沖縄-辺野古-沖縄 高江から-2019年3月24日

 琉球新報は、2月24日の沖縄県県民投票の検証記事を掲載した。
投票実施を拒んだ五市の市長や反対した議員は、24日の結果や現在の安倍晋三政権の対応をどのように受け取っているのだろうか。
 あえて言うなら、「投票率が50%を超える結果を民意ではないと否定することは、今の政府でもできない」(琉球新報)は当たり前の答えなのだが。



 沖縄で起こっていること、その現場の事実をきちんと確認すること。
 2019年も、琉球新報と沖縄タイムスの記事を、「沖縄-辺野古-高江-から」を、報告します。
 2019年3月24日、沖縄-辺野古-高江の今を、沖縄タイムス、琉球新報は次のように表した。


(1)琉球新報-検証・県民投票1ヵ月 国、民意顧みず-2019年3月24日 05:00


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2月24日に投開票された辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票から、24日で1カ月が経過した。埋め立て『反対』票が投票総数の7割を超す結果が示されながら、政府は辺野古新基地の工事を止めず、25日には新たな埋め立て区域に土砂を投入しようとしている。この国の民主主義の在り方が問われているが、国会で連日にわたり米軍普天間飛行場の辺野古移設問題が議論となるなど沖縄から起こした波紋はなお広がりを見せようとしている。また、当初は危ぶまれた全市町村での投票実施が実現し、投票率が過半数の52・48%となるなど成功を収めた一方で、投票事務を拒否していた5市の責任追及があいまいになったことを指摘する声も根強い。改めて全県実施の経緯を振り返る。」
②「県民投票の実施に必要な経費は、市町村分も含めて県が補正予算を組んで全額支出することに決まっていた。県の補正予算から市町村に交付されることに伴って、市町村議会でも手続き上、歳入と歳出を明記した補正予算案を編成して可決する必要があった。昨年12月、多くの市町村議会では補正予算が賛成多数で成立し、県民投票の実施が確定した。しかし宜野湾市議会では10対15、沖縄市は12対17、うるま市は12対16、宮古島市5対17、石垣市9対11で反対多数となって否決されたり、県民投票の関連予算を除いた修正案が可決されたりした。」
③「これを受け、5市はもう一度採決にかける『再議』にも付したが、結果は覆らなかった。5市以外でも県民投票予算案が否決された自治体はあったが、再議で可決したり、『投票の機会を奪うべきではない』との首長の判断で予算執行に踏み切ったりして、投票実施が決まっていった。」
④「県は、再議で否決された場合でも、『首長には予算を執行する義務がある』(謝花喜一郎副知事)との見解を示し、5市にも予算を執行するよう訴えた。県民投票予算は『義務的経費』に当たるため、地方自治法に基づいて市町村長に支出する権能が与えられているというのが、県側が5市に求めた根拠だ。一方、5市長は『市民の負託を受けた市議会で、2度の否決は大変重い』(桑江朝千夫沖縄市長)などとして県民投票の予算を執行せず、投票事務を実施しない意向を次々に表明。松川正則宜野湾市長は『義務経費ということで予算化し、議会に提出したので法律上やることはやった。違法とは考えていない』と、予算執行しない正当性を主張した。」
⑤「5市長が投票実施を拒んだことに対し、県は地方自治法に基づいて勧告を出した。それでも市長側は態度を変えなかった。県と市町村の対等な関係を定めた同法により、市町村に事務を強制する権限は県になく、助言や勧告、是正の要求を重ねても強制執行まではできないことを逆手に取られた格好となった。県は勧告に続き、より強い行政指導に当たる是正の要求を出すことも検討した。しかし、選択肢を3択とする条例改正を行えば5市でも投票が実施される見通しが付き、県と5市とのこれ以上の対立を避けるため、とどまった。最後は県が折れる形で全県実施を実現させた。」


