「自衛隊と沖縄 拙速な強化は溝深める」、と朝日新聞。
2024年 03月 12日
朝日新聞は2024年2月20日、「自衛隊と沖縄 拙速な強化は溝深める」、と社説で論評した。
この主張は、日本の安全保障の在り方を冬ものであるし、今の日本の人権がいかに疎かにされてきているのかの一端を突くものである。
では、朝日新聞はどのように主張しているのか。
朝日新聞は最初に、「政府は、米軍普天間飛行場の移設をめぐって沖縄県との対立を決定的にしたばかりか、自衛隊の強化でもあつれきを生んでいる。拙速に進めれば、溝を深めるだけだ。」、と指摘する。
このことの意味を次のように示す。
1.木原稔防衛相が、就任6カ月目に初めて沖縄本島を訪問し、沖縄県の玉城デニー知事と会談した。防衛相は就任直後に訪問する例が多く、木原氏の対応は異例だ。
2.政府は普天間の移設で、前代未聞の「代執行」を経て、辺野古での工事再開に踏み切った。玉城氏は中止を求めたが、木原氏は「辺野古移設が唯一の解決策」との姿勢を変えなかった。
3.政府は、軍事活動を活発化させる中国をにらみ、沖縄県をはじめとする南西地域で自衛隊の増強を図る「南西シフト」を安保関連3文書に盛り込んでいる。木原氏は会談で、「3文書を踏まえた防衛力の抜本的強化もまったなしの状況だ」と述べたが、玉城氏は会談後に記者団に問われて、「性急にことを進めるやり方が、3文書が出てから非常に強くなっている」と懸念を示した。
4.政府は「南西シフト」を着々と進める。与那国、宮古、石垣各島に相次いで陸上自衛隊の駐屯地を開設。防衛省は、離島を含む沖縄県内に、敵基地攻撃にも使用が可能な長射程ミサイルの配備を検討しているとみられ、地元では疑念や不安が広がっている。
5.沖縄本島では、那覇市を拠点にする陸自第15旅団を増員し、師団に格上げする方針だ。これに伴う訓練の増加に対応するため、陸自はうるま市に新たな訓練場の整備を計画している。
1.しかし、建設予定地は住宅地や公的施設に隣接しており、騒音や事故を懸念する地元自治会が計画の白紙撤回を求めている。玉城氏も木原氏に撤回を求めた。
朝日新聞は、こうした状況に向けて、次のように指摘する。
1.沖縄は先の大戦で地上戦の舞台となった。旧日本軍は住民を動員して持久戦を展開し、多くの犠牲者が出た。本土復帰にあたっても、自衛隊配備に反対意見が強かった。
2.自衛隊が長年、不発弾処理や救急搬送、災害対応に取り組んだこともあり、県民感情は当時と比べ上向いた。だが米軍基地が減らないまま自衛隊を増強することに反発もある。性急に進めれば、せっかくの信頼も失いかねない。
3.木原氏は会談で「基地の負担軽減は、政権の最重要課題の一つであり、全力で取り組む」と述べた。しかし、普天間移設問題に代表されるように、負担軽減ですら、政府の一方的な方針で進められているのが現状だ。
4.政府は沖縄の民意に正面から向き合い、真の対話を深めるべきだ。
(https://www.asahi.com/articles/DA3S15867608.html?iref=pc_rensai_long_16_article 参照)
この朝日新聞の社説は、政府による沖縄の基地負担軽減のかけ声の後ろには、①米軍普天間飛行場の移設をめぐって沖縄県との対立を決定的にしたこと、②沖縄・南西諸島の軍事拠点化のための自衛隊の強化で新たなあつれきを生んでいること、という二つのことが一方的に且つ住民への説明も不十分な中で進められているという日本社会への異論である、と読み解く必要がある。
by asyagi-df-2014
| 2024-03-12 19:44
| 安全保障
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