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安倍晋三首相は、何を残したいのか。

 テレビのニュースで流される安倍晋三首相の様子に、彼は何を残そうとしているのかと思ってしまう。
 彼の目的は、安倍晋三という人間の姿を確実に日本人の心に刻み込むことが目的であるはずなのにである。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年11月11日、「止まらぬ首相のやじ 民主主義が壊れかねない」、と社説で論評した。いや、論評ではなく、明らかな抗議の表明である。
 「新報」の「憂うべき事態」との指摘は次のもの。


(1)安倍晋三首相が国会で、閣僚席から再三やじを飛ばしている。本来、議員や国民の模範となるべき立場にいるはずだが、首相の振る舞いは過去にも問題になってきた。憂うべき事態である。
(2)安倍首相は6日の衆院予算委員会で、質問する無所属の今井雅人氏に対し、自席から指をさしながらやじを飛ばした。議場は騒然となった。今井氏は加計学園問題について質問し、萩生田光一文部科学相の関与をうかがわせる文書を示し「文科省の方が書いた文書か」と追及した。今井氏によると、首相は「あなたが(文書を)作ったんじゃないの」とやじを飛ばした。今井氏は発言の取り消しや謝罪を求めた。首相は「座席から言葉を発したことは申し訳なかった」と謝罪したが、発言の取り消しには応じなかった。一方で発言に関して「誰が書いたか分からないということを申し上げた」と説明している。苦しい釈明だ。
(3)加計学園問題では2017年、官房副長官だった萩生田氏が「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」と発言したとされる文書が文科省内で確認されている。首相自身の関与が取り沙汰された問題である。やじは極めて不誠実で、不遜な態度だと言わざるを得ない。
(4)首相のやじには野党が強く反発したほか、与党からも苦言が出た。当然のことだ。
(5)世耕弘成自民党参院幹事長は首相のやじについて「謙虚で丁寧な姿勢でしっかりと答弁してほしい。常にカメラの向こうには国民の目があると意識することが重要だ」と指摘した。衆院予算委の棚橋泰文委員長は委員会後、「閣僚席からの不規則発言は慎んでほしい」と求めた。
(6)首相側近からもいさめられたことは、恥ずべきことである。だがあろうことか、首相は8日にも参院予算委員会で質問する立憲民主党の杉尾秀哉氏に「共産党」とやじを飛ばした。またも相手を指さしながらだ。品格、見識がみじんも感じられない。


 「新報」は最後に、安倍晋三首相への批判の根拠を突きつける。

(1)首相は過去にも国会で何度も感情をむき出しにしたり、やじや不規則発言をしたりして審議を紛糾させた。発言撤回や謝罪に追い込まれたこともある。にもかかわらずその姿勢は改まらない。常習性があると言ってもいい。
(2)今国会では就任直後に辞任した2閣僚を巡り議論が集中しているが、首相は「行政を前に進めることが国民への責任だ」「本人たちも今後説明すると述べている」と逃げの答弁に終始している。2人に対する任命責任はおろか、説明責任も果たしていない。
(3一方では自らに批判的な立場の議員を嘲笑し、不都合な意見には耳を傾けようとしない。
(4)このような状況を放置しておけば健全な民主主義は壊れかねない。国会は強い危機感を持ち、自由で闊達な議論を妨害しかねない、やじや不規則発言には厳正に対処することを申し合わせるべきだ。


 どうやら、使いたくはない『品性』という言葉を思い返している。



by asyagi-df-2014 | 2019-11-15 07:09 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人