(2)琉球新報-「全県」揺れた県議会 議長「3択は大局的判断」 県民投票から1ヵ月-2019年3月24日 10:44


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「5市の参加拒否が続く中で、県議会では新里米吉議長の呼び掛けにより、賛成・反対の二つだった選択肢に『どちらでもない』を加えて3択とする県民投票条例の改正案を、県政与党3会派と中立の公明と維新、そして野党の自民県議の一部も加わる賛成多数で可決した。この歩み寄りを5市が一定評価する形で全県実施に至ったが、県議の中には『首長が義務を守っていれば2択で実施できた』との不満の声もくすぶっている。」
②「『今でも県民投票は2択ですべきだったと思っている。3択は裁判で負けることに戦々恐々としていた5市長に対する、一種の助け船だった』と語るのは、県政与党会派おきなわ会派長の瑞慶覧功県議だ。県民投票で埋め立て反対の『圧倒的民意』を示そうと取り組んでいた県政与党県議らは、県民投票の事務実施を拒否する保守系5市長に対して住民訴訟の提起など対抗措置を検討しているさなかだっただけに、急浮上した与野党協議の展開に戸惑いも広がった。」
③「瑞慶覧氏は『地方自治法で定められた義務を首長の判断で拒否できるものなのか整理が必要だ。そもそも約10万筆の署名も2択を前提に集まった。有権者の3割超が参加できない事態に陥りそうになったことで、県民投票の大義がぼかされた』と問題点を挙げた。」
④「一方で、全県実施に向けた条例改正を新里議長に働き掛け、自民側にも譲歩を迫った公明の金城勉県議は『3択は与野党双方が歩み寄るための一つの手法だった。選択肢を増やしても県民投票の意義は変わらない』と混乱回避で政治が果たした役割を強調する。その一方で、公明党県本自体は自民党県連と同様に自主投票として県民投票を静観した。金城氏は『結果は予想通りで想定内だ。県本も県外国外移設を求めるスタンスは変えていないが、普天間飛行場の危険性除去を放置してはならずジレンマがある。政府は当初から県民投票に関係なく工事を進めると言っていた。県民投票の効果がどれほどのものか』と距離を置く姿勢を見せる。」
⑤「新里議長は『県民同士で割れていていいのか、本来の敵は政府だろうという声が多く寄せられていた。決定的な時に大同団結するのがウチナーンチュだろう。2択か3択かの議論ではなく、全県実施のために県議会は何ができるのかという沖縄総体としての大局的な判断で多くの人が動いてくれた』と総括する。『どちらでもない』の選択肢については『多数になる選択肢ではない。むしろ賛成か反対かで意思表示できない人は棄権するしかないが、これで投票に行けるようになったのなら投票率にも一定影響あるだろう。投票率が50%を超える結果を民意ではないと否定することは、今の政府でもできない』とした。」


(3)琉球新報-「5市長、法を悪用」 識者ら「不参加表明」批判 県民投票から1ヵ月-2019年3月24日 10:59


 琉球新報は、表題について次のように報じた。


①「2000年4月、地方分権一括法が施行され、地方自治法が改正された。国と地方の役割分担の明確化、機関委任事務制度の廃止、国の関与のルール化などが図られた。改正自治法252条の17の2では、条例の定めにより、知事権限の事務の一部を市町村が処理することができると規定された。それに際しあらかじめ県と市町村が協議することも定められた。」
②「県は地方自治法に基づき、県民投票条例で投票資格者名簿の調製、投票と開票の実施その他規則で定めるものを市町村が処理することと定めた。同法と条例に基づく手続きで市町村に事務を移譲し、市町村は事務を処理する義務を負うものであるとした。ただ、同法では知事が市町村長に事務を強制することはできず、市町村長が規定を守らない場合でも罰則はない。1996年の自治法改正前の県民投票では、投開票などの事務は機関委任事務だった。今回は市町村の自治事務となるため、市町村長による県民投票への『不参加』表明を可能にした。」
③「5市長の表明は、法律が理念にそぐわない形で運用される問題を露呈させたと行政法の専門家は指摘した。千葉大学名誉教授の新藤宗幸氏は5市長の行為について『地方自治法の悪用だ』と断じた。地方自治法の改正では、国と自治体の関係を『上下』から『対等・平等』へ改め、都道府県と市町村の関係も『対等・平等』と位置付けた。その理念は、都道府県と市町村の協調関係を基にして、中央政府に対抗する地方政府を築き、地方自治を確立するためだったという。現行の自治法では、県が市町村に県民投票事務の実施を命じることもできないと指摘した。」
④「ほかの有識者からも法律や憲法の違反という指摘が相次いだ。琉球大学の島袋純教授は5市の行為について『参政権の重大な侵害だ』とし、首都大学東京の木村草太教授は、市町村によって投票できないのは平等権の侵害であり、表現の自由をも奪う行為だと言及した。」


