首相は予定通りの引き上げ実施を譲らず、2025年度予算案の審議を迷走させることとなった。なぜもっと早く凍結を決断できなかったのかが問われる。
4.高額療養費は、病院の窓口で支払った金額が自己負担限度額を超えた場合に、超過分を払い戻す制度だ。患者の負担が過度にならないよう1カ月当たりの支払いを一定にとどめ、高額な医療費による家計破綻や治療断念を防ぐ「最後のとりで」とされる。
5.政府は昨年12月に、25年8月から27年8月まで段階的に上限額を引き上げる制度の見直しを決め、25年度予算案に盛り込んだ。厚生労働省が社会保障審議会の部会に見直し案を提示したのは昨年11月であり、性急に進んだ感は否めない。この間、患者の意見は聴取されていない。
そのうえで、高額療養費の見直しそのものについて、次のことを押さえる。
1.長期の治療が続く人ほど毎月の医療支出が家計の負担となっている。加えて、病気による仕事の制約などで収入の不安定さや将来の経済不安がある。当事者の実情を無視して自己負担の引き上げありきで進めることは乱暴だ。
2.何より自己負担の引き上げによる受診控えを織り込んだ制度設計に問題がある。
3.衆院予算委員会の質疑で福岡資麿(たかまろ)厚労相は、受診控えで見込まれる医療費の削減額が約1950億円だと説明した。負担が重くなったがん患者らが治療を諦めることで医療費を抑制するという前提は、全ての人が適切な医療を受けられるようにする社会保障制度の趣旨に反する。参院予算委員会に参考人として出席した全国がん患者団体連合会の轟浩美理事は「治療中断に追い込まれ、命を落とす患者が生まれてしまう。制度を維持するために限度額を上げて(治療を)受けられなくなれば本末転倒だ」と疑問を呈していた。
4.政府はこれまで、当初案の一部修正を2回表明してきたが、今年8月からの実施は維持してきた。与党内からも異論が相次ぎ、異例の3度目の方針転換で引き上げの全面凍結に追い込まれた格好だ。衆院を通過させた25年度予算案を再び修正する必要に迫られ、拙速に押し切ろうとしたツケを払うこととなる。
最後に、琉球新報は、この問題の今後の動向について、「高額療養費制度の見直し検討は仕切り直しとなる。国民の幅広い理解を得る丁寧な議論と、当事者の声に耳を傾ける真摯な姿勢が求められる。」、と突きつける。
(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-4036357.html 参照)
やはり、この問題の今後の動向について、「高額な医療費による家計破綻や治療断念を防ぐ『最後のとりで』」であることを、基本に据えて取り組まねけねばならない。
by asyagi-df-2014
| 2025-03-18 12:06
| 高齢者福祉・医療
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