松橋事件、再審で無罪判決。

 毎日新聞は2019年3月28日、表題について次のように報じた。


(1)1985年に熊本県松橋(まつばせ)町(現宇城(うき)市)で男性が刺殺された「松橋事件」の再審(裁判のやり直し)で、熊本地裁は28日、殺人罪などに問われ、懲役13年の判決が確定して服役した宮田浩喜(こうき)さん(85)に無罪判決を言い渡した。溝国禎久(みぞくによしひさ)裁判長は「犯人であることを示す証拠はなく、被告が殺害したとは認められない」と述べた。認知症で高齢者施設に入所している宮田さんは出廷できなかった。弁護団は熊本地検に上訴権(控訴)の放棄を申し入れた。
(2)殺人事件で再審無罪が言い渡されたのは、大阪市東住吉区の女児焼死火災の大阪地裁判決(2016年8月)以来。最高裁が再審開始基準を示した75年の「白鳥決定」以降では15件目とみられる。
(3)地検が上訴権を放棄すれば、無罪判決は控訴期限(14日間)を待たずに確定する。弁護団は高齢の宮田さんの健康状態を考慮して一日も早い無罪確定を求めており、地検の対応が焦点となる。
(4)宮田さんの再審公判は、今年2月8日の初公判で検察側が宮田さんの自白調書や凶器とされた小刀など有罪立証のための証拠を改めて調べるよう求めたが、溝国裁判長はいずれも却下し、即日結審していた。溝国裁判長は判決で、宮田さんに謝罪はしなかったものの「宮田さんの年齢や体調を考慮した。判決の確定から長い年月が経過しており、可能な限り早く判決を言い渡すことが最も適当であると考えた」と説明した。
(5)捜査段階で自白した宮田さんは公判中に否認に転じたが、熊本地裁は86年12月に懲役13年を言い渡し、最高裁で確定した。一方、弁護団は宮田さんが「小刀に巻き付けて使った後に燃やした」と自白したシャツ片を熊本地検で発見し、小刀と遺体の傷が合わないとする鑑定書とともに12年に再審請求。同地裁が16年に「自白の信用性が揺らいだ」と再審開始を認め、高裁、最高裁も支持した。
(6)宮田さんは当時、殺人罪とともに銃刀法違反と火薬類取締法違反の両罪でも起訴されて有罪となっており、28日の再審判決では懲役1年(求刑・懲役2年)が言い渡された。ただし既に服役を終えているため改めて懲役が科されることはない。【平川昌範】
(7)松橋事件:1985年1月8日、熊本県旧松橋町の民家で男性(当時59歳)の刺殺遺体が見つかり、3日前に男性宅にいた将棋仲間の宮田さんが逮捕、起訴された。宮田さんは1審途中から無罪を訴えたが、90年に最高裁で懲役13年が確定し、99年に仮出所した。2012年に熊本地裁に再審請求し、16年に同地裁、17年に福岡高裁、昨年10月に最高裁がそれぞれ再審開始を認めた。
(8)松橋事件の主な経過

 85年 1月 熊本県松橋町(現宇城市)で男性遺体が見つかる
       県警が宮田さんを殺人容疑で逮捕
 86年12月 熊本地裁が懲役13年の有罪判決
 88年 6月 福岡高裁が宮田さんの控訴を棄却
 90年 1月 最高裁が上告を棄却し、2月に判決確定
 99年 3月 宮田さんが仮出所
 12年 3月 宮田さんの成年後見人が再審請求
 16年 6月 熊本地裁が再審開始決定
 17年11月 福岡高裁も再審開始を支持
 18年10月 最高裁が検察側の特別抗告を棄却。再審開始確定
 19年 2月 熊本地裁で再審初公判
    3月 再審判決で無罪言い渡し(28日)



by asyagi-df-2014 | 2019-03-28 11:26 | 人権・自由権 | Comments(0)

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