(4)沖縄タイムス-「沖縄を守ろう」ローラが、クイーンが… 個人の思い拡散 SNSが変えた情報の広がり方-2019年3月24日 06:34
-幻想のメディア SNSの民主主義(15)第2部 配信の仕組み-

 沖縄タイムスは、表題について次のように報じた。


①「2018年12月8日、ハワイ在住で県系4世の作曲家ロブ・カジワラさん(32)が、インターネット上で県民投票(19年2月24日)実施まで、沖縄県名護市辺野古の新基地建設の工事停止を求める電子署名の呼び掛けを始めた。自身のルーツがある沖縄で、名護市辺野古に新たな基地が造られようとしている。その作業を止めたいとの思いだった。」
②「米ホワイトハウス嘆願書サイトでの署名を開始した当時、カジワラさんのツイッターのフォロワーは270人。しかし投稿は県出身者を中心にあっという間に広がり、初日だけで千回も「リツイート」(転載)された。5日後、本紙が署名を話題にしたブログをツイッターで見つけて記事に。同日は琉球新報も署名について報じた。3日後、沖縄出身のタレント、りゅうちぇるさんが、署名について報じた地元紙のニュースを『リツイート』した。」
③「個人が発信したSNSを地元メディアが扱ったことで、署名活動が「ニュース」として再びSNSに逆流した形だ。りゅうちぇるさんのリツイートからさらに2日後、フジテレビが全国放送で初めて署名の動きを報じた。その後、モデルのローラさんがインスタグラムで『沖縄を守ろう』と署名を紹介した。フォロワー数530万人のローラさんの呼び掛けは、注目されそうな話題をまとめる『トレンドブログ』で扱われた。トレンドブログは発信者不明のことが多い。ここで、署名の経緯や署名に関するツイッターの反応などがまとめて紹介された。」
④「この時点で署名開始から10日間。署名は目標の10万件を達成した。個人の発信に加えネット上での影響力が大きい『インフルエンサー』と呼ばれる芸能人らが加わったことで、情報の拡散はさらに勢いづいた。」
⑤「年が明け19年1月7日、英ロックバンド『クイーン』メンバーのブライアン・メイさんも署名の呼び掛けに加わり、国内外のメディアの注目を集めた。」
⑥「呼び掛け開始から1カ月後には署名数は約20万人に。署名締め切りのころにはリツイート数は、約2万5千まで伸びた。カジワラさんは『SNSなしに署名の成功はなかった。SNSがなかった世代は、こうした運動はできなかったのではないか』と振り返る。」
⑦「マスメディアが独占していた情報の発信が、SNSの登場で一気に変わったことを物語っていた。」
⑧「平成元年の1989年、日本のインターネットの基礎ができ、ニュースの仕組みは大きく変わった。朝日新聞が全国紙として初めてウェブサイトを開設したのはそれから6年後の95年。その後、各新聞社や雑誌社もサイトをスタートさせ、ネットを通じてニュースが読めるようになった。現在、マスメディアの多くは、ニュースサイトの『ヤフー』やニュースのキュレーションアプリ『スマートニュース』などに情報を配信している。」
⑨「ロブ・カジワラさんの署名活動は、個人のSNS発信をブログなどの『ミドルメディア』が扱い、マスメディアが取り上げた。それがSNSやミドルメディアで再び話題となることで拡散していった。」
⑩「ソーシャルメディアに詳しい法政大学の藤代裕之准教授は、ネットにさまざまなメディアが存在するようになったことで『地域や個人の話題などを、多くの人に届けることができるようになった。今回の署名の広がりはメディア環境が大きく変化したことを示す事例の一つ』と説明する。『ネットのメディアでニュースが循環する背景には、情報へのアクセス数の多さが、発信するメディアの広告収入に直結していることがある』と指摘。『』ネットの広告収入を得ようとして稼げるニュースを配信した結果、誤報やフェイクニュースが広がる原因にもなっている。個人もメディアも、事実を確認し、ネットに正確な情報を提供するという役割を見つめ直す時が来ている』と話した。」           (「幻想のメディア取材班」)
⑪「『幻想のメディア』第2部では、市民がSNSなどの新たなメディアを手にした社会で、あふれる情報との向き合い方を考える。」






by asyagi-df-2014 | 2019-03-25 12:14 | 沖縄から | Comments(0)

壊される前に考えること。そして、新しい地平へ。「交流地帯」からの再出発。


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