2018年3月25日。これもまた忘れてはいけない。(2)

 2019年3月25日をどのように捉えることができるのか。
私自身は、ブログにこう書き込んだ。


「既成事実化」と「民意の無視」。
 こんなことが民主義を標榜する主権国家で許されていいはずはない。
25日に行われたことは、「玉城知事は『憤りを覚える。工事強行は地方自治を破壊する』とのコメントを出した。」(琉球新報)、とまで言わせることなのだ。 


 しかし、日本という国は、この「民意の無視」を改めようとはしない。
何故なのか。
ここでは、沖縄の二紙の社説でこのことを考える。当然この二紙の主張は、かなりの部分で重なる。
琉球新報(以下、「新報」)は2019年3月26日、「新たに土砂投入 民意尊重し工事中止せよ」、沖縄タイムス(以下、「タイムス」)は同日、「[辺野古新区域に土砂]『民意』は埋められない」、と論じた。
 まずは、「新報」の、「民主主義は、人を人として尊重することが土台だ。民意に背を向ける政府の姿勢は『人間尊重』の対極にある。これでは民主国家の名に値しない。」、との指摘を見てみる。


(1)沖縄の民意を踏みにじる政府が、その強権姿勢を一段とエスカレートさせてきた。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、政府が新たな区域への土砂投入を始めたのである。
(2)2月24日に行われた県民投票では、埋め立て反対が有効投票数の72・15%に当たる43万4273票に達した。この結果を踏まえ、玉城デニー知事が工事をやめるよう安倍晋三首相に求めたが、政府は聞く耳を持たない。
(3)言うまでもなく、民主主義は、人を人として尊重することが土台だ。民意に背を向ける政府の姿勢は「人間尊重」の対極にある。これでは民主国家の名に値しない。


 「新報」は、この主張の根拠を次のように示す。


(1)防衛省は全体で約160ヘクタールを埋め立てる計画で、昨年12月から約6・3ヘクタールの区域で土砂投入を続けている。新たに土砂を入れ始めたのは西側に隣接する約33ヘクタールの区域だ。ただ、東側の埋め立て予定海域には軟弱地盤が広がっており、政府は工期や事業費さえきちんと説明できていない。いつまでに終わるという確たる見通しもなく、費用がいくらかかるかも分からない中で、見切り発車的に埋め立てが始まった。このようなずさんな国費の投入が許されていいはずがない。
(2)新基地建設を強行する政府が錦の御旗にしているのは、「県外移設を求める」と公約していた仲井真弘多知事(当時)が2013年に一転して埋め立てを承認したことだ。仲井真氏は翌14年の知事選で、辺野古移設反対の公約を掲げた翁長雄志氏に10万票近い大差をつけられて落選した。仲井真氏の決定が、大多数の民意に反していたことは選挙結果から明らかだ。
(3)本来であれば、この時点で現行の移設計画は見直されるべきだった。県外移設が困難を伴うとみて、政府が引き続き辺野古移設を推進したのは、職責放棄、職務怠慢としか言いようがない。
(4)その後、翁長氏の死去に伴う昨年の知事選で新基地建設反対を掲げた玉城知事が誕生する。辺野古移設反対の揺るぎない民意が重ねて明確になった。さらに県民投票によって駄目押しをした形だ。
(5)だが政府は方針を変えるどころか、既成事実を積み重ねる。県民を打ちのめし、無力感を味わわせ、諦めさせようともくろんでいるのだろう。
(6)岩屋毅防衛相は「抑止力維持と基地負担軽減の両方を満たす唯一の選択肢だ」と強調した。辺野古移設ありきで完全に思考停止に陥っている。「抑止力」は政府の常套句だが、県内移設を正当化するための理屈にすぎない。軍事面から見れば、沖縄に海兵隊を展開する理由は乏しいと多くの専門家が指摘している。


 「新報」は、「25日」について、「政府は埋め立てを直ちに中止し、移設計画を根本から見直すべきだ。できない理由をあげつらうのではなく、どうすれば県内移設なしに全面返還を実現できるのか、知恵を絞ることが大切だ」、と指摘する。


 次に、「タイムス」の「安倍政権の思い上がりというほかない。」との指摘は、次のものである。


(1)辺野古新基地建設を巡り防衛省沖縄防衛局は25日、新たな区域に土砂投入を始めた。辺野古の浜では「県民大行動」が開かれ、主催者発表で約700人が参加した。プラカードや横断幕を掲げ、「民意を無視する暴挙を許さない」などと安倍政権を批判した。集会の後、カヌーチームが新区域にこぎ出し、海上保安官ともみ合いになりながら、土砂投入に抗議した。
(2)投票総数の7割超が「反対」という圧倒的な意思を示した県民投票から1カ月。安倍晋三首相は玉城デニー知事が要請した工事の1カ月程度の中止と協議を無視した。
(3)岩屋毅防衛相は25日の会見で「抑止力の維持」と「沖縄の負担軽減」の両方を満たすのが新基地で「唯一の解決策」と主張、「一日も早い普天間の返還」と何度も発言した。だがそもそも抑止力の維持と負担軽減を沖縄だけで両立させることに無理がある。なぜ九州ではだめなのか、政府はちゃんと説明責任を果たしたことがない。
(4)菅義偉官房長官も同日の会見で「普天間の一日も早い全面返還を実現するよう」と強調した。軟弱地盤の改良のため、埋め立て工事の長期化が避けられなくなっている。普天間の返還見通しが立たない状況にありながら、一日も早い普天間の返還という言葉を繰り返すのは、移設計画が破綻したことを示すと同時に、それを覆い隠そうとするもので説得力に欠ける。


 「タイムス」もまた、次のように安倍晋三政権に対して、次のように批判を加える。


(1)今回土砂投入を始めたのは、埋め立て海域南側の護岸で囲まれた約33ヘクタールの区域。昨年12月から土砂投入が続いている約6・3ヘクタールの西に隣接する。二つの区域が完全に埋め立てられれば、全体の4分の1に相当する。
(2)政府の土砂投入は新基地が実現できるかわからないまま、遮二無二埋め立てを進めようとしているとしかみえない。埋め立て工事はもともと大浦湾側から始める予定だった。それができなくなったのは埋め立て承認時には判明していなかったマヨネーズ並みといわれる軟弱地盤の存在である。
(2)政府は砂の杭(くい)約7万7千本を打ち込んで地盤改良するというが、最深90メートルの所もあり、世界で過去に例のない難工事となるのは間違いない。
(3)改良工事に向けた設計変更もできていない状態である。想定通りに進む保証はなく、政府は工期、総事業費を示すことができない。大浦湾埋め立てには着手できておらず、「新基地完成に一日たりとも近づくものではない」(県)のである。


 「タイムス」が示すものは、「民意は埋められない。」とする安倍晋三政権への強い反論である。


「43万4273人もの県民が投票場まで足を運び、「反対」の意志を示した意味は重い。安倍首相が『真摯に受け止める』という言葉とは裏腹に、県民投票結果を一切顧みず工事を強行していることに、県内ではこれまでとは異なる失望や怒り、憤まんが渦巻いている。安倍政権は県民投票で圧倒的に示された民意を甘くみていないか。」


 確かに、「2019年3月25日」は、またもや安倍晋三政権による民主主義の蹂躙である。




by asyagi-df-2014 | 2019-04-02 09:39 | 書くことから-いろいろ | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


by あしゃぎの人
画像一覧
更新通知を受け取る