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新型コロナ対策関連法の改正案の閣議決定とは。

 管政権は、新型コロナ対策関連法の改正案を閣議決定した。
このことに関して、朝日新聞(以下、「朝日」)は2021年1月21日、「後手批判で政府ドタバタ 修正ありきの特措法改正案決定(中田絢子、富田洸平 )」、と次のように報じた。
(1)新型コロナウイルスに対応する特別措置法改正案が22日、閣議決定された。改正案は「私権制限」を強める内容で、野党は罰則規定への批判を強める。政府・与党は法案修正に応じるのか。
(2)「野党の声を聞き、見直すことは全く否定されるものではない」。公明党の北側一雄・中央幹事会会長は20日、法案の扱いについてこう述べた。官邸幹部も「閣議決定した内容で成立させられればベスト」としつつも、「修正の議論は閣議決定のあと」と語り、修正は「織り込み済み」との見方を示す。自ら下した改正案の決定を軽んじるかのような政府・与党幹部らの言動は、今回の法改正をめぐるドタバタぶりの裏返しともいえる。
(3)政府はもともと、特措法の改正については、現在の新型コロナが収束し、一連の対応などを検証してからと説明してきた。早くから改正に積極的だった西村康稔経済再生相が時折、前向きな発言をすると、官邸幹部らが周辺に「改正の議論はしていない」などと打ち消しに回っていた。
(4)政権内の風向きが変わったのは昨年11月中旬以降。改正案作りに携わった政府関係者は「感染者数が減らず何かできないかと空気が醸成されるなかで、感染症法や特措法が浮上した」と話す。菅首相は臨時国会の閉幕に合わせた12月4日の記者会見で「必要な見直しは迅速に行いたい」と発言。その後、感染状況の推移や世論を見ながら、どのような対応が可能か検討を進めた。
(5)コロナ対応をめぐる「後手」批判も、結果として政権に「強い対応」を促す効果を生じさせたようだ。
(6)観光支援策「Go To トラベル」の停止を迫られ、首相が「ステーキ会食」で批判を浴びるなどしていた12月中旬、自民党のコロナ対策本部は特措法や感染症法の改正を念頭に「次期通常国会において行う」とする提言を決めた。同じ頃、官邸内で「微修正だけの法改正なんてやる意味がない。逆に批判を食らう」との見方も出始めた。首相は12月24日、罰則と支援措置は「セットで必要なのではないか」と踏み込み、罰則導入の流れをつくった。ただ、政府は罰則の導入にかじを切りながら、年明け以降にあった与野党協議や与党の法案審査の過程でも、法改正が必要な根拠である「立法事実」について十分に説明してきたとは言いがたい。時短要請に応じなかった飲食店でこれまで何件のクラスターが発生したかも、政府は公表していない。自民、公明両党は1月20日までに法案の内容を了承したが、その裏側では「政府は今後、立法事実をきちんと説明しないとならない」(公明党ベテラン)などと、法案の「不備」を指摘する声が上がっていた。
(7)与野党の修正協議は、改正案を審議する内閣委員会のメンバーを中心に週明けから本格化する見通し。国会での成立が遅れれば、その後の予算案の審議などもずれ込むことが予想され、政府・与党は改正案を2月初旬には成立させたい考えだ。
(8)自民党の森山裕国会対策委員長は「野党の意見を法案に反映できるように努力したい」と語る。「スピード重視」で臨む政権が、罰則規定の軽減や、まん延防止等重点措置の適用条件の明確化など野党が求める修正要求をどこまで受け入れるかが焦点だ。官邸幹部は「世論がどうみるか。罰則に否定的なら譲歩もある」と話す。

 さらに、「朝日」2021年1月23日、「コロナの法改正 疑問が尽きない政府案」、と問題点を社説で突いた。
 問題の核心について。
(1)政府は新型コロナ対策関連法の改正案を閣議決定した。今国会での早期成立をめざす。
(2)感染拡大の抑止は、政治がいま取り組むべき最大・緊急の課題だ。しかし内容、効果、決定までの手続き、いずれをとっても改正案には疑問が多い。
(3)市民一人ひとりの人権に深く関わり、社会のありようにも様々な影響が及ぶと予想される法案だ。国会は与野党の立場を超えて内容を精査し、問題点の解消に努めなければならない。改正案を貫くのは、行政の権限を強化し、指示に従わない者には制裁を加えて、力で抑えつけようという発想だ。
 「朝日」は、具体的な問題点。
(1)例えば感染症法改正案には、▽自宅やホテルでの療養者に、知事が外出禁止などの協力を要請できるようにする▽応じない者には入院を勧告できる▽従わなければ1年以下の懲役などを科す――という規定がある。実際に入院先や療養先から無断で外出する例があるとして、全国知事会は措置の実効性を高めることを要望してきた。しかし、そうした行動をとった人の中には、そうせざるを得なかった種々の事情があったとも考えられる。それをひとくくりにして、刑事罰の対象とすることが正義にかない、効果につながるのか。そもそもどれほどの実例があり、どんな弊害を生んでいるのか。政府から納得のゆく説明はされていない。
(2)どんな法律の制定でも、その合理性を支える社会的、経済的、科学的事実(立法事実)を踏まえた、慎重な議論の積み重ねが求められる。個人の自由を縛り、違反すれば刑罰まで科そうというのならなおさらだ。ところが政府が今回の法改正の方向性を示したのは、感染の急拡大を受けて2週間前に開かれた与野党協議の場が最初で、唐突感は否めない。罰則に傾斜した法整備に走れば、検査を避けたり、感染の事実を隠そうとしたりする人が増える恐れがあるが、そうした指摘をどう考えているのかも判然としない。
(3)あわせて閣議決定された特別措置法の改正案も問題を抱えたままだ。営業時間の短縮や休業要請に応じた事業者への支援に一歩踏み出したものの、肝心の中身ははっきりしない。一方で「まん延防止等重点措置」なるものを新設し、緊急事態宣言を出す前から、罰則を背景に私権制限に乗り出せるようにする条文を盛りこんだ。しかし発出の要件はあいまいで、政府案のままでは到底受け入れられるものではない。
 最後に、「朝日」は、「菅首相は国会で『引き続き与野党の意見も伺う』と述べた。浮上している数々の疑問にまず政府が誠実に答えることから、議論を深めていく必要がある。」、とする。


 コロナ禍がもたらしたものの一つは、現行制度を人権尊重できちんと捉え直すというここであった。
この視点の中で、「罰則規定の軽減や、まん延防止等重点措置の適用条件の明確化など野党が求める修正要求をどこまで受け入れるかが焦点だ。」(「朝日」)といった今回の新型コロナ対策関連法の改正案を捉える必要がある。


by asyagi-df-2014 | 2021-01-24 07:08 | コロナ禍を生きる | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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