安倍晋三政権(防衛省)は、市民に対して納得のいくように説明しなければならない。

 2019年6月5日付けの琉球新報(以下、「新報」)の社説は、「生活圏近くに弾薬庫 住民の安全確保できるか」、と強く日本政府のあり方を批判した。
 どういうことなのか。
同日付で、沖縄タイムスは、次のように伝えている。


(1)沖縄県の宮古島市と石垣市に配備予定の陸上自衛隊の地対空・地対艦ミサイル(誘導弾)について、陸自武器学校の訓練資料で「直接火災に包まれた場合には1キロ以上の距離、または遮へい物のかげなどに避難する」と対策を明記していることが分かった。弾頭が火災に包まれてから、発火、爆発などの反応が起こるまでの時間「クックオフタイム」は約2分間と説明している。
(2)弾薬庫を設置する宮古島市城辺保良の半径1キロの保良(ぼら)と七又の両集落に約230世帯450人、石垣市平得大俣の半径1キロの開南集落に約20世帯50人が暮らしている。

 元航空自衛官で先島地域への陸自配備の問題点を指摘してきた軍事ジャーナリストの小西誠さんは「住民への説明では弾薬の保管量や民家との距離などの発表がなかった。危険性が分からず、不安は募る。住民が2分以内に1キロ以上離れた場所に避難できるか、も疑問だ」と話した。
(3)小西さんが情報公開で、陸自教範「火砲弾薬、ロケット弾及び誘導弾」647ページを入手した。2013年改訂版で、「88式」地対艦誘導弾の異常発生時の対処法の中で、火災に触れている。宮古、石垣には後継の「12式」を配備する可能性があり、小西さんは「88式に比べ爆発力が大きく、影響は広がるかもしれない」と分析している。
(4)防衛省は「石垣島、宮古島に計画の火薬庫では、災害防止、公共の安全確保を目的に、火薬類取締法等の関連法に基づき、十分な保安距離を確保している」と安全性を強調した。
(4)防衛省は3月、宮古島市上野野原の駐屯地に約380人の宮古警備隊を新設。地対空・地対艦ミサイル部隊約330人を19年度末にも配備予定で、保良の弾薬庫が完成すればミサイルを保管する。石垣市でも駐屯地の造成を進めている。


 つまり、考慮されなけねばならない事実は、陸自武器学校の訓練資料では、「弾頭が火災に包まれてから、発火、爆発などの反応が起こるまでの時間『クックオフタイム』は約2分間と説明」されているということ。また、「弾薬庫を設置する宮古島市城辺保良の半径1キロの保良(ぼら)と七又の両集落に約230世帯450人、石垣市平得大俣の半径1キロの開南集落に約20世帯50人が暮らしている。」ということなのである。
 したがって、「新報」は、「生活圏の近くに弾薬を保管する危険性が改めて浮き彫りにされた。国の安全を守ることを目的とする自衛隊の施設が、住民の生命・財産を脅かすとすれば本末転倒と言うしかない。」、と断じるのである。
「新報」は、「万一、火災が起きたとき、2分間で1キロ以上離れることができるのだろうか。」、と次のように指摘する。


(1)陸上自衛隊の教科書(教範)が、地対艦誘導弾(ミサイル)が火災に巻き込まれたときに発火、爆発するまでの時間は約2分で、その際は1キロ以上離れるか物陰に避難するなどの対応を取ることを指示していたのである。
(2)陸自宮古島駐屯地には2020年以降、ミサイル部隊が配備される計画になっている。これに伴い保良地区に建設される弾薬庫には地対艦・地対空ミサイルも保管される見通しだ。近くには住宅や道路などがあり、生活圏に近い。
(3)石垣島には500~600人規模のミサイル部隊を配備する計画がある。駐屯地内には誘導弾の弾薬庫が設置される予定だ。近隣には開南集落がある。


 「新報」は、「そもそも、人々が暮らす場所の近くに危険な弾薬を置くこと自体が間違っている。文字通り、爆弾を抱えた状態での生活を強いるに等しい。弾薬庫を含め配備計画を根本から見直すべきだ。」、と突きつける。
 「新報」の批判は、続けられる。。
(1)宮古島駐屯地では、住民に説明がないまま中距離多目的誘導弾(ミサイル)などの弾薬が保管されていたことが分かり、岩屋毅防衛相が謝罪した経緯がある。その後、弾薬は、島外に搬出された。保良地区に整備される予定の弾薬庫が完成した後、保管する方針だという。防衛省は住民説明会などの際、駐屯地で保管するのは小銃や発煙筒だと説明していた。結果的に、うそをついていたことになる。
(2)先島への自衛隊の配備は、南西地域の防衛態勢の強化を目的としているが、軍事拠点ができれば、攻撃目標となるリスクが生じることもまた明らかだ。
(3)だからこそ、軍事施設の建設が地域に及ぼす影響は計り知れない。そこで生活する人々にとっては、極めて重い意味を持っている。有事の際には弾薬庫が火に包まれる事態も想定される。平時にあっても、火災が起きないとは限らない。そのような場合に、近隣住民の安全を確保することはできるのだろうか。防衛省は、市民に対して納得のいくように説明すべきだ。
(4)陸上自衛隊の教範は軍事評論家の小西誠氏が情報開示請求によって入手した。各種弾薬の詳細な構造や機能、取り扱い方法を解説している。本来、火災時の対応などは、問われるまでもなく進んで公表すべき事柄だ。都合が悪いので頰かぶりを決め込んだのか。弾薬庫を設置する以上、爆発したときに周辺に及ぼす危険についても、あらかじめ住民に説明する責任が防衛省にはあるはずだ。


 どうやら、安倍晋三政権の『構造的沖縄差別』の徹底化だけは、貫徹される方針として変えないということなのか。
 「先島への自衛隊の配備は、南西地域の防衛態勢の強化を目的としているが、軍事拠点ができれば、攻撃目標となるリスクが生じることもまた明らかだ。だからこそ、軍事施設の建設が地域に及ぼす影響は計り知れない。そこで生活する人々にとっては、極めて重い意味を持っている。有事の際には弾薬庫が火に包まれる事態も想定される。平時にあっても、火災が起きないとは限らない。そのような場合に、近隣住民の安全を確保することはできるのだろうか。防衛省は、市民に対して納得のいくように説明すべきだ。」(琉球新報)の主張は、あまりに重い。




by asyagi-df-2014 | 2019-06-10 07:05 | 米軍再編 | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
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