安倍晋三政権の改憲策動への反対「声明」-(2)

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は2019年10月18日、「安倍首相らの改憲の動きに反対し、憲法審査会の再始動強行に反対します」(以下、「声明」)、と「事態は急を要しています。」との内容の声明を発表しました。
 「声明」が指摘する「緊急性」は次のものです。


(1)夏の参議院選挙は自民党が改憲を公約の重点項目に挙げ、安倍首相は「(憲法を)議論をする政党を選ぶのか、審議を全くしない候補者を選ぶのかそれを決めて頂く選挙だ」と改憲問題を争点化しましたが、改憲派は3分の2の議席を維持できず、自民党は単独過半数を手放すという結果に終わりました。これは「安倍9条改憲NO!」の署名運動や各地の市民連合など、全国の市民運動と野党の共同の成果です。
(2)しかし、安倍首相は「必ずや憲法改正を成し遂げる」「新しい時代にふさわしい憲法改正原案の策定に向け、衆参両院で第一党の自民党が憲法審査会で強いリーダーシップを発揮すべきだ」と述べ、臨時国会の所信表明演説では、「令和の時代に、日本がどのような国を目指すのか。その理想を議論すべき場こそ、憲法審査会ではないでしょうか」と訴えて、自らの任期中に改憲を成し遂げることに強い執念を燃やしています。


 「声明」はこうした政治状況に対して、「私たちは、自衛隊明記の9条改憲をはじめとする自民党の4項目の改憲案の発議と、そのための衆参両院の憲法審査会の始動に断固として反対するものです。」、と反対の根拠を次のように明確にします。


Ⅰ.自民党9条改憲案は9条2項を空文化して海外での戦争を可能にするものです。安倍自民党による改憲発議を許してはなりません。

(1)自民党9条改憲案は、「必要な自衛の措置」として集団的自衛権の全面行使をも可能とするものです。緊急事態条項に関する改憲案は、軍事的な緊急事態に内閣の権限を拡大し、人権の大幅な制約を可能にする危険性があります。大地震などの自然災害の対応についてはすでに充分な法律が整備されており、憲法に緊急事態条項を置く必要性はありません。さらに、合区に関する問題の解決は公職選挙法等の改正で可能であり、自民党の合区改憲案は投票価値の平等を侵害するなどの危険性があります。教育の充実に関する改憲案は、教育が「国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担う」として教育への国家介入を正当化する危険があります。教育の充実は国会と内閣がその気になれば、法律や予算措置で可能であり、改憲は必要ありません。
(2)自民党の4項目改憲案は、いずれも改憲の必要性・合理性を欠くうえに、日本国憲法の基本原理である平和主義、主権在民、基本的人権の尊重を破壊するものです。

Ⅱ.世論は、今、改憲を望んではいません。安倍改憲のための憲法審査会の始動を許してはなりません

(1)憲法改正の議論は世論の中から改正を求める意見が大きく発せられ、世論が成熟した場合に初めて国会で議論されるべき問題です。1980年11月17日の政府統一見解も、「憲法の改正については、慎重のうえにも慎重な配慮を要するものであり、国民のなかから憲法を改正すべしという世論が大きく高まってきて、国民的なコンセンサスがそういう方向で形成されることが必要である」としています。世論の支持がないままに「憲法尊重擁護義務」(憲法99条)を負う首相や国会議員が改憲議論を主導することは明らかな憲法違反です。
(2)世論が憲法改正を必要な政策と考えていないことは、この間の各種の世論調査の結果を見れば明らかです。人びとが望むのは、台風被害対応をはじめ山積する諸課題についての予算委員会など国会の各委員会での真剣な議論です。それは先の参院選で立憲野党と市民連合が合意した13項目の政策の実現のための議論であり、改憲のための憲法審査会の議論ではありません。憲法の議論を逃げているのは安倍首相の方です。

Ⅲ.与党提出「公選法並び」の改憲手続法改正案は、重大な欠陥法案であり、これを成立させてはなりません

(1)継続審議となっている与党提出の改憲手続法改正案は、2016年に成立した公職選挙法改正の内容にそろえて国民「投票環境を向上させる」ためなどと与党は説明しています。しかし、与党提出の改正案は、テレビ・ラジオの有料広告規制が、投票前2週間の投票運動に限定されていて「国民投票を金で買う」危険性がある問題、公務員・教育者に対する不当な規制の問題、大企業や外国企業、外国政府なども運動費用の制限なく国民投票運動ができる問題、最低投票率の定めがない問題等々、現行手続法が持つ数多くの本質的な問題点について、全く検討していない欠陥改正法案です。
(2)このように重大な欠陥のある法案を急ぎ成立させる必要性はありません。それは、安倍首相が目指す改憲4項目発議の環境を整えるものです。また、憲法審査会を開催して与党提出の改正案の議論に応じても、自民党が抜本的な手続法改正の議論に真摯に応じる保障はなく、任期中の改憲を目指す安倍自民党は欠陥改正法案を多少の手直しで強行採決し、次は具体的な自民党改憲案の議論に突き進もうとすることは明らかです。与党提出の「公選法並び」の改正案の議論は、自民党改憲4項目提示の「呼び水」でしかありません。

Ⅳ.国会内外呼応して、安倍改憲に反対しよう

(1)私たち総がかり行動実行委員会は、安倍首相らがめざす4項目の改憲案に反対し、自民党改憲案の「提示」や「審議強行」「発議」への道を掃き清めるための憲法審査会の再始動の強行に反対します。
(2)事態は急を要しています。いまこそ、憲法改悪に反対する市民と立憲主義の立場に立つ野党は結束して、「戦争する国」への道をひらく安倍改憲に反対しましょう。全国各地の草の根から、署名運動や集会、抗議デモ、街頭宣伝、スタンディング、SNSの発信・拡散など、可能なあらゆる行動をただちに巻き起こしましょう。


  私たちは、まずは、「与党提出『公選法並び』の改憲手続法改正案は、重大な欠陥法案である」(「声明」)ことから、私たちは、安倍晋三政権の策動に対して、明確な「否」の意思表示を一人一人がしなければなりません。
 そのために、「自民党9条改憲案は9条2項を空文化して海外での戦争を可能にするもの」(「声明」)という考え方を、一人一人が獲得する必要があること。
ひいては、この安倍晋三政権による改憲が、「自民党の4項目改憲案は、いずれも改憲の必要性・合理性を欠くうえに、日本国憲法の基本原理である平和主義、主権在民、基本的人権の尊重を破壊する」(「声明」)ことを回りの人達に訴える必要があります。




by asyagi-df-2014 | 2019-10-29 08:57 | 書くことから-憲法 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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