ハンセン病の家族補償法案の骨子案が了承される。

 朝日新聞は2019年10月25日、表題について次のように報じた。


(1)ハンセン病元患者の家族の補償の仕組み作りを進めている、二つの超党派の議員懇談会の合同総会が24日開かれ、補償額を1人あたり最大180万円などとする補償法案の骨子案を了承した。6月の熊本地裁判決で請求を棄却された人や裁判に参加していない人も補償する。今後、法案化の作業を進め、開会中の臨時国会での成立を目指す。
(2)骨子案によると、補償額は元患者の親子、配偶者が1人あたり180万円、きょうだいや元患者と同居していたおい、めい、孫、ひ孫らは130万円とする。元患者のハンセン病療養所の入所歴の有無は問わず広く補償する。判決で棄却された2002年以降に家族に元患者がいると認識した人や、療養所の入所時期によって家族の関係づくりが妨げられた被害を認められなかった人も等しく補償する。厚生労働省によると、対象者は推定2万~3万人になるという。
(3)提訴後に亡くなった約20人の原告に対しては、訴訟を通してハンセン病家族の問題解決を促したとして、補償金と同様の一時金を支払うことを省令で定める。
(4)補償金の請求期限は法施行から5年間。対象者は療養所の患者台帳や戸籍などの資料で確認。確認できない場合は、外部有識者による審査会が認定する。
(5)また、元患者の名誉回復のためのハンセン病問題基本法の改正案の骨子案も了承された。元患者の家族を新たに対象に加える。
(6)会見した、林力・原告団長(95)は「元患者の家族それぞれの人生があり、これで合点する人はいない。ただ、補償金が出ることは大変ありがたい。これを契機にハンセン病問題の社会啓発、教育内容の充実に全力を注ぎたい」と話した。
(7)弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は「今回の成果は闘ってきた原告、支えてくれた市民のおかげ。ハンセン病問題の最終解決に向けての大きな一歩になった。これからは最大の目的である差別、偏見の解消のために国に総力を挙げた取り組みをさせていくという、最も困難な仕事に取り組んでいきたい」と述べた。(富田洸平、土肥修一)
(7)「国には、隔離政策を徹底したのと同じくらいの力を啓発に入れてほしい」。沖縄県に住む60代の女性原告は、そう願う。療養所に隔離された両親と1歳で離ればなれになった。6月の熊本地裁判決は、国の隔離政策で離散した親子らについて「家族関係の形成が阻害された」と認定した。だが、賠償の対象期間は沖縄以外が1960年以降なのに対し、沖縄は本土復帰の72年以降。女性は復帰前に両親と同居したため、離散についての慰謝料は認められなかった。「沖縄」を理由に区別されたことに不満が残った。「被害がなかったと言われたような気がしていて、ずっともやもやしていた。日本人として教育を受けてきたのに、なぜ今さら別に扱うのか」。それでも控訴せず、国と弁護団との議論を見守った。了承された骨子案で沖縄と他地域の区別がなくなったことに「良かった。国側にも真摯(しんし)に受け止めてもらえた」と喜んだ。
(8)元患者や家族への差別や偏見の解消は残る課題だ。「今後は元患者やその家族が住みやすい社会を作ってほしい。裁判で終わりという話ではない」。骨子案では、判決で訴えが退けられた原告や裁判に参加しなかった家族も補償の対象に。棄却された沖縄県の30代男性は「裁判に参加できなかった人も喜んでいると思う」と評価した。
(9)一方、補償額は最大180万円で、訴訟で求めた500万円とは開きがある。東北地方に住む50代の男性原告は「(受けた被害を考えれば)500万円でも足りないくらい。納得しろと言われても、すぐに『分かりました』とはならない」と複雑な胸の内を明かした。男性が1歳の頃、ハンセン病が再発した父は療養所に入り、家族ばらばらの生活を余儀なくされた。だが、判決では賠償額は抑えられた。父が療養所に近い自宅に週末だけ戻っていたためだ。「週末に帰ってきたら家族関係ができるのか」。受け入れられなかった。骨子案ではこうした区分もなくなった。額に不満は残るが、「首相が約束したとおり、国は本腰を入れて啓発に取り組んでほしい」と語った。(一條優太)


 確かに、大事なことは、「国には、隔離政策を徹底したのと同じくらいの力を啓発に入れてほしい」(朝日新聞)ということへの注視である。
 ともにすべき大事なことは、弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は「今回の成果は闘ってきた原告、支えてくれた市民のおかげ。ハンセン病問題の最終解決に向けての大きな一歩になった。これからは最大の目的である差別、偏見の解消のために国に総力を挙げた取り組みをさせていくという、最も困難な仕事に取り組んでいきたい」(朝日新聞)、ということだ。




by asyagi-df-2014 | 2019-10-25 12:49 | ハンセン病 